JP4400882B2 - 歯車状部材の転造方法 - Google Patents
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図1(B)に示すように加工歯10が2歯接触すれば、加工荷重の変動はあるものの加工荷重0の状態は避けられ、振動は抑制される。
図1(C)に示すように加工歯10が3歯接触すれば、加工荷重の変動も抑制され、振動もかなり小さくなる。
そこで転造初期においてローラダイス1の押込速度の高速化を図れば、転造初期における振動を低減できることを、本発明者は知見した。
本発明は上記した知見に基づいてなされたものである。
転造開始から、ローラダイスの加工歯とブランクの外周部との接触が加工歯の2歯以上で3歯以下の接触状態に到達するまでの押込深さをもつ領域を転造初期とするとき、転造初期におけるローラダイスの押込速度を転造初期以降におけるローラダイスの押込速度よりも大きく設定しており、且つ、
ローラダイスの全押込量のうちの40%以下の範囲内において、
転造初期におけるローラダイスの押込速度を、転造初期以降におけるローラダイスの押込速度の2〜20倍に設定しており、更に、製造する歯車状部材の軸直角モジュールをM[mm]とし、軸直角モジュールMであらわしたとき、転造初期において、ブランクに対するローラダイスの押込速度を、1回当たりの加工量として0.4M[mm]〜4.0M[mm]に設定していることを特徴とするものである。
様相1によれば、転造初期におけるローラダイスの押込速度を転造初期以降におけるローラダイスの押込速度よりも大きく設定(2〜20倍)しているため、転造初期における振動を抑制するのに有利であり、歯数を所定のピッチで割り切る割切り処理の安定化を図り得、転造装置へのダメージを少なくするのに有利である。なお本明細書では、転造初期以降はサイジング処理を含まない。
さらに、ブランク4から平歯車を転造する形態を示す実施例に基づいて、計算値、計算値のグラフおよび本発明者が行った試験について、更に説明を加える。
図3は転造開始の際においてローラダイス1(中心:O1)の加工歯10がブランク4(中心:O2)の外周部に接触し始めた形態を示す。中心O1と中心O2とを結ぶ仮想線をMとする。r1 はローラダイス1の加工歯10の歯先の半径を示す。r2はブランク4の外周部の半径を示す。ω1 はローラダイス1の回転速度を示し、ω2はブランク4の回転速度を示す。
L12 =r1 cos θ10+r2 cos θ20 ……(2)
θ20 ≒(r1 /r2 )×θ10 ……(3)
r1 およびr2が既知であるから押込量Δが与えられれば、(1)よりL12が求まり、(2)(3)式より、θ10は決まる。
θ20’≒(r1 /r2 )×θ10’ ……(5)
θ10’≒(2π/ΖR )−θ1 ’+θ10 ……(6)
(4)〜(6)式より θ1 ’、θ10’、θ20’を順次求める。
ローラダイス1の中心O1’とブランク4の中心O2とを結ぶ距離L12’は、
L12’=r1 cos θ10’+r2 cos θ20’ …(7)
ゆえにローラダイス1とブランク4との接触点Q’の接触を確保しつつ、接触点Pがθ1 ’ぶん回転して接触点P’となるとき(転造初期における振動低減効果が得られるとき)におけるローラダイス1の押込量δは、
(1)、(5)、(6)、(7)式より、
δ=r1 +r2 −Δ−r1 cos[(2π/ΖR) −θ1 ’+θ10]
−r2 cos{[(2π/ΖR )−θ1 ’+θ10]×(r1 /r2 )}…(8)
またローラダイス1の回転速度をω1 としたときのローラダイス1の押込速度Vは、
V=δ/(θ1 ’/ω1 ) …(9)
上記のようにして求めた各押込量Δに対するδの計算値の結果を、転造歯車の歯数が22および30のときを例にとって、図4に示す。図4において特性線A1は転造歯車の歯数Zが22のときを示す。特性線A2は転造歯車の歯数Zが30のときを示す。
本発明者は実際に試験を行った。試験においては、図4および図5に示すように転造歯車の歯数Zが22のときには、δの値を0.2mmとし、転造初期の押込速度Vを20mm/secと、従来技術に係る押込速度よりもかなり高速化した。転造歯車の歯数Zが30のときにはδの値を0.25mmとし、転造初期の押込速度Vを20mm/secとし、従来技術に係る押込速度よりもかなり高速化した。
