JP6456620B2 - 磁石 - Google Patents
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Description
その具体例の一つとして、マグネットクリップを挙げることができる。マグネットクリップは、磁石と、その磁石に固定された、バネ力によって所定の対象物(何らかの内容が手書きで、或いは印刷される等した紙が対象物の例となる。)を挟持することのできる、上記磁石に取付けられたクリップと、を備えている。マグネットクリップは、そのクリップで対象物を挟持した状態で、磁石を被吸着面に対して吸着させて使用することにより、対象物を着脱自在に被吸着面に対して固定する機能を有する。
そのような事態を防止するためには、マグネットクリップに含まれる磁石を異方性磁石にするなどして、磁石が持つ磁力を大きくすればよい。しかしながら、大きな磁力を持つ磁石は一般に非常に高価であり、マグネットクリップの如き、価格競争の激しい分野の商品に採用することはまず不可能である。
つまり、磁石が持つ吸着力を大きくしなくとも、磁石が被吸着面に対して滑り始める力を大きくすることを可能とする技術には、非常に大きな価値がある。
しかしながら、そのような技術は今のところ知られていない。
本願発明は、磁力を有するものに吸着される性質を有する所定の平面である被吸着面に対して吸着させられることが予定された平面である吸着面を有するものであり、磁力を有する磁石体と、前記吸着面の近傍に配されたものであり、前記磁石体の前記吸着面を含む平面から突出しており、且つ前記吸着面が前記被吸着面に吸着させられたときに、前記被吸着面に押圧されて潰れるような突出部を備えた、弾性を有している弾性体と、を備えてなる、磁石構造体である。
本願の磁石構造体は、平面である吸着面を有する磁力を持つ磁石体を有する。本願の磁石構造体は、この磁石体に加えて、弾性体を有している。弾性体は、磁石体の吸着面を含む平面から突出した突出部を持っている。弾性体は弾性を有しており、上述の突出部は、吸着面が被吸着面に吸着させられたときに、被吸着面に押圧されて潰れるようになっている。
この磁石構造体は、通常の磁石を使用するのと同様にして、磁石体が持つ磁力による吸着力によって被吸着面に対して吸着して用いる。磁石体の吸着面が被吸着面に吸着させられると、弾性体の、より正確に言うと突出部は被吸着面に押圧され、それにより弾性体が圧縮される。
ある平面に載置されている物体にその平面に平行な力を加えると、よく知られているように、その平面とその物体の間には摩擦力が生じる。平面と物体の双方が金属等の硬い物体である場合には、それらの間に働く摩擦力は、クーロンの法則にしたがう凝着摩擦力と呼ばれるものである。他方、その物体がゴムを始めとする弾性体である場合には、平面と物体の間には、変形損失摩擦力と、掘り起し摩擦力が働く。大雑把にいえば、変形損失摩擦力と、掘り起し摩擦力は、平面の表面に存在する微小な凹凸に弾性体が入り込むことによって生じる摩擦力であり、弾性体の弾性が大きければ大きいほど大きくなる。この磁石構造体は、凝着摩擦力に加え、それとは機序の異なる変形損失摩擦力、及び掘り起し摩擦力を摩擦力として用いることにより、被吸着面に対する滑りを抑制するものである。しかも、この磁石構造体は、磁石体の磁力が通常の磁石と同じであれば、より被吸着面に対して滑りにくくなり、また被吸着面に対する滑りにくさを従来の磁石と同じにするのであれば、磁石体の磁力は従来の磁石よりも弱くて良い。
つまり、この磁石構造体は、磁石体が持つ磁力による吸着力を大きくしなくとも、被吸着面に対して滑りにくくなるようにするものである。
なお、本願における「吸着」の語は、必ずしも磁石体の吸着面が、被吸着面に当接した状態のみを意味するものではなく、磁石体の吸着面と、被吸着面とが近接した、或いは僅かな隙間を持った状態で、磁石体が吸着面と着脱自在に固定された状態をも含むものである。ある種の磁石は、例えば、ある平面にその縁が乗るような凹部を有する例えば金属製のケースの凹部に磁石体を嵌め込んでなるが、磁石全体が凹部の中に完全に嵌り込んでおり、その平面である吸着面が凹部の縁がのる上述の平面よりも僅かに後方に位置するようになっている。そのような磁石においては、磁石乃至磁石体を吸着面に吸着させた状態では、凹部の縁が被吸着面に当接するものの、磁石体の吸着面は被吸着面に当接しない。しかしながら、磁石体の吸着面が被吸着面に当接しなくとも、磁石体は被吸着面に対して固定されるのである。このような構成は、従来から存在するマグネットクリップの磁石体に典型的に見られる。
また、本願発明において、磁石体の吸着面を含む平面から弾性体の突出部が突出するというのは、磁石体の吸着面を被吸着面と平行を保ちつつ被吸着面に吸着させる際に、磁石体の吸着面よりも弾性体の突出部が先に被吸着面に接触するようになっている、ということを意味する。そのように構成されている限りにおいて、突出部の形状は不問である。
