JP6456439B2 - スパッタ装置 - Google Patents

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本発明は、成膜ロールの表面に沿って搬送される長尺フィルム基材の表面に薄膜を形成するスパッタ装置に関する。
従来から、長尺フィルム基材を巻いた原反ロールと、長尺フィルム基材を沿わせる成膜ロールと、成膜ロールの表面に沿って搬送される長尺フィルム基材の表面に成膜材料を形成するターゲット材と、成膜ロールとターゲット材との間の成膜空間にガスを供給するガス供給機構と、成膜ロールの表面に沿って搬送された長尺フィルム基材を搬送方向下流側へ搬送する下流側搬送ロールと、下流側搬送ロールから搬送方向下流側へ搬送された長尺フィルム基材を巻き取る巻取りロールと、を真空チャンバー内に配置したスパッタ装置が使用されている(例えば、特許文献1の明細書第0012段落、明細書第0023段落、及び図1に示す。)。このスパッタ装置によりスパッタ処理された長尺フィルム基材は、タッチパネルの表面パネル等として使用される。
このスパッタ装置は、例えば、ポリエチレンテレフタレートから成る長尺フィルム基材が成膜ロールに沿って搬送されながら、インジウム・スズ合金をターゲットとして、アルゴンガスから成る不活性ガスとともに酸素ガスからなる反応性ガスが成膜空間に供給され、ターゲット材は長尺フィルム基材の表面に成膜材料を形成する。これにより、インジウム・スズ酸化物(ITO)薄膜が、長尺フィルム基材の表面に連続的に成膜されていく。
特開2003−328124号公報
ここで、長尺フィルム基材に成膜するためには、成膜ロールは、内蔵されたヒータによって60°C〜70°Cに加熱されている必要がある。このため、成膜ロールにおいて成膜された長尺フィルム基材が搬送方向下流側の下流側搬送ロールまで搬送されて長尺フィルム基材が成膜ロールから離脱した時に、下流側搬送ロールに接触している長尺フィルム基材は、下流側搬送ロールの温度近くまで急激に冷却される。例えば、下流側搬送ロールの温度が真空チャンバー内の室温と同一である場合、下流側搬送ロールへ搬送された長尺フィルム基材は、真空チャンバー内の室温近くまで急激に冷却される。
これにより、下流側搬送ロールまで搬送され急激に冷却された長尺フィルム基材が変形し、タッチパネルの表面パネル等として使用できない、又は、外観上好ましくないとう問題が生じることがある。特に、長尺フィルム基材の幅が大きい場合、又は長尺フィルム基材の線膨張係数が大きい場合には、このような問題が顕著に生じる。
本発明は、従来のスパッタ装置に上記のような問題があったことに鑑みて為された発明である。すなわち、本願発明は、成膜ロールから離脱し下流側搬送ロールまで送られる長尺フィルム基材が急激な冷却によって変形することのないスパッタ装置を提供することを目的とする。
成膜ロールの表面に沿って搬送される長尺フィルム基材の表面に薄膜を形成するスパッタ装置であり、
真空チャンバーと、
前記真空チャンバー内に回転可能に配置された前記成膜ロールと、
前記真空チャンバー内に配置され、成膜ロールの表面に沿って搬送される長尺フィルム基材の表面に成膜材料を形成するターゲット材と、
前記成膜ロールと前記ターゲット材との間の成膜空間にガスを供給するガス供給機構と、
前記真空チャンバー内において、前記成膜ロールに対して長尺フィルム基材の搬送方向下流側に配置され、前記成膜ロールの表面に沿って搬送された長尺フィルム基材を該搬送方向下流側へ搬送する複数の下流側搬送ロールと、
前記複数の下流側搬送ロールの中の少なくとも1本の温度を、80°C以下で前記真空チャンバー内の最低温度よりも高い範囲で、略一定に維持する温度調節機構と、
を備えたことを特徴とする。
下流側搬送ロールとは、成膜ロールよりも長尺フィルムの搬送方向下流側に配置された搬送ロールであって、駆動手段によって回転する駆動ロール及び自由回転可能なガイドロールを含む。真空チャンバー内の最低温度とは、真空チャンバー内に設置されたロール等の固体の温度又は真空チャンバー内に存する気体の温度の中で最低の温度である。
