JP6460437B2 - カラーフィルタおよびその製造方法並びに有機el表示装置 - Google Patents

カラーフィルタおよびその製造方法並びに有機el表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、有機EL表示装置用のカラーフィルタおよびその製造方法に関する。また本発明は、当該カラーフィルタを備えた有機EL表示装置に関する。
従来、平面ディスプレイ等の分野において、有機EL素子を備えた有機EL表示装置が提案されており、その応用研究が盛んに行われている。しかしながら有機EL素子は、周囲に存在する水分および酸素の影響を受けやすく、このため有機EL表示装置内に水分および酸素が入り込むと、有機EL表示装置の発光性能が劣化するという問題がある。このような問題を解決するため、有機EL表示装置を封止するための様々な方法が提案されている。例えば特許文献1において、基板ガラスとカバーガラスの間に硬化性樹脂を充填し、これによって基板ガラスとカバーガラスの間を封止する方法が提案されている。
ところで有機EL表示装置は、装置自身が発光する自発光型の表示装置である。すなわち有機EL表示装置の有機EL素子は、各々が発光可能な単位画素を構成するための多数の単位有機EL素子を有している。各単位有機EL素子を駆動する方式としては、特に大型の、例えば20インチ以上の有機EL表示装置においては、単位有機EL素子ごとに駆動回路を設けて各単位有機EL素子を駆動するアクティブマトリクス方式が一般に採用されている。
有機EL素子は、基板上に設けられた陽極および陰極と、陽極と陰極の間に設けられた有機発光層と、を含んでいる。このような有機EL素子においては、陽極から陰極に向かって駆動電流が流れるよう駆動回路が制御を行うとき、有機発光層から光が放出される。ところで、各単位有機EL素子の陽極および陰極は通常、共通の電圧源または電流源に接続されている。このため、単位有機EL素子と電圧源または電流源との間の距離に応じて、各単位有機EL素子の陽極および陰極における電圧降下の程度が異なることになる。一般には、基板の中央部に配置された単位有機EL素子の方が、基板の外周部に配置された単位有機EL素子に比べて配線長が長くなるため、電圧降下の程度が大きくなる傾向がある。
各単位有機EL素子間での電圧降下の差が大きいと、輝度ムラや応答時間のばらつきが生じてしまう。このような課題を解決するため、例えば特許文献2において、有機EL素子基板と対向するよう配置されるカラーフィルタに突起電極を形成し、この突起電極を有機EL素子の陽極または陰極に導通させることが提案されている。突起電極は、カラーフィルタの非画素部上に形成された突起部と、突起部の頂部および側部、並びに突起部の周囲の非画素部を少なくとも部分的に覆うよう設けられた透明電極層と、を含んでいる。このような突起電極を有機EL素子の陽極または陰極に導通させることにより、有機EL素子に供給される駆動電流が、有機EL素子の陽極および陰極だけでなくカラーフィルタの透明電極層にも流れるようになる。このため、単位有機EL素子において生じる電圧降下の程度を軽減することができる。
特開2005−302401号公報 国際公開第2013/062059号パンフレット
カラーフィルタの突起電極を構成するための透明電極層としては、インジウム錫酸化物などの無機物が用いられる。このような無機物の層を形成するための方法としては一般に、蒸着法やスパッタリング法など、無機物の層を形成する構成元素をカラーフィルタの基材に向けて飛翔させる方法が用いられる。この場合、ターゲットから構成元素を飛び出させるため、または構成元素を基材に向けて飛翔させるために、カラーフィルタの基材の周辺にプラズマ雰囲気が形成されることがある。ところで、カラーフィルタの画素部や非画素部は、所定の色の顔料や黒色顔料が添加された樹脂から構成されている。このため、プラズマ雰囲気が存在していると、カラーフィルタの画素部や非画素部を構成する樹脂の表面が荒らされ、この結果、樹脂の表面に水分が付着し易くなってしまう。カラーフィルタと有機EL素子基板とが組み合わされた後に、カラーフィルタに付着した水分が有機EL素子に向けて放出されると、有機発光層の発光性能が水分によって劣化してしまう。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、単位有機EL素子における電圧降下の程度を軽減することができ、かつ水分が入り込むことを抑制することができるカラーフィルタおよびその製造方法、並びに当該カラーフィルタを備えた有機EL表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、有機EL表示装置用のカラーフィルタの製造方法において、画素部と、前記画素部の周囲に形成された非画素部と、が形成された基材を準備する工程と、前記非画素部上に突起部を形成する工程と、蒸着法またはスパッタリング法を用いて、前記画素部、前記非画素部および前記突起部上に透明電極層を形成する透明電極層成膜工程と、を備え、前記突起部および前記透明電極層により、前記カラーフィルタの前記透明電極層を、前記カラーフィルタに対向するよう配置される基板に形成されている電極に導通させるための突起電極が構成され、前記透明電極層成膜工程は、前記透明電極層の厚みが50nm以下となるよう実施される、カラーフィルタの製造方法である。
本発明によるカラーフィルタの製造方法は、前記透明電極層を所定のアニール温度でアニールするアニール工程をさらに備えていてもよい。前記アニール温度は、好ましくは150℃〜230℃の範囲内である。
本発明によるカラーフィルタの製造方法は、少なくとも前記突起部の頂部および側部、並びに前記突起部の周囲の前記非画素部上に前記透明電極層が残るよう前記透明電極層をパターニングするパターニング工程をさらに備えていてもよい。
本発明によるカラーフィルタの製造方法の前記パターニング工程において、前記透明電極層は、前記画素部を覆わないようパターニングされてもよい。
本発明によるカラーフィルタの製造方法の前記パターニング工程において、前記透明電極層は、前記画素部を少なくとも部分的に覆うようパターニングされてもよい。この場合、前記画素部は、第1の色の光を選択的に透過させる第1着色部と、第2の色の光を選択的に透過させる第2着色部と、を少なくとも有し、前記第1着色部のうち前記透明電極層によって覆われている領域の比率が、前記第2着色部のうち前記透明電極層によって覆われている領域の比率と異なっていてもよい。
本発明によるカラーフィルタの製造方法において、前記透明電極層は、インジウム錫酸化物またはインジウム亜鉛酸化物からなっていてもよい。
本発明は、有機EL表示装置用のカラーフィルタにおいて、基材と、前記基材上に形成された画素部と、前記画素部の周囲に形成された非画素部と、前記非画素部上に形成された突起部と、前記突起部の頂部および側部、並びに前記突起部の周囲の前記非画素部を少なくとも部分的に覆うよう設けられた透明電極層と、を備え、前記突起部および前記透明電極層により、前記カラーフィルタの前記透明電極層を、前記カラーフィルタに対向するよう配置される基板の電極に導通させるための突起電極が構成され、前記透明電極層の厚みが50nm以下である、カラーフィルタである。
本発明は、基板と、前記基板上に設けられた有機EL素子とを有する有機EL素子基板と、前記有機EL素子基板に対向するよう配置されたカラーフィルタと、を備え、前記有機EL素子基板の前記有機EL素子は、第1電極と、前記第1電極よりも前記カラーフィルタ側に配置された第2電極と、前記第1電極と前記第2電極の間に設けられた有機発光層とを有し、前記カラーフィルタは、基材と、前記基材上に形成された画素部と、前記画素部の周囲に形成された非画素部と、前記非画素部上に形成された突起部と、前記突起部の頂部および側部、並びに前記突起部の周囲の前記非画素部を少なくとも部分的に覆うよう設けられた透明電極層と、を有し、前記突起部および前記透明電極層により、前記カラーフィルタの前記透明電極層を前記有機EL素子の前記第2電極に導通させるための突起電極が構成され、前記透明電極層の厚みが50nm以下である、有機EL表示装置である。
