JP6456782B2 - CdTe系化合物半導体単結晶及びその製造方法 - Google Patents

CdTe系化合物半導体単結晶及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、CdTe系化合物半導体単結晶に関する。また、本発明はCdTe系化合物半導体単結晶の製造方法に関する。
従来、II−VI族化合物半導体の一つであるCdTe系化合物半導体単結晶は、電圧検出器、赤外線検出器、放射線検出器、及び太陽電池等の化合物半導体デバイスに用いられる有用な材料である。
CdTe系化合物半導体結晶は、II−VI族化合物半導体の中でも伝導型の制御が組成比あるいは不純物の添加により比較的容易に可能となる物質である。また、組成が化学量論的な組成から大きくずれると析出物が形成され易いという性質を有する。粗大な析出物は半導体基板の製品歩留まり低下の一因となるだけでなく、半導体デバイスの性能にも悪影響を与えるため、少ないことが望まれている。
WO95/22643(特許文献1)においては、伝導型や析出物の制御方法の一例が開示されている。ここでは、垂直グラジェントフリージング(VGF)法によってCdZnTeやCdTeなどの単結晶を成長させるにあたって、リザーバ部付きの石英アンプルを用い、易揮発性元素であるCdの単体をリザーバ部に入れて、リザーバ部を均一に加熱保持する蒸気圧制御を行うことが記載されている。単結晶を成長させる際に、リザーバ部の温度が770〜830℃であれば、成長させた結晶中の析出物は最大でも直径10μm程度の小さいものであり、また790〜820℃であれば、析出物は最大でも直径5μmに達しない極めて小さいものであることが記載されている。更には、リザーバ部の温度が約813℃でCdの蒸気圧が1.7気圧の時に、結晶の電気伝導型はp型とn型の反転領域となり、析出物は最も小さかったことが記載されている。単結晶中の析出物の大きさは赤外線顕微鏡により測定したことが記載されている。
CdTe系化合物半導体結晶の析出物を低減するための他の技術として、Cd蒸気圧を印加しながら三温度帯水平ブリッチマン(3T−HB)法で結晶育成した後に熱処理を行うポストアニール法が知られている。特開平3−126693号公報(特許文献2)においては、結晶育成工程終了後に、育成結晶に対して、当該結晶の構成元素の蒸気圧を印加しつつ、融点よりも低い所定の熱処理温度として各構成元素の拡散を促進させると共に、当該熱処理温度にて所定時間保持して育成結晶中における析出物及び該析出物に起因するエッチピットのクラスターの生成を抑制させる熱処理を施し、上記熱処理工程終了後に、上記育成結晶を室温まで徐冷することを特徴とする伝導型が均一でかつ析出物の大きさが1μm以下とするII−VI族化合物半導体結晶の製造方法が提案されている。上記特許文献2において、実施例では、中間均熱帯温度(熱処理温度)を990℃とし、Cd蒸気圧を0.8気圧として、析出物の大きさが1μm以下になること、また、比較例2として、単結晶育成後に15μmサイズの析出物が存在する基板では、1000℃において析出物の微細化効果があると推測される0.8気圧のCd蒸気圧より高い1.4気圧のCd蒸気圧下で熱処理しても、7〜8μmサイズの析出物が残留し、析出物が消失できないことが記載されている。また、当該文献2の「課題を解決する手段」の段には、CdTeやCdZnTeの単結晶を育成する場合、結晶の伝導型は、Cd又はZnの蒸気圧を制御することにより制御可能であると記載されているが、該参考例の熱処理条件ではp型とn型が混在することが記載され、結晶の伝導型が十分に制御されていないことが記載されている。
特開2004−238268号公報(特許文献3)においては、Cdの蒸気圧制御とポストアニールを利用した電気光学素子用CdTe系化合物半導体単結晶の製造方法が記載されており、これにより、結晶中の塩素濃度が0.1〜5.0ppmwtであり、かつ、赤外線顕微鏡で観察して結晶内に2μm以上の析出物がない電気光学素子用CdTe系化合物半導体単結晶が製造できたことが開示されている。
国際公開第95/22643 特開平3−126693号公報 特開2004−238268号公報
このように、CdTe系化合物半導体単結晶中の析出物を低減する技術は知られているものの、従来は1μm程度の析出物の有無を指標にしていたに過ぎず、より微細な析出物の制御については十分な検討がなされていない。そのため、デバイス化工程としてのエピタキシャル成長において、歩留まりが低下するといった問題は未だ改善の余地がある。そこで、本発明は、結晶中の析出物の微細化を更に進展させたCdTe系化合物半導体単結晶を提供することを課題の一つとする。また、本発明はそのようなCdTe系化合物半導体単結晶の製造方法を提供することを別の課題の一つとする。