本発明に係るスパッタ装置は、前記スパッタ装置において、前記温度調節機構は、前記複数の下流側搬送ロールの中の2本以上の温度を略一定の各々の温度に維持することを特徴とする。
本発明に係るスパッタ装置は、前記スパッタ装置において、前記温度調節機構により温度を略一定に維持される2本以上の前記下流側搬送ロールは、前記搬送方向下流側へいくに従って、より低温に維持されることを特徴とする。
本発明に係るスパッタ装置は、前記スパッタ装置において、前記温度調節機構により温度を略一定に維持される前記下流側搬送ロールが中空部を有し、該温度調節機構は、該中空部内へ略一定温度の流体を供給する機構であることを特徴とする。
本発明に係るスパッタ装置は、前記スパッタ装置において、前記温度調節機構が、前記下流側搬送ロールの前記中空部内へ流体を導くロータリージョイント又はスイベルジョイントを有することを特徴とする。
本発明に係るスパッタ装置は、前記スパッタ装置において、前記温度調節機構により温度を略一定に維持される前記下流側搬送ロールが、駆動手段によって回転する駆動ロールであることを特徴とする。
本発明に係るスパッタ装置の場合、成膜ロールを離脱した長尺フィルム基材が、温度調節機構によって温度を略一定に維持される下流側搬送ロールに接触して冷却され、接触したその下流側搬送ロールより搬送方向下流側において更に冷却され、成膜ロールを離脱した長尺フィルム基材が段階的に冷却されていく。このため、成膜ロールを離脱した長尺フィルム基材は、急激に冷却されることはなく、変形することがない。
また、温度調節機構が複数の下流側搬送ロールの中の2個以上の温度を略一定に維持し、温度を略一定に維持される2個以上の下流側搬送ロールが搬送方向下流側へいくに従ってより低温に維持される場合、成膜ロールを離脱した長尺フィルム基材は、温度を略一定に維持される2個以上の下流側搬送ロールに接触することにより、多段階的に冷却されていく。このため、成膜ロールを離脱した長尺フィルム基材は、巻取ロールによって巻き取られるまでに、除除に冷却されるため、急激に冷却されることはなく、変形することがない。また、温度を略一定に維持される2個以上の下流側搬送ロールの温度が制御されることにより、成膜ロールを離脱した長尺フィルム基材の冷却状態は、長尺フィルム基材が変形しないように調節され得る。
また、温度調節機構により温度を略一定に維持される下流側搬送ロールが中空部を有し、温度調節機構が中空部内へ略一定温度の流体を供給する機構である場合、略筒状の下流側搬送ロールの中空部に温水等の流体を供給して下流側搬送ロールの温度を調整する。このため、下流側搬送ロールの中空部に設けたヒータによって下流側搬送ロールの温度を調整する場合に比して、下流側搬送ロールの温度をより正確に調節することが可能となる。これは、低圧の中空部内の気体と下流側搬送ロールの中空部の内壁との熱伝達効率よりも、流体と下流側搬送ロールの中空部の内壁との熱伝達効率が、高いことによる。
また、温度調節機構により温度を略一定に維持される下流側搬送ロールが、駆動手段によって回転する駆動ロールであり、温度調節機構が下流側搬送ロール中空部内へ略一定温度の流体を供給する機構である場合には、温度を略一定に維持される下流側搬送ロールが自由回転するガイドロールである場合と異なり、温度を略一定に維持される下流側搬送ロールが一定の回転数で回転することが不可能になることはない。すなわち、ガイドロールは駆動手段によって強制的に回転されないため、中空部に温水を供給されることにより重量が増加し、一定の回転数で回転することが不可能なことがある。これに対して、駆動ロールは、駆動手段によって強制的に回転させられるため、中空部に温水を供給されても、常に一定の回転数で回転する。
本発明に係るスパッタ装置の概略斜視図である。 本発明に係るスパッタ装置のロータリージョイント及び駆動ロールを示す断面図である。 本発明に係るスパッタ装置の温度調節機構を示す配管図である。 本発明に係るスパッタ装置の他の実施形態における温度調節機構を示す配管図である。 本発明に係るスパッタ装置の更に他の実施形態におけるロータリージョイント及び駆動ロールを示す断面図である。
