JP6456855B2 - スパークプラグの製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、スパークプラグの製造装置に関する。
スパークプラグは、シリンダヘッドにねじ込まれて固定されることによってエンジンに設置される。そのため、スパークプラグの主体金具における外側面には、ねじが形成されている。
国際公開番号WO2003−000442号公報
特許文献1では、ウォームギヤの軸中心に向けてダイスを送る転造加工を施すことによって、ウォームギヤの外側面にねじを形成している。特許文献1の転造加工では、ねじを形成する過程において、ダイスを軸中心に向けて送らずに停滞させた状態で回転させる工程を間欠的に入れることによって、ねじ形成における精度の向上を図っている。しかし、このような転造加工をスパークプラグの主体金具となる部位を有する中空円筒状のワークに施した場合、中実円筒状のワークと比べて中空円筒状のワークにおける内径は薄肉であるため、中空円筒状のワークの軸中心から外側方向へ突出するねじ山が立ちづらいことから、エンジンにスパークプラグを設置するためのねじ山が十分に形成できない場合があった。また、ダイスを停滞させた状態で回転させる回転数を過剰に増加させると、ワーク表面においてバリおよびむしれが生じる場合があった。このため、中空円筒状のワークにダイスを用いた転造加工を施す場合に、ねじ山が十分に立つとともにワーク表面においてバリおよびむしれが生じることを防止できる技術が望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、スパークプラグの製造装置が提供される。このスパークプラグの製造装置は、主体金具となる部位を有する中空円筒状のワークの外側面にねじを形成するダイスと、前記ワークの軸中心に向けて前記ダイスを送って前記ダイスに前記ねじを形成させるダイス指示部と、を備えるスパークプラグの製造装置において、前記ダイスは、3ダイス式のダイスであり、前記ダイス指示部は、設定回転数だけ回転させつつ前記軸中心に向けて送ることによって前記ダイスに前記ねじを形成させた後、前記ダイスを前記軸中心に向けて送らずに停滞させた状態で回転させる停滞回転数が、前記設定回転数の2.75倍より多くなるよう制御するとともに前記設定回転数の11.5倍より少なくなるよう制御することを特徴とする。この形態によれば、3ダイス式によりワークを3点で支持するため、2ダイス式と比べてダイスがワークと接触することによってワークを支持する支持点の間におけるワークの円弧長さが3分の2になることから、ダイスがワークを内径側に押す力を分散させることができる。このため、中空円筒状のワークの内径が縮小することを抑制しつつそのワークの外側面にねじを形成することができる。また、ねじを形成したのちダイスが停滞した状態で回転した際に、3ダイス式では2ダイス式と比べてダイスがワークに対して接触する円弧の長さが短くなるため、ワーク表面にバリおよびむしれが生じることを防止できる。また、ダイス指示部は、ダイスを設定回転数だけ回転させつつワークの軸中心に向けて送ることによってダイスにねじを形成させた後、停滞回転数がねじを形成した際の設定回転数の2.75倍より多く11.5倍より少なくなるようダイスを回転させるため、停滞回転数が過剰に増加することによってワーク表面においてバリおよびむしれが生じることを防止できるとともに、ねじ山を十分に立たせることができる。
(2)上記形態におけるスパークプラグの製造装置において、前記ダイス指示部は、前記ダイスに前記ねじを形成させる際に、前記ダイスが前記軸中心に向けて送られてから停滞するまでの前記ダイスの送り速度の平均をf(mm/rev)とし、前記ワークの軸方向とは直交する方向における前記ワークの肉厚をt(mm)とし、前記ワークに形成する前記ねじのピッチをP(mm)としたとき、次の数式I
Figure 0006456855
を満たす前記送り速度で前記ダイスを前記設定回転数だけ回転させつつ前記軸中心に向けて送ることによって前記ダイスに前記ねじを形成させてもよい。この形態によれば、ダイスがワークの軸中心に向けて送られている際、数式Iを満たすよう、送り速度の平均f、肉厚tおよびピッチPを調整することによって、より一層精度よくワークの内径縮小を抑制することおよびワークの外側面におけるねじ形成を両立できる。
