JP6453985B1 - カーボン微粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ケナフを原料として、高純度のリグニンからカーボン微粒子を製造できるようにしたカーボン微粒子の製造方法を提供する。【解決手段】A)ケナフを蒸解してリグニン含有溶液を得る工程と、B)得られたリグニン含有溶液からリグニン含有物を採取し、該リグニン含有物から塩分を除く工程と、C)塩分を除いたリグニン含有物を炭化する工程と、D)炭化物を粉砕する工程と、E)粉砕した炭化物を熱プラズマ処理してカーボン微粒子を得る工程とにより、カーボン微粒子を製造する。更に、前記工程E)の後、更に、F)得られたカーボン微粒子を再粉砕してナノ粒子化する工程を行うことが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、ケナフを原料とするカーボン微粒子の製造方法に関する。
ケナフは成長が早く、日当たりの良い土地であれば特に土質を選ぶことなく、育てやすい植物であることが知られている。また、野生動物の餌にならない為に鳥獣害防除が不要であること、土壌中の放射性セシウムを吸収しないことからも資源としての活用が期待されている。
ケナフは、非木材パルプの原料として利用されているが、パルプを製造する際に副生する黒液と呼ばれる廃液にはリグニンが含まれており、このリグニンを有効利用することが望まれている。
一方、下記特許文献1には、リグニンを主要成分とする有機物原料の溶液を、微小液滴下し、その微小液滴を乾燥することにより微粒子を調製し、その微粒子を300〜1200℃の範囲で熱処理して炭素微粒子を製造することを特徴とする炭素微粒子の製造方法が開示されている。この方法によれば、特に高強度性、軽量性、高い比表面積を有する炭素微粒子の製造方法を提供できることが記載されている。
また、下記特許文献2には、バイオマスカーボン粉末を定量供給し落下させる原料供給工程と、前記落下直後の粉末を分散させる粉末分散工程と、前記分散し落下する粉末を賦活ガス雰囲気中で100〜1800℃で加熱して高周波電源により放電発熱させて賦活反応をさせる賦活工程と、を含む工程からなることを特徴とするバイオマスカーボン賦活方法が開示されている。この方法によれば、植物性原料を熱分解した後のバイオマスカーボンを、アルカリなどの薬品除去工程を必要とせず、低温度かつ短時間で賦活させ、かつ前記バイオマスカーボンを使用目的に応じた比表面積を有するように賦活させることができることが記載されている。
特許第5062593号 特許第5555511号
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、リグニンを主要成分とする有機物原料の溶液から得られた微粒子をそのまま熱処理しているため、不純物が完全に除去されない可能性があり、用途によっては、炭素の純度が不足する可能性があった。
また、特許文献2に記載の技術では、木材チップ等を半炭化し、粉砕して、プラズマ放電加熱により炭化しているが、木材チップ等に含まれる、炭素以外の不純物が残る可能性があり、用途によっては、炭素の純度が不足する可能性があった。
そこで、本発明の目的は、ケナフを原料として、高純度のリグニンからカーボン微粒子を製造できるようにしたカーボン微粒子の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のカーボン微粒子の製造方法は、
A)ケナフを蒸解してリグニン含有溶液を得る工程と、
B)得られたリグニン含有溶液からリグニン含有物を採取し、該リグニン含有物から塩分を除く工程と、
C)塩分を除いたリグニン含有物を炭化する工程と、
D)炭化物を粉砕する工程と、
E)粉砕した炭化物を熱プラズマ処理してカーボン微粒子を得る工程とを含むことを、特徴とする。