また、上述のように、前記弾性体の弾性が大きければ大きいほど、磁石構造体は被吸着面に対して滑りにくくなる。弾性体は、そのヤング率が、例えば、40MPaより小さいものとすることができる。弾性体をこの程度の弾性率を持つものとすれば、汎用の磁石体と弾性体とを組合せた磁石構造体で、被吸着面に対する滑り止めの効果を十分に得られる。
弾性体の持つ弾性は、弾性体がゴムである場合、その硬度が、Hs70度より小さい範囲とすることができる。ヤング率が40MPaよりも小さいという上述の条件は、弾性体がゴムである場合においては、硬度がHs70度よりも小さいというのと略同義である。弾性体をこの範囲の弾性を持つものにすることにより、汎用の磁石体と弾性体とを組合せた磁石構造体で、被吸着面に対する滑り止めの効果を十分に得られるようになる。
また、素材の如何によらず、前記弾性体は、スポンジ状とすることもできる。スポンジ状の構造を採用することによって、弾性体の弾性を適切に変化させることが可能となるし、またそれが有する細かな凹凸によって、被吸着面に対する滑りにくさが増すことも期待できる。
磁石構造体が本体を備える場合、前記本体は、仮想の平面である仮想面上に乗る環状の縁を有する穴を備えていてもよい。この場合、前記磁石体と、前記弾性体とは、平面である前記吸着面が前記仮想面に一致するか前記仮想面から僅かに後方に位置し、且つ前記突出部が前記仮想面から突出するようにして、前記穴の内部に嵌めこまれていても良い。本体の穴の中に弾性体を嵌めることにより、弾性体の側面が汚れたり、傷ついたりすることを避けられるようになるとともに、本体の穴に磁石を嵌め込むというのは従来から採用されていた手法であるから、磁石構造体の製造が困難になることもない。なお、一般に「穴」は有底のものを意味することが多いが、この場合の「穴」には、底のない孔も含まれる。また、穴はその側面の一部が開放されていても構わない。穴の一部が開放されている場合には、縁は穴の側面の一部が開放されている部分には存在しないこととなる。つまり、本願発明の縁は、必ずしも無端の環状である必要はない。
磁石の吸着面が仮想面に一致する場合には、被吸着面に吸着面が吸着した場合に、被吸着面と吸着面とが当接し、磁石の吸着面が仮想面から僅かに後方に位置する場合には、被吸着面に吸着面が吸着した場合に、被吸着面と吸着面とは当接しない(一般に、被吸着面に吸着面が吸着した場合に、両者の間隔は、0.5mm内外である。)。
磁石体と弾性体を本体にどのようにして固定するかは適宜選択することができる。磁石は、例えば、ネジ止めや接着により本体に対して固定することができる。弾性体は、例えば接着により本体に対して固定することができる。また、前記本体と前記弾性体の一方に凹部が、前記本体と前記弾性体の他方に凸部が設けられており、前記凹部に前記凸部を係止させることによって、前記本体に前記弾性体が固定的に取付けられている、という構成も採用しうる。このようにすれば、接着の工程を省略できるので、磁石構造体の製造コストを抑えられる。
例えば、前記押圧面は、前記磁石体の吸着面が被吸着面に吸着させられたときに、0.2mmより大きく後退するようになっていてもよい。本願の発明者が行った磁石構造体の試作品についての実験結果によれば、押圧面が、吸着面が被吸着面に吸着したときにその程度潰れるようになっていないと、滑り止めの効果が十分に発揮されない。
前記押圧面は、前記磁石体の吸着面が被吸着面に吸着させられたときに、0.2mmより大きく2mmより小さい範囲で後退するようになっていても良い。弾性部材を、前記磁石体の吸着面が被吸着面に吸着させられたときに、2mmよりも大きく後退させようとすると、弾性体をかなり柔らかな素材にするか、磁石体の磁力をかなり強くするか、或いはその双方を採用しないと、吸着面と押圧面とを面一にすることが難しくなり、滑り止めの効果を十分に発揮させることが難しくなる。弾性体を柔らかくしすぎるのは強度、耐久性に問題を生じやすく、磁石体の磁力を強くするのはコスト面の問題を生じやすい。
前記押圧面は、前記磁石体の吸着面が被吸着面に吸着させられたときに、0.2mmより大きく2mmより小さい範囲で後退するようになっていても良い。本願の発明者が行った磁石構造体の試作品についての実験結果によれば、押圧面がこの条件を満たすときに、滑り止めの効果が十分に発揮された。
或いは、前記弾性体は、前記吸着面を前記被吸着面に吸着させたときに、前記吸着面を前記被吸着面に吸着させていないときに比較して、その厚さが8%以上小さくなるようになっていても良い。このようにすると、滑り止めの効果がより良く発揮される。
前記弾性体は、前記吸着面を前記被吸着面に吸着させたときにおける前記磁石構造体の滑ることが予定された方向である滑り方向の磁石体に対する後側に設けられていてもよい。この位置に弾性体を配すると、他の位置に弾性体を設けた場合に比較して、滑り止めの効果が良く発揮される。
前記弾性体は、前記滑り方向と直交する向きを長手方向とする長尺の部材とされていてもよい。このようにすると、滑り方向に対して弾性体が傾くように回転することを防ぎやすくなり、滑り止めの効果を得やすくなる。
