JP6456263B2 - 半導体型カーボンナノチューブの収集方法 - Google Patents

半導体型カーボンナノチューブの収集方法 Download PDF

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本発明は、半導体型カーボンナノチューブを収集する方法に関する。本明細書でいう収集とは、分離することにより得ること、精製することにより得ること、及び幾何学的構造を変換することにより得ることを含む意味である。
カーボンナノチューブは、炭素原子の6員環が平面的に連続して形成されたグラフェンを円管状に丸めた構造をしており、一層の円管からなるものを単層カーボンナノチューブ(Single−Walled Carbon Nanotube, SWCNT)と称し、多層の円管からなるものを多層カーボンナノチューブ(Multi−Walled Carbon Nanotube, MWCNT)と称している。
カーボンナノチューブ(以下「CNT」と表記することがある。)は、その幾何学的構造の相違によって電気の良導体であったり、半導体であったりする。良好な導電性を提供する幾何学構造のCNTは、金属型CNTと呼ばれる。半導体を構成する幾何学構造のCNTは半導体型CNTと呼ばれる。金属型CNT及び半導体型CNTは多くの技術分野で各種デバイスや機能的材料等への応用が研究されている。
例えば、半導体型CNTはナノメートルサイズのトランジスタへの応用や、薄膜化してフレキシブルなトランジスタへの応用ができ、比表面積が大きいことから、超高感度のセンサーとしての応用にも期待できる。
CNTは、レーザー蒸発法、アーク放電法、及び化学気相成長法(CVD法)などの種々の方法で合成されている。しかし、現状ではいずれの合成方法を用いても、金属型、半導体型及び非晶質等の複数種類の構造異性体を含むCNT混合物しか得られていない。実使用においては、金属型又は半導体型のいずれか一方の性質を利用することが多いため、特定の構造異性体のみを提供する技術に対する需要は大きい。
特許文献1には、CNT混合物に、半導体型カーボンナノチューブに吸着する分離材を作用させることにより、前記分離材に未吸着の金属型カーボンナノチューブを溶出させて前記分離材に吸着する半導体型カーボンナノチューブと分離する、金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブの分離方法が記載されている。
しかしながら、従来のCNT混合物の分離方法は複雑な工程を経るため、工業的な規模で実施することを前提とした場合、操作が煩雑でコストが高くなる等の問題がある。
特開2012−36041号公報
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、簡単な操作によって半導体型CNTを収集する方法を提供することにある。
本発明は、分散媒中にカーボンナノチューブ結晶が無配向状態に分散しているカーボンナノチューブの分散液を、らせん状配管を通過させる工程を包含する、半導体型カーボンナノチューブの収集方法を提供する。
ある一形態においては、前記分散媒は、比重0.7〜1.5を有するものである。
ある一形態においては、前記分散液のらせん状配管の通過は、50〜250MPaの加圧下で行われる。
ある一形態においては、前記らせん状配管は、内径が0.2〜0.4mm、長さが10〜500mm、らせん直径が5〜10mmである。
ある一形態においては、前記分散液は、分散媒中にカーボンナノチューブ結晶が均一に分散しているカーボンナノチューブの分散液を、直線状配管を通過させて得たものである。
ある一形態においては、前記直線状の配管は、内径が0.09〜0.4mm、長さが0.1〜500mmである。
ある一形態においては、前記分散液は、分散媒中にカーボンナノチューブ結晶が懸濁しているカーボンナノチューブの分散液を、細孔を通過させて得たものである。
ある一形態においては、前記細孔は、内径が0.09〜0.4mmである。
また、本発明は、分散媒中にカーボンナノチューブ結晶が均一に分散しているカーボンナノチューブの分散液を、直線状配管を通過させる工程、及び
直線状配管を通過した分散液を、らせん状配管を通過させる工程を包含する、半導体型カーボンナノチューブの収集方法を提供する。
また、本発明は、分散媒中にカーボンナノチューブ結晶が無配向状態に分散しているカーボンナノチューブの分散液を、らせん状配管を通過させる手段を有する、半導体型カーボンナノチューブの収集装置を提供する。
