JP6460754B2 - 波浪中抵抗増加軽減船首形状及び波浪中抵抗増加軽減船首形状を有した船舶 - Google Patents

波浪中抵抗増加軽減船首形状及び波浪中抵抗増加軽減船首形状を有した船舶 Download PDF

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Description

本発明は、船舶の波浪中抵抗増加を軽減する波浪中抵抗増加軽減船首形状及び波浪中抵抗増加軽減船首形状を有した船舶に関する。
肥大船などの船舶に設けられる船首バルブは、バラスト状態では海面から露出するため、バラスト状態での走行時において波浪中抵抗増加の原因となる。
ここで、特許文献1には、肥形船型において、船首垂線がバラスト状態の吃水面とその吃水面にほぼ垂直に形成された船首材前縁との交点よりも後方に位置し、バラスト状態における船首吃水に略等しい直径の球状バルブがバラスト状態の吃水線下において船首材前縁よりも前方へ突設するようにして、推進性能を向上させることが開示されている。
また、特許文献2には、肥大船において、バラスト走行時に水中に没しない上面を有する満載用バルブと、この満載用バルブの先に突出して設けられてバラスト走行時に完全に水没するバラスト用バルブとを備え、かつ、バラスト用バルブのバラスト吃水での水線形状が、船体部とほぼ直線的につながっているとともに先端で尖らせることにより、バラスト走行時の船体抵抗を減少させることが開示されている。
また、特許文献3には、満載吃水状態での航行時における造波抵抗を減少させる第1の船首バルブと、第1の船首バルブの下方に配設されバラスト吃水状態での航行時における造波抵抗を減少させる第2の船首バルブを備えた船首バルブ付き船型が開示されている。
実公昭49−31352号公報 特開昭61−291286号公報 実願昭58−25430号(実開昭59−131394号)のマイクロフィルム
ところで、バラスト状態での走行時において、船速や波高が変わると船首バルブへの波のかかり方が変わる。図12は従来形状の船首バルブを有する船舶の船首部の側面図である。例えばこの図に示すように、船首部10において、船速が高速のときに波高が大きい波Xが来ると船首バルブの上部にかかり、船速が中速のときに波高がやや大きい波Xが来ると船首バルブの中央部にかかり、船速が低速のときに波高が小さい波Xが来ると船首バルブの下部にかかる。また、従来、波浪中抵抗は船速に対し単調増加すると考えられていた。
これに対し、発明者らは、船首バルブを有した船舶についての実験の結果、図13の船速−波浪中抵抗増加の関係に示す通り、波浪中抵抗は一定の船速までは単調増加するが、その一定の船速を越えると単調減少することを見出した。図13において、横軸はフルード数(Fn)で示した船速であり、縦軸は波浪中抵抗増加係数(KAW)である。Fn=0.13までは波浪中抵抗増加係数(KAW)が単調増加し、Fn=0.13を超えると単調減少していることが分かる。
このように一定の船速を越えると波浪中抵抗が単調減少するのは、波は船速が遅いときは船首バルブを乗り越えられないが、船速が速いときは波高が高くなり船首バルブを乗り越えることができるためであり、波浪や静的水位上昇位置を考慮したバルブ形状とすることによって波浪中抵抗増加を軽減できると考えられる。
しかし、特許文献1から特許文献3に記載の発明は、いずれも波浪や静的水位上昇位置に着目したバルブ形状によって波浪中抵抗増加を軽減させるものではない。
そこで、本発明は、波浪や静的水位上昇位置に着目して、船舶がバラスト状態であっても波浪中抵抗増加を軽減できる、波浪中抵抗増加軽減船首形状及び波浪中抵抗増加軽減船首形状を有した船舶を提供することを目的とする。
請求項1記載に対応した波浪中抵抗増加軽減船首形状においては、 船舶の船首部に船首バルブを有する船首形状であって、船首バルブのステムラインを上下2段に形成し、下段バルブを上段バルブよりも前方に突出させるとともに、下段バルブの上面が、船舶のバラスト状態での走行時に、船舶毎の代表的な速度として設計時に設定されている航海速力で波の無い状態である平水中を走行するときに生じる水面の盛り上がり位置であるバラスト状態・静的水位上昇位置よりも上方で、かつ航海速力での走行時に波浪が下段バルブの上面を乗り越える位置となるように形成したことを特徴とする。請求項1に記載の本発明によれば、バラスト状態での走行時に、航海速力(高速)のときは船首バルブにかかる波が小さい場合でも下段バルブを波が乗り越えることができ、また、低速〜中速力のときでも船首バルブにかかる波が大きい場合には下段バルブを波が乗り越えることができる。したがって、バラスト状態での航海速力(高速)走行時に波浪中での抵抗増加が大きくなってしまう要因である小さい波〜大きい波、また低速〜中速力での大きい波に対して、波浪が下段バルブの上面を乗り越えることができるので、波浪中抵抗増加を軽減することができる。
