JP6459953B2 - リチウムイオン電池 - Google Patents

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本発明は、リチウムイオン電池に関する。
特開2015−170476号公報(特許文献1)には、正極活物質および導電助材を含むスラリーを、正極集電体の表面に塗着してなる、リチウムイオン電池の正極が開示されている。
特開2015−170476号公報 国際公開第2013/065096号 特開2013−214355号公報
リチウムイオン電池の正極活物質として、たとえばLiCoO2等のリチウム含有金属酸化物粒子が利用されている。こうした正極活物質は、酸化物であるがゆえ、電子伝導性に乏しい。
従来、正極活物質の電子伝導性を補うために、たとえばアセチレンブラック等の炭素微粒子(導電助材)が用いられている。たとえば正極活物質と炭素微粒子とを混合することにより、正極活物質の表面に、炭素微粒子を付着させることができる。正極活物質の表面において、炭素微粒子が連続して存在する部分には、電子が移動できる電子伝導パスが形成される。
しかしながら炭素微粒子は、混合の際に凝集しやすいため、正極活物質の表面に、炭素微粒子を連続的かつ均一に付着させることが困難である。換言すれば、正極活物質の表面における電子伝導パスには、向上の余地が残されている。
本発明のリチウムイオン電池は、リチウム含有金属酸化物粒子と、該リチウム含有金属酸化物粒子の表面の少なくとも一部を被覆するオスミウム被膜と、を含む正極を備える。オスミウム被膜の膜厚は、0.02nm以上45nm以下である。
以下、本発明について説明する。以下の説明では、リチウム含有金属酸化物粒子を「LiMeO粒子」と、オスミウム被膜を「Os被膜」と略記する場合がある。
図1(A)および(B)は、LiMeO粒子の表面における炭素微粒子の付着状態を示す概念図である。図1(A)および(B)に示されるように、一般にLiMeO粒子は、一次粒子5が凝集した二次粒子10であり、その表面に、ナノ〜ミクロンオーダーの微細な凹凸を有している。アセチレンブラック等の炭素微粒子20は、10〜1000nm程度の粒径を有している。しかし、この程度の粒径では、LiMeO粒子の表面の凹凸を隙間なく埋めることは困難である。
また図1(A)に示されるように、炭素微粒子20は凝集しやすいために、連続した電子伝導パスとなり難い。炭素微粒子が凝集すると、LiMeO粒子内のリチウム(Li)イオンが動き難くなり、Liイオンの拡散抵抗が大きくなる。特にハイレート充放電時は、Liイオンの動きが鈍いことに起因して、正極反応が進行しなくなる。
広範囲に亘る電子伝導パスを形成するために、炭素微粒子を増量することも考えられる。しかし、炭素微粒子を増量すると、高温保存時にガス発生を伴う副反応が起こり易くなり、性能劣化が促進されることになる。また炭素微粒子が理想的に連続したとしても、粒子である以上、粒界が存在し、粒界で電子伝導パスが途切れることもあるため、広範囲に亘る電子伝導パスの形成は困難である。
図2(A)および(B)は、本発明の正極を示す概念図である。本発明の正極では、LiMeO粒子(一次粒子5および二次粒子10)の表面に、極薄膜のOs被膜30が存在する。かかるOs被膜は、金属であるため、電子伝導性に優れ、なおかつ膜厚がサブナノ〜ナノオーダーの極薄膜であるため、LiMeO粒子の表面の凹凸に追従することができる。すなわちLiMeO粒子を均一に被覆することができる。
極薄膜のOs被膜は、たとえばプラズマCVD(plasma−enhanced Chemical Vapor Deposition)等により、形成することができる。かかる方法によれば、Os被膜を構成するOsはアモルファス金属となる。すなわち、Os被膜内には、実質的に粒界が存在せず、広範囲に亘る電子伝導パスが形成される。
本発明者は、プラズマCVDにより、LiMeO粒子の表面において、0.02nm以上45nm以下の膜厚を有するOs被膜の形成に成功している。さらに当該LiMeO粒子およびOs被膜を含む、リチウムイオン電池では、正極側での電子伝導性向上の裏付けとなる、性能向上が確認されている。
上記によれば、正極の電子伝導性が向上した、リチウムイオン電池が提供される。
図1(A)および(B)は、リチウム含有金属酸化物粒子の表面における炭素微粒子の付着状態を示す概念図である。 図2(A)および(B)は、本発明の正極を示す概念図である。
以下、本発明の実施形態(以下「本実施形態」と記す)について説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されるものではない。
<リチウムイオン電池>
