JP5825265B2 - プリント基板のはんだ付け方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フローソルダリングでプリント基板のはんだ付けを行う方法に関するものである。
電子機器のプリント基板組立ては、はんだを用いたはんだ接合が一般的に用いられている。初期のはんだ付けは、はんだ鏝と脂入りはんだを使用したマニュアルソルダリングが行われていた。最近のはんだ付けでは、自動はんだ付け装置を使用したフローソルダリングに移行して、さらに電子部品がディスクリート部品からチップ部品に置き換わり、ソルダペーストやはんだボールを用いたリフローソルダリングが主流となりつつある。しかし、リフローソルダリング用の部品はフローソルダリング用の部品に比較して耐熱性が要求されるので高価である。またリフローソルダリングに用いるソルダペーストも高価である。このため、リフローソルダリングはフローソルダリングと比較するとコストが高くなる。
また、リフローソルダリングでのはんだ付けではプリント配線板も耐熱性が要求されるので、ガラスエポキシ基板(FR−4)などの高価なプリント基板を用いなければならず、リフローソルダリングのコスト上昇要因となっている。
それに対してフローソルダリングは、はんだ付け時間がリフローソルダリングに比較して短いので、耐熱性の高い電子部品を使用する必要もなく、はんだ付けを行うプリント基板も耐熱性が要求されない。このため、フローソルダリングは、安価な紙フェノール基板(FR−1)などの片面基板が使用可能であり、はんだ付けを安価に行うことができるはんだ付け方法である。紙フェノール基板は、紙にフェノール樹脂を含浸させたもので、安価で加工性が良いという利点を有するが、機械的強度が低く、反りも生じ易いという欠点も有する。
ところで、電子機器のプリント基板組み立てには従来からSn−37Pb組成の鉛入りはんだ合金が用いられてきたが、近年の環境に対する配慮からPbを含有しない、所謂鉛フリーはんだ合金が用いられてきている。現在では、一般的な鉛フリーはんだ合金として、Sn−3.5Ag組成のSn−Ag系鉛フリーはんだ合金やSn−3.0Ag−0.5Cu組成のSn−Ag−Cu系鉛フリーはんだ合金等が使用されている。これらの鉛フリーはんだ合金の他には、Sn−0.7Cu組成のSn−Cu系鉛フリーはんだ合金や、特許文献1で検討されているように、Sn−Cu系鉛フリーはんだ合金のぬれ性を向上させるためにPを添加したSn−Cu−P組成の鉛フリーはんだ合金などがある。
特開2003−94195号公報
しかし、Sn−Pbはんだ合金を使用していたときには発生しなかった問題が鉛フリーはんだを使用することにより発生するようになった。鉛フリーはんだとして使用されているSn−Ag系鉛フリーはんだ合金やSn−Ag−Cu系鉛フリーはんだ合金、特に、Sn−3.0Ag−0.5Cu組成の鉛フリーはんだ合金は、温度サイクル特性に優れたはんだ合金であるが、はんだが硬く、柔軟性に欠けるので、紙フェノール基板や紙エポキシ基板のような反りが大きな基板を用いると、はんだが反りに追随できずにクラックが入り易いという欠点を有している。
一方で、Sn−0.7Cu組成の鉛フリーはんだ合金や特許文献1に記載の鉛フリーはんだ合金は、Sn−Ag系やSn−Ag−Cu系の鉛フリーはんだ合金に比較して軟材料であるため、紙フェノール基板のような片面基板の反りに追随し易いが、Sn−Ag−Cu系鉛フリーはんだ合金に比較して温度サイクル特性が劣るという欠点を有している。
本発明が解決しようとする課題は、紙フェノール基板のような片面基板の反りに追随し、且つ優れた温度サイクル特性を有するはんだ接合部を得るためのプリント基板のはんだ付け方法を提供することである。