請求項2記載の本発明は、ステムラインの下段バルブの先端上部の変曲部位を、船舶のバラスト状態での静止時の静止水面位置よりも上方に位置するように形成したことを特徴とする。請求項2に記載の本発明によれば、バラスト状態での波浪中の走行時において、船首バルブを波が乗り越えることによる波浪中抵抗増加軽減効果を確実に得ることができる。
請求項3記載の本発明は、下段バルブの上面が後方に向けて先端上部から一旦上昇した後、下降し再び上昇して上段バルブに繋がるグーズネック形状を成していることを特徴とする。請求項3に記載の本発明によれば、波の乗り上げ部である下段バルブの上面をより広くすることができる。
請求項4記載の本発明は、上段バルブの上面を、船舶の満載状態での走行時に、航海速力で波の無い状態である平水中を走行するときに生じる水面の盛り上がり位置である満載状態・静的水位上昇位置よりも下方に位置するように形成したことを特徴とする。請求項4に記載の本発明によれば、満載状態での走行時において、船首バルブによる造波抵抗減少効果を確実に得ることができる。
請求項5記載の本発明は、上段バルブを部分的に前方に再突出させたことを特徴とする。請求項5に記載の本発明によれば、上段バルブの波が乗り上がる部分を広くすることができ、上段バルブを乗り越える大きい波が発生する状態において、船首バルブによる波浪中抵抗軽減効果を高めることができる。また、満載状態での走行時において、船首バルブによる造波抵抗減少効果を従来型船首バルブと同等に維持することができる。
請求項6記載に対応した波浪中抵抗増加軽減船首形状においては、船舶の船首部に船首バルブを有する船首形状であって、船首バルブのフレームラインを上下2段に形成し、下段バルブを上段バルブよりも幅方向に張り出させるとともに、下段バルブの上面が、船舶のバラスト状態での走行時に、船舶毎の代表的な速度として設計時に設定されている航海速力で波の無い状態である平水中を走行するときに生じる水面の盛り上がり位置であるバラスト状態・静的水位上昇位置よりも上方で、かつ航海速力での走行時に波浪が下段バルブの上面を乗り越える位置となるように形成したことを特徴とする。請求項6に記載の本発明によれば、バラスト状態での走行時に、航海速力(高速)のときは船首バルブにかかる波が小さい場合でも下段バルブを波が乗り越えることができ、また、低速〜中速力のときでも船首バルブにかかる波が大きい場合には下段バルブを波が乗り越えることができる。したがって、バラスト状態での航海速力(高速)走行時に波浪中での抵抗増加が大きくなってしまう要因である小さい波〜大きい波、また低速〜中速力での大きい波に対して、波浪が下段バルブの上面を乗り越えることができるので、波浪中抵抗増加を軽減することができる。
請求項7記載の本発明は、フレームラインの下段バルブの両側上端部の変曲部位を、船舶のバラスト状態での静止時の静止水面位置よりも上方に位置するように形成したことを特徴とする。請求項7に記載の本発明によれば、バラスト状態での波浪中の走行時において、船首バルブを波が乗り越えることによる波浪中抵抗増加軽減効果を確実に得ることができる。
請求項8記載の本発明は、下段バルブの上面が幅方向に向けて、先端側が隆起し後端側が沈降する形状を成していることを特徴とする。請求項8に記載の本発明によれば、波の乗り上げ部である下段バルブの上面をより広くすることができる。
請求項9記載の本発明は、上段バルブの上面を、船舶の満載状態での走行時に、航海速力で波の無い状態である平水中を走行するときに生じる水面の盛り上がり位置である満載状態・静的水位上昇位置よりも下方に位置するように形成したことを特徴とする。請求項9に記載の本発明によれば、満載状態での走行時において、船首バルブによる造波抵抗減少効果を確実に得ることができる
求項10記載の本発明は、上段バルブを部分的に幅方向に再張り出しさせたことを特徴とする。請求項10に記載の本発明によれば、上段バルブの波が乗り上がる部分を広くすることができ、上段バルブを乗り越える大きい波が発生する状態において、船首バルブによる波浪中抵抗軽減効果を高めることができる。また、満載状態での走行時において、船首バルブによる造波抵抗減少効果を従来型船首バルブと同等に維持することができる。
請求項11記載の本発明は、船首バルブに造波を誘起させる突起を形成したことを特徴とする。請求項11に記載の本発明によれば、突起により船首バルブにかかる波が誘起され、中速、低速時であっても船首バルブを波が乗り越えやすくなるので、波浪中抵抗増加軽減効果を大きくすることができる。
請求項12記載の本発明は、突起を船舶の幅方向に収納、張り出し可能に構成したことを特徴とする。請求項12に記載の本発明によれば、例えば突起が水面より下方となる場合などは収納し、突起による摩擦抵抗増加を軽減することができる。
