JP6460750B2 - パーティクルボード及びこれを用いた二重床 - Google Patents

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Description

この発明は、X線遮蔽機能を有するパーティクルボード及びこのパーティクルボードを用いた二重床に関する。
医療機関等のX線撮影室では、床下に配線や配管等を通す必要があるため、床スラブと床板との間に空間が確保された二重床が一般的に採用されており、このような二重床を採用する場合は、床スラブからの散乱X線の防護が必要となる。このため、図3(a)、(b)に示すように、X線撮影室の二重床を構成する床板50としては、木質基材であるパーティクルボード51の上に、X線遮蔽機能を有する1mm以上の鉛板53を合板54に複合した鉛合板52を貼着し、さらにその上に化粧板や化粧シート等の表面仕上材55を貼着した複合板が使用されている。
実用新案登録第3167331号公報
図4に示すように、通常の二重床を構成する床板50Aは、パーティクルボードからなる木質基材51の上に、化粧板や化粧シート等の表面仕上材55を貼着するだけでよいが、X線撮影室の二重床を構成する床板50は、上述したように、パーティクルボードからなる木質基材51の上に鉛合板52を貼着するという余分な工程が必要となるので、床板50を製造する際の工数が増えるといった問題がある。
また、X線撮影室はフロアの一部分であり、図5に示すように、X線撮影室の床板50は、鉛合板52の分だけ通常の床板50Aよりも厚くなるので、床面の高さを合わせるために、X線撮影室の床板50を支持する支持脚60を、通常の床板50Aを支持する支持脚60Aに比べて短くしなければならず、支持脚60の高さ調整に手間がかかるといった問題もある。こういった問題を解決するために、X線撮影室の床板50については、木質基材51であるパーティクルボードの厚みを薄くすることで対応することも考えられるが、パーティクルボードの厚みを薄くすると、床板50の剛性が低下し、撓み等の新たな問題が発生するので、そういった手法を採用することは難しい。
また、鉛合板52は容易に切削することができないだけでなく、切削時に発生した鉛の粉塵を吸い込むと人体にとって有害であり、床板や粉塵を廃棄する際に鉛が水に溶け出して環境汚染をおこす恐れもある。
また、木質基材51であるパーティクルボードの密度を大きくすることによって、X線遮蔽機能を確保することも考えられるが、パーティクルボードの密度を大きくするにはパーティクルボードを製造するためのマット(木材チップと接着剤との混合物を堆積させたもの)の厚みが大きくなり、通常のパーティクルボード製造用プレス機の加圧盤間にマットを挿入することができないという問題があると共に、加圧時の反発力が大きいために加圧盤の解圧時に、製造されたパーティクルボードが破裂する現象、いわゆるパンクが発生するといった問題もある。
そこで、この発明の課題は、通常のパーティクルボードと同様に製造することができ、人体に無害で環境汚染もなく、施工性に優れたパーティクルボード及びこれを用いた二重床を提供することにある。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、鉛を含まない粉状の放射線遮蔽材を木材チップに添加することによって、密度1.0〜1.3g/cmに調整されており、前記木材チップは、表層用木材チップ及び前記表層用木材チップよりも粗い内層用木材チップから構成されており、前記放射線遮蔽材の添加量は、前記表層用木材チップと前記内層用木材チップとから構成される前記木材チップ及び前記放射線遮蔽材の全重量の30重量%以上であり、前記表層用木材チップに対する前記放射線遮蔽材の添加量、前記表層用木材チップ及び前記放射線遮蔽材の全重量の80重量%未満で、前記内層用木材チップに対する前記放射線遮蔽材の添加量、前記内層用木材チップ及び前記放射線遮蔽材の全重量の70重量%未満であることを特徴とするパーティクルボードを提供するものである。
また、上記の課題を解決するため、請求項に係る発明は、請求項1に記載のパーティクルボードを木質基材として使用した床板を、床スラブの上に所定空間を空けて配設したことを特徴とする二重床を提供するものである。
以上のように、請求項1に係る発明のパーティクルボードは、鉛を含まない粉状の放射線遮蔽材を木材チップに添加することによって、密度を1.0〜1.3g/cmに調整したので、パーティクルボード自体にX線遮蔽機能が付与されることになる。従って、このパーティクルボードをX線撮影室の二重床を構成する床板の木質基材として使用すると、X線撮影室の二重床を構成する従来の床板のように、木質基材であるパーティクルボードの上に鉛合板を貼着するという余分な工程が不要となり、X線遮蔽機能を有する床板を、通常の床板と同様の工程で効率よく製造することができる。