本発明者らは、紙フェノール基板のような片面基板の反りによる問題点に対して、比較的柔らかいことで知られるSn−Cu系鉛フリーはんだ合金を用いてフローソルダリングではんだ付けを行うことで、はんだ接合部を構成するはんだフィレットの表面部分以外の部分に柔らかいはんだ組織が形成され、はんだフィレットの表面部分に硬いはんだ組織が形成されることにより、はんだフィレットのはんだ組織に傾斜を設けることに着目した。これにより、本発明者らは、紙フェノール基板や紙エポキシ基板などの片面基板に発生する反りに追随し、はんだフィレットの表面部分に硬いはんだ組織が形成されるために優れた温度サイクル特性を有することを知って、本発明を完成させた。
本発明の原理は次のようなものである。
1.はんだ合金のベースを片面基板の反りに追随するSn−Cuはんだ組成にする。
2.Sn−Cuはんだ合金に、はんだフィレットの表面部分を硬くする元素を添加する。
添加する元素は、Sn−Cuはんだ合金と金属間化合物を形成して、はんだフィレットの表面部分に析出する元素が良い。これらに適応する元素としては、Fe、Ni、Coなどの鉄族の金属元素が挙げられる。その中でも、添加することでSn−Cuはんだ合金のぬれ性を向上させる元素としてNiが優れている。
3.形成されたSn−Cu−Ni化合物を、はんだフィレットの表面部分に析出し易くする元素を添加する。
添加する元素は、Snに固溶してSnの結晶中に入り込みNiのSnへの固溶限を小さくすることで、SnとCuとNiの金属間化合物(Cu,Ni)Snを、はんだ付け後に形成されるはんだフィレットの表面部分に析出し易くする効果を発揮する元素がよい。この効果を発揮する元素としてはSbが挙げられる。Sn−Cuはんだ合金にSbを添加すると、Sn−Cu−Ni金属間化合物の生成が促進される。フローソルダリングははんだ付けを行う面が下側である。このため、はんだ付けの際、初晶として生成したSnとCuとNiの金属間化合物(Cu,Ni)Snが重力により沈降し、この金属間化合物がはんだ付け後に形成されるはんだフィレットの表面部分に堆積し易くする効果が現れる。
4.溶融はんだ表面のはんだの酸化を防止する元素を添加する。
溶融はんだの溶融粘度は低いほど望ましい。これは、本発明が、Sn−Cuはんだ合金にSbを添加して、Sn−Cuはんだ合金に比べて比重の大きいSnとCuとNiの金属間化合物(Cu,Ni)Snを重力で落下させてはんだフィレットの表面部分に析出させるためである。通常、溶融はんだ中には溶存酸素として酸化物が巻き込まれているため、溶融粘度が上昇してしまっている。そこで、はんだ表面の酸化を防止する元素を加えることで溶融はんだ中に巻き込まれる酸化物量を減少させ、溶融粘度を下げることにより、析出させたSnとCuとNiの金属間化合物をはんだフィレットの表面部分へ沈降させやすくすることができる。この効果を発揮する元素はPとGeである。
5.このようなはんだ合金を用いてフローソルダリングによりはんだ付けを行うと、金属間化合物がはんだフィレットの表面部分に堆積して層状に形成される。この金属間化合物は、非常に硬いため、温度サイクル試験や経年使用によって発生したクラックの進行を抑制する効果がある。したがって、発生したクラックがはんだフィレットの表面部分を貫通せず、長期的に使用しても電気的導通を確保することができる。
上記のような原理に最適なはんだ合金は、Cuが0.5〜0.8質量%、Niが0.04〜0.08質量%、Sbが0.05〜0.09質量%、ならびにPおよびGeからなる群から選択された1種以上の元素を合計で0.001〜0.05質量%、残部Snからなるはんだ合金である。
本発明は、はんだ浴で溶融させたはんだ表面にプリント基板の下面を浸漬させ、その後はんだ付けしたはんだの凝固冷却を行うフローソルダリングではんだ付けを行うプリント基板のはんだ付け方法であって、
前記プリント基板が紙フェノール基板であり、前記はんだ浴の溶融はんだの温度が245〜260℃であり、前記はんだ付けしたはんだの冷却速度が100℃/秒以下であり、そして