請求項13記載に対応した波浪中抵抗増加軽減船首形状を有した船舶においては、波浪中抵抗増加軽減船首形状を採用したことを特徴とする。請求項13に記載の本発明によれば、船舶において、波浪中抵抗増加を軽減することができる。
請求項14記載の本発明は、船舶が肥大船であることを特徴とする。請求項14に記載の本発明によれば、肥大船において、波浪中抵抗増加を軽減することができる。
請求項15記載の本発明は、船舶の速度設定手段を、航海速力(高速)を含めた波浪中抵抗増加軽減に対応した速力が設定可能な構成としたことを特徴とする。請求項15に記載の本発明によれば、波浪が下段バルブの上面を乗り越える位置となるような船の速力を容易に設定することができる。したがって、船首バルブによる波浪中抵抗増加軽減効果を確実に得ることができる。
本発明によれば、バラスト状態での走行時に、航海速力(高速)のときは船首バルブにかかる波が小さい場合でも下段バルブを波が乗り越えることができ、また、低速〜中速力のときでも船首バルブにかかる波が大きい場合には下段バルブを波が乗り越えることができる。したがって、バラスト状態での航海速力(高速)走行時に波浪中での抵抗増加が大きくなってしまう要因である小さい波〜大きい波、また低速〜中速力での大きい波に対して、波浪が下段バルブの上面を乗り越えることができるので、波浪中抵抗増加を軽減することができる。
また、ステムラインの下段バルブの先端上部の変曲部位を、船舶のバラスト状態での静止時の静止水面位置よりも上方に位置するように形成した場合には、バラスト状態での波浪中の走行時において、船首バルブを波が乗り越えることによる波浪中抵抗増加軽減効果を確実に得ることができる。
また、下段バルブの上面が後方に向けて先端上部から一旦上昇した後、下降し再び上昇して上段バルブに繋がるグーズネック形状を成している場合には、波の乗り上げ部である下段バルブの上面をより広くすることができる。
また、上段バルブの上面を、船舶の満載状態での走行時に、航海速力で波の無い状態である平水中を走行するときに生じる水面の盛り上がり位置である満載状態・静的水位上昇位置よりも下方に位置するように形成した場合には、満載状態での走行時において、船首バルブによる造波抵抗減少効果を確実に得ることができる。
また、上段バルブを部分的に前方に再突出させた場合には、上段バルブの波が乗り上がる部分を広くすることができ、上段バルブを乗り越える大きい波が発生する状態において、船首バルブによる波浪中抵抗軽減効果を高めることができる。また、満載状態での走行時において、船首バルブによる造波抵抗減少効果を従来型船首バルブと同等に維持することができる。
また、船舶の船首部に船首バルブを有する船首形状であって、船首バルブのフレームラインを上下2段に形成し、下段バルブを上段バルブよりも幅方向に張り出させるとともに、下段バルブの上面が、船舶のバラスト状態での走行時に船舶毎の代表的な速度として設計時に設定されている航海速力で波の無い状態である平水中を走行するときに生じる水面の盛り上がり位置であるバラスト状態・静的水位上昇位置よりも上方で、かつ航海速力での走行時に波浪が下段バルブの上面を乗り越える位置となるように形成した場合には、バラスト状態での走行時に、航海速力(高速)のときは船首バルブにかかる波が小さい場合でも下段バルブを波が乗り越えることができ、また、低速〜中速力のときでも船首バルブにかかる波が大きい場合には下段バルブを波が乗り越えることができる。したがって、バラスト状態での航海速力(高速)走行時に波浪中での抵抗増加が大きくなってしまう要因である小さい波〜大きい波、また低速〜中速力での大きい波に対して、波浪が下段バルブの上面を乗り越えることができるので、波浪中抵抗増加を軽減することができる。
また、フレームラインの下段バルブの両側上端部の変曲部位を、船舶のバラスト状態での静止時の静止水面位置よりも上方に位置するように形成した場合には、バラスト状態での波浪中の走行時において、船首バルブを波が乗り越えることによる波浪中抵抗増加軽減効果を確実に得ることができる。
また、下段バルブの上面が幅方向に向けて、先端側が隆起し後端側が沈降する形状を成している場合には、波の乗り上げ部である下段バルブの上面をより広くすることができる。
また、上段バルブの上面を、船舶の満載状態での走行時に、航海速力で波の無い状態である平水中を走行するときに生じる水面の盛り上がり位置である満載状態・静的水位上昇位置よりも下方に位置するように形成した場合には、満載状態での走行時において、船首バルブによる造波抵抗減少効果を確実に得ることができる
た、上段バルブを部分的に幅方向に再張り出しさせた場合には、上段バルブの波が乗り上がる部分を広くすることができ、バラスト状態での航海速力走行時など、上段バルブを乗り越える大きい波が発生する状態において、船首バルブによる波浪中抵抗軽減効果を高めることができる。また、満載状態での走行時において、船首バルブによる造波抵抗減少効果を従来型船首バルブと同等に維持することができる。
