JP6309127B1 - ゴルフマーカーの保持具 - Google Patents

Abstract

【課題】 本発明は、帽子の庇のような厚手の被挟持部に保持具を確実に取り付けることが可能で、しかも、吸着させたゴルフマーカーを容易に取り外すことができるゴルフマーカーの保持具を提供しようとするものである。【解決手段】 保持具１は、ゴルフマーカー８と当接して磁石６の磁力でゴルフマーカー８を吸着させる当接面９を有し、その当接面９は、非金属であって且つ保持具本体２の材料である柔軟性及び可撓性を有する材料よりも摩擦係数の小さな易滑動面とされている。【選択図】 図２

Description

本発明は、ゴルフのプレー中に使用するゴルフマーカーを、磁力により磁着させて保持するゴルフマーカーの保持具に関する。

ゴルフマーカーを磁力により磁着させて保持するゴルフマーカーの保持具は、従来から存在している（例えば、特許文献１）。この保持具は、布，皮革又は合成皮革からなる裏材層と、いずれも軟質合成樹脂，皮革又は合成皮革からなる芯材層及び表材層とを重ね合わせて接着縫合した帯状主体を具備し、その帯状主体の両端部分に磁石板を取り付け、帯状主体を裏材層が内側になる状態で長さ方向中央部から折り重ねた状態において、表材層の上から磁石板へゴルフマーカーを吸着させる構成であり、ゴルフウエアのポケット側面やバンド及び帽子の庇等に帯状主体を取り付けて使用するものである。

登録実用新案第３１３８７８９号公報

前述した従来のゴルフマーカーの保持具は、皮革又は合成皮革からなる表材層の表面にゴルフマーカーを吸着するものである。この保持具をゴルフウエアのポケット側面に取り付けるときは、ポケット側面の厚みが薄いので、磁石の磁力を強力なものにしなくても、ほぼ確実に取り付けることが可能で、プレー中に保持具がポケットから外れる可能性は非常に小さい。ゴルフウエアのボタン孔を付けた場所である前立てに取り付ける場合も同様である。しかし、同じ磁力で帽子の庇に取り付けるときは、庇が厚手であるために磁石による吸着力が弱まり、プレー中に保持具が庇から外れる可能性が非常に高いのである。このため、帽子の庇用の保持具として構成の異なる保持具も存在する。その保持具は、例えば、磁石板を含んでＵ字形に曲げたクリップ状に形成されていて、全体が金属製であり、金属の強い弾性力で帽子の庇を挟むものである。このような保持具は、金属部分が錆びる虞があり、また、プレー中にゴルフマーカーを保持具に吸着させるときに、ゴルフマーカーが保持具に勢いよく衝突する金属音が耳の近くで発生し、プレーヤーに不快感を起こさせることもある。

したがって、特許文献１のような保持具を帽子の庇にも使用できるようにするためには、ネオジム磁石のような磁力の強力な磁石を用いれば、プレー中に保持具が帽子の庇から外れることを防止することができる。しかし、その反面、強力な磁石によって保持具に吸着されたゴルフマーカーは、容易に取り外すことができないのである。その場合、ゴルフマーカーが大きく形成されたものであって、保持具に吸着させた場合に、その保持具の周縁からはみ出す程度の大きさであれば、ゴルフマーカーのはみ出した縁部に指先を引っかけて何とか取り外すことができる。しかし、ゴルフマーカーが小さく形成され、保持具に吸着させた場合に、ゴルフマーカーがその保持具の周縁からはみ出さないときは、ゴルフマーカーに指先を引っかけることができず、取り外しに非常に手間がかかるのである。また、何とかゴルフマーカーを取り外すことができるものであっても、その保持具が帽子の庇に取り付けてあるときは、頭に帽子を被ったままでスムーズに取り外すことは困難であり、頭から帽子を取って、帽子を手に持ってゴルフマーカーを取り外さなければならない。

そこで、本発明は、帽子の庇のような厚手の被挟持部に保持具を確実に取り付けることが可能で、しかも、吸着させたゴルフマーカーを容易に取り外すことができるゴルフマーカーの保持具を提供しようとするものである。

