JP6456730B2 - スロットル装置 - Google Patents

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本発明は、スロットル装置に関する。詳しくは、自動車等の車両に搭載されるスロットル装置に関する。
スロットル装置を用いて、エンジンに導入される空気の量を調整することは広く行われている。スロットル装置には通気可能な吸気通路が備えられており、吸気通路を通じる空気の量を弁体の開度で調整している。この弁体を動かすために使用されるスロットルギヤなどは、一般的にスロットルボデーとギヤケースカバーにより区画された空間内に配置される。弁体に繋がるスロットルギヤが所定の範囲以上に動くことを抑制するため、ストッパ部(全開位置ストッパ)をスロットルボデーに設けることが知られている(特許文献1参照)。
特開2004−144039号公報
ところで、ストッパ部はスロットルギヤと当接する部位であるため、スロットルギヤの組み込み位置と隣接した部分に形成されることとなる。このため、特許文献1に記載の構成ではスロットルギヤなどをスロットルボデー側に取り付ける際、スロットルボデーに形成されたストッパ部が邪魔になる虞があった。
本発明は、上記した点に鑑みて創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、スロットルギヤの移動範囲を規制するストッパ部が形成されたスロットル装置に関し、スロットルギヤなどの組み付け作業を効率良く行えるようにすることにある。
上記課題を解決するために、本発明は次の手段をとる。先ず、第1の手段は、吸気通路を有するスロットルボデーと、吸気通路に回転可能に備えられる弁と、弁と接続するスロットルギヤと、スロットルボデーに取り付けられるギヤケースカバーと、を備えるスロットル装置であって、スロットルギヤと当接することにより弁が移動する範囲を規制可能なストッパ部をギヤケースカバーに備えたスロットル装置である。
この第1の手段によれば、スロットルボデー側にスロットルギヤを取り付ける際に、ストッパ部を迂回するように取り付ける必要性がないため、作業性が高まり得る。また、ストッパ部を形成していることから、当該作業性を確保しつつスロットル装置としての機能を確保することが可能と成り得る。
本発明によれば、スロットルギヤの移動範囲を規制するストッパ部が形成されたスロットル装置に関し、スロットルギヤなどの組み付け作業を効率良く行えるようにすることが可能となり得る。
実施例のスロットル装置の斜視図である。 実施例のスロットル装置においてギヤケースカバーを外した状態を示す斜視図である。 図2のIII−III断面図である。 スロットルギヤ周りの部品を取り付ける前の分解斜視図である。 図1のV−V断面図である。
以下に、本発明を実施するための形態について、適宜図面を用いながら説明する。なお、本明細書における前後方向、上下方向、左右方向などの方向は、図1などに示したXが前方向、Yが左方向、Zが上方向と規定する。例えば、図1では、スロットル装置1の吸気通路4の開口が前側に示されており、蓋部材であるギヤケースカバー3はスロットルボデー2の左側に示されている。なお、以下においては、特に断りが無い限り、図1の状態を基準にして方向について言及する。
本実施の形態におけるスロットル装置1は乗物に搭載されるものである。特に、乗物の中でも車両に搭載されるものである。スロットル装置1は、車両の内燃機関(図示せず)に対して外気の導入量を調整するために使用するものであり、吸気通路4を備えるスロットルボデー2に対して弁5が回動可能に取り付けられている。この弁5はスロットルボデー2に備えるモータ22により向きを調整することが可能である。スロットル装置1は、モータ軸に備えられた歯車22aに対して噛み合う中間ギヤ23を備えるとともに、中間ギヤ23に噛み合うスロットルギヤ21を備えている(図2及び図3参照)。スロットルギヤ21には弁軸51が固定されており、弁軸51には弁体52が固定されている。このような構成であるため、モータ22を回転させることにより、スロットルギヤ21が動かされ、弁体52を回転させることが可能となる。
弁体52が固定されている弁軸51はスロットルギヤ21に対して相対移動できないように固定されている。弁軸51の一端側には、弁軸51の外周を覆うようにスロットルギヤガイド部211が設けられている(図3参照)。スロットルギヤ21と相対移動不能な状態で形成されているスロットルギヤガイド部211は、その外周側に、略円筒形状のガイド部材24が配置されている。このガイド部材24はスロットルギヤガイド部211の筒状の部位の外径よりやや大きな内径を有するように構成されており、ガイド部材24とスロットルギヤガイド部211は摺動可能とされている。
ガイド部材24の外周には、弦巻状のスプリング6が配置されている。このスプリング6はガイド部材24の筒状の部位の外径よりやや大きな内径を有するように形成されている。スプリング6は、その一端がスロットルギヤ21に固定されており、弁5を回転方向に付勢可能なように配置されている。