第2の技術的思想に基づく本発明は、有機EL表示装置用のカラーフィルタの製造方法において、画素部と、前記画素部の周囲に形成された非画素部と、が形成された基材を準備する工程と、前記非画素部上に突起部を形成する工程と、蒸着法またはスパッタリング法を用いて、前記画素部、前記非画素部および前記突起部上に透明電極層を形成する透明電極層成膜工程と、少なくとも前記突起部の頂部および側部、並びに前記非画素部上に前記透明電極層が残るよう前記透明電極層をパターニングするパターニング工程を備え、前記突起部および前記透明電極層により、前記カラーフィルタの前記透明電極層を、前記カラーフィルタに対向するよう配置される基板に形成されている電極に導通させるための突起電極が構成され、前記透明電極層成膜工程は、前記透明電極層の厚みが50nm超かつ150nm以下となるよう実施される、カラーフィルタの製造方法である。
第2の技術的思想に基づく本発明は、第2の技術的思想に基づく本発明は、有機EL表示装置用のカラーフィルタにおいて、基材と、前記基材上に形成された画素部と、前記画素部の周囲に形成された非画素部と、前記非画素部上に形成された突起部と、前記突起部の頂部および側部、並びに前記突起部の周囲の前記非画素部を少なくとも部分的に覆うよう設けられた透明電極層と、を備え、前記突起部および前記透明電極層により、前記カラーフィルタの前記透明電極層を、前記カラーフィルタに対向するよう配置される基板の電極に導通させるための突起電極が構成され、前記透明電極層は、前記画素部を全く覆わないよう設けられており、若しくは、前記画素部を部分的に覆うよう設けられており、前記透明電極層の厚みが50nm超かつ150nm以下である、カラーフィルタである。
第2の技術的思想に基づく本発明は、基板と、前記基板上に設けられた有機EL素子とを有する有機EL素子基板と、前記有機EL素子基板に対向するよう配置されたカラーフィルタと、を備え、前記有機EL素子基板の前記有機EL素子は、第1電極と、前記第1電極よりも前記カラーフィルタ側に配置された第2電極と、前記第1電極と前記第2電極の間に設けられた有機発光層とを有し、前記カラーフィルタは、基材と、前記基材上に形成された画素部と、前記画素部の周囲に形成された非画素部と、前記非画素部上に形成された突起部と、前記突起部の頂部および側部、並びに前記突起部の周囲の前記非画素部を少なくとも部分的に覆うよう設けられた透明電極層と、を有し、前記突起部および前記透明電極層により、前記カラーフィルタの前記透明電極層を前記有機EL素子の前記第2電極に導通させるための突起電極が構成され、前記透明電極層は、前記画素部を全く覆わないよう設けられており、若しくは、前記画素部を部分的に覆うよう設けられており、前記透明電極層の厚みが50nm超かつ150nm以下である、有機EL表示装置である。
本発明によれば、カラーフィルタの突起電極を構成する透明電極層の厚みが、50nm以下となっている。このため、透明電極層を成膜する工程に要する時間を短くすることができる。これによって、カラーフィルタの画素部や非画素部を構成する樹脂の表面が荒らされてしまうことを抑制することができる。このことにより、透明電極層を成膜する工程の際にカラーフィルタに付着する水分の量を低減することができる。また、透明電極層の厚みが小さいので、透明電極層を形成する工程の後にカラーフィルタを加熱することによって、樹脂の表面の水分が容易に透明電極層を通って外部へ放出され得るようになる。このことによっても、カラーフィルタに付着している水分の量を低減することができる。このため本発明によれば、有機発光層の発光性能が水分によって劣化してしまうことを抑制することができる。
図1は、本発明の実施の形態における有機EL表示装置を示す断面図。 図2Aは、図1の有機EL表示装置のカラーフィルタを矢印IIA−IIA方向から見た図。 図2Bは、図1の有機EL表示装置の有機EL素子を矢印IIB−IIB方向から見た図。 図3Aは、ブラックマトリクス層からなる非画素部を基材上に形成する工程を示す図。 図3Bは、複数色の着色部を含む画素部を基材上に形成する工程を示す図。 図3Cは、非画素部上に補助電極層を形成する工程を示す図。 図3Dは、補助電極層に接続されるように、非画素部に突起部を形成する工程を示す図。 図3Eは、画素部、非画素部および突起部上に透明電極層を形成する工程を示す図。 図4は、第1の変形例によるカラーフィルタを示す断面図。 図5は、第2の変形例によるカラーフィルタを示す断面図。 図6Aは、第3の変形例によるカラーフィルタを示す断面図。 図6Bは、第3の変形例によるカラーフィルタを示す平面図。 図7は、各実施例および各比較例によるカラーフィルタを加熱した際にカラーフィルタから脱離した水分子の個数を、カラーフィルタの透明電極層の厚みに対してプロットした結果を示す図。
以下、図1乃至図3Eを参照して、本発明の実施の形態について説明する。まず図1乃至図2Bにより、本実施の形態における有機EL表示装置50全体について説明する。
有機EL表示装置
図1に示すように、有機EL表示装置50は、光を放射する有機EL素子基板40と、有機EL素子基板40に対向するよう配置されたカラーフィルタ10と、を備えている。カラーフィルタ10は、有機EL素子基板40からの光が放射される側、すなわち観察者側(ユーザー側)に配置されている。
有機EL素子
はじめに有機EL素子基板40について説明する。図1に示すように、有機EL素子基板40は、基板47と、基板47上に設けられ、光を放射する有機EL素子44と、を有している。なお図示はしないが、基板47上には、有機EL素子44を駆動するためのトランジスタなどの駆動素子を含む駆動回路が形成されている。すなわち基板47は、有機EL素子44を駆動するための基板、いわゆるTFT基板となっている。
有機EL素子基板40の有機EL素子44において発光した光は、基板47が位置する側とは反対の側へ取り出される。すなわち、有機EL素子44からの光は、TFT基板を構成する基板47の上方から取り出される。このように本実施の形態における有機EL表示装置50は、いわゆるトップエミッション型の有機EL表示装置となっている。
基板47は、有機EL素子44を支持するとともに、外気を遮断することができるものであれば特に限定されるものではないが、安定性、耐久性等が良好なことから、ガラスや透明ポリマーであることが好ましい。
図1に示すように、有機EL素子44は、各々が有機EL素子基板40の単位画素に対応する複数の単位有機EL素子44aからなっている。各単位有機EL素子44aは、第1電極41と、第1電極41よりもカラーフィルタ10側に配置された第2電極43と、第1電極41と第2電極43の間に設けられた有機発光層42とを有している。ここでは、第1電極41が陽極を構成し、第2電極43が陰極を構成する例について説明する。しかしながら、第1電極41および第2電極43の極性が特に限られることはない。
図1に示すように、各単位有機EL素子44aの第2電極43は互いに接続されていてもよい。すなわち、第2電極43が共通電極となっていてもよい。この場合、図1に示すように、第2電極43と基板47との間には、第1電極41と第2電極43とがショートしてしまうことを防ぐための絶縁層45が形成されていてもよい。
第1電極41としては、効率良く正孔を注入できる材料であれば特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウム、クロム、モリブデン、タングステン、銅、銀または金およびそれらの合金等を使用することが好ましい。一方、第2電極43としては、電子を注入しやすく、かつ光透過性の良好な材料が用いられており、例えば酸化リチウム、炭酸セシウム等が用いられる。有機発光層42としては、所定の電圧を印加することにより白色光を発光するよう構成された蛍光性有機物質を含有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、キノリノール錯体、オキサゾール錯体、各種レーザー色素、ポリパラフェニレンビニレン等が挙げられる。
