JP6460439B2 - 印刷配線板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献2では、内蔵部品周囲に充填する樹脂がプリント基板表面への広がり等を防止のダム形成材を別に作成後、ダム形成材をプリント基板表面に接合して内蔵部品周囲に樹脂を充填し易くする部品内蔵基板の製造方法が開示されている。
また、収容部の加工精度を考慮し、加工性向上のため部品周囲の銅箔を抜くと、本来は銅箔が占有している体積をも埋めるためにもプリプレグの樹脂を消費する。しかも部品周囲のコア基板の厚さが設計値より積層工程で薄めに仕上がるため、部品の収容部を形成するコア基板の厚さを内蔵部品と同じ厚さに設計した場合、内蔵部品の高さが相対的にコア基板の厚さ(すなわち収容部の高さ)より高くなることで、後工程で上層を形成する際、内蔵部品へ過剰な圧力をかけ部品が壊れることがあった。
特許文献2では、上記の充填材を適正に貯留させるため、別工程で製造したダム形成材を内蔵部品の周囲に載置し、接合の手法をとる必要があり、生産性の低い問題があった。更に、ダム形成材の場合、接合位置精度の関係で、充填材の量が安定しない問題があった。
(1)絶縁板と、絶縁板の少なくとも一方の表面に形成された第1の配線パターンと、第1の配線パターンが形成された絶縁板の表面に積層された第1の絶縁樹脂層と、第1の絶縁樹脂層の表面に形成された第2の配線パターンとを備えた多層コア基板と、第2の配線パターンが形成された第1の絶縁樹脂層の表面に積層された第2の絶縁樹脂層と、第2の絶縁樹脂層の表面に形成された配線導体層と、前記多層コア基板に形成された貫通孔である収容部と、収容部に収容された少なくとも1つの部品とを備え、前記絶縁板の少なくとも一方の表面には前記収容部を囲む第1のガードパターンが形成され、第1の絶縁樹脂層の表面でかつ第1のガードパターンと同じ領域には前記収容部を囲む第2のガードパターンが形成されており、さらに前記収容部内周面と部品との間隙に絶縁性の部品固定樹脂が充填されていることを備えることを特徴とする印刷配線板。
(2)前記第2の絶縁樹脂層に形成され、第2の絶縁樹脂層の表面から前記部品まで貫通し、前記配線導体層と前記部品とを電気的に接続する部品接続ビアホールを備える(1)に記載の印刷配線板。
(3)前記収容部の底部から第2のガードパターンまでの高さが、収容部に収容されている部品の高さと同じか、それより大きい、(1)または(2)に記載の印刷配線板。
(4)前記第1および第2のガードパターンには、収容部に内蔵された部品との絶縁信頼性を評価するための測定端子が接続されている(1)〜(3)のいずれかに記載の印刷配線板。
(5)絶縁板の少なくとも一方の表面に第1の配線パターンを形成してコア基板を得る工程と、前記コア基板の表面に第1の絶縁樹脂層を積層し、第1の絶縁樹脂層の表面に第2の配線パターンを形成して多層コア基板を得る工程と、前記多層コア基板の一部に貫通孔である収容部を形成し、収容部に少なくとも1つの部品を収容する工程と、前記多層コア基板に第2の絶縁樹脂層を積層する工程と、前記第2の絶縁樹脂層の表面に配線導体層を形成する工程と、を含み、第1の配線パターンの形成時に前記収容部を囲む第1のガードパターンを形成し、第2の配線パターンの形成時に第1のガードパターンと同じ領域に前記収容部を囲む第2のガードパターンを形成し、収容部に部品を収容した後、収容部内周面と部品との間隙に絶縁性の部品固定樹脂を充填することを特徴とする印刷配線板の製造方法。
(6)第1のガードパターンは、第1の配線パターンの形成と同工程で形成され、第2のガードパターンは、第2の配線パターンの形成と同工程で形成される(5)に記載の印刷配線板の製造方法。
(7)前記多層コア基板に第2の絶縁樹脂層を積層する工程の後、前記配線導体層と前記部品とを電気的に接続する部品接続ビアホールを第2の絶縁樹脂層に形成する工程をさらに含む(5)または(6)に記載の印刷配線板の製造方法。
