以下に、本発明の一実施形態について説明する。なお、本発明は本実施形態に限られるものではない。
本実施形態に係る方法(以下、「本方法」という。)は、例えば、発泡性飲料の製造に使用される原料液の製造方法であって、酵母懸濁液の上清から得られる分子量50kDa以上の成分を第一の原料液に添加して第二の原料液を調製することを含む方法である。
また、本方法は、例えば、発泡性飲料の製造方法であって、酵母懸濁液の上清から得られる分子量50kDa以上の成分を第一の原料液に添加して第二の原料液を調製すること、及び当該第二の原料液を使用して発泡性飲料を製造することを含む方法である。
すなわち、本方法において特徴的なことの一つは、酵母懸濁液の上清から得られる分子量50kDa以上の成分(以下、「特定成分」ということがある。)を使用する点である。
なお、本方法に係る発泡性飲料は、泡立ち特性及び泡持ち特性を含む泡特性を有する飲料である。すなわち、発泡性飲料は、例えば、炭酸ガスを含有する飲料であって、グラス等の容器に注いだ際に液面上部に泡の層が形成される泡立ち特性と、その形成された泡が一定時間以上保たれる泡持ち特性とを有する飲料である。
本方法において、飲料に発泡性を付与する方法は、特に限られず、発泡性飲料は、例えば、アルコール発酵、炭酸水の使用、及び炭酸ガスの使用からなる群より選択される1種以上の方法により発泡性が付与された飲料であることとしてもよい。
発泡性飲料は、例えば、発泡性ノンアルコール飲料であることとしてもよい。発泡性ノンアルコール飲料は、エタノールの含有量が1体積%未満の発泡性飲料である。発泡性ノンアルコール飲料のエタノール含有量は、1体積%未満であれば特に限られないが、例えば、0.5体積%未満であることとしてもよく、0.05体積%未満であることとしてもよく、0.005体積%未満であることとしてもよい。
また、発泡性飲料は、例えば、発泡性アルコール飲料であることとしてもよい。発泡性アルコール飲料は、エタノールの含有量が1体積%以上(アルコール分1度以上)の発泡性飲料である。発泡性アルコール飲料のエタノール含有量は、1体積%以上であれば特に限られないが、例えば、1〜20体積%であることとしてもよい。
酵母懸濁液は、酵母と処理液とを混合して調製される。酵母は、特に限られず、アルコール(例えば、エタノール)を産生する酵母(アルコール産生酵母)であることとしてもよく、アルコール(例えば、エタノール)を産生しない酵母(アルコール非産生酵母)であることとしてもよい。
アルコール産生酵母は、アルコールを産生する酵母であれば特に限られず、例えば、アルコール発酵に使用される酵母(例えば、ビール酵母、ワイン酵母、焼酎酵母及び清酒酵母からなる群より選択される1種以上)、バイオエタノールの製造に使用される酵母及びパン酵母からなる群より選択される1種以上であることとしてもよい。アルコール非産生酵母は、アルコールを産生しない酵母であれば特に限られない。
また、酵母は、アルコール発酵に使用された後に回収されたアルコール産生酵母(回収酵母)であることとしてもよい。回収酵母は、例えば、アルコール飲料の製造におけるアルコール発酵に使用され、当該アルコール発酵の終了後に回収されたアルコール産生酵母である。
また、酵母は、培養培地中で培養された酵母(培養酵母)であることとしてもよい。培養酵母は、例えば、酵母用の培養培地(例えば、YEPD培地)で培養され、アルコール飲料の製造におけるアルコール発酵には未だ使用されていないアルコール産生酵母である。培養酵母は、純粋培養により得られた酵母であることとしてもよい。
また、酵母は、生きた酵母であることとしてもよく、不活化された酵母であることとしてもよい。不活化酵母は、実質的に増殖及び/又は代謝を行わないよう不活化された酵母であれば特に限られず、例えば、死んだ酵母(生命活動が停止した酵母)であることとしてもよい。死酵母は、例えば、人為的な処理(例えば、熱処理、酸処理、凍結処理及び乾燥処理からなる群より選択される1つ以上の処理)が施されることにより死滅した酵母である。
また、不活化酵母は、例えば、生命活動は停止していないものの、人為的な処理(例えば、遺伝子操作、薬剤処理及び光線(例えば、紫外線)処理からなる群より選択される1つ以上の処理)が施されることにより、実質的に増殖及び/又は代謝を行わないよう不活化された酵母であることとしてもよい。また、不活化酵母は、例えば、その細胞体の形状を維持したものであることとしてもよい。
酵母懸濁液の調製に使用される処理液は、酵母を分散させることのできる水溶液であれば特に限られない。ただし、本方法において、酵母懸濁液は、必ずしもアルコール発酵を目的として調製されるものではない。
このため、処理液は、例えば、酵母が資化可能な炭素源及び窒素源を実質的に含まない水溶液であることとしてもよい。すなわち、酵母懸濁液は、例えば、生きた酵母と、当該生きた酵母が資化可能な炭素源及び窒素源を実質的に含まない水溶液とを混合して調製される。この場合、例えば、アルコール産生酵母と処理液とを混合して得られた酵母懸濁液中において、当該アルコール産生酵母は、アルコールを実質的に産生することができない。
また、処理液は、硝酸態窒素(NO3 −)及び亜硝酸態窒素(NO2 −)の合計含有量が10mg/L以下で、全有機炭素(TOC)の含有量が3mg/L以下の水溶液であることとしてもよい。すなわち、酵母懸濁液は、例えば、生きた酵母と、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素の合計含有量が10mg/L以下で、全有機炭素の含有量が3mg/L以下の水溶液とを混合して調製される。この場合もまた、アルコール産生酵母と処理液とを混合して得られた酵母懸濁液中において、当該アルコール産生酵母は、アルコールを実質的に産生することができない。なお、上述の硝酸態窒素、亜硝酸態窒素及び全有機炭素に関する条件は、日本国における水道水質基準(平成21年4月改正準拠 改訂4版 水道水質基準ガイドブック、日本環境管理学会編、平成21年5月25日発行)に準拠したものである。
また、処理液は、水であることとしてもよい。すなわち、酵母懸濁液は、例えば、生きた酵母と、水とを混合して調製される。なお、本実施形態において処理液として使用される水は、酵母が資化可能な炭素源及び窒素源を実質的に含まず、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素の合計含有量が10mg/L以下であり、全有機炭素の含有量が3mg/L以下である。
また、処理液は、酵母を洗浄するための洗浄液又は当該酵母を保存するための保存液であることとしてもよい。すなわち、酵母懸濁液は、例えば、生きた酵母と、当該酵母を洗浄するための洗浄液又は当該酵母を保存するための保存液とを混合して調製される。洗浄液及び保存液は、それぞれ回収酵母の洗浄及び保存に適した水溶液であれば特に限られない。すなわち、洗浄液及び保存液は、酵母が資化可能な炭素源及び窒素源を実質的に含まない水溶液であることとしてもよい。また、洗浄液及び保存液は、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素の合計含有量が10mg/L以下で、全有機炭素の含有量が3mg/L以下の水溶液であることとしてもよい。また、洗浄液及び保存液は、水であることとしてもよい。