本発明においては、前記工程E)の後、更に、F)得られたカーボン微粒子を再粉砕してナノ粒子化する工程を行うことが好ましい。
また、前記工程A)は、ケナフをアルカリ溶液中で20〜100℃で4〜72時間攪拌加熱する工程を含む、請求項1又は2に記載のカーボン微粒子の製造方法。
また、前記工程B)は、前記リグニン含有溶液に酸を加えてpH調整した後、凝集剤を添加してリグニン含有物を採取し、得られたリグニン含有物を乾燥し、水洗し、再度乾燥する工程を含むことが好ましい。
また、前記工程C)の炭化は、不活性ガス雰囲気で180〜900℃で加熱することによって行うことが好ましい。
更に、前記工程D)において、前記炭化物を平均粒径が5〜40μmとなるように粉砕することが好ましい。
更にまた、前記工程F)において、前記カーボン微粒子を液体中で再粉砕することが好ましい。
本発明のカーボン微粒子の製造方法によれば、ケナフを蒸解して得られるリグニン含有溶液から、リグニン含有物を採取し、塩分を除き、リグニン含有物を炭化した後に粉砕し、この粉砕物を熱プラズマ処理してカーボン微粒子を得るようにしたので、高純度のリグニンからカーボン微粒子を得ることができる。
このため、本発明のカーボン微粒子は、導電性、摺動性、耐熱性、耐食性に優れるので、電磁シールド材、摺動部材、発熱体、耐熱材、耐食材等に利用することができる。
本発明のカーボン微粒子の製造方法の一実施形態を示す製造工程図である。
図1には、本発明のカーボン微粒子の製造方法の一実施形態による製造工程が示されている。すなわち、このカーボン微粒子の製造方法は、A)ケナフを蒸解してリグニン含有溶液を得る工程と、B)得られたリグニン含有溶液からリグニン含有物を採取し、該リグニン含有物から塩分を除く工程と、C)塩分を除いたリグニン含有物を炭化する工程と、D)炭化物を粉砕する工程と、E)粉砕した炭化物を熱プラズマ処理してカーボン微粒子を得る工程と、F)得られたカーボン微粒子を再粉砕してナノ粒子化する工程とを含んでいる。なお、本発明において、前記工程F)は必ずしも必須ではない。
以下、各工程について、具体例を挙げて説明する。
カーボン微粒子の原料となるケナフ(Hibiscus cannabinus)は、アオイ科フヨウ属の植物である。採取部位に限定はなく、茎、葉、根及び花等のいずれでもよいが、茎が好ましい。なお、ケナフの茎は、靭皮部分と木質部分から構成されているが、いずれの部分も使用することができる。
本願発明に用いるケナフの状態は、収穫直後の生の状態のものであってもよいし、乾燥が進んでいる状態のものであってもよい。形状は、蒸解槽に投入できる程度や効率よく蒸解が進む程度に細断したものであってもよい。
本発明のカーボン微粒子の製造方法は、A)薬剤によりケナフを蒸解してリグニン含有溶液を得る工程を含む。この工程A)は、好ましくは(A−1)ケナフを蒸解する工程と、(A−2)リグニン含有溶液を採取する工程とを含む(図1参照)。
この工程A)に用いる蒸解槽は、通常蒸解に用いられる蒸解槽であれば、特に限定されず用いることができる。一例を説明すると、蒸解槽はステンレス等の金属製の外槽と内構からなり、内槽はケナフが落ちない程度の網目を有するかごであり、外槽の内側に挿入できるように、内槽は外槽よりも小さい胴径からなる。蒸解槽には、ケナフと薬剤を攪拌できるように攪拌羽根が設置されていてもよい。
工程A)の一例を説明する。内槽にケナフを投入し、薬剤が入った外槽に内槽を沈める。この時、ケナフの量は、内槽に投入されたケナフがすべて薬剤に浸漬するように調製する。ケナフと薬剤を一定温度下で攪拌しながら、ケナフの蒸解を行う。蒸解が終了したら、ケナフの入った内槽を外槽から引き揚げ、外槽に入っている黒液(リグニン含有溶液)を回収する。
