JP5256135B2 - 吸気装置用バルブの構造 - Google Patents

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Description

本発明は、吸気装置用バルブの構造に係り、特に、内燃機関の吸気装置の吸気通路に開閉可能に組み付けられたバルブの構造に関する。
従来、内燃機関用吸気装置の軽量化やコストダウンを図るために、吸気通路を開閉制御するバルブを合成樹脂で形成したバルブが知られている。また、このような合成樹脂製のバルブは、金属製のバルブに比べて剛性に乏しいため、図5に示すようにバルブの軸部111に金属製のシャフト121を圧入したり、金属製のシャフト121をインサート成形で一体に形成することで、バルブの剛性を確保する構造が知られている。
また、このようなバルブは、軸部111の外周面を軸受として用いることが多いため、シャフト121を軸部111に形成された孔113に圧入すると、軸部111の外径寸法が拡径するなどして変形してしまい、バルブの吸気通路との軸受部の面圧が上がり、バルブの円滑な回動を妨げるといった問題があった。
このような問題を解決するため、軸部の外径変形を防止することができるシャフトの圧入構造が知られている。
特開2007−85191号公報
特許文献1に記載されたバルブ開閉装置は、樹脂製のハウジングの内部に開閉自在に組み込まれた樹脂製のバルブに、ハウジングを軸受として摺動する軸受け部を設け、この軸受け部の半径方向の内径側以外に、シャフトを圧入する圧入部を設けた構造となっている。このような構造を採用することで、仮にバルブの貫通孔の内部を貫通するようにシャフトを挿入した場合であっても、軸受け部の半径方向の内周側には圧入部が設けられていないので、バルブの軸受け部の外径変形を抑制することができる。
しかしながら、上述した従来のシャフトの圧入構成によると、樹脂の孔にシャフトを圧入するために、孔の形状の高い精度が要求され、該孔にシャフトを正確な位置まで圧入することは、時間のかかる工程を必要とすることから、組み付け工程が複雑となり、結果的にコストダウンを図ることが難しいといった問題があった。また、引用文献1に記載された発明のように軸受け部に非圧入部を設けると、バルブの剛性が低下してしまうといった問題もあった。さらに、従来のバルブは、樹脂で形成された軸受け部によってバルブを回動可能に組み付けているので、バルブの回動に伴って、軸受け部が磨耗してしまうといった問題もあった。
そこで、本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、より単純な構成で、バルブの剛性を低下させることなく、軸受け部の外径寸法を高い精度で維持することができ、且つ、バルブの剛性を確保する補強部をバルブに容易に組み付けることができる吸気装置用バルブの構造を提供することを目的とする。
本発明に係る吸気装置用バルブの構造は、長手方向に延びる軸と、前記軸の長手方向と直交する方向に突出すると共に、前記軸の長手方向に沿って形成された弁部を備え、前記軸及び前記弁部は合成樹脂で形成され、前記軸の長手方向に沿って金属製の補強部が設けられた吸気装置用バルブの構造において、前記補強部は、前記軸の外周面に被着される筒部材によって形成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る吸気装置用バルブの構造において、前記筒部材は、前記軸の軸方向に沿った切欠が形成されていると好適である。
また、本発明に係る吸気装置用バルブの構造において、前記筒部材は、前記軸の外周面に圧入することにより、被着されると好適である。
また、本発明に係る吸気装置用バルブの構造において、前記筒部材は、前記軸に組み付けられた後、前記筒部材の一部をかしめることにより、被着されると好適である。
また、本発明に係る吸気装置用バルブの構造は、内燃機関のインテークマニホールド用バルブとして用いることができる。
また、本発明に係る吸気装置用バルブの構造は、内燃機関のエアクリーナ用バルブとして用いることができる。
上記発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた発明となり得る。
本発明に係る吸気装置用バルブの構造は、軸の長手方向に沿って取り付けられた金属製の補強部が、軸の外周面に被着される筒部材で形成されているので、該補強部を軸部に組みつけても、軸受け部の外径寸法が変化することがないので、より単純な構造でバルブの剛性を低下させることなく、軸受け部の外径寸法を高い精度で維持することができ、且つ、筒部材をバルブに容易に組み付けることができる。