また、処理液は、飲料の製造に使用され得る原料液であることとしてもよい。原料液は、飲料の製造に使用され得るものであれば、特に限られない。原料液は、飲料の製造に使用され得る原料を使用して調製される。
処理液として使用される原料液は、例えば、植物原料液であることとしてもよい。植物原料液は、植物原料由来成分を含む原料液である。すなわち、植物原料液は、植物原料を使用して調製される。具体的に、植物原料液は、例えば、植物原料と水(好ましくは湯)とを混合し、当該植物原料に含まれる成分を抽出することにより調製される。
植物原料は、飲料の製造に使用され得るものであれば特に限られないが、例えば、穀類(例えば、大麦、小麦、米類及びとうもろこしからなる群より選択される1種以上)、豆類及びいも類からなる群より選択される1種以上を含むこととしてもよい。これら穀類、豆類及びいも類は、発芽させたものであることとしてもよく、発芽させていないものであることとしてもよい。
具体的に、処理液は、例えば、麦芽原料液であることとしてもよい。麦芽原料液は、麦芽を含む原料を使用して調製された原料液である。麦芽としては、大麦麦芽及び/又は小麦麦芽が好ましく使用される。大麦麦芽及び小麦麦芽は、それぞれ大麦及び小麦を発芽させることにより得られる。麦芽を含む原料は、麦芽エキスを含む原料であることとしてもよい。麦芽エキスは、麦芽から、糖分及び窒素分を含むエキス分を抽出することにより得られる麦芽抽出物である。麦芽エキスとしては、市販の麦芽エキスを使用することとしてもよい。また、処理液は、例えば、麦芽及びホップを含む原料を使用して調製された麦芽原料液であることとしてもよい。
処理液のエタノール含有量は、特に限られないが、例えば、80体積%未満であることとしてもよく、5体積%未満であることとしてもよく、1体積%未満であることとしてもよく、0.05体積%未満であることとしてもよく、0.005体積%未満であることとしてもよい。処理液は、アルコール発酵を行うことなく製造されたものであることとしてもよい。
また、酵母懸濁液が、不活化酵母と処理液とを混合して調製される場合、例えば、予め不活化された酵母(例えば、予め死滅させられた酵母)と処理液とを混合して当該酵母懸濁液を調製することとしてもよいし、又は、生きた酵母と、処理液とを混合して調製された酵母懸濁液を、当該酵母が不活化される温度(例えば、当該酵母が死滅する温度)で維持することにより、当該酵母を不活化するとともに、当該酵母と当該処理液とを接触させることとしてもよい。
後者の場合において、酵母が不活化される温度は、当該酵母の種類によって適宜決定されるが、例えば、40℃以上であることとしてもよく、50℃以上であることとしてもよく、60℃以上であることとしてもよく、70℃以上であることとしてもよく、80℃以上であることとしてもよい。この温度が高くなるほど、酵母をより確実に不活化することができる。酵母を不活化するための温度の上限値は特に限られないが、当該温度は、例えば、120℃以下であることとしてもよい。
なお、酵母懸濁液中で酵母の生存を維持する場合には、当該酵母懸濁液を、当該酵母が不活化されない温度(当該酵母の生存が維持される温度)で維持する。酵母が不活化されない温度は、当該酵母の種類によって適宜決定されるが、例えば、40℃未満であることとしてもよく、20℃以下であることとしてもよく、10℃以下であることとしてもよい。酵母が不活化されない温度の下限値は、特に限られないが、当該温度は、例えば、0℃以上であることとしてもよい。
酵母として、生きた酵母を使用する場合には、当該生きた酵母と処理液との接触後(当該接触により得られた酵母懸濁液から上清を取得した後)に当該生きた酵母を回収することができる。この場合、例えば、処理液との接触後に回収された生きた酵母を再利用することができる。
具体的に、本方法においては、例えば、生きた酵母と処理液と混合して調製された酵母懸濁液の上清を取得し、当該上清から得られる特定成分を第一の原料液に添加して、発泡性飲料の製造に使用される第二の原料液を製造するとともに、当該酵母懸濁液から当該生きた酵母を回収して再利用することとしてもよい。
処理液と混合する酵母の量は、本発明に係る効果が得られる範囲であれば特に限られないが、例えば、上記特定成分が添加される第一の原料液に対して、0.002重量%以上(第一の原料液100重量部に対して酵母0.002重量部以上)であることとしてもよく、0.003重量%以上であることとしてもよい。処理液と混合する酵母の量の上限値は、本発明に係る効果が得られる範囲であれば特に限られないが、当該酵母の量は、例えば、上記特定成分が添加される第一の原料液に対して、7重量%以下であることとしてもよい。
酵母と処理液とを接触させる時間(すなわち、酵母と処理液とを混合して酵母懸濁液を調製してから、当該酵母懸濁液の上清を回収するまでの時間)は、本発明に係る効果が得られる範囲であれば特に限られないが、例えば、1分〜720時間の範囲内であることとしてもよく、10分〜360時間の範囲内であることとしてもよい。
酵母懸濁液は、酵母を処理液中に分散することにより得られる。すなわち、酵母懸濁液は、酵母が、処理液を含む溶媒中に分散された溶液である。そして、酵母懸濁液の上清は、当該酵母懸濁液に含まれる酵母と分離された、当該酵母懸濁液の液性成分である。
酵母懸濁液の上清を取得する方法は特に限られない。すなわち、例えば、酵母懸濁液中で酵母を沈降させ、当該沈降した酵母と分離された上清を取得する。酵母懸濁液中で酵母を沈降させる方法としては、例えば、当該酵母懸濁液を静置する方法や、当該酵母懸濁液を遠心する方法が使用される。また、例えば、酵母懸濁液を、酵母が通過しないフィルターでろ過することにより、当該酵母と分離された上清を取得することとしてもよい。
上清のエタノール含有量(すなわち、上清を取得する時点における酵母懸濁液のエタノール含有量)は、特に限られないが、例えば、80体積%未満であることとしてもよく、5体積%未満であることとしてもよく、1体積%未満であることとしてもよく、0.05体積%未満であることとしてもよく、0.005体積%未満であることとしてもよい。上清は、アルコール発酵を行うことなく取得されたものであることとしてもよい。
酵母として、不活化酵母(例えば、死酵母)又はアルコール非産生酵母を使用することにより、本方法において製造される原料液及び発泡性飲料へのアルコールの混入を効果的に回避することができる。
また、生きたアルコール産生酵母を使用する場合であっても、例えば、当該酵母が実質的にアルコールを産生しない条件で当該酵母と処理液とを接触させて酵母懸濁液を調製することにより、原料液及び発泡性飲料へのアルコールの混入を回避することができる。
