JP6455452B2 - 熱交換器 - Google Patents

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Description

本発明は、熱交換器に関し、特に、扁平管を用いた、冷凍装置の室外ユニット用として搭載される熱交換器に関する。
近年、冷凍装置の室外ユニットでは、例えば、特許文献1(特開2015−90237号公報)に開示されているような、扁平管を蛇行状に折り曲げ、その折り曲げ部を除く平坦部にフィンを装着した熱交換器が室外熱交換器として採用されている。
当該熱交換器は、マイクロチャネルが形成された上記扁平管と、その扁平管に接合される伝熱フィンとによって構成されている。
当該熱交換器は扁平管が蛇行しているため、過冷却域の冷媒流速が低下し、冷媒の熱伝達性が悪く、過冷却を大きく取ろうとすると熱交換能力が十分に発揮されない。
本発明の課題は、過冷却を大きく取っても、熱交換能力を低下させることのない熱交換器を提供することにある。
本発明の第1観点に係る熱交換器は、第1パスと、第2パスと、伝熱フィンと、第1ヘッダーと、中継部材とを備えている。第1パスは、少なくとも1本の扁平管を有する。第2パスは、第1パスの扁平管の数よりも多い複数の扁平管を有し、複数の扁平管が互いに等間隔を維持したまま蛇行するように複数回折り返され、少なくとも2つの扁平管の奇数回目の折り返し部分へ向う部分及び偶数番目の折り返し部分へ向う部分が、他の扁平管の奇数回目の折り返し部分へ向う部分と偶数番目の折り返し部分へ向う部分との間に配置されている。伝熱フィンは、扁平管に接触するように装着される。第1ヘッダーは、第2パスの複数の扁平管の一方の端と連結される中空の管である。中継部材は、第1パスの扁平管および第2パスの複数の扁平管が接続される。また、中継部材は、第2パスの複数の扁平管から流入してきた冷媒を第1パスの扁平管に流す機能を有している。第1パスの扁平管および第2パスの複数の扁平管は、伝熱フィンが装着されているフィン装着部を除くフィン非装着部において冷媒を反転させる折り返し部を形成している。そして、一方の側端が扁平管の折り返し部だけで構成され、他方の側端には第1ヘッダーおよび中継部材が上下方向に離れて配置されている。
この熱交換器では、一つの中継部材が第2パスの扁平管から流入してきた冷媒の向きを反転させて第1パスの扁平管に流す機能を有するので、簡単な構造でパス数を変更して、熱交換器性能を調整することができる。
本発明の第2観点に係る熱交換器は、第1観点に係る熱交換器であって、第2パスが、第1パスより上方に位置する。
この熱交換器では、冷媒出口側となる熱交換器下部のパス数を冷媒入口となる熱交換器上部のパス数より少なくすることによって過冷却を大きくとることができる。また、中継部材内でパス数の変換と冷媒向きの変換を行うので冷媒流速の低下を防止することができる。その結果、熱交換性能を高めることができる。
本発明の第3観点に係る熱交換器は、第1観点又は第2観点に係る熱交換器であって、中継部材が第1パスの出口と一体である。
この熱交換器では、中継部材と第1パスの出口との一体化により部品点数が削減され、コスト低減となる。
本発明の第4観点に係る熱交換器は、第1観点又は第2観点のいずれか1つに係る熱交換器であって、他方の側端が中継部材と扁平管の折り返し部とで構成されている。
この熱交換器では、中継部材の配置を熱交換器の一側端に限定したことによって、組立時の作業範囲を減縮することが可能となり、作業効率が向上し、製造コストを抑制することができる。
この熱交換器では、一つの中継部材が第2パスの扁平管から流入してきた冷媒の向きを反転させて第1パスの扁平管に流す機能を有するので、簡単な構造でパス数を変更して、熱交換器性能を調整することができる。