また、船首バルブに造波を誘起させる突起を形成した場合には、突起により船首バルブにかかる波が誘起され、中速・低速時であっても船首バルブを波が乗り越えやすくなるので、波浪中抵抗増加軽減効果を大きくすることができる。
また、突起を船舶の幅方向に収納、張り出し可能に構成した場合には、例えば突起が水面より下方となる場合などは収納し、突起による摩擦抵抗増加を軽減することができる。
また、船舶に波浪中抵抗増加軽減船首形状を採用した場合には、船舶において、波浪中抵抗増加を軽減することができる。
また、船舶が肥大船である場合には、肥大船において、波浪中抵抗増加を軽減することができる。
また、船舶の速度設定手段を、航海速力(高速)を含めた波浪中抵抗増加軽減に対応した速力が設定可能な構成とした場合には、波浪が下段バルブの上面を乗り越える位置となるような船の速力を容易に設定することができる。したがって、船首バルブによる波浪中抵抗増加軽減効果を確実に得ることができる。
本発明の一実施形態による波浪中抵抗増加軽減船首形状を示す図 同波浪中抵抗増加軽減船首形状における船速と波浪の関係を説明する図 同波浪中抵抗増加軽減船首形状における波高の定義を説明する図 同波浪中抵抗増加軽減船首形状による波浪中抵抗増加軽減を示す図 本発明の他の実施形態による波浪中抵抗増加軽減船首形状を示す図 本発明の更に他の実施形態による波浪中抵抗増加軽減船首形状を示す図 本発明の更に他の実施形態による波浪中抵抗増加軽減船首形状を示す図 本発明の更に他の実施形態による波浪中抵抗増加軽減船首形状を示す図 本発明の更に他の実施形態による波浪中抵抗増加軽減船首形状を示す図 本発明の更に他の実施形態による波浪中抵抗増加軽減船首形状を示す図 本発明の更に他の実施形態による波浪中抵抗増加軽減船首形状を示す図 従来の形状の船首バルブにかかる波の状態を示す図 従来の形状の船首バルブにおける船速−波浪中抵抗増加の関係を示す図
以下に、本発明の実施形態による波浪中抵抗増加軽減船首形状及び波浪中抵抗増加軽減船首形状を有した船舶について説明する。
図1は本発明の一実施形態による波浪中抵抗増加軽減船首形状を示す図であり、図1(a)は側面図、図1(b)は正面図である。また、図2は同波浪中抵抗増加軽減船首形状における船速と波浪の関係を説明する図、図3は同波浪中抵抗増加軽減船首形状における波高の定義を説明する図、図4は同波浪中抵抗増加軽減船首形状による波浪中抵抗増加軽減を示す図である。
図1に示すように、本実施形態の波浪中抵抗増加軽減船首形状は、船舶の船首部10に船首バルブ20を有する船首形状である。なお、図1(a)及び(b)において、Bはバラスト状態での喫水線である静止時の静止水面位置を、Cは満載喫水線を示し、図1(b)において、一点鎖線Yは船体中心線を示している。
船首バルブ20のステムライン11を上下2段に形成し、下段バルブ21を上段バルブ22よりも前方に突出させるとともに、下段バルブ21の上面21aが、船舶のバラスト状態での走行時に、船舶毎の代表的な速度として設計時に設定されている航海速力(高速)で波の無い状態である平水中を走行するときに生じる水面の盛り上がり位置であるバラスト状態・静的水位上昇位置Aよりも上方で、かつ航海速力での走行時に波浪(波高が小さい波Xs〜波高が大きい波X)が下段バルブ21の上面21aを乗り越える位置となるように形成される。
図1において、破線210は従来型船首バルブ(1段)の形状を仮想的に示している。 先に説明したように、バラスト状態での走行時において、船速や波高が変わると船首バルブへの波のかかり方が変わり、船速が高速になるほど、また波高が大きくなるほど船首バルブの上部に波がかかりやすくなる。しかし、従来型船首バルブの形状では、船首バルブの上面が高い位置にあるため、波高が大きい波Xが発生する状態であっても、船舶が低〜中速力で走行するときには、波は船首バルブを乗り越えることができない。また、船舶が高速(航海速力)で走行するときであっても、波高がやや大きい波X又は波高が小さい波Xが発生する状態の場合には、波は船首バルブを乗り越えることができない。
これに対し、本実施形態においては、上記のようにバラスト状態・静的水位上昇位置Aと波浪を考慮して船首バルブ20を上下2段に形成しているので、波高が大きい波Xが発生する状態において、船舶が高速(航海速力)で走行するときは大きい波Xは上段バルブ22の上面22aを乗り越えることができ(図2(a))、船舶が低〜中速力で走行するときは波高が大きい波Xは下段バルブ21の上面21aを乗り越えることができる(図2(b)、(c))。また、波高がやや大きい波Xが発生する状態において、船舶が高速(航海速力)で走行するときはやや大きい波Xは下段バルブ21の上面21aを乗り越えることができ(図2(d))、船舶が低〜中速力で走行するときもやや大きい波Xは下段バルブ21の上面21aを乗り越えることができる(図2(e)、(f))。また、波高が小さい波Xが発生する状態において、船舶が低〜中速力で走行するときは波高が小さい波Xは下段バルブ21の上面21aを乗り越えることができないが(図2(h)、(i))、船舶が高速(航海速力)で走行するときは波高が小さい波Xであっても下段バルブ21の上面21aを乗り越えることができる(図2(g))。