なお、第1電極41から注入された正孔を有機発光層42に効率的に輸送するため、第1電極41と有機発光層42との間に正孔輸送層(図示せず)が設けられていてもよい。正孔輸送層の構成材料として、例えばテトラフェニルベンジジンが挙げられる。さらに、第1電極41と正孔輸送層との間に正孔注入層(図示せず)が設けられていてもよい。また、有機発光層42と第2電極43との間に、電子注入層(図示せず)や電子輸送層(図示せず)が設けられていてもよい。また、水分を遮蔽するバリア膜(図示せず)が有機EL素子44上に設けられていてもよい。
カラーフィルタ
次に、カラーフィルタ10について説明する。図1に示すように、カラーフィルタ10は、観察者側の面11aおよび有機EL素子側の面11bを有する基材11と、基材11の面11b上に形成された画素部17と、画素部17の周囲に形成された非画素部18と、を備えている。
(非画素部)
非画素部18は、基材11の面11b上に設けられたブラックマトリクス層12を有している。ブラックマトリクス層12は、光を遮蔽する層となっている。ブラックマトリクス層12の材料としては、例えば、カーボンブラック、チタンブラック等の黒色着色材を含有する樹脂組成物等が挙げられる。この樹脂組成物に用いられる樹脂としては、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂が使用され得る。
(画素部)
画素部17は、非画素部18のブラックマトリクス層12間に設けられた第1着色部13、第2着色部14、第3着色部15および透過率調整部16と、を備えている。ここでは、第1着色部13が、第1の色、例えば赤色の光を選択的に透過させる赤色着色部であり、第2着色部14が、第2の色、例えば緑色の光を選択的に透過させる緑色着色部であり、第3着色部15が、第3の色、例えば青色の光を選択的に透過させる青色着色部である例について説明する。各着色部13,14,15は、各色の顔料や染料等の着色材を感光性樹脂中に分散または溶解させることにより形成されている。
赤色用の着色材としては、例えば、ペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
緑色用の着色材としては、例えば、ハロゲン多置換フタロシアニン系顔料もしくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等が挙げられる。これらの顔料もしくは染料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
青色用の着色材としては、例えば、銅フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
なお、着色部の色が上記の赤色、緑色および青色に限られることは無く、その他の色の着色部、例えば黄色着色部が含まれていてもよい。
透過率調整部16は、可視光域の光を広域にわたって適切に透過させるよう構成されている。例えば透過率調整部16は、透過率調整部16の透過スペクトルSにおける、波長380〜780nmの範囲内での平均透過率が、30%以上となるよう構成されている。この場合、透過率調整部16からはほぼ白色の光が観察者に向けて放射される。このように本実施の形態において、有機EL表示装置50は、赤色、緑色、青色に白色を加えた4色の副画素を有する画素群で構成されている。すなわち、いわゆるペンタイル方式が採用されている。ペンタイル方式を採用することにより、カラーフィルタ10全体としての透過率を向上させることができる。このことにより、有機EL素子基板40の発光強度を過度に高めることなく有機EL表示装置50の輝度を増加させることができる。
(突起電極)
また図1に示すように、カラーフィルタ10は、非画素部18上に設けられた突起部21と、突起部21の頂部および側部、並びに画素部17および非画素部18を覆うよう設けられた透明電極層22と、をさらに備えている。これら突起部21および透明電極層22により、カラーフィルタ10の透明電極層22を有機EL素子基板40の第2電極43に導通させるための突起電極20が構成されている。これによって、有機EL素子44に供給される駆動電流が、有機EL素子44の第1電極41および第2電極43だけでなくカラーフィルタ10の透明電極層22にも流れるようになる。このことにより、単位有機EL素子44aにおいて生じる電圧降下の程度を軽減することができる。
カラーフィルタ10の透明電極層22を有機EL素子基板40の第2電極43に電気的に接続させることができる限りにおいて、突起部21の形状が特に限られることはない。例えば、突起部21の形状として、円錐台、円柱、三角錐台、四角錐台などを挙げることができる。突起部21を構成する材料としては例えば、絶縁性を有する樹脂材料を用いることができる。また、突起部21自体に導電性を付与するため、突起部21が導電性材料を含んでいてもよい。
透明電極層22を構成する材料としては、透明性を有するとともに、所要の導電性を有する材料が用いられる。例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、酸化亜鉛、酸化インジウム、アンチモン添加酸化錫、フッ素添加酸化錫、アルミニウム添加酸化亜鉛、カリウム添加酸化亜鉛、シリコン添加酸化亜鉛や、酸化亜鉛−酸化錫系、酸化インジウム−酸化錫系、酸化亜鉛−酸化インジウム−酸化マグネシウム系などの金属酸化物を用いることができる。また、これらの金属酸化物が2種以上複合されてもよい。
ところで、ITOなどの金属酸化物の導電性は一般に、銀や銅などの金属材料の導電性に比べて低い。従って、透明電極層22のみでは、各単位有機EL素子44aにおける電圧降下の程度を十分に軽減できないことがある。この点を考慮し、図1に示すように、カラーフィルタ10は、非画素部18上で線状に延びるよう設けられるとともに透明電極層22に電気的に接続された補助電極層23をさらに備えていてもよい。図1においては、補助電極層23が透明電極層22によって覆われるよう補助電極層23が配置される例が示されている。補助電極層23は非画素部18上に設けられるので、補助電極層23が透明性を有する必要はない。従って、補助電極層23を構成する材料として、高い導電性を有する銀や銅などの金属材料を用いることができる。これによって、各単位有機EL素子44aにおける電圧降下をより効果的に軽減することができる。
図1に示すように、突起部21は補助電極層23上に設けられてもよい。この場合、突起部21の周囲において透明電極層22が補助電極層23に確実に電気的に接続されるようにするため、線状に延びる補助電極層23の幅を、突起部21の底部の幅よりも大きくしてもよい。
(光学弾性樹脂)
図1に示すように、有機EL表示装置50は、カラーフィルタ10と有機EL素子基板40との間の隙間を埋めるための光学弾性樹脂49をさらに備えていてもよい。これによって、有機EL素子基板40から放出された光をより高い透過率でカラーフィルタ10の面11a側から取り出すことができるようになる。また、有機EL素子基板40の有機EL素子44を外部雰囲気から強固に封止することができるので、水分や酸素によって有機EL素子44の有機発光層42の性能が劣化してしまうことを抑制することができる。光学弾性樹脂49を構成する材料としては、例えばエポキシ樹脂を含む樹脂材料を用いることができる。
次に、平面視におけるカラーフィルタ10および有機EL素子基板40の構成について説明する。図2Aおよび図2Bは、基材11の法線方向に沿って見た場合のカラーフィルタ10を示す平面図である。具体的には、図2Aは、図1の有機EL表示装置50のカラーフィルタ10を矢印IIA−IIA方向から見た図であり、図2Bは、図1の有機EL表示装置50の有機EL素子基板40を矢印IIB−IIB方向から見た図である。なお図が煩雑になるのを防ぐため、図2Aにおいては、透明電極層22を省略している。