弾性体が押圧面を備えている場合、前記弾性体の前記押圧面には少なくとも一本の溝が設けられていても良い。弾性体の押圧面に溝を設けることにより、弾性体の押圧面が被吸着面に押付けられたときに溝が吸盤のように作用して、滑り止めの効果がより発揮されるようになる。
上述の溝は、上述の滑り方向に対して直交するようなものであってもよく、そうすることで、滑り止めの効果をより良く得られるようになる。つまり、前記押圧面には、前記吸着面を前記被吸着面に吸着させたときにおける前記磁石構造体の滑ることが予定された方向である滑り方向に対して直交する方向に、少なくとも一本の溝が設けられていても良い。
クリップを有する磁石構造体は、マグネットクリップとなる。箱を有する磁石構造体は、書面や小物を収納した箱を被吸着面に対して着脱自在に吸着させられるいわゆるマグネットボックスとなり、フックを有する磁石構造体は、洋服や絵画をそのフックで吊り下げることのできる被吸着面に対して着脱自在に吸着させられるいわゆるマグネットフックとなる。もっとも、本願の磁石構造体の用途はこれには限られない。
なお、各実施形態において、重複する対象には重複する符号を付すものとし、重複する説明は場合により省略するものとする。
また、以下の各実施形態で示されるマグネットクリップ、マグネットフック、及びマグネットボックスはいずれも、基本的には垂直とされた被吸着面に対して着脱自在に固定して用いられる。しかしながら、以下に説明するマグネットクリップ、マグネットフック、及びマグネットボックスに含まれる磁石構造体は、垂直面以外の被吸着面、例えば、水平面である被吸着面に対して着脱自在に固定して用いられるものであっても良い。
第1実施形態で説明するのは、マグネットクリップである。マグネットクリップは、紙などの挟持の対象となる対象物を挟持した状態で、磁力による吸着が可能とされた平面である被吸着面に、着脱自在に吸着させて用いられるものである。この実施形態におけるマグネットクリップは、基本的には従来からのマグネットクリップの構成をそのまま流用できる。この実施形態のマグネットクリップが従来のマグネットクリップと異なるのは、後述する弾性体を備えることと、弾性体を後述するベースに取付けるための構成を備えることである。
以下、図1〜図3を用いて、マグネットクリップの構造について説明する。
図1における、(a)は、マグネットクリップを左前方上側から見た状態を示す斜視図、(b)は、マグネットクリップを左後方上側から見た状態を示す斜視図、(c)は、マグネットクリップを左後方下側から見た状態を示す斜視図である。
図2における、(a−1)は、マグネットクリップの平面図、(a−2)は、マグネットクリップの左側面図、(b−1)は、図a−1におけるA−A断面図、(b−2)は、図a−1におけるB−B断面図、(b−3)は、図a−1におけるC−C断面図である。
図3は、マグネットクリップの分解斜視図である。
なお、この限りではないが、この実施形態のマグネットクリップは、後述する磁石体と弾性体を除いて、金属でできている。
ベース板110の左右の辺には、底面方向に曲折された側面板120が接続されている。両側面板120の図1における上下方向の高さはその前後方向のすべての部分で一定である。ベース板110の後方の辺には、底面方向に曲折された背面板130が接続されている。背面板130の図1における上下方向の高さはその左右方向のすべての部分で一定であり、且つ両側面板120の図1における上下方向の高さに等しい。
ベース板110と、背面板130とを接続する辺上には、それらに跨るようにして、孔である第2係止用孔131が穿たれている。
ベース板110の底面側には、ベース板110と、両側面板120と、背面板130に囲まれた空間が形成されている。この空間が本願でいう本体が有する「穴」であり、両側面板120と背面板130の図1における下端が、当該穴の「縁」である。穴の縁に相当する、両側面板120と背面板130の図1における下端は、ベース板110と平行な平面に共通して乗ることになる。この平面が、本願でいう仮想面である。
もっとも、磁石体300の前側面にその内側面を沿わせる背面板130と同形状の前面板をベース板110に設けることにより、上述の「縁」を環状にすることも可能である。
支持部113の図1における上側の部分には、これには限られないが円形の孔である支持孔113Aが設けられている。
磁石体300は磁石である。磁石体300は薄い直方体形状、言い換えれば板状の形状をしている。磁石体300の左右方向の幅は、両側面板120の間隔に略等しいか、それよりも僅かに小さい。また、磁石体300の前後方向の長さは、ベース板110の前後方向の長さよりも幾らか小さい。また、磁石体300の図1における上下方向の厚みは、両側面板120と、背面板130の図1における上下方向の高さに等しい。磁石体300の図1における下側の平面が、被吸着面に対して固定されることが予定された面である、本願で言う吸着面である。