(8)(1)〜(4)のいずれかに記載の印刷配線板の第1および第2のガードパターンにそれぞれ絶縁性測定端子を電気的に接続し、かつ部品に絶縁性測定端子を電気的に接続して、収容部に内蔵された部品と第1および第2のガードパターンとの絶縁信頼性を評価することを特徴とする、絶縁信頼性の評価方法。
また、ガードパターンを印刷配線板の全層に配置することで、多層コア基板の厚さが内蔵部品の厚さより相対的に大きくなり、すなわち収容部の底部から第2のガードパターンまでの高さが、収容部に収容されている部品の高さと同じか、それよりも大きくなり、後工程の積層時に上層材料のプリプレグから部品へ過剰な圧力をかける必要がなく、従って過剰な圧力で部品が壊れるおそれがなくなる。
さらに、ガードパターンの高さが、収容部に収容された部品の高さと同じか、またはそれよりも高くなることで、上層形成材プリプレグとガードパターンが強固に接着し、上層の第2の絶縁樹脂層と部品界面の密着弱さを補うことができる。
さらに、1つの収容部に複数の部品を内蔵している場合、部品間隔に合わせ充填材料の塗布量を調整できるため、適正充填が可能になる。
また、前記ガードパターンを部品の絶縁信頼性評価に用いることができる。
本発明の印刷配線板を、図1に基づいて説明する。図1(a)は、本発明に係る印刷配線板の一実施態様を示す平面図を示し、図1(b)は図1(a)のA−A’線側断面図を示す。
本発明の印刷配線板は、図1(a)に示すように、部品50を収容する収容部31と配線基板部32と部品および収容部31を包含する周囲に配置された第1および第2のガードパターン5、15から構成されている。より詳細には、図1(b)に示すように、本発明の印刷配線板は、絶縁板1の表面に第1の配線パターン4と同工程で第1のガードパターン5が形成され、上下面を電気的に接続するためのビアホール3が形成されたコア基板2と、コア基板2の表面に積層された第1の絶縁樹脂層11aと、第1の絶縁樹脂層11aの表面に形成された第2の配線パターン14と同工程で第2のガードパターン15が形成され、第2の配線パターン14と第1の配線パターン4を電気的に接続するためのビアホール13が形成された多層コア基板12と、多層コア基板12の表面に積層された第2の絶縁樹脂層21aと、第2の絶縁樹脂層21aの表面に形成された配線導体層22と、配線導体層22と配線パターン14を電気的に接続するためのビアホール23が形成されている。
第1および第2のガードパターン5、15の幅は特に限定されず、好ましくは0.02〜5mmの幅を有する。
第2の絶縁樹脂層21aには、その表面から後述する部品50まで貫通するビアホール(以下、部品接続ビアホール24という)が形成されている。部品接続ビアホール24は、配線導体層22と部品50とを電気的に接続している。
このような第1および第2のガードパターン5,15は、第1および第2の配線パターン4,14と同工程で同材質を用いてエッチングによって同時に形成されるのが製造効率のうえで好ましいが、第1および第2の配線パターン4,14と異なる材質を用いて別工程で形成してもよい。
(i)絶縁板の表面に第1の配線パターンおよび第1のガードパターンを形成してコア基板を得る工程。
(ii)コア基板の表面に第1の絶縁樹脂層を積層する工程。
(iii)第1の絶縁樹脂層の表面に第2の配線パターンおよび第2のガードパターンを形成する工程(多層コア基板の製造)。
(iv)得られた多層コア基板の一部を切除して収容部を形成し、収容部に少なくとも1つの部品を収容する工程。
(v)前記多層コア基板の表面に第2の絶縁樹脂層を積層する工程。
(vi)第2の絶縁樹脂層の少なくとも一方の表面から部品まで貫通するビアホール下穴を形成する工程。
(vii)ビアホール下穴の内部に導体を形成してビアホールを形成するとともに、第2の絶縁樹脂層の表面に配線導体層を形成する工程。