生きたアルコール産生酵母が実質的にアルコールを産生しない条件としては、例えば、当該酵母が資化可能な炭素源及び窒素源を実質的に含まない水溶液である処理液の使用、硝酸態窒素(NO3 −)及び亜硝酸態窒素(NO2 −)の合計含有量が10mg/L以下で、全有機炭素(TOC)の含有量が3mg/L以下の水溶液である処理液の使用、当該酵母が実質的にアルコールを産生することのできない低温(例えば、0℃以下)の処理液の使用、当該酵母が実質的にアルコールを産生できない短時間での接触が挙げられる。
本方法において、第一の原料液に添加する特定成分は、上述のようにして取得された上清から得られる分子量50kDa以上の成分である。すなわち、この特定成分は、上述のように第一の原料液とは独立して調製された酵母懸濁液の上清から得られる。
本発明の発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、酵母懸濁液の上清に含まれる分子量50kDa以上の特定成分が、原料液に添加されることによって、当該原料液を使用して製造される発泡性飲料の泡特性を効果的に向上させることを独自に見出した。
この特定成分は、例えば、酵母懸濁液の上清から得られる分子量50kDa以上、300kDa以下の成分であることとしてもよく、当該上清から得られる分子量50kDa以上、100kDa以下の成分であることとしてもよい。
すなわち、発明者らは、酵母懸濁液の上清に含まれ、発泡性飲料の泡特性を効果的に向上させる成分は、分子量50kDa以上の成分を少なくとも含み、その中でも、分子量50kDa以上、300kDa以下の成分、より具体的には特に分子量50kDa以上、100kDa以下の成分が、当該泡特性の向上に効果的に寄与するという独自の知見を得た。
本方法において、酵母懸濁液の上清から得られる特定成分を第一の原料液に添加する方法は、特に限られず、例えば、当該上清をそのまま当該第一の原料液に添加することとしてもよいし、当該上清に所定の処理を施すことにより調製された、当該特定成分を含む組成物を当該第一の原料液に添加することとしてもよい。
すなわち、本方法においては、例えば、酵母懸濁液の上清に対し、当該上清に含まれる分子量50kDa未満の成分の量に対する、当該上清に含まれる分子量50kDa以上の成分の量の割合を増加させる処理を施して得られる当該分子量50kDa以上の成分を第一の原料液に添加することとしてもよい。
この場合、本方法は、酵母懸濁液の上清に対し、当該上清に含まれる分子量50kDa未満の成分の量に対する、当該上清に含まれる分子量50kDa以上の成分の量の割合を増加させる処理を施すことを含み、当該処理により得られた当該分子量50kDa以上の成分を第一の原料液に添加することとしてもよい。また、本方法は、酵母懸濁液の上清に対し上記処理を施すことは含まず、上記処理により予め調製された特定成分を第一の原料液に添加することとしてもよい。
上記処理は、上清に含まれる分子量50kDa未満の成分の量に対する、当該上清に含まれる分子量50kDa以上の成分の量の割合を増加させる処理であれば特に限られず、例えば、当該上清から、当該分子量50kDa未満の成分を選択的に除去する処理であることとしてもよく、又は、当該上清から、当該分子量50kDa以上の成分を選択的に取得する処理であることとしてもよい。
具体的に、上記処理は、例えば、上清から、当該上清に含まれる分子量50kDa未満の低分子量成分を揮発又は蒸発させる処理(例えば、乾燥処理、凍結乾燥処理)であることとしてもよい。また、上記処理は、上清に含まれる分子量50kDa以上の成分を濃縮する処理であることとしてもよい。すなわち、上記処理は、例えば、後述するような限外ろ過処理であることとしてもよい。また、上記処理は、例えば、陽イオン交換カラム、陰イオン交換カラム、アフィニティーカラム等のカラムを使用したクロマトグラフィーによる分画採取処理であることとしてもよい。また、上記処理は、例えば、珪藻土等による吸着処理であることとしてもよく、硫安沈殿処理であることとしてもよい。すなわち、上記処理は、上記列挙した複数の処理からなる群より選択される1つ以上の処理であることとしてもよい。なお、上清に対して上記処理を施す場合、例えば、まず当該上清に水等の溶媒を添加して希釈し、次いで、希釈後の当該上清に対して上記処理を施すこととしてもよい。
また、本方法においては、酵母懸濁液の上清に対し、当該上清に含まれる分子量50kDa以上の成分と、当該上清に含まれる分子量が50kDa未満の所定閾値以下の成分とを分離する処理を施して得られる分子量50kDa以上の成分を第一の原料液に添加することとしてもよい。
この場合、酵母懸濁液の上清に対し、当該上清に含まれる分子量50kDa以上の成分と、当該上清に含まれる分子量が50kDa未満の所定閾値以下の成分とを分離して、当該上清に含まれる分子量50kDa未満成分の量に対する、当該上清に含まれる前記分子量50kDa以上の成分の量の割合を増加させる処理を施して得られる分子量50kDa以上の成分を第一の原料液に添加することとしてもよい。
これらの場合、本方法は、酵母懸濁液の上清に対し、当該上清に含まれる分子量50kDa以上の成分と、当該上清に含まれる分子量が50kDa未満の所定閾値以下の成分とを分離する処理を施すことを含み、当該処理により得られる分子量50kDa以上の成分を第一の原料液に添加することとしてもよい。また、本方法は、酵母懸濁液の上清に対し上記処理を施すことは含まず、上記処理により予め調製された特定成分を第一の原料液に添加することとしてもよい。
上記処理により、上清に含まれる分子量が比較的小さい成分と、当該上清に含まれる特定成分とを効果的に分離して、当該特定成分を効果的に使用することができる。
上記分子量の所定閾値は、50kDa未満であれば特に限られないが、例えば、42kDaであることとしてもよい。すなわち、酵母懸濁液の上清に対し、当該上清に含まれる分子量50kDa以上の成分と、当該上清に含まれる分子量が42kDa以下の成分とを分離する処理を施す。この場合、酵母により生成され、分子量が41kDa〜42kDaであり、ビールの泡特性を低下させる(例えば、ビールのNIBEM値を低下させる)ことが知られている(例えば、J. Inst. Brew., 1996, Vol.102, pp.33-37)プロテイナーゼA(PrA)を、特定成分と効果的に分離することができる。すなわち、上清に含まれるPrAの第一の原料液への添加を効果的に回避しつつ、当該上清に含まれる特定成分を当該第一の原料液に添加して、発泡性飲料の泡特性を効果的に向上させることができる。
また、上記分子量の所定閾値は、0.1kDa以上、50kDa未満の範囲内の所定閾値であることとしてもよく、1kDa以上、50kDa未満の範囲内の所定閾値であることとしてもよい。すなわち、この場合、酵母懸濁液の上清に対し、当該上清に含まれる分子量50kDa以上の成分と、当該上清に含まれる分子量が0.1kDa以上、50kDa未満の範囲内、又は1kDa以上、50kDa未満の範囲内の所定閾値以下の成分とを分離する処理を施す。したがって、例えば、酵母懸濁液の上清に対し、当該上清に含まれる分子量50kDa以上の成分と、当該上清に含まれる分子量が0.1kDa以下、又は1kDa以下の成分とを分離する処理を施す場合、当該上清に含まれるエタノールを、特定成分と効果的に分離することができる。したがって、上清に含まれるエタノールの第一の原料液への添加及び発泡性飲料への移行を効果的に回避することができる。