また、このパーティクルボードは、二重床を構成する通常の床板の木質基材として使用されている、X線遮蔽機能を有していないパーティクルボードと同一厚みにすることができるので、請求項に係る発明の二重床のように、このパーティクルボードをX線撮影室の二重床を構成する床板の木質基材として使用すると、床面の高さを合わせるために、X線撮影室の床板を支持する支持脚の高さを調整する必要もない。
また、このパーティクルボードは、鉛を含まない粉状の放射線遮蔽材を木材チップに添加することによって、密度を1.0〜1.3g/cmに調整しているので、容易に切削することができ、廃棄する際に環境汚染をおこす恐れもない。また、放射線遮蔽材は木材チップに比べて比重が大きいので、パーティクルボードの密度を大きくするためにマットの厚みを大きくする必要がなく、通常のパーティクルボードを製造するためのプレス機を使用することができると共に、製造されたパーティクルボードにパンクが発生することもない。
また、のパーティクルボードは、木材チップ及び放射線遮蔽材の全重量の30重量%以上の放射線遮蔽材が添加されているので、製造されたパーティクルボードの密度を1.0〜1.3g/cmにするための木材チップの使用量を抑えることができる。従って、マットの厚みが大きくならず、加圧盤の解圧時に、製造されたパーティクルボードにパンクが発生することがない。
また、製造されたパーティクルボードにパンクが発生しないようにするには、放射線遮蔽材の添加量を増やせばよいが、放射線遮蔽材の添加量を増やし過ぎると、木材チップに付着しない状態でマットの下部に独立して存在する放射線遮蔽材の量が増加し、製造されたパーティクルボードが不均一になるという問題がある。
従って、木材チップを構成している表層用木材チップだけに放射線遮蔽材を添加する場合や、木材チップを構成している表層用木材チップ及び内層用木材チップの双方に放射線遮蔽材を添加する場合、表層用木材チップに対する放射線遮蔽材の添加量を、表層用木材チップ及び放射線遮蔽材の全重量の80重量%未満にしておくと、接着剤が塗布された表層用木材チップと放射線遮蔽材とを混合することで、放射線遮蔽材が表層用木材チップに均一に付着するので、放射線遮蔽材がマットの下部に独立して存在することがなく、製造されたパーティクルボードが均一に仕上がるという効果が得られる。
また、木材チップを構成している内層用木材チップだけに放射線遮蔽材を添加する場合や、木材チップを構成している表層用木材チップ及び内層用木材チップの双方に放射線遮蔽材を添加する場合、内層用木材チップに対する放射線遮蔽材の添加量を、内層用木材チップ及び放射線遮蔽材の全重量の70重量%未満にしておくと、接着剤が塗布された内層用木材チップと放射線遮蔽材とを混合することで、放射線遮蔽材が内層用木材チップに均一に付着するので、放射線遮蔽材がマットの下部に独立して存在することがなく、製造されたパーティクルボードが均一に仕上がるという効果が得られる。
この発明に係る二重床の一実施形態を示す断面図である。 同上の二重床を構成している床板の木質基材であるパーティクルボードを示す概略断面図である。 (a)はX線撮影室の二重床を構成している従来の床板を示す分解断面図、(b)は同上の床板を示す断面図である。 通常の二重床を構成している床板を示す断面図である。 X線撮影室及びその周辺の二重床を示す断面図である。
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、X線撮影室に敷設される二重床を示しており、この二重床は、X線遮蔽機能を有するパーティクルボードからなる厚さ20mmの木質基材10の上面に、化粧板または化粧シートからなる厚さ2.3mmの表面仕上材20を貼着した床板1と、床スラブ2と、床板1を床スラブ2との間に所定の空間が形成されるように、床スラブ2上に支持する支持脚3とから構成されている。
前記木質基材10を構成しているパーティクルボードは、図2に示すように、密度の大きい表裏一対の表層部11と、表裏一対の表層部11間に挟み込まれた、密度の小さい内層部12とから構成されており、表層部11は細かい木材チップにより、内層部12は大きい木材チップにより、それぞれ形成されている。
なお、X線撮影室は、通常、0.5坪、広くても2坪程度の大きさであるため、X線撮影室に敷設される床板1は継目のない1枚ものを使用することが望ましい。複数枚の床板1を敷設する場合は、突き付けで施工を行い、床板1の伸縮等を吸収するための遊びは壁際で確保するか、床板1間に隙間を形成しなければならない場合は、伸縮性を有する放射線遮蔽充填剤で隙間を塞ぐことが望ましい。
