JP6459656B2 - 接合用部材およびそれを用いた電子部品の実装方法 - Google Patents
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Description
この発明の他の目的は、良好なセルフアライメント性および接合強度を有し、且つリフロー後、特に再度のリフロー後においても電子部品の接合位置がズレるという問題を抑制し得る電子部品の実装方法を提供することである。
また、この発明に係る接合用部材は、めっき膜の表面にAu,Pd,Ag,Ptのうち少なくとも1種の金属層を有し、金属層の合計の膜厚が0.05μm以上5μm以下である、接合用部材であることが好ましい。
また、この発明に係る電子部品の実装方法は、電子部品を基板に実装する電子部品の実装方法であって、上記しためっき膜を基板に形成する工程と、めっき膜の表面にSn系はんだ層を形成する工程と、電子部品を基板に搭載して、リフローはんだ付けにより接合用部材とSn系はんだ層とを溶融してめっき膜とSn系はんだ層との境界にCu−Ni、Snを主成分とする合金化により合金層を形成し、電子部品を基板に実装するリフローはんだ付け工程と、を含み、前記リフローはんだ付け工程は、240℃以上280℃以下で180秒以上加熱することを特徴とする、電子部品の実装方法である。
さらに、この発明に係る接合用部材は、めっき膜の表面にAu,Pd,Ag,Ptのうち少なくとも1種の金属層を有し、金属層の合計の膜厚が0.05μm以上5μm以下であることにより、セルフアライメント性および接合強度がより向上するという効果を奏する。
さらに、この発明に係る電子部品の実装方法は、電子部品を基板に実装する電子部品の実装方法であって、上記しためっき膜を基板に形成する工程と、めっき膜の表面にSn系はんだ層を形成する工程と、電子部品を基板に搭載して、リフローはんだ付けにより接合用部材とSn系はんだ層とを溶融してめっき膜とSn系はんだ層との境界にCu−Ni、Snを主成分とする合金化により合金層を形成し、電子部品を基板に実装するリフローはんだ付け工程と、を含み、前記リフローはんだ付け工程は、240℃以上280℃以下で180秒以上加熱することにより、十分な金属間化合物層を形成することができるという効果を奏する。
また、この発明によれば、良好なセルフアライメント性および接合強度を有し、且つリフロー後、特に再度のリフロー後においても電子部品の接合位置がズレるという問題を抑制して、電子部品を基板に実装することができる。
以下、この発明の第1の実施の形態に係る接合用部材について図面を参照しながら説明する。図1は、この実施の形態に係る接合用部材の構造を示す模式図である。図1(a)がはんだ付けする前の状態を示し、図1(b)がはんだ付けした後の状態を示す。
そして、図1(b)に示すように、基材8にこのCu−Ni合金めっき膜2を介して電子部品をリフローはんだ付けする工程中に、Cu−Ni合金めっき膜2とSn系はんだ層6との間に層状の金属間化合物(IMC:Intermetallic Compounds)である金属間化合物層4が形成される。すなわち、この実施の形態の金属間化合物層4は、Cu−Ni合金めっき膜2とSn系はんだ層6との境界に形成される合金層であり、Cu、NiおよびSnを主成分とし、P,B,Au,Pd,Ag,Ptのうち少なくとも1種の元素を含有する。
上記した通り、金属間化合物層4は、Cu、NiおよびSnを主成分とする合金層である。このような組成を有する金属間化合物層4は、従来のCuおよびSnからなる金属間化合物層よりも短時間でより厚く形成される。このメカニズムは、次のようなものではないかと推察される。
上記したプロセスが繰り返されることにより、Cu−Ni合金めっき膜2のCuやNiと、Sn系はんだ層6のSnとの反応が高速に進行し、短時間でより厚い金属間化合物層4が得られる。
この発明にかかる接合用部材を用いて電子部品を基板に実装する場合、リフローはんだ付けが行われる。
この電子部品の実装方法は、Cu電極による基材8の表面にCu−Ni合金めっき膜2を形成する工程と、接合用部材の表面にSn系はんだ層6を形成する工程と、電子部品を基板に搭載して、リフローはんだ付けによりCu−Ni合金めっき膜2とSn系はんだ層6とを溶融し、電子部品を基板に実装するリフローはんだ付け工程とを含む。