図2Bに示すように、有機EL素子44の各単位有機EL素子44aには駆動用配線48が接続されている。駆動用配線48は、各単位有機EL素子44aの第1電極41や第2電極43と電流源または電圧源とを接続する配線や、各単位有機EL素子44aに対応して設けられた駆動回路を制御するための配線などを含む。また図2Aに示すように、非画素部18のブラックマトリクス層12は、複数の開口部12aを区画するよう、マトリックス状のパターンを有している。ブラックマトリクス層12によって画定される複数の開口部がそれぞれ、有機EL素子基板40の単位画素に対応している。また、上述の画素部17の着色部13,14,15および透過率調整部16は、基材11の法線方向に沿って見た場合にブラックマトリクス層12の開口部と重なるよう設けられている。
突起部21が配置される位置や配置密度が特に限られることはなく、有機EL素子基板40の各単位有機EL素子44aにおいて生じる電圧降下の程度に応じて適宜決定される。例えば、有機EL素子基板40の中央部に配置された単位有機EL素子44aの方が、有機EL素子44の外周部に配置された単位有機EL素子44aに比べて大きな電圧降下が発生する場合、カラーフィルタ10の中央部に優先的に突起部21が配置される。例えば図2Aに示すように、カラーフィルタ10の中央部における突起部21の配置密度が、カラーフィルタ10の外周部における突起部21の配置密度よりも高くなるよう、突起部21が設けられる。
次に、このような構成からなるカラーフィルタ10および有機EL表示装置50を製造する方法について説明する。
カラーフィルタの製造方法
はじめに、図3A乃至図3Eを参照して、カラーフィルタ10の製造方法について説明する。
(準備工程)
まず基材11を準備する。次に、基材11の面11b上に、黒色着色材を含む感光性樹脂層を形成する。その後、感光性樹脂層等をパターニングすることにより、図3Aに示すように、基材11の面11b上に、ブラックマトリックス層12からなる非画素部18を形成する。感光性樹脂層の形成方法が特に限定されることはなく、スピンコート法等を適宜用いることができる。また、感光性樹脂層のパターニング方法が特に限定されることもなく、フォトリソグラフィー法等を適宜用いることができる。
次に、図3Bに示すように、ブラックマトリクス層12間に、第1着色部13、第2着色部14、第3着色部15および透過率調整部16を含む画素部17を形成する。各着色部13,14,15および透過率調整部16を形成する方法が特に限られることはない。例えば上述のブラックマトリクス層12の場合と同様に、はじめに、着色材を含む感光性樹脂層を面11bおよびブラックマトリクス層12上に設け、その後、感光性樹脂層をパターニングすることにより、各着色部13,14,15および透過率調整部16を得ることができる。若しくは、インクジェット法などの、高い位置精度で樹脂材料を塗布することができる方法を用いて、ブラックマトリクス層12間に各着色部13,14,15や透過率調整部16を形成してもよい。この場合、感光性樹脂層をパターニングする工程を不要にすることができる。
このようにして、画素部17と、画素部17の周囲に形成された非画素部18と、が形成された基材11を準備することができる。
図3Bに示すように、画素部17および非画素部18の全体を覆うオーバーコート層19をさらに設けてもよい。これによって、後の工程で形成される透明電極層22や補助電極層23の形成面を平坦化することができる。また、画素部17や非画素部18を保護することができる。オーバーコート層19を構成する材料や、その形成方法としては、オーバーコート層として従来から一般に用いられている材料や形成方法を適宜用いることができる。
(補助電極層形成工程)
次に、図3Cに示すように、非画素部18上、すなわちブラックマトリクス層12上に補助電極層23を形成する補助電極層形成工程を実施する。なお図3Cに示す例においては、補助電極層23はブラックマトリクス層12の面上ではなくオーバーコート層19の面上に設けられている。このような場合であっても、本願においては、基材11の法線方向に沿って見た場合にブラックマトリクス層12とオーバーコート層19とが重なっている場合、「ブラックマトリクス層12上に補助電極層23を形成する」というように表現することがある。「画素部17上」、「非画素部18上」などの類似の表現についても同様である。
補助電極層形成工程においては、はじめに、画素部17および非画素部18上の全域にわたって補助電極層23を成膜する補助電極層成膜工程を実施する。成膜方法としては、蒸着法やスパッタリング法などの物理的な成膜法を用いることができる。その後、線状の補助電極層23が非画素部18のブラックマトリクス層12上に残るよう、補助電極層23をパターニングする。パターニング方法としては、フォトリソグラフィー法等を適宜用いることができる。
ところで、蒸着法やスパッタリング法などの物理的な成膜法においては、上述のようにカラーフィルタ10の周辺にプラズマ雰囲気が形成されることがある。プラズマ雰囲気によってオーバーコート層19の表面が荒らされてしまうことを抑制するため、蒸着法やスパッタリング法による補助電極層成膜工程が実施される時間が可能な限り短いことが好ましい。通常は、補助電極層23の厚みが小さいほど、補助電極層23を成膜するために要する時間を短くすることができ、これによってオーバーコート層19の表面が荒らされる程度を小さくすることができる。この点を考慮し、好ましくは、補助電極層成膜工程は、補助電極層23の厚みが500nm以下となるよう実施される。
(突起部形成工程)
次に、図3Dに示すように、非画素部18のブラックマトリクス層12上に突起部21を形成する突起部形成工程を実施する。ここでは、突起部21は補助電極層23上に形成される。突起部21を形成する方法が特に限られることはない。例えばブラックマトリクス層12の場合と同様に、はじめに、感光性樹脂層をオーバーコート層19および補助電極層23上に設け、その後、感光性樹脂層をパターニングすることにより、突起部21を得ることができる。
(透明電極層形成工程)
次に、図3Eに示すように、画素部17、非画素部18および突起部21上に透明電極層22を形成する透明電極層形成工程を実施する。はじめに、画素部17および非画素部18上の全域にわたって透明電極層22を成膜する透明電極層成膜工程を実施する。成膜方法としては、補助電極層23の場合と同様に、蒸着法やスパッタリング法などの物理的な成膜法を用いることができる。
透明電極層成膜工程においても、補助電極層成膜工程の場合と同様に、カラーフィルタ10の周辺にプラズマ雰囲気が形成されることがある。従って、プラズマ雰囲気によってオーバーコート層19の表面が荒らされてしまうことを抑制するため、透明電極層成膜工程が実施される時間が可能な限り短いことが好ましい。この点を考慮し、好ましくは、透明電極層成膜工程は、透明電極層22の厚みtが50nm以下となるよう実施される。
透明電極層形成工程においては、その後、透明電極層22を所定のアニール温度でアニールするアニール工程を実施してもよい。これによって、透明電極層22を構成する材料の結晶化を促進することができ、このことにより、透明電極層22を硬化させることができる。この結果、後の工程において透明電極層22の硬化収縮が生じることを抑制することができ、これによって、透明電極層22と、透明電極層22に接している層(オーバーコート層19や、オーバーコート層19が設けられていない場合はブラックマトリクス層12や着色部13,14,15などの層)との間の密着性を維持することができる。また、結晶性を高めることにより、透明電極層22の透過率や導電性を高めることができる。