上記処理は、上清に含まれる分子量50kDa以上の成分と、当該上清に含まれる分子量が50kDa未満の所定閾値以下の成分とを分離する処理であれば特に限られず、例えば、当該上清から、当該分子量50kDa未満の所定閾値以下の成分を選択的に除去する処理であることとしてもよく、又は、当該上清から、当該分子量50kDa以上の成分を選択的に取得する処理であることとしてもよい。
具体的に、上記処理は、例えば、上清に含まれる分子量50kDa以上の成分を濃縮する処理であることとしてもよい。すなわち、上記処理は、例えば、後述するような限外ろ過処理であることとしてもよい。また、上記処理は、例えば、陽イオン交換カラム、陰イオン交換カラム、アフィニティーカラム等のカラムを使用したクロマトグラフィーによる分画採取処理であることとしてもよい。すなわち、上記処理は、上記列挙した複数の処理からなる群より選択される1つ以上の処理であることとしてもよい。なお、上清に対して上記処理を施す場合、例えば、まず当該上清に水等の溶媒を添加して希釈し、次いで、希釈後の当該上清に対して上記処理を施すこととしてもよい。
また、本方法においては、酵母懸濁液の上清に対し、分子量カットオフが50kDa以下の所定値であるフィルターを使用したろ過処理を施して得られた分子量50kDa以上の成分を第一の原料液に添加することとしてもよい。すなわち、酵母懸濁液の上清に対し、いわゆる限外ろ過処理を施して得られた特定成分を使用する。
この場合、酵母懸濁液の上清に対し、分子量カットオフが50kDa以下の所定値であるフィルターを使用して、当該上清に含まれる分子量が当該所定値未満の成分の量に対する、当該上清に含まれる分子量50kDa以上の成分の量の割合を増加させる処理を施して得られた分子量50kDa以上の成分を第一の原料液に添加することとしてもよい。
また、酵母懸濁液の上清に対し、分子量カットオフが50kDa以下の所定値であるフィルターを使用して、当該上清に含まれる分子量50kDa以上の成分と、当該上清に含まれる分子量が当該所定値未満の成分とを分離する処理を施して得られた分子量50kDa以上の成分を第一の原料液に添加することとしてもよい。
これらの場合、本方法は、酵母懸濁液の上清に対し、分子量カットオフが50kDa以下の所定値であるフィルターを使用したろ過処理を施すことを含み、当該処理により得られた分子量50kDa以上の成分を第一の原料液に添加することとしてもよい。また、本方法は、酵母懸濁液の上清に対し上記処理を施すことは含まず、上記ろ過処理により予め調製された特定成分を第一の原料液に添加することとしてもよい。
上記ろ過処理により、上清に含まれる分子量が比較的小さい成分と、当該上清に含まれる特定成分とを効果的に分離して、当該特定成分を効果的に使用することができる。
上記フィルターの分子量カットオフは、50kDa以下であれば特に限られないが、例えば、42kDa超、50kDa以下の範囲内の所定値であることとしてもよい。この場合、例えば、上述のとおり、上清に含まれるPrAを特定成分と効果的に分離して、当該PrAの第一の原料液への添加を効果的に回避しつつ、当該特定成分を当該第一の原料液に添加して、発泡性飲料の泡特性を効果的に向上させることができる。
また、上記フィルターの分子量カットオフは、例えば、0.1kDa以上、50kDa以下の範囲内の所定値であることとしてもよく、1kDa以上、50kDa以下の範囲内の所定値であることとしてもよい。この場合、例えば、上述のとおり、上清に含まれるエタノールを、特定成分と効果的に分離して、当該エタノールの第一の原料液への添加及び発泡性飲料への移行を効果的に回避することができる。
本方法においては、酵母懸濁液の上清に対し、上述した複数の処理からなる群より選択される1つの処理を施して得られる特定成分を第一の原料液に添加することとしてもよいし、酵母懸濁液の上清に対し、上述した複数の処理からなる群より選択される2つ以上の処理を施して得られる特定成分を第一の原料液に添加することとしてもよい。
すなわち、本方法においては、酵母懸濁液の上清に対し、当該上清に含まれる分子量50kDa未満の成分の量に対する、当該上清に含まれる分子量50kDa以上の成分の量の割合を増加させる処理、当該上清に含まれる当該分子量50kDa以上の成分と、当該上清に含まれる分子量が50kDa未満の所定閾値以下の成分とを分離する処理、及び分子量カットオフが50kDa以下の所定値であるフィルターを使用したろ過処理からなる群より選択される1つ以上の処理を施して得られる当該分子量50kDa以上の成分を第一の原料液に添加することとしてもよい。
具体的に、本方法において、酵母懸濁液の上清に対して上記複数の処理からなる群より選択される2つ以上の処理を施す場合には、例えば、まず当該上清に対し、当該複数の処理からなる群より選択される1つの処理を施して当該上清に由来する特定成分を含む組成物を調製し、次いで、当該組成物に対し、当該複数の処理からなる群より選択される他の1つの処理を施して得られた当該特定成分を第一の原料液に添加することとしてもよい。
また、本方法においては、酵母懸濁液の上清から調製され、当該上清から得られた分子量50kDa以上の成分を含む添加剤を使用して、当該分子量50kDa以上の成分を第一の原料液に添加することとしてもよい。
この添加剤は、酵母懸濁液の上清に由来する特定成分を含み、発泡性飲料の製造に使用される原料液に添加される組成物である。添加剤は、発泡性飲料の泡特性を向上させる(例えば、当該発泡性飲料のNIBEM値を増加させる)有効成分として、上記特定成分を含む。
添加剤は、例えば、酵母懸濁液の上清に、濃縮、希釈、吸着及び乾燥(例えば、凍結乾燥)からなる群より選択される1種以上の処理を施すことにより調製された組成物である。なお、上清に吸着処理を施す場合、例えば、当該上清と、珪藻土等の吸着剤とを混合することにより、当該上清中の上記特定成分を当該吸着剤に吸着させ、当該特定成分が吸着した当該吸着剤を添加剤として第一の原料液に添加する。この場合、第一の原料液中で吸着剤から特定成分が脱離することにより、当該特定成分を含む第二の原料液が調製されることとなる。
すなわち、添加剤は、例えば、酵母懸濁液の上清に対し、当該上清に含まれる分子量50kDa未満の成分の量に対する、当該上清に含まれる分子量50kDa以上の成分の量の割合を増加させる処理を施して調製され、当該分子量50kDa以上の成分を含む添加剤であることとしてもよい。
また、添加剤は、例えば、酵母懸濁液の上清に対し、当該上清に含まれる分子量50kDa以上の成分と、当該上清に含まれる分子量が50kDa未満の上記所定閾値以下の成分とを分離する処理を施して調製され、当該分子量50kDa以上の成分を含む添加剤であることとしてもよい。