蒸解によって回収される黒液は、これを薬剤として再び外槽に入れ、新たなケナフを用いて2回目の工程A)に用いることができる。さらに、2回の工程A)で回収した黒液を、再び外槽にいれて、新たなケナフを用いて3回目の工程A)に用いることができる。このように回収した黒液を薬剤として、新たなケナフを用いて工程A)に用いることができるが、黒液中に含まれるリグニンの濃度が一定の値を超えると飽和状態となり、蒸解の効率が下がるので、適当な濃度となったときにリグニン含有溶液として採取し、新しい薬剤を用いてケナフの蒸解処理を行う。
工程A)の蒸解のための薬剤としては、例えば水酸化ナトリウムなどのアルカリ剤を溶解したアルカリ溶液が好ましく用いられる。アルカリ剤以外の薬剤としては、例えば硝酸等の酸を用いることができる。
用いる薬剤の濃度は、薬剤の種類により、適宜調整することができる。水酸化ナトリウムを用いる場合には、2〜25質量%濃度であることが好ましく、5〜20質量%濃度であることがより好ましい。2質量%濃度未満であると、蒸解の効率が下がり、25質量%濃度を超えると、後の工程におけるpH調整の際、酸を多量に添加しなければならなくなり、不純物となる塩の生成量が増大する。
アルカリ溶液の量は、その種類により、適宜調整することができる。生ケナフに対するアルカリ溶液の量が、少なすぎると、蒸解の効率が下がり、多すぎると、後の工程におけるpH調整の際、酸を多量に添加しなければならなくなり、不純物となる塩の生成量が増大する傾向にある。
蒸解は、20〜100℃で行うことが好ましく、40〜60℃で行うことがより好ましい。また、4〜72時間行うことが好ましく、12〜36時間行うことがより好ましい。蒸解の温度が20℃未満であったり、蒸解時間が4時間未満であったりと、蒸解の条件が緩いとケナフから効率よくリグニン含有物を蒸解することができない傾向にあり、また、蒸解の温度が100℃を超えたり、蒸解時間が72時間を超えたりと、蒸解の条件が厳しいと、蒸解工程の所要時間が長くなる傾向にある。
こうしてケナフを蒸解した後、主としてセルロースを含有する固形分と、を採取し、黒液と呼ばれるリグニン含有溶液とに分離する。本発明では、このリグニン含有溶液を用いてカーボン微粒子を製造する。主としてセルロースを含有する固形分は、別途、セルロースの製造に用いることができる。
次に、本発明のカーボン微粒子の製造方法は、B)得られたリグニン含有溶液からリグニン含有物を採取し、該リグニン含有物から塩分を除く工程を含む。この工程B)は、具体的には、(B−1)酸を添加してpH調整する工程、(B−2)凝集剤を添加する工程、(B−3)リグニン含有物を採取する工程、(B−4)乾燥する工程、(B−5)水洗する工程、(B−6)再度乾燥する工程とを含む。
この工程B)の一例を説明する。黒液(リグニン含有溶液)に水を加え、pHメーターでモニタリングしながら、攪拌しつつ、希硫酸等の酸を加え、好ましくはpH5以下、より好ましくはpH2〜3に調製する。これに凝集剤を加えてリグニン含有物を凝集させる。凝集したリグニン含有物を回収し、網目状の容器等の水分を分離できるような容器に入れ、水分を除く。
次に、水分を除いたリグニン含有物を乾燥させる。乾燥は公知の方法で行うことができる。一例を挙げると、リグニン含有物を水分を分離できるような容器に入れて水分を切り、さらに温風乾燥する。
リグニン含有物を乾燥させると、主に工程A)の薬剤由来の塩分が表面上に折出する。このリグニン含有物を水洗し、析出した塩分を取り除く。水洗いをしたリグニン含有物を、水分を分離できるような容器に入れ、再度温風乾燥する。
このようにリグニン含有物から塩分を除くことで、最終生成物であるカーボン微粒子の純度を上げることができる。また、塩分を除いたリグニン含有物を乾燥させることで、後の工程でリグニン含有物を炭化する際に、炭化反応を効率よく行うことができる。