リチウムイオン電池は、少なくとも正極、負極および非水電解質を備える。リチウムイオン電池は、正極と負極との間に介在するセパレータを備えていてもよい。以下、リチウムイオン電池を構成する各部材について説明する。
《正極》
正極は、たとえば正極集電体と、該正極集電体の表面に形成されている正極合材層と、を含む。正極集電体の厚さは、たとえば5〜25μm程度である。正極合材層の厚さは、たとえば10〜150μm程度である。
正極集電体は、たとえばアルミニウム(Al)箔等である。正極合材層は、LiMeO粒子、該LiMeO粒子の表面の少なくとも一部を被覆するOs被膜、およびバインダを含有する。すなわち本実施形態の正極は、LiMeO粒子と、該LiMeO粒子の表面の少なくとも一部を被覆するOs被膜と、を含む。バインダは、たとえばポリフッ化ビニリデン(PVdF)等でよい。正極合材層は、炭素微粒子をさらに含有していてもよい。炭素微粒子は、たとえばアセチレンブラック、サーマルブラック等でよい。本実施形態における正極合材層の組成は、たとえば以下のとおりである。以下のように本実施形態では、炭素微粒子を実質的に含有しない構成とすることもできる。
(正極合材層の組成)
正極活物質:80〜99質量%程度
炭素微粒子:0〜10質量%程度
バインダ :1〜10質量%程度。
(リチウム含有金属酸化物粒子)
LiMeO粒子は、リチウムイオン電池の正極活物質として機能する。LiMeO粒子は、特に限定されない。LiMeO粒子は、たとえばLiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn24、一般式LiNiCoMn(ただしa+b+c=1、0<a<1、0<b<1、0<c<1である)で表される化合物等でよい。本実施形態では、Li、金属(Me)および酸素(O)を含有する限り、たとえばLiFePO等のリン酸塩も、LiMeO粒子に属するものとする。
LiMeO粒子(二次粒子)のd50は、たとえば1〜20μm程度である。二次粒子を構成する一次粒子のd50は、たとえば10nm〜5μm程度である。ここで「d50」とは、レーザ回折/散乱法によって測定された体積基準の粒度分布において、累計50%での粒径を示している。
(オスミウム被膜)
Os被膜は、LiMeO粒子の表面の少なくとも一部を被覆している。ここで「LiMeO粒子の表面」とは、一次粒子の表面および二次粒子の表面を示す。Os被膜は、好ましくはLiMeO粒子の表面の全体を被覆する。ただし、Os被膜は、LiMeO粒子の少なくとも一部を被覆していればよく、少なくとも一部を被覆している限り、本発明の効果は示されると考えられる。
また本実施形態の正極合材層は、Os被膜によって少なくとも一部を被覆されているLiMeO粒子を含有する限り、Os被膜によって被覆されていないLiMeO粒子を含有していてもよい。正極合材層に含有されるLiMeO粒子のうち、Os被膜によって被覆されているLiMeO粒子の割合が多いほど、いっそう大きな電子伝導性の向上効果が期待できる。
Os被膜の膜厚は、0.02nm以上45nm以下である。かかる範囲で電子伝導性の向上による電池性能の向上が確認されている。電子伝導性の観点から、膜厚は、好ましくは1.8nm以上である。さらに高温保存特性およびサイクル特性の観点から、膜厚は、好ましくは9.5nm以下であり、より好ましくは4.3nm以下である。
Os被膜を構成するOsは、好ましくはアモルファス金属である。ただし、Osの一部は金属結晶であってもよい。Os被膜に、金属結晶であるOsが含まれていたとしても、本発明の効果は示されると考えられる。
Os被膜は、実質的にOsのみから構成される。ここで「実質的にOsのみから構成される」とは、Os被膜が、Os以外に、その形成過程で不可避的に混入する不可避的不純物を含み得ることを示す。Os被膜におけるOsの構成比率は、好ましくは95原子%以上であり、より好ましくは98原子%以上であり、特に好ましくは99原子%以上である。
(オスミウム被膜の形成方法)
本実施形態のOs被膜は、たとえば次の方法で形成することができる。先ず、所定の溶媒(たとえばN−メチル−2−ピロリドン;NMP)中に、LiMeO粒子およびバインダを分散させ、正極スラリーを調製する。正極集電体上に、正極スラリーを塗工し、乾燥させることにより、正極合材層を形成する。これにより正極を得る。
次いで、プラズマCVD装置を用いて、LiMeO粒子の表面の少なくとも一部に、アモルファスOsを蒸着させることにより、Os被膜を形成する。プラズマCVD装置には、いわゆる「オスミウム・プラズマコーター」(「オスミウムコーター」と称される場合もある)が好適である。以下、オスミウム・プラズマコーターを用いた例を説明する。