電子部品を基板にリフローはんだ付けにより実装するリフローはんだ付け工程において、240℃以上280℃以下で180秒以上加熱するプロファイルでリフローはんだ付けが行われる。加熱の温度が280℃よりも大きい工程を含む場合、原子の拡散速度が極端に遅くなり、十分な金属間化合物層4が形成されない。加熱の温度が240℃よりも小さい場合、はんだが十分に溶融しないため実装ができない可能性がある。また、加熱の時間が180秒よりも小さい場合も十分な金属間化合物層4が形成されない。
以下、この発明の第2の実施の形態に係る接合用部材について図面を参照しながら説明する。なお、金属間化合物層4および金属層10を除く構成および組成は、第1の実施の形態の接合用部材と同様であるため、同一部分には同じ参照番号を付し、同様となる説明は繰り返さない。
そして、図2(b)に示すように、基材8にこれらCu−Ni合金めっき膜2および金属層10を介して電子部品をリフローはんだ付けする工程中に、Cu−Ni合金めっき膜2とSn系はんだ層6との間に層状の金属間化合物(IMC:Intermetallic Compounds)である金属間化合物層4が形成される。すなわち、この実施の形態の金属間化合物層4は、Cu、NiおよびSnを主成分とし、P,B,Au,Pd,Ag,Ptのうち少なくとも1種の元素を含有するとともに、Au,Pd,Ag,Ptのうち少なくとも1種の金属を含有する。
以下、この発明の効果を確認するために発明者らが行った実験例について説明する。この実験例では、実施例1〜22、比較例1〜8のそれぞれに対する試料を作成し、これらをそれぞれ評価した。
この実施例の基材には、ガラスエポキシ基板(配線基板)がその表面に備える多数のCu電極を用いた。すなわち、これらの多数のCu電極それぞれを図1における基材8として、その表面にめっき層を形成した。Cu電極には、矩形状でその寸法がX方向0.8mm、Y方向1.5mmのものを用いた。また、多数のCu電極のパターンは、上記したCu電極2つを互いに0.8mmの間隔をおいて配設したものを1組のペアとし、このCu電極ペアがX方向に1.9mm間隔で10組、Y方向に2.9mm間隔で10組配列されたものである。したがって、Cu電極パターンは、100組のCu電極ペア(すなわち、200個のCu電極)を備える。
実施例1〜10として、以下のフローにより、無電解Cu−Ni−P合金めっきのサンプルを試作した。
まず、上記したCu電極パターンの表面にめっき層を形成するための準備を以下の通り行った。
はじめに、Cu電極の表面に付着しためっき層を形成する際に障害物となる汚れを除去するために脱脂を行った。
次に、水洗いしたあと、ソフトエッチング処理を行った。
次に、水洗いしたあと、触媒を付与し、さらに水洗いした。
以上のようにして、Cu電極パターンの表面にめっき層を形成するための準備を行った。
次に、上記の通り準備を行ったCu電極パターンの表面に、膜厚10μmのCu−Ni−P合金をめっきした。このCu−Ni−P合金のめっき液は、奥野製薬工業株式会社製の、OPCカッパーAF−M(商品名)を50ml/l以上200ml/l以下、OPCカッパーAF−1F(商品名)を50ml/l以上200ml/l以下、OPCカッパーAF−2F(商品名)を50ml/l以上200ml/l以下、およびATSアドカッパーC(商品名)を0ml/l以上30ml/l以下を混合したものを使用し、その混合しためっき液の温度を55℃とし、100分以上300分以下の条件で行った。
なお、実施例1〜10のサンプルの全ては、Niの含有率が3wt%以上20wt%以下、Pの含有率が0.05wt%以上1.0wt%以下である。実施例1〜10それぞれの具体的な含有率は、後に説明する表1に示す通りである。
次に、水洗いしたあと、上記の通りめっきしたCu−Ni−P合金の表面に、膜厚10μmのSnをめっきした。
最後に、乾燥を行った。以上により実施例1〜10の無電解Cu−Ni−P合金めっきのサンプルを得た。
実施例11〜22として、以下のフローにより、無電解Cu−Ni−P合金めっきの表面に金属層を形成したサンプルを試作した。
はじめに、上記したCu電極パターンの表面にめっき層を形成するための準備を行った。この準備のフローは、上記した実施例1〜10と同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