工程B)で用いる凝集剤としては、高分子凝集剤又は無機凝集剤を用いることができる。高分子凝集剤としては、アニオン性高分子凝集剤、ノニオン性高分子凝集剤、カテオン性高分子凝集剤、両性高分子凝集剤、ジシアンジアミド、メラミン酸コロイド等が挙げられ、無機凝集剤としては、塩化アルミニウム、PAC(ポリ塩化アルミニウム)、硫酸バンド、塩化第二鉄、ボリ硫酸第二鉄等が挙げられる。この中でも、特にノニオン性高分子凝集剤が好ましく用いられ、具体的には、ハイモ株式会社のハイモロックE−200(製品名)を用いることができる。
次に、本発明のカーボン微粒子の製造方法は、C)塩分を除いたリグニン含有物を炭化する工程を含む。
この工程C)に用いる炭化炉としては、例えばロータリーキルンを使用することができる。
この工程C)の一例を説明する。塩分を除き、乾燥させたリグニン含有物を不燃性容器に入れ、炭化炉に設置する。炭化炉に不活性ガスを注入しながら不活性ガス雰囲気下で所定の温度に上げて、有機物を分解することで、リグニン含有物を炭化し、有機成分を取り除くことができる。リグニン含有物の炭化が十分に進行したら加熱を止め、一定の温度になるまで放冷する。
このようにリグニン含有物を炭化して不純物として含まれる有機成分を除くことで、最終生成物であるカーボン微粒子の純度を高めることができる。
注入する不活性ガスとしては、アルゴン、へリウム、窒素、二酸化炭素等を用いることができ、特にアルゴンが好ましく用いられる。
炭化は、好ましくは180〜900℃、より好ましくは200〜600℃で行うことができる。また、炭化に必要とされる時間は、特に限定されないが、例えば6〜24時間が好ましく、8〜12時間がより好ましい。
除かれる有機成分としては、脂質、タンパク質、糖質等が挙げられる。
本発明のカーボン微粒子の製造方法は、D)炭化物を粉砕する工程を含む。この工程D)は、具体的には、(D−1)炭化物を粗粉砕する工程と、(D−2)炭化物を微粉砕する工程とを含む。
この工程D)の一例を説明する。炭化物は、前処理として、粗粉砕機によって平均粒径が好ましくは0.02〜0.5mm、より好ましくは0.05〜0.1mmの粒子となるように粗粉砕する。粗粉砕機としては、例えば、ロール式粉砕機、ハンマー式粉砕機、衝撃式粉砕機、カッターミル、ターボグラインダー、ボールミル、フラッシュミル等が用いられる。
次に、粗粉砕物を、さらに微粉砕機によって平均粒径が好ましくは10〜40μm、より好ましくは15〜20μmの微粒子となるように微粉砕する。微粉砕機としては、例えば、ノズルから高圧の空気を粒子に衝突させ、粒子同士の衝突によって微粉砕する装置であるジェットミル等が挙げられ、具体的には、ナノジェットマイザー(製品名、株式会社アイシンナノテクノロジー製)が挙げられる。このようなミルであれば、粒子同士の衝突によって微粉砕するので、粉砕中に不純物が入りにくい傾向にある。
このように炭化物を粉砕することで、後の工程で熱プラズマ処理をする際に、プラズマ装置内のチャンバーにスムーズに通すことができるので、ムラなく熱を加えることで安定して熱プラズマ処理をすることができる。
次に、本発明のカーボン微粒子の製造方法は、E)粉砕したリグニン含有物を熱プラズマ処理してカーボン微粒子を得る工程を含む。
この工程E)に用いるプラズマ装置としては、特に限定されないが、例えばTP series 高周波誘導熱プラズマ装置(製品名、日本電子株式会社製)を用いることができる。
この工程E)の一例を説明する。プラズマ装置のチャンバー内にプラズマ発生用ガスを導入し、プラズマを発生させる。このチャンバー内に粉砕した炭化物を導入し、放電現象によってプラズマを発生させ、炭化物を昇華又は熱反応させてチャンバー内に落下させ、冷却により固化させて、カーボン微粒子を得ることができる。
