JP2011178334A - 肥大船 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽荷状態で波浪中を航行する際にも波浪による抵抗を低減することが可能な肥大船を得る。
【解決手段】船首部2の船底部は略V字状となっており、船首部2の側面部には凸部7が形成されている。DWL’におけるウォーターラインにおいて、船体中心線上における船体前端の点と、船首端2aから水平距離(0.02×Lpp)後方位置の垂直面とウォーターラインとの交点と、を結んだ直線は、船体中心線から計った角度γが0°<γ<55°となっている。また、船首端2aから水平距離(0.0125×Lpp〜0.05×Lpp)後方となる範囲におけるフレームラインにおいて、凸部7は、BWL”とDWLとの間に、BWL”における半幅bbwl”及びDWLにおける半幅bdwlよりも半幅が大きくなる箇所がある。
【選択図】図6

Description

本発明は、タンカーやバルクキャリアー等の肥大船に関し、特に波浪中を航行する際の波浪による抵抗を低減することが可能な肥大船に関する。
海域を航行する船舶は、水から抵抗を受ける。この抵抗は、波浪のない平水中を航行する場合に比べると、波浪中を航行する場合の方が大きくなる。つまり、波浪中を航行する船舶が受ける全抵抗RT は、RT =RS +RAWとなる。ここで、RS は、平水中を航行する場合に船舶が受ける抵抗を示す。また、RAWは、波浪による抵抗を示す。したがって、波浪中を航行する船舶が受ける抵抗は、波浪のない平水中を航行する場合に比べると、波浪による抵抗RAW分だけ大きくなってしまう。この波浪による抵抗RAWは、船首部に向かってくる波(以下、入射波という)の反射等によって発生する。特に、タンカーやバルクキャリアー等のたくさんの荷物を運ぶ肥大船は、船首がかなり肥えているため、航行中に受ける波浪による抵抗RAWが大きくなる。
そこで、従来の肥大船には、航行中に受ける抵抗を低減させるために種々の船首形状が提案されている。このような肥大船においては、例えば満載状態で航行する際の波浪による抵抗RAWを低減するものとして、「FPより前方で、最大喫水線上の船首において、すべての水線面における、船体中心線上の点Eと、船体前端から計った水平距離C(2%×LOA)後方位置の垂直面B−Bとの交点Dを結んだ直線aの、船体中心線から計った角度γを、0°<γ≦50°に設定したので、船首部分を前方にできるだけ尖らせることができ、船首での前方への波反射、波崩れ現象を緩和し、波浪中抵抗増加を低減できる。」(例えば特許文献1参照)というものが提案されている。なお、特許文献1に記載の「波浪中抵抗増加」は、本発明の波浪による抵抗RAWと同義のものである。
図10は従来の肥大船の最大喫水線における船首水線(ウォーターライン)の一例であり、図10(A)はブラントネス係数の大きい船首水線を示し、図10(B)はブラントネス係数の小さい船首水線を示す。また、下記の数式は、ブラントネス係数Bfの計算式である。
Figure 2011178334
つまり、従来の肥大船は、船首水線の平均傾斜角であるブラントネス係数Bfを小さくすることにより、満載状態で航行する際の波浪による抵抗RAWを低減している。
特開2000−335478号公報(要約、図2)
タンカーやばら積み貨物船等の肥大船は、航海の約半分が軽荷状態での運航となる。このため、満載状態のみならず、軽荷状態においても波浪による抵抗RAWを低減することは非常に重要である。しかしながら、従来の肥大船は、満載状態で航行する際の波浪による抵抗RAWを低減したものであり、軽荷状態で航行する際の波浪による抵抗RAWの低減に関しては考慮されていなかった。
図11は、波浪時における入射波が船底部に及ぼす影響を説明するための説明図である。この図11は、大型肥大船が実航海中に遭遇する頻度が高い短波長の向波が船底部に及ぼす影響について示している。なお、図11(A)は、満載状態の肥大船の船首部2を示している(側面図)。図11(B)は、軽荷状態の肥大船の船首部2を示している(側面図)。図11(C)は、図11(B)のX−X断面模式図である。