(3)上記形態におけるスパークプラグの製造装置において、前記ダイス指示部は、前記ダイスが停滞させられた状態で回転しているとき、前記ダイスの回転速度が、550rpm以上となるよう制御してもよい。この形態によれば、ダイスの回転速度を550rpm以上とすることによって、ねじ形成時におけるダイスとワークとの摩擦が低減できるため、ねじ形成時においてワーク表面にバリおよびむしれが生じることを一層防止できる。
(4)本発明の他の形態は、スパークプラグの製造方法である。このスパークプラグの製造方法は、主体金具となる部位を有する中空円筒状のワークの軸中心に向けてダイスを送って3ダイス式で前記ワークの外側面に前記ねじを形成させるダイス指示工程を備えるスパークプラグの製造方法において、前記ダイス指示工程は、設定回転数だけ回転させつつ前記軸中心に向けて送ることによって前記ダイスに前記ねじを形成させた後、前記ダイスを前記軸中心に向けて送らずに停滞させた状態で回転させる停滞回転数が、前記設定回転数の2.75倍より多くなるよう制御するとともに前記設定回転数の11.5倍より少なくなるよう制御することを特徴とする。この形態におけるスパークプラグの製造方法は、前記形態のスパークプラグの製造装置と同様に、3ダイス式によりワークを3点で支持するため、2ダイス式と比べてダイスがワークと接触することによってワークを支持する支持点の間におけるワークの円弧長さが3分の2になることから、ダイスがワークを内径側に押す力を分散させることができる。このため、中空円筒状のワークの内径が縮小することを抑制しつつそのワークの外側面にねじを形成することができる。また、ねじを形成したのちダイスが停滞した状態で回転した際に、3ダイス式では2ダイス式と比べてダイスがワークに対して接触する円弧の長さが短くなるため、ワーク表面にバリおよびむしれが生じることを防止できる。また、ダイス指示部は、ダイスを設定回転数だけ回転させつつワークの軸中心に向けて送ることによってダイスにねじを形成させた後、停滞回転数がねじを形成した際の設定回転数の2.75倍より多く11.5倍より少なくなるようダイスを回転させるため、停滞回転数が過剰に増加することによってワーク表面においてバリおよびむしれが生じることを防止できるとともに、ねじ山を十分に立たせることができる。
本発明の形態は、スパークプラグの製造装置に限るものではなく、例えば、内燃機関に搭載するスパークプラグ、その内燃機関を備えた内燃機関システム、その内燃機関システムを搭載した車両などの種々の形態に適用することも可能である。また、本発明は、前述の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施し得ることは勿論である。
スパークプラグの部分断面を示す説明図である。 スパークプラグの製造方法を示す工程図である。 本実施形態のスパークプラグの製造装置を示す説明図である。 ダイスの配置を示す斜視図である。 ダイスがワークへ切り込んでいるときの状態を示した説明図である。 ダイスがワークへ切り込んでいるときの状態を示した斜視図である。 本実施形態におけるスパークプラグの製造装置および参考例におけるスパークプラグの製造装置を用いて、ねじ部の形成を実施させた際の試験結果である。
A.第1実施形態
A1.スパークプラグの構成
図1は、スパークプラグ100の部分断面を示す説明図である。図1には、スパークプラグ100の軸心である軸線CAを境界として、軸線CAより紙面左側にスパークプラグ100の外観形状が図示され、軸線CAより紙面右側にスパークプラグ100の断面形状が図示されている。本実施形態では、スパークプラグ100における図1の紙面下側を「先端側」といい、図1の紙面上側を「後端側」という。図1には、相互に直交するXYZ軸が図示されている。図1のXYZ軸は、他の図のXYZ軸に対応する。図1に示した軸線CAは、Z軸に沿った軸線である。
スパークプラグ100は、中心電極10と、端子金具20と、絶縁体30と、主体金具40と、接地電極50とを備える。本実施形態では、スパークプラグ100の軸線CAは、中心電極10、端子金具20、絶縁体30および主体金具40の各部材における軸心でもある。
スパークプラグ100は、中心電極10と接地電極50との間に形成された火花放電間隙(火花放電ギャップ)を先端側に有する。スパークプラグ100は、火花放電間隙が形成された先端側を燃焼室92の内壁91から突出させた状態で内燃機関90に取り付け可能に構成されている。スパークプラグ100が内燃機関90に取り付けられた状態で中心電極10に高電圧(例えば、1万〜3万ボルト)を印加された場合、火花放電間隙において火花放電が発生する。火花放電間隙に発生した火花放電は、燃焼室92における混合気に対する着火を実現する。