またアニール工程を実施することにより、透明電極層22に付着している水分子が脱離するという効果を期待することもできる。さらに、透明電極層22の厚みが、水分子が通過可能な程度の厚みである場合、アニール工程を実施することにより、オーバーコート層19、ブラックマトリクス層12や各着色部13,14,15および透過率調整部16の表面に付着している水分子が脱離するという効果を期待することもできる。ここで本実施の形態によれば、上述のように透明電極層22の厚みが50nm以下となっている。従って、オーバーコート層19、ブラックマトリクス層12や各着色部13,14,15および透過率調整部16の表面に付着している水分子は、透明電極層22を通過可能であると考えられる。このように本実施の形態によれば、透明電極層22の厚みを小さくすることにより、オーバーコート層19など透明電極層22に先行して形成される要素の表面が荒れてしまうことを抑制するだけでなく、透明電極層22に先行して形成される要素の表面に付着した水分子の脱離のし易さを向上させることもできる。
ところで補助電極層23の厚みは、通常は透明電極層22よりも大きい厚みに設定され、例えば上述のように500nm以下に設定されている。一方、補助電極層23が設けられる範囲は、透明電極層22が設けられる範囲よりも狭い。例えば補助電極層23は、図2Aに示すように、非画素部18の一部にのみ設けられる。このため、仮に補助電極層23の厚みが、水分子が補助電極層23を通過できない程度に大きい場合であっても、アニール工程の際に生じる水分子の脱離が補助電極層23によって妨げられる程度はわずかであると言える。
アニール工程におけるアニール温度は、透明電極層22を構成する材料の結晶特性や、カラーフィルタ10のその他の構成要素の耐熱特性などに応じて適宜設定される。好ましくは、後述する実施例において支持されるように、アニール温度は150℃〜230℃の範囲内に設定される。
なお上述の例では、透明電極層22を構成する材料の結晶化を促進するようカラーフィルタ10を加熱する工程と、水分子を脱離させるためにカラーフィルタ10を加熱させる工程とを、同一のアニール工程として実施する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、水分子を脱離させるためにカラーフィルタ10を加熱させる工程を、透明電極層22を構成する材料の結晶化を促進するようカラーフィルタ10を加熱する工程とは別の工程として、異なる条件で実施してもよい。例えば、水分子を脱離させるためにカラーフィルタ10を加熱させるため、150℃で30分間にわたってカラーフィルタ10を加熱してもよい。
有機EL表示装置の製造方法
次に、上述のようにして得られたカラーフィルタ10と有機EL素子基板40とを組み合わせて、有機EL表示装置50を作製する。この際、カラーフィルタ10の突起電極20が有機EL素子基板40の第2電極43に接するよう、カラーフィルタ10と有機EL素子基板40とを組み合わせる。なお図1に示すように、カラーフィルタ10と有機EL素子基板40との間に光学弾性樹脂49が設けられていてもよい。光学弾性樹脂49は、カラーフィルタ10と有機EL素子基板40とを組み合わせた後にカラーフィルタ10と有機EL素子基板40との間に設けられてもよく、若しくは、カラーフィルタ10と有機EL素子基板40とを組み合わせる前にカラーフィルタ10に設けられてもよい。
ところで、光学弾性樹脂49は有機EL素子44に直接的に触れるものである。この点を考慮すると、光学弾性樹脂49が溶媒を極力含まないことが好ましい。例えば、光学弾性樹脂49として、溶媒が用いられない場合であってもカラーフィルタ10と有機EL素子基板40との間の空間を埋めることができる程度の粘性を有するものを用いることが好ましい。この場合、空間を可能な限り隙間無く埋めるためには、カラーフィルタ10に対する光学弾性樹脂49のぬれ性が高いことが好ましい。ここで本実施の形態によれば、画素部17および非画素部18上の全域にわたって透明電極層22が形成されている。無機物によって構成される透明電極層22に対する光学弾性樹脂49のぬれ性は一般に、アクリル樹脂などを含む着色部13,14,15や透過率調整部16などに対する光学弾性樹脂49のぬれ性よりも高い。従って本実施の形態によれば、カラーフィルタ10と有機EL素子基板40との間の空間をより隙間無く埋めることができる。
本実施の形態によれば、上述のように、カラーフィルタ10の突起電極20を構成する透明電極層22の厚みが、50nm以下となっている。このため、透明電極層22を成膜する工程に要する時間を短くすることができる。これによって、カラーフィルタ10の画素部17や非画素部18を構成する樹脂の表面が荒らされてしまうことを抑制することができる。このことにより、透明電極層22を成膜する工程の際にカラーフィルタ10に付着する水分の量を低減することができる。また、透明電極層22の厚みが小さいので、透明電極層22を形成する工程の後にカラーフィルタ10を加熱することによって、樹脂の表面の水分が容易に透明電極層22を通って外部へ放出され得るようになる。このことによっても、カラーフィルタ10に付着している水分の量を低減することができる。このため本実施の形態によれば、有機EL素子基板40の有機発光層42の発光性能が水分によって劣化してしまうことを抑制することができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、必要に応じて図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(第1の変形例)
上述の本実施の形態においては、画素部17および非画素部18の全体を覆うオーバーコート層19が設けられ、このオーバーコート層19の上に透明電極層22が設けられる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図4に示すように、画素部17を構成するブラックマトリクス層12や、非画素部18を構成する着色部13,14,15および透過率調整部16の上に直接的に透明電極層22を設けてもよい。
(第2の変形例)
上述の本実施の形態においては、画素部17および非画素部18の全域を覆うよう透明電極層22が設けられる例を示した。しかしながら、少なくとも突起部21の頂部および側部、並びに突起部21の周囲の非画素部18上に透明電極層22が設けられており、これによって有機EL素子基板40の第2電極43と透明電極層22とが導通可能である限りにおいて、透明電極層22の具体的なパターンが特に限られることはない。例えば図5に示すように、透明電極層22は、着色部13,14,15や透過率調整部16などの画素部17を覆わないように設けられていてもよい。この場合、着色部13,14,15や透過率調整部16を透過して観察者側に到達する光の強度が、透明電極層22が存在しない分だけ高くなる。
なお透明電極層22が画素部17および非画素部18の全域を覆わない場合、カラーフィルタ10の製造方法は、少なくとも突起部21の頂部および側部、並びに突起部21の周囲の非画素部18上に透明電極層22が残るよう、透明電極層22をパターニングするパターニング工程をさらに備えることになる。本変形例によるパターニング工程においては、透明電極層22は、画素部17を覆わないようパターニングされることになる。透明電極層22をパターニングする方法としては、補助電極層23の場合と同様に、フォトリソグラフィー法等を適宜用いることができる。
(第3の変形例)
上述の第2の変形例においては、透明電極層22が画素部17を覆わないように透明電極層22がパターニングされる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、透明電極層22は、着色部13,14,15や透過率調整部16などの画素部17を部分的に覆うようパターニングされてもよい。図6Aおよび図6Bは、画素部17を部分的に覆うよう設けられた透明電極層22を備えるカラーフィルタ10を示す断面図および平面図である。なお図6Bにおいては、図が煩雑になるのを防ぐため、補助電極層23を省略している。