なお、波高が大きい波・小さい波とは、図3に示すように、下段バルブ21の高さをhBとすると、概ね波高がhB/2よりも高い場合を「波高が大きい波X」、低い場合を「波高が小さい波X」とする。また、「波高がやや大きい波XM」として、「波高が大きい波X」と「波高が小さい波X」の中間である波高がhB/2前後の波を言う場合もある。
また、大きい波Xの波高をも超える「非常に大きい波」が発生する状態においては、低速〜中速力のときでも波は上段バルブ22の上面22aを乗り越えることもある。
このように、バラスト状態での走行時に、航海速力(高速)のときは船首バルブ20にかかる波が小さい場合でも下段バルブ21を波(波高が小さい波X)が乗り越えることができ、また、低速〜中速力のときでも船首バルブ20にかかる波が大きい場合には下段バルブ21を波(波高が大きい波X、波高がやや大きい波X)が乗り越えることができる。したがって、バラスト状態での航海速力(高速)走行時に波浪中での抵抗増加が大きくなってしまう要因である小さい波X、波高が大きい波X、また低速〜中速力での波高が大きい波Xに対して、波浪が下段バルブ21の上面21aを乗り越えることができるので、図4に示すように、航海速力(高速)で走行するときだけでなく、低〜中速で走行するときにも従来型船首バルブに比べて波浪中抵抗増加を軽減することができる。
また、本実施形態においては、ステムライン11の下段バルブ21の先端上部の変曲部位30を、船舶のバラスト状態での静止時の静止水面位置Bよりも上方に位置するように形成している。このように形成することで、バラスト状態での波浪中の走行時において、船首バルブ20を波が乗り越えることによる波浪中抵抗増加軽減効果を確実に得ることができる。
また、従来型船首バルブの先端側の一部を切り取るようにして船首バルブ20を上下2段に形成しているので、従来型船首バルブを船舶に適用する場合と比べて船長は変わらない。
さらに、本実施形態においては、、上段バルブ22の上面22aを、船舶の満載状態での走行時に、航海速力(高速)で波の無い状態である平水中を走行するときに生じる水面の盛り上がり位置である満載状態・静的水位上昇位置Aよりも下方に位置するように形成している。満載状態・静的水位上昇位置Aよりも下方に位置するように上段バルブ22の上面22aを形成することで、満載状態での走行時において、船首バルブ20による造波抵抗減少効果を確実に得ることができる。
図5は本発明の他の実施形態による波浪中抵抗増加軽減船首形状を示す図であり、図5(a)は側面図、図5(b)は正面図である。なお、上記実施形態と同一機能部材には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態は、下段バルブ21を上段バルブ22よりも前方に突出させて船首バルブ20のステムライン11を上下2段に形成し、さらに、上段バルブ22の先端上部を前方へ突出させている。なお、上段バルブ22の突出させた先端上部の部分は、下段バルブ21の先端よりも前方には突出していない。
このように、上段バルブ22を部分的に前方に再突出させることによって、上段バルブ22の波が乗り上がる部分である上面22aを広くすることができ、バラスト状態での航海速力走行時に上段バルブ22を乗り越える波高が大きい波Xが発生する状態において、船首バルブ20による波浪中抵抗軽減効果を高めることができる。また、満載状態での走行時において、船首バルブ20による造波抵抗減少効果を従来型船首バルブと同等に維持することができる。
図6は本発明の更に他の実施形態による波浪中抵抗増加軽減船首形状を示す側面図である。なお、上記実施形態と同一機能部材には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態は、下段バルブ21の上面21aが後方に向けて先端上部から一旦上昇した後、下降し再び上昇して上段バルブ22に繋がるグーズネック形状を成している。つまり、下段バルブ21の上面21aは、先端側が隆起し後端側が沈降している。
このように形成することで、波の乗り上げ部である下段バルブ21の上面21aをより広く、換言すると波が乗り上がる面積を大きくすることができる。
図7は本発明の更に他の実施形態による波浪中抵抗増加軽減船首形状を示す図であり、図7(a)は側面図、図7(b)は正面図、図7(c)は上面図である。なお、上記実施形態と同一機能部材には同一符号を付して説明を省略する。
図7に示すように、本実施形態の波浪中抵抗増加軽減船首形状は、船舶の船首部10に船首バルブ120を有する船首形状である。
