JP5599482B1 - 気泡型抵抗低減装置を備えた船舶及び船舶の抵抗低減方法 - Google Patents

気泡型抵抗低減装置を備えた船舶及び船舶の抵抗低減方法 Download PDF

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Abstract

【課題】船体に設けた気泡供給孔から気泡又は気液混合流体を供給して、気泡を船底部に誘導して船体の摩擦抵抗を低減する気泡型抵抗低減装置を備えた船舶において、気泡供給孔から供給される気泡を効率良く船底平坦部に導くことができて、船体抵抗を減少するための気泡供給エネルギーを減少できる気泡型抵抗低減装置を備えた船舶及び船舶の抵抗低減方法を提供する。
【解決手段】船首部に設ける船首バルブ3を船首部分における水流の流れを船底部に誘導する効果を高めた下降流促進タイプの船首バルブで構成する。また、船底平坦部2fの先端位置Pbを船首垂線F.P.よりも垂線間長の0.7%以上後方かつ垂線間長の5%以下後方の範囲に設けて形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、船体に設けた気泡供給孔から気泡又は気液混合流体を供給して、気泡を船底部に誘導して船体の摩擦抵抗を低減する気泡型抵抗低減装置を備えた船舶及び船舶の抵抗低減方法に関し、より詳細には、気泡供給孔から供給される気泡を効率良く船底平坦部に導くことができて、船体抵抗を減少するための気泡供給エネルギーを減少できる気泡型抵抗低減装置を備えた船舶及び船舶の抵抗低減方法に関する。
船舶の抵抗低減は、船舶の運航に必要なエネルギーの低減と船舶に搭載した内燃機関からの二酸化炭素の発生の低減と密接な関係を有しており、近年の環境問題、燃料費高騰に関係する燃費の問題等から、ますます重要な技術テーマとなってきている。船体抵抗の要素の中では、水没している船体表面の摩擦抵抗が大きな割合を占めており、船舶の推進のためのエネルギーの減少に関連して、船体の摩擦抵抗を低減することが重要視され、低摩擦塗料や船体の表面にエアバブルやマイクロバブル等の気泡を供給して摩擦抵抗を低減する方法が研究及び開発され、実用船でも実施されつつある。
これに関連して、船舶の内燃機関の排ガスに含まれる二酸化炭素を分離して、この二酸化炭素を船外から吸水した水に高圧下で混合して溶解させて、船底外面上に船首側から船尾側に向けて噴射することで、噴射された後の高圧から低圧になった水から発生する二酸化炭素の微細な気泡群(マイクロバブル)によって船底外面の流体抵抗を大幅に減少させて、船舶の推進装置のエネルギー効果を高める船舶の抵抗低減装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、これらの気泡を船体表面に供給して摩擦抵抗を減少する方法においては、広い面積を持つ船底平坦部へ十分な量の気泡を供給するためには、船底から水中に気泡を供給することが好ましいが、直接船底部へ気泡を供給する場合には船底部の水深が深く静圧が大きいため、気泡を供給するためのエネルギーが大きくなるという供給圧力の問題がある。この問題が生じると、気泡による抵抗減少効果が得られても、気泡供給のためのエネルギーの消費量が多くなり、全体としての省エネルギー効果が少なくなってしまう。
この供給圧力の問題は比較的喫水の浅い船では問題の程度は小さくなるが、通常のタンカー船やばら積み貨物船(バルクキャリア−)等の喫水が深い商船では、気泡供給孔を船底以外の船側の表面に設けても、気泡供給孔の位置が水面よりも深くなるにつれて、この部位の水圧に打ち勝って気泡又は気液混合流体を押し出すために必要な圧力が高くなり、気泡又は気液混合流体を供給するために必要なエネルギーの量が大きくなってしまう。この気泡又は気液混合流体を供給するための必要なエネルギーの量が大きいと、抵抗低減効果による省エネルギー効果が減少してしまうので、この気泡型抵抗低減方法では、気泡又は気液混合流体を供給するために必要なエネルギーの量をできるだけ小さくすることが重要となっている。
この供給圧力の問題に関連して、船舶の静水面の喫水線からの水深が異なる複数の位置(具体的には船底部と両舷の船側部)に設けられ、気体を吹き出し可能な複数の気体吹き出し部と、前記複数の気体吹き出し部に対応して設けられ、前記複数の気体吹き出し部に気体を供給する複数の気体供給装置とを具備して、消費エネルギーを抑え効率的に実施可能な摩擦抵抗低減船が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、気泡供給孔から噴出した気泡又は気液混合流体が、船体表面から離れて、広い面積を有する船底平坦部に送り込まれる割合が少なくなり、そのために気泡又は気液混合流体の噴出量を増加させると、噴出させるためのエネルギーが大きくなるという船体離反の問題がある。この問題が生じると、気泡による抵抗減少効果が得られても、気泡供給エネルギーの消費量が多くなり、全体としての省エネルギー効果が少なくなってしまう。