以下、前記床板1の木質基材10を構成している本発明のパーティクルボード及びその製造方法について、表1及び表2を参照して説明するが、本発明のパーティクルボードはこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
表1に示すように、表層用木材チップ100重量部に対し、フェノール系接着剤14重量部、ワックスエマルジョン1重量部を添加し、含水率が20%になるように水を添加して表層用マット材料を調整した。
また、表2に示すように、内層用木材チップ40重量部に対し、硫酸バリウムを60重量部添加して内層材料とし、表1に示すように、この内層材料100重量部に対し、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(以下、ポリメリックMDIという。)8重量部、ワックス系エマルジョン0.5重量部を添加し、含水率が10%になるように水を添加して内層用マット材料を調整した。
このように調整された表層用マット材料及び内層用マット材料を、表1に示すように、設定密度1.2で表層/内層/表層の重量比が6/22/6の重量比になるようにフォーミングしてマットを形成し、このマットを、圧力20kgf/cm、温度180℃で、10分間熱圧成型して、厚さ20mmのパーティクルボードを作成した。
(実施例2)
表1及び表2に示すように、内層用木材チップ35重量部に対し、硫酸バリウムを65重量部添加して内層材料とした点を除いて、実施例1と同様の方法で、厚さ20mmのパーティクルボードを作成した。
(実施例3)
表2に示すように、表層用木材チップ60重量部に対し、硫酸バリウム40重量部を添加して表層材料とし、表1に示すように、この表層材料100重量部に対し、フェノール系接着剤14重量部、ワックスエマルジョン1重量部を添加し、含水率が20%になるように水を添加して表層用マット材料を調整した。
また、表2に示すように、内層用木材チップ60重量部に対し、硫酸バリウム40重量部を添加して内層材料とし、表1に示すように、この内層材料100重量部に対し、ポリメリックMDI8重量部、ワックス系エマルジョン0.5重量部を添加し、含水率が10%になるように水を添加して内層用マット材料を調整した。
このように調整された表層用マット材料及び内層用マット材料を、表1に示すように、設定密度1.2で表層/内層/表層の重量比が5/20/5の重量比になるようにフォーミングしてマットを形成し、圧力20kgf/cm、温度180℃で、10分間熱圧成型して厚さ20mmのパーティクルボードを作成した。
(実施例4)
表2に示すように、表層用木材チップ30重量部に対し、硫酸バリウム70重量部を添加して表層材料とし、表1に示すように、この表層材料100重量部に対し、フェノール系接着剤14重量部、ワックスエマルジョン1重量部を添加し、含水率が20%になるように水を添加して表層用マット材料を調整した。
また、表1に示すように、内層用木材チップ100重量部に対し、ポリメリックMDI8重量部、ワックス系エマルジョン0.5重量部を添加し、含水率が5%になるように水を添加して内層用マット材料を調整した。
このように調整された表層用マット材料及び内層用マット材料を、表1に示すように、設定密度1.2で表層/内層/表層の重量比が11/13/11の重量比になるようにフォーミングしてマットを形成し、圧力20kgf/cm、温度180℃で、10分間熱圧成型して厚さ20mmのパーティクルボードを作成した。
(実施例5)
表1及び表2に示すように、表層用木材チップ25重量部に対し、硫酸バリウムを75重量部添加して表層材料とした点を除いて、実施例4と同様の方法で、厚さ20mmのパーティクルボードを作成した。
以上のようにして得られた実施例1〜5のパーティクルボードは、表2に示すように、加圧盤の解圧時にパンクが発生することもなく、均一に仕上がり、1.1mmPbの鉛当量の放射線遮蔽性能を有していた。
(比較例1)
表1及び表2に示すように、内層用木材チップに硫酸バリウムを添加せずに、内層用木材チップ100重量部に対し、ポリメリックMDI8重量部、ワックス系エマルジョン0.5重量部を添加し、含水率が5%になるように水を添加して内層用マット材料を調整した点を除いて、実施例1と同様の方法で、厚さ20mmのパーティクルボードを作成した。
このようにして得られたパーティクルボードは、表2に示すように、加圧盤の解圧時にパンクが発生したため、放射線遮蔽性能を測定しなかった。