スロットルギヤ21などが取り付けられたスロットルボデー2には、スロットルギヤ21などを覆うようにギヤケースカバー3が取り付けられる。ギヤケースカバー3には、スロットルギヤ21の移動範囲を規制することで弁体52の移動範囲を規制することが可能なストッパ部31が備えられている。
本実施例におけるスロットル装置1は、金属製のスロットルボデー2に備えられた吸気通路4上に金属製で略円盤状の弁体52が回動可能な状態で配置されている。弁体52は棒状の弁軸51に対して固定されており、弁軸51を回転させることにより弁体52を回転させることが可能となる。弁軸51の一端側はスロットルギヤ21に差し込まれており、弁軸51とスロットルギヤ21は相対移動不能に固定されている。この弁軸51は、スロットルボデー2に取り付けられたベアリング71により回転可能に支えられている。
スロットルボデー2には電動のモータ22が取り付けられている。モータ22は棒状のモータ軸の先端側に歯車22aが備えられている。この歯車22aは大歯車部231と小歯車部232を備える二段歯車により形成される中間ギヤ23と噛み合うものであり、特に大歯車部231と歯車22aが噛み合うように構成されている。二段歯車の小歯車部232はスロットルギヤ21と噛み合うように配置されており、モータ軸の回転速度よりもゆっくりとスロットルギヤ21が回転することを可能としている。なお、モータ軸の回転方向を変えれば、弁体52の回転方向も変わることになる。
吸気通路4内を移動する空気の流れに対して直交するように弁体52が位置する状態は全閉状態である。本実施例のスロットル装置1は、モータ22に電気が通じていない状態において、全閉状態とならないように構成されている。具体的には、モータ22に電気が通じていない状態においては、全閉状態から弁体52が少し傾いた状態となるように構成している。この状態を本明細書ではデフォルト状態と呼ぶ。デフォルト状態においては、少量の空気が吸気通路4内を通気可能な状態となる。
モータ22に電気が通じていない場合にデフォルト状態とすることを可能とするため、本実施例のスロットル装置1にはスプリング6を備えている。スプリング6はデフォルト状態とは異なる状態である場合にデフォルト状態に付勢することを可能とするものである。スプリング6の付勢力は、モータ22に通電されている状態(モータ軸をコントロールできる状態)ではスプリング6によりデフォルト状態にすることはできないが、モータ22への通電が途切れた場合にスプリング6の復元力を利用してデフォルト状態にすることが可能なように選定されている。
本実施例のスプリング6はデフォルト状態から弁体52が開いている状態であっても閉じている状態であっても、一つのスプリング6でデフォルト状態に戻すことが可能なものである。このスプリング6は、スプリング6を巻回す方向を途中で変えるものであり、スプリング6の一端であるギヤ側端部61がスロットルギヤ21に備えられたギヤ係止部212に接続され、他端であるボデー側端部62がスロットルボデー2に備えられたボデー係止部(図示せず)に接続されるものである。スプリング6の巻回方向を変える部分は、スプリング6の外径より外方に突出するように形成されており、スロットルギヤ21に備えられたフックストッパ213に引掛けられるフック部63としてU字状に形成されている。なお、ギヤ側端部61もボデー側端部62もスプリング6の外径より外方に突出するように形成されている。
本実施の形態のスプリング6は、力が加えられていない状態においては、ギヤ側端部61とフック部63との間に位置する螺旋部64の外径及び内径は略一様に形成されている(図4参照)。またボデー側端部62とフック部63との間に位置する第二螺旋部65の外径及び内径も略一様に形成されている。なお、図示はしないが、スロットルギヤ21に取り付けたスプリング6は、螺旋部64の内径が小さくなるように捩じられている。
ところで、本実施例のスプリング6の内側であって弁軸51が差し込まれる部位の周囲には、弁軸51の外周を囲うようにスロットルギヤガイド部211が設けられている(図3及び図4参照)。スロットルギヤガイド部211は、その外周側に配置されるガイド部材24と摺動可能な部位であり、円筒状に設けられている。円筒状のスロットルギヤガイド部211はスロットルギヤ21において弁体52側に突出するように形成されている。スロットルギヤガイド部211の外周側に位置する円筒状のガイド部材24は、スロットルギヤガイド部211の外径よりも大きい内径を有するように構成されており、スロットルギヤガイド部211とガイド部材24がスムーズに摺動できるように構成されている。
ガイド部材24の外周側に配置されたスプリング6の内径はガイド部材24の外径よりも大きく形成されている。特に、スロットル装置1にスプリング6が取り付けられた状態において、弁体52がとりうるいずれの位置においても、スプリング6の内径よりもガイド部材24の外径のほうが小さくなるように構成されている。
本実施例のスロットル装置1においては、スロットルギヤ21及び弁体52を動かすための各部品を取り付けた後、スロットルギヤ21などを覆うギヤケースカバー3が取り付けられる。このギヤケースカバー3には、スロットルギヤ21の移動範囲を規制するストッパ部31が形成されている。ストッパ部31はデフォルト状態から開くように動いた弁体52が所定以上、同方向に向けて回転しないようにするために形成されている。逆に言うと、スロットルボデー2にギヤケースカバー3が取り付けられていない状態においては、スロットルギヤ21はデフォルト状態から開くように動いた弁体52は、十分に吸気通路4を開放した状態を超えて動き続けることが可能となるように構成されている。