従来技術において、析出物を赤外線顕微鏡で観察していたことから、観察できる析出物サイズに限界があり、約1μm以下の析出物を観察することが困難であった。そのため、1μm以下の析出物を制御することができず、そのような思想もなかった。ところが、本発明者は今般、LST(Laser Scattering Tomography、光散乱トモグラフィ)法によってCdTe系化合物半導体単結晶を観察したところ、0.1μm程度の微細な析出物が多数存在することを見出した。そして、このような微細な析出物を適切に制御することで、析出物に起因する単結晶の欠陥を低減可能であることを見出した。
本発明は上記知見に基づいて創作されたものである。
本発明は一側面において、粒径0.1μm以上1.0μm未満の析出物の個数密度が3×104個/cm2以下であるCdTe系化合物半導体単結晶である。
本発明に係るCdTe系化合物半導体単結晶の一実施形態においては、粒径0.1μm以上1.0μm未満の析出物の個数密度が1×104以上3×104個/cm2以下である。
本発明に係るCdTe系化合物半導体単結晶の別の一実施形態においては、粒径1μm以上の析出物が存在しない。
本発明に係るCdTe系化合物半導体単結晶の更に別の一実施形態においては、n型の電気伝導型を有する。
本発明に係るCdTe系化合物半導体単結晶の更に別の一実施形態においては、p型の電気伝導型を有する。
本発明は別の一側面において、CdTe系化合物半導体単結晶を育成する工程1と、工程1によって得られた育成結晶を、900℃以上1050℃以下の温度範囲において、Cd蒸気圧を印加した状態で熱処理する工程2によって、粒径0.1μm以上1.0μm未満の析出物の個数密度が3×104個/cm2以下に低減されたCdTe系化合物半導体単結晶の製造方法であって、
工程2におけるCd蒸気圧と結晶温度の関係が、下記に示す式(1)を満たすCdTe系化合物半導体単結晶の製造方法である。
Cd蒸気圧=0.0880×ln(結晶温度)−0.5743±0.001 (1)
なお、上記式(1)において、Cd蒸気圧の単位はMPa、結晶温度の単位はK(ケルビン)であり、lnは自然対数を意味する。
本発明に係るCdTe系化合物半導体単結晶の製造方法の一実施形態においては、上記工程2は、結晶温度が940〜960℃で、且つ、Cd蒸気圧が0.0499〜0.0582MPaの条件下で行われる。
本発明に係るCdTe系化合物半導体単結晶の製造方法の別の一実施形態においては、上記工程2は、熱処理時間が15〜25時間で行われる。
本発明に係るCdTe系化合物半導体単結晶の製造方法の更に別の一実施形態においては、n型の電気伝導型を有する。
本発明に係るCdTe系化合物半導体単結晶の製造方法の更に別の一実施形態においては、上記工程2の後、電気伝導型の調整のための第2の熱処理(工程3)を更に行うことを含む。
本発明に係るCdTe系化合物半導体単結晶の製造方法の更に別の一実施形態においては、上記工程3が、950℃以上1050℃以下の熱処理の温度範囲において、下記に示す関係式(2)を満たすCdの蒸気圧を印加した状態で熱処理することにより、p型の電気伝導型に調整することを含む。
Cd蒸気圧=0.1198×ln(結晶温度)−0.8019±0.001 (2)
なお、上記式(2)において、Cd蒸気圧の単位はMPa、結晶温度の単位はK(ケルビン)であり、lnは自然対数を意味する。
本発明に係るCdTe系化合物半導体単結晶の製造方法の更に別の一実施形態においては、上記工程3が、Cd蒸気圧0.0513〜0.0533MPa、且つ、結晶温度965〜985℃の条件で実施される。
本発明に係るCdTe系化合物半導体単結晶の製造方法の更に別の一実施形態においては、上記工程3が、熱処理時間を5〜10時間の条件で実施される。
本発明は更に別の側面において、本発明に係る単結晶を材料とした化合物半導体基板である。
本発明は更に別の側面において、本発明に係る化合物半導体基板を備えた化合物半導体デバイスである。
本発明に係る化合物半導体デバイスは一実施形態において、放射線検出器、または、赤外線検出器である。
本発明によれば、結晶中の析出物が微細な、高品質のCdTe系化合物半導体単結晶が得られる。本発明に係るCdTe系化合物半導体単結晶は各種化合物半導体デバイスの基板として好適に使用できる。
90°散乱LSTによって結晶中の析出物の大きさを測定する際のレーザー光源、試料及び検出器の配置を示す模式図である。 実施例において使用した結晶成長装置の概略構成図である。