また、添加剤は、例えば、酵母懸濁液の上清に対し、分子量カットオフが50kDa以下の上記所定値であるフィルターを使用したろ過処理を施して調製され、当該上清から得られた分子量50kDa以上の成分を含む添加剤であることとしてもよい。
また、添加剤は、酵母懸濁液の上清に対し、上述した複数の処理からなる群より選択される1つの処理を施して調製されることとしてもよいし、酵母懸濁液の上清に対し、上述した複数の処理からなる群より選択される2つ以上の処理を施して調製されることとしてもよい。
すなわち、添加剤は、例えば、酵母懸濁液の上清に対し、当該上清に含まれる分子量50kDa未満の成分の量に対する、当該上清に含まれる分子量50kDa以上の成分の量の割合を増加させる処理、当該上清に含まれる当該分子量50kDa以上の成分と、当該上清に含まれる分子量が50kDa未満の所定閾値以下の成分とを分離する処理、及び分子量カットオフが50kDa以下の所定値であるフィルターを使用したろ過処理からなる群より選択される1つ以上の処理を施して調製され、当該上清から得られた当該分子量50kDa以上の成分を含む添加剤であることとしてもよい。
具体的に、本方法において、酵母懸濁液の上清に対して上記複数の処理からなる群より選択される2つ以上の処理を施して調製される添加剤を使用する場合には、例えば、まず当該上清に対し、当該複数の処理からなる群より選択される1つの処理を施して当該上清に由来する特定成分を含む組成物を調製し、次いで、当該組成物に対し、当該複数の処理からなる群より選択される他の1つの処理を施して当該特定成分を含む添加剤を調製し、当該添加剤を第一の原料液に添加することとしてもよい。
これらの場合、本方法は、添加剤を調製することを含み、調製された当該添加剤を使用して、特定成分を第一の原料液に添加することとしてもよい。また、本方法は、添加剤を調製することは含まず、予め調製された添加剤を使用して、特定成分を第一の原料液に添加することとしてもよい。
添加剤は、酵母懸濁液の上清から得られた分子量50kDa以上の成分を、当該上清中の当該分子量50kDa以上の成分の濃度より高い濃度で含む液体であることとしてもよい。
この液体添加剤は、酵母懸濁液の上清に所定の処理(例えば、濃縮、希釈及び乾燥からなる群より選択される1種以上の処理)を施すことにより調製された液体である組成物である。本発明において、液体組成物は、流動性を示す組成物であり、例えば、ペースト状の組成物等、高い粘性を有するものであっても流動性を示すものであれば、液体組成物である。
液体添加剤は、例えば、酵母懸濁液の上清に対し、当該上清に含まれる分子量50kDa未満の成分の量に対する、当該上清に含まれる分子量50kDa以上の成分の量の割合を増加させる処理を施して調製され、当該分子量50kDa以上の成分を、当該上清中の当該分子量50kDa以上の成分の濃度より高い濃度で含むこととしてもよい。
また、液体添加剤は、例えば、酵母懸濁液の上清に対し、当該上清に含まれる分子量50kDa以上の成分と、当該上清に含まれる分子量が50kDa未満の上記所定閾値以下の成分とを分離する処理を施して調製され、当該分子量50kDa以上の成分を、当該上清中の当該分子量50kDa以上の成分の濃度より高い濃度で含むこととしてもよい。
また、液体添加剤は、例えば、酵母懸濁液の上清に対し、分子量カットオフが50kDa以下の上記所定値であるフィルターを使用したろ過処理を施して調製され、当該上清から得られた分子量50kDa以上の成分を、当該上清中の当該分子量50kDa以上の成分の濃度より高い濃度で含むこととしてもよい。
すなわち、液体添加剤は、酵母懸濁液の上清に対し、上述した複数の処理からなる群より選択される1つ以上の処理を施して調製され、当該上清から得られた分子量50kDa以上の成分を、当該上清中の当該分子量50kDa以上の成分の濃度より高い濃度で含むこととしてもよい。
なお、この液体添加剤を使用して、特定成分を第一の原料液に添加する場合、例えば、当該液体添加剤をそのまま当該第一の原料液に添加することとしてもよいし、又は、当該液体添加剤に所定の処理(例えば、濃縮及び/又は希釈)を施し、当該処理後の液体添加剤を当該第一の原料液に添加することとしてもよい。
また、添加剤は、酵母懸濁液の上清から得られた分子量50kDa以上の成分を含む固体であることとしてもよい。この固体添加剤は、例えば、酵母懸濁液の上清、又は当該上清から調製された上記液状添加剤を乾燥及び/又は凍結することにより調製された固体組成物である。また、固体添加剤は、例えば、酵母懸濁液の上清と、珪藻土等の吸着剤とを混合することにより、当該上清中の上記特定成分を吸着させた当該吸着剤を含む固体組成物であることとしてもよい。本発明において、固体組成物は、流動性を示さない組成物である。固体添加剤の形態は特に限られないが、当該固体添加剤は、例えば、粉末、ペレット又は錠剤であることとしてもよい。
固体添加剤は、例えば、酵母懸濁液の上清、又は当該上清から調製された上記液状添加剤を乾燥することにより調製されることとしてもよい。また、固体添加剤は、例えば、酵母懸濁液の上清、又は当該上清から調製された上記液状添加剤を凍結乾燥することにより調製されることとしてもよい。また、固体添加剤は、例えば、酵母懸濁液の上清、又は当該上清から調製された上記液状添加剤を凍結することにより調製されることとしてもよい。添加剤が固体であることは、特定成分の保存性や操作性において好ましい。
特定成分が添加される第一の原料液は、発泡性飲料の製造に使用される原料液であれば、特に限られない。第一の原料液は、発泡性飲料の製造に使用される原料を使用して調製される。
第一の原料液は、例えば、植物原料液であることとしてもよい。植物原料液は、植物原料由来成分を含む原料液である。すなわち、植物原料液は、植物原料を使用して調製される。具体的に、植物原料液は、例えば、植物原料と水(好ましくは湯)とを混合し、当該植物原料に含まれる成分を抽出することにより調製される。
植物原料は、発泡性飲料の製造に使用されるものであれば特に限られないが、例えば、穀類(例えば、大麦、小麦、米類及びとうもろこしからなる群より選択される1種以上)、豆類及びいも類からなる群より選択される1種以上を含むこととしてもよい。これら穀類、豆類及びいも類は、発芽させたものであることとしてもよく、発芽させていないものであることとしてもよい。
具体的に、第一の原料液は、例えば、麦芽原料液であることとしてもよい。この場合、第二の原料液もまた麦芽原料液となる。すなわち、本方法においては、上記特定の成分を第一の麦芽原料液に添加して、第二の麦芽原料液を調製する。
麦芽原料液は、麦芽を含む原料を使用して調製された原料液である。麦芽としては、大麦麦芽及び/又は小麦麦芽が好ましく使用される。大麦麦芽及び小麦麦芽は、それぞれ大麦及び小麦を発芽させることにより得られる。麦芽を含む原料は、麦芽エキスを含む原料であることとしてもよい。麦芽エキスは、麦芽から、糖分及び窒素分を含むエキス分を抽出することにより得られる麦芽抽出物である。麦芽エキスとしては、市販の麦芽エキスを使用することとしてもよい。