次に、上記の通り準備を行ったCu電極パターンの表面に、膜厚10μmのCu−Ni−P合金をめっきした。このCu−Ni−P合金のめっき液は、奥野製薬工業株式会社製の、OPCカッパーAF−M(商品名)を50ml/l以上200ml/l以下、OPCカッパーAF−1F(商品名)を50ml/l以上200ml/l以下、OPCカッパーAF−2F(商品名)を50ml/l以上200ml/l以下、およびATSアドカッパーC(商品名)を0ml/l以上30ml/l以下を混合したものを使用し、その混合しためっき液の温度を55℃とし、100分以上300分以下の条件で行った。このCu−Ni−P合金のめっき液は、奥野製薬工業株式会社製の、OPCカッパーAF−MF(商品名)を150ml/l、OPCカッパーAF−1F(商品名)を100ml/l、OPCカッパーAF−2F(商品名)を40ml/l、およびATSアドカッパーC(商品名)を0ml/l以上30ml/l以下を混合したものを使用し、その混合しためっき液の温度を55℃とし、100分以上300分以下の条件で浸漬することにより行った。
なお、実施例11〜22のサンプルの全ては、実施例1〜10と同様に、Niの含有率が3wt%以上20wt%以下、Pの含有率が0.05wt%以上1.0wt%以下である。実施例11〜22それぞれの具体的な含有率は、後に説明する表1に示す通りである。
次に、水洗いしたあと、上記の通りめっきしたCu−Ni−P合金の表面に、実施例11〜14にはAuからなる金属層、実施例15〜18にはAgからなる金属層、実施例19〜22にはPdからなる金属層をそれぞれめっきした。金属層の膜厚は0.05μm以上5μm以下である。実施例11〜22の金属層それぞれの具体的な膜厚は、後に説明する表1に示す通りである。
次に、水洗いしたあと、上記の通りめっきした金属層の表面に、膜厚10μmのSnをめっきした。
最後に、乾燥を行った。以上により実施例11〜22の無電解Cu−Ni−P合金めっきの表面に金属層(Au金属層、Ag金属層またはPd金属層)を形成したサンプルを得た。
比較例1〜4として、上記した実施例1〜10と同様のフローにより、無電解Cu−Ni−P合金めっきのサンプルを試作した。
比較例1としての無電解Cu−Ni−P合金めっきのNiの含有率は、2.9wt%である。すなわち、比較例1のNiの含有率は、この発明に係るNiの含有率の下限3.0wt%よりも小さい。
比較例2としての無電解Cu−Ni−P合金めっきのNiの含有率は、21.1wt%である。すなわち、比較例2のNiの含有率は、この発明に係るNiの含有率の上限20wt%よりも大きい。
比較例3としての無電解Cu−Ni−P合金めっきのPの含有率は、0.04wt%である。すなわち、比較例3のPの含有率は、この発明に係るPの含有率の下限0.05wt%よりも小さい。
比較例4としての無電解Cu−Ni−P合金めっきのPの含有率は、1.15wt%である。すなわち、比較例4のPの含有率は、この発明に係るPの含有率の上限1.0wt%よりも大きい。
なお、比較例1,2のPの含有率、比較例3,4のNiの含有率は、後に説明する表1に示す通りである。
比較例5,6として、上記した実施例11〜14と同様のフローにより、無電解Cu−Ni−P合金めっきの表面にAu金属層を形成したサンプルを試作した。なお、比較例5,6それぞれのAu金属層の膜厚は、以下の通りである。
比較例5としてのAu金属層の膜厚は、0.04μmである。すなわち、比較例5のAu金属層の膜厚は、この発明に係る金属層の膜厚の下限0.05μmよりも小さい。
比較例6としてのAu金属層の膜厚は、5.13μmである。すなわち、比較例6のAu金属層の膜厚は、この発明に係る金属層の膜厚の上限5μmよりも大きい。
なお、比較例5,6それぞれのNiの含有率およびPの含有率は、後に説明する表1に示す通りである。
比較例7として、以下のフローにより、電解Cu−Ni合金めっきのサンプルを試作した。
はじめに、上記したCu電極パターンの表面に脱脂を行った。