(1.CdTe系化合物半導体の単結晶)
本発明はCdTe系化合物半導体の単結晶を対象とする。本発明において、CdTe系化合物半導体とはCdとTeを主成分(すなわち、これらよりも質量濃度の高い成分を含まない。)とする化合物半導体を指し、CdとTeの何れか又は両方の一部を置換した化合物半導体も含む。例えば、CdTeやCdZnTe、CdSeTe、CdHgTe等がある。また、不可避的に混入する不純物の存在も許容される。
また、化合物半導体に種々の特性を付加するためのドーピング元素を添加してもよい。例えば、CdTe系化合物半導体単結晶を放射線検出素子、フォトリフラクティブ素子又は電気光学素子(EO素子)の基板として用いる場合、デバイス特性を向上させるために、高抵抗(例えば、1.0×108Ω・cm以上)であることが望ましいところ、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)等の第13(3B)族元素、F(フッ素)、Cl(塩素)、Br(臭素)、I(ヨウ素)等の第17(7B)族元素、Ge(ゲルマニウム)、Sn(スズ)等の第14(4B)族元素、V(バナジウム)等の遷移金属元素をドーピングすることで高抵抗化することが可能である。逆に、低抵抗化を目的とする場合にはNa等のI族元素をドーピングすることもできる。
ドープ元素として代表的なのはClとInである。ドープ量は、目的に応じて適宜変更すればよいが、例えば結晶中のCl濃度が0.1〜5.0ppmwtとなるように添加することができる。インジウムのドープ量についても、目的に応じて適宜変更すればよいが、例えば結晶中のインジウム濃度が1.0ppmwt以下となるように添加することができる。
CdTe系化合物半導体基板上に別の化合物半導体をエピタキシャル成長させる際、CdTe系化合物半導体基板中に析出物が存在すると、そこを起点にした欠陥が生じるおそれがあり、歩留まりの低下を招く。ところが、本発明に係るCdTe系化合物半導体単結晶は、その一実施形態において、粒径0.1μm以上1.0μm未満の析出物の個数密度が3×104個/cm2以下に制御されている。粒径0.1μm以上1.0μm未満の析出物の個数密度を3×104個/cm2以下とすることで、CdTe系化合物半導体基板上にデバイスに応じた各種化合物半導体をエピタキシャル成長させる際の歩留まりを向上させるという効果が得られる。粒径0.1μm以上1.0μm未満の析出物の個数密度は好ましくは2×104個/cm2以下であり、より好ましくは1×104個/cm2以下である。粒径0.1μm以上1.0μm未満の析出物の個数密度は少ないほど半導体デバイスに対する電気特性に対して好影響を与えるが、そのような析出物の極端に少ない単結晶を成長させるための時間や製造コストを考えると、粒径0.1μm以上1.0μm未満の析出物の個数密度は1×104個/cm2以上であるのが典型的である。
本発明に係るCdTe系化合物半導体単結晶は好ましい一実施形態において、粒径1μm以上の析出物は、熱処理後には消失して存在しない。エピタキシャル成長時の歩留まりを向上させる上では、粗大な析出物を消失することは重要である。従来技術においても析出物の大きさを1μm以下に制御すべきことは示されているが、従来技術においてそのように制御されたとされるCdTe系化合物半導体単結晶であってもLST法による観察では、大きさが1μm以上の析出物がかなり多く観察されることがわかった。そのため、LST法による観察により、粒径1μm以上の析出物が存在しないというのは、従来技術に比べて析出物の微細化が顕著に進展した状態だといえる。
本発明において、析出物の分析は90°散乱LSTを利用して行う。図1は、90°散乱LSTによって結晶中の析出物の大きさを測定する際のレーザー光源101、CdTe系化合物半導体の試料基板103及び検出器105の配置を示す模式図である。測定に使用される当該試料基板103に対する赤外線レーザーの進入方向が、当該試料基板の上下面と平行方向となるように、縦5mm×横5mm×厚み2mmの試料103を暗幕内に設置する。試料103の厚み方向に対応する側面の中央部に対して垂直に赤外線レーザーを照射し、析出物102によって、赤外線レーザーの照射方向に対して垂直方向で且つ、試料表面の上方に散乱された散乱光104を試料103の上表面の上方に設置した検出器105により検出する。検出器105としては、CCDカメラ付き光学顕微鏡を使用する。これにより、結晶内の析出物を観察可能となる。本発明において、析出物の粒径は顕微鏡で観察される各析出物を取り囲む最小円の直径とする。