(比較例2)
表1及び表2に示すように、表層用木材チップ75重量部に対し、硫酸バリウムを25重量部添加して表層材料とした点及び内層用木材チップ75重量部に対し、硫酸バリウムを25重量部添加して内層材料とした点を除いて、実施例3と同様の方法で、厚さ20mmのパーティクルボードを作成した。
このようにして得られたパーティクルボードも、比較例1と同様に、加圧盤の解圧時にパンクが発生したため、放射線遮蔽性能を測定しなかった。
(比較例3)
表1及び表2に示すように、内層用木材チップ30重量部に対し、硫酸バリウムを70重量部添加して内層材料とした点を除いて、実施例1と同様の方法で、厚さ20mmのパーティクルボードを作成しようとしたが、内層用マット材料の散布時に硫酸バリウムと内層用木材チップとが分離し、比重の大きい硫酸バリウムがマット下部に偏在したり、硫酸バリウムの塊が偏在したりするなどして均一なマットが得られなかったため、熱圧成型を断念した。
(比較例4)
表1及び表2に示すように、表層用木材チップ20重量部に対し、硫酸バリウムを80重量部添加して表層材料とした点を除いて、実施例4と同様の方法で、厚さ20mmのパーティクルボードを作成しようとしたが、比較例3と同様に、表層用マット材料の散布時に硫酸バリウムと内層用木材チップとが分離し、比重の大きい硫酸バリウムがマット下部に偏在したり、硫酸バリウムの塊が偏在したりするなどして均一なマットが得られなかったため、熱圧成型を断念した。
(比較例5)
表1及び表2に示すように、表層用木材チップ100重量部に対し、フェノール系接着剤14重量部、ワックスエマルジョン1重量部を添加し、含水率が20%になるように水を添加して表層用マット材料を調整した。
また、表1及び表2に示すように、内層用木材チップ100重量部に対し、ポリメリックMDI8重量部、ワックス系エマルジョン0.5重量部を添加し、含水率が5%になるように水を添加して内層用マット材料を調整した。
このように調整された表層用マット材料及び内層用マット材料を、表1に示すように、設定密度0.8で表層/内層/表層の重量比が5/13/5の重量比になるようにフォーミングしてマットを形成し、このマットを、圧力20kgf/cm、温度180℃で、10分間熱圧成型して、厚さ20mmのパーティクルボードを作成した。
このようして得られたパーティクルボードは、従来から使用されている一般的なパーティクルボードであり、放射線遮蔽性能を有していない。
Figure 0006460750
Figure 0006460750
以上のように、十分な放射線遮蔽性能を確保するために、密度が1.2g/cmのパーティクルボードを製造する場合、木材チップ(表層用木材チップ+内層用木材チップ)及びこれに添加する硫酸バリウムの全重量に対して、硫酸バリウムの添加量が30重量%未満である比較例1、2については、密度を1.2g/cmにするための木材チップの使用量が大きくなり、これに伴って、マットの厚みが大きくなるので、加圧盤の解圧時に、製造されたパーティクルボードにパンクが発生するが、木材チップの全重量に対して、硫酸バリウムの添加量が30重量%以上である実施例1〜5については、密度を1.2g/cmにするための木材チップの使用量を抑えることができ、マットの厚みが大きくならないので、加圧盤の解圧時に、製造されたパーティクルボードにパンクが発生することがない。
また、内層用木材チップ及びこれに添加する硫酸バリウムの全重量に対して、内層用木材チップへの硫酸バリウムの添加量が70重量%以上である比較例3や、表層用木材チップ及びこれに添加する硫酸バリウムの全重量に対して、表層用木材チップへの硫酸バリウムの添加量が80重量%以上である比較例4については、木材チップに対する硫酸バリウムの重量比率が大きすぎるので、添加した接着剤を介して、木材チップの表面に付着できない硫酸バリウムが発生し、内層用マット材料や表層用マット材料の散布時に、内層用木材チップや表層用木材チップと硫酸バリウムとが分離して、比重の大きい硫酸バリウムがマット下部に偏在するので、均一なマットが得られない。このような不均一なマットでパーティクルボードを熱圧成型しても、製造されたパーティクルボードの品質にムラが発生したり、品質の低下が発生するので好ましくない。
一方、内層用木材チップ及びこれに添加する硫酸バリウムの全重量に対して、内層用木材チップへの硫酸バリウムの添加量が70重量%未満である実施例1〜3や、表層用木材チップ及びこれに添加する硫酸バリウムの全重量に対して、表層用木材チップへの硫酸バリウムの添加量が80重量%未満である実施例3〜5については、接着剤が塗布された内層用木材チップや表層用木材チップと硫酸バリウムとを混合することで、添加した略全ての硫酸バリウムが内層用木材チップや表層用木材チップに均一に付着するので、硫酸バリウムがマットの下部に偏在することがなく、均一なマットを得ることができる。