磁石体300の中央付近には、断面円形の貫通孔である磁石孔320が穿たれている(図3)。磁石孔320は、ベース板110に設けられた固定用孔111に対応する位置に設けられている。磁石体300は、磁石孔320を貫通させた磁石孔320と略同径のネジ330(図3)の先端を、固定用孔111に螺合させて締め付けることによって、ネジ330の頭部331とベース板110との間で挟持されることにより、ベース板110に固定的に取付けられている。なお、磁石孔320の吸着面310側の一定の範囲は、ネジ330の頭部331を収納できる程度に大径にされているので、ネジ330の頭部331は、吸着面310よりも図1における下側に出っ張らないようになっている。
なお、ベース板110への磁石体300の固定方法はこれには限られない。例えば接着によって磁石体300をベース板110に固定することができる。
ベース板110に取付けられた磁石体300は、その左右の幅方向の両端を両側面板120の内側面に略当接させた状態となり、その背面と背面板130との間に幾らかの隙間が空いた状態となるようになっている。
ベース板110に固定された磁石体300の吸着面310は、上述した仮想面と一致した状態となっている。もっとも、吸着面310は、仮想面と一致していなくてもよく、仮想面の後側(図1における上側)に多少(例えば、0.5mm内外、より詳細には、0.2mm〜0.7mm程度)引っ込んでいても良い。
弾性体400の弾性は、例えば、そのヤング率が40MPaより小さい範囲であっても良い。また、弾性体がゴムである場合、その硬度は、Hs70度よりも小さくても良い。この実施形態では、これには限られないが、弾性体はゴムでできており、その硬度はHs40度程度である。
弾性体400は、その図1における上側の面の前側に、円柱形状の凸部である3つの第1係止用凸部410を備えており(図3)、当該面の後側に、直方体形状の凸部である2つの第2係止用凸部420を備えている。第1係止用凸部410の形状、大きさと位置とは、ベース板110に設けられている第1係止用孔112の形状、大きさと位置とに対応したものとされており、第2係止用凸部420の形状、大きさと位置とは、第2係止用孔131の形状、大きさと位置とに対応したものとされている。弾性体400は、3つの第1係止用凸部410を、それらと対応する位置にある3つの第1係止用孔112にそれぞれ挿入して係止させるとともに、2つの第2係止用凸部420を、それらと対応する位置にある2つの第2係止用孔131にそれぞれ挿入して係止させることによって、ベース板110に固定されている。
ベース板110に固定された状態では、弾性体400は、その両側面を両側面板120の内側面に沿わせた状態となるとともに、その前面を磁石体300の背面に沿わせ、且つその背面を背面板130に沿わせた状態となる。つまり、弾性体400は、磁石体300の背面と背面板130との間にできる、両側面板120に挟まれた上述の隙間にすっぽりと嵌り込んだ状態となる。この状態で、弾性体400の上述の仮想面から突出した部分(本願で言う弾性体400の突出部)は、その使用時においてマグネットクリップを被吸着面側から見た場合に、磁石体300の吸着面310とは重ならないようになっている。もっと言えば、弾性体400は、その使用時においてマグネットクリップを被吸着面側から見た場合に、磁石体300と重ならないようになっている。
なお、ベース板110への弾性体400の固定の方法はこれには限られない。例えば、接着によって、弾性体400をベース板110に固定することができる。また、ベース板110への弾性体400と磁石体300との取付け順序は、その先後を問わない。また、弾性体400は、例えば、磁石体300に固定することによって間接的にベース板110に固定されていても良い。
弾性体400の突出部は、弾性体400のうち、磁石体300の吸着面310から突出した部分であり、言い換えれば吸着面310が被吸着面に吸着されたときに潰れる部分である。つまり、吸着面310が仮想面よりも後側にあるのであれば、弾性体400のうち仮想面よりも前側の部分が突出部となる。
弾性体400の突出部は、弾性体400の図1における上下方向を厚さと定義した場合、必ずしもこの限りではないが、弾性体400の全体の厚さの4%以上、好ましくは8%以上を占めている。また、弾性体400の突出部の厚さは、0.2mmより大きく、好ましくは、0.2mmより大きく2mmより小さくなっている。更に好ましくは、突出部の厚さは、0.4mmより大きく1mmより小さくなっている。
押圧面430には、その左右の幅方向にわたる溝431が設けられている(図1(c)、図2(b−1)〜(b−3))。溝431は、必ずしもこの限りではないが、複数本であり、この実施形態では2本とされている。
ハンドル200は、その前後方向に向かって緩やかに湾曲した板であるハンドル板210を備えている。ハンドル板210の幅方向の両側には、支持部113に対する取付けをなすための板である、支持板220が、図1の下方に向けて伸びるようにして取付けられている。2つの支持板220の内側面の間隔は、2つの支持部113の外側面の間隔よりも若干大きくなっている。