本発明の第5観点に係る熱交換器は、第1パスと、第2パスと、伝熱フィンと、第1ヘッダーと、中継部材とを備えている。第1パスは、少なくとも1本の扁平管を有する。第2パスは、第1パスの扁平管の数よりも多い複数の扁平管を有し、複数の扁平管が互いに等間隔を維持したまま蛇行するように複数回折り返され、少なくとも2つの扁平管の奇数回目の折り返し部分へ向う部分及び偶数番目の折り返し部分へ向う部分が、他の扁平管の奇数回目の折り返し部分へ向う部分と偶数番目の折り返し部分へ向う部分との間に配置されている。伝熱フィンは、扁平管に接触するように装着される。第1ヘッダーは、第2パスの複数の扁平管の一方の端と連結される中空の管である。中継部材は、第1パスの扁平管および第2パスの複数の扁平管が接続される。また、中継部材は、第2パスの複数の扁平管から流入してきた冷媒を第1パスの扁平管に流す機能を有している。第1パスの扁平管および第2パスの複数の扁平管は、伝熱フィンが装着されているフィン装着部を除くフィン非装着部において冷媒を反転させる折り返し部を形成している。そして、一方の側端が扁平管の折り返し部だけで構成され、他方の側端が中継部材と扁平管の折り返し部とで構成され、他方の側端には第1ヘッダーおよび中継部材が上下方向に離れて配置されている。中継部材は、第1パスの出口と一体である。
本発明の第1観点又は第5観点に係る熱交換器では、一つの中継部材が第2パスの扁平管から流入してきた冷媒の向きを反転させて第1パスの扁平管に流す機能を有するので、簡単な構造でパス数を変更して、熱交換器性能を調整することができる。
本発明の第2観点に係る熱交換器では、冷媒出口側となる熱交換器下部のパス数を冷媒入口となる熱交換器上部のパス数より少なくすることによって過冷却を大きくとることができる。また、中継部材内でパス数の変換と冷媒向きの変換を行うので冷媒流速の低下を防止することができる。その結果、熱交換性能を高めることができる。
本発明の第3観点に係る熱交換器では、中継部材と第1パスの出口との一体化により部品点数が削減され、コスト低減となる。
本発明の第4観点に係る熱交換器では、中継部材の配置を熱交換器の一側端に限定したことによって、組立時の作業範囲を減縮することが可能となり、作業効率が向上し、製造コストを抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る熱交換器である室外熱交換器を使用した冷凍装置の構成図。 室外熱交換器の外観斜視図。 室外ユニットの平面図。 正規位置に配置された左側板、室外熱交換器及び室外ファンの斜視図。 正規位置に配置された左側板、室外熱交換器及び室外ファンを図4とは別の角度から視たときの左側板、室外熱交換器および室外ファンの斜視図。 室外熱交換器のパス数を示す模式図。 変形例に係る室外熱交換器のパス数を示す模式図。 他の実施形態に係る室外熱交換器のパス数を示す模式図。
以下図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(1)冷凍装置1の構成
図1は、本発明の一実施形態に係る熱交換器である室外熱交換器25を使用した冷凍装置1の構成図である。図1において、冷凍装置1は、冷房運転及び暖房運転が可能な空気調和装置であり、室外ユニット3と、室内ユニット2と、室外ユニット3と室内ユニット2とを接続するための液冷媒連絡配管7及びガス冷媒連絡配管9とを備えている。
(1−1)室内ユニット2
図1において、室内ユニット2は、室内熱交換器11と、室内ファン13とを有している。室内熱交換器11は、クロスフィン型熱交換器であり、室内空気との熱交換によって内部を流れる冷媒を蒸発又は凝縮させ、室内の空気を冷却又は加熱することができる。
(1−2)室外ユニット3
図1において、室外ユニット3は、主に、圧縮機21、四路切換弁23、室外熱交換器25、膨張弁27、アキュムレータ29、液側閉鎖弁37、及びガス側閉鎖弁39を有している。さらに、室外ユニット3は室外ファン41も有している。
(2)室外ユニット3の詳細構成
(2−1)圧縮機21、四路切換弁23およびアキュムレータ29
圧縮機21は、ガス冷媒を吸入して圧縮する。圧縮機21の吸込口手前には、アキュムレータ29が配置されており、圧縮機21に液冷媒が直に吸い込まれないようになっている。