図11からわかるように、入射波の水粒子の円運動は、深さ方向に指数関数的に減衰する。このため、図11(A)に示すように、満載状態の肥大船においては、入射波の水粒子の運動は船体の側面に限定される。しかしながら、図11(B)に示すように、軽荷状態の肥大船においては、入射波の水粒子の運動は船底部付近でも比較的大きい。このとき、図11(C)に示すように、船底部に入射した波の水分子の速度に起因して、肥大船は鉛直方向の速度変動を受ける。また、船底部へ入射した波は、船底部の存在によって進行が妨げられるので、船体の側方へ拡散される。例えば、短波長域の波浪による大型肥大船への抵抗においては、軽荷時と満載時のブラントネス係数Bfを同程度とした場合でも、軽荷時の波浪による抵抗RAWは、満載時の波浪による抵抗RAWの倍程度に増大する。
つまり、従来の肥大船は、軽荷状態で波浪中を航行する際、船底部に入射する波の影響により、波浪による抵抗RAWが著しく増加してしまうという課題があった。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、軽荷状態で波浪中を航行する際にも波浪による抵抗RAWを低減することが可能な肥大船を得ることを目的とする。
本発明に係る肥大船は、Cb=∇/(Lpp×B×d)が0.8以上の肥大船であって、船首部の船底部は略V字状となっており、該船首部の側面部には凸部が形成され、最大喫水線DWLから所定の高さだけ高い位置をDWL’(DWL+V2 /2g)、最小喫水線BWLから所定の高さだけ高い位置をBWL’(BWL+V2 /4g)、該BWL’に波浪による水面上昇を考慮した高さ3mを付加した高さをBWL”とした場合、
DWL’におけるウォーターラインにおいて、船体中心線上における船体前端の点(E)と、船首端から水平距離C(0.02×Lpp)後方位置の垂直面(B−B)と前記ウォーターラインとの交点(D)と、を結んだ直線(a)は、船体中心線から計った角度γが0°<γ<55°となり、
船首端から水平距離Z(0.0125×Lpp〜0.05×Lpp)後方となる範囲におけるフレームラインにおいて、凸部は、BWL”とDWLとの間に、BWL”における半幅及びDWLにおける半幅よりも当該凸部の半幅が大きくなる箇所があるものである。
ここで、FP、Lpp、d、B、∇、V及びgは、
FP:Fore Perpendicularの略で、最大喫水線DWLと交わる船首先端位置(垂直線)
Lpp:FP位置から舵軸中心位置(AP)までを水平距離で計った肥大船の長さ
d:肥大船の最大喫水線DWL下の深さ
B:肥大船の全幅
∇:dに対応する型排水容積
V:船速
g:重力加速度
を示す。
本発明においては、DWL’におけるウォーターラインにおいて、0°<γ<55°としている。このため、満載状態で波浪中を航行する際の波浪による抵抗RAWを低減することができる。
また、船底部形状を略V字状とすることにより、軽荷状態で波浪中を航行する際の波浪による抵抗RAWを低減することもできる。
また、船首端から水平距離Z(0.0125×Lpp〜0.05×Lpp)後方となる範囲におけるフレームラインにおいて、凸部は、BWL”とDWLとの間に、BWL”における半幅及びDWLにおける半幅よりも大きくなる箇所がある。つまり、船底部形状を略V字状としたことで減少する排水容積(積載量)を、船底部の略V字状より上方で凸部を設けることにより確保している。一般的に、船首部の側面部に凸部を設けることにより、平水中を航行する際の抵抗RS の増加が懸念される。しかしながら、このような位置(BWL”とDWLとの間)に凸部を設けることにより、平水中を航行する際の抵抗RS の増加を抑制することができることを見出した。このため、船底部形状を略V字状として減少した排水容積(積載量)を、平水中を航行する際の抵抗RS の増加を抑制しながら、船底部の略V字状よりも上方で確保することができる。
一般的な船舶の一例を示す側面図である。 一般的な船舶の一例を示す船首部拡大図である。 船底部に生じる入射波の拡散現象を船舶1の強制上下運動にモデル化した説明図である。 放射流体力が小さくなる船首形状(X−X断面形状)の一例を示す説明図である。 放射流体力と船体断面形状との関係を示す説明図である。 本発明の実施の形態に係る船首部の形状を示す説明図である。 本発明の実施の形態に係る船首部の形状を示す説明図である。 本発明の実施の形態に係る船舶の波浪時の抵抗を示す特性図である。 本発明の実施の形態に係る船舶の平水時の抵抗を示す特性図である。 従来の肥大船の最大喫水線における船首水線(ウォーターライン)の一例である。 波浪時における入射波が船底部に及ぼす影響を説明するための説明図である。