また、本発明に係る吸気装置用バルブの構造は、筒部材に軸の長手方向に沿った切欠が形成されているので、該切欠に弁部を挿通することができ、容易に軸部の外周面に筒部材を被着させることができる。さらに、筒部材に軸方向に延びる切欠が形成されているので、筒部材のスプリング作用によって、組み付け時には筒部材を拡径させるように変形させることができるので、容易に筒部材を軸部の外周面に被着することができると共に、組み付け後は、確実に軸部の外周面に筒部材を被着させることができる。
また、本発明に係る吸気装置用バルブの構造は、筒部材を軸の外周面に圧入することにより被着させているので、容易に筒部材の組み付け作業を行うことができる。
また、本発明に係る吸気装置用バルブの構造は、筒部材を軸に組み付けた後、筒部材の一部をかしめることによって、筒部材を軸の外周面に被着しているので、容易に筒部材の組み付け作業を行うことができる。
また、本発明に係る吸気装置用バルブの構造を、内燃機関のインテークマニホールド用のバルブとして用いれば、内燃機関のインテークマニホールドのコスト低下を図ることができる。
また、本発明に係る吸気装置用バルブの構造を、内燃機関のエアクリーナ用のバルブとして用いれば、内燃機関のエアクリーナ用のコスト低下を図ることができる。
本実施形態に係る吸気装置用バルブの構造の概要を説明するための斜視図。 本実施形態に係る吸気装置用バルブの構造の構成を説明するための分解図。 本実施形態に係る吸気装置用バルブの構造を備えたバルブを内燃機関の吸気通路に組み付けられた状態を説明するための断面図。 本実施形態に係る吸気装置用バルブの構造の変形例を説明するための図。 従来の吸気装置用バルブの構造を説明するための図。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係る吸気装置用バルブの構造の概要を説明するための斜視図であり、図2は、本実施形態に係る吸気装置用バルブの構造の構成を説明するための分解図であり、図3は、本実施形態に係る吸気装置用バルブの構造を備えたバルブを内燃機関の吸気通路に組み付けられた状態を説明するための断面図であり、図4は、本実施形態に係る吸気装置用バルブの構造の変形例を説明するための図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る吸気装置用バルブの構造を備えたバルブ1は、長手方向に延びる軸11と、該軸11の長手方向と直交する方向に突出すると共に、前記軸の長手方向に沿って形成された薄板状の弁部12を備えている。また、軸11の外周面には、金属製の筒部材21が被着されており、この筒部材21が従来のシャフト121に相当するバルブ1の補強部としての機能を有している。なお、軸11及び弁部12は、ポリプロピレン等の合成樹脂で形成されるとともに、一体に形成されている。
また、筒部材21は、軸方向に沿った断面が略C字状に形成されており、軸の軸方向に沿った切欠22が形成されている。さらに、図1に示すように、切欠22に弁部12を挿通するように組み付けることで、軸11の外周面に筒部材21を被着することができるようになっている。なお、筒部材21は、どのような金属で形成しても構わないが、ステンレス合金を用いることが望ましい。
また、図2に示すように、筒部材21は、軸11の軸方向Lに沿って、軸11の一方端から圧入される。この際、筒部材21は、上述したように、断面が略C字状に形成されているので、筒部材21が径方向に伸縮可能なスプリング作用を有している。このスプリング作用によって、圧入の際に筒部材21が径方向に拡径して軸11に圧入することができるので、従来のように、孔にシャフトを圧入するといった作業と比較して補強部としての筒部材21を容易に圧入することが可能となり、補強部の圧入作業を改善することができる。また、筒部材21のスプリング作用は、圧入後には軸11の外周面に確実に被着される保持力として作用する。
さらに、筒部材21は、切欠22に弁部12を挿通して圧入されているので、該切欠22が弁部12と係合して、確実にロックすることができる。また、この係合により、筒部材21が軸11に対して相対的に回動することを防止している。
また、本実施形態に係る吸気装置用バルブの構造を備えたバルブ1において、筒部材21は、軸11に圧入して被着させる場合について説明したが、筒部材21の組み付け方法は、これに限定されず、例えば、筒部材21の内径寸法を軸11の外径寸法よりも若干大きく形成し、軸11に筒部材21を組み付けた後、筒部材21の一部をかしめることで、筒部材21を軸11に被着しても構わない。この場合、かしめる位置は、後述する軸受け部23を避けることが望ましい。
次に、図3を参照して、本実施形態に係る吸気装置用バルブの構造を備えたバルブ1の取付方法について説明する。
図3は、本実施形態に係る吸気装置用バルブの構造を備えたバルブ1を車両等の内燃機関の吸気装置であるインテークマニホールド30に適用した場合の取付状態を示す断面図である。