以上のように、実施例1〜5のパーティクルボードは、鉛を含まない粉状の放射線遮蔽材である硫酸バリウムを木材チップに添加することによって、密度を1.2g/cmに調整したので、パーティクルボード自体にX線遮蔽機能が付与されることになる。従って、これらのパーティクルボードをX線撮影室の二重床を構成する床板1の木質基材として使用すると、X線撮影室の二重床を構成する従来の床板のように、木質基材であるパーティクルボードの上に鉛合板を貼着するという余分な工程が不要となり、X線遮蔽機能を有する床板を、通常の床板と同様の工程で効率よく製造することができる。
また、実施例1〜5のパーティクルボードは、二重床を構成する通常の床板の木質基材として使用されている、X線遮蔽機能を有していないパーティクルボードと同一厚み(例えば、20mm)にすることができるので、これらのパーティクルボードをX線撮影室の二重床を構成する床板1の木質基材として使用すると、床面の高さを合わせるために、X線撮影室の床板1を支持する支持脚3の高さを調整する必要もない。
さらに、実施例1〜5のパーティクルボードは、鉛を含まない粉状の放射線遮蔽材である硫酸バリウムを木材チップに添加することによって、密度を1.2g/cmに調整しているので、容易に切削することができ、廃棄する際に環境汚染をおこす恐れもない。また、放射線遮蔽材として使用している硫酸バリウムは木材チップに比べて比重が大きいので、パーティクルボードの密度を大きくするためにマットの厚みを大きくする必要がなく、通常のパーティクルボードを製造するためのプレス機を使用することができると共に、製造されたパーティクルボードにパンクが発生することもない。
なお、上述した各実施例のパーティクルボードは、密度が1.2g/cmであるが、これに限定されるものではなく、要求される放射線遮蔽機能等に応じて、1.0〜1.3g/cmの密度になるように、放射線遮蔽材である硫酸バリウムの添加量を適宜調整すればよい。
また、上述した各実施例では、放射線遮蔽材として硫酸バリウムを使用しているが、これに限定されるものではなく、鉛を含まない粉状のものであれば、例えば、鉄含有物や硫酸バリウムと鉄含有物との混合物等、種々の放射線遮蔽材を使用することができる。
鉄含有物としては、鉄単体のほか、各種鉄化合物が挙げられる。これら鉄単体や鉄化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。鉄化合物としては、鉄(III)と無機酸または有機酸との塩、酸化鉄(III)及び鉄合金といった3価以上の鉄化合物や、鉄(II)と無機酸または有機酸との塩、酸化鉄(II)及び鉄合金2価以下の鉄化合物等を使用することができ、酸化鉄及び鉄合金も含まれる。
無機酸としては、塩酸、ふっ酸、硫酸、硝酸、りん酸、炭酸などが挙げられ、これらのうちでは塩酸及び硫酸が好ましく使用できる。また、有機酸としては、有機基を有するカルボン酸、スルフィン酸、フェノール、エノール、チオフェノール、イミド、オキシム、芳香族スルホンアミド、第一級及び第二級ニトロ化合物などが挙げられる。
本発明のパーティクルボードは、X線撮影室の二重床を構成する床板の木質基材として利用することができる。
1 床板
2 床スラブ
3 支持脚
10 木質基材
11 表層部
12 内層部
20 表面仕上材

Claims (2)

  1. 鉛を含まない粉状の放射線遮蔽材を木材チップに添加することによって、密度1.0〜1.3g/cmに調整されており、
    前記木材チップは、表層用木材チップ及び前記表層用木材チップよりも粗い内層用木材チップから構成されており、
    前記放射線遮蔽材の添加量は、前記表層用木材チップと前記内層用木材チップとから構成される前記木材チップ及び前記放射線遮蔽材の全重量の30重量%以上であり、
    前記表層用木材チップに対する前記放射線遮蔽材の添加量、前記表層用木材チップ及び前記放射線遮蔽材の全重量の80重量%未満で、
    前記内層用木材チップに対する前記放射線遮蔽材の添加量、前記内層用木材チップ及び前記放射線遮蔽材の全重量の70重量%未満であることを特徴とするパーティクルボード。
  2. 請求項1に記載のパーティクルボードを木質基材として使用した床板を、床スラブの上に所定空間を空けて配設したことを特徴とする二重床。
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