この気泡の船体表面から離反に関連して、加圧空気供給装置より空気送給管を通して加圧空気を多数の空気吹き出し口から水中に吹き出させて微小気泡を発生させるようにしてある空気吹き出し器を、船首部の船側外板の浸水部で且つ船体形状に応じて求められた流線が船体表面に沿って流れる領域に、発生した微小気泡の大部分を流線に乗せて流すように船首側と船尾側の高さが異なる姿勢として組み付けた構成を有する船舶の摩擦抵抗低減装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
また、船体における船首部の浸水部にて船底に向かうようになっている流線上の位置で且つ静圧の小さい位置に、空気の吹き出し口を設けて、この吹き出し口部で加圧空気の吹き出しにより発生させた微小気泡を、流線に沿わせて船底に廻り込ませることにより所要のボイド率を生じさせ、航行時の船体摩擦抵抗を低減させる船体摩擦抵抗低減方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、この船舶の摩擦抵抗低減装置では、空気吹き出し口の位置を既存の船体形状の流線に合わせているが、積極的に船体形状や船首バルブ形状を船首上部から船底平坦部に向かう下降流を発生させる形状にして、微小気泡の供給エネルギーを減少して、微小気泡による摩擦抵抗低減効果を増大させるという技術的思想には想到していない。
また、従来技術の摩擦抵抗低減船では、船側部においても船舶の静水面の喫水線から下の部分のみにしか気体吹き出し部を設けていないため、船舶の航走時には、船首部分では水位が上昇して没水深度が増加するので、船舶が静水中に停止している場合より大きな静圧が加わることになるが、このことは考慮されていない。
特開2010−208435号公報 特開2012−224111号公報 特開平10−16876号公報 特開平9−183396号公報
本発明者は、従来の船首バルブが、船首バルブの発生する波と船体の発生する波との干渉による抵抗の減少効果、所謂造波抵抗の低減効果と、船首部の流れを整流して、船首部の砕波抵抗や波浪中抵抗を減少させる効果を求めて設計されるのに対して、特殊な形状をした船首バルブの水流下降効果に注目して、気泡型抵抗低減装置から供給される気泡を効率良く船底平坦部に供給するために船首バルブを利用できるとの技術的思想に想到した。
また、本発明者は、従来は船首部の船底形状と水流の船底平坦部への流れとの関係が考慮されていなかったが、比較的簡単な船首部の下側の側面視における傾斜を従来の船体形状よりも緩やかに構成すると、船首部の水流が船底平坦部に流入することに注目して、この船体形状の構成を気泡型抵抗低減装置から供給される気泡を効率良く船底平坦部に供給するために利用できるとの技術的思想に想到した。
更に、本発明者は、従来の気泡型抵抗低減装置を備えた船舶の気泡供給孔からの気泡又は気液混合流体の供給のエネルギーが気泡供給孔の水圧に関係することと、航行中は、図15に示すように、船首部の部分は水位が上昇することとを考え合わせることにより、気泡を水中に供給する位置を出来るだけ上にして気泡供給孔の圧力を少しでも小さくして、気泡供給の際のエネルギーの量を少しでも小さくすることで、長期的な運航を行う船舶における抵抗低減のための気泡供給エネルギーの量を減少できるとの技術的思想に想到した。
本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、船体に設けた気泡供給孔から気泡又は気液混合流体を供給して、気泡を船底部に誘導して船体の摩擦抵抗を低減する気泡型抵抗低減装置を備えた船舶において、気泡供給孔から供給される気泡を効率良く船底平坦部に導くことができて、船体抵抗を減少するための気泡供給エネルギーの量を減少できる気泡型抵抗低減装置を備えた船舶及び船舶の抵抗低減方法を提供することにある。
上記のような目的を達成するための本発明の気泡型抵抗低減装置を備えた船舶は、船体に設けた気泡供給孔から気泡又は気液混合流体を供給して、気泡を船底部に誘導して船体の摩擦抵抗を低減する気泡型抵抗低減装置を備えた船舶において、当該船舶の航海速力をVs(m/s)とし、重力加速度をg(m/s2)とし、(0.5×Vs×Vs)/gで計算される水頭をH(m)とした時に、船体の前後方向に関して、船首垂線位置よりは後方で、かつ、船首垂線から垂線間長の0.25倍分後方の位置よりも前方に気泡供給孔群を配置すると共に、船体の上下方向に関して、該気泡供給孔群の前記気泡供給孔を、満載喫水線よりも前記水頭Hの2倍分低い部位よりも高い範囲を含んで配設し、更に、船首部に船首バルブを設け、該船首バルブを船首部分における水流の流れを船底部に誘導する下降流促進タイプの船首バルブで形成するように構成される。