図1は、一般的な船舶の一例を示す側面図である。図2は、一般的な船舶の一例を示す船首部拡大図である。なお、図2(A)は船首部2の側面図を示しており、図2(B)は図2(A)のA−A,A’−A’断面図を示している。
まず、図1及び図2を用いて、本発明で使用している用語の定義及び説明を行う。
DWLは船舶1が航行可能な最大喫水線、つまり満載時の喫水線を表す。DWL’は、満載状態で平水中を航走する際に、最大喫水線DWLから盛り上がる水面高さを示している。このDWL’は、DWL+V2 /2gで求めることができる。ここで、Vは船舶1の速度を示し、gは重力加速度を示す。FPは、Fore Perpendicularの略で、最大喫水線DWLと交わる船首先端位置(垂直線)である。Lppは、FP位置から舵軸中心位置AP(Aft Perpendicular)までを水平距離で計った長さである。LOAは船舶1の全長である。また、BWLは船舶1が航行可能な最小喫水線、つまり軽荷時の喫水線を表す。
本発明における肥大船とは、タンカーやバルクキャリアー等のたくさんの荷物を運ぶ肥った船舶で、Cb=∇/(Lpp×B×d)が約0.8以上の船舶を指す。ここで、dは船舶の最大喫水線DWL下の深さで、Bは船舶の全幅、∇はdに対応する型排水容積である。
γは、以下のように定義する。まず、ウォーターラインにおいて、船体中心線上における船体前端の点を点Eとする。また、船首端2aから水平距離C(0.02×Lpp)だけ後方位置となる垂直面を垂直面B−Bとする。また、ウォーターライン4と垂直面B−Bとの交点を交点Dとする。また、交点Dと点Eとを結んだ直線を直線aとする。そして、船体中心線から計った直線aの角度をγ(尖り角)と定義する。
続いて、本実施の形態に係る船舶1(肥大船)の船首部形状の詳細について説明する。
流体学的にみると、図11(C)で示したような船底部に生じる入射波の散乱現象(拡散現象)は、船底部に作用する鉛直方向の速度変動と同一の周期・振幅で運動する船体上下運動により生じる放射波の発生と等価であると考えることができる。
そこで、本実施の形態では、まず、図3に示すように、船底部に生じる入射波の散乱現象を、船舶1を強制的に上下運動させることにより生じる放射波の発生に置き換えてモデル化した。そして、この放射波が小さくなるような船首形状を検討した。つまり、船体断面(図11(B)のX−X断面)を強制上下運動した際、この断面に作用する流体力(放射流体力)が小さくなる船首形状(X−X断面形状)を検討した。
図4は、放射流体力が小さくなる船首形状(X−X断面形状)の一例を示す説明図である。図4では、(A)〜(C)に3つの船首部2の形状を示している。以下、図4(A)に示す船首形状を船型13、図4(B)に示す船首形状を船型14、図4(C)に示す船首形状を船型15として説明する。なお、(A)〜(C)に記載の点線は、船首部より後方の船体形状を示すものである。また、(A)〜(C)に記載の破線は、従来の船首部形状(以下、従来船型という)の一例を示すものである。
船体断面に作用する放射流体力を低減するためには、最小喫水線BWL(軽荷状態の喫水線)より下部の排水容積を減少させることが効果的である。
例えば、船型13は、船首幅(以下、船首幅の半分の幅を示す場合、半幅という)を従来よりも狭くすることにより、最小喫水線BWLより下部の排水容積を減少させている。また、船型14及び船型15は、船底部の形状を略V字状とすることにより、最小喫水線BWLより下部の排水容積を減少させている。特に、船底部の形状を略V字状とすることにより、船底部が流体(水)に与える運動量(力)をフラット形状な船底部よりも小さくできる。このため、図5に示すように、船底部の形状を略V字状とすることで、放射波をより小さくすることができる。
しかしながら、船型13は、従来船型に比べ、最小喫水線BWLより上方の排水容積も減少してしまう。このため、船首部2に船型13の形状を採用した船舶1は、従来の船舶よりも積載量が減少してしまう。
一方、船型14は、船首部2の船底部の断面形状を略V字状とすることにより、従来船型と同様の排水容積を確保できる。しかしながら、船型14は、DWL’付近の半幅が従来船型の半幅よりも大きくなってしまう。このため、DWL’付近のブラントネス係数Bfが大きくなり、満載状態で波浪中を航行する際、波浪による抵抗RAWの増加が懸念される。
