JP6452756B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、動力伝達装置に関する。
従来、車両等に搭載される動力伝達装置としては、内燃機関の駆動力を変速して出力するトランスミッションと、トランスミッションから出力される駆動力を左右の駆動輪に分配するデファレンシャル装置と、デファレンシャル装置に隣接して配置され、伝達された駆動力を前後方向に位置する他の駆動輪に分配するトランスファー装置とを備えている動力伝達装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1の動力伝達装置において、デファレンシャル装置は、動力伝達装置のケースに回転自在に軸支され、ファイナルドライブギヤに噛合するファイナルドリブンギヤを備えている。
また、トランスファー装置は、デファレンシャル装置のファイナルドリブンギヤの駆動力が伝達されるトランスファー入力ギヤと、動力伝達装置のケースに回転自在に軸支され、トランスファー入力ギヤを保持するトランスファー入力軸と、トランスファー入力軸に保持されている第1ベベルギヤと、第1ベベルギヤに噛合する第2ベベルギヤと、第2ベベルギヤを保持するトランスファー出力軸とを備えている。
特開2015−168392号公報
ところで、特許文献1に記載のような従来の動力伝達装置のトランスファー装置では、トランスファー装置の内部に位置するギヤの噛み合い部分、及び、シャフトを回転自在に軸支するためのベアリング等に、潤滑油等の潤滑流体を供給する必要がある。
トランスファー装置の内部に潤滑流体を供給する方法としては、例えば、トランスファー装置に潤滑流体の潤滑機構を設けるという方法が考えられる。また、デファレンシャル装置の第1ケース内の油溜からファイナルドリブンギヤが掻き上げた潤滑油を、第1ケース及び第2ケースに形成した流路を介して、デファレンシャル装置からトランスファー装置に供給するという方法も考えられる。
しかし、これらの方法では、トランスファー装置用の潤滑機構を配置するスペースを設けたり、第1ケース及び第2ケースに流路を形成するための厚みを持たせたりする必要があるので、装置全体が大型化してしまうおそれがあった。
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、装置の大型化を抑制しつつ、十分な潤滑流体をトランスファー装置に供給することができる動力伝達装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の動力伝達装置は、
デファレンシャル装置(例えば、実施形態におけるフロントデファレンシャルギヤ4。以下同じ。)と、前記デファレンシャル装置に隣接して配置されているトランスファー装置(例えば、実施形態におけるトランスファー装置5。以下同じ。)と、前記デファレンシャル装置及び前記トランスファー装置を収容し、内部に潤滑流体の流体溜が形成されるケース(例えば、実施形態におけるトランスミッションケース61とトランスファーケース53とで構成されるケース。以下同じ。)とを備えている動力伝達装置(例えば、実施形態における動力伝達装置PT。以下同じ。)であって、
前記デファレンシャル装置は、前記ケースに回転自在に軸支され、ファイナルドライブギヤ(例えば、実施形態におけるファイナルドライブギヤ30。以下同じ。)からの駆動力によって回転し、該回転の際に前記流体溜から前記潤滑流体を掻き上げる回転体(例えば、実施形態におけるトランスファードライブギヤ42b。以下同じ。)を備え、
前記トランスファー装置は、前記回転体からの駆動力が伝達されるトランスファー入力ギヤ(例えば、実施形態におけるトランスファー入力ギヤ55。以下同じ。)と、前記ケースに回転自在に軸支され、前記トランスファー入力ギヤを端部で一体回転可能に保持するトランスファー入力軸例えば、実施形態におけるトランスファー入力軸51。以下同じ。)とを備え、
前記トランスファー入力軸は、該トランスファー入力軸の前記トランスファー入力ギヤ側の端面から該トランスファー入力軸の回転中心軸線方向に延び、該トランスファー入力軸の内部と外部とを連通する連通孔(例えば、実施形態における第1連通孔51a及び第2連通孔51b。以下同じ。)を有し、