インテークマニホールド30は、エアクリーナ(図示せず)から導入された吸入空気をガソリンなどの燃料と混合して内燃機関に供給する過程で、エアクリーナから導入された吸入空気を内燃機関の吸気口に分配して導く吸気通路31を構成する部材である。
本実施形態に係る吸気装置用バルブの構造を備えたバルブ1は、該吸気通路31を開閉するように回動可能に組み付けられており、具体的には、吸気通路31の内壁面に形成された凹部32に、筒部材21の両端に形成された軸受け部23が係合しており、凹部32と軸受け部23とが摺動することで、筒部材21と共に軸11を回動可能に組み付けられている。また、このバルブ1の回動によって、弁部12の位置を制御することで、吸気通路31の開口面積を制御して、吸入空気の量を調整することができるようになっている。なお、バルブ1の回動は、図示しない電動モータなどによって駆動可能に形成されている。この電動モータは、内燃機関の制御装置によって制御されており、車両の各所に設けられたセンサーから得られた情報を基に、内燃機関の運転状況に応じて適切な吸入空気の量に調整することができるようになっている。
また、軸受け部23は、金属製の筒部材21で形成されているので、合成樹脂で軸受け部を形成した場合と比較して、バルブ1の回動に伴って軸受け部23が磨耗するといった問題が生じることがない。なお、軸受け部23は凹部32と摺動性を向上させるために、メッキ処理や研磨処理などの表面処理を施すこともできる。
以上説明したように、本実施形態に係る吸気装置用バルブの構造を備えたバルブ1は、軸11の長手方向に沿って取り付けられた金属製の補強部が、軸11の外周面に被着される筒部材21で形成されているので、該補強部を軸部11に組みつけても、軸受け部23の外径寸法が変化することがないので、より単純な構造でバルブ1の剛性を低下させることなく、軸受け部23の外径寸法を高い精度で維持することができ、且つ、筒部材21をバルブ1に容易に組み付けることができる。
なお、本実施形態においては、筒部材21が円筒状である場合について説明したが、図4に示すように、断面矩形状の管材24を用いて形成しても構わない。また、このような管材24を用いた場合には、バルブが回動して吸気通路を開閉する場合のほか、バルブを軸方向に摺動可能に組み付けて吸気通路を開閉するといった組み付け方法にも採用することができる。
また、本実施形態においては、バルブ1を内燃機関のインテークマニホールドに適用した場合について説明したが、本実施形態に係る吸気装置用バルブの構造を備えたバルブ1は、この用途に限定されず、例えば、エアクリーナに適用してエアクリーナの吸気量を調整するバルブとして用いることもできる。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれうることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
1 バルブ
11,111 軸
12,112 弁部
21,24 補強部
22 切欠
23 軸受け部
30 インテークマニホールド
31 吸気通路
32 凹部
113 孔
121 シャフト

Claims (6)

  1. 長手方向に延びる軸と、
    前記軸の長手方向と直交する方向に突出すると共に、前記軸の長手方向に沿って形成された弁部を備え、
    前記軸及び前記弁部は合成樹脂で形成され、
    前記軸の長手方向に沿って金属製の補強部が設けられた吸気装置用バルブの構造において、
    前記補強部は、前記軸の外周面に被着される筒部材によって形成されていることを特徴とする吸気装置用バルブの構造。
  2. 前記筒部材は、前記軸の軸方向に沿った切欠が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の吸気装置用バルブの構造。
  3. 前記筒部材は、前記軸の外周面に圧入することにより、被着されることを特徴とする請求項1または2に記載の吸気装置用バルブの構造。
  4. 前記筒部材は、前記軸に組み付けられた後、前記筒部材の一部をかしめることにより、被着されることを特徴とする請求項1または2に記載の吸気装置用バルブの構造。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載の吸気装置用バルブの構造を備えたバルブが、内燃機関のインテークマニホールド用バルブとして用いられることを特徴とする吸気装置用バルブの構造。
  6. 請求項1乃至4の何れか1項に記載の吸気装置用バルブの構造を備えたバルブが、内燃機関のエアクリーナ用バルブとして用いられることを特徴とする吸気装置用バルブの構造。
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