両支持板220には、これには限られないが円形の孔であるハンドル孔221が設けられている。
ハンドル200は、図3に示した棒状体である軸棒500を用いてベース100に取付けられる。軸棒500は、円柱状形状の棒体510とその基端側の頭部520と、その先端側の棒体510よりも細くなっているその外周面にネジ切りのされたネジ部530とを備えている。
ハンドル200をベース100に取付けるには、2つの支持板220の内側面を、2つの支持部113の外側面に当接させるようにして、2つの支持板220で2つの支持部113を跨ぐようにする。そのとき、互いに当接する支持部113と支持板220において、支持部113に穿たれた支持孔113Aと、支持板220に穿たれたハンドル孔221との位置を一致させるようにする。その状態で、図3における手前側のハンドル孔221から順に、ハンドル孔221、支持孔113A、支持孔113A、ハンドル孔221の順に、軸棒500を貫通させる。軸棒500の先端のネジ部530には、その内周面にネジ溝が切られた穴611を持つ軸部610を有するものであり、頭部620を有するキャップネジ600が、穴610にネジ部530を貫通させた状態で螺合させられる。それにより、ハンドル200が持つ2つの支持板220は、軸棒500の頭部520と、キャップネジ600の頭部620とによって両外側からかしめられたような状態で、ベース100に取付けられることになる。
その状態でハンドル200は、軸棒500を軸として回転できることになる。
また、軸棒500でベース100とハンドル200とを互いに接続する場合においては、軸棒500に、トーションバネ700を貫通させる。トーションバネ700は、その一端側の第1端部710が、ベース板110の図1における上側の面に当接し、その他端側の第2端部720がハンドル板210の図1における下側の面に当接するようになっている(図2(b−1))。そして、トーションバネ700には、その第1端部710と第2端部720の間の狭い側の角度が、図2(b−1)に示された状態から狭められるようにねじられたときに、図2(b−1)に示した状態に復元するような力が働くようになっている。したがって、ハンドル200は、ハンドル板210の後端に、トーションバネ700からの弾性力に抗するような力を加えることによって、ハンドル板210の後端をベース100に近づけるように、軸棒500を中心とする回転により移動させることが可能であるが、その力を除いたときには、トーションバネ700からの弾性力によって、図2(b−1)に示された状態に復帰するようになっている。
つまり、ハンドル200は、ハンドル板210の前側の縁をベース100のベース板110に当接した状態を初期位置としつつも、ハンドル板210の後端に力を加えることにより、ハンドル板210の後端がベース板110に近づき、ハンドル板210の前側の縁をベース板110から離反させるようにして、軸棒500周りに回転させることができるようになっている。また、ハンドル200は、トーションバネ700からの弾性力によって、ハンドル200を回転させるために加えた上述の力を除いたときには、その初期位置に復帰するようになっている。
マグネットクリップを使用する場合には、まずベース100のベース板110とハンドル200のハンドル板210の間に、対象物を挟持する。これには限られないが、この実施形態では、対象物は、重ねられた複数枚の紙であるものとする。マグネットクリップで紙を挟持するには、ハンドル板210の後端に力を加えることにより、ハンドル200を軸棒500周りに回転させることによってハンドル板210の前側の縁をベース板110から離反させ、それにより開いたハンドル板210とベース板110との隙間に対象物を差し込む。次いでハンドル板210に加える力を除去すると、ハンドル200には、トーションバネ700からの弾性力によって、ハンドル板210の前側の縁をベース100のベース板110に当接した状態である初期位置に復帰しようとする力がはたらく。これにより、対象物は、ベース100のベース板110とハンドル200のハンドル板210との間で挟持される。
磁石体300の吸着面310が被吸着面Xに吸着させられる前の状態では、図4に示したように、弾性体400の押圧面430は、磁石体300の吸着面310よりも、吸着面310が被吸着面Xと平行を保っていることを前提とすれば、被吸着面X側に位置しており、吸着面310との間に段差Lを有している。
そして、磁石体300の吸着面310を被吸着面Xに吸着させると、図4(b)に示したように、弾性体400は、ベース100と被吸着面Xとの間で押し潰され、その押圧面430は、磁石体300の吸着面310と事実上面一となる。