前記ケースは、前記トランスファー入力軸の前記トランスファー入力ギヤ側の端面に対向する位置に、前記回転体が前記流体溜から掻き上げた前記潤滑流体を受け止め、受け止めた該潤滑流体を前記連通孔に向かって導くリブを有していることを特徴とする。
このように、本発明の動力伝達装置では、まず、ファイナルドライブギヤからの駆動力によって回転した回転体(例えば、トランスファードライブギヤ、ファイナルドリブンギヤ等)によって掻き上げられた潤滑流体(例えば、潤滑油)が、リブに受け止められて、トランスファー入力軸の端面を介して、又は、直接、連通孔に導かれる。その後、潤滑流体は、連通孔を介して、トランスファー入力軸の外部(すなわち、トランスファー装置の内部のギヤの噛み合い部分、及び、トランスファー入力軸を回転自在に軸支するためのベアリング等が位置する空間)に導かれる。
このとき、潤滑流体は、トランスファー入力軸の周面ではなく端面に導かれるので、トランスファー入力軸の回転速度が速い場合等であっても弾かれにくい。そのため、この動力伝達装置では、トランスファー入力軸の回転速度等によらず、連通孔を介して、トランスファー入力軸の外部の空間に常に一定量以上の十分な潤滑流体が供給される。
したがって、本発明の動力伝達装置によれば、トランスファー装置用の潤滑機構を設ける必要がなく、動力伝達装置のケースに潤滑流体用の流路を形成する必要もないので、大型化を抑制することができ、また、十分な潤滑流体をトランスファー装置に供給することができる。
なお、回転体は、ケースに回転自在に軸支されているものであれば、ファイナルドライブギヤから直接的に駆動力を伝達するものであってもよいし、ファイナルドライブギヤからの駆動力が伝達される他のギヤを介して間接的に駆動力を伝達するものであってもよい。
また、本発明の動力伝達装置においては、
前記ケースは、内部に前記流体溜が形成され、前記回転体を回転自在に軸支する第1ケース(例えば、実施形態におけるトランスミッションケース61。以下同じ。)と、前記トランスファー入力軸を回転自在に軸支する第2ケース(例えば、実施形態におけるトランスファーケース53。以下同じ。)とを含み、
前記連通孔は、前記第1ケースの内部と前記第2ケースの内部とを連通しているように構成してもよい。
また、本発明の動力伝達装置においては、
前記トランスファー入力軸は、前記トランスファー入力ギヤ側の端面に、前記連通孔の縁部から径方向外側に向かって放射状に延びる放射状溝部(例えば、本実施形態における放射状溝部51c。以下同じ。)を有し、
前記放射状溝部の前記トランスファー入力軸の回転方向後側の縁部は、径方向外側に向かうほど前記トランスファー入力軸の回転方向前側に突出するように湾曲していることが好ましい。
このような放射状溝部を設けると、トランスファー入力軸の端面に導かれた潤滑流体が、トランスファー入力軸の回転に伴って、その放射状溝部のトランスファー入力軸の回転方向後側の縁部に沿って、連通孔に導かれるようになる。これにより、安定して十分な潤滑流体をトランスファー装置に供給することができるようになる。
また、本発明の動力伝達装置においては、
前記トランスファー入力軸は、前記トランスファー入力ギヤ側の端面の外周部に、環状の環状溝部(例えば、本実施形態における環状溝部51d。以下同じ。)を有していることが好ましい。
このような環状溝部を設けると、トランスファー入力軸のトランスファー入力ギヤ側の端面に導かれた潤滑流体のうち、連通孔に到達することのできなかった潤滑流体が、一時的に環状溝部に溜まることになる。そのようにして留まっていた潤滑流体は、トランスファー入力軸の回転速度が低下した際等に、連通孔に導かれる。これにより、効率良く潤滑流体をトランスファー装置に供給することができるようになる。
また、本発明の動力伝達装置においては、
前記トランスファー入力ギヤは、該トランスファー入力ギヤの端面と前記トランスファー入力軸の端面とが一致するようにして、前記トランスファー入力軸の端部で保持されていることが好ましい。
このように、トランスファー入力ギヤの端面とトランスファー入力軸の端面とを一致させると、リブによって導かれた潤滑流体を受け止める面積が広くなるので、さらに効率良く潤滑流体をトランスファー装置に供給することができるようになる。