上述のように、アクリル樹脂などを含む着色部13,14,15や透過率調整部16などに対する光学弾性樹脂49は、無機物によって構成される透明電極層22に対する光学弾性樹脂49のぬれ性よりも一般に低い。ここで本変形例によれば、着色部13,14,15や透過率調整部16上に透明電極層22を部分的に設けることにより、カラーフィルタ10に対する光学弾性樹脂49のぬれ性を高めることができる。また、光学弾性樹脂49に接する着色部13,14,15や透過率調整部16の表面積が透明電極層22によって細分化されるので、光学弾性樹脂49が着色部13,14,15や透過率調整部16の表面に密着し易くなる。これらのことにより、本変形例によれば、着色部13,14,15や透過率調整部16を透過して観察者側に到達する光の強度を高めるとともに、カラーフィルタ10と有機EL素子基板40との間の空間をより隙間無く埋めることができる。
なお、第1着色部13、第2着色部14、第3着色部15および透過率調整部16において、光学弾性樹脂49との間のぬれ性が異なることがある。この場合、各々におけるぬれ性の程度に応じて、透明電極層22の被覆率が異なっていてもよい。例えば、図示はしないが、第1着色部13のうち透明電極層22によって覆われている領域の比率が、第2着色部14のうち透明電極層22によって覆われている領域の比率と異なっていてもよい。なぜなら、例えば第1着色部13に対する光学弾性樹脂49のぬれ性が、第2着色部14に対する光学弾性樹脂49のぬれ性よりも高い場合、第1着色部13上に透明電極層22が設けられていなくても、または第1着色部13のうち透明電極層22によって覆われている領域の比率が第2着色部14に比べて小さくても、光学弾性樹脂49を十分に第1着色部13に密着させることが可能だからである。
上述の第2および第3の比較例のように、着色部13,14,15や透過率調整部16を含む画素部17を透明電極層22が完全には覆わない場合、画素部17に付着した水分を、カラーフィルタ10を加熱することによって容易に脱離させることができる。このため、透明電極層22が画素部17を完全には覆わないことは、カラーフィルタ10の透過率を高める点だけでなく、カラーフィルタ10に付着する水分の量を低減する点でも有利である。従って、画素部17上に透明電極層22が部分的に設けられている場合は、透明電極層22の厚みを上述のように50nm以下になっていなくても、有機EL素子基板40と組み合わせる際にカラーフィルタ10に付着している水分の量を十分に低減することができる可能性がある。例えば後述する実施例によって支持されるように、透明電極層22の厚みが150nmの場合であっても、着色部13,14,15上に透明電極層22を設けないことにより、カラーフィルタ10の水分の量を十分に低減することができる。
(その他の変形例)
また上述の本実施の形態および各変形例においては、ブラックマトリクス層12がマトリックス状のパターンを有する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、ブラックマトリクス層12がその他のパターンを有していてもよい。例えばブラックマトリクス層12がストライプ状のパターンを有していてもよい。この場合、ブラックマトリクス層12間に設けられる着色部13,14,15や透過率調整部16もストライプ状に形成される。
また着色部13,14,15や透過率調整部16のパターンが上述のマトリックス状やストライプ状に限られることはなく、様々なパターンが採用され得る。着色部13,14,15や透過率調整部16の並び順や相対的な位置関係が特に限られることはなく、様々な形態が採用され得る。
また上述の本実施の形態および各変形例においては、突起部21の頂部および側部が全域にわたって透明電極層22によって覆われる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、有機EL素子基板40の第2電極43をカラーフィルタ10の非画素部18上に設けられている透明電極層22に導通させることができる限りにおいて、突起部21の頂部および側部における透明電極層22の具体的なパターンが特に限られることはない。例えば、図示はしないが、線状に延びる透明電極層22が突起部21の頂部および側部上に設けられていてもよい。
また上述の本実施の形態および各変形例においては、有機EL素子44の有機発光層42が白色光を発光するよう構成される例を示したが、これに限られることはない。例えば有機発光層42は、単位画素ごとに様々な色の光、例えば三原色の光を発光するよう構成されていてもよい。
また上述の本実施の形態および各変形例においては、金属材料からなる補助電極層23が設けられる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、透明電極層22によって有機EL素子44における電圧降下を十分に軽減できる場合、補助電極層23が設けられていなくてもよい。
また上述の本実施の形態および各変形例においては、有機EL表示装置50がトップエミッション型である例を示した。すなわち、有機EL層44からの光が、基板47の上方から取り出される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図示はしないが、有機EL表示装置50は、有機EL層44から放射される光が基板47を透過してカラーフィルタ10に到達するよう、構成されていてもよい。すなわち有機EL表示装置50は、いわゆるボトムエミッション型であってもよい。
なお、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
<アニール温度に関する評価>
(実施例1)
はじめに基材11として、大きさが100mm×100mm、厚みが0.7mmのガラス基材を準備した。
次に、以下のようにして、ブラックマトリクス層12を形成した。
まず、重合槽中にメタクリル酸メチル(MMA)を63質量部、アクリル酸(AA)を12質量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEMA)を6質量部、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)を88質量部仕込み、攪拌し溶解させた後、2、2’ーアゾビス(2−メチルブチロニトリル)を7質量部添加し、均一に溶解させた。その後、窒素気流下、85℃で2時間攪拌し、更に100℃で1時間反応させた。得られた溶液に、更にメタクリル酸グリシジル(GMA)を7質量部、トリエチルアミンを0.4質量部、及びハイドロキノンを0.2質量部添加し、100℃で5時間攪拌し、共重合樹脂溶液(固形分50%)を得た。
次に、下記の材料を室温で攪拌、混合して下記組成の硬化性樹脂組成物Aを調製した。
[硬化性樹脂組成物Aの組成]
・上記共重合樹脂溶液(固形分50%) …16質量部
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(サートマー社 SR399)
…24質量部
・オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社 エピコート180S70) …4質量部
・2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン …4質量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル …52質量部
次いで、下記分量の成分を混合し、サンドミルにて十分に分散し、黒色顔料分散液を調製した。
[黒色顔料分散液の組成]
・黒色顔料(三菱化学社製 #2600) …20質量部
・高分子分散材(ビックケミー・ジャパン株式会社 Disperbyk 111) …16質量部
・溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル) …64質量部