観察される各析出物について、粒径0.1μm以上1.0μm未満の析出物と1μm以上の析出物の1cm2当たりの個数は、CdTe系基板を自動制御により移動可能な光学顕微鏡ステージに設置し、自動制御によりx軸(光軸方向)、y軸(ステージに平行で光軸に直角な方向)各方向に4段階(1段階当たりの移動距離1mm)、計16点の測定領域(1視野当たりの測定領域は0.4cm2)における視野像をCCDカメラで撮影してPCへ取り込み、撮影画像を白黒に二値化したのち、画像の明暗を画像解析ソフトウェア(実施例では「Media Cybernetics社製Image−Pro」を使用)により自動解析することで析出物の粒径および個数が計測される。二値化された画像中にある輝点ごとの粒径ならびに粒径ごとのヒストグラムが得られるため、自動での区分けが可能となる。
(2.CdTe系化合物半導体の単結晶の製法)
CdTe系化合物半導体のようなII−VI族化合物半導体の単結晶を製造するためには、まずその多結晶を合成するのが一般的である。多結晶の合成方法は公知であり、特に説明するまでもないが、例えば以下のような手順で合成される。半密閉型のpBN製内側容器内にII族元素とVI族元素を各々単体として封入し、この容器を密閉型石英アンプルからなる外側容器内に入れて真空封入し、電気炉で融点以上に昇温して原料元素を融解、反応させて多結晶を合成する。
得られたCdTe系化合物半導体多結晶からは、例えば、HB法(Horizontal Bridgman Method、水平式ブリッジマン法)、VB法(Vertical Bridgman Method、垂直式ブリッジマン法)、HGF法(Horizontal Gradient Freezing Method、水平式温度傾斜凝固法)、VGF法(Vertical Gradient Freezing Method、垂直式温度傾斜凝固法)などのボート法を利用した液相成長法によってCdTe系化合物半導体単結晶を育成することができる。これらの中でも、結晶育成時に多様な温度勾配を与えることが可能なVGF法が好ましい。
単結晶を育成する際、Cd又はTeの蒸気圧を制御することにより結晶の電気伝導型を制御することができる。例えばCdTeの場合、化学量論的な組成のCdTeと平衡に達するCd蒸気圧(PcdI)は、理論的には、温度によって一義的に定まり、この圧力より高いCd蒸気圧(PcdN)で平衡に達するように熱処理するとn型に、逆に低いCd蒸気圧(PcdP)で同様に熱処理を行なえばp型と成り得る(PcdN>PcdI>PcdP)。よって、伝導型を十分に制御でき、基板内で均一にするためには、PcdIより十分偏差を持った圧力でなければならない。
しかし、現実的には単結晶育成後には析出物の存在も認められる。析出物は典型的にはTeを主成分とする。これは、CdTe単結晶においてCdの解離圧がTeより高く、Cdの空孔が発生しやすく、Te過剰組成になりやすい材料であるためであり、また、CdTe系の状態図によれば、気相、液相、固相の3相共存の最高温度となる融点(1092℃)では、固相線と液相線のコングルーエントポイントはTe過剰側にずれており、成長するCdTe系単結晶はTe過剰組成になりやすい傾向にあるため、たとえCd蒸気圧を印加しながらCdTe系単結晶の育成を試みても、単結晶育成後のTeの析出物を微小化できても、そのサイズは数μm程度のものとなる。また、Cd蒸気圧を最適圧力より高い蒸気圧を印加すれば、Cdの析出物が生成されるようになり、析出物を微小化、又は、消失する条件を見出すのは困難であり、同様にして、組成制御および伝導型の制御も困難なものである。(参考文献として、de Nobel; Philips Res. Rep., vol. 14 (1959), 361)
そこで、単結晶育成後、析出物はCd蒸気圧下での加熱処理(ポストアニール)で微細化又は消失することができる。このポストアニールは、単結晶の育成後に室温まで冷却した後、結晶を再加熱して行うことが可能であるが、結晶温度及びCd蒸気圧の調整を考慮すると、単結晶の育成終了後に連続して行なうことが望ましい。CdTe系単結晶中に析出した過剰なTeは、ポストアニールによって、Cdと反応し、母相であるCdTeの単結晶内に固溶することで析出物が微細化又は消失する。析出物のこのような微細化メカニズムを考慮すると、温度とCd蒸気圧の組み合わせを如何に設定するかということは析出物の低減を達成する上で極めて重要である。ポストアニールの条件については特許文献2にも記載があるものの、広範な条件が記載されているに過ぎず、また、温度とCd蒸気圧の組み合わせについても最適化に対する考察が不十分である。