船首バルブ120のフレームライン111を上下2段に形成し、下段バルブ121を上段バルブ122よりも幅方向に張り出させるとともに、下段バルブ121の上面121aが、船舶のバラスト状態での走行時に、船舶毎の代表的な速度として設計時に設定されている航海速力(高速)で波の無い状態である平水中を走行するときに生じる水面の盛り上がり位置であるバラスト状態・静的水位上昇位置Aよりも上方で、かつ航海速力での走行時に波浪(波高が小さい波Xs〜波高が大きい波X)が下段バルブ121の上面121aを乗り越える位置となるように形成される。
図7(b)及び図7(c)において、破線210は従来型船首バルブ(1段)の形状を仮想的に示している。
バラスト状態での走行時において、破線210で示す従来型船首バルブの形状では、船首バルブの上面が高い位置にあるため、波高が大きい波Xが発生する状態であっても、船舶が低〜中速力で走行するときには、波は船首バルブを乗り越えることができない。また、船舶が高速(航海速力)で走行するときであっても、波高がやや大きい波X又は小さい波Xが発生する状態の場合には、波は船首バルブを乗り越えることができない。
これに対し、本実施形態においては、上記のようにバラスト状態・静的水位上昇位置Aと波浪を考慮して船首バルブ120を上下2段に形成しているので、図1〜図4を用いて説明した船首バルブ20のステムライン11を上下2段に形成したときと同様に、波高が波高が大きい波Xが発生する状態において、船舶が高速(航海速力)で走行するときは波高が大きい波Xは上段バルブ122の上面122aを乗り越えることができ、船舶が低〜中速力で走行するときは波高が大きい波Xは下段バルブ121に形成した波の乗り上げ部である上面121a(図7(c)斜線部分)を乗り越えることができる。また、波高がやや大きい波Xが発生する状態において、船舶が高速(航海速力)で走行するときはやや大きい波Xは下段バルブ121の上面121aを乗り越えることができ、船舶が低〜中速力で走行するときもやや大きい波Xは下段バルブ121の上面121aを乗り越えることができる。また、波高が小さい波Xが発生する状態において、船舶が低〜中速力で走行するときは波高が小さい波Xは下段バルブ121の上面121aを乗り越えることができないが、船舶が高速(航海速力)で走行するときは波高が小さい波Xであっても下段バルブ121の上面121aを乗り越えることができる。
なお、波高が大きい波Xの波高をも超える「非常に大きい波」が発生する状態においては、低速〜中速力のときでも波は上段バルブ122の上面122aを乗り越えることもある。
このように、バラスト状態での走行時に、航海速力(高速)のときは船首バルブ120にかかる波が小さい場合でも下段バルブ121を波(波高が小さい波X)が乗り越えることができ、また、低速〜中速力のときでも船首バルブ120にかかる波が大きい場合には下段バルブ121を波(波高が大きい波X、波高がやや大きい波X)が乗り越えることができる。したがって、バラスト状態での航海速力(高速)走行時に波浪中での抵抗増加が大きくなってしまう要因である波高が小さい波X、波高が大きい波X、また低速〜中速力での波高が大きい波Xに対して、波浪が下段バルブ121の上面121aを乗り越えることができるので、航海速力(高速)で走行するときだけでなく、低〜中速力で走行するときにも従来型船首バルブに比べて波浪中抵抗増加を軽減することができる。
また、上段バルブ122を三角形状に形成できるので、波から受ける抵抗をさらに少なくすることができる。
また、本実施形態においては、フレームライン111の下段バルブ121の両側の上端部の変曲部位130を、船舶のバラスト状態での静止時の静止水面位置Bよりも上方に位置するように形成している。このように形成することで、バラスト状態での波浪中の走行時において、船首バルブ120を波が乗り越えることによる波浪中抵抗増加軽減効果を確実に得ることができる。
また、従来型船首バルブの側端側の一部を切り取るようにして船首バルブ120を上下2段に形成しているので、従来型船首バルブを船舶に適用する場合と比べて船幅は変わらない。
さらに、本実施形態においては、上段バルブ122の上面122aを、船舶の満載状態での走行時に、航海速力(高速)で波の無い状態である平水中を走行するときに生じる水面の盛り上がり位置である満載状態・静的水位上昇位置Aよりも下方に位置するように形成している。満載状態・静的水位上昇位置Aよりも下方に位置するように上段バルブ122の上面122aを形成することで、満載状態での走行時において、船首バルブ120による造波抵抗減少効果を確実に得ることができる。
図8は本発明の更に他の実施形態による波浪中抵抗増加軽減船首形状を示す図であり、図8(a)は上面図、図8(b)は正面図である。なお、上記実施形態と同一機能部材には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態は、下段バルブ121を平面視した状態での接線の成す角度として、上部の角度を下部の角度よりも大きく設定している。このように設定することで、下段バルブ121の、波が乗り上がる部分である上面121aを広くすることができ、低速〜中速力で走行するときの波浪中抵抗増加をさらに軽減することができる。