四路切換弁23は、冷房運転と暖房運転との切換時に、冷媒の流れの方向を切り換える。冷房運転時、四路切換弁23は、圧縮機21の吐出側と室外熱交換器25のガス側とを接続するとともに圧縮機21の吸入側とガス側閉鎖弁39とを接続する。つまり、図1の四路切換弁23内の実線で示された状態である。
また、暖房運転時、四路切換弁23は、圧縮機21の吐出側とガス側閉鎖弁39とを接続するとともに圧縮機21の吸入側と室外熱交換器25のガス側とを接続する。つまり、図1の四路切換弁23内の点線で示された状態である。
(2−2)室外熱交換器25
図2は、室外熱交換器25の外観斜視図である。図2において、室外熱交換器25は、マイクロチャネル熱交換器であって、室外空気との熱交換によって内部を流れる冷媒を凝縮又は蒸発させることができる。なお、室外熱交換器25の詳細構成については、後半で説明する。
(2−3)膨張弁27
膨張弁27は、冷媒圧力や冷媒流量の調節を行うために、室外熱交換器25と液側閉鎖弁37の間の配管に接続され、冷房運転時及び暖房運転時のいずれにおいても、冷媒を膨張させる機能を有している。
(2−4)閉鎖弁37,39および冷媒連絡配管7,9
液側閉鎖弁37及びガス側閉鎖弁39は、それぞれ、液冷媒連絡配管7及びガス冷媒連絡配管9に接続されている。液冷媒連絡配管7は、室内ユニット2の室内熱交換器11の液側と室外ユニット3の液側閉鎖弁37との間を接続している。ガス冷媒連絡配管9は、室内ユニット2の室内熱交換器11のガス側と室外ユニット3のガス側閉鎖弁39との間を接続している。
その結果、冷房運転時に圧縮機21、室外熱交換器25、膨張弁27および室内熱交換器11の順に冷媒が流れ、暖房運転時に圧縮機21、室内熱交換器11、膨張弁27および室外熱交換器25の順に冷媒が流れる冷凍回路が形成されている。
(2−5)本体ケーシング91
図3は、室外ユニット3の平面図であり、天板を取り除いて内部を平面的に図示している。また、図4は、正規位置に配置された左側板917、室外熱交換器25及び室外ファン41の斜視図である。さらに、図5は、正規位置に配置された左側板917、室外熱交換器25及び室外ファン41を図4とは別の角度から視たときの左側板917、室外熱交換器25および室外ファン41の斜視図である。
図3、図4及び図5において、室外ユニット3は、外殻を形成する本体ケーシング91の内部に、室外ファン41、圧縮機21、室外熱交換器25、及び配管等の蒸気圧縮式冷凍サイクルの構成に必要な部材を収納している。
本体ケーシング91の外形は、天板911(図5参照)、底板913、基礎脚915、左側板917、第1前板919、第2前板921、右側板923、及び吸込グリル925によって略直方体形状に形成されている。また、天板911、底板913、基礎脚915、左側板917、第1前板919、第2前板921、及び右側板923は鋼製の板金加工部材である。
本体ケーシング91の内部は、鉛直に延びる仕切板927によって機械室91aと送風機室91bとに分割されており、機械室91aに圧縮機21が、送風機室91bに室外熱交換器25及び室外ファン41が収納されている。図3において、室外ファン41が稼動しているとき、空気はB及びCの方向から吸い込まれ、室外熱交換器25と熱交換した後、Aの方向へ吹き出される。
(2−6)室外ファン
図4及び図5において、室外ファン41は、複数の翼を有するプロペラファンであり、送風機室91b内の室外熱交換器25の前側で、吹出口919a(図3参照)に対向するように配置されている。室外ファン41は、ファンモータ41aによって回転駆動される。
ファンモータ41aは、モータ固定台71に取り付けられている。モータ固定台71は、上端平面部711と下端平面部713とが4本の支持棒715で連結されている構造体である。ファンモータ41aはモータ固定台71の鉛直方向中央部分に固定されている。
(3)室外熱交換器25の詳細構成
図2に示すように、室外熱交換器25は、扁平管251、入口ヘッダー253、伝熱フィン255、中継ヘッダー259、出口ヘッダー257、防食部材260及び管板270を含んでいる。
(3−1)扁平管251