その後、下記分量の成分を十分混合して、ブラックマトリクス層12用の材料を得た。
[ブラックマトリクス層12用の材料の組成]
・上記黒色顔料分散液 …50質量部
・上記硬化性樹脂組成物A …20質量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル …30質量部
次に、得られたブラックマトリクス層12用の材料を基材11上に塗布し、フォトリソグラフィー法によりパターニングし、その後焼成してブラックマトリクス層12を形成した。
次に、以下のようにして着色部13,14,15および透過率調整部16を形成した。
まず、下記組成の第1着色部13用の材料、第2着色部14用の材料、第3着色部15用の材料および透過率調整部16用の材料を調製した。
[第1着色部13用の材料]
・C.I.ピグメントレッド254 …10質量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 …8質量部
・上記硬化性樹脂組成物A …15質量部
・酢酸−3−メトキシブチル …67質量部
[第2着色部14用の材料]
・C.I.ピグメントグリーン58 …10質量部
・C.I.ピグメントイエロー138 …3質量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 …8質量部
・上記硬化性樹脂組成物A …12質量部
・酢酸−3−メトキシブチル …67質量部
[第3着色部15用の材料]
・C.I.ピグメントブルー1 …5質量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 …3質量部
・上記硬化性樹脂組成物A …25質量部
・酢酸−3−メトキシブチル …67質量部
[透過率調整部16用の材料]
・C.I.ピグメントブルー15:6 …1質量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 …3質量部
・上記硬化性樹脂組成物A …29質量部
・酢酸−3−メトキシブチル …67質量部
次に、基材11上のブラックマトリクス層12を覆うように第1着色部13用の材料をスピンコート法により塗布し、フォトリソグラフィー法によりパターニングした後、焼成して第1着色部13を形成した。
その後、同様の工程により、第2着色部14、第3着色部15および透過率調整部16を形成した。
次に、ブラックマトリクス層12を含む非画素部18上、並びに、着色部13,14,15および透過率調整部16を含む画素部17上に、蒸着法によって、厚み0.5μmのAg薄膜を形成した。その後、フォトリソグラフィー法によってAg薄膜をパターニングして、非画素部18上に補助電極層23を形成した。
その後、非画素部18上に形成された補助電極層23の所定の箇所に、NN780(JSR社製)からなる突起部21を形成した。形成方法としてはフォトリソグラフィー法を用いた。得られた突起部21の基部の幅は40μm、頂部の幅は20μm、高さは20μmであり、基部側から頂部に至るテーパー角度は70°であった。
次に、画素部17上および非画素部18上に、スパッタリング法によって、厚み50nmのITO膜を形成した。その後、フォトリソグラフィー法によってITO膜をパターニングして、突起部21の頂部および側部、並びに非画素部18を覆う透明電極層22を形成した。このようにして、突起部21および透明電極層22から構成される突起電極20を備えたカラーフィルタ10を作製した。
その後、150℃のアニール温度で40分間にわたってカラーフィルタ10を加熱するアニール工程を行った。
(実施例2)
アニール温度を170℃に設定したこと以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルタ10を作製した。
(実施例3)
アニール温度を190℃に設定したこと以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルタ10を作製した。
(実施例4)
アニール温度を200℃に設定したこと以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルタ10を作製した。
(実施例5)
アニール温度を230℃に設定したこと以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルタ10を作製した。
(比較例1)
アニール温度を0℃に設定したこと以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルタ10を作製した。
(比較例2)
アニール温度を260℃に設定したこと以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルタ10を作製した。
実施例1〜5および比較例1,2のカラーフィルタ10の補助電極層23の、補助電極層23の下の層に対する密着性を、JIS−K5400に準拠して試験した。試験結果を表1に示す。表1においては、試験後の補助電極層23の面積が50%以上残っている場合が◎、30%以下である場合が○、10%以下である場合が×で表されている。
また、補助電極層23の場合と同様にして、透明電極層22の密着性を評価した。試験結果を表1に示す。
さらに、透明電極層22の透過率について、島津製作所製の紫外可視光分光光度計UV−3600を用いて評価した。試験結果を表1に示す。なお、ここでの透過率とは、光波長380nm〜780nmの範囲内における平均透過率を指す。
Figure 0006460437
表1に示すように、アニール温度が150℃〜230℃の範囲内である実施例1〜5では、アニール温度が0℃および260℃である比較例1および2と比較して、補助電極層23の密着性、透明電極層22の密着性、および透明電極層22の透過率のいずれにおいても良好な結果が得られた。中でも、透明電極層のアニール温度が170℃〜200℃の実施例2〜4では、より良好な結果が得られた。
<残留水分量に関する評価>
(実施例11)
まず、上述の実施例1と同様にして、カラーフィルタ10を作製した。次に、アニール工程を経た後のカラーフィルタ10を切断して、10mm×10mm角の試験片を取り出した。その後、当該試験片に付着している水分の量を、昇温脱離ガス分光法(TDS thermal desorption spectrometry)を用いて測定した。測定器としては、電子科学製のEDS-WA1000S/Wを用いた。結果、検出された水分子は3.5×1016(個/100mg)であった。
なおTDS法は、カラーフィルタ10と有機EL素子基板40とを組み合わせる工程と同様に真空環境下で実施される。このため、TDS法が実施される環境は、カラーフィルタ10と有機EL素子基板40とを組み合わせる工程が実施される環境と同等であると言える。従って、TDS法によって検出される水分子の個数は、カラーフィルタ10と有機EL素子基板40とを組み合わせる工程においてカラーフィルタ10から放出されて有機EL素子基板40に入り込み得る水分子の個数に相当していると言える。
(実施例12)
着色部13,14,15および透過率調整部16上には透明電極層22を設けず、かつ透明電極層22の厚みを150nmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルタ10を作製した。基材11の法線方向に沿ってカラーフィルタ10を見た場合の、透明電極層22の面積率は40%であった。
実施例11の場合と同様にして、TDS法を用いて水分量を測定した。結果、検出された水分子は7.1×1016(個/100mg)であった。
(比較例11)
透明電極層22の厚みを100nmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルタ10を作製した。また、実施例11の場合と同様にして、TDS法を用いて水分量を測定した。結果、検出された水分子は1.4×1017(個/100mg)であった。