中心電極10は、導電性を有する電極である。中心電極10は、軸線CA方向に延びた棒状を成す。中心電極10の外側面は、絶縁体30によって外部から電気的に絶縁されている。中心電極10の先端側は、絶縁体30の先端側から突出している。
端子金具20は、電力の供給を受けるための端子であり、中心電極10に電気的に接続されている。中心電極10の後端側は、端子金具20を介して絶縁体30の後端側へと電気的に接続されている。
絶縁体30は、電気絶縁性を有する碍子である。絶縁体30は、軸線CAを中心に延びた筒状を成す。本実施形態では、絶縁体30は、絶縁性セラミックス材料(例えば、アルミナ)を焼成することによって作製される。絶縁体30は、軸線CA方向に延びた貫通孔である軸孔39を有する。軸孔39には、絶縁体30の先端側から中心電極10を突出させた状態で、中心電極10が軸線CA上に保持されている。
主体金具40は、導電性を有する金属体である。主体金具40は、軸線CA方向に延びた筒状を成す。本実施形態では、主体金具40は、筒状に成形された低炭素鋼にニッケルめっきを施した部材である。主体金具40の先端側の外側面には、スパークプラグ100を内燃機関の燃焼室92に取り付けるためのねじ部42が形成されている。
主体金具40の先端側には、端面44が形成されている。端面44の中央からは、中心電極10と共に絶縁体30が+Z軸方向(先端方向)に向けて突出している。端面44には、接地電極50が接合されている。
接地電極50は、導電性を有する電極である。接地電極50は、棒状を成し、一端が主体金具40の端面44に接合されている。接地電極50は、主体金具40の端面44から+Z軸方向に延びた後に軸線CAに向けて屈曲されている。本実施形態では、接地電極50の材質は、ニッケル(Ni)を主成分とするニッケル合金である。
A2.スパークプラグの製造方法
図2は、スパークプラグ100の製造方法を示す工程図である。スパークプラグ100の製造者は、スパークプラグ100を製造する際、製造途中の主体金具40である主体金具40Pを作製する(工程P100)。本実施形態では、主体金具40Pは、プレス加工および切削加工によって作製される。本実施形態では、主体金具40Pには、ねじ部42が形成されていない。
主体金具40Pが作製された後(工程P100)、主体金具40Pには、溶接工程(工程P110)が実施される。溶接工程(工程P110)は、製造途中の接地電極50である接地電極50Pが主体金具40Pの端面44に溶接される工程である。本実施形態では、接地電極50Pは、屈曲しておらず、真っ直ぐに延びた形状を成す。接地電極50PのZ軸方向に垂直な断面は、長方形断面である。
溶接工程(工程P110)を実施した後、主体金具40Pは、ねじ切り工程を実施されることによって、主体金具40Pの外側面42Pにねじ部42を形成される(工程P120)。その後、主体金具40Pは、表面加工(めっき)が実施される(工程P130)。これによって、主体金具40は完成する。
主体金具40が完成した後(工程P130)、主体金具40は、他の部材(中心電極10、端子金具20、絶縁体30など)を組み付けられる(工程P140)。これによって、スパークプラグ100が完成する。本実施形態では、主体金具40に他の部材が組み付けられる工程(工程P140)において、接地電極50Pに曲げ加工が実施される。
A3.スパークプラグの製造装置の構成
図3は、主体金具40Pにねじ部42が形成されるねじ切り工程(工程P120)において用いられる本実施形態のスパークプラグの製造装置200を示す説明図である。スパークプラグの製造装置200は、保持部210と、ダイス220a、220b、220cと、ダイス指示部230と、を備える。
尚、本実施形態では、溶接工程(工程P110)において、製造途中の接地電極50である接地電極50Pを主体金具40Pの端面44に溶接したものをワークWと呼ぶ。
保持部210は、ワークWを保持する。保持部210は、軸線CA方向に延びた筒状を成す主体金具40Pの筒内にZ軸方向の+側から挿入されることによって、ワークWを保持する。保持部210は、ワークWを保持した状態でZ軸方向の−側に下降することによって、ダイス220a、220b、220cが配置されたZ軸方向の位置までワークWを移動させることができる。