扁平管251は、アルミニウムまたはアルミニウム合金で蛇行状に成形されており、伝熱面となる平面部251aと、折り返し部251bとを有している。扁平管251の内部には、冷媒が流れる複数のマイクロチャネル(図示せず)を形成されている。扁平管251は、平面部251aを上下に向けた状態で配置されている。
本実施形態では、4つの扁平管251が互いに等間隔を維持したまま蛇行するように5回折り返されている。これを、折り返し部251bという。折り返し部251bは、伝熱フィン255が装着されるフィン装着部250aから突出して折り返され、一旦、中継ヘッダー259でリターンさせた後さらに折り返されて再びフィン装着部250aに至る。
説明の便宜上、1回目の折り返し部を第1折り返し部251ba、2回目の折り返し部を第2折り返し部251bb、3回目の折り返し部を第3折り返し部251bc、4回目の折り返し部を第4折り返し部251bd、5回目の折り返し部を第5折り返し部251be、6回目の折り返し部を第6折り返し部251bfという。
また、フィン装着部250aから突出して入口ヘッダー253、中継ヘッダー259及び出口ヘッダー257それぞれに繋がる扁平管251には折り返し部251bは存在しないので、これらを非折り返し部251cという。
説明の便宜上、入口ヘッダー253に繋がる扁平管251の非折り返し部を第1非折り返し部251ca、出口ヘッダー257に繋がる扁平管251の非折り返し部を第2非折り返し部251cb、及び中継ヘッダー259に繋がる扁平管251の非折り返し部を第3非折り返し部251ccという(図6参照)。
扁平管251の折り返し部251b及び非折り返し部251cには、伝熱フィン255が装着されないので、フィン非装着部250bという。フィン非装着部250bは、通過する空気と管内冷媒との熱交換にほとんど貢献しない。
扁平管251については上部パス52と下部パス51の説明でさらに詳細を述べる。
(3−2)伝熱フィン255
伝熱フィン255は、波形に折り曲げられたアルミニウム製またはアルミニウム合金製のフィンである。伝熱フィン255は、上下に隣接する扁平管251の平面部251aに挟まれた通風空間に配置され、谷部および山部が扁平管251の平面部251aと接触している。なお、谷部と山部と平面部251aとはロウ付け溶接されている。
伝熱フィン255は、扁平管251の平面部251aのうち、片側の折り返し部から一定長さ離れた位置から反対側の折り返し部から一定長さ離れた位置までロウ付けされている。この領域をフィン装着部250aとよび、それ以外をフィン非装着部250bとよぶ。
(3−3)入口ヘッダー253、中継ヘッダー259及び出口ヘッダー257
入口ヘッダー253は、中空円筒状の管である。入口ヘッダー253は、上下方向に等間隔を維持して並ぶ複数の扁平管251の一方の端と連結されている。また、入口ヘッダー253は、扁平管251を支持する機能と、冷媒を扁平管251内のマイクロチャネルに導く機能と、マイクロチャネルから出てきた冷媒を集合させる機能とを有している。
中継ヘッダー259は、入口ヘッダー253と同様に、中空円筒状の管である。中継ヘッダー259は、入口ヘッダー253と同様の機能に加えて、4つの扁平管251それぞれから流入してきた冷媒を集合させて2つの扁平管251へ流出させる機能を有している。
出口ヘッダー257は、入口ヘッダー253と同様に、中空円筒状の管である。出口ヘッダー257は、上下方向に等間隔を維持して並ぶ複数の扁平管251の他方の端と連結されている。また、出口ヘッダー257は、入口ヘッダー253と同様に、扁平管251を支持する機能と、冷媒を扁平管251内のマイクロチャネルに導く機能と、マイクロチャネルから出てきた冷媒を集合させる機能とを有している。
(3−4)防食部材260
図4及び図5に示すように、扁平管251の5つの折り返し部のうち第1折り返し部251ba、第3折り返し部251bc及び第5折り返し部251beと、左側板917との間に板状の防食部材260が取り付けられている。
防食部材260は、第1折り返し部251ba、第3折り返し部251bc及び第5折り返し部251beが空気流に曝されることを防止して腐食の進行を抑制している。