前記はんだが、Cuが0.5〜0.8質量%、Niが0.04〜0.08質量%、Sbが0.05〜0.09質量%、ならびにPおよびGeからなる群から選択された1種以上の元素を合計で0.001〜0.05質量%、残部Snからなるはんだ合金である、プリント基板のはんだ付け方法である。
紙フェノール基板や紙エポキシ基板などの熱による反りが発生し易い片面基板であっても、基板の反りに追随し、優れた温度サイクル特性を有するはんだ接合部を得るためのプリント基板のはんだ付け方法を提供することができる。
図1は、従来のSn−Cuはんだ合金を用いて作製したはんだ接合部の断面SEM写真である。 図2は、本発明に係るプリント基板のはんだ付け方法で作製したはんだ接合部の断面SEM写真である。 図3は、図2の模式図である。
本発明のはんだ付け方法は、はんだフィレットの表面部分に硬い金属間化合物を堆積させ、経年使用によって発生したクラックがはんだフィレットの表面部分を貫通しないようにクラックの進行を遮断して、はんだの疲労破壊に強いはんだ接合部を得るものである。図1〜3を用いて詳述する。
図1に示すように、はんだ接合部10は、Cuランド12が形成された基板11と、スルーホールに装入された部品のリード13と、表面部分16を有するはんだフィレット14とを有する。図1のように、従来のSn−0.7Cuはんだ合金を用いて作製されたはんだ接合部10はSn−3.0Ag−0.5Cuはんだ合金より軟らかいため、はんだフィレット14に発生したクラック15がはんだフィレット14の表面部分16に向けて進行し、表面部分16を貫通して疲労破壊による導通不良を引き起こし易い。
それに対して、図2および図3に示すように、本発明に用いるはんだ合金で作製されたはんだ接合部20は、はんだフィレット24が表面部分26に硬い(Cu,Ni)Sn組成の金属間化合物を有する。このため、発生したクラック25(図2では縦長の楕円で囲まれた領域を表している。図3では円で囲まれた領域を表している。)がはんだフィレット24の表面部分26に向けて進行した場合であっても、クラック25が硬質の表面部分26でせき止められて表面部分26を貫通しない。したがって、疲労破壊による導通不良には至らない。
本発明のプリント基板のはんだ付け方法はフローソルダリングを用いる。フローソルダリングとは、はんだ浴で溶融させたはんだの表面にプリント基板の下面を浸すことにより、はんだ付けを行う方法である。はんだ浴には、はんだ液面を動かさない静止槽(DIP方式)と、はんだ液面に波を立てる噴流槽(フロー方式)がある。また、フロー方式には、溶融はんだを噴流する噴流ノズルが一つであるシングルウェーブ式と、溶融はんだを高く吹き上げる波を噴流する1次噴流ノズルおよび溶融はんだの安定した波を噴流する2次噴流ノズルを備えたダブルウェーブ式がある。本発明では、いずれも採用することができる。
フローソルダリングによるはんだ付け方法の概略を説明する。まず、プリント基板の接合面が下側を向くように、ベルトコンベアにプリント基板を搭載する。プリント基板は、ベルトコンベアで移動しながら、以下に示す工程を経てはんだ付けが行われる。まず、プリント基板の接合面にフラックスを塗布する。フラックスを塗布した後、はんだ付け時の熱衝撃を緩和するとともに濡れ性の向上を図るためにプリント基板の予備加熱を行う。そして、予備加熱後のプリント基板が噴流槽の上を通過する際、噴流槽で形成されたソルダウェーブによりプリント基板の接合面のはんだ付けを行う。はんだ付け後、はんだを凝固するために冷却を行う。プリント基板の接合面は噴流槽が配置されている下側を向いている。
以下に、本発明で用いる1.はんだ合金、2.プリント基板、3.その他のはんだ付けの条件について説明する。
1.はんだ合金
・Cu:0.5〜0.8質量%