請求項１記載の発明は、柔軟性及び可撓性を有する材料で二つ折り可能に形成された保持具本体を備え、保持具本体に磁石が取り付けられ、保持具本体を二つ折りにして被挟持体を挟むことにより、磁石の磁力によって被挟持体に固定されるものであり、保持具本体の一方の端部分に磁石が取り付けられ、他方の端部分に磁石に吸着可能な金属部材が取り付けられ、前記磁石及び金属部材は保持具本体の中に完全に包み込まれており、一方の端部分のみに磁石が取り付けられているときはその端部分に、両方の端部分に磁石が取り付けられているときは少なくとも一方の端部分に、ゴルフマーカーと当接して磁石の磁力でゴルフマーカーを吸着させる当接面を有し、その当接面は、非金属であり且つ前記柔軟性及び可撓性を有する材料よりも摩擦係数の小さな易滑動面とされているゴルフマーカーの保持具であって、保持具本体は、一対の挟持部とそれらの挟持部を連結するヒンジ部とを有し、前記挟持部は、長手方向にやや縦長に且つヒンジ部よりも肉厚に形成され、挟持部の端部寄りの内部に磁石が装着されており、
両挟持部の表面には、それぞれ、前記柔軟性及び可撓性を有する保持具本体の材料よりも摩擦係数の小さな材料で形成された薄板が取り付けられ、該薄板の表面は挟持部の表面よりも高い位置にある構成である。

請求項２記載の発明は、薄板が、接着又は粘着することにより取り付けられている構成である。

請求項３記載の発明は、薄板が、保持具本体の挟持部の表面よりもやや小さな相似形に形成されている構成である。

請求項４記載の発明は、金属部材が磁石であり、請求項５記載の発明は、すべての磁石がネオジム磁石である構成である。

本発明は、柔軟性及び可撓性を有する材料で二つ折り可能に形成された保持具本体を備え、保持具本体に磁石が取り付けられ、保持具本体を二つ折りにして被挟持体を挟むことにより、磁石の磁力によって被挟持体に固定されるものであり、保持具本体の一方の端部分に磁石が取り付けられ、他方の端部分に磁石に吸着可能な金属部材が取り付けられ、前記磁石及び金属部材は保持具本体の中に完全に包み込まれており、一方の端部分のみに磁石が取り付けられているときはその端部分に、両方の端部分に磁石が取り付けられているときは少なくとも一方の端部分に、ゴルフマーカーと当接して磁石の磁力でゴルフマーカーを吸着させる当接面を有し、その当接面は、非金属であり且つ前記柔軟性及び可撓性を有する材料よりも摩擦係数の小さな易滑動面とされているゴルフマーカーの保持具であって、保持具本体は、一対の挟持部とそれらの挟持部を連結するヒンジ部とを有し、前記挟持部は、長手方向にやや縦長に且つヒンジ部よりも肉厚に形成され、挟持部の端部寄りの内部に磁石が装着されており、両挟持部の表面には、それぞれ、前記柔軟性及び可撓性を有する保持具本体の材料よりも摩擦係数の小さな材料で形成された薄板が取り付けられ、該薄板の表面は挟持部の表面よりも高い位置にある。すなわち、本発明は、保持具の当接面に吸着されているゴルフマーカーを取り外すときに、ゴルフマーカーを当接面に対して垂直方向に引き離すように外すものではなく、保持具が当接面上を滑動するように移動させて取り外すものである。磁石を強磁性体である被吸着物に吸着させたときに、垂直方向に保持できる荷重を吸着力といい、ゴルフマーカーを当接面に対して垂直方向に引き離すときは、吸着力を超える力が必要となる。これに対して、磁石を強磁性体である被吸着物に吸着させたときに、水平方向に負荷をかけた際に滑り出す荷重を滑り荷重といい、この滑り荷重は吸着力のおよそ２０〜３０％であると言われている。したがって、ゴルフマーカーを当接面上で滑動させた方が保持具から取り外し易いのであるが、保持具本体が柔軟性及び可撓性を有する材料で形成されており、そのような材料は摩擦係数が非常に高いために、ゴルフマーカーを円滑に滑動させることができない。なお、本発明に使用されるゴルフマーカーは、強磁性体で形成されたものであって、例えば鉄の表面にニッケルメッキが施されている。