図4は、ダイス220a、220b、220cの配置を示す斜視図である。図4では、理解を容易にするために、ダイス220a、220b、220cのみを示した。ダイス220a、220b、220cは、軸線CAから見て120度間隔でそれぞれ配されている。ダイス220a、220b、220cは、互いに平行なそれぞれの中心軸ax、bx、cxを中心に回転可能に構成される。中心軸ax、bx、cxは、軸線CAとも平行である。ダイス220a、220b、220cの外側面には、それぞれの中心軸ax、bx、cxから外側方向に突出した山部と、中心軸ax、bx、cx方向に向けて窪んだ谷部と、がZ軸方向において交互に配されている。ダイス220a、220b、220cは、ワークWにおける主体金具40Pの先端側の外側面42Pに切り込むことによってねじ部42を形成する。尚、本実施形態の説明では、3つのダイスの各々を総称する場合には符号「220」を使用する。
図3に戻って、ダイス指示部230は、設定回転数だけ回転させつつダイス220をワークWの軸中心に向けて送ることによってダイス220にねじ部42を形成させる。ダイス指示部230は、ダイス220にねじ部42を形成させた後、ダイス220をワークWの軸中心に向けて送らずに停滞させた状態で回転させる停滞回転数が、設定回転数の2.75倍より多く11.5倍より少なくなるよう制御する。尚、ダイス220が停滞する状態とは、ワークWの軸中心に向けて動かされない状態のことである。
停滞回転数を設定回転数の2.75倍より多く11.5倍より少なくなるように規定した根拠について説明する。ダイスによる転造において、ダイスの山部と接触して押されたワークの部分がダイスの谷部側に移動することによって、ワークの外側面にねじ部が形成されるものと考えられる。ダイスがワークWの軸中心に向けて送られた後であって停滞回転を始める前は、ダイスの山部と接触して押されているワークの部分は、ダイスの谷部側への移動を終えていないものと考えられる。その状態において、ある程度の回転数だけダイス220が停滞回転することによって、ダイスの山部と接触して押されているワークの部分は、ダイスの谷部側への移動を終えることができると推察される。
しかし、ダイスの停滞回転数が過剰になった場合、ダイスの山部と接触して押されていたワークの部分がダイスの谷部側への移動を終えた後も、ダイスがワークと接触した状態で停滞回転を続けることによって、ワーク表面にバリおよびむしれが生じるものと考えられる。
本発明者らは、多くの実験を重ねることによって、3ダイス式のダイス220を用いた際、ダイス220の停滞回転数が、ワークWの軸中心に向けてダイス220が送られるときの設定回転数の2.75倍より多く11.5倍より少なくなるよう制御されたとき、ワークW表面においてバリおよびむしれが生じることを防止できるとともに、ねじ山を十分に立たせることができることを見出した。ここでいうねじ山の十分な立ちとは、スパークプラグ100を内燃機関の燃焼室92に取り付けるための規定の寸法通りにねじ山が立っている状態をいう。
本実施形態では、ダイス指示部230は、ワークWの外側面42Pにねじ部42を形成する際に、ダイス220がワークWの軸中心に向けて送られてから停滞するまでのダイス220の送り速度の平均をf(mm/rev)とし、ワークWの軸方向とは直交する方向におけるワークWの肉厚をt(mm)とし、ワークWに形成するねじ部42のピッチをP(mm)としたとき、次の数式Iを満たす送り速度でダイス220をワークWの軸中心に向けて送る。
Figure 0006456855
このように規定する根拠について説明する。本発明者らは、多くの実験を重ねることによって、3つのダイス220を用いて中空円筒状のワークWの外側面42Pにねじ部42を形成する際において、送り速度の平均fと、ワークWの肉厚tと、ピッチPとの間に関連性が存在することを見出した。すなわち、中空円筒状のワークWの外側面42Pに転造加工によってねじ部42を形成する際、ピッチPに対する肉厚tの比率が1.5倍を超えないことが好ましいことを見出した。
ピッチPに対する肉厚tの比率が1.5倍を超えると、ねじ部42におけるねじ山が立ち上がりにくくなる傾向がある。これに対して、ねじ山の立ち上がりを良くするためにダイス220をワークWの軸中心に向けて送る回転数を増やすと、ワークWが割れたり、バリが生じたりする可能性が高い。このため、ピッチPに対する肉厚tの比率が1.5倍を超えないことが好ましい。
ダイスによる転造において、ダイスの山部と接触して押されたワークの一部がダイスの谷部側に移動することによって、ワークの外側面にねじ部が形成されるものと考えられる。このとき、ダイスの送り速度が遅いとダイスの山部と接触したワークの一部がダイスの谷部側に移動するための十分な付勢力が得られないことによって、ねじ部におけるねじ山の高さが低くなるとともにワークの内径縮小が生じる傾向がある。