オスミウム・プラズマコーターは、Os被膜の原料であるOsO4を昇華ガスとし、直流グロー放電により、これをプラズマ化させる。OsO4がプラズマ化すると、チャンバ内に、負グロー相領域(陰極側)および陽光柱領域(陽極側)の2つの領域が形成される。負グロー相領域では、陽イオン化したOsガス分子が濃縮し、激しく衝突し合うため、該負グロー相領域内に試料を配置しておくことにより、試料の表面に、純度が高いOsの薄膜が形成される。こうして形成されたOs被膜は、実質的に粒界を有しないアモルファス金属から構成される。
この方法では、原料をガス化しているため、凹凸の激しいLiMeO粒子の表面に、Os被膜を均一に形成できる。また正極合材層は、粒子層であるため、粒子間の空隙が完全に埋まることはなく、多孔質である。そのため、原料ガスが正極合材層の奥深くまで入りこみ、正極合材層の内部に存在するLiMeO粒子の表面にも、Os被膜を形成することができる。Os被膜の膜厚は、放電電流および放電時間により調整することができる。予め、所定の条件下での放電時間と膜厚との関係を測定しておけば、同条件下での放電時間からLiMeO粒子の表面に形成されたOs被膜の膜厚を推定することができる。
《負極》
負極は、たとえば負極集電体と、該負極集電体の表面に形成されている負極合材層と、を含む。負極集電体の厚さは、たとえば5〜25μm程度である。負極合材層の厚さは、たとえば10〜150μm程度である。
負極集電体は、たとえば銅(Cu)箔等である。負極合材層は、負極活物質およびバインダを含有する。負極活物質は、黒鉛、易黒鉛化性炭素および難黒鉛化性炭素等の炭素系負極活物質でもよいし、珪素(Si)、錫(Sn)等を含有する合金系負極活物質でもよい。バインダは、たとえばカルボキシメチルセルロース(CMC)およびスチレンブタジエンゴム(SBR)の混合物等でよい。
《セパレータ》
セパレータは、絶縁性を有する多孔膜である。セパレータは、たとえばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン材料により構成される。セパレータの厚さは、たとえば5〜50μm程度である。セパレータの孔径、空孔率は、透気度が所望の値となるように適宜調整できる。
《非水電解質》
非水電解質は、液体電解質(すなわち電解液)であってもよいし、固体電解質であってもよいし、あるいはゲル状の電解質であってもよい。たとえば電解液は、非プロトン性溶媒に、Li塩を溶解させた溶液である。
非プロトン性溶媒は、たとえば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)等の環状カーボネートと、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等の鎖状カーボネートとの混合物でよい。環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合比は、体積比で、たとえば環状カーボネート:鎖状カーボネート=1:9〜5:5程度でよい。
Li塩は、たとえばLiPF6、Li[(FSO22N](略称「LiFSI」)等でよい。電解液におけるLi塩の濃度は、たとえば0.5〜1.5モル/リットル程度でよい。
以下、実施例を用いて本実施形態を説明する。ただし本実施形態は以下の例に限定されるものではない。
<リチウムイオン電池の製造>
以下のようにして各種リチウムイオン電池を製造し、その性能を評価した。
《実施例1》
1.正極の製造
以下の材料を準備した。
(正極用材料)
LiMeO粒子:LiNi1/3Co1/3Mn1/32(NCM)
炭素微粒子 :アセチレンブラック(AB)
バインダ :PVdF
溶媒 :NMP
正極集電体 :Al箔(厚さ=15μm)。
プラネタリミキサを用いて、NCM、AB、PVdFおよびNMPを所定の配合で混合することにより、正極スラリーを調製した。ダイコータを用いて、正極スラリーをAl箔の表面に塗工し、乾燥させることにより、正極合材層を形成した。さらに所定の寸法に加工することにより、帯状のシート部材である正極を得た。
正極をオスミウム・プラズマコーター(プラズマCVD装置)のチャンバ内(陰極側)に配置し、NCMの表面の少なくとも一部を被覆するOs被膜を形成した。Os被膜の形成条件は、以下のとおりである。
(Os被膜の形成条件)
真空度 :7Pa
放電電流:10mA
放電時間:2秒間。
2.負極の製造
以下の材料を準備した。
(負極用材料)
負極活物質:黒鉛
バインダ :CMCおよびSBR
溶媒 :水
負極集電体:銅箔。
プラネタリミキサを用いて、黒鉛、CMC、SBRおよび水を所定の配合で混合することにより、負極スラリーを調製した。ダイコータを用いて、負極スラリーを銅箔の表面に塗工し、乾燥させることにより、負極合材層を形成した。さらに所定の寸法に加工することにより、帯状のシート部材である負極を得た。
3.組み立て