また、麦芽原料液は、麦芽を含む原料を使用し、糖化を行うことにより調製されることとしてもよい。この場合、麦芽原料液は、麦芽と水(好ましくは湯)とを混合し、得られた混合液の糖化を行うことにより調製される。糖化は、例えば、麦芽及び水を含む混合液を、当該麦芽に含まれる消化酵素(例えば、デンプン分解酵素、タンパク質分解酵素)が働く温度(例えば、30〜80℃)に維持することにより行う。
また、第一の原料液は、麦芽及びホップを含む原料を使用して調製された第一の麦芽原料液であることとしてもよい。具体的に、この場合、第一の麦芽原料液は、例えば、麦芽と水(好ましくは湯)とを混合し、得られた混合液にホップを添加し、煮沸することにより調製される。また、ホップの添加前に糖化を行うこととしてもよい。
第一の原料液のエタノール含有量は、例えば、5体積%未満であることとしてもよく、1体積%未満であることとしてもよく、0.05体積%未満であることとしてもよく、0.005体積%未満であることとしてもよい。第一の原料液は、アルコール発酵を行うことなく製造されたものであることとしてもよい。
そして、本方法においては、上述のようにして酵母懸濁液の上清から得られる特定成分を第一の原料液に添加することにより、発泡性飲料の製造に使用される第二の原料液を調製する。この第二の原料液は、後述のとおり、第一の原料液に比べて、発泡性飲料の泡特性を向上させる。
第二の原料液のエタノール含有量は、例えば、5体積%未満であることとしてもよく、1体積%未満であることとしてもよく、0.05体積%未満であることとしてもよく、0.005体積%未満であることとしてもよい。第二の原料液は、アルコール発酵を行うことなく製造されたものであることとしてもよい。
本方法が原料液の製造方法である場合、本方法は、アルコール発酵を行うことなく原料液を製造する方法であることとしてもよい。また、本方法は、アルコール発酵を行わない発泡性飲料の製造に使用される原料液の製造方法であることとしてもよい。この場合、アルコール発酵を行わない発泡性飲料の製造に使用される原料液を、アルコール発酵を行うことなく製造する方法であることとしてもよい。
本方法が発泡性飲料の製造方法である場合、本方法においては、上述のようにして調製された第二の原料液を使用して発泡性飲料を製造する。すなわち、本方法においては、例えば、第二の原料液と他の原料とを混合することにより発泡性飲料を製造する。この場合、第二の原料液と他の原料とを混合することにより発泡性ノンアルコール飲料を製造することとしてもよい。なお、他の原料としては、例えば、糖類、食物繊維、酸味料、色素、香料、甘味料及び苦味料からなる群より選択される1種以上を使用することとしてもよい。
本方法においては、第二の原料液を使用してアルコール発酵を行うことなく発泡性飲料を製造することとしてもよい。すなわち、この場合、例えば、第二の原料液と他の原料とを混合することにより、アルコール発酵を行うことなく発泡性飲料を製造することとしてもよい。
また、第二の原料液を使用してアルコール発酵を行うことなく発泡性ノンアルコール飲料を製造することとしてもよい。すなわち、この場合、例えば、第二の原料液と他の原料とを混合することにより、アルコール発酵を行うことなく発泡性ノンアルコール飲料を製造することとしてもよい。
また、本方法においては、アルコール発酵を行うことなく、発泡性アルコール飲料を製造することとしてもよい。この場合、例えば、第二の原料液と、エタノール又はエタノールを含有する水溶液とを混合することにより、アルコール発酵を行うことなく、発泡性アルコール飲料を製造することとしてもよい。
また、本方法においては、特定成分を第一の麦芽原料液に添加して第二の麦芽原料液を調製し、当該第二の麦芽原料液を使用してアルコール発酵を行うことなく発泡性飲料を製造することとしてもよい。この場合、第二の麦芽原料液を使用してアルコール発酵を行うことなく発泡性ノンアルコール飲料を製造することとしてもよい。
また、本方法は、アルコール発酵を行うことなく発泡性飲料を製造する方法であることとしてもよい。すなわち、本方法においては、その全工程を通じて、アルコール発酵を行わないこととしてもよい。
また、本方法は、アルコール発酵を行うことなく発泡性飲料を製造する方法であって、特定成分を第一の麦芽原料液に添加して第二の麦芽原料液を調製し、当該第二の麦芽原料液を使用して発泡性飲料を製造することとしてもよい。この場合、本方法は、アルコール発酵を行うことなく発泡性飲料を製造する方法であって、第二の麦芽原料液を使用して発泡性ノンアルコール飲料を製造することとしてもよい。
また、本方法においては、処理液、酵母懸濁液、当該酵母懸濁液の上清、第一の原料液、第二の原料液及び発泡性飲料の全てがアルコール発酵を行うことなく調製されたものであることとしてもよい。
本実施形態に係る発泡性飲料は、上述のとおり、原料液を使用して製造される発泡性飲料であって、当該原料液として、酵母懸濁液の上清から得られる特定成分を第一の原料液に添加して調製された第二の原料液を使用して製造される。
そして、特定成分を添加して調製された第二の原料液を使用して製造された発泡性飲料の泡特性は、当該特定成分を添加することなく製造された発泡性飲料のそれに比べて向上する。すなわち、本方法は、原料液として、特定成分を添加して調製された第二の原料液を使用することにより、当該特定成分を添加することなく製造された発泡性飲料に比べて泡特性が向上した発泡性飲料を製造する方法である。
ここで、発泡性飲料の泡特性の向上は、泡立ち特性及び/又は泡持ち特性の向上である。この点、例えば、発泡性飲料の泡持ち特性の向上は、当該発泡性飲料においていったん形成された泡が保たれる時間が長くなることを意味する。具体的に、発泡性飲料の泡持ち特性の向上は、例えば、当該発泡性飲料のNIBEM値の増加により確認される。
したがって、特定成分を添加して調製された第二の原料液を使用して製造された発泡性飲料のNIBEM値は、当該特定成分を添加することなく製造された発泡性飲料のそれよりも大きくなる。すなわち、本方法は、原料液として、特定成分を添加して調製された第二の原料液を使用することにより、当該特定成分を添加することなく製造された発泡性飲料よりNIBEM値が大きい発泡性飲料を製造する方法であることとしてもよい。
なお、NIBEM値は、ビール等の発泡性アルコール飲料の泡持ち特性を示す指標値として使用されている。NIBEM値は、発泡性飲料を所定の容器に注いだ際に形成された泡の高さが所定量減少するまでの時間(秒)として評価される。NIBEM値が大きいほど、発泡性飲料の泡持ち特性が優れていることになる。ただし、発泡性飲料の泡持ち特性の向上は、NIBEM値以外の指標により確認することもできる。すなわち、発泡性飲料の泡持ち特性は、例えば、Σ法及びRudin法等の公知の方法により評価することとしてもよい。
また、本方法は、原料液を使用して製造される発泡性飲料の泡特性を向上させる方法であって、当該原料液として、酵母懸濁液の上清から得られる分子量50kDa以上の成分を第一の原料液に添加して調製された第二の原料液を使用することにより、当該発泡性飲料の泡特性を向上させる方法であることとしてもよい。