単結晶育成後のCdTe単結晶は一般に、数μmサイズの析出物、典型的には、2〜3μmサイズのTe析出物を含有し、p型の電気伝導型を有する。該単結晶をポストアニールすると、n型の電気伝導度を示すように調整可能であるが、後に更なる熱処理を行うことでp型に調節することも可能である。すなわち、本発明によれば、析出物を低減しながら電気伝導型を任意に調節することができるようになる。
具体的には、n型化させるためには、化学量論的組成のCdTeが得られると考えられるCd蒸気圧(PcdI)よりも高いCd蒸気圧の条件下で熱処理を行うとよく、結晶温度とCd蒸気圧の条件に応じてn型化が可能となる。しかし、Cd蒸気圧がある所定値よりも高く成り過ぎると、Cdの析出物が生成されるので好ましくない。析出物の生成を抑制しながらn型領域の拡大を達成できる好適な熱処理条件としては、結晶温度が900〜1050℃において、下式(1)の関係を満たすCd蒸気圧下で熱処理することが好ましい。
Cd蒸気圧=0.0880×ln(結晶温度)−0.5743±0.001 (1)
なお、上記式(1)において、Cd蒸気圧の単位はMPa、結晶温度の単位はK(ケルビン)である。結晶温度は900℃より低温でも析出物の消失化や微細化、伝導型のn型化は可能であるが、熱処理時間が長時間となり、工業的ではない。また、1050℃の温度を超えると、CdTeの融点に近い温度となり、結晶の融解の虞があり、好ましくない。
本発明者の検討結果によれば、蒸気圧を印加してCdTe単結晶を育成した後に行うポストアニールは、上記式(1)を満足することを条件として、Cd蒸気圧が0.0499〜0.0582MPa、単結晶の加熱温度が940〜960℃の条件下で実施することが析出物の低減に極めて効果的である。このような条件下で、ポストアニールすることにより、粒径1.0μm以上の析出物を消失でき、0.1μm以上1.0μm未満の析出物の個数密度を3×104個/cm2以下に制御することが可能となる。ポストアニールに要する時間は典型的には15〜25時間であり、より典型的には20〜25時間である。
また、p型化させるためには、1段目のポストアニールの後に、化学量論的組成のCdTeが得られると考えられるCd蒸気圧(PcdI)よりも低いCd蒸気圧で、且つ、比較的高温の条件下で第2の熱処理を行うとよい。析出物の生成を抑制しながら、p型化を実現させる好適な熱処理条件としては、結晶温度が950〜1050℃において、下式(2)の関係を満たすCd蒸気圧下で熱処理することが好ましい。
Cd蒸気圧=0.1198×ln(結晶温度)−0.8019±0.001 (2)
なお、上記式(2)において、Cd蒸気圧の単位はMPa、結晶温度の単位はK(ケルビン)である。結晶温度は950℃より低温でも伝導型のp型化は可能であるが、熱処理時間が長時間となり、工業的ではない。また、1050℃の温度を超えると、CdTeの融点に近い温度となり、結晶の融解の虞があり、好ましくない。ここで、p型に制御する場合には、1段目のポストアニールによって単結晶母体の組成が若干のCd過剰組成となり、n型化していると考えられるが、析出物としては、微細なサイズ(サブミクロンサイズ)のTe析出物が局在した状態で存在しており、単結晶母体の若干のCd過剰組成分を揮発除去できればよく、n型へ制御するための1段目の熱処理(ポストアニール)温度より若干高温で熱処理することが有効である。
本発明者の検討結果によれば、第2の熱処理は、上記式(2)を満足することを条件として、Cd蒸気圧が0.0513〜0.0533MPa、単結晶の熱処理温度が965〜985℃の条件下で実施することが特に好ましく、1段目のポストアニールによって達成された析出物の消失又は微細化した状態を維持し、伝導型をp型化することが可能である。第2の熱処理に要する時間は典型的には5〜10時間であり、より典型的には7〜8時間である。
この電気伝導型は、ポストアニール後に室温まで冷却した後、結晶を再加熱して行うことが可能であるが、結晶温度及びCd蒸気圧の調整を考慮すると、ポストアニール終了後に連続して行なうことが望ましい。
本発明においては、電気伝導型(p型、n型)の分布はHall測定による伝導型の判定により明らかとなる。
(3.用途)
本発明に係るCdTe系化合物半導体の単結晶は、各種化合物半導体デバイスの半導体基板として使用可能である。CdTe系化合物半導体基板の上に組成や物性の異なる化合物半導体を層状にエピタキシャル成長させて、化合物半導体デバイスを作製することが可能である。化合物半導体デバイスとしては、例えば電圧検出器、赤外線検出器、放射線検出器及び太陽電池等の電子デバイスや光デバイスが挙げられる。
以下、本発明及びその利点をより良く理解するための実施例について記述するが、本発明がこれら実施例に限定されるものではない。