本発明に用いるはんだ合金は、Cuの含有量が0.5質量%未満ではSn−Cuはんだ合金自体の材料強度が低いため、疲労破壊が起こり易い。Cuの含有量が0.8質量%を超えると、はんだ合金の融点が上昇して、はんだ付け性が低下する。
・Ni:0.04〜0.08質量%
本発明に用いるSn−Cu系はんだ合金に添加するNiは、SnとCuと反応して硬い金属間化合物をはんだフィレット表面部分に形成することで、温度サイクル特性を向上させる。Niの含有量が0.04質量%未満では、SnとCuとNiの金属間化合物の形成が少ないため、はんだフィレット表面部分の強度が充分に確保できず、温度サイクル特性の向上が期待できない。Sn−Cu系はんだ合金にNiを0.08質量%を超えて添加すると、はんだの融点が上昇するので、はんだ付け性が低下する。
・Sb:0.05〜0.09質量%
本発明に用いるSn−Cu系はんだ合金に添加するSbは、Sn成分中に固溶することで、NiのSn中への固溶限を低下させ、SnとCuとNiの金属間化合物の生成を促し、はんだ付け後に形成されるフィレット表面部分への析出を容易にする効果を発揮する。Sn−Cu系はんだ合金に、Sbを添加せずに単にNiを添加しただけでは、NiのSnに対する固溶限が大きく、期待された量のSnとCuとNiの金属間化合物を析出させることが難しい。
Sbの量が0.05質量%未満では、SnとCuとNiの金属間化合物の生成を促す効果が現れず、充分な量のSnとCuとNiの金属間化合物がはんだ付け後のはんだフィレット表面部分に堆積されないため、温度サイクル特性の向上が期待できない。また、本発明に添加するSbの量が0.09質量%を超えると、はんだ合金自体のぬれ性が悪くなってしまう。
・PおよびGeからなる群から選択された1種以上の元素を合計で0.001〜0.05質量%
本発明は、Sn−Cu系はんだ合金にSbを添加して、Sn−Cuはんだ合金に比べて重いSnとCuとNiの金属間化合物(Cu,Ni)Snを重力で落下させることにより、この金属間化合物をはんだフィレット表面部分に析出させている。ここで、前述のように、溶融はんだ中の酸化物量を減らすことではんだの溶融粘度を低下させ、金属間化合物の沈降を促進させることが有効である。このため、本発明で用いるはんだ合金では、さらにPおよびGeからなる群から選択された1種以上の元素を加えている。
本発明で用いるSn−Cu系はんだ合金に添加するP及びGeの量は、合計で0.001質量%未満では酸化防止効果が現れず、合計で0.05質量%を超えてしまうと、はんだ合金の溶融温度が上昇してしまい、はんだ付け性が低下する。また、このような効果を発揮するため、Pの含有量は0.001〜0.03質量%であることが好ましく、Geの含有量は0.001〜0.03質量%であることが好ましい。
2.プリント基板
本発明のプリント基板のはんだ付け方法で用いるプリント基板は、安価で柔軟性に優れる片面基板を用いることが有効である。片面基板としては、好ましくは耐熱性が低い紙フェノール基板(FR−1)や紙エポキシ基板(FR−3)であり、特に好ましくは安価で加工性に優れる紙フェノール基板である。ここで、(FR−)とはプリント基板の難燃性を表す指標として一般的に用いられているものである。本発明のプリント基板のはんだ付け方法は、フローソルダリングによりはんだ付けを行うので、短時間ではんだ付けを行うことができる。このため、本発明では高価で難燃性のグレードが高いプリント基板を用いる必要がな

3.その他のはんだ付けの条件
本発明のプリント基板のはんだ付け方法は、前述のように、フローソルダリングにより短時間ではんだ付けを行う。しかし、あまりにも高温ではんだ付けを行うとはんだ付け時間が短時間でも電子部品に熱損傷を与えてしまう。また、本発明のポイントは、Sn−Cu系の鉛フリーはんだにNiとSbを添加することで、SnとCuとNiの金属間化合物をはんだフィレット表面部分に堆積させ、温度サイクル特性を向上させることである。したがって、フローソルダリングの溶融はんだの温度は重要である。