次に、本発明の実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。図1において、符号10は、本発明に係るスパッタ装置である。
スパッタ装置10は、成膜ロール18の表面に沿って搬送される長尺フィルム基材16の表面に薄膜を形成するスパッタ装置10であり、真空チャンバー14と、真空チャンバー14内に回転可能に配置された前記成膜ロール18と、真空チャンバー14内に配置され、成膜ロール18の表面に沿って搬送される長尺フィルム基材16の表面に成膜材料を形成するターゲット材20と、成膜ロール18とターゲット材20との間の成膜空間22にガスを供給するガス供給機構24と、真空チャンバー14内において、成膜ロール18に対して長尺フィルム基材16の搬送方向下流側に配置され、成膜ロール18の表面に沿って搬送された長尺フィルム基材16を搬送方向下流側へ搬送する3個の駆動ロール(下流側搬送ロール)26(1)、26(2)、26(3)と、各駆動ロール26(1)、26(2)、26(3)の温度を略一定に維持する3個の温度調節機構30(1)、30(2)、30(3)と、を備えている。
以下において、駆動ロールの符号は、3個の駆動ロール26(1)、26(2)、26(3)を含めて説明する時は、「26」と示され、3個の駆動ロール26(1)、26(2)、26(3)を個別に説明する時は、26(1)、26(2)、又は26(3)と示される。また、温度調節機構の符号は、3個の温度調節機構30(1)、30(2)、30(3)を含めて説明する時は、「30」と示され、3個の温度調節機構30(1)、30(2)、30(3)を個別に説明する時は、30(1)、30(2)、又は30(3)と示される。また、ロータリージョイントの符号は、3個のロータリージョイント34(1)、34(2)、34(3)を含めて説明する時は、「34」と示され、3個のロータリージョイント34(1)、34(2)、34(3)を個別に説明する時は、34(1)、34(2)、又は34(3)と示される。
真空チャンバー14内の複数箇所に、真空チャンバー14内の温度を計測することができる、図示しない温度センサ(例えば、熱電対)又は温度計が備えられている。成膜ロール18は、成膜ロール18の表面を60°C〜70°Cに維持するヒータが内蔵されている。ターゲット材20は、インジウム・スズ合金から構成される。ガス供給機構24は、アルゴンガスから成る不活性ガスとともに酸素ガスからなる反応性ガスを成膜空間22に供給するように構成されている。駆動ロール26は、温水(流体)48が入る中空部32を有している。駆動ロール26は、図示しないモータの駆動力により回転する図2に示す駆動ベルト68によって回転駆動される。なお、ターゲット材20をマイナス電位に維持するカソードは、平板カソードの他、デュアルカソード又はロータリーカソード等が使用される。
温度調節機構30は、図1及び図2に示すように、駆動ロール26に連結した複式且つ内管固定式のロータリージョイント34を有している。
ロータリージョイント34は、駆動ロール26が回転する状態で、入口54から内管70を介して駆動ロール26の中空部32へ温水48を送り、且つ、中空部32内の温水48を出口56から排出することができる。ロータリージョイント34は、真空チャンバー14内に固定された固定部材50と、駆動ロール26に固定され、駆動ロール26とともに回転する回転部材52とから構成されている。図2において、真空チャンバー14内に固定される部材は、右下がり斜線のハッチングを施し、回転する部材は右上がり斜線のハッチングを施している。ロータリージョイント34は公知のものであるため、その構造の更なる詳細な説明は省略する、