本発明によれば、簡単な操作によって半導体型CNTを収集する方法が提供される。本発明の方法によれば、半導体型CNTを高収率で得ることができる。
分散媒中にカーボンナノチューブ結晶が均一に分散しているカーボンナノチューブの分散液を、直線状配管を通過させる手段を有する装置の構成を示す模式図である。 分散媒中にカーボンナノチューブ結晶が無配向状態に分散しているカーボンナノチューブの分散液を、らせん状配管を通過させる手段を有する装置の構成を示す模式図である。 らせん状配管を通過したCNT分散液中でのCNTの分布状態を示す模式図である。 CNTをトルエンに懸濁させたCNT懸濁液の400倍拡大写真である。 直線状配管を通過したCNT分散液の200倍拡大写真である。 浮上層の上部に存在するCNT結晶4検体の顕微ラマン分光スペクトルである。 浮上層の下部に存在するCNT結晶4検体の顕微ラマン分光スペクトルである。 浮上層の上部に存在するCNT結晶の顕微ラマン分光スペクトル、浮上層の下部に存在するCNT結晶の顕微ラマン分光スペクトル、及び入手した状態のCNT結晶(原料)の顕微ラマン分光スペクトルを重ねたグラフである。
(カーボンナノチューブ(CNT))
原料として使用するCNTは、半導体型CNT以外のCNTである。CNTは、炭素の6員環の基本ベクトル(a1およびa2)で表されるカイラルベクトル(Ch = na1 + ma2)によってその構造を表すことができ、(n、m)をカイラル指数という。このカイラル指数の(n−m)が3の倍数でないものが半導体型CNTである。
半導体型CNT以外のCNTには、例えば、従来公知のCNT合成法により合成したCNTが挙げられる。合成して得られたままのCNTは、実際には金属型CNT、半導体型CNT等が偶然の比率によって混在するCNT混合物である。原料として使用するCNTは、金属型CNT、非晶質CNT等を含むCNT混合物であってもよい。
好ましい実施形態では、CNTは単層CNTである。CNTは半導体型CNTを主に生成させる製造方法(化学気相堆積法等)によって製造したCNTを用いてもよい。また、通常のCNT合成雰囲気に極微量(ppmオーダー)の水分を添加することを特徴とするスーパーグロース法を用いて製造された単層CNTを用いてもよい。
(CNT分散液)
CNT分散液の分散媒は、常温常圧下で液体であり、蒸発させることが可能な液体である。分散媒はCNT結晶が良好に分散する液体が好ましい。分散媒の比重は、CNT結晶の分散性の観点から0.7〜1.5、好ましくは0.75〜0.90、より好ましくは0.79〜0.85である。分散媒の沸点は、40〜205℃、好ましくは80〜150℃、より好ましくは100〜130℃である。分散媒の沸点が40℃未満であると高圧配管内で突沸することとなり、205℃を超えると分散性が極端に悪くなる。
CNT分散液の分散媒の具体例には、トルエン、スチレン、アセトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、MIBK(メチルイソブチルケトン)、MEK(メチルエチルケトン)、1−ブタオール、2−ブタノール、キシレン、イソプロピルアルコール、イソブチルアルオール、水等が挙げられる。
原料として使用するCNTを分散媒中に混合することによりCNT分散液が得られる。CNTと分散媒との混合割合は、分散液中のCNT濃度として、0.01wt%〜7.5wt%、好ましくは0.05wt%〜5wt%、より好ましくは0.1wt%〜1wt%である。CNTと分散媒との混合割合が8wt%を超えると高圧配管循環中に徐々に粘度が高くなり、詰まりが生じ、運転不能になる。
CNT分子は、直径は通常の分子と同様約1nmであり、長さは数μmである。そのため、CNT結晶は繊維状である。CNT粉末は、繊維状のCNT結晶が相互に絡まり、固定された粒子から成っている。CNT粒子には複数の幾何学構造のCNT結晶が含まれている。そのため、複数の幾何学構造のCNT結晶を含むCNTから半導体型等の特定の幾何学構造のものを収集するためには、相互に絡まっているCNT結晶をほぐし、分散し、個々のCNT結晶が自由に動く状態にする必要がある。
(均一分散)
まず、CNTを分散媒に添加し、CNT結晶を分散媒に馴染ませる。その結果、CNT結晶が懸濁したCNT分散液が得られる。得られた懸濁液を、細孔を通過させる。そのことで、懸濁したCNT結晶の粒子径が均一化され、CNT結晶が配管に詰まり難くなる。配管に詰まらない程度にCNT結晶の粒子径が均一化された分散状態を、「均一に分散している」という。例えば、細孔の通過以外の適当な処理を行うことで、CNT結晶が配管に詰まるおそれが無くなっている場合は、CNT分散液を細孔に通す必要は無い。