また、本発明の動力伝達装置においては、
前記トランスファー入力軸の前記トランスファー入力ギヤ側の端面は、中央部に向かって窪むように傾斜していることが好ましい。
このようにトランスファー入力軸の端面を傾斜させると、端面に導かれた潤滑流体が、連通孔に導かれやすくなる。これにより、安定して十分な潤滑流体をトランスファー装置に供給することができるようになる。
また、本発明の動力伝達装置においては、
前記リブは、第1リブ部(例えば、本実施形態の第1リブ部62a,63a,64a。以下同じ。)と、前記第1リブ部よりも下方に設けられている第2リブ部(例えば、本実施形態の第2リブ部62b,63b,64b。以下同じ。)とを含み、
前記第1リブ部の先端部は、前記第2リブ部の先端部よりも、前記回転体側に突出していることが好ましい。
リブをこのような2段構成とすると、回転体の回転速度が速いとき(すなわち、潤滑流体が高く掻き上げられるとき)には、第1リブ部によって潤滑流体が受け止められ、回転速度が遅いとき(すなわち、潤滑流体がそれほど高く掻き上げられないとき)には、第2リブ部によって潤滑流体が受け止められることになる。
これにより、回転体の回転速度によらず潤滑流体をトランスファー入力軸に導くことができるようになるので、安定して十分な潤滑流体をトランスファー装置に供給することができるようになる。
また、本発明の動力伝達装置においては、
前記ケースは、前記リブの下方で前記回転体の周面に沿って延びる導流溝部(例えば、実施形態における導流溝部61a。以下同じ。)を有し、
前記リブは、前記導流溝部の延長線上に位置していることが好ましい。
このような導流溝部を設けると、回転体によって掻き上げられた潤滑流体のうちケースの壁面に向かって掻き上げられた潤滑流体が、その導流溝部に沿って流れ、リブに向かって噴き上げられるようになる。これにより、直接リブに受け止められた潤滑流体以外の潤滑流体も第1連通孔に導かれるようになるので、さらに十分な潤滑流体をトランスファー装置に供給しやすくなる。
第1実施形態に係る動力伝達装置の概略図。 図1の動力伝達装置のスケルトン図。 図1の動力伝達装置のトランスファー装置を示す断面図。 図1の動力伝達装置の要部を拡大して示す斜視図。 図3のトランスミッションケースのA−A線断面図。 図1の動力伝達装置のトランスファー入力軸の端部の構造を示す斜視図。 第2実施形態に係る動力伝達装置の要部を拡大して示す斜視図。 図7の動力伝達装置のトランスミッションケースの要部の内部構造及びリブ部材の構造を示す平面図。 図7の動力伝達装置のトランスファー入力軸の端部及びリブ部材の構造を示す斜視図。 第3実施形態に係る動力伝達装置の要部を拡大して示す斜視図。 図10の動力伝達装置のトランスミッションケースの要部の内部構造及びリブ部材の構造を示す平面図。 図10の動力伝達装置のトランスファー入力軸の端部及びリブ部材の構造を示す斜視図。
[第1実施形態]
以下、図1〜図6を参照して、第1実施形態に係る動力伝達装置について説明する。
図1に示すように、エンジンE(内燃機関、駆動源)は、クランクシャフト1が車体左右方向を向くように横置きに車体へ搭載されている。
エンジンEの駆動力を左前輪WFL及び右前輪WFR並びに左後輪WRL及び右後輪WRRに伝達する動力伝達装置PTは、クランクシャフト1に接続されたトルクコンバータ2と、トルクコンバータ2に接続されたトランスミッション3と、トランスミッション3に接続されたフロントデファレンシャルギヤ4(デファレンシャル装置)と、フロントデファレンシャルギヤ4に接続されたトランスファー装置5と、トランスファー装置5に接続されたリヤデファレンシャルギヤ6とで構成されている。
フロントデファレンシャルギヤ4は、前部左車軸7L及び前部右車軸7Rを介して左前輪WFL及び右前輪WFRに接続されている。リヤデファレンシャルギヤ6は、プロペラシャフト8を介してトランスファー装置5に接続されており、後部左車軸9L及び後部右車軸9Rを介して左後輪WRL及び右後輪WRRに接続されている。
次に、図2を参照して、トランスミッション3について説明する。
図2に示すように、トランスミッション3は、相互に平行に配置されており、車体左右方向に延びるメインシャフトMS、セカンダリシャフトSS及びカウンタシャフトCSを備えている。