図2は、本実験で使用したCdTe単結晶をVGF法により成長させるための結晶成長装置の概略構成図である。図2中、符号200は常圧容器を示し、この常圧容器200の中心にはリザーバ部201aを有する石英アンプル201が配置されている。また、石英アンプル201内にはpBN(pyrolytic Boron Nitride)製ルツボ203が配置され、石英アンプル201を包囲するようにヒータ202が設けられている。ヒータ202は、図2に示すようにルツボ203に対応する部分とリザーバ部201aに対応する部分とを別々の温度に加熱でき、かつ常圧容器200内の温度分布を細かく制御できる3段の多段型構造を有する。
当該結晶成長装置を用いて、CdTe単結晶を成長させた。まず、石英アンプル201のリザーバ部201aに易揮発性元素であるCd単体204を約10g入れるとともに、pBN製ルツボ203にCdTe原料205を約3000g入れて石英アンプル201内に配置した後、石英アンプル201を真空封止した。このとき、CdTe原料205には、100ppmwtの塩素をドープして合成したCdTe多結晶をブロック状に分割したものを用いた。
そして、ヒータ202で加熱昇温してルツボ203内のCdTe原料205を融解した後、ヒータ202でリザーバ部201aを780℃に加熱して、Cd蒸気圧を0.116MPaに制御を行うとともに、ルツボ203を1100℃に加熱した。さらに、常圧容器200内に所望の温度分布が生じるように各ヒータへの供給電力量を制御装置(図示しない)で制御しながら加熱炉内の温度を0.1℃/hrの降温速度で徐々に下げて、約200時間かけて原料融液の表面から下方に向かってCdTe単結晶を成長させた。
その後、CdTe単結晶を、CdTe単結晶周辺のCd蒸気圧が表1の値になるようにCdリザーバ部201aの温度を調整しながら、表1に記載の各アニール温度(結晶温度)で20時間加熱し(ポストアニール)、直径78mm、長さ60mmのClドープCdTe単結晶インゴットを得た。なお、本アニール工程は育成後に室温まで冷却常圧容器された結晶を再加熱することでも実現可能であるが、温度及びCd蒸気圧の制御が困難となるため、育成終了後に連続して行った。
<90°散乱LSTによる析出物の分析>
得られた各CdTe単結晶インゴット中の析出物を先述した90°散乱LSTにより分析した。90°散乱LSTの分析を行うに当たり、CdTe単結晶の上部(固化率g=0.2)、中部(固化率g=0.5)、下部(固化率g=0.7)より3枚の基板を、縦5mm×横5mm×厚み2mmの基板サイズで切り出し、基板表面に鏡面研磨を施した上で、これらを暗幕内に置いた。CdTe基板の厚み方向に対応する基板側面の中央部に垂直に赤外線レーザーを照射し、析出物によって赤外線レーザーの照射方向に対して垂直方向に散乱された散乱光を、基板上面の直上に設置した検出器により析出物によって検出した。
使用した機器の仕様は以下である。
レーザー光源はSemiconductor Pacific Limited社製のNd:YAGレーザー発振器(商標:CrystalLaser、型番:IRCL−300−1064−S)を出力300mW、波長1064nm、ビーム径1mmの条件で使用した。
また、散乱光の検出器としては、ニコン社製のCCDカメラ付き光学顕微鏡(商標:エクリプス、型番:ECLIPSE L200A)(倍率:200倍、1視野の観察面積0.4cm2)を使用した。測定は室温の暗室において、光学顕微鏡に搭載されているステージの自動制御機構によりx軸、y軸各4段階の計16点で画像取り込みを行った。取り込まれた画像を画像処理ソフト(Media Cybernetics社製Image−Pro)により、白黒へ二値化したのち、自動解析によって析出物の粒径、個数を計測した。
このようにして顕微鏡(倍率:200倍、1視野の観察面積0.4cm2)で観察された析出物について、粒径0.1μm以上の析出物の個数密度、粒径1μm以上の析出物の個数密度をそれぞれ求め、1cm2当たりに存在する析出物の個数平均値を算出して、それを測定値とした。析出物の粒径は顕微鏡で観察される各析出物を取り囲む最小円の直径とした。表1に、固化率g=0.5のCdTe単結晶から切り出された基板を90°散乱LST法で評価した結果を示す。CdTe単結晶の固化率0.2および0.7に相当する部位から切り出された基板についても、表1と同様の結果を得た。
尚、本発明において、析出物の個数密度とは、上述のように、評価用基板の側面の中央部に、側面に対して垂直方向から、直径1mm径の赤外線レーザービームを照射し、基板中の析出物によって赤外線レーザーの入射方向に対して垂直方向に散乱された散乱光体の個数をその観察面積の割合として算出した値を意味する。