図9は本発明の更に他の実施形態による波浪中抵抗増加軽減船首形状を示す図であり、図9(a)は上面図、図9(b)は正面図である。なお、上記実施形態と同一機能部材には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態は、下段バルブ121を上段バルブ122よりも幅方向に張り出させて船首バルブ120のフレームライン111を上下2段に形成し、さらに、上段バルブ122の側端上部を幅方向へ張り出してフレームライン111を上下2段に形成している。なお、上段バルブ122の張り出した側端上部の部分は、下段バルブ121の側端よりも外側方には張り出していない。
このように、上段バルブ122を部分的に幅方向に再張り出しさせることによって、上段バルブ122の波が乗り上がる部分である上面122aを広くすることができ、上段バルブ122を乗り越える波高が大きい波Xが発生する状態において、船首バルブ120による波浪中抵抗軽減効果を高めることができる。また、満載状態での走行時において、船首バルブ120による造波抵抗減少効果を従来型船首バルブと同等に維持することができる。
また、上段バルブ122を三角形状に形成できるので、波から受ける抵抗をさらに少なくすることができる。
図10は本発明の更に他の実施形態による波浪中抵抗増加軽減船首形状を示す図であり、図10(a)は側面図、図10(b)は正面図、図10(c)は上面図である。なお、上記実施形態と同一機能部材には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態は、船首バルブ120はフレームライン111を上下2段に形成し、下段バルブ121を上段バルブ122よりも幅方向に張り出させるとともに、下段バルブ121の上面121aが、船舶のバラスト状態での走行時に、船舶毎の代表的な速度として設計時に設定されている航海速力(高速)で波の無い状態である平水中を走行するときに生じる水面の盛り上がり位置であるバラスト状態・静的水位上昇位置Aよりも上方で、かつ航海速力での走行時に波浪(波高が小さい波Xs〜波高が大きい波X)が下段バルブ121の上面121aを乗り越える位置となるように形成されており、さらに、下段バルブ121の上面121aの下方近傍に造波を誘起させる突起40を形成している。
突起40が無い場合のバラスト状態・静的水位上昇位置はAであるが、船首バルブ120に突起40を形成することで、船首バルブ120にかかる波が誘起されて大きくなり、バラスト状態・静的水位上昇位置はASLとなる。したがって、船速が中速又は低速時であっても船首バルブ120を波が乗り越えやすくなり、波浪中抵抗増加軽減効果を大きくすることができる。
なお、突起40は、図10(a)に示すように、前下がりとなるように船首バルブ120に形成することが好ましい。このように形成することで波が誘起されやすくなる。
また、突起40は、船舶の幅方向に収納、張り出し可能に構成している。このように構成することで必要に応じて突起40を張り出したり収納したりすることができる。したがって、満載時等、突起40が水面より下方となる場合などは収納し、突起40による摩擦抵抗増加を軽減することができる。
図11は本発明の更に他の実施形態による波浪中抵抗増加軽減船首形状を示す正面図である。なお、上記実施形態と同一機能部材には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態は、下段バルブ121の上面121aが後方に向けて先端上部から一旦上昇した後、下降し再び上昇して上段バルブ122に繋がるグーズネック形状を成している。つまり、下段バルブ121の上面121aは、先端側が隆起し後端側が沈降している。
このように形成することで、波の乗り上げ部である下段バルブ121の上面121aをより広く、換言すると波が乗り上がる面積を大きくすることができる。
なお、上記の各実施例において説明した本発明による波浪中抵抗増加軽減船首形状は、船舶に採用することができる。したがって、バラスト状態での走行時における船舶の波浪中抵抗増加を軽減することができる。
また、本発明による波浪中抵抗増加軽減船首形状は、肥大船に採用することができる。したがって、肥大船において、バラスト状態での走行時における波浪中抵抗増加を軽減することができる。
さらに、船舶の機関の回転数設定器に目印を付けたり、段階的な速度設定にしたりするなど、船舶の速度設定手段を、航海速力を含めた波浪中抵抗増加軽減に対応した速力が設定可能な構成とした場合には、波浪が下段バルブ21(121)の上面21a(121a)を乗り越える位置となるような船の速力を容易に設定することができる。したがって、船首バルブ20(120)による波浪中抵抗増加軽減効果を確実に得ることができる。