この構成によれば、船首バルブを下降流促進タイプの船首バルブで構成しているので、船首部分における下降流により、気泡供給孔から供給された気泡をより効率的に船底部に送り込むことができる。
上記の気泡型抵抗低減装置を備えた船舶において、船底平坦部の先端位置を船首垂線よりも垂線間長の0.7%以上後方かつ垂線間長の5%以下後方の範囲に設けるように構成される。
この構成によれば、船底平坦部の先端位置を船首垂線よりも垂線間長の0.7%以上後方に配置することにより、船首部の船体の下側の部分が緩やかな傾斜となって船底平坦部に連続する形状になり、船首部の水流が船底平坦部内に誘導され易くなる。そのため、気泡供給孔から供給された気泡を含む船首部の船体周囲の流れがこの流れに誘導されて船底平坦部内に流入して、気泡を効率良く船底平坦部に送り込むことができる。なお、上限の垂線間長(Lpp)の5%以上後方となると、船体の下側の傾斜が緩やかになり過ぎて、この気泡の船底平坦部への誘導効果が小さくなり、わざわざ、船底平坦部の船首端の位置を後方に後退させるメリットが無くなってしまう。
上記の気泡型抵抗低減装置を備えた船舶において、船体の前後方向に関して船首垂線と前記船首バルブの先端位置との中央の位置における横断面形状において、前記船首バルブの横断面面積の55%以上が前記横断面形状の上下方向に関して中央の高さよりも上側になるように形成すると共に、船体の前後方向に関して船首垂線と前記船首バルブの先端位置との間で、前記中央の高さより上側のバルブ容積が前記中央の高さより下側のバルブ容積の1.1倍以上かつ4.0倍以下になるように形成して構成される。
この構成によれば、比較的簡単な船首バルブの形状により、下降流促進タイプの船首バルブを形成でき、満載喫水線の近傍で供給した気泡又は気液混合流体を下降流によって船側から船底部に導いて、気泡を船底部に効率良く送り込むことができる。
また、この船首バルブの形状は、側面視において、船首バルブの下端が前方に向かってせり上がった形状とすることがより好ましい。
上記の気泡型抵抗低減装置を備えた船舶において、満載状態での船首垂線における喫水をdfとしたときに、前記中央の位置において、前記船首バルブの最上点が満載喫水線と満載喫水線よりも0.2×df下の部位との間に位置するように設けると共に、前記船首バルブの最大幅が、満載喫水線よりも0.2×df分下の部位と満載喫水線よりも0.6×df分下の部位との間に位置するように設けて構成される。
この構成によれば、船首バルブの上面の水没深さが下降流を促進するのに適した深さになり、船首バルブの形状をより下降流を促進する形状にすることができる。
上記の気泡型抵抗低減装置を備えた船舶において、船首部における下降流を案内する案内溝又は案内部材を船首部の船体表面に設けて構成すると、より効率良く気泡を船底部に供給することができる。
上記の気泡型抵抗低減装置を備えた船舶において、船体の上下方向に関して、前記気泡供給孔群の前記気泡供給孔を、満載喫水線よりも前記水頭Hの2倍分低い部位から満載喫水線よりも前記水頭H分高い部位までの範囲を含んで配設して構成される。なお、ここでいう船舶とは、自航可能な船舶だけでなく、バージ等の曳航な船舶も含むものとする。また、船体に設けた気泡供給孔には、船体表面を貫通する気泡供給孔のみならず、船体表面に沿って設けられた配管の気泡供給孔も含むものとする。
この構成によれば、従来技術では配置されなかった満載喫水線より上の部位まで、気泡供給孔を設けているので、航行中に気泡又は気液混合流体を水中に供給する際の気泡供給孔の水没位置が浅くなり、その分、その気泡供給孔に供給する気泡又は気液混合流体の供給圧力が小さくて済むようになり、気泡供給のためのエネルギーの量を節約することができ、船舶推進用のトータルのエネルギーの量を減少することができる。
なお、水頭Hは、航海速力Vsで航行したときに、流速Vsの水流が押し留められた時の水頭であり、満載喫水線より水頭H分上方の位置は、平水中を航海速力Vsで航行した時の船体周囲の最大水位と考えられる高さとなっており、水頭Hの高さは、これを考慮している。なお、入射してくる波を考慮して気泡供給孔をこれ以上高い位置にも配置しても良いが、空気中に露出される時間が長くなり、実用的ではなくなる。