また、析出物はSEM−EDXによって評価し、Te又はCdを主成分とすることを確認した。
<析出物の低減効果と電気伝導型の調査>
得られた各CdTe単結晶について、析出物の個数密度を90°散乱LST法で計測し、また、電気伝導型(p型、n型)の分布はHall測定によって判別した。結果を表1に示す。表1の結果により、実施例1〜3においては、所定のアニール温度及びCd蒸気圧として、20時間でポストアニールすることによって、粒径1μm以上の析出物は計測されなかった。また、粒径0.1μm以上1.0μm未満の析出物は2.5×104個/cm2以下であり、Te析出物はポストアニール後に消失又は微細化していた。また、CdTe基板の伝導型は、n型であった。析出物の主成分はTeであるが、ポストアニール後、単結晶中にはCdの微量の過剰分が存在して、Cdの格子間型欠陥が生成して、n型の電気伝導性を示したと考えられる。
さらに、単結晶育成後にポストアニールとして、アニール温度を900℃、Cd蒸気圧を0.0478MPa、25時間のアニールを行い、n型の伝導型を示し、粒径1μm以上の析出物が計測されず、粒径0.1μm以上1.0未満の析出物が3×104個/cm2であるCdTe単結晶を得た(実施例4)。また、アニール温度を1050℃、Cd蒸気圧を0.0582MPa、15時間のアニールを行い、n型の伝導型を示し、粒径1μm以上の析出物が計測されずに、粒径0.1μm以上1.0未満の析出物が3×104個/cm2であるCdTe単結晶を得た(実施例5)。
また、比較例1、3、4では、ポストアニール温度に対して、Te過剰となりやすい低めのCd蒸気圧を印加してアニールを行った後の結果であり、粒径1μm以上のTe析出物がアニール条件によって、(1〜5)×103個/cm2程度残留しており、またp型の伝導型を示し、十分なTe析出物の低減効果が得られていない。比較例2では、ポストアニール温度に対して、Cd過剰となりやすい高めのCd蒸気圧を印加してアニールを行った結果であり、粒径1μm以上のCd析出物が5×103個/cm2程度生成しており、n型の伝導型を示し、Teの析出物は低減できているが、逆にCdの析出物を生成させてしまう結果となった。また、比較例5には、実施例2の条件である950℃、Cd蒸気圧0.0515MPaより若干低い蒸気圧でポストアニールした後の析出物の素性、伝導型を調べた結果であるが、1μm以上のTe析出物が500個/cm2程度存在し、0.1μm以上1.0μm以下のサイズのTe析出物が4×104個/cm2あり、十分に析出物を消失または微細化できていない。伝導型は基板中にn型領域とp型領域が存在していた。
Figure 0006456782
<電気伝導型の調整>
実施例2と同一条件で製造したポストアニール終了後、冷却することなく、引き続きCdTe単結晶周辺のCd蒸気圧が表2の各値になるようにアニール温度とCdリザーバ部201aの温度を調整しながら、表2に記載の各アニール温度で8時間、2段階目の熱処理を行った。熱処理後の単結晶について、先述した方法で、析出物個数密度及び電気伝導型を調査した。結果を表2に示す。
実施例6の結果では、1段目のポストアニールによって、Te析出物の微小化および消失化を実施し、化学量論組成より若干Cd過剰組成で、n型単結晶基板となったCdTe単結晶に対して、実施例2と同様のCd蒸気圧で且つ1段目のアニール温度より若干高い温度で2段目のアニールを実施し、化学量論組成より微量にTe過剰組成に制御することで、Te析出物の個数密度を同等に維持しながら、電気伝導型をp型に変化させることが可能であった(実施例6)。
また、実施例7では、1段目のポストアニールによって、Te析出物の微小化もしくは消失化を実施し、化学量論組成より若干Cd過剰組成で、n型単結晶基板となったCdTe単結晶に対して、化学量論組成より極微量にTe過剰組成に制御される2段目のアニール条件である985℃、Cd蒸気圧0.0533MPaでアニール処理を行い、Te析出物の個数密度をポストアニール(1段目のアニール)後のレベルに維持しながら、電気伝導型をp型に変化させることが可能であった。
さらに、伝導型の調整のための2段目のアニールとして、アニール温度を950℃、Cd蒸気圧を0.0494MPa、10時間のアニールを行い、1段目のポストアニールによって製造されたn型のCdTe単結晶がp型に転化したことを確認し、粒径1μm以上の析出物が計測されず、粒径0.1μm以上1.0未満の析出物が3×104個/cm2であるCdTe単結晶を得た(実施例8)。また、同様にして、2段目のアニール温度を1050℃、Cd蒸気圧を0.0590MPa、5時間のアニールを行い、p型の伝導型を確認して、粒径1μm以上の析出物が計測されずに、粒径0.1μm以上1.0未満の析出物が3×104個/cm2であるCdTe単結晶を得た(実施例9)。