細孔の通過回数は、CNT分散液のCNT結晶が均一に分散するまで行う。細孔の通過は複数回行うことが好ましい。例えば、2回、3回、4回、5回又は6回の通過を行うことができる。ある実施形態では、CNT結晶の粒子径の均一化は、細孔を5〜6回通過させることで完了する。
細孔は、直径が0.09〜0.5mm、好ましくは0.13〜0.4mm、より好ましくは0.15〜0.3mmである。細孔の直径が0.09mm未満であると目詰まりが発生し易くなり、0.5mmを超えるとCNT結晶の粒子径を均一化することが困難になる。
細孔の通過は、50〜145MPa、好ましくは75〜125MPa、より好ましくは80〜100MPaの加圧下で行われる。細孔通過の際の加圧が50MPa未満であるとCNTの精製が困難となり、145を超えるとCNTの切断が進行してしまうこととなる。
CNT分散液を通過させる細孔部材としては、一般に、所定の直径の貫通孔を有するセルを使用する。セルの長さは特に限定されないが、短すぎると破砕が起こり、長すぎると凝集化する傾向にある。セルの長さは、0.1〜30mm、好ましくは10〜20mmである。
(無配向分散)
CNT結晶が均一に分散したCNT分散液は、直線状配管を通過させる。図1は、分散媒中にカーボンナノチューブ結晶が均一に分散しているカーボンナノチューブの分散液を、直線状配管を通過させる手段を有する装置の構成を示す模式図である。この装置は、相互に連通された分散液貯留槽11、ポンプ12、直線状配管13及び受液槽14を有している。直線状配管13は複数を直列してもよい。
直線状配管の内部では配管内壁からの背圧(抵抗力)がせん断力となってCNT結晶に作用し、相互に絡まっているCNT結晶をほぐし、個々のCNT結晶が自由に動く状態に分散させる。直線状配管を通過したCNT分散液は、CNT結晶が綿菓子状に分散した状態になる。かかる分散状体では、実質的に、CNT結晶が無配向状態に分散されている。CNT結晶が綿菓子状になった分散状態を、「無配向状態に分散している」という。例えば、直線状配管の通過以外の適当な処理を行うことで、CNT結晶が無配向状態に分散している場合は、CNT分散液を直線状配管に通す必要は無い。
CNT分散液の直線状配管の通過は、CNT分散液のCNT結晶が無配向状態に分散するまで行う。直線状配管の通過は複数回行うことが好ましい。例えば、2回、3回、4回、5回又は6回の通過を行うことができる。ある実施形態では、CNT結晶を無配向状態に分散させることは、直線状配管を5〜6回通過させることで完了する。
直線状配管は、内径が0.09〜0.5mm、好ましくは0.13〜0.4mm、より好ましくは0.15〜0.3mmである。直線状配管の内径が0.09mm未満であると目詰まりが発生しやすくなり、0.5mmを超えるとCNT粒子に作用する剪断力が弱くなり、CNT結晶が十分にほぐれないことがある。
直線状配管は、長さが0.1〜400mm、好ましくは50〜200mm、より好ましくは100〜150mmである。直線状配管の長さが0.1mm未満であるとCNTが破砕されてしまうこととなり、400mmを超えると凝集化が進行することとなる。
直線状配管の通過は、50〜145MPa、好ましくは75〜125MPa、より好ましくは80〜100MPaの加圧下で行われる。直線状配管の通過の際の加圧が50MPa未満であるとCNTのマトリックス状態をほぐすことが出来ないこととなり、145MPaを超えるとCNTを切断してしまうこととなる。
(半導体型CNT収集)
CNT結晶が無配向状態に分散したCNT分散液は、らせん状配管を通過させる。図2は、分散媒中にカーボンナノチューブ結晶が無配向状態に分散しているカーボンナノチューブの分散液を、らせん状配管を通過させる手段を有する装置の構成を示す模式図である。この装置は、相互に連通された分散液貯留槽21、ポンプ22、らせん状配管23及び受液槽24を有している。らせん状配管23は複数を直列してもよい。
らせん状配管を通過したCNT分散液を容器に入れて静置した場合、半導体型CNTはCNT分散液の上方に浮上する傾向がある。特に、半導体型CNTは結晶性が高いほどCNT分散液の上方に浮上する傾向が強い。半導体型CNT以外のCNT結晶(例えば、金属型CNT、非晶質CNT)はCNT分散液の下方に沈降する傾向がある。その結果、らせん状配管を通過したCNT分散液を容器に入れて静置した場合、幾何学構造が異なるCNT結晶が層状に分布する。