上記の気泡型抵抗低減装置を備えた船舶において、船体の上下方向に関して、前記気泡供給孔群の前記気泡供給孔を、バラスト喫水線よりも前記水頭Hの2倍分低い部位から、バラスト喫水線よりも前記水頭H分高い部位までの範囲を含んで配設するようにして構成される。この構成によれば、満載状態で航行するときと同様に、バラスト状態で航行するときにおいても、気泡供給のためのエネルギーの量を節約することができ、船舶推進用のトータルのエネルギーの量を減少することができる。
上記の気泡型抵抗低減装置を備えた船舶において、前記気泡供給孔群の単数又は複数の前記気泡供給孔に対して、気泡又は気液混合流体の供給を停止する気泡供給停止装置を設けて、前記気泡供給孔が水没していない状態では、この水没していない前記気泡供給孔への気泡又は気液混合流体の供給を停止するように構成する。
この構成によれば、航行速度を落として航行する場合や、満載喫水線以外の喫水で航行する場合等では、満載喫水線近傍の気泡供給孔が水没しなくなる場合が生じるが、この場合には、気泡供給孔の圧力が著しく低下して気泡又は気液混合流体が大気中に無駄に流出することになるので、これを防止して、無駄な気泡又は気液混合流体の流出を防止する。
上記のような目的を達成するための本発明の船舶の抵抗低減方法は、上記の気泡型抵抗低減装置を備えた船舶を用いる方法である。これらの方法によれば、上記の気泡型抵抗低減装置を備えた船舶と同様な効果を奏することができる。
本発明に係る、気泡型抵抗低減装置を備えた船舶及び船舶の抵抗低減方法によれば、船体に設けた気泡供給孔から気泡又は気液混合流体を供給して、気泡を船底部に誘導して船体の摩擦抵抗を低減する気泡型抵抗低減装置を備えた船舶において、気泡供給孔から供給される気泡を効率良く船底部に導くことができて、船体抵抗を減少するための気泡供給エネルギーを減少できる。
本発明の実施の形態の下降流を促進する船首バルブを示す側面図である。 図1の船首バルブの中央の位置における横断面を示す図である。 船底平坦部の先端位置と船首垂線との関係を示す底面図である。 気泡又は気液混合流体の船底平坦部への流れを模式的に示す船底斜視図である。 下降流を促進する船首バルブの第1の形状を説明するための側面図である。 下降流を促進する船首バルブの第2の形状を説明するための側面図である。 下降流を促進する船首バルブを装着した場合の水流を模式的に示す側面図である。 気泡型抵抗低減装置を模式的に示す側面図である。 満載状態で航行する場合の気泡又は気液混合流体を供給する気泡供給孔の位置を示す側面図である。 バラスト状態で航行する場合の気泡又は気液混合流体を供給する気泡供給孔の位置を示す側面図である。 気泡供給孔における気泡又は気液混合流体の噴射方向を示す側面図である。 気泡又は気液混合流体を船底部に導く案内溝を示す側面図である。 気泡又は気液混合流体を船底部に導く案内部材を示す側面図である。 気泡供給システムの構成を示す図である。 船首部における水位の上昇を説明するための船首部の部分側面図である。 従来技術の船首バルブを装着した場合の水流を模式的に示す側面図である。
以下、本発明に係る実施の形態の、気泡型抵抗低減装置を備えた船舶及び船舶の抵抗低減方法について、図面を参照しながら説明する。この本発明に係る実施の形態の気泡型抵抗低減装置を備えた船舶(以下、船舶という)は、船体に設けた気泡供給孔から気泡又は気液混合流体を供給して、気泡を船底部に誘導して船体の摩擦抵抗を低減する気泡型抵抗低減装置を備えた船舶である。なお、船体に設けた気泡供給孔には、船体表面を貫通する気泡供給孔のみならず、船体表面に沿って設けられた配管の気泡供給孔も含むものとする。
図1、図2、図3、及び図4に示すように、この船舶1の船首部に設ける船首バルブ3を、船首部分における水流の流れを船底平坦部2fに導入する下降流れの発生を促進させる形状をした下降流促進タイプの船首バルブで構成する。
また、図8に示すように、この船舶1の船体2の側面には船側外板2aが下部には船底部となる船底平坦部2fが配置され、船体2の船首部には、船首バルブ3が設けられ、船尾部にはプロペラ4と舵5が設けられている。また、船尾部の上には上部構造物6が設けられている。
初めに、船底形状について説明する。図3及び図4に示すように、この船底形状においては、船底平坦部2fの先端位置Pbを船首垂線F.P.よりも垂線間長Lppの5%以下後方の位置X1から船首垂線F.P.よりも垂線間長Lppの0.7%以上後方の位置X2までの範囲、より好ましくは、船首垂線F.P.よりも垂線間長Lppの4%以下後方の位置から船首垂線F.P.よりも垂線間長Lppの2%以上後方の位置までの範囲とする。つまり、船底平坦部2fの外周を示すフラット・ボトム・ライン2faの船首端位置2fp(=先端位置Pb)が船首垂線F.P.よりも、垂線間長Lppの0.7%以上船尾側にあるように構成する。