このように粉砕した炭化物を熱プラズマ処理することで、より完全に炭化したカーボン微粒子を得ることができる。なお、上記工程C)においてもリグニン含有物は一部炭化されているが十分ではなく、この工程E)においては、工程C)で炭化されていなかったリグニン含有物を十分に炭化させることができる。
本発明のカーボン微粒子の製造方法は、更に、F)得られたカーボン微粒を再粉砕してナノ粒子化する工程を含むことができる。
この工程F)の一例を説明する。この工程F)では、得られたカーボン微粒子を、さらに粉砕機によって平均粒径が好ましくは5〜500nm、より好ましくは5〜400nmの微粒子となるように粉砕する。
このようにカーボン微粒子をナノ粒子化することで、安定的に液体中に分散でき、微細な隙間などに液体と共に拡散するというメリットが得られる。
ナノ粒子に粉砕するために用いる粉砕機としては、平均粒径が5〜500nmの粒子に粉砕できるものであればよく、例えば、粉砕機としては、特に限定されないが、例えば遊星型ボールミルの粉砕機を用いることができ、具体的には、自転・公転ナノ粉砕機「粉砕ナノ太郎 NP−100」(製品名、株式会社シンキー製)などが挙げられる。
また、再粉砕は、カーボン微粒子を液体中に分散させた状態で行うこともできる。液体としては、不揮発性有機溶媒(油)が好ましく用いられる。水やアルコールでは、溶媒が蒸発してカーボン微粒子が乾燥すると再凝集する可能性がある。不揮発性有機溶媒としては、エンジンオイルなどの潤滑油の基油として用いられる化学合成油が好ましく用いられ、それによってカーボン微粒子入りの潤滑油添加剤を得ることができる。
本発明のカーボン微粒子の製造方法によって得られたカーボン微粒子は、一例として、非結晶性(無定形)炭素からなっている。カーボン微粒子の構造は、電子顕微鏡観察及びラマン分光分析によって確認することができる。
本発明のカーボン微粒子は、導電性、摺動性、耐熱性、耐食性に優れるので、電磁シールド材、摺動部材、発熱体、耐熱材、耐食材等へ応用することができる。化学的安定性の高い合成潤滑油にカーボン微粒子を高濃度に分散させた潤滑油添加剤を既存のエンジンオイルに少量添加することによって、既存のエンジンオイルの潤滑性能を高めることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これらの実施例は本発明を何ら限定するものではない。
<実施例>
下記工程により、ケナフからカーボン微粒子を得た。
A)薬剤によりケナフを蒸解してリグニン含有溶液を得る工程
蒸解槽は直径70cm、高さ90cmのステンレス製の外槽と、直径51cm、高さ50cmであって、目開きが3mmであるメッシュ状のステンレス製の内槽とからなる。さらに、この蒸解槽は、攪拌羽根を備える。
外槽に濃度25質量%の苛性ソーダ60kgと水80kgを投入し、濃度10質量%の苛性ソーダ水溶液とした。蒸解槽の内槽に、長さ15mmに細断した生ケナフ(含水量80質量%)30kgを投入し、苛性ソーダ水溶液が入った外槽に内槽を沈めた。ケナフと苛性ソーダ水溶液を60℃で24時間攪拌しながら、ケナフの蒸解を行った。ケナフの入った内槽を外槽から引き揚げ、さらに引き揚げたケナフに重しを乗せて圧搾した。
蒸解された内槽のケナフは別容器にあけ、新しい生ケナフ30kgを内槽に入れ、1回目の蒸解で得られた黒液が入った外槽に内槽を沈めた。上記同様に蒸解を行い、蒸解された内槽のケナフは別容器にあけ、新しい生ケナフ30kgを内槽に入れ、2回目の蒸解で得られた黒液が入った外槽に内槽を沈めた。上記同様に蒸解を行い、圧搾し、蒸解を計3回行って黒液(リグニン含有溶液)140Lを得た。
B)リグニン含有溶液からリグニン含有物を採取し、該リグニン含有物から塩分を除く工程
黒液(リグニン含有溶液)140Lに、水140Lを加えた。pHメーターでモニタリングしながら、攪拌しつつ、濃度75質量%の希硫酸を加え、pH2〜3に調製した。これに凝集剤として、水20Lと「ハイモロックE−200」(製品名、ハイモ株式会社製)20ccとの混合液を加えてリグニン含有物を凝集させた。凝集したリグニン含有物を回収し、目開きが1mmである網目状の容器に入れ、24時間重しを乗せて水分を除いた。