本実施例のスロットル装置1のデフォルト状態における断面図が図5には示されており、この状態から矢印で示したようにスロットルギヤ21が回転することで、スロットルギヤ21とストッパ部31は当接することになる。このストッパ部31は吸気通路4内を空気が十分に通過することが可能な位置でスロットルギヤ21の進行を停止可能なように構成している。なお、スロットルギヤ21とストッパ部31は平面同士が当接するように構成されており、当接する部位の面積を十分に確保している。このため、スロットルギヤ21とストッパ部31が当接する場合にも、局所的に荷重がかかることが抑制されている。
本実施例のスロットルギヤ21は一部がスロットルボデー2の内側に位置しており、それ以外の部位がスロットルボデー2から飛び出すように配置されている。そこで、本実施例においては、ギヤケースカバー3をスロットルボデー2に取り付けた際、ストッパ部31の一部がスロットルボデー2の内側に入り込むように構成している。このようにすることにより、ストッパ部31とスロットルギヤ21とが当接する面積を確保している。
本実施例のスロットル装置1は、ガイド部材24を設けることにより、スプリング6に比して摺動部分の接触面積を大きくすることが可能となるため、局所的に荷重が掛けられることを抑制可能となる。したがって、摺動面が荒れることを抑制可能と成り得る。
本実施例のスロットル装置1のストッパ部31は、弁を開いた状態で当接可能である。開いた状態の弁は、多少開度が異なっていても、通気量に与える影響は比較的小さい。したがって、弁の開度に厳密さが求められない。このため、組み付け後にストッパ部31の位置を調整する必要がなく、ストッパ部31をギヤケースカバー3と相対的に移動可能にする必要性がない。したがって、ギヤケースカバー3を射出成形する際にストッパ部31を同時に形成しても必要な機能を果たす。
本実施例のスロットル装置1は、樹脂を用いて形成されたスロットルギヤ21が、樹脂を用いて形成されたギヤケースカバー3に当接する構成である。スロットルギヤ21とギヤケースカバー3が同様な硬度の素材で形成可能であるため、部品が破損し易くなることを回避可能としている。また、樹脂で形成されたギヤケースカバー3にストッパ部31を形成しているため、金属で形成されたスロットルボデー2にストッパ部31を形成するよりも軽量化が可能と成り得る。
本実施例のスロットル装置1は、スプリング6からの弾性力に抵抗しながらギヤスロットルをスロットルボデー2側に取り付けることになる。ギヤスロットルの取り付け作業は、このような負荷がかかる作業であるため、スロットルボデー2側の空間を確保することで、効果的に作業性を高めることが可能となる。
以上、一つの実施例を用いて実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態のほか、その他各種の形態で実施可能なものである。例えば、ギヤケースカバーに形成したストッパ部は、スロットルボデーの内部に侵入可能なように形成する必要性は無い。例えば、スロットルギヤがスロットルボデーからはみ出すように配置されていれば、はみ出している部分のみをストッパ部と当接させることも可能である。
スロットルギヤを付勢するスプリングは必ずしも一本のみで形成されている必要性は無く、複数本のスプリングを使用することも可能である。例えば、ギヤ側端部とフック部との間に一本のスプリングを配置し、フック部とボデー側端部との間に別のスプリングを配置することも可能である。
本実施例では弁体を全閉とした状態を超えて弁体が移動することを抑制させるストッパ部は形成していないが、当該目的のためにストッパ部(全閉ストッパ部)を形成することも可能である。この様な目的で利用するストッパ部はスロットルボデーに形成しても良いし、ギヤケースカバーに形成しても良い。
また、乗物としては、車両であることに限らず、飛行機やヘリコプターなど空中を飛行する乗物や、船舶や潜水艇など海面や海中などを移動する乗物としてもよい。
1 スロットル装置
2 スロットルボデー
3 ギヤケースカバー
5 弁
6 スプリング
21 スロットルギヤ
31 ストッパ部

Claims (1)

  1. 吸気通路を有するスロットルボデーと、
    吸気通路に回転可能に備えられる弁体と、
    スロットルボデーに回転可能に設けられかつ弁体が固定された弁軸と、
    弁軸に固定されたスロットルギヤと、
    スロットルギヤを回転させるモータと、
    スロットルボデーに取り付けられ、スロットルギヤを覆うギヤケースカバーと、を備えるスロットル装置であって、
    スロットルギヤと当接することにより弁軸と共に弁体の開く方向へ移動する範囲を規制可能なストッパ部をギヤケースカバーに備えたスロットル装置。
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