例えば、防食部材260がない場合、扁平管251の5つの折り返し部のうち第1折り返し部251ba、第3折り返し部251bc及び第5折り返し部251beは、送風機室91b内で左側板917の側面吸入口917c(図5参照)に近接しているので、空気流に曝される。
これに対し、第2折り返し部251bb及び第4折り返し部251bdは、機械室91a内に位置し、空気流に曝されることがない。このような場合、空気流に曝される第1折り返し部251ba、第3折り返し部251bc及び第5折り返し部251beは、空気流に曝されない第2折り返し部251bb及び第4折り返し部251bdに比べて腐食の進行が速くなる。
そこで、室外熱交換器25では、扁平管251、防食部材260、ロウ材の順に電位が小さくなる構成としている。それゆえ、扁平管251に対して防食部材260が犠牲防食効果を発揮し、防食部材260及び扁平管251に対してロウ材が犠牲防食効果を発揮する。
(3−5)管板270
図2〜図4に示すように、フィン装着部250aを挟んで防食部材260と反対側となるフィン非装着部250bに管板270が取り付けられている。管板270は、フィン装着部250aに装着された伝熱フィン255の群を防食部材260とで挟み込むように配置されている。管板270は、フィン非装着部250bで扁平管251とロウ付けされる。
本体ケーシング91の内部を機械室91aと送風機室91bとに分ける仕切板927は、第1前板919と第2前板921との境界から延び、その終端は室外熱交換器25の管板270寄りに至る。そして、室外熱交換器25と本体ケーシング91の背面側との隙間は、管板270によって機械室91aと送風機室91bとに仕切られる。つまり、管板270は、仕切部材としての機能も有している。
図2及び図4に示すように、管板270の略中央であって、扁平管251の第2折り返し部251bbと第4折り返し部251bdとの間に、温度センサが挿入される温度センサ保持部280が設けられている。温度センサ保持部280は、第4折り返し部251bdの最も外側に位置する扁平管251に接するように設けられている。
なお、温度センサ保持部280は、管板270に製作後に管板270に固着させてもよいが、本実施形態では管板270の製作時に管板270の材料自体を用いて一体成形される。
(4)扁平管251による上部パス52及び下部パス51の形成
図6は、室外熱交換器25のパス数を示す模式図である。図2及び図6において、第2折り返し部251bbの上方に入口ヘッダー253が配置され、第4折り返し部251bdの下方に中継ヘッダー259が配置されている。中継ヘッダー259は、4つの扁平管251それぞれから流入してきた冷媒を集合させて2つの扁平管251へ流出させる機能を有している。
中継ヘッダー259からは2つの扁平管251が延びてフィン装着部250aのうち中継ヘッダー259の反対側から突出して第6折り返し部bfで折り返されて再びフィン装着部250aに至る。
第6折り返し部251bfを経た2つの扁平管251はフィン装着部250aを経て出口ヘッダー257に入る。出口ヘッダー257は、中継ヘッダー259の鉛直下方に一体に形成されている。
ここで、入口ヘッダー253から中継ヘッダー259までの冷媒流路を総称して上部パス52とし、中継ヘッダー259から出口ヘッダー257までの冷媒流路を総称して下部パス51とする。
そして、上部パス52に属する4つの扁平管251それぞれが形成するパスを、上から順に上部1段目パス521、上部2段目パス522、上部3段目パス523、及び上部4段目パス524という。
また、下部パス51に属する2つの扁平管251それぞれが形成するパスを、上から順に下部1段目パス511及び下部2段目パス512という。
(冷媒の流れ)
図2及び図6において、左側上部の入口ヘッダー253に流入した冷媒は、上から上部1段目パス521、上部2段目パス522、上部3段目パス523及び上部4段目パス524の各内部流路(マイクロチャネル)へ略均等に分配され、最初の折り返し部である第1折り返し部251baに向って流れる。
第1折り返し部251baに到達した冷媒はそこで進行方向を180°反転し、次の折り返し部である第2折り返し部251bbに向かって流れる。