次に、水洗いしたあと、上記の通り脱脂したCu電極パターンの表面に、膜厚10μmのCu−Ni合金をめっきした。このCu−Ni合金のめっき液は、硫酸ニッケル6水和物0.07mol/L、硫酸銅5水和物0.06mol/L、グルコン酸ナトリウム0.15mol/L、および皮膜調整剤適量を混合したものを使用した。めっき液のpH4.5、めっき液の温度は40℃である。そして、電解めっき電流は150A/m2に設定して110分の条件で行った。
次に、水洗いしたあと、上記の通りめっきしたCu−Ni合金の表面に、膜厚10μmのSnをめっきした。
最後に、乾燥を行った。以上により比較例7の電解Cu−Ni合金めっきのサンプルを得た。
比較例8として、以下のフローにより、無電解Ni−P合金めっきの表面にAu金属層を形成したサンプルを試作した。
はじめに、上記したCu電極パターンの表面に脱脂を行った。
次に、水洗いしたあと、触媒を付与した。
次に、触媒を洗浄し、水洗いしたあと、上記の通り触媒を付与したCu電極パターンの表面に、膜厚3μmのNi−P合金をめっきした。
次に、水洗いしたあと、上記の通りめっきしたNi−P合金の表面に、膜厚0.1μmのAuをめっきした。
次に、水洗いしたあと、上記の通りめっきしたAuの表面に、膜厚10μmのSnをめっきした。
最後に、乾燥を行った。以上により比較例8の無電解Ni−P合金めっきの表面にAu金属層を形成したサンプルを得た。
上記した実施例1〜22および比較例1〜8のサンプルそれぞれのガラスエポキシ基板の実装部にSn酸化膜除去剤(タムラ製作所BF−31)を印刷塗布し、このSn酸化膜除去剤を塗布した部分に電子部品として積層セラミックコンデンサ2012サイズを、自動チップ搭載装置を用いてガラスエポキシ基板1枚につき100個搭載した。なお、積層セラミックコンデンサ2012の電極構造は、その外側から内側に向かう順にSnめっき3μm、Niめっき3μm、Cu厚膜電極である。このガラスエポキシ基板を250℃の熱板上に5分間載せてリフローを行い、ガラスエポキシ基板に積層セラミックコンデンサを実装した。
(1)Pを含むCu−Ni合金めっきの組成
Pを含むCu−Ni合金めっきの組成(Cu,Ni,P)を確認するため、ガラスエポキシ基板内のCu電極10箇所について、EDX(エネルギー分散型X線分光法)により分析し、その平均値を求め、皮膜組成とした。
試験回数を500回として、セルフアライメント性を評価した。具体的には、リフロー後に、積層セラミックコンデンサが、ガラスエポキシ基板のX方向またはY方向に0.2mm以上ずれたもの、または積層セラミックコンデンサのL方向がガラスエポキシ基板のX方向から5°以上傾いたものをNG(不良)とした。
リフロー後の反応生成物中に含まれる低融点金属成分の定量を、DSC(示差走査熱量測定)により行った。測定条件は、N2雰囲気中、測定温度:30℃以上300℃以下、昇温速度:5℃/分、リファレンス:Al2O3である。測定されたDSCチャートの低融点金属成分の溶融温度における溶融吸熱ピークの吸熱量から、残留した低融点金属成分を定量化した。残留低融点金属含有率が、0〜3質量%の場合は◎、3質量%より大きく、30質量%以下の場合は○、30質量%より大きい場合は×(再度のリフローで部品ズレ発生の可能性あり)と評価した。
試験回数を500回として、接合強度を評価した。具体的には、地上1mからガラスエポキシ基板を鉛直方向に5回落下させ、積層セラミックコンデンサが剥離したものをNGとした。
セルフアライメント性の評価について、実施例1〜22でNG回数0〜15回であるのに対し、比較例1〜8では0〜358回であった。
特に、比較例3では、NG回数が358回であった。これは、上記した通り、Cu−Ni合金めっき膜2におけるP,B,Au,Pd,Ag,Pt(表1における第3元素)のうち少なくとも1種の元素の合計の含有率が0.05wt%よりも小さい場合には、十分に拡散速度を遅くすることができず、セルフアライメント性を改善できなかったためである。
上記した評価結果により、実施例は比較例に比べて優れたセルフアライメント性を有することが確認できた。
また、実施例11〜22はNG回数0〜3回であり、金属層が存在することにより、さらに良好なセルフアライメント性を有することも確認できた。なお、比較例5はAu金属層を有するが、NG回数は20回であった。これは、上記した通り、金属層の膜厚が0.05μmよりも小さいため、金属層によるセルフアライメント性の効果を十分に得られなかったためである。