この構成により、側面視で、船首部の船体2の下側の部分2dが緩やかな傾斜となって船底平坦部2fに連続する形状になり、船首部の水流Wが船底平坦部2f内に誘導され易くなる。そのため、船首部の船体周囲の流れがこの流れWに誘導されて船底平坦部2f内に流入して、気泡供給孔10から供給された気泡を効率良く船底平坦部2fに送り込むことができるようになる。
なお、上限の垂線間長Lppの5%以下の位置X1は、側面視で船体2の下側の傾斜が緩やかになり過ぎてこの気泡の船底平坦部2fへの誘導が小さくなり、わざわざ、フラット・ボトム・ライン2faの船首端位置2fpを後退させるメリットが無くなる位置である。
そして、図1及び図2に示すように、この船舶1の下降流促進タイプの船首バルブ3は、船体2の前後方向に関して船首垂線F.P.と船首バルブ3の先端位置Pfとの中央の位置Pmにおける横断面形状において、船首バルブ3の横断面面積の55%以上が横断面形状の上下方向に関して中央の高さHmよりも上側になるように形成する。それと共に、船体の前後方向に関して船首垂線F.P.と船首バルブ3の先端位置Pfとの間で、中央の高さHmより上側のバルブ容積が中央の高さHmより下側のバルブ容積の1.1倍以上かつ4.0倍以下になるように形成する。
また、更に、満載状態での船首垂線F.P.における船首喫水をdfとしたときに、船体2の前後方向に関して船首垂線F.P.と船首バルブ3の先端位置Pfの中央の位置Pmにおいて、船首バルブ3の最上点3uが満載喫水線D.W.L.と満載喫水線D.W.L.よりも0.2×df分下の部位Haとの間に位置するように設けると共に、船首バルブ3の最大幅Bbが、満載喫水線D.W.L.よりも0.2×df分下の部位Haと満載喫水線D.W.L.よりも0.6×df分下の部位Hbの間に位置するように設ける。
この下降流促進化タイプの船首バルブ3の構成によれば、船首バルブ3の最上点3uの水没深さが下降流を促進するのに適した深さになると共に、船首バルブ3の形状をより下降流を促進する形状にすることができる。そして、船首バルブ3を下降流促進タイプの船首バルブ3で構成することにより、船首部分における下降流により、気泡供給孔10から供給された気泡をより効率的に船底平坦部2fに送り込むことができる。
また、図5に示すように、船首バルブ3の上端3aを水平にしたり、図6に示すように、船首バルブ3の上端3aを船首バルブ3の中央の位置Pmよりも後方からこの中央の位置Pmよりも前方側を高くしたりして形成する。これらの形状にすると、図16に示す従来技術の船舶1Xの船首バルブ3Xに比べて、図7に示すように、より船首部分における水流の流れWを船底平坦部2fに導入する下降流れの発生をより促進させる形状となる。
図8に示すように、気泡供給孔群10Aは、船首垂線F.P.の位置よりは後方で、かつ、船首垂線F.P.から垂線間長Lppの0.25倍分後方の位置Xfよりも前方に配置する。この気泡供給孔10の高さ方向に関しては、満載状態で航行する場合を考えて、図9に示すように、気泡供給孔群10Aの船側2aの気泡供給孔10を、満載喫水線D.W.L.よりも水頭Hの2倍分低い部位H1から満載喫水線D.W.L.よりも水頭H分高い部位H2までの範囲R1を含めて配設する。
なお、図8、図9、図10では、点線は、気泡供給孔10の高さ位置を示すものとして、満載喫水線D.W.L.と平行に示してあり、実際の噴射方向を示すものではない。また、流れの方向を示すものでもない。
なお、この水頭H(m)は、船舶の航海速力をVs(m/s)とし、重力加速度をg(m/s2)としたときに、H=(0.5×Vs×Vs)/gで計算される値である。図15に示すように、この水頭Hは、航海速力Vsで航行したときに、流速Vsの水流が押し留められた時の水頭であり、満載喫水線D.W.L.より水頭H分上方の位置H0は、平水中を航海速力Vsで航行した時の船体周囲の最大水位と考えられる高さとなっている。
この構成によれば、従来技術では配置されなかった満載吃水線D.W.L.より上の部位H2まで、気泡供給孔10を設けているので、航行時における気泡供給孔10の水没深さが浅くなり、その分、その気泡供給孔10に供給する気泡又は気液混合流体の供給圧力が小さくて済むようになり、気泡供給のためのエネルギーの量を節約することができ、船舶推進用のトータルのエネルギーの量を減少することができる。なお、入射してくる波を考慮して、気泡供給孔10をこれ以上高い位置に配置しても良いが空気中に露出される時間が長くなり、実用的ではなくなる。
満載状態で航行するときには、これらの気泡供給孔10から気泡又は気液混合流体を供給することにより、小さい供給圧力で気泡供給のためのエネルギーの量を節約しながら、気泡を船底平坦部2fに供給することができ、摩擦抵抗を低減できる。