第2折り返し部251bbに到達した冷媒はそこで進行方向を180°反転し、次の折り返し部である第3折り返し部251bcに向かって流れる。
第3折り返し部251bcに到達した冷媒はそこで進行方向を180°反転し、次の折り返し部である第4折り返し部251bdに向かって流れる。
第4折り返し部251bdに到達した冷媒はそこで進行方向を180°反転し、次の折り返し部である第5折り返し部251beに向かって流れる。
第5折り返し部251beに到達した冷媒はそこで進行方向を180°反転し、中継ヘッダー259に向かって流れる。
上部パス52を経由して中継ヘッダー259で集合した冷媒は、今度は、下部パス51の下部第1段目パス511及び下部第2パス512の各マイクロチャネルへ略均等に分配され、第6折り返し部bfへ向かって流れる。
第6折り返し部251bfに到達した冷媒はそこで進行方向を180°反転し、出口ヘッダー257に向かって流れる。
例えば、室外熱交換器25が蒸発器として機能するとき、ガス冷媒は上部パス52を流れる間に凝縮し、下部パス51を流れる間に過冷却される。
本実施形態では、上部パス52からそれよりパス数の少ない下部パスへの切り換えが中継ヘッダー259を介して行われるので、過冷却領域である下部パス51での冷媒流速の低下が防止され、その結果、熱交換性能が損なわれることが回避される。
(5)特徴
(5−1)
室外熱交換器25では、一つの中継ヘッダー259が上部パス52の扁平管251から流入してきた冷媒の向きを反転させて下部パス51の扁平管251に流す機能を有するので、簡単な構造でパス数を変更して、熱交換器性能を調整することができる。
(5−2)
室外熱交換器25では、冷媒出口側となる熱交換器下部のパス数を冷媒入口となる熱交換器上部のパス数より少なくすることによって過冷却を大きくとることができる。また、中継ヘッダー259内でパス数の変換と冷媒向きの変換を行うので冷媒流速の低下を防止することができる。その結果、熱交換性能を高めることができる。
(5−3)
室外熱交換器25では、中継ヘッダー259と出口ヘッダー257との一体化により部品点数が削減され、コスト低減となる。
(5−4)
室外熱交換器25では、中継ヘッダー259の配置を室外熱交換器25の一側端に限定したことによって、組立時の作業範囲を減縮することが可能となり、作業効率が向上し、製造コストを抑制することができる。
(6)パス取りの変形例
図7は、変形例に係る室外熱交換器25のパス数を示す模式図である。図7において、4つの扁平管251が互いに等間隔を維持したまま蛇行するように3回折り返され、一旦、中継ヘッダー259に至る。
次に、中継ヘッダー259からは2つの扁平管251が延び、3回折り返され、出口ヘッダー257に至る。
説明の便宜上、中継ヘッダー259に至るまでの折り返し部251bのうち、1回目の折り返し部を第1折り返し部251ba、2回目の折り返し部を第2折り返し部251bb、3回目の折り返し部を第3折り返し部251bcという。
また、中継ヘッダー259以降の折り返し部251bのうち、1回目の折り返し部を下第1折り返し部251bg、2回目の折り返し部を下第2折り返し部251bh、3回目の折り返し部を下第3折り返し部251biという。
また、フィン装着部250aから突出して入口ヘッダー253、中継ヘッダー259及び出口ヘッダー257それぞれに繋がる扁平管251には折り返し部251bは存在しないので、これらを非折り返し部251cという。
説明の便宜上、入口ヘッダー253に繋がる扁平管251の非折り返し部を第1非折り返し部251ca、出口ヘッダー257に繋がる扁平管251の非折り返し部を第2非折り返し部251cb、及び中継ヘッダー259に繋がる扁平管251の非折り返し部を第3非折り返し部251ccという。
第2折り返し部251bbの上方に入口ヘッダー253が配置され、第2折り返し部251bbの下方に中継ヘッダー259が配置されている。
中継ヘッダー259は、4つの扁平管251それぞれから流入してきた冷媒を集合させて2つの扁平管251へ流出させる。