図3は、らせん状配管を通過したCNT分散液中でのCNTの分布状態を示す模式図である。容器31はCNT分散液32を収容している。半導体型CNTはCNT分散液の上方に浮上して浮上層33を形成している。半導体型CNT以外のCNT結晶は、CNT分散液の下方に沈降して、分散媒層35を隔てて沈降層34を形成している。半導体型CNTの内で、高結晶性半導体CNTは浮上層の上部36に位置し、低結晶性半導体CNTは浮上層の下部37に位置する。
CNT分散液のらせん状配管の通過は所望の結晶性を有する半導体型CNTが得られるまで行う。CNT分散液のらせん状配管の通過回数が増えるに従って、浮上層の量が増加し、沈降層の量は減少する。CNT分散液のらせん状配管の通過回数が多くなると、沈降層は出現せず、浮上層のみが出現するようになる。
CNT分散液がらせん状配管を通過することで、無配向状態に分散されたCNT結晶に連続的に遠心力が作用する。浮上層の半導体型CNTは、他の幾何学構造のCNT結晶から半導体型CNTが分離されたものか、又はCNT結晶の幾何学構造が他の幾何学構造のCNT結晶から半導体型に変化したものと考えられる。CNT分散液のらせん状配管通過回数を増大させることで浮上層の量が増大し、沈降層の量が減少することを考慮すると、CNT分散液がらせん状配管を通過したことで、半導体型以外のCNT結晶の幾何学構造が半導体型に変化した可能性が高い。
らせん状配管は、内径が0.09〜3.0mm、好ましくは0.13〜1.0mm、より好ましくは0.15〜2.0mmである。らせん状配管の内径が0.09mm未満であると目詰まりが生じやすくなることとなり、3.0mmを超えるとCNTが凝集してしまうこととなる。
らせん状配管は、配管の全長が1〜3000mm、好ましくは10〜2000mm、より好ましくは50〜1000mmである。らせん状配管の全長が1mm未満であるとCNTが切断されやすくなることとなり、3000mmを超えるとCNTが凝集しやすくなることとなる。
らせん状配管は、らせん直径が1〜1000mm、好ましくは10〜50mm、より好ましくは15〜30mmである。らせん状配管のらせん直径が1mm未満であるとCNTは切断されやすくなることとなり、1000mmを超えると凝集しやすくなることとなる。
らせん状配管は、らせん長さが0.01〜3m、好ましくは0.1〜1m、より好ましくは0.3〜0.5mである。らせん状配管のらせん長さが0.01m未満であるとCNTは切断されやすくなり、3mを超えると凝集しやすくなる。
らせん状配管は、巻数が1〜300、好ましくは10〜100、より好ましくは30〜60である。らせん状配管の巻数が1未満であるとCNTは破砕されやすくなり、300を超えると凝集しやすくなる。
らせん状配管の通過は、25〜145MPa、好ましくは50〜125MPa、より好ましくは75〜100MPaの加圧下で行われる。直線状配管の通過の際の加圧が25MPa未満であるとCNTの分離精製は生じないこととなり、145MPaを超えると凝集化することとなる。
CNT分散液の直線状配管の通過とらせん状配管の通過は1回ずつ連続して行っても良い。その場合は、例えば、図1に示す装置において、直線状配管13及び受液槽14の間に、図2のらせん状配管23を設けた装置を使用することができる。CNT分散液の直線状配管及びらせん状配管の通過は、これをひと組にして繰り返して行ってもよい。
なお、直線状配管の入口側、出口側又は両方に、ノズルを接続してもよい。ノズルの種類は特に限定されないが、第直線状配管の出口側ノズルで、液圧を多段階で減圧して、出口部で大気に解放してもバブリングが発生しない圧力にまで下げる多段階減圧を行うものが好ましい。このようなノズルとしては、例えば、ダイヤモンドノズル(株式会社美粒製)が挙げられる。ダイヤモンドノズルは、0.4mmの長さの流路をダイヤモンドが上下で挟む構造となっている。流路は、0.1mm〜1mmを設定でき、直径(幅)としては、0.09〜0.13mmを設定できる。
単層カーボンナノチューブ(「SWCNT」(商品名)、ゼオン社製)を準備した。このCNTは半導体型CNT及び金属型CNTを含有し、両者の含有割合は、重量比で約5/3である。上記CNT5.0gをトルエン(関東化学株式会社製)290gに添加し、室温において混合してCNTを懸濁させた。図4は、CNTをトルエンに懸濁させたCNT懸濁液の400倍拡大写真である。図4中、CNT結晶は絡まった状態で糸状に分散している。
直径0.5mmの貫通孔を有する直径0.5mm及び長さ20mmの円筒形細孔セルを準備した。0.1MPaの圧力にて、得られたCNT分散液を、円筒形細孔セルに10回通した。