このロータリージョイント34を有する温度調節機構30の一例を図3に配管図で示す。3個の温度調節機構30(1)、30(2)、30(3)は、同じ構成である。図3に示す温度調節機構30は、温度計60、温度調節器62、流量計64、可変絞り弁66等を備えている。温度計60は、駆動ロール26の中空部32へ供給する温水48の温度を計測でき、計測した温度を真空チャンバー14の外部から目視することができるように構成されている。温度調節器62は、駆動ロール26の中空部32へ供給する温水の温度を手動により調節できる。
3個の温度調節機構30(1)、30(2)、30(3)が温度調節器62を各々備えることにより、3個の温度調節機構30(1)、30(2)、30(3)は、搬送方向下流へいくに従って温水48の温度を低く調節できる。例えば、成膜ロール18の表面の温度が60°Cであり、真空チャンバー14内の最低温度が巻取ロール36周辺の20°Cの場合、例えば、搬送方向最上流の温度調節機構30(1)は50°Cの温水48を、搬送方向中間部の温度調節機構30(2)は40°Cの温水48を、搬送方向最下流の温度調節機構30(3)は30°Cの温水48を、各々の駆動ロール26の中空部32へ供給することができる。
ここで、成膜ロール18の表面と温度調節機構30(1)が駆動ロール26(1)へ供給する温水48との温度差、温度調節機構30(1)が駆動ロール26(1)へ供給する温水48と温度調節機構30(2)が駆動ロール26(2)へ供給する温水48との温度差、温度調節機構30(2)が駆動ロール26(2)へ供給する温水48と温度調節機構30(3)が駆動ロール26(3)へ供給する温水48との温度差、及び、温度調節機構30(3)が駆動ロール26(3)へ供給する温水48と巻取ロール36周辺との温度差は、略同一であることが好ましい。これら温度差が略同一であることが好ましいのは、成膜ロール18を離脱した長尺フィルム基材16が、巻取ロール36へ搬送されるまでに、除除に冷却されるためである。また、成膜ロール18を離脱した長尺フィルム基材16が、急激な冷却によって変形することを防止するためには、これら温度差は、20°C以下、特には10°C以下であることが好ましい。
このような構成のスパッタ装置10の作用及び効果について、以下に説明する。
図1に示すように、原反ロール40から繰り出された長尺フィルム基材16が、ガイドロール(上流側搬送ロール)42、成膜ロール18、ガイドロール28、駆動ロール26、及び巻取ロール36に掛けられた状態で、駆動ロール26及び巻取ロール36が回転駆動されることにより、巻取ロール36に巻き取られていく。
この時、真空ポンプ46により、真空チャンバー14内は真空に維持される。また、ガス供給機構24が、アルゴンガスから成る不活性ガス、及び酸素ガスからなる反応性ガスを、成膜空間22へ供給し、成膜ロール18とターゲット材20と間に電圧が印加され、ターゲット材20は、長尺フィルム基材16の表面に成膜材料を形成する。また、成膜ロール18の表面は、成膜ロール18に内蔵されたヒータによって、例えば60°Cに維持される。これにより、長尺フィルム基材16の表面は、インジウム・スズ酸化物薄膜の成膜が連続的に行われる。
成膜ロール18の表面の温度は、真空チャンバー14内の熱電対等によって又は過去の既存データによって認識される。また、巻取ロール36の表面の温度は、真空チャンバー14内の熱電対等によって又は過去のデータによって認識される。以下、成膜ロール18の表面の温度が60°Cであり、巻取ロール36の表面の温度が20°Cであり、真空チャンバー14内の最低温度が20°Cであるとして説明する。
長尺フィルム基材16の表面に成膜が行われる時、温度調節機構30(1)は、駆動ロール26(1)の中空部32に、例えば、50°Cの温水を供給する。また、温度調節機構30(2)は、駆動ロール26(2)の中空部32に、例えば、40°Cの温水を供給する。また、温度調節機構30(3)は、駆動ロール26(3)の中空部32に、例えば、30°Cの温水を供給する。このため、成膜ロール18の60°Cの表面から熱を吸収し約60°Cに加熱された長尺フィルム基材16は、50°Cの駆動ロール26(1)に接触することにより約50°Cに冷却され、40°Cの駆動ロール26(2)に接触することにより約40°Cに冷却され、30°Cの駆動ロール26(3)に接触することにより約30°Cに冷却される。