マグネットクリップは、通常、図5に示したように、ベース100とハンドル200の前側を下向きにして、被吸着面Xに吸着させられる。したがって、マグネットクリップ及びそれに挟持された対象物Yには、通常、重力によって、図5における下向きの力がはたらく。つまり、マグネットクリップは、図5における下向きに滑ることが予定されている。その方向を滑り方向と定義すれば、弾性体400は、図4に示すように、磁石体300の吸着面310を被吸着面Xに吸着させたときにおける滑り方向に対する後側に設けられた状態となっている。また、弾性体400の押圧面430に、押圧面430の長さ方向に沿うようにして設けられた溝431は、滑り方向に直交した状態となっている。
このときマグネットクリップに力、例えば下向きの力がかかると、磁石体300の吸着面310と被吸着面Xとの間には、力のはたらく方向とは逆に凝着摩擦力が生じるとともに、弾性体400の押圧面430と被吸着面Xとの間には、力のはたらく方向とは逆に、凝着摩擦力、変形損失摩擦力、及び掘り起し摩擦力が生じる。
それにより、マグネットクリップは、しっかりと押圧面430に対して固定され、例えば下方に、滑りにくくなる。
また、弾性体400は下向きの力に対して、磁石体300の後側に位置し、また、下向きの力に対して直交する方向に長くなっているので、マグネットクリップには、弾性体400の右側又は左側が下がるような回転も生じにくい。
以上で説明したマグネットクリップを、図4における段差L(ただし、この場合のLは、吸着面310から押圧面430までの距離ではなく、仮想面から押圧面430までの距離である。)を変化させて複数試作し、試作したマグネットクリップを被吸着面に吸着させ、それぞれの滑りにくさがどの程度であるかの実験を行った。
試作したマグネットクリップの磁石体の吸着面310は仮想面から0.3mm後方に位置している。試作したマグネットクリップで用いた弾性体の素材はいずれも同じであり、そのヤング率が8.9MPa程度で、その硬度がHs40度程度のウレタンゴムである。また、各弾性体400のうちの仮想面よりも後側に存在する部分、言い換えれば、本願発明でいう「穴」に隠れた部分の厚さは4.3mmである。
マグネットクリップの滑りにくさの試験は、垂直に配置された塗装された鉄板の表面(ブックエンドの一部)を被吸着面Xとするとともに、被吸着面Xにマグネットクリップを吸着させ、被吸着面Xに吸着させられたマグネットクリップに対して、図5を用いて説明した滑り方向に力を加え、マグネットクリップを、静止した状態から被吸着面X上を幾らか滑らせることによって行った。記録を行ったのは、マグネットクリップが静止した状態から動き出した後におけるマグネットクリップの位置と、その位置においてマグネットクリップにかけていた力(マグネットクリップを移動させ続けるために必要となった力)である。
上述のマグネットクリップの位置とマグネットクリップにかけていた力の記録は、株式会社 島津製作所が製造販売する卓上形精密万能試験機であるSHIMADZU AGS−J(商標)を用いて行った。
表1に実験結果を示したマグネットクリップにおいては、上述の段差L=0mmであり、表2に実験結果を示したマグネットクリップにおいては、上述の段差L=0.2mmである。以下、表3に実験結果を示されたマグネットクリップ以降のマグネットクリップは、その段差が0.2mm刻みで大きくされており、表11に実験結果を示したマグネットクリップにおいては、上述の段差L=2mmである。
表1の実験結果においては、マグネットクリップは、略8.7Nの力を加えたときに動き出し(6mm前後のストロークが殆ど変化しないのに試験力が略垂直に上昇している部分ではマグネットクリップは動いておらず、その後グラフが略水平に移行した状態ではマグネットクリップは移動している。)、マグネットクリップをそのまま動かし続けるときに必要となった最大試験力も8.7Nであった。このとき、弾性体400は、マグネットクリップの磁石体300が被吸着面に吸着されても圧縮されないからその厚さが薄くなっていない。
同様に、段差L=0.2mmのマグネットクリップは、略9Nの力を加えたときに動き出し(6mm前後のストロークが殆ど変化しないのに試験力が略垂直に上昇している部分ではマグネットクリップは動いておらず、その後グラフが略水平に移行した状態ではマグネットクリップは移動している。)、マグネットクリップをそのまま動かし続けるときに必要となった最大荷重は9.1Nであった。
同様に、段差L=0.4mmのマグネットクリップは、略9Nの力を加えたときに動き出し、マグネットクリップをそのまま動かし続けるときに必要となった最大荷重は15.4Nであった。
そのようにして、段差L=2mmのマグネットクリップまで、最大試験力を順に調べて行った。
その結果をまとめたのが、図9に示した表12と表13である。
表12は、表1〜表11にその結果を示した各試験を試験1〜試験11として、各試験で得られた最大試験力(=マグネットクリップの被吸着面Xに対する吸着力に比例するマグネットクリップと被吸着面Xとの間の摩擦力)の数値を示したものであり、表13は、表12の内容をグラフ化したものである。