次に、水分を除いたリグニン含有物を、厚さ約10mm程度になるように目開きが1mmである網目状の容器にならし、約24時間水分を切り、さらに
約1週間、50℃で温風乾燥させた。
温風乾燥させたリグニン含有物を水洗いし、折出した塩分を取り除いた。水洗いをしたリグニン含有物を、再び容器にならし、120時間、50℃で再度温風乾燥させた。
C)リグニン含有物を炭化する工程
乾燥させたリグニン含有物をステンレス製容器に入れ、炭化炉に設置した。炭化炉にアルゴンガスを注入しながら不活性ガス雰囲気下で450℃まで温度を上げ、有機成分であるタールを取り除いた。450℃まで温度が上がったら加熱を止め、アルゴンガスを注入したままの状態で、炭化炉内部が60℃以下の温度になるまで放冷した。
D)炭化物を粉砕する工程
得られた炭化物を、カッターミルによって平均粒径1mmの粒子となるように粗粉砕した。さらにナノジェットマイザー(製品名、株式会社アイシンナノテクノロジー製)によって平均粒径が好ましくは10〜40μmの微粒子となるように粉砕した。
E)粉砕した炭化物を熱プラズマ処理してカーボン微粒子を得る工程
「TP series 高周波誘導熱プラズマ装置」(製品名、日本電子株式会社)のチャンバー内にアルゴンガスを導入し、プラズマを発生させた。このチャンバー内に粉砕した炭化物を導入し、放電現象によって約2000〜7000℃で熱分解処理を行い、カーボン微粒子を得た。
F)カーボン微粒子を再粉砕してナノ粒子化する工程
炭化させたリグニン粒子は、さらに自転・公転ナノ粉砕機「粉砕ナノ太郎 NP−100」(製品名、株式会社シンキー製)によって平均粒径が100〜300nmの微粒子となるように粉砕した。

Claims (7)

  1. A)ケナフを蒸解してリグニン含有溶液を得る工程と、
    B)得られたリグニン含有溶液からリグニン含有物を採取し、該リグニン含有物から塩分を除く工程と、
    C)塩分を除いたリグニン含有物を炭化する工程と、
    D)炭化物を粉砕する工程と、
    E)粉砕した炭化物を熱プラズマ処理してカーボン微粒子を得る工程とを含むことを、特徴とするカーボン微粒子の製造方法。
  2. 前記工程E)の後、更に、F)得られたカーボン微粒子を再粉砕してナノ粒子化する工程を行う、請求項1に記載のカーボン微粒子の製造方法。
  3. 前記工程A)は、ケナフをアルカリ溶液中で20〜100℃で4〜72時間攪拌加熱する工程を含む、請求項1又は2に記載のカーボン微粒子の製造方法。
  4. 前記工程B)は、前記リグニン含有溶液に酸を加えてpH調整した後、凝集剤を添加してリグニン含有物を採取し、得られたリグニン含有物を乾燥し、水洗し、再度乾燥する工程を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のカーボン微粒子の製造方法。
  5. 前記工程C)の炭化は、不活性ガス雰囲気で180〜900℃で加熱することによって行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載のカーボン微粒子の製造方法。
  6. 前記工程D)において、前記炭化物を平均粒径が5〜40μmとなるように粉砕する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のカーボン微粒子の製造方法。
  7. 前記工程F)において、前記カーボン微粒子を液体中で再粉砕する、請求項2記載のカーボン微粒子の製造方法。
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