内径0.4mm、全長100mmの直線状配管を準備した。75MPaの圧力にて、得られたCNT分散液を、直線状配管に1回通した。図5は、直線状配管を通過したCNT分散液の200倍拡大写真である。図5中、CNT結晶は綿のように広がって分散している。
内径0.3mm、全長300mm、らせん直径5mm、らせん長さ30mm、巻数20のらせん状配管を準備した。100MPaの圧力にて、得られたCNT分散液を、らせん状配管に5回通した。らせん状配管を通過したCNT分散液をバイアル瓶に受け、静置した。CNT結晶は浮上層と沈降層とに分離した。
浮上層のCNT結晶のうち、上部及び下部に存在するものをそれぞれスパチュラでひとかき分ずつ取出し、スライドガラスの上に載せ、自然乾燥をさせた。乾固したCNT結晶を4検体に分けた。合計8種類の検体について、BRUKER社製分散型顕微ラマンシステム「SENTERA」を用いて顕微ラマン分光スペクトルを測定した。測定条件は以下の通りである。
図6は、浮上層の上部に存在するCNT結晶4検体の顕微ラマン分光スペクトルである。図7は、浮上層の下部に存在するCNT結晶4検体の顕微ラマン分光スペクトルである。図6及び図7に示した顕微ラマン分光スペクトルから、次の事項が明らかである。
浮上層の上部に存在するCNT結晶4検体間及び浮上層の下部に存在するCNT結晶4検体間では、有意差は見られないので、各4検体は同等である。
Gバンド(1590cm−1)の形状より、浮上層の上部に存在するCNT結晶及び浮上層の下部に存在するCNT結晶は、いずれも半導体型CNTである。
図6のスペクトルの半値幅は図7のスペクトルの半値幅よりも狭いので、浮上層の上部に存在するCNT結晶の結晶性は、浮上層の下部に存在するCNT結晶の結晶性よりも高い。
図8は、浮上層の上部に存在するCNT結晶の顕微ラマン分光スペクトル81、浮上層の下部に存在するCNT結晶の顕微ラマン分光スペクトル82、及び入手した状態のCNT結晶(原料)の顕微ラマン分光スペクトル83を重ねたグラフである。左上の拡大図は、各スペクトルのGバンド(1590cm−1)のピーク強度を揃えた状態を示す。左上の拡大図を参照して、これらのスペクトルでは、Gバンド半値幅の大きさが、原料、浮上層の下部、浮上層の上部の順になっている。このことは、浮上層の上部、浮上層の下部、原料の順に結晶性が高いことを意味する。
11、21…分散液貯留槽、
12、22…ポンプ、
13…直線状配管、
23…らせん状配管、
14、24…受液槽、
31…容器、
32…CNT分散液、
33…浮上層、
34…沈降層、
35…分散媒層
36…浮上層の上部、
37…浮上層の下部。

Claims (10)

  1. 分散媒中にカーボンナノチューブ結晶が無配向状態に分散しているカーボンナノチューブの分散液を、らせん状配管を通過させる工程を包含する、半導体型カーボンナノチューブの収集方法。
  2. 前記分散媒は、比重0.7〜1.5を有するものである請求項1に記載の方法。
  3. 前記分散液のらせん状配管の通過は、50〜250MPaの加圧下で行われる請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記らせん状配管は、内径が0.2〜0.4mm、長さが10〜500mm、らせん直径が5〜10mmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記分散液は、分散媒中にカーボンナノチューブ結晶が均一に分散しているカーボンナノチューブの分散液を、直線状配管を通過させて得たものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記直線状の配管は、内径が0.09〜0.4mm、長さが0.1〜500mmである、請求項5に記載の方法。
  7. 前記分散液は、分散媒中にカーボンナノチューブ結晶が懸濁しているカーボンナノチューブの分散液を、細孔を通過させて得たものである、請求項5又は6に記載の方法。
  8. 前記細孔は、内径が0.09〜0.4mmである請求項7に記載の方法。
  9. 分散媒中にカーボンナノチューブ結晶が均一に分散しているカーボンナノチューブの分散液を、直線状配管を通過させる工程、及び
    直線状配管を通過した分散液を、らせん状配管を通過させる工程を包含する、半導体型カーボンナノチューブの収集方法。
  10. 分散媒中にカーボンナノチューブ結晶が無配向状態に分散しているカーボンナノチューブの分散液を、らせん状配管を通過させる手段を有する、半導体型カーボンナノチューブの収集装置。
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