ポリオレフィン材料により構成されるセパレータを準備した。セパレータを挟んで正極と負極とを積層し、さらに巻回することにより、巻回電極群を構成した。巻回電極群に所定の集電板を溶接した。さらに巻回電極群を所定の電池ケースに挿入した。
電池ケースに電解液[EC:DMC:EMC=3:4:3(体積比),LiPF6=1mоl/l]を注入し、その後電池ケースを密閉した。以上より、実施例1に係るリチウムイオン電池(定格容量=500mAh)を製造した。
《実施例2〜5》
表1に示すように、オスミウム・プラズマコーターにおける放電時間を変更することにより、Os被膜の膜厚を変更することを除いては、実施例1と同様にして、実施例2〜5に係るリチウムイオン電池を製造した。
Figure 0006459953
《比較例1》
正極合材層における炭素微粒子(AB)の含有量を8質量%に増量し、さらにOs被膜を形成しないことを除いては、実施例1と同様にして、比較例1に係るリチウムイオン電池を製造した。
《比較例2》
比較例2では、Os被膜に代えて、導電性ポリマーの被膜を形成した。まず、ピロールをアセトニトリル(MeCN)に溶解させることにより、ポリマー溶液を調製した。かかるポリマー溶液に、正極を所定時間に亘って浸漬することにより、導電性ポリマー(ポリピロール)の被膜を形成した。
《比較例3》
比較例3では、オスミウム・プラズマコーターによるOs被膜の形成に代えて、スパッタコーターによる金(Au)被膜の形成を行った。成膜時間は5秒間とした。
<電池性能の評価>
以下のようにして、リチウムイオン電池を評価した。以下の説明において、電流の単位「C」は、電池の定格容量を1時間で放電しきる電流を示すものとする。
1.初期放電容量の測定
1Cの電流により、4.1Vまで電池を充電した。その後、1/3Cの電流により、3.0Vまで電池を放電した。このときの放電容量(初期放電容量)を、リチウムイオン電池に含まれるLiMeO粒子の全質量で除することにより、正極活物質の単位質量あたりの初期放電容量を求めた。結果を表1に示す。
2.IV抵抗の測定
電池のIV抵抗を測定した。結果を表1に示す。IV抵抗が低いほど、電子伝導性が良好である。
3.高温保存後の容量維持率の測定
電池のSOCを90%に調整した。60℃に設定された恒温槽内に電池を配置し、同環境で60日間保管した。60日経過後、上記「1.初期放電容量の測定」と同様にして、保存後放電容量を測定した。保存後放電容量を初期放電容量で除することにより、高温保存後容量維持率(百分率)を求めた。結果を表1に示す。
4.サイクル後の容量維持率の測定
60℃に設定された恒温槽内に電池を配置した。2Cの電流で、0〜100%のSOC範囲で充放電を500サイクル繰り返した。500サイクル後、上記「1.初期容量の測定」と同様にして、サイクル後放電容量を測定した。サイクル後放電容量を初期放電容量で除することにより、サイクル後容量維持率(百分率)を求めた。結果を表1に示す。
<結果と考察>
表1に示されるように、LiMeO粒子と、LiMeO粒子の表面の少なくとも一部を被覆するOs被膜とを含む正極を備える、実施例に係るリチウムイオン電池は、IV抵抗が低い。Os被膜により、LiMeO粒子の表面に広範囲に亘る電子伝導パスが形成されていると考えられる。
実施例5は、実施例1〜4に比し、保存後およびサイクル後の容量維持率がやや低い。Os被膜の膜厚が厚いため(45nm)、電子伝導性が過度に高くなり、高温環境下でガス発生反応が起こり易くなっていると考えられる。よって、高温保存特性の観点から、Os被膜の膜厚は、好ましくは9.5nm以下である。
炭素微粒子を増量した比較例1は、いずれの性能も十分でない。炭素微粒子では、電子伝導パスが途切れやすいためと考えられる。
導電性ポリマーによる被膜を形成した比較例2は、IV抵抗が高い。導電性ポリマーは、一次粒子の粒界および二次粒子の内部まで、入り込まないと考えられる。また高温保存特性およびサイクル特性が低い理由は、LiMeO粒子が割れた際に、電子伝導パスが途切れるためと考えられる。
イオンスパッタによりAu被膜を形成した比較例3も、IV抵抗が高い。スパッタリングでは、正極合材層の表面に集中して被膜が形成され、正極合材層の内部に存在するLiMeO粒子の表面にまで被膜を形成できないと考えられる。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
5 一次粒子(LiMeO粒子)、10 二次粒子(LiMeO粒子)、20 炭素微粒子、30 被膜。

Claims (1)

  1. リチウム含有金属酸化物粒子と、前記リチウム含有金属酸化物粒子の表面の少なくとも一部を被覆するオスミウム被膜と、を含む、正極を備え、
    前記オスミウム被膜の膜厚は、0.02nm以上45nm以下である、リチウムイオン電池。
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