このため、巻取ロール36の表面の温度が20°Cである場合、約60°Cに加熱された長尺フィルム基材16は、成膜ロール18から離脱して巻取ロール36に巻き取られるまでの間に、4段階で、20°Cまで除除に温度が下がっていく。長尺フィルム基材16は、段階的に除除に温度が下げられることにより、成膜ロール18を離脱した長尺フィルム基材16は、急激に冷却されることはない。このため、成膜ロール18を離脱した長尺フィルム基材16が急激に冷却されて変形することはない。
特に、成膜ロール18から離脱した長尺フィルム基材16が最初に接触するのは、50°Cに維持された駆動ロール26(1)であるため、成膜ロール18を離脱した直後の長尺フィルム基材16の冷却は、約50°Cへの冷却に規制される。このため、成膜ロール18を離脱した直後の長尺フィルム基材16が急激に冷却されて変形することはない。
ここで、温度調節機構30により温水を供給する下流側搬送ロールは、ガイドロール28であってもよい。しかし、ガイドロール28は、駆動手段によって強制的に回転されないため、中空部に温水を供給されることにより、ガイドロール28の軸受が支持する重量が増加し、一定の回転数で回転することが困難なことがある。このため、ガイドロール28と長尺フィルム基材16との間で摩擦が生じ、又は、長尺フィルム基材16が長手方向に変形するという不具合が生じることも考えられる。これに対して、駆動ロール26は、駆動ベルト68によって強制的に回転させるため、一定の回転数で回転し、このような不具合が生じない。このため、温度調節機構30により温水を供給する下流側搬送ロールは、駆動ロール26のみであることが好ましい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されない。
例えば、本発明のスパッタ装置10に使用する温度調節機構30の配管は、上述の配管に限定されない。例えば、図4に示すように、3個の温度調節機構30(1)、30(2)、及び30(3)が別個に構成されるのではなく、3個の温度調節機構30(1)、30(2)、及び30(3)を連結した配管であってもよい。
すなわち、ロータリージョイント34(3)の出口56から排出された温水は、タンク72に一旦溜められる。タンク72に溜まった温水は、ロータリージョイント34(2)の入口54から駆動ロール26(2)の中空部32に供給され、ロータリージョイント34(2)の出口56から排水される。ロータリージョイント34(2)の出口56から排水された温水は、タンク74に一旦溜められる。タンク74に溜まった温水は、ロータリージョイント34(3)の入口54から駆動ロール26(3)の中空部32に供給され、ロータリージョイント34(3)の出口56から排水される。
この場合、温度調節機構30(1)は50°Cの温水48を駆動ロール26(1)の中空部32へ供給し、温度調節機構30(2)は40°Cの温水48を駆動ロール26(2)の中空部32へ供給し、温度調節機構30(3)は30°Cの温水48を、駆動ロール26(3)の中空部32へ供給する場合、水を加熱するためのエネルギーを低減できる。すなわち、20°Cの水を使用して温度調節する場合、20°Cの水を温度調節機構30(3)の温度調節器62において30°Cまで10°Cの温度差で温度を上げ、温度調節機構30(2)の温度調節器62において30°Cの温水を40°Cまで10°Cの温度差で温度を上げ、温度調節機構30(1)の温度調節器62において40°Cの温水を50°Cまで10°Cの温度差で温度を上げることができる。これにより、20°Cの水を段階的に加熱して温度調節に利用することにより、温度調節器62による加熱のためのエネルギーを低減できる。