ここで、入口ヘッダー253から中継ヘッダー259までの冷媒流路を総称して上部パス52とし、中継ヘッダー259から出口ヘッダー257までの冷媒流路を総称して下部パス51とする。
そして、上部パス52に属する4つの扁平管251それぞれが形成するパスを、上から順に上部1段目パス521、上部2段目パス522、上部3段目パス523、及び上部4段目パス524という。
また、下部パス51に属する2つの扁平管251それぞれが形成するパスを、上から順に下部1段目パス511及び下部2段目パス512という。
(冷媒の流れ)
図7において、左側上部の入口ヘッダー253に流入した冷媒は、上から上部1段目パス521、上部2段目パス522、上部3段目パス523及び上部4段目パス524の各内部流路(マイクロチャネル)へ略均等に分配され、最初の折り返し部である第1折り返し部251baに向って流れる。
第1折り返し部251baに到達した冷媒はそこで進行方向を180°反転し、次の折り返し部である第2折り返し部251bbに向かって流れる。
第2折り返し部251bbに到達した冷媒はそこで進行方向を180°反転し、次の折り返し部である第3折り返し部251bcに向かって流れる。
第3折り返し部251bcに到達した冷媒はそこで進行方向を180°反転し、中継ヘッダー259に向かって流れる。
上部パス52を経由して中継ヘッダー259で集合した冷媒は、今度は、下部パス51の下部第1段目パス511及び下部第2パス512の各マイクロチャネルへ略均等に分配され、下第1折り返し部251bgへ向かって流れる。
下第1折り返し部251bgに到達した冷媒はそこで進行方向を180°反転し、次の折り返し部である下第2折り返し部251bhに向かって流れる。
下第2折り返し部251bhに到達した冷媒はそこで進行方向を180°反転し、次の折り返し部である下第3折り返し部251biに向かって流れる。
下第3折り返し部251biに到達した冷媒はそこで進行方向を180°反転し、出口ヘッダー257に向かって流れる。
上記のように、本変形例では、室外熱交換器25が蒸発器として機能するとき、ガス冷媒は上部パス52を流れる間に凝縮し、下部パス51を流れる間に十分に過冷却される。
本変形例においても、上部パス52からそれよりパス数の少ない下部パスへの切り換えが中継ヘッダー259を介して行われるので、過冷却領域である下部パス51での冷媒流速の低下が防止され、その結果、熱交換性能が損なわれることが回避される。
(7)他の実施形態
上記実施形態のパス取り(図6)及び変形例のパス取り(図7)は、一つの中継ヘッダー259が上部パス52の扁平管251から流入してきた冷媒の向きを反転させて下部パス51の扁平管251に流す態様を示している。しかし、中継ヘッダー259が、必ずしも、流入してきた冷媒の向きを反転させる必要はない。
図8は、他の実施形態に係る室外熱交換器25のパス数を示す模式図である。図8において、上部パス52を経由して中継ヘッダー259で集合した冷媒は、中継ヘッダー259を挟んで上部パス52とは反対側に接続された下部パス51の下部第1段目パス511及び下部第2パス512の各マイクロチャネルへ略均等に分配され、第6折り返し部251bfへ向かって流れる。
このように、「中継ヘッダー259から出た下部パス51の下部第1段目パス511及び下部第2パス512自体が折り返されて、下第1折り返し部251bgへ向かう」という構成であってもよい。
以上のように、本発明によれば、高性能の熱交換器を室外熱交換器として採用することができるので、空気調和機に限らずヒートポンプ式給湯機にも有用である。
25 室外熱交換器
51 下部パス(第1パス)
52 上部パス(第2パス)
250a フィン装着部
250b フィン非装着部
251 扁平管
255 伝熱フィン
251b 折り返し部
255 伝熱フィン
259 中継ヘッダー(中継部材)
特開2015−90237号公報

Claims (5)

  1. 少なくとも1本の扁平管(251)を有する第1パス(51)と、