本発明によれば、船舶がバラスト状態であっても波浪中抵抗増加を軽減できる、波浪中抵抗増加軽減船首形状及び波浪中抵抗増加軽減船首形状を有した船舶を提供することができる。
10 船首部
11 ステムライン
20、120 船首バルブ
21、121 下段バルブ
22、122 上段バルブ
30、130 変曲部位
111 フレームライン
満載状態・静的水位上昇位置
バラスト状態・静的水位上昇位置
B 静止水面位置
C 満載喫水線
波浪(波高が大きい波)
波浪(波高が小さい波)

Claims (15)

  1. 船舶の船首部に船首バルブを有する船首形状であって、前記船首バルブのステムラインを上下2段に形成し、下段バルブを上段バルブよりも前方に突出させるとともに、前記下段バルブの上面が、前記船舶のバラスト状態での走行時に、船舶毎の代表的な速度として設計時に設定されている航海速力で波の無い状態である平水中を走行するときに生じる水面の盛り上がり位置であるバラスト状態・静的水位上昇位置よりも上方で、かつ前記航海速力での走行時に波浪が前記下段バルブの前記上面を乗り越える位置となるように形成したことを特徴とする波浪中抵抗増加軽減船首形状。
  2. 前記ステムラインの前記下段バルブの先端上部の変曲部位を、前記船舶のバラスト状態での静止時の静止水面位置よりも上方に位置するように形成したことを特徴とする請求項1に記載の波浪中抵抗増加軽減船首形状。
  3. 前記下段バルブの前記上面が後方に向けて前記先端上部から一旦上昇した後、下降し再び上昇して前記上段バルブに繋がるグーズネック形状を成していることを特徴とする請求項2に記載の波浪中抵抗増加軽減船首形状。
  4. 前記上段バルブの上面を、前記船舶の満載状態での走行時に、前記航海速力で波の無い状態である平水中を走行するときに生じる水面の盛り上がり位置である満載状態・静的水位上昇位置よりも下方に位置するように形成したことを特徴とする請求項1から請求項3のうちの1項に記載の波浪中抵抗増加軽減船首形状。
  5. 前記上段バルブを部分的に前方に再突出させたことを特徴とする請求項1から請求項4のうちの1項に記載の波浪中抵抗増加軽減船首形状。
  6. 船舶の船首部に船首バルブを有する船首形状であって、前記船首バルブのフレームラインを上下2段に形成し、下段バルブを上段バルブよりも幅方向に張り出させるとともに、前記下段バルブの上面が、前記船舶のバラスト状態での走行時に、船舶毎の代表的な速度として設計時に設定されている航海速力で波の無い状態である平水中を走行するときに生じる水面の盛り上がり位置であるバラスト状態・静的水位上昇位置よりも上方で、かつ前記航海速力での走行時に波浪が前記下段バルブの前記上面を乗り越える位置となるように形成したことを特徴とする波浪中抵抗増加軽減船首形状。
  7. 前記フレームラインの前記下段バルブの両側上端部の変曲部位を、前記船舶のバラスト状態での静止時の静止水面位置よりも上方に位置するように形成したことを特徴とする請求項6に記載の波浪中抵抗増加軽減船首形状。
  8. 前記下段バルブの前記上面が幅方向に向けて、先端側が隆起し後端側が沈降する形状を成していることを特徴とする請求項7に記載の波浪中抵抗増加軽減船首形状。
  9. 前記上段バルブの上面を、前記船舶の満載状態での走行時に、前記航海速力で波の無い状態である平水中を走行するときに生じる水面の盛り上がり位置である満載状態・静的水位上昇位置よりも下方に位置するように形成したことを特徴とする請求項6から請求項8のうちの1項に記載の波浪中抵抗増加軽減船首形状。
  10. 前記上段バルブを部分的に幅方向に再張り出しさせたことを特徴とする請求項6から請求項のうちの1項に記載の波浪中抵抗増加軽減船首形状。
  11. 前記船首バルブに造波を誘起させる突起を形成したことを特徴とする請求項6から請求項10のうちの1項に記載の波浪中抵抗増加軽減船首形状。
  12. 前記突起を前記船舶の幅方向に収納、張り出し可能に構成したことを特徴とする請求項11に記載の波浪中抵抗増加軽減船首形状。
  13. 請求項1から請求項12のうちの1項に記載の波浪中抵抗増加軽減船首形状を採用したことを特徴とする波浪中抵抗増加軽減船首形状を有した船舶。
  14. 前記船舶が肥大船であることを特徴とする請求項13に記載の波浪中抵抗増加軽減船首形状を有した船舶。
  15. 前記船舶の速度設定手段を、前記航海速力を含めた波浪中抵抗増加軽減に対応した速力が設定可能な構成としたことを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の波浪中抵抗増加軽減船首形状を有した船舶。
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