金属間化合物層の低融点金属成分量の定量の評価について、実施例1〜22の全てで残留低融点金属含有率が◎(0〜3質量%)であるのに対し、比較例1〜8では比較例3および比較例4のみが◎、比較例5が○(3質量%より大きく、30質量%以下)、その他の全ての比較例1,2,4,6,8が×(30質量%より大きい。すなわち、再度のリフローで部品ズレ発生の可能性あり)であった。
特に、比較例1、比較例2、比較例4および比較例6は、残留低融点金属含有率が×であり、再度のリフローで部品ズレの可能性があった。これは、上記した通り、Cu−Ni合金めっき膜2のNiの含有率が3wt%よりも小さい場合(比較例1)および20wt%よりも大きい場合(比較例2)、並びにCu−Ni合金めっき膜2におけるP,B,Au,Pd,Ag,Ptのうち少なくとも1種の元素の合計の含有率が1.0wt%よりも大きい場合(比較例4)、並びに金属層の膜厚が5μmよりも大きい場合(比較例6)においては、高融点の金属間化合物層が形成され難くなり、再度のリフロー時に既に接合の完了しているはんだが溶融してしまうためである。
上記した評価結果により、実施例は比較例に比べて残留低融点金属含有率が小さく、再度リフローを行っても部品ズレの発生を抑制できることが確認できた。
接合強度の評価について、実施例1〜22でNG回数0〜17回であるのに対し、比較例1〜8では0〜185回であった。この評価結果により、実施例は比較例に比べて優れた接合強度を有することが確認できた。
また、実施例11〜22はNG回数0〜3回であり、金属層が存在することにより、さらに優れた接合強度を有することも確認できた。なお、比較例5はAu金属層を有するが、NG回数は35回であった。これは、上記した通り、金属層の膜厚が0.05μmよりも小さいため、金属層による接合強度の効果を十分に得られなかったためである。
例えば、比較例8は、セルフアライメント性および接合強度のNG回数がともに0回であったが、一方で、残留低融点金属含有率は×(30質量%より大きい。すなわち、再度のリフローで部品ズレ発生の可能性あり)であった。また、比較例3は残留低融点金属含有率が◎(0〜3質量%)であったが、一方で、セルフアライメント性のNG回数は358回、接合強度のNG回数は26回であった。同様に、比較例7は残留低融点金属含有率が◎(0〜3質量%)であったが、一方で、セルフアライメント性のNG回数は286回、接合強度のNG回数は185回であった。
4 金属間化合物層
6 Sn系はんだ層
8 基材
10 金属層
Claims (4)
- 熱処理によりCu、Ni、Snを主成分とする合金層を形成するためのCu−Ni合金を主成分とするめっき膜と前記めっき膜の表面に形成されるSn系はんだ層とを含み、
前記めっき膜は、
P,B,Au,Pd,Ag,Ptのうち少なくとも1種の元素を含有し、
前記元素の合計の含有率が0.05wt%以上1.0wt%以下であり、
Niの含有率が3wt%以上20wt%以下であることを特徴とする、接合用部材。 - 前記めっき膜の表面にAu,Pd,Ag,Ptのうち少なくとも1種の金属層を有し、
前記金属層の合計の膜厚が0.05μm以上5μm以下である、請求項1に記載の接合用部材。 - 電子部品を基板に実装する電子部品の実装方法であって、
請求項1に記載のめっき膜を前記基板に形成する工程と、
前記めっき膜の表面にSn系はんだ層を形成する工程と、
前記電子部品を前記基板に搭載して、リフローはんだ付けにより前記接合用部材と前記Sn系はんだ層とを溶融して前記めっき膜と前記Sn系はんだ層との境界にCu、Ni、Snを主成分とする合金化により合金層を形成し、前記電子部品を前記基板に実装するリフローはんだ付け工程と、
を含み、
前記リフローはんだ付け工程は、240℃以上280℃以下で180秒以上加熱することを特徴とする、電子部品の実装方法。 - 請求項1に記載のめっき膜を前記基板に形成する工程の後に、
前記めっき膜の表面にAu、Pd、Ag、Ptのうち少なくとも1種の金属層を形成する工程と、
前記金属層の表面にSn系はんだ層を形成する工程と、
をさらに含み、
前記金属層の合計の膜厚は、0.05μm以上5μm以下である、請求項3に記載の電子部品の実装方法。
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