ローラダイス1の回転速度NR[rpm]は 転造初期における振動を抑制するためのローラダイス1の押込速度に影響を与える。
Δ0=一方のローラダイス1の押込前の中心OLと押込後の中心OL’との差
= 他方のローラダイス1の中心押込前の中心ORと押込後の中心OR’との差
……(A−1)
ブランク4の1分間あたりの回転速度をNB[rpm]とし、ブランク4つまり転造歯車の歯数をZB[個]とする。ローラダイス1の1分間あたりの回転速度をNR[rpm]とし、ローラダイス1の加工歯10の数をZR[個]とする。
NB×ZB = NR×ZR……(A−2)
NB [rpm] = NR×(ZR/ZB)……(A−3)
そして(NB/60)がブランク4の1秒間の回転速度とすると、ブランク4が半回転する時間t[sec]は、次の(A−4)で示される。
このとき転造開始時において加工歯10が2歯〜3歯接触しており、転造初期の振動を低減できるローラダイス1の最適な押込量を確保するための押込速度Vを求めると、次の(A−5)となる。
=[Δ0×NR×ZR]/[30×ZB][mm/sec]……(A−5)
転造初期における振動を低減できるローラダイス1の最適な押込量を確保するにあたり、上記した(A−5)に基づけば、ローラダイス1の回転速度NRを小さくすれば、ローラダイス1の押込速度も小さくすることができる。また、ローラダイス1の回転速度NRを大きくすれば、ローラダイス1の押込速度を大きくすることができる。
上記した記載から次の技術的思想も把握することができる。
・ローラダイスの転造開始時からの押込量Δをグラフの横軸が示し、加工歯の1歯あたり進む進行量で換算したローラダイスの押込量δをグラフの縦軸が示すとき、(図4の特性線A1,A2に例示するように、)Δが0mmから次第に増加するにつれてδの値が増加し、δの値が最大値を呈し、その後、最大値を経てδの値が次第に低下するような山型の特性を示すような形態を奏する押込速度で、
転造初期においてローラダイスをブランクの外周部に押し込むことを特徴とする各請求項1に記載の転造方法。
Claims (4)
- ブランクと、前記ブランクに対して転造を行なう複数個の加工歯を外周部に備えたローラダイスとを用い、前記ローラダイスを回転させつつ所定の押込速度で前記ブランクの外周部に押し込むことにより、前記ローラダイスの加工歯で前記ブランクの外周部に対して転造を行ない歯車状部材を転造する歯車状部材の転造方法において、
転造開始から、前記ローラダイスの前記加工歯と前記ブランクの前記外周部との接触が前記加工歯の2歯以上で3歯以下の接触状態に到達するまでの押込深さをもつ領域を転造初期とするとき、
前記転造初期における前記ローラダイスの押込速度を前記転造初期以降における前記ローラダイスの押込速度よりも大きく設定しており、且つ、
前記ローラダイスの全押込量のうちの40%以下の範囲内において、
前記転造初期における前記ローラダイスの押込速度を、前記転造初期以降における前記ローラダイスの押込速度の2〜20倍に設定しており、
更に、製造する前記歯車状部材の軸直角モジュールをM[mm]とし、前記転造初期において、前記ブランクに対する前記ローラダイスの押込速度を、軸直角モジュールMであらわしたとき、1回当たりの加工量として0.4M[mm]〜4.0M[mm]に設定していることを特徴とする歯車状部材の転造方法。 - 請求項1において、前記転造初期の以降において、前記ブランクに対する前記ローラダイスの押込速度は1回あたりの加工量として0.13M[mm]〜0.2M[mm]に設定されていることを特徴とする歯車状部材の転造方法。
- 請求項1または請求項2において、前記加工歯の1歯あたりの進行量で換算した前記ローラダイスの押込量について、前記転造初期以降の値よりも前記転造初期の値が大きくなるように、前記転造初期の押込速度を設定していることを特徴とする歯車状部材の転造方法。
- 請求項1〜請求項3のいずれかにおいて、前記加工歯の1歯あたりの進行量で換算した前記ローラダイスの押込量について、前記転造初期の値が前記転造初期以降の値の2〜20倍となるように、前記転造初期の押込速度を設定していることを特徴とする歯車状部材の転造方法。
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