また、比較例6、7では、2段目のアニール温度に対してCd過剰となりやすい高めのCd蒸気圧を印加して2段目のアニールを行った後の結果であり、Cd析出物の出現とn型伝導性を示した。比較例8、9では、2段目のアニール温度に対してTe過剰となりやすい低めのCd蒸気圧を印加して2段目のアニールを行った後の結果であり、p型の伝導性は確認できたが、Te析出物が再度出現し、析出物の個数密度が低いp型伝導性を有するCdTe単結晶基板を得ることはできなかった。
Figure 0006456782
101 レーザー光源
102 析出物
103 試料(基板)
104 散乱光
105 検出器
106 レーザー光路
200 常圧容器
201 石英アンプル
201a リザーバ部
202 ヒータ
203 ルツボ
204 Cd単体
205 CdTe原料

Claims (15)

  1. LST(光散乱トモグラフィ)法によって観察される粒径0.1μm以上1.0μm未満の析出物の個数密度が3×104個/cm2以下であり、LST(光散乱トモグラフィ)法によって観察される粒径1μm以上の析出物が存在しないCdTe系化合物半導体単結晶。
  2. LST(光散乱トモグラフィ)法によって観察される粒径0.1μm以上1.0μm未満の析出物の個数密度が1×104以上3×104個/cm2以下である請求項1に記載のCdTe系化合物半導体単結晶。
  3. n型の電気伝導型を有する請求項1又は2に記載のCdTe系化合物半導体単結晶。
  4. p型の電気伝導型を有する請求項1又は2に記載のCdTe系化合物半導体単結晶。
  5. CdTe系化合物半導体単結晶を育成する工程1と、工程1によって得られた育成結晶を、900℃以上1050℃以下の温度範囲において、Cd蒸気圧を印加した状態で熱処理する工程2によって、LST(光散乱トモグラフィ)法によって観察される粒径0.1μm以上1.0μm未満の析出物の個数密度が3×104個/cm2以下に低減され、且つ、LST(光散乱トモグラフィ)法によって観察される粒径1μm以上の析出物が存在しないCdTe系化合物半導体単結晶の製造方法であって、
    工程2におけるCd蒸気圧と結晶温度の関係が、下記に示す式(1)を満たすCdTe系化合物半導体単結晶の製造方法。
    Cd蒸気圧=0.0880×ln(結晶温度)−0.5743±0.001 (1)
    なお、上記式(1)において、Cd蒸気圧の単位はMPa、結晶温度の単位はK(ケルビン)であり、lnは自然対数を意味する。
  6. 上記工程2は、結晶温度が940〜960℃で、且つ、Cd蒸気圧が0.0499〜0.0582MPaの条件下で行われる請求項に記載のCdTe系化合物半導体単結晶の製造方法。
  7. 上記工程2は、熱処理時間が15時間以上25時間以内で行われる請求項又はに記載のCdTe系化合物半導体単結晶の製造方法。
  8. n型の電気伝導型を有することを特徴とする請求項の何れか一項に記載のCdTe系化合物半導体単結晶の製造方法。
  9. 上記工程2の後、電気伝導型の調整のための第2の熱処理(工程3)を更に行うことを含む請求項の何れか一項に記載のCdTe系化合物半導体単結晶の製造方法。
  10. 上記工程3が、950℃以上1050℃以下の熱処理の温度範囲において、下記に示す関係式(2)を満たすCdの蒸気圧を印加した状態で熱処理することにより、p型の電気伝導型に調整することを含む請求項9に記載のCdTe系化合物半導体単結晶の製造方法。
    Cd蒸気圧=0.1198×ln(結晶温度)−0.8019±0.001 (2)
    なお、上記式(2)において、Cd蒸気圧の単位はMPa、結晶温度の単位はK(ケルビン)であり、lnは自然対数を意味する。
  11. 上記工程3が、Cd蒸気圧0.0513〜0.0533MPa、且つ、結晶温度965〜985℃の条件で実施される請求項1に記載のCdTe系化合物半導体単結晶の製造方法。
  12. 上記工程3が、熱処理時間を5〜10時間の条件で実施される請求項1又は1に記載のCdTe系化合物半導体単結晶の製造方法。
  13. 請求項1〜の何れか一項に記載の単結晶を材料とした化合物半導体基板。
  14. 請求項1に記載の化合物半導体基板を備えた化合物半導体デバイス。
  15. 放射線検出器、または、赤外線検出器である請求項1に記載の化合物半導体デバイス。
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