(比較例12)
透明電極層22の厚みを150nmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルタ10を作製した。また、実施例11の場合と同様にして、TDS法を用いて水分量を測定した。結果、検出された水分子は2.2×1017(個/100mg)であった。
(比較例13)
透明電極層22を設けなかったこと以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルタ10を作製した。また、実施例11の場合と同様にして、TDS法を用いて水分量を測定した。結果、検出された水分子は9.7×1015(個/100mg)であった。
実施例11および比較例11〜13について、検出した水分の量を透明電極層22の厚みに対してプロットした結果を図7に示す。図7に示すように、透明電極層22の厚みが50nm以下である場合、検出された水分子の個数が1.0×1017(個/100mg)よりも小さくなっていた。また図7に示すように、透明電極層22の厚みが50nmを超えると、透明電極層22の厚みの増加に対する水分量の増加の割合が顕著に大きくなっていた。具体的には、透明電極層22の厚みが50〜150nmの範囲内における測定点に対する近似直線L2の傾きが、透明電極層22の厚みが0〜50nmの範囲内における測定点に対する近似直線L1の傾きに比べて顕著に大きくなっていた。このことから、透明電極層22の厚みを50nm以下にすることにより、カラーフィルタ10に付着する水分の量を効果的に低減することができると言える。
また、着色部13,14,15および透過率調整部16上に透明電極層22を設けない場合は、透明電極層22の厚みが50nmを超えている場合、例えば実施例12のように150nmの場合であっても、検出された水分子の個数が1.0×1017(個/100mg)よりも小さくなっていた。このことから、透明電極層22がパターニングされている場合は、透明電極層22の厚みを150nm以下にすれば、カラーフィルタ10に付着する水分の量を十分に低減することができると考えられる。また実施例12においては、ブラックマトリクス層12を含む非画素部18上に、150nmという比較的大きな厚みを有する透明電極層22が設けられている。このため、スパッタリングの際に受けたダメージに起因して非画素部18に水分が付着していたとしても、そのような水分が透明電極層22によって閉じ込められ、このことによっても、TDS法で検出される水分の量が低減したと考えられる。
10 カラーフィルタ
11 基材
11a 観察者側の面
11b 有機EL素子側の面
12 ブラックマトリクス層
13 第1着色部
14 第2着色部
15 第3着色部
16 透過率調整部
17 画素部
18 非画素部
20 突起電極
21 突起部
22 透明電極層
23 補助電極層
40 有機EL素子基板
41 第1電極
42 有機発光層
43 第2電極
44 有機EL素子
44a 単位有機EL素子
47 基板
48 駆動用配線
49 光学弾性樹脂
50 有機EL表示装置

Claims (7)

  1. 有機EL表示装置用のカラーフィルタの製造方法において、
    画素部と、前記画素部の周囲に形成された非画素部と、が形成された基材を準備する工程と、
    前記非画素部上に突起部を形成する工程と、
    蒸着法またはスパッタリング法を用いて、前記画素部、前記非画素部および前記突起部上に透明電極層を形成する透明電極層成膜工程と、
    少なくとも前記突起部の頂部および側部、並びに前記突起部の周囲の前記非画素部上に前記透明電極層が残るよう前記透明電極層をパターニングするパターニング工程と、を備え、
    前記突起部および前記透明電極層により、前記カラーフィルタの前記透明電極層を、前記カラーフィルタに対向するよう配置される基板に形成されている電極に導通させるための突起電極が構成され、
    前記パターニング工程において、前記透明電極層は、前記画素部を少なくとも部分的に覆うようパターニングされ、
    前記画素部は、第1の色の光を選択的に透過させる第1着色部と、第2の色の光を選択的に透過させる第2着色部と、を少なくとも有し、
    前記第1着色部のうち前記透明電極層によって覆われている領域の比率が、前記第2着色部のうち前記透明電極層によって覆われている領域の比率と異なっている、カラーフィルタの製造方法。
  2. 有機EL表示装置用のカラーフィルタの製造方法において、
    画素部と、前記画素部の周囲に形成された非画素部と、が形成された基材を準備する工程と、
    前記非画素部上に突起部を形成する工程と、
    蒸着法またはスパッタリング法を用いて、前記画素部、前記非画素部および前記突起部上に透明電極層を形成する透明電極層成膜工程と、
    少なくとも前記突起部の頂部および側部、並びに前記突起部の周囲の前記非画素部上に前記透明電極層が残るよう前記透明電極層をパターニングするパターニング工程と、を備え、
    前記突起部および前記透明電極層により、前記カラーフィルタの前記透明電極層を、前記カラーフィルタに対向するよう配置される基板に形成されている電極に導通させるための突起電極が構成され、
    前記透明電極層成膜工程は、前記透明電極層の厚みが50nm以下となるよう実施され、
    前記パターニング工程において、前記透明電極層は、前記画素部を少なくとも部分的に覆うようパターニングされ、
    前記画素部は、第1の色の光を選択的に透過させる第1着色部と、第2の色の光を選択的に透過させる第2着色部と、を少なくとも有し、
    前記第1着色部のうち前記透明電極層によって覆われている領域の比率が、前記第2着色部のうち前記透明電極層によって覆われている領域の比率と異なっている、カラーフィルタの製造方法。
  3. 前記透明電極層を所定のアニール温度でアニールするアニール工程をさらに備える、請求項1又は2に記載のカラーフィルタの製造方法。
  4. 前記アニール温度は、150℃〜230℃の範囲内である、請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  5. 前記透明電極層は、インジウム錫酸化物またはインジウム亜鉛酸化物からなる、請求項1乃至のいずれか一項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  6. 有機EL表示装置用のカラーフィルタにおいて、
    基材と、
    前記基材上に形成された画素部と、
    前記画素部の周囲に形成された非画素部と、
    前記非画素部上に形成された突起部と、
    前記突起部の頂部および側部、並びに前記突起部の周囲の前記非画素部を少なくとも部分的に覆うよう設けられた透明電極層と、を備え、
    前記突起部および前記透明電極層により、前記カラーフィルタの前記透明電極層を、前記カラーフィルタに対向するよう配置される基板の電極に導通させるための突起電極が構成され、
    前記透明電極層は、前記突起部の頂部および側部、並びに前記突起部の周囲の前記非画素部上に設けられており、且つ、前記画素部上に少なくとも部分的に設けられており、
    前記画素部は、第1の色の光を選択的に透過させる第1着色部と、第2の色の光を選択的に透過させる第2着色部と、を少なくとも有し、
    前記第1着色部のうち前記透明電極層によって覆われている領域の比率が、前記第2着色部のうち前記透明電極層によって覆われている領域の比率と異なっている、カラーフィルタ。
  7. 基板と、前記基板上に設けられた有機EL素子とを有する有機EL素子基板と、
    前記有機EL素子基板に対向するよう配置された、請求項に記載のカラーフィルタと、を備える、有機EL表示装置。
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