この場合、本方法においては、原料液として、特定成分を添加して調製された第二の原料液を使用することにより、発泡性飲料のNIBEM値を、当該特定成分を添加することなく製造された発泡性飲料のそれより増加させることとしてもよい。
次に、本実施形態に係る具体的な実施例について説明する。
[添加剤の製造]
酵母としては、YEPD寒天培地で培養され、その後、SD液体培地で培養されたビール酵母を使用した。酵母懸濁液を調製するために酵母と混合する処理液としては、蒸留水を使用した。この蒸留水は、酵母が資化可能な炭素源及び窒素源を実質的に含まず、その硝酸態窒素(NO3 −)及び亜硝酸態窒素(NO2 −)の合計含有量は10mg/L以下であり、その全有機炭素(TOC)の含有量は3mg/L以下であり、エタノールを含まない(エタノール含有量は少なくとも0.005体積%未満)ものであった。以下の説明において、この蒸留水を単に「水」という。
まず、酵母と水とを混合して、当該酵母を約25重量%含む酵母懸濁液を調製した。この酵母懸濁液を2℃で約24時間、スターラーで撹拌することにより、酵母と水と接触させた。
その後、酵母懸濁液を遠心して(5000rpm、4℃、10分)、酵母を沈殿させ、上清を回収した。回収した上清をフィルター(ADVANTEC membrane filter、0.2μm)でろ過した。そして、ろ過後の上清を凍結乾燥した。得られた凍結乾燥物は、20℃で保管した。
この凍結乾燥物50mgに蒸留水500mLを添加し、得られた溶液をフィルター(Ekicrodisc 25mm Syringe Filter、0.45μm)でろ過して、添加用溶液を調製した。
そして、この添加用溶液を、分子量カットオフが50kDaである限外ろ過膜(Amicon Ultra、Merck Millipore)でろ過し、当該添加用溶液の濃縮液(当該限外ろ過膜を透過しなかった溶液)と、ろ液(当該限外ろ過膜を透過した溶液)とを得た。
具体的に、添加用溶液10mLを限外ろ過チューブに入れて、4℃で2分遠心した(5000×g)。さらに添加用溶液5mLを追加し、限外ろ過膜を透過しない濃縮液の体積が1.5mLとなるまで、4℃で遠心した(5000×g)。こうして、添加用溶液15mLから、濃縮液約1.5mLと、ろ液約13.5mLとを得た。このろ液を添加用ろ液として使用した。また、濃縮液には、液量が15mLとなるように水を加え、添加用濃縮液を得た。
同様に、分子量カットオフが100kDaである限外ろ過膜(Amicon Ultra、Merck Millipore)を使用して、添加用濃縮液及び添加用ろ液を調製した。また同様に、分子量カットオフが300kDaである限外ろ過膜(VIVA SPIN 20、sartorius)を使用して、添加用濃縮液及び添加用ろ液を調製した。
[原料液及び発泡性飲料の製造]
第一の原料液として、麦芽原料液を使用した。すなわち、麦芽及びホップを使用して、麦芽100%ビール用の麦汁として調製された麦芽原料液を使用した。具体的に、まず、粉砕した大麦麦芽に50℃の湯を加え、得られた混合液を65℃で維持することにより、糖化を行った。次いで、糖化後の混合液から大麦麦芽の穀皮を除去した。その後、混合液にホップを添加して煮沸を行った。煮沸後の混合液を第一の原料液として得た。
この第一の原料液に、上述のようにして製造した添加剤を添加し、第二の原料液(第二の麦芽原料液)を製造した。具体的に、第一の原料液1100mLに対し、添加用溶液、添加用濃縮液又は添加用ろ液11mLを添加して、第二の原料液を製造した。
次いで、この第二の原料液を使用して、発泡性飲料を製造した。すなわち、第二の原料液にガス付け処理(2.5kgf/cm2、4日)を施すことにより、エタノール含有量が0.005体積%未満の発泡性ノンアルコール飲料を製造した。
また、比較のため、上記添加剤に代えて水を使用したこと以外は同様にして、発泡性ノンアルコール飲料を製造した。なお、上述のとおり、原料液の製造、及び発泡性飲料の製造において、アルコール発酵は行わなかった。
[評価]
上述のようにして製造された発泡性飲料のNIBEM値を測定した。図1には、NIBEM値を測定した結果を示す。図1において、縦軸は発泡性飲料のNIBEM値(秒)を示す。また、図1において、「添加剤(50kDa限外ろ過)」の「未処理」は、分子量カットオフ50kDaの限外ろ過膜を使用した限外ろ過処理が施されていない添加用溶液を添加して製造された発泡性飲料の結果を示し、「濃縮液」は、当該限外ろ過処理により得られた添加用濃縮液を添加して製造された発泡性飲料の結果を示し、「ろ液」は当該限外ろ過処理により得られた添加用ろ液を添加して製造された発泡性飲料の結果を示す。
「添加剤(100kDa限外ろ過)」及び「添加剤(300kDa限外ろ過)」についても、それぞれ分子量カットオフ100kDaの限外ろ過膜及び分子量カットオフ300kDaの限外ろ過膜を使用した結果であること以外は、上述の「添加剤(50kDa限外ろ過)」と同様である。また、図1において、「水」は、添加剤に代えて蒸留水を添加して製造された発泡性飲料の結果を示す。
図1に示すように、限外ろ過処理が施されていない添加用溶液を添加して製造された3種類の発泡性飲料(3つの「未処理」)のNIBEM値は全て、当該添加用溶液を添加することなく製造された発泡性飲料(「水」)のNIBEM値に比べて、顕著に大きかった。
また、分子量カットオフ50kDaの限外ろ過膜を使用した限外ろ過処理により得られた添加用濃縮液を添加して製造された発泡性飲料(「添加剤(50kDa限外ろ過)」の「濃縮液」)のNIBEM値もまた、当該限外ろ過処理が施されていない添加用溶液を添加して製造された発泡性飲料(「添加剤(50kDa限外ろ過)」の「未処理」)のNIBEM値と同程度であり、顕著に大きかった。
これに対し、分子量カットオフ50kDaの限外ろ過膜を使用した限外ろ過処理により得られた添加用ろ液を添加して製造された発泡性飲料(「添加剤(50kDa限外ろ過)」の「ろ液」)のNIBEM値は、当該添加用溶液を添加することなく製造された発泡性飲料(「水」)のNIBEM値と同程度であった。
一方、分子量カットオフ100kDaの限外ろ過膜を使用した限外ろ過処理により得られた添加用ろ液を添加して製造された発泡性飲料(「添加剤(100kDa限外ろ過)」の「ろ液」)のNIBEM値は、当該限外ろ過処理が施されていない添加用溶液を添加して製造された発泡性飲料(「添加剤(100kDa限外ろ過)」の「未処理」)のNIBEM値と同程度であり、顕著に大きかった。
これに対し、分子量カットオフ100kDaの限外ろ過膜を使用した限外ろ過処理により得られた添加用濃縮液を添加して製造された発泡性飲料(「添加剤(100kDa限外ろ過)」の「濃縮液」)のNIBEM値は、当該限外ろ過処理が施されていない添加用溶液又は当該限外ろ過処理により得られた添加用ろ液を添加して製造された発泡性飲料(「添加剤(100kDa限外ろ過)」の「未処理」及び「ろ液」)のNIBEM値に比べて顕著に小さかった。