溶融はんだの温度が低すぎるとSnとCuとNiの金属間化合物がはんだフィレット表面部分まで沈降し難い。一方、溶融はんだの温度が高すぎると基板に反りが発生するため、凝固時にクラックが入り易くなる。このような観点から、本発明のプリント基板のはんだ付け方法で使用する溶融はんだの温度は、245〜260℃が好ましく、250〜255℃がより好ましい。溶融はんだの温度が245℃未満では、SnとCuとNiの金属間化合物がはんだフィレット表面部分まで沈降しないために、はんだフィレット表面部分が硬くならず、温度サイクル特性の向上が期待できない。溶融はんだの温度が260℃を超えてしまうと、プリント基板の反りが大きくなるため、はんだ接合部のはんだフィレットにクラックが入り易くなり、温度サイクル特性が悪くなる。なお、本発明での溶融はんだの温度は、フローソルダリング装置の噴流槽内の溶融はんだの温度である。
また耐熱性の低い部品は熱による故障の可能性が高まる。このような溶融はんだの温度範囲でのはんだ付け時間は、好ましくは1〜15秒であり、より好ましくは1〜8秒であり、特に好ましくは3〜5秒である。なお、本発明でのはんだ付け時間は、ディップ式のフローソルダリングおよびシングルウェーブ式のフローソルダリングの場合、溶融はんだとプリント基板とが接触している時間である。ダブルウェーブ式のフローソルダリングの場合、1次噴流ノズルと2次噴流ノズルから噴出するはんだとプリント基板が接触している時間の合計である。
本発明は、はんだ付け時に比重が高いSnとCuとNiの金属間化合物を意図的に生成させ、重力により沈降させる特性を利用したものである。したがって、はんだフィレット表面部分にSnとCuとNiの金属間化合物が沈降する際には、冷却速度が関与する。本発明において、冷却速度は100℃/秒以下が好ましい。なお、本発明での冷却速度は、プリント基板が溶融はんだから離れた時の温度からはんだが凝固した時までの温度と、プリント基板が溶融はんだから離れた時からはんだが凝固した時までの時間と、により求められる。
また、本発明で用いるはんだ合金は高純度材または低α線材を原料とすることにより低α線のはんだ合金となる。このはんだ合金を用いてメモリ周辺のはんだ付けを行うと、ソフトエラーを抑制することができる。
表1の実施例及び比較例に示す合金組成の棒はんだを作製し、紙フェノール基板に電子部品として20ピンのコネクターを挿入したものを各5枚準備して、自動はんだ付け装置ではんだ付けを行った。はんだ付け条件は、自動はんだ付け装置:千住金属工業株式会社製SPF2−300、ポストフラックス:千住金属工業株式会社製:ES−0307LS、溶融はんだの温度:255℃、はんだ付け時間:5秒で実施した。冷却速度は、プロファイルからの実測で、21℃/秒であった。
電子部品をはんだ付けした後のはんだ接合部について、金属間化合物のフィレット表面への堆積、温度サイクル数、および濡れ性を調査した。以下に詳述する。
・金属間化合物のフィレット表面への堆積
はんだ付け後のはんだフィレットを電子顕微鏡で断面観察を行い、表面の金属間化合物の堆積の有無を確認した。このとき、はんだフィレット表面部分に堆積した金属間化合物の厚みが10um未満を×、10〜50umを○、50um超えを◎と判断した。判断結果を表1に示す。
・温度サイクル数
前述のように作成した各3枚のはんだ付け基板をJIS C 0025に規定された温度サイクル試験機に投入し、最高温度85℃、最低温度−40℃、保持時間30分の条件で温度サイクル試験を行った。試験は、200サイクル毎に試験基板を取り出して、1000サイクルまで行い、投入した試験基板にクラックが入り、クラックがフィレット表面部分を貫通したものを破壊とみなし、試験を終了しそのサイクル数を記録する。また、1000cycの時点でクラックがフィレット表面部分を貫通しなかったサンプルに関しては1200cycとした。3枚の平均値を温度サイクル数とし、表1に示す。