また、表12には、各マグネットクリップにおいて、磁石体の吸着面を被吸着面に吸着させた場合に、弾性体の厚さが元の厚さから何%薄くなるかを、圧縮率として記載している。例えば、L=0.2mmのマグネットクリップにおける弾性体400は、元の厚さが4.3mm(穴に隠れた厚さ)+0.2mm(段差L分の厚さ)=4.5mmであり、そのうち潰れて薄くなる分の厚さが段差L分の厚さである0.2mmであるから、0.2mm÷4.5mm×100=4.4%薄くなっている。同様に、L=0.4mmのマグネットクリップにおける弾性体400は、0.4mm÷(0.4mm+4.3mm)×100=8.5%だけ薄くなっている。他のマグネットクリップについても、同様の計算を行ってその圧縮率を求めた。
表12、表13から明らかなように、段差L=0mmのときの最大試験力は、段差L=0.2mm(圧縮率は4.4%)より大きいときの最大試験力に比べて、有意に小さい。その差は段差L=0.4mm(圧縮率は8.5%)より大きいときにより顕著になり、段差L=0.8mm(圧縮率=16%)の時点から緩やかに小さくなっているが、段差L=2(圧縮率は32%)になっても、最大試験力は、段差L=0mmのときよりも有意に大きく、且つ段差L=0.2mm(圧縮率は4.4%)のときよりも大きなままである。
特に、段差L=0.4mm(圧縮率は8.5%)から段差L=1(圧縮率は19%)の間の範囲では、段差L=0mmの場合に比べて、かなり最大試験力が大きくなっている。これは、段差がそのような範囲に収まっていれば、マグネットクリップが被吸着面Xに対して極めて滑りにくい、ということを表している。
第2実施形態で説明するのは、マグネットフックである。
マグネットフックは、洋服やバッグやキッチン用品などの係止の対象となる対象物をそのフックに係止した状態で、被吸着面に、着脱自在に吸着させて用いられるものである。この実施形態におけるマグネットフックは、基本的には従来からのマグネットフックの構成をそのまま流用できる。この実施形態のマグネットフックが従来のマグネットフックと異なるのは、後述する弾性体を備えることである。
以下、図10を用いて、マグネットフックの構造について説明する。
これには限られないが、この実施形態のベース100は、図10(a)のマグネットフックの斜視図に示したように、全体として薄い円筒形、或いは円板形状とされている。ベース100はベース板110を備えており、ベース板110の背面側の縁には、その幅がすべての部分で等しい側面板121の基端が接続されている。側面板121は、ベース板110の縁の全周に及んでいる。もっとも側面板121は存在しなくともよい。
ベース100の正面には、フック810が取付けられている。フック810は、それに対して対象物を係止することができれば足り、係止させる対象となる対象物の別に応じた適宜の構成を備えている。
側面板121の内側面と、ベース板110の背面で囲まれた空間が、第1実施形態でいう「穴」に相当し、また側面板121の先端である縁の全体が乗る面が、第1実施形態でいう「仮想面」である。
図10(b)の背面図、(c)の側断面図に示したように、マグネットフックのベース100が備える上述の穴には、磁石体300と弾性体400とが固定的に嵌めこまれている。第1実施形態の場合と同様に、磁石体300の吸着面310は仮想面に一致しており、弾性体400の押圧面430は仮想面から突出している。
磁石体300と、弾性体400は、その形状を除いて第1実施形態で説明したものと同じものとすることができる。またこの実施形態の磁石体300と、弾性体400は、例えば接着によって、ベース板110に固定されている。
このマグネットフックの使用方法は、通常のマグネットフックの使用方法と何ら変わることはない。磁石体300を、一般には垂直の被吸着面に吸着させて、マグネットフックは使用される。
第3実施形態で説明するのは、マグネットボックスである。
マグネットボックスは、小物やキッチン用品などの収納の対象となる対象物をそれが備える箱に収納した状態で、被吸着面に、着脱自在に吸着させて用いられるものである。この実施形態におけるマグネットボックスは、基本的には従来からのマグネットボックスの構成をそのまま流用できる。この実施形態のマグネットボックスが従来のマグネットボックスと異なるのは、後述する弾性体を備えることである。
以下、図11を用いて、マグネットボックスの構造について説明する。
ベース100は、ベース板110を備えている。この実施形態のベース板110は、これには限られないが矩形であり、樹脂製である。
ベース板110の背面側には、同幅の板を矩形に組んだ囲み板122の基端が2組取付けられている。なお、4枚で一組の囲み板122は一体物であってもよく、更にいえばベース板110と一体であっても良い。ベース板110の正面側には箱820が設けられている。箱820はその上面が開放しており、底がある。