メインシャフトMSには、メインドライブギヤ21が固設されている。また、メインシャフトMSには、3速クラッチC3によりメインシャフトMSに結合可能なメイン3速ギヤ22と、一体に形成されて4速−リバースクラッチC4RによりメインシャフトMSに結合可能なメイン4速ギヤ23及びメインリバースギヤ24とが回転自在に支持されている。
セカンダリシャフトSSには、セカンダリドリブンギヤ25が固設されている。また、セカンダリシャフトSSには、1速クラッチC1によりセカンダリシャフトSSに結合可能なセカンダリ1速ギヤ26と、2速クラッチC2によりセカンダリシャフトSSに結合可能なセカンダリ2速ギヤ27とが回転自在に支持されている。
カウンタシャフトCSには、カウンタ2速ギヤ28とカウンタ3速ギヤ29とファイナルドライブギヤ30とが固設されている。また、カウンタシャフトCSには、カウンタアイドルギヤ31とカウンタ4速ギヤ32とカウンタリバースギヤ33とが回転自在に支持されている。さらに、カウンタシャフトCSには、1速ホールドクラッチCLHを介してカウンタシャフトCSに結合可能なカウンタ1速ギヤ34が回転自在に支持されている。
メインリバースギヤ24及びカウンタリバースギヤ33には、リバースアイドルギヤ35が噛合する。カウンタ1速ギヤ34は、一方向クラッチCOWを介してカウンタ3速ギヤ29に結合可能となっている。また、カウンタ4速ギヤ32及びカウンタリバースギヤ33は、セレクタ36を介してカウンタシャフトCSに選択的に結合可能となっている。
メインドライブギヤ21は、カウンタアイドルギヤ31に噛合する。カウンタアイドルギヤ31は、セカンダリドリブンギヤ25に噛合する。エンジンEのクランクシャフト1の回転は、トルクコンバータ2、メインシャフトMS、メインドライブギヤ21、カウンタアイドルギヤ31及びセカンダリドリブンギヤ25を介して、セカンダリシャフトSSに伝達される。
このように構成されているトランスミッション3では、セカンダリシャフトSSに対して回転自在に支持されているセカンダリ1速ギヤ26を1速クラッチC1でセカンダリシャフトSSに結合することにより、1速変速段が確立される。
1速変速段では、セカンダリシャフトSSの回転が、1速クラッチC1、セカンダリ1速ギヤ26、一方向クラッチCOW及びカウンタ3速ギヤ29を介して、カウンタシャフトCSに伝達される。
なお、2速〜4速変速段の確立時においては、1速クラッチC1は係合状態となるが、一方向クラッチCOWはスリップする。
また、トランスミッション3では、セカンダリシャフトSSに対して回転自在に支持されているセカンダリ2速ギヤ27を2速クラッチC2でセカンダリシャフトSSに結合することにより、2速変速段が確立される。
2速変速段では、セカンダリシャフトSSの回転が、2速クラッチC2、セカンダリ2速ギヤ27及びカウンタ2速ギヤ28を介して、カウンタシャフトCSに伝達される。
また、トランスミッション3では、メインシャフトMSに回転自在に支持したメイン3速ギヤ22を3速クラッチC3でメインシャフトMSに結合することにより、3速変速段が確立される。
3速変速段では、メインシャフトMSの回転が、3速クラッチC3、メイン3速ギヤ22及びカウンタ3速ギヤ29を介してカウンタシャフトCSに伝達される。
また、トランスミッション3では、カウンタシャフトCSに相対回転自在に支持したカウンタ4速ギヤ32をセレクタ36でカウンタシャフトCSに結合した状態で、メインシャフトMSに回転自在に支持したメイン4速ギヤ23を4速−リバースクラッチC4RでメインシャフトMSに結合することにより、4速変速段が確立される。
4速変速段では、メインシャフトMSの回転が、4速−リバースクラッチC4R、メイン4速ギヤ23、カウンタ4速ギヤ32及びセレクタ36を介して、カウンタシャフトCSに伝達される。
また、トランスミッション3では、カウンタシャフトCSに回転自在に支持したカウンタリバースギヤ33をセレクタ36でカウンタシャフトCSに結合した状態で、メインシャフトMSに相対回転自在に支持したメインリバースギヤ24を4速−リバースクラッチC4RでメインシャフトMSに結合すると、後進変速段が確立される。