本発明は、当接面が、非金属で且つ柔軟性及び可撓性を有する材料よりも摩擦係数の小さな易滑動面とされているので、ゴルフマーカーを当接面上で容易に滑動させることができ、保持具から容易に取り外すことができる。また、磁石及び金属部材は、柔軟性及び可撓性を有する材料で形成された保持具本体の中に完全に包み込まれているので、不使用時に磁石及び金属部材にゴルフマーカーが直接吸着することがなく、引き離しが容易である。また、ゴルフマーカーを保持具に吸着させるときに、ゴルフマーカーが磁石に直接吸着されるものでないから、ゴルフマーカー８が薄板に勢いよく衝突するように吸着されても、金属音が発生しないのである。また、帽子の庇に取り付けた保持具が容易に外れないように固定するために、保持具には磁力の強い磁石が用いられるが、ネオジム磁石は特に磁力が強く、確実に固定することができる。

本発明を表面側から見た斜視図である。 ゴルフマーカーを吸着させた本発明の表面側から見た斜視図である。 本発明の表面側図。 図３におけるＡ−Ａ断面図である。 本発明を帽子の庇に取り付けた使用状態を示す斜視図である。

次に、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。図１に示すように、ゴルフマーカーの保持具１は、保持具本体２を備える。保持具本体２は、一対の挟持部３，３と、それらの挟持部３，３を連結するヒンジ部４とを有する。挟持部３，３は、長手方向にやや縦長に形成されている。また、保持具本体２は、柔軟性及び可撓性を有する材料であるシリコーン樹脂で一体に形成されている。材料がシリコーン樹脂に限定されないことは勿論であり、他の柔軟性及び可撓性を有する樹脂材料であってもよく、例えば、エラストマー、合成ゴム又は軟質ポリ塩化ビニル等の合成樹脂を用いてもよい。

保持具本体２は、その両挟持部３，３がヒンジ部４よりも肉厚に形成されている。それぞれの挟持部３，３の端部５，５寄りの内部に、すなわち、保持具本体２の端部分に、円形の磁石６，６が保持具本体２の中に完全に包み込まれた状態で装着されている。磁石６，６はネオジム磁石であるが、これに代えて磁力の強い他の磁石であっても差し支えない。また、一方の磁石６に代えて鉄等の強磁性体を用いてもよい。なお、磁石６，６の装着は、磁力を有しない金属部材を内包するように保持具本体２を射出成型し、次に、内包された金属部材に磁力を付与することにより磁石６，６としてもよい。

磁石６，６が保持具本体２の中に完全に包み込まれているので、不使用時に、保持具１が二つ折りにされた場合、磁石６，６が直接当接して吸着するのではなく、保持具本体２を構成する柔軟性及び可撓性を有する材料を介して吸着する。このために、使用時に二つ折りの保持具１を開くときに手間がかからない。仮に、磁石６，６がネオジム磁石である場合に、そのネオジム磁石を直接吸着させたときは、吸着力が強すぎて磁石同士を滑動させようとしても容易に滑動させることが困難で、手間がかかるのである。

両挟持部３，３の表面１０，１０には、それぞれ、保持具本体２の材料よりも摩擦係数の小さな材料であるＰＥＴ樹脂（ポリエチレンテレフタレート）で形成された薄板７，７が接着されている。薄板７，７は、保持具本体２の挟持部３，３の表面１０，１０よりもやや小さな相似形に形成されている。

薄板７，７の表面は滑らかに形成され、易滑動面とされている。この易滑動面が、ゴルフマーカー８と当接して磁石６，６の磁力でゴルフマーカー８を吸着させる当接面９，９となる。易滑動面ということは、保持具１を二つ折りにして挟持部３，３を吸着させ、表面に滑り止め効果のある凹凸等が形成されたゴルフマーカー８を当接面９に吸着させた状態で、挟持部３，３を２つの指で挟み持ち、指先でゴルフマーカー８を押さえ付けながら容易に滑動させることができる程度の滑動面ということである。前述したように、磁石の滑り荷重は吸着力のおよそ２０〜３０％であると言われており、この数値は、磁石と強磁性体とが吸着した場合の数値であり、前述したＰＥＴ樹脂の薄板７や、非金属であって且つ保持具本体２の材料よりも摩擦係数の小さな易滑動面が介在すれば、数値はさらに小さくなる。本発明は、磁石の滑り荷重と吸着力に著しい差がある性質を利用したものであって、ネオジム磁石のような強力な吸着力を有する磁石を使用した保持具１に吸着されたゴルフマーカー８を、保持具１からたやすく取り外すことができるようにしたものである。この結果、保持具１が帽子の庇に取り付けてあるときは、頭に帽子を被ったままでその保持具１をスムーズに取り外すことができる。