4枚で一組とされた囲み板121の内周面と、ベース板110の背面で囲まれた空間が、第1実施形態でいう「穴」に相当し、また4枚で一組とされた囲み板122の先端である縁の全体が乗る面が、第1実施形態でいう「仮想面」である。なお、この実施形態では、「穴」は都合2組存在することになり、「仮想面」も2組存在することになる。2つの「仮想面」は、この実施形態では同一面上にある。なお、囲み板121はなくとも良い。
2つの穴にはそれぞれ、磁石体300と弾性体400とが固定的に嵌めこまれている。第1実施形態の場合と同様に、磁石体300の吸着面310は仮想面に一致しており、弾性体400の押圧面430は仮想面から突出している。
磁石体300と、弾性体400は、その形状を除いて第1実施形態で説明したものと同じものとすることができる。またこの実施形態の磁石体300と、弾性体400は、例えば接着によって、ベース板110に固定されている。
このマグネットボックスの使用方法は、通常のマグネットボックスの使用方法と何ら変わることはない。磁石体300を、一般には垂直の被吸着面に吸着させて、マグネットボックスは使用される。
110 ベース板
111 固定用孔
112 第1係止用孔
120 側面板
130 背面板
131 第2係止用孔
200 ハンドル
210 ハンドル板
220 支持板
300 磁石体
310 吸着面
400 弾性体
410 第1係止用凸部
420 第2係止用凸部
430 押圧面
431 溝
500 軸棒
700 トーションバネ
Claims (16)
- 磁力を有するものに吸着される性質を有する所定の平面である被吸着面に対して吸着させられることが予定された平面である吸着面を有するものであり、磁力を有する磁石体と、
前記吸着面の近傍に配されたものであり、前記磁石体の前記吸着面を含む平面から突出しており、且つ前記吸着面が前記被吸着面に吸着させられたときに、前記被吸着面に押圧されて潰れるような突出部を備えた、弾性を有している弾性体と、
を備えてなる磁石構造体であって、
前記弾性体の前記突出部は、前記吸着面と平行な平面である押圧面を有しており、
前記押圧面には、前記吸着面を前記被吸着面に吸着させたときにおける前記磁石構造体の滑ることが予定された方向である滑り方向に対して直交する方向に、少なくとも一本の溝が設けられている、
磁石構造体。 - 前記弾性体の弾性は、そのヤング率が40MPaよりも小さい、
請求項1記載の磁石構造体。 - 前記弾性体の素材は、ゴム、樹脂、又はシリコーンである、
請求項1記載の磁石構造体。 - 前記弾性体は、スポンジ状である、
請求項1記載の磁石構造体。 - 前記磁石体と、前記弾性体とは、それらを共に固定する本体に対して固定されている、
請求項1記載の磁石構造体。 - 前記本体は、仮想の平面である仮想面上に乗る環状の縁を有する穴を備えているとともに、
前記磁石体と、前記弾性体とは、平面である前記吸着面が前記仮想面に一致するか前記仮想面から僅かに後方に位置し、且つ前記突出部が前記仮想面から突出するようにして、前記穴の内部に嵌めこまれている、
請求項5記載の磁石構造体。 - 前記押圧面は、前記磁石体の吸着面が被吸着面に吸着させられたときに、0.2mmより大きく後退するようになっている、
請求項1記載の磁石構造体。 - 前記押圧面は、前記磁石体の吸着面が被吸着面に吸着させられたときに、0.2mmより大きく2mmより小さい範囲で後退するようになっている、
請求項1記載の磁石構造体。 - 前記押圧面は、前記磁石体の吸着面が被吸着面に吸着させられたときに、0.4mmより大きく1mmより小さい範囲で後退するようになっている、
請求項1記載の磁石構造体。 - 前記弾性体は、前記吸着面を前記被吸着面に吸着させたときに、前記吸着面を前記被吸着面に吸着させていないときに比較して、その厚さが4%以上小さくなるようになっている、
請求項1記載の磁石構造体。 - 前記弾性体は、前記吸着面を前記被吸着面に吸着させたときに、前記吸着面を前記被吸着面に吸着させていないときに比較して、その厚さが8%以上小さくなるようになっている、
請求項1記載の磁石構造体。 - 前記弾性体は、前記吸着面を前記被吸着面に吸着させたときにおける前記磁石構造体の滑ることが予定された方向である滑り方向の磁石体に対する後側に設けられている、
請求項1記載の磁石構造体。 - 前記弾性体は、前記滑り方向と直交する向きを長手方向とする長尺の部材とされている、
請求項1又は12記載の磁石構造体。 - 前記磁石体の前記吸着面と、前記弾性体の前記突出部とは、その使用時において前記被吸着面側から見た場合に重ならないようになっている、
請求項1記載の磁石構造体。 - 前記本体と前記弾性体の一方に凹部が、前記本体と前記弾性体の他方に凸部が設けられており、前記凹部に前記凸部を係止させることによって、前記本体に前記弾性体が固定的に取付けられている、
請求項5記載の磁石構造体。 - 前記本体には、所定の対象物を挟むことのできるクリップ、所定の対象物を収納することのできる箱、又は所定の対象物を係止することのできるフックのいずれかが設けられている、
請求項5記載の磁石構造体。
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