また、本発明のスパッタ装置10に使用するロータリージョイントは、図2に示す複式且つ内管固定式のロータリージョイント34に限定されず、図5に示す単式で且つ内管の無いロータリージョイント80であってもよい。この場合に使用する駆動ロールは、温水の流れ方向上流側に入口開口部82を有し、流れ方向下流側に出口開口部84を有する駆動ロール(下流側搬送ロール)86である。1個のロータリージョイント80が入口開口部82に連結され、他のロータリージョイント80が出口開口部84に連結される。このロータリージョイント80及び駆動ロール86を使用した場合であっても、駆動ロール86を回転させながら、入口54から駆動ロール86に温水を供給し、出口56から温水を排出することにより、駆動ロール86の温度を調節できる。
以上、実施形態について図面に基づいて説明したが、本発明は図示した実施形態に限定されない。例えば、温度調節機構によって温度を略一定に維持する下流側搬送ロールは、3個に限定されず、1個、2個又は4個以上であってもよい。但し、温度を略一定に維持する下流側搬送ロールは、より個数が多く、より多段階に冷却できることが好ましい。また、温度調節機構は、下流側搬送ロールに内蔵された電気式ヒータであってもよい。
本発明に係るスパッタ装置は、例えば、線膨張係数の大きな長尺フィルム基材にスパッタ処理を行う装置として広く利用できる。
10:スパッタ装置
14:真空チャンバー
16:長尺フィルム基材
18:成膜ロール
20:ターゲット材
22:成膜空間
24:ガス供給機構
26、86:駆動ロール(下流側搬送ロール)
28:ガイドロール(下流側搬送ロール)
30:温度調節機構
32:中空部
34、80:ロータリージョイント
36:巻取ロール
40:原反ロール
42:ガイドロール(上流側搬送ロール)
46:真空ポンプ
48:温水
50:固定部材
52:回転部材
54:入口
56:出口
60:温度計
62:温度調節器
64:流量計
66:可変絞り弁
68:駆動ベルト
70:内管
72、74:タンク
82:入口開口部
84:出口開口部

Claims (5)

  1. 成膜ロールの表面に沿って搬送される長尺フィルム基材の表面に薄膜を形成するスパッタ装置であり、
    真空チャンバーと、
    前記真空チャンバー内に回転可能に配置された前記成膜ロールと、
    前記真空チャンバー内に配置され、前記成膜ロールの表面に沿って搬送される長尺フィルム基材の表面に成膜材料を形成するターゲット材と、
    前記成膜ロールと前記ターゲット材との間の成膜空間にガスを供給するガス供給機構と、
    中空部を有し、前記真空チャンバー内において、前記成膜ロールに対して長尺フィルム基材の搬送方向下流側に配置され、前記成膜ロールの表面に沿って搬送された長尺フィルム基材を該搬送方向下流側へ搬送する複数の下流側搬送ロールと、
    前記複数の下流側搬送ロールの中の少なくとも、一の下流側搬送ロール及び該一の下流側搬送ロールよりも下流側の他の下流側搬送ロールの二本の下流側搬送ロールに、流体を送り、該一の下流側搬送ロール及び該他の下流側搬送ロールの温度を、80°C以下で前記真空チャンバー内の最低温度よりも高い範囲で、略一定に維持する温度調節機構と、を備え
    前記温度調節機構は、前記他の下流側搬送ロールの中空部から排出された流体を溜め、前記一の下流側搬送ロールへ送るタンクと、該他の下流側搬送ロールへ送る該流体を加熱する温度調節器と、該タンクから該一の下流側搬送ロールへ送る該流体を加熱する温度調節器と、を備えたスパッタ装置。
  2. 前記流体が温水である請求項1に記載するスパッタ装置。
  3. 前記温度調節機構により温度を略一定に維持される2本以上の前記下流側搬送ロールは、前記搬送方向下流側へいくに従って、より低温に維持される請求項1又は2に記載するスパッタ装置。
  4. 前記温度調節機構が、前記一の下流側搬送ロール及び前記他の下流側搬送ロールの中空部内へ流体を導くロータリージョイント又はスイベルジョイントを有する請求項1〜3のいずれかに記載するスパッタ装置。
  5. 前記一の下流側搬送ロール及び前記他の下流側搬送ロールが、駆動手段によって回転する駆動ロールである請求項1〜4のいずれかに記載するスパッタ装置。
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