また、図10に示すように、この船舶1において、満載状態と喫水が大きく異なるバラスト状態で航行する場合を考えて、船体の上下方向に関して、気泡供給孔群10Aの気泡供給孔10を、バラスト喫水線L.W.Lよりも水頭Hの2倍分低い部位H3から、バラスト喫水線L.W.L.よりも水頭H分高い部位H4までの範囲R2を含んで配設するようにして構成される。この構成によれば、満載状態で航行するときと同様に、バラスト状態で航行するときにおいても、気泡供給のためのエネルギーの量を節約することができ、船舶推進用のトータルのエネルギーの量を減少することができる。
バラスト状態で航行するときには、これらの気泡供給孔10から気泡又は気液混合流体を供給することにより、小さい供給圧力で気泡供給のためのエネルギーの量を節約しながら、気泡を船底平坦部2fに供給することができ、摩擦抵抗を低減できる。
このバラスト状態に対する気泡供給孔10の配置は、タンカー船や、鉱石や石炭等の重量物を運搬するばら積み貨物船等の満載状態とバラスト状態で喫水が大きく変化する船舶の場合に特に効果がある。また、満載状態用の範囲R1とバラスト状態用の範囲R2とは、船体形状により、互いに重なり合う場合もあり、離れている場合もある。
また、図11に示すように、この気泡供給孔群10Aの気泡供給孔10の気泡又は気液混合流体の噴射方向は、船尾方向水平から下方に向けて0度(α1)〜50度(α2)の範囲内、より好ましくは、10度〜40度の範囲内の扇形の範囲内(ハッチング内)とする。この範囲外の方向、例えば、噴射方向を船首方向に向けて構成すると、航行時に船体側から見た場合に、船体2に向かって流入してくる水流により、気泡又は気液混合流体の噴射流が押し込まれないように、より大きな圧力で気泡又は気液混合流体を押し出す必要が生じる。
更に、好ましくは、より効率良く気泡を船底平坦部2fに供給するために、船体表面に設けた気泡供給孔10の位置と噴射方向は、図12に示すように、水流を船底平坦部2fに案内する案内溝12に沿って、又は、図13に示すように、水流を下方に導く案内フィン等の案内部材13の下側に沿った位置と噴射方向にする。また、この気泡又は気液混合流体の噴射方向は、船体表面から離反しない流線に沿った方向にすることが好ましく、更に、船底平坦部2fに流入するような下降流の流線に沿う方向にするのがより好ましい。
そして、上記の気泡供給孔10は、積み荷状態や航行速度や入射してくる波等の影響によって、必ずしも常時水没している状態になっているとは限らなくなってしまうので、大気中に露出する可能性のある、気泡供給孔群10Aの上側に位置する単数又は複数の気泡供給孔10に接続される分岐配管26に対して、気泡又は気液混合流体の供給を停止する気泡供給停止装置28を設ける。この気泡供給停止装置28により、気泡供給孔10が水没していない状態、即ち、大気中に露出している状態にあると判定した場合には、この水没していない状態の気泡供給孔10への気泡又は気液混合流体の供給を停止する。
これにより、船舶1が波浪中を航行する場合や、航行速度を落として航行する場合や、満載喫水線D.W.L.以外の喫水で航行する場合等で、満載喫水線D.W.L.近傍の気泡供給孔10が水没しなくなる場合には、この気泡供給孔10の圧力が著しく低下して気泡又は気液混合流体が無駄に流出することを防止する。
次に、図14を参照しながら、各気泡供給孔10に気泡又は気液混合流体を供給するための気泡供給システム20について説明する。この気泡の成分に関しては、外気(大気)であったり、内燃機関の過給空気(掃気)の一部であったり、内燃機関の排気ガスの一部であったり、排気ガスから分離した二酸化炭素であったりするが、本発明では特に限定する必要はない。また、気泡の供給方法に関しても、気体をそのまま気泡供給孔10に供給しても良く、気体を混合した気液混合流体を気泡供給孔10に供給してもよい。
この気泡をそのまま船体表面の外側に供給する気泡供給装置については、周知技術の気泡供給装置を使用することができる。例えば、図8及び図14に示すように、電動モーター21によって駆動されるブロワー22からの空気を直接各気泡供給孔10に供給し、このブロワー22と各気泡供給孔10とを接続する配管23に設けた圧力調整器24と流量調整弁25や各気泡供給孔10への分岐配管26に設けたオリフィス等の圧力調整機構27と開閉弁等で形成される気泡供給停止装置28によって圧力と流量を調整しながら、空気を各気泡供給孔10に供給する。
また、各気泡供給孔10の周囲又は開口部近傍の内部に、この気泡供給孔10が水没しているか否かを判定する水没センサ29Aを設けて、この水没センサ29Aにより、気泡供給孔10が水没していない状態を検知した場合には、その水没しない気泡供給孔10の分岐配管26に設けた開閉弁28を閉弁して、気泡又は気液混合流体の供給を停止するように構成する。