そこで、本実施の形態では、船首部2の形状として船型15の形状を採用することとした。船型15は、船首部2の船底部の断面形状を略V字状とすることにより、最小喫水線BWLより下部の排水容積を減少させることができる。また、DWL’付近にくびれ6を形成しているため、DWL’付近のブラントネス係数Bfが大きくなることも抑制している。そして、船底部の断面形状を略V字状としたことにより満載状態(DWLの喫水以下)で減少した分の排水容積(積載量)を、船底部の略V字状より上方となる船首部2の側面に凸部7を設けることにより確保している。ここで、船首部2の側面に凸部7を設けることは、平水中を航行する際の抵抗RS の増加が懸念され、一般的には躊躇される。しかしながら、発明者らは鋭意検討を重ね、平水中を航行する際の抵抗RS の増加を抑制できる凸部7の形成位置等を見出した。これにより、船底部の断面形状を略V字状として減少した排水容積(積載量)を、平水中を航行する際の抵抗RS の増加を抑制しながら、船底部の略V字状よりも上方で確保している。なお、凸部7の形成位置等の詳細については後述する。
次に、本実施の形態に係る船首部2の具体的な形状について説明する。
図6及び図7は、本発明の実施の形態に係る船首部の形状を示す説明図である。ここで、図6(A)と図7(A)は同じ船首部2の形状を示すものであり、船首部2の側面図を示している。図6(B)は、船首部2のフレームラインを示している。この図6(B)に示す各フレームラインは、図6(A)に示す、0.0125×Lpp、0.025×Lpp及び0.05×Lpp位置でのフレームラインである。また、図7(B)は、図6(A)及び図7(A)のDWL’位置におけるウォーターラインを示している。なお、図6及び図7では、従来の船首部形状を破線で示している。この従来の船首部は、船首部の先端下部が略球状となった、いわゆるバルバスバウである。また、図7(B)では、本実施の形態に係る船首部2を表す場合には図2(B)の各符号に符号「1」を追加して示し、従来の船首部を表す場合には図2(B)の各符号に符号「2」を追加して示している。
ここで、本実施の形態に係る船首部2の具体的な形状を説明する前に、図6及び図7に示すBWL’及びBWL”について説明する。
BWL’は、軽荷状態で平水中を航走する際に、最小喫水線BWLから盛り上がる水面高さを示している。このBWL’は、BWL+V2 /4gで求めることができる。参考として、軽荷状態で平水中を航走する際の盛り上がり水面12を、図6(A)及び図7(A)に示す。図6(A)及び図7(A)には、DWL’の参考として、満載状態で平水中を航走する際の盛り上がり水面11も示している。
BWL”は、BWL’に経済運航時の波浪による水面上昇を考慮した高さ3mを付加した高さである。
図6及び図7に示すように、船首部2は船型15の形状(図4(C))を採用している。つまり、船底部の形状は略V字状となっており、DWL’付近にはくびれ6が形成され、側面部には凸部7が設けられている。
より詳しくは、DWL’におけるウォーターラインにおいてγ1が0°<γ<55°となるように、くびれ6が形成されている。また、本実施の形態に係る船首部2は、側面視において船首部先端が略直線状となる、いわゆるレッジバウとなっている。このため、DWL’におけるウォーターラインにおいて、本実施の形態に係る船首部2のγ1は、従来の船首部のγ2よりも小さくすることができる。したがって、本実施の形態1に係る船舶1は、満載状態で波浪中を航行する際の波浪による抵抗RAWを従来の船舶よりも低減することが可能となる。
なお、船首部2は、必ずしもレッジバウである必要はない。DWL’におけるウォーターラインにおいてγ1が0°<γ<55°となるように、くびれ6が形成されていればよい。
また、凸部7は、船首端2aから水平距離Z(0.0125×Lpp〜0.05×Lpp)後方となる範囲におけるフレームラインにおいて、BWL”とDWLとの間に、BWL”における半幅bbwl”及びDWLにおける半幅bdwlよりも半幅が大きくなる箇所がある。このように凸部7を形成することにより、平水中を航行する際の抵抗RS の増加を抑制できることがわかった。つまり、船底部の形状を略V字状として減少した排水容積(積載量)を、平水中を航行する際の抵抗RS の増加を抑制しながら、船底部の略V字状よりも上方で確保できることがわかった。