また、分子量カットオフ300kDaの限外ろ過膜を使用した限外ろ過処理により得られた添加用ろ液を添加して製造された発泡性飲料(「添加剤(300kDa限外ろ過)」の「ろ液」)のNIBEM値は、当該限外ろ過処理が施されていない添加用溶液を添加して製造された発泡性飲料(「添加剤(300kDa限外ろ過)」の「未処理」)のNIBEM値と同程度であり、顕著に大きかった。
これに対し、分子量カットオフ300kDaの限外ろ過膜を使用した限外ろ過処理により得られた添加用濃縮液を添加して製造された発泡性飲料(「添加剤(300kDa限外ろ過)」の「濃縮液」)のNIBEM値は、当該限外ろ過処理が施されていない添加用溶液又は当該限外ろ過処理により得られた添加用ろ液を添加して製造された発泡性飲料(「添加剤(300kDa限外ろ過)」の「未処理」及び「ろ液」)のNIBEM値に比べて顕著に小さかった。
以上より、酵母懸濁液の上清から得られる分子量50kDa以上の成分が、発泡性飲料のNIBEM値の増加に効果的に寄与していると考えられた。また、この分子量50kDa以上の成分のうち、分子量300kDa以下の成分、特に分子量100kDa以下の成分の寄与が大きいと考えられた。
なお、結果は図示しないが、酵母として回収酵母を使用し、処理液として室温(約20℃)の水、40℃の水、又は80℃の水を使用し、当該酵母と当該処理液とを10分接触させて回収した酵母懸濁液の上清を使用した場合においても、当該発泡性飲料のNIBEM値が増加する効果が確認された。また、回収酵母と、処理液としての水とを混合して調製され、保存タンク内において0℃で約5日間保存されていた酵母懸濁液の上清を使用した場合にも、発泡性飲料のNIBEM値が増加する効果が確認された。
また、酵母として不活化酵母(より具体的には、死酵母)の一種である乾燥酵母(生きたビール酵母を熱処理により不活化し(死滅させ)乾燥させて調製された不活化酵母)を使用した場合にも、発泡性飲料のNIBEM値が増加する効果が確認された。一方、酵母に代えて酵母エキスを使用した場合には、発泡性飲料のNIBEM値が増加する効果は認められなかった。
また、第一の原料液に対する、使用された酵母の量(酵母使用率)が0.003重量%以上であれば、発泡性飲料のNIBEM値が効果的に増加することも確認された。また、酵母と、処理液としての麦芽原料液とを混合して酵母懸濁液を調製し、室温で10分維持した後に取得された当該酵母懸濁液の上清を使用した場合にも、発泡性飲料のNIBEM値が増加する効果が確認された。また、酵母と、処理液としての麦芽原料液とを混合して酵母懸濁液を調製し、当該酵母懸濁液中のアルコール濃度が3体積%となるまでアルコール発酵を行った後に取得された当該酵母懸濁液の上清を使用した場合にも、発泡性飲料のNIBEM値が増加する効果が確認された。
[添加剤の製造]
上述の実施例1と同様にして、酵母懸濁液の上清の凍結乾燥物を得た。次いで、この凍結乾燥物約300mgに蒸留水3mLを添加し、得られた溶液をフィルター(Ekicrodisc 25mm Syringe Filter、0.45μm)でろ過した。
そして、ろ過後の溶液100μLをゲルろ過カラムに供して、当該溶液に含まれる分子量50kDa以上の成分を含む分画溶液1mLを取得し、当該分画溶液を添加剤として使用した。
なお、ゲルろ過クロマトグラフィーには、ゲルろ過カラム(Superdex 200 HR 10/30)を備えた高速液体クロマトグラフィー装置(AKTA explorer 10S)を使用し、移動相として蒸留水を使用し、流速は0.5mL/分とした。
[原料液及び発泡性飲料の製造]
上述のようにして製造した添加剤を添加する第一の原料液として、麦芽原料液を使用した。
具体的に、例Aにおいては、麦芽及びホップを使用し、アルコール発酵を行うことなく製造された、エタノール濃度が0.005体積%以下の市販の発泡性ノンアルコール飲料を、第一の原料液として使用した。
また、例Bにおいては、麦芽を使用することなく、ホップを使用し、アルコール発酵を行うことなく製造された、エタノール濃度が0.005体積%以下の市販の発泡性ノンアルコール飲料を、第一の原料液として使用した。
また、例Cにおいては、麦芽及びホップを使用し、アルコール発酵を行って製造された、エタノール濃度が約5体積%の市販の発泡性アルコール飲料(ビール)を、第一の原料液として使用した。
そして、例A、例B及び例Cのそれぞれにおいて、第一の原料液に、上述のようにして製造した添加剤を添加し、第二の原料液(第二の麦芽原料液)を製造した。具体的に、第一の原料液334mLに対し、添加剤0.334mLを添加して、第二の原料液を製造した。そして、この第二の原料液を、そのまま発泡性飲料として得た。
例A及び例Bにおいて得られた発泡性飲料は、エタノール濃度が0.005体積%以下の発泡性ノンアルコール飲料であった。例Cにおいて得られた発泡性飲料は、エタノール濃度が約5体積%の発泡性アルコール飲料であった。
また、例A、B及びCのそれぞれについて、比較のため、上記添加剤に代えて水を使用したこと以外は同様にして、発泡性飲料を製造した。なお、上述のとおり、例A及び例Bでは、原料液の製造、及び発泡性飲料の製造において、アルコール発酵は行わなかった。一方、例Cでは、原料液の製造においてアルコール発酵を行い、第二の原料液を使用した発泡性飲料の製造においてはアルコール発酵を行わなかった。
[評価]
上述の実施例1と同様に、発泡性飲料のNIBEM値を測定した。図2には、NIBEM値を測定した結果を示す。図2において、縦軸は発泡性飲料のNIBEM値(秒)を示す。また、図2の「例A」、「例B」及び「例C」において、「添加剤」は、添加剤を添加して製造された発泡性飲料の結果を示し、「水」は、添加剤に代えて水を添加して製造された発泡性飲料の結果を示す。
図2に示すように、例Aにおいて、添加剤を添加して製造された発泡性飲料(「添加剤」)のNIBEM値は、当該添加剤を添加することなく製造された発泡性飲料(「水」)のNIBEM値に比べて、顕著に大きかった。
一方、例Bにおいては、添加剤を添加して製造された発泡性飲料(「添加剤」)のNIBEM値は、当該添加剤を添加することなく製造された発泡性飲料(「水」)のNIBEM値に比べて、僅かに大きかった。
また、例Cにおいては、添加剤を添加して製造された発泡性飲料(「添加剤」)のNIBEM値は、当該添加剤を添加することなく製造された発泡性飲料(「水」)のNIBEM値と同程度であった。
以上より、酵母懸濁液の上清から得られる分子量50kDa以上の成分は、アルコール発酵を行うことなく製造される発泡性飲料のNIBEM値の増加に効果的に寄与することが確認された。
また、酵母懸濁液の上清から得られる分子量50kDa以上の成分は、麦芽を使用して製造される発泡性飲料のNIBEM値の増加に効果的に寄与することが確認された。
すなわち、酵母懸濁液の上清から得られる分子量50kDa以上の成分は、特に、麦芽を使用し、アルコール発酵を行うことなく製造される発泡性飲料のNIBEM値の増加に効果的に寄与することが確認された。