また、気泡供給孔10の水没深さ、言い換えれば、気泡供給孔10の位置に水圧を検出する水圧センサ29Bを各気泡供給孔10の周囲又は開口部近傍の内部に設けて、この水圧センサ29Bにより、気泡供給孔10の位置の水圧が予め設定した圧力値以上になった場合には、その気泡供給孔10の分岐配管26に設けた開閉弁28を閉弁して、気泡又は気液混合流体の供給を停止するように構成する。
これらの制御は、水没センサ29Aと水圧センサ29Bの検出信号を入力し、開閉弁28の開閉を制御する制御信号を出力する個別気泡供給制御装置20cによって行われる。この個別気泡供給制御装置20cは、船側2aに配置される各気泡供給孔群10Aの気泡供給孔10における気泡又は気液混合流体の供給を制御するために、各気泡供給装置11Aが配置されると共に、これらの各気泡供給装置11Aは総合的に制御する総合気泡供給装置31に接続され、この総合気泡供給装置31の制御に従うように構成される。なお、水没センサ29A及び水圧センサ29Bを用いず、操船者の判断によって、気泡又は気液混合流体の供給を停止してもよい。
あるいは、特に図示しないが、電動モーターによって駆動されるコンプレッサーで空気を吸引して圧縮して高圧の空気とし、この高圧の空気を貯蔵タンクに一時貯蔵して、この貯蔵タンクからの高圧空気を貯蔵タンクと各気泡供給孔とを接続する配管に設けた圧力調整器と流量調整弁や開閉弁によって圧力と流量を調整しながら、高圧の空気を各気泡供給孔に供給するように構成しても良い。
あるいは、主機の内燃機関において、過給システムのタービンでコンプレッサーを駆動して過給され、主機に送られる空気(燃焼用空気:掃気)の余剰分を取り出して、この余剰分の空気を、このコンプレッサーと各気泡供給孔とを接続する配管に設けた圧力調整器と流量調整弁や開閉弁によって圧力と流量を調整しながら、この余剰分の空気を各気泡供給孔に供給するように構成しても良い。
これらの気体を供給する場合は、船側外板の表面に設けられた多数の気泡供給孔10の形状、又は、気泡供給孔10に設けられたオリフィス等の微小気泡化部材、又は、気泡供給孔10の内側近傍に設けた噴射ノズル等により、噴射される空気を微小気泡にしてから、船体外側に流出させる装置を使用する。
また、予め液体に気泡を混合して、この気液混合流体を船体表面の外側に供給することで気泡を船体表面の外側に供給する気液混合流体供給装置についても、周知技術の気液混合流体供給装置を使用することができる。
例えば、図示しないが、この船舶に搭載した内燃機関の排気ガスから二酸化炭素を分離して、この二酸化炭素を船外から吸水した水に高圧下で混合して溶解させて、気液混合流体を作り、この気液混合流体を気泡供給孔から船体表面に噴射することで、噴射された後の高圧から低圧になって水から発生する二酸化炭素の微細な気泡群(マイクロバブル)を船体表面に供給する装置を使用することができる。この場合は、気泡供給孔の形状は微小気泡を発生させる形状にする必要はなく、噴射時の流体抵抗が小さくなるようにする。
また、本発明に係る船舶の抵抗低減方法は、上記の気泡型抵抗低減装置を備えた船舶を用いる方法である。
上記の構成の気泡型抵抗低減装置を備えた船舶及び船舶の抵抗低減方法によれば、船体2に設けた気泡供給孔10から気泡又は気液混合流体を供給して、気泡を船底部に誘導して船体の摩擦抵抗を低減する気泡型抵抗低減装置を備えた船舶において、気泡供給孔10から供給される気泡を効率良く船底部に導くことができて、船体抵抗を減少するための気泡供給エネルギーの量を減少できる。
本発明の、気泡型抵抗低減装置を備えた船舶及び船舶の抵抗低減方法によれば、船体に設けた気泡供給孔から気泡又は気液混合流体を供給して、気泡を船底部に誘導して船体の摩擦抵抗を低減する気泡型抵抗低減装置を備えた船舶において、気泡供給孔から供給される気泡を効率良く船底部に導くことができて、船体抵抗を減少するための気泡供給エネルギーの量を減少できるので、数多くの船舶に利用できる。
1 船舶(気泡型抵抗低減装置を備えた船舶)
2 船体
2a 船側外板
2d 船首部の船体の下側の部分
2f 船底平坦部
2fa フラット・ボトム・ライン
2fp フラット・ボトム・ラインの先端位置
3 船首バルブ
3a 船首バルブの上端
3u 船首バルブの中央の位置における横断面の最上点
10 気泡供給孔
10A 気泡供給孔群
11A 気泡供給装置
12 案内溝
13 案内部材
20 気泡供給システム
20c 個別気泡供給制御装置
28 気泡供給停止装置
A.P. 船尾垂線
Bb 船首バルブの最大幅
df 船首垂線における船首喫水
D.W.L. 満載喫水線
F.P. 船首垂線
g 重力加速度
H 水頭
Ha 満載喫水線よりも0.2×df分下の部位
Hb 満載喫水線よりも0.6×df分下の部位