ダイスの送り速度が速いとダイスの山部と接触して押されたワークの一部がダイスの谷部側に移動するより速くダイスがワークの軸中心に向けて移動しようとすることによって、ダイスの山部はワークから押されて変形する傾向がある。このため、ピッチPに対する肉厚tの比率が1.5倍以下である中空円筒状のワークにおいて、ダイスの送り速度の平均fを所定の範囲内に制御することが有効であることを、本発明者は見出した。
これらの知見より、本発明者らは、数式Iに基づいて、ワークWの軸中心に向けてダイス220を送ることによって、中空円筒状のワークWの内径が縮小することを抑制しつつそのワークWの外側面にねじ部42を良好に形成できることを見出した。
本実施形態では、ダイス指示部230は、ダイス220が停滞させられた状態で回転しているとき、ダイス220の回転速度が550rpmとなるよう制御する。
一般的には、ダイスとワークとの間における摩擦は、ダイスの回転速度が速い方が低減できると考えられる。そのため、本発明者らは、多くの実験を重ねることによって、ダイス220がワークWの軸中心に向けて送られてから停滞させられた状態で回転するときにダイス220の回転速度が550rpm以上となるよう制御された場合、ねじ形成時におけるダイス220とワークWとの摩擦が低減できることを見出した。このため、本実施形態のスパークプラグの製造装置200では、ねじ形成時においてワークW表面にバリおよびむしれが生じることを防止できる。
図5は、ダイス220がワークWへ切り込んでいるときの状態を示した説明図である。図6は、ダイス220がワークWへ切り込んでいるときの状態を示した斜視図である。図5では、理解を容易にするために、ワークWと、保持部210と、ダイス220のみを示した。図6では、理解を容易にするために、ワークWと、ダイス220a、220b、220cのみを示した。図5および図6におけるワークWは、保持部210によってダイス220が配置されたZ軸方向の位置まで移動させられている状態である。この状態のワークWにおける主体金具40Pの外側面42Pにダイス220が切り込むことによって、主体金具40Pにはねじ部42が形成される。ねじ部42が形成された後、ダイス220は、停滞させられた状態で回転することによって、ねじ部42におけるねじ山を十分に立ち上がらせる。
B.評価試験結果
図7は、本実施形態におけるスパークプラグの製造装置200および参考例におけるスパークプラグの製造装置を用いて、ねじ部42の形成を実施させた際の試験結果である。No.1、No.2およびNo.5の試験は、参考例のスパークプラグの製造装置を用いて、試験を行ったものである。No.3およびNo.4の試験は、本実施形態のスパークプラグの製造装置200を用いて、停滞回転数を除いた条件を同一にして試験を行ったものである。
参考例のスパークプラグの製造装置は、ダイス指示部によるダイスの停滞回転数の制御が異なる点を除き、本実施形態のスパークプラグの製造装置200における構成と同じである。本実施形態におけるダイス指示部230は、ダイス220の停滞回転数が、ダイスをワークWの軸中心に向けて送るときの設定回転数の2.75倍より多く11.5倍より少なくなるよう制御する。それに対して、参考例におけるダイス指示部は、ダイス220の停滞回転数が、ダイスをワークWの軸中心に向けて送るときの設定回転数の2.75倍以下、もしくは、11.5倍以上となるよう制御する。
図7における評価は、バリおよびむしれが生じておらず、ねじ山が十分に立っている状態のねじ部42に「〇」を、バリおよびむしれが生じている状態とねじ山が十分に立っていない状態とのうち少なくとも一方の状態であるねじ部42に「×」を付して評価した。
No.1およびNo.2の結果では、ねじ部42は形成されていたもののねじ山の立ちは十分でなかった。No.3およびNo.4の結果では、バリおよびむしれが生じておらずねじ山の立ちは十分であった。No.5の結果では、ねじ山は立っていたもののバリおよびむしれが生じていた。
図7より、ダイス220をワークWの軸中心に向けて送るときの設定回転数に対して、ダイス220をワークWの軸中心に向けて送らずに停滞させた状態で回転させる停滞回転数が、設定回転数の2.75倍より多く11.5倍より少なくなるようダイス指示部230が制御したとき、ワークW表面においてバリおよびむしれが生じることを防止できるとともに、ねじ山を十分に立たせることができるといえる。