多層コア基板12に代えて、両面基板、通常の多層基板が適用できることは言うまでもない。
また、部品50の上面の電極は銅が適しており、銅電極表面が樹脂層で覆われていてもよい。
収容部31の周囲に第2のガードパターン15が形成されていることで、部品固定樹脂34の粘性が低く濡れ広がり易い材料でも、ダム効果で、多くの樹脂を貯留させられ部品固定樹脂34の充填が容易になる。
図8に示す第2の実施形態は、印刷配線板に部品50,51を収容する2つの収容部31,31が接近して設けられ、収容部31,31にそれぞれのガードパターンを配置できない場合の例である。この場合、所定の間隙を満たす部品固定樹脂34が各々収容部31と部品50,51の間隙部分へ行きわたるよう分離されていれば、2つの収容部31,31間でガードパターン15aを共用してもよい。その他は、第1の実施形態と同様である。
図9に示す第3の実施形態は、高密度化などで収容部31に複数の部品50,51を収容する例である。このような場合、部品50,51間のショートを防ぐため部品固定樹脂34を多く塗布しなければならないが、適正量の樹脂を適正箇所付近に貯留させるためにガードパターンの一部を、部品50,51から離隔させた、いわば膨らました部位15bを有する形状にしてもよい。
部品50と51は、種類や大きさが異なっていても、収容部31を大きくして部品数が3個以上収容してあっても、問題ないことは言うまでもない。
図10に示す第4の実施形態は、部品50の密着性を補う例であり、上層形成材料のプリプレグと部品50との接触界面での密着性が弱い場合には、部品面積より相対的に広い面積を有するガードパターン15cを設けて、ガードパターン15cとの密着性を上げ、部品50の界面での密着弱さを補うようにしてもよい。
図11に示す第5の実施形態は、ガードパターン15dを部品内蔵基板の信頼性評価パターンに利用する例である。
詳細に説明すると、まず部品間のみの接続信頼性を見るための経路として、例えば測定端子70から配線71を経て、部品下部の部品接続ビアホール24(図1(b)参照)を介して部品50の下面へ接続し、さらに部品内部の電気的接続を考慮して部品50の上面から部品接続ビアホール24を経て、配線71を介して必要な部品個数分のデイジーチェーン接続を行い、最後に別の測定端子70に引き出して接続を形成する。そして、この部品間デイジーチェーン接続と組み合わせる各層ガードパターン間デイジーチェーンを各々別経路で作成する。
また、ガードパターン15の高さが、内蔵された部品50の高さと同じか、それよりも高くなるので、上層材料のプリプレグ21とガードパターン15が強固に接着し、プリプレグ21と部品50との界面での密着弱さを補うことができる。
さらに、印刷配線板の全層にガードパターンを配置することで、多層コア基板12の厚さが内蔵された部品50の厚さより相対的に高くなるので、後工程の積層において上層材料のプリプレグから部品50への過剰な圧力が加わるのを回避することができる。
2 コア基板
2a 薄銅箔
2b 両面銅張基板
2c 導体
3 ビアホール
3a ビアホール下穴
4 第1の配線パターン
5 第1のガードパターン
11、21 プリプレグ
11a 第1の絶縁樹脂層
12 多層コア基板
12a 薄銅箔
12c 導体
13 ビアホール
13a ビアホール下穴
14 第2の配線パターン
15 第2のガードパターン
15a ガードパターン
15b ガードパターン
15c ガードパターン
15d ガードパターン
21a 第2の絶縁樹脂層
22 配線導体層
22a 薄銅箔
22c 導体
23 ビアホール
23a ビアホール下穴
24 部品接続ビアホール
24a 部品接続ビアホール下穴
25 ソルダーレジスト
31 収容部
32 配線基板部
34 部品固定樹脂
50、51 部品
60 PETフィルム
70、70’ 測定端子
71、71’ 配線
L レーザアブレーション用レーザ光
Claims (10)