Hm 船首バルブの前後方向中央位置の横断面形状の上下方向の中央の高さ
H1 満載喫水線よりも水頭Hの2倍分低い部位
H2 満載喫水線よりも水頭H分高い部位
H3 バラスト喫水線よりも水頭Hの2倍分低い部位
H4 バラスト喫水線よりも水頭H分高い部位
L.W.L. バラスト喫水線
Lpp 垂線間長
Pb 船底平坦部の先端位置
Pf 船首バルブの先端位置
Pm 船首バルブの中央の位置
Vs 船舶の航海速力
X1 船首垂線よりも垂線間長Lppの5%後方の位置
X2 船首垂線よりも垂線間長Lppの0.7%後方の位置
Xf 船首垂線よりも垂線間長Lppの0.25倍後方の位置

Claims (9)

  1. 船体に設けた気泡供給孔から気泡又は気液混合流体を供給して、気泡を船底部に誘導して船体の摩擦抵抗を低減する気泡型抵抗低減装置を備えた船舶において、
    当該船舶の航海速力をVs(m/s)とし、重力加速度をg(m/s2)とし、(0.5×Vs×Vs)/gで計算される水頭をH(m)とした時に、
    船体の前後方向に関して、船首垂線位置よりは後方で、かつ、船首垂線から垂線間長の0.25倍分後方の位置よりも前方に気泡供給孔群を配置すると共に、
    船体の上下方向に関して、該気泡供給孔群の前記気泡供給孔を、満載喫水線よりも前記水頭Hの2倍分低い部位よりも高い範囲を含んで配設し、
    更に、船首部に船首バルブを設け、該船首バルブを船首部分における水流の流れを船底部に誘導する下降流促進タイプの船首バルブで形成したことを特徴とする気泡型抵抗低減装置を備えた船舶。
  2. 船底平坦部の先端位置を船首垂線よりも垂線間長の0.7%以上後方かつ垂線間長の5%以下後方の範囲に設けたことを特徴とする請求項1に記載の気泡型抵抗低減装置を備えた船舶。
  3. 船体の前後方向に関して船首垂線と前記船首バルブの先端位置との中央の位置における横断面形状において、前記船首バルブの横断面面積の55%以上が前記横断面形状の上下方向に関して中央の高さよりも上側になるように形成すると共に、
    船体の前後方向に関して船首垂線と前記船首バルブの先端位置との間で、前記中央の高さより上側のバルブ容積が前記中央の高さより下側のバルブ容積の1.1倍以上かつ4.0倍以下になるように形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の気泡型抵抗低減装置を備えた船舶。
  4. 満載状態での船首垂線における喫水をdfとしたときに、前記中央の位置において、前記船首バルブの最上点が満載喫水線と満載喫水線よりも0.2×df下の部位との間に位置するように設けると共に、
    前記船首バルブの最大幅が、満載喫水線よりも0.2×df分下の部位と満載喫水線よりも0.6×df分下の部位との間に位置するように設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の気泡型抵抗低減装置を備えた船舶。
  5. 船首部における下降流を案内する案内溝又は案内部材を船首部の船体表面に設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の気泡型抵抗低減装置を備えた船舶。
  6. 船体の上下方向に関して、前記気泡供給孔群の前記気泡供給孔を、満載喫水線よりも前記水頭Hの2倍分低い部位から満載喫水線よりも前記水頭H分高い部位までの範囲を含んで配設したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の気泡型抵抗低減装置を備えた船舶。
  7. 船体の上下方向に関して、前記気泡供給孔群の前記気泡供給孔を、バラスト喫水線よりも前記水頭Hの2倍分低い部位から、バラスト喫水線よりも前記水頭H分高い部位までの範囲を含んで配設したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の気泡型抵抗低減装置を備えた船舶。
  8. 前記気泡供給孔群の単数又は複数の前記気泡供給孔に対して、気泡又は気液混合流体の供給を停止する気泡供給停止装置を設けて、前記気泡供給孔が水没していない状態では、この水没していない前記気泡供給孔への気泡又は気液混合流体の供給を停止することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の気泡型抵抗低減装置を備えた船舶。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の気泡型抵抗低減装置を備えた船舶を用いた船舶の抵抗低減方法。
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