    前記第1パス(51)の前記扁平管(251)の数よりも多い複数の扁平管(251)を有し、前記複数の扁平管(251)が互いに等間隔を維持したまま蛇行するように複数回折り返され、少なくとも2つの前記扁平管(251)の奇数回目の折り返し部分へ向う部分及び偶数番目の折り返し部分へ向う部分が、他の前記扁平管(251)の奇数回目の折り返し部分へ向う部分と偶数番目の折り返し部分へ向う部分との間に配置されている、第2パス(52)と、
    前記扁平管(251)に接触するように装着される伝熱フィン(255)と、
    前記第2パスの前記複数の扁平管(251)の一方の端と連結される中空の管である第1ヘッダー(253)と、
    前記第1パス(51)の前記扁平管(251)および前記第2パス(52)の前記複数の扁平管(251)が接続される中継部材(259)と、
    を備え、
    前記中継部材(259)は、前記第2パス(52)の前記複数の扁平管(251)から流入してきた冷媒を前記第1パス(51)の前記扁平管(251)に流す機能を有し、
    前記第1パス(51)の前記扁平管(251)および前記第2パス(52)の前記複数の扁平管(251)は、前記伝熱フィン(255)が装着されているフィン装着部(250a)を除くフィン非装着部(250b)において冷媒を反転させる折り返し部(251b)を形成し、
    一方の側端が前記扁平管(251)の前記折り返し部(251b)だけで構成され、他方の側端には前記第1ヘッダー(253)および前記中継部材(259)が上下方向に離れて配置されている、
    熱交換器(25)。
  2. 前記第2パス(52)は、前記第1パス(51)より上方に位置する、
    請求項1に記載の熱交換器(25)。
  3. 前記中継部材(259)は、前記第1パス(51)の出口(257)と一体である、
    請求項1又は請求項2に記載の熱交換器(25)。
  4. 他方の側端が前記中継部材(259)と前記扁平管(251)の前記折り返し部(251b)とで構成されている、
    請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の熱交換器(25)。
  5. 少なくとも1本の扁平管(251)を有する第1パス(51)と、
    前記第1パス(51)の前記扁平管(251)の数よりも多い複数の扁平管(251)を有し、前記複数の扁平管(251)が互いに等間隔を維持したまま蛇行するように複数回折り返され、少なくとも2つの前記扁平管(251)の奇数回目の折り返し部分へ向う部分及び偶数番目の折り返し部分へ向う部分が、他の前記扁平管(251)の奇数回目の折り返し部分へ向う部分と偶数番目の折り返し部分へ向う部分との間に配置されている、第2パス(52)と、
    前記扁平管(251)に接触するように装着される伝熱フィン(255)と、
    前記第2パスの前記複数の扁平管(251)の一方の端と連結される中空の管である第1ヘッダー(253)と、
    前記第1パス(51)の前記扁平管(251)および前記第2パス(52)の前記複数の扁平管(251)が接続される中継部材(259)と、
    を備え、
    前記中継部材(259)は、前記第2パス(52)の前記複数の扁平管(251)から流入してきた冷媒を前記第1パス(51)の前記扁平管(251)に流す機能を有し、
    前記第1パス(51)の前記扁平管(251)および前記第2パス(52)の前記複数の扁平管(251)は、前記伝熱フィン(255)が装着されているフィン装着部(250a)を除くフィン非装着部(250b)において冷媒を反転させる折り返し部(251b)を形成し、
    一方の側端が前記扁平管(251)の前記折り返し部(251b)だけで構成され、他方の側端が前記中継部材(259)と前記扁平管(251)の前記折り返し部(251b)とで構成され、他方の側端には前記第1ヘッダー(253)および前記中継部材(259)が上下方向に離れて配置されており、
    前記中継部材(259)は、前記第1パス(51)の出口(257)と一体である、
    熱交換器(25)。
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