後進変速段では、メインシャフトMSの回転が、4速−リバースクラッチC4R、メインリバースギヤ24、リバースアイドルギヤ35、カウンタリバースギヤ33及びセレクタ36を介して、カウンタシャフトCSに伝達される。
さらに、トランスミッション3では、1速クラッチC1を係合させた状態で1速ホールドクラッチCLHを係合させると、1速ホールド変速段が確立される。
1速ホールド変速段では、一方向クラッチCOWがスリップしても、1速ホールドクラッチCLHを介して左後輪WRL及び右後輪WRRのトルクをエンジンEに逆伝達することができるので、強力なエンジンブレーキをかけることができる。
次に、フロントデファレンシャルギヤ4の構造を説明する。
図2に示すように、フロントデファレンシャルギヤ4は、トランスミッション3のトランスミッションケース61(第1ケース)(図3,図4参照)に回転自在に支持されたデファレンシャルケース41を備えている。デファレンシャルケース41の外周には、カウンタシャフトCSに設けたファイナルドライブギヤ30に噛合するファイナルドリブンギヤ42a、及び、後述するトランスファー入力ギヤ55に噛合して駆動力を伝達するトランスファードライブギヤ42b(回転体)が固定されている。
フロントデファレンシャルギヤ4では、ファイナルドリブンギヤ42aとは歯数の異なるトランスファードライブギヤ42bを介して、トランスファー入力ギヤ55(すなわち、左後輪WRL及び右後輪WRR)に駆動力を伝達している。すなわち、トランスファードライブギヤ42bの歯数と、トランスファー入力ギヤ55の歯数によって定まるギヤ比とによって、トランスファー装置5(トランスファー入力軸51)へ伝達する駆動力を規定している。
なお、トランスファードライブギヤ42bを省略して、トランスファー入力ギヤ55をファイナルドリブンギヤ42aに噛合させてもよい。
トランスミッション3のカウンタシャフトCSの回転は、ファイナルドライブギヤ30及びファイナルドリブンギヤ42aを介して、デファレンシャルケース41に伝達される。デファレンシャルケース41の回転は、左前輪WFL及び右前輪WFRの負荷に応じて、前部左車軸7L及び前部右車軸7Rに伝達される。また、デファレンシャルケース41の回転は、トランスファードライブギヤ42bを介して、トランスファー入力ギヤ55(すなわち、左後輪WRL及び右後輪WRR)に伝達される。
前部左車軸7Lに連なる前部左出力軸43L及び前部右車軸7Rに連なる前部右出力軸43Rは、デファレンシャルケース41に相対回転自在に嵌合している。前部左出力軸43L及び前部右出力軸43Rの対向端の各々には、デファレンシャルサイドギヤ44がスプライン結合されている。
デファレンシャルケース41の内部には、前部左出力軸43L及び前部右出力軸43Rと直交するように、ピニオンシャフト45が固定されている。ピニオンシャフト45には、2つのデファレンシャルサイドギヤ44にそれぞれ噛合する一対のピニオンギヤ46が回転自在に支持されている。
次に、図2及び図3を参照して、トランスファー装置5の構造を説明する。
図3に示すように、トランスファー装置5は、フロントデファレンシャルギヤ4のトランスファー入力ギヤ55の駆動力が伝達されるトランスファー入力軸51と、トランスファー入力軸51から駆動力が伝達され、プロペラシャフト8へ駆動力を伝達するトランスファー出力軸52と、トランスファー入力軸51及びトランスファー出力軸52とを収容するトランスファーケース53(第2ケース)とを備えている。
トランスファー入力軸51は、車体左右方向に延びており、第1テーパーローラベアリング54によって、トランスファーケース53に対して回転自在に支持されている。
トランスファー入力軸51のフロントデファレンシャルギヤ4側の端部には、トランスファードライブギヤ42bと噛合するトランスファー入力ギヤ55が、スプライン嵌合して一体回転可能に保持されている。トランスファー入力軸51の反対側の端部には、ヘリカルギヤである第1ベベルギヤが56設けられている。
トランスファー入力ギヤ55は、トランスファードライブギヤ42bの回転中心よりも上方でトランスファードライブギヤ42bと噛合している(図4参照)。これにより、トランスファー装置5では、下方にスペースを設け、車両