また、より好ましくは、船首端から水平距離Y(0.025×Lpp)後方となる位置におけるフレームラインにおいて、DWL’におけるbdwl’がbdwl’<0.97×bmaxとなり、BWL”における半幅bbwl”がbbwl”<0.95×bmaxとなるように設定することで、平水中を航行する際の抵抗RS の増加をより抑制できることがわかった。なお、bmaxとは、船首端から水平距離Y(0.025×Lpp)後方となる位置のフレームラインにおける凸部7の最大半幅である。
このように構成された船首部2を有する船舶1の抵抗低減効果を図8及び図9に示す。
図8は、本発明の実施の形態に係る船舶の波浪時の抵抗(波浪による抵抗RAWに相当するもの)を示す特性図である。ここで、図8(A)は、満載状態の船舶1にかかる波浪時の抵抗(波浪による抵抗RAWに相当するもの)を示す。図8(B)は、軽荷状態の船舶1にかかる波浪時の抵抗(波浪による抵抗RAWに相当するもの)を示す。
また、図9は、本発明の実施の形態に係る船舶1の平水時の抵抗(平水中を航行する際の抵抗RS に相当するもの)を示す特性図である。ここで、図9(A)は、満載状態の船舶1にかかる平水時の抵抗(平水中を航行する際の抵抗RS に相当するもの)を示す。図9(B)は軽荷状態の船舶1にかかる平水時の抵抗(平水中を航行する際の抵抗RS に相当するもの)を示す。
なお、図8及び図9には、従来の船舶(図6に破線で示した船首部形状を有する船舶)にかかる抵抗値も示している。また、図8及び図9に示す値は、模型を用いた試験結果である。
図8(A)に示すように、本実施の形態に係る船舶1が満載状態で波浪中を航行する場合、従来の船舶に比べて、波浪時の抵抗(波浪による抵抗RAWに相当するもの)を約20%低減することができる。また、図8(B)に示すように、本実施の形態に係る船舶1が軽荷状態で波浪中を航行する場合、従来の船舶に比べて、波浪時の抵抗(波浪による抵抗RAWに相当するもの)を約10%低減することができる。
また、図9(A)及び図9(B)に示すように、本実施の形態に係る船舶1が平水中を航行する場合、満載状態及び軽荷状態のいずれにおいても、平水時の抵抗(平水中を航行する際の抵抗RS に相当するもの)は従来の船舶と同様となることがわかる。
1 船舶、2 船首部、2a 船首端、6 くびれ、7 凸部、11 盛り上がり水面(満載時)、12 盛り上がり水面(軽荷時)、13〜15 船型。

Claims (2)

  1. Cb=∇/(Lpp×B×d)が0.8以上の肥大船であって、
    船首部の船底部は略V字状となっており、
    該船首部の側面部には凸部が形成され、
    最大喫水線DWLから所定の高さだけ高い位置をDWL’(DWL+V2 /2g)、最小喫水線BWLから所定の高さだけ高い位置をBWL’(BWL+V2 /4g)、該BWL’に波浪による水面上昇を考慮した高さ3mを付加した高さをBWL”とした場合、
    前記DWL’におけるウォーターラインにおいて、
    船体中心線上における船体前端の点(E)と、船首端から水平距離C(0.02×Lpp)後方位置の垂直面(B−B)と前記ウォーターラインとの交点(D)と、を結んだ直線(a)は、船体中心線から計った角度γが0°<γ<55°となり、
    船首端から水平距離Z(0.0125×Lpp〜0.05×Lpp)後方となる範囲におけるフレームラインにおいて、
    前記凸部は、前記BWL”と前記DWLとの間に、前記BWL”における半幅及び前記DWLにおける半幅よりも当該凸部の半幅が大きくなる箇所があることを特徴とする肥大船。
    FP:Fore Perpendicularの略で、最大喫水線DWLと交わる船首先端位置(垂直線)
    Lpp:FP位置から舵軸中心位置(AP)までを水平距離で計った肥大船の長さ
    d:肥大船の最大喫水線DWL下の深さ
    B:肥大船の全幅
    ∇:dに対応する型排水容積
    V:船速
    g:重力加速度
  2. 船首端から水平距離Y(0.025×Lpp)後方となる位置におけるフレームラインにおいて、
    前記凸部の半幅の最大値をbmaxとした場合、
    前記DWL’における半幅bdwl’がbdwl’<0.97×bmaxとなり、
    前記BWL”における半幅bbwl”がbbwl”<0.95×bmaxとなっていることを特徴とする請求項1に記載の肥大船。
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