・濡れ性
前述のように作成した各はんだ組成を、JIS Z 3198−4で規定されたウェッティングバランス法により、濡れ性の評価を実施した。試験条件は、試験装置:レスカ製SAT−5100、ポストフラックス:千住金属工業株式会社製ES−0307LS、溶融はんだの温度:255℃、使用Cu板:10x30x0.3tmm、浸漬時間:10秒である。評価はゼロクロスタイムで判断しており、ゼロクロスタイムが1.0秒未満を◎、1.0〜1.2秒を○、1.2秒超えまたは不濡れ・ディウェッティング・はじきなどのはんだ付け不良が発生したものを×とした。
なお、濡れ性で劣る結果であった比較例4乃至6については、金属間化合物のフィレット表面部分への堆積の有無の確認、および温度サイクル試験を実施しなかった。これを「−」で示した。
本発明のはんだ組成の範囲内である実施例1乃至6では、金属間化合物のフィレット表面への堆積が○又は◎で厚い。一方、本発明のはんだ組成の範囲外である比較例1乃至3では、金属間化合物のフィレット表面部分への堆積が×であり、発生したクラックがフィレット表面部分を貫通して、疲労破壊を引き起こし易い。
実施例1乃至6は、比較例1乃至3と比較して、温度サイクル数が多く、温度サイクル特性が良好であった。
実施例1乃至6の濡れ性はいずれも○又は◎で良好であった。比較例1乃至3は、濡れ性が○又は◎で良好であったものの、金属間化合物のフィレット表面への堆積の厚みが薄く、温度サイクル数も実施例1乃至6と比較して低い。比較例4乃至6はいずれも濡れ性が×であった。
このように、はんだ合金組成が本発明の範囲内である実施例1乃至6は、金属間化合物へのフィレット表面への堆積が厚く、発生したクラックがはんだフィレット表面部分でせき止められ、フィレットを貫通しないため、はんだの疲労破壊に強く、さらに、温度サイクル特性や濡れ性も良好である。
本発明のプリント基板のはんだ付け方法は、紙フェノール基板や紙エポキシ基板などの片面基板だけでなく、ガラスエポキシ基板などの両面基板のフローソルダリングにも適用可能である。
ガラスエポキシ基板などの両面基板は、一般的なはんだ付け条件では反りによるクラックはほとんど発生しないが、溶融はんだの温度を高く設定する必要があるときは、片面基板と同様に反りによる不具合を気にしなければならない。そのような用途に本発明のプリント基板のはんだ付け方法を用いるとプリント基板の反りによるクラックを解消できる。
10、20 はんだ接合部
11、21 基板
12、22 Cuランド
13、23 部品のリード
14、24 はんだフィレット
15、25 クラック
16、26 (はんだフィレットの)表面部分

Claims (3)

  1. はんだ浴で溶融させたはんだ表面にプリント基板の下面を浸漬させ、その後はんだ付けしたはんだの凝固冷却を行うフローソルダリングではんだ付けを行うプリント基板のはんだ付け方法であって、
    前記プリント基板が紙フェノール基板であり、前記はんだ浴の溶融はんだの温度が245〜260℃であり、前記はんだ付けしたはんだの冷却速度が100℃/秒以下であり、そして
    前記はんだが、Cuが0.5〜0.8質量%、Niが0.04〜0.08質量%、Sbが0.05〜0.09質量%、ならびにPおよびGeからなる群から選択された1種以上の元素を合計で0.001〜0.05質量%、残部Snからなるはんだ合金である、プリント基板のはんだ付け方法。
  2. 前記プリント基板は片面基板である、請求項1に記載のプリント基板のはんだ付け方法。
  3. 前記はんだ付けのはんだ付け時間が1〜15秒である、請求項1または2に記載のプリント基板のはんだ付け方法。
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