また、本発明の易滑動面は、仮に、磁石を外して磁力が作用しない状態でゴルフマーカー８を載せ、その易滑動面を水平に対して２０度以下の傾斜角の傾斜面としたときに、そのゴルフマーカー８が自然に下方へ滑動する程度の摩擦係数を有する滑動面であることが好ましい。１３度以下の傾斜角でゴルフマーカー８が滑動する程度の摩擦係数を有することが最も好ましい。また、２２度以下の傾斜角でゴルフマーカー８が下方へ滑動する程度の摩擦係数を有する滑動面であってもよい。なお、薄板７は、一方の挟持部３の表面１０にのみ接着されたものでもよく、他方の挟持部３の表面１０は、保持具本体２の材料がむき出しのままであってもよい。

ここで、本実施例のサイズについて説明すると、保持具１の全長は約８６ｍｍであり、挟持部３の長さは約３３ｍｍであり、挟持部３の最大幅は約２４ｍｍである。ヒンジ部４の長さは約２０ｍｍであり、その幅は一定で約２０ｍｍであり、厚みは約１ｍｍである。また、薄板７の厚みは約０．２ｍｍである。本発明が、これらの数値に限定されないことは勿論である。薄板７は、挟持部３の表面に接着されている。したがって、薄板７が、保持具本体２の挟持部３の表面１０よりもやや小さな相似形に形成されていても、薄板７の表面の当接面９は、薄板７の厚みの分だけ挟持部３の表面１０よりも高い位置にあるので、ゴルフマーカー８を当接面９上で滑動させても、ゴルフマーカー８の底面が挟持部３の表面１０に接することがなく、円滑に滑動させることができる。

前述した薄板７，７の材料がＰＥＴ樹脂に限定されないことは勿論であり、他の摩擦係数の小さな合成樹脂等であればよく、例えばＰＰ樹脂（ポリプロピレン）などであってもよい。

帽子の庇のような厚手の被挟持部に保持具を確実に取り付けることが可能で、しかも、吸着させたゴルフマーカーを容易に取り外すことができる。

１ 保持具、 ２ 保持具本体、 ３ 挟持部、 ４ ヒンジ部、 ５ 挟持部の端部、 ６ 磁石、 ７ 薄板、 ８ ゴルフマーカー、 ９ 当接面、 １０ 挟持部の表面

Claims (5)

1. 柔軟性及び可撓性を有する材料で二つ折り可能に形成された保持具本体を備え、保持具本体に磁石が取り付けられ、保持具本体を二つ折りにして被挟持体を挟むことにより、磁石の磁力によって被挟持体に固定されるものであり、保持具本体の一方の端部分に磁石が取り付けられ、他方の端部分に磁石に吸着可能な金属部材が取り付けられ、前記磁石及び金属部材は保持具本体の中に完全に包み込まれており、一方の端部分のみに磁石が取り付けられているときはその端部分に、両方の端部分に磁石が取り付けられているときは少なくとも一方の端部分に、ゴルフマーカーと当接して磁石の磁力でゴルフマーカーを吸着させる当接面を有し、その当接面は、非金属であり且つ前記柔軟性及び可撓性を有する材料よりも摩擦係数の小さな易滑動面とされているゴルフマーカーの保持具であって、
   保持具本体は、一対の挟持部とそれらの挟持部を連結するヒンジ部とを有し、前記挟持部は、長手方向にやや縦長に且つヒンジ部よりも肉厚に形成され、挟持部の端部寄りの内部に磁石が装着されており、
   両挟持部の表面には、それぞれ、前記柔軟性及び可撓性を有する保持具本体の材料よりも摩擦係数の小さな材料で形成された薄板が取り付けられ、該薄板の表面は挟持部の表面よりも高い位置にあることを特徴とするゴルフマーカーの保持具。
2. 薄板は、接着又は粘着することにより取り付けられている請求項１記載のゴルフマーカーの保持具。
3. 薄板は、保持具本体の挟持部の表面よりもやや小さな相似形に形成されている請求項１又は請求項２記載のゴルフマーカーの保持具。
4. 金属部材は磁石である請求項１乃至請求項３のいずれか一項記載のゴルフマーカーの保持具。
5. すべての磁石がネオジム磁石である請求項１乃至請求項４のいずれか一項記載のゴルフマーカーの保持具。
   
   

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