- 絶縁板と、絶縁板の少なくとも一方の表面に形成された第1の配線パターンと、第1の配線パターンが形成された絶縁板の表面に積層された第1の絶縁樹脂層と、第1の絶縁樹脂層の表面に形成された第2の配線パターンとを備えた多層コア基板と、
第2の配線パターンが形成された第1の絶縁樹脂層の表面に積層された第2の絶縁樹脂層と、
第2の絶縁樹脂層の表面に形成された配線導体層と、
前記多層コア基板に形成された貫通孔である収容部と、
収容部に収容された少なくとも1つの部品とを備え、
前記絶縁板の少なくとも一方の表面には前記収容部を囲む第1のガードパターンが形成され、第1の絶縁樹脂層の表面でかつ第1のガードパターンと同じ領域には前記収容部を囲む第2のガードパターンが形成されており、
前記収容部の底部から第2のガードパターンまでの高さが、収容部に収容されている部品の高さより大きく、
さらに絶縁性の部品固定樹脂が、前記収容部内周面と部品との間隙を充填し、この充填された部品固定樹脂の上面の高さが、収容部に収容された部品の上面から第2ガードパターンの高さまでの範囲にあることを特徴とする印刷配線板。 - 前記第2の絶縁樹脂層に形成され、第2の絶縁樹脂層の表面から前記部品まで貫通し、前記配線導体層と前記部品とを電気的に接続する部品接続ビアホールを備える請求項1に記載の印刷配線板。
- 少なくとも前記収容部を形成する絶縁板および第1の絶縁樹脂層の全層の表面にガードパターンを配置する請求項1または2に記載の印刷配線板。
- 前記第1および第2のガードパターンには、収容部に内蔵された部品との絶縁信頼性を評価するための測定端子が接続されている請求項1〜3のいずれかに記載の印刷配線板。
- 前記収容部に収容された部品の高さは、第1の絶縁樹脂層の上面と第2のガードパターンの上面との間の高さである請求項1〜4のいずれかに記載の印刷配線板。
- 前記部品が収容部の側壁部に非接触に収容された請求項1〜5のいずれかに記載の印刷配線板。
- 絶縁板の少なくとも一方の表面に第1の配線パターンを形成してコア基板を得る工程と、
前記コア基板の表面に第1の絶縁樹脂層を積層し、第1の絶縁樹脂層の表面に第2の配線パターンを形成して多層コア基板を得る工程と、
前記多層コア基板の一部に貫通孔である収容部を形成し、収容部に少なくとも1つの部品を収容する工程と、
前記多層コア基板に第2の絶縁樹脂層を積層する工程と、
前記第2の絶縁樹脂層の表面に配線導体層を形成する工程と、
を含み、
第1の配線パターンの形成時に前記収容部を囲む第1のガードパターンを形成し、第2の配線パターンの形成時に第1のガードパターンと同じ領域に前記収容部を囲む第2のガードパターンを、前記収容部の底部から第2のガードパターンまでの高さが、収容部に収容されている部品の高さより大きくなるように形成し、
収容部に部品を収容した後、収容部内周面と部品との間隙に絶縁性の部品固定樹脂を充填することを特徴とする印刷配線板の製造方法。 - 第1のガードパターンは、第1の配線パターンの形成と同工程で形成され、第2のガードパターンは、第2の配線パターンの形成と同工程で形成される請求項7に記載の印刷配線板の製造方法。
- 前記多層コア基板に第2の絶縁樹脂層を積層する工程の後、前記配線導体層と前記部品とを電気的に接続する部品接続ビアホールを第2の絶縁樹脂層に形成する工程をさらに含む請求項7または8に記載の印刷配線板の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の印刷配線板の第1および第2のガードパターンにそれぞれ絶縁性測定端子を電気的に接続し、かつ部品に絶縁性測定端子を電気的に接続して、収容部に内蔵された部品と第1および第2のガードパターンとの絶縁信頼性を評価することを特徴とする、絶縁信頼性の評価方法。
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