以上説明した実施形態によれば、3ダイス式によりワークWを3点で支持するため、2ダイス式と比べてダイス220がワークWと接触することによってワークWを支持する支持点の間におけるワークWの円弧長さが3分の2になることから、ダイス220がワークWを内径側に押す力を分散させることができる。このため、中空円筒状のワークWの内径が縮小することを抑制しつつそのワークWの外側面にねじ部42を形成することができる。また、ねじ部42を形成したのちダイス220が停滞した状態で回転した際に、3ダイス式では2ダイス式と比べてダイス220がワークWに対して接触する円弧の長さが短くなるため、ワークW表面にバリおよびむしれが生じることを防止できる。
また、以上説明した実施形態によれば、ダイス指示部230は、ダイス220を設定回転数だけ回転させつつワークWの軸中心に向けて送ることによってダイス220にねじ部42を形成させた後、停滞回転数がねじ部42を形成した際の設定回転数の2.75倍より多く11.5倍より少なくなるようダイス220を回転させる。このため、停滞回転数が過剰に増加することによってワークW表面においてバリおよびむしれが生じることを防止できるとともに、ねじ山を十分に立たせることができる。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…中心電極
20…端子金具
30…絶縁体
39…軸孔
40…主体金具
40P…主体金具
42…ねじ部
42P…外側面
44…端面
50…接地電極
50P…接地電極
90…内燃機関
91…内壁
92…燃焼室
100…スパークプラグ
200…製造装置
210…保持部
220…ダイス
220a、220b、220c…ダイス
230…ダイス指示部
CA…軸線
W…ワーク

Claims (4)

  1. 主体金具となる部位を有する中空円筒状のワークの外側面にねじを形成するダイスと、前記ワークの軸中心に向けて前記ダイスを送って前記ダイスに前記ねじを形成させるダイス指示部と、を備えるスパークプラグの製造装置において、
    前記ダイスは、3ダイス式のダイスであり、
    前記ダイス指示部は、設定回転数だけ回転させつつ前記軸中心に向けて送ることによって前記ダイスに前記ねじを形成させた後、前記ダイスを前記軸中心に向けて送らずに停滞させた状態で回転させる停滞回転数が、前記設定回転数の2.75倍より多くなるよう制御するとともに前記設定回転数の11.5倍より少なくなるよう制御することを特徴とする、スパークプラグの製造装置。
  2. 請求項1に記載のスパークプラグの製造装置であって、
    前記ダイス指示部は、
    前記ダイスに前記ねじを形成させる際に、前記ダイスが前記軸中心に向けて送られてから停滞するまでの前記ダイスの送り速度の平均をf(mm/rev)とし、
    前記ワークの軸方向とは直交する方向における前記ワークの肉厚をt(mm)とし、
    前記ワークに形成する前記ねじのピッチをP(mm)としたとき、次の数式I
    Figure 0006456855
    を満たす前記送り速度で前記ダイスを前記設定回転数だけ回転させつつ前記軸中心に向けて送ることによって前記ダイスに前記ねじを形成させる、スパークプラグの製造装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のスパークプラグの製造装置であって、
    前記ダイス指示部は、前記ダイスが停滞させられた状態で回転しているとき、前記ダイスの回転速度が、550rpm以上となるよう制御する、スパークプラグの製造装置。
  4. 主体金具となる部位を有する中空円筒状のワークの軸中心に向けてダイスを送って3ダイス式で前記ワークの外側面にねじを形成させるダイス指示工程を備えるスパークプラグの製造方法において、
    前記ダイス指示工程は、設定回転数だけ回転させつつ前記軸中心に向けて送ることによって前記ダイスに前記ねじを形成させた後、前記ダイスを前記軸中心に向けて送らずに停滞させた状態で回転させる停滞回転数が、前記設定回転数の2.75倍より多くなるよう制御するとともに前記設定回転数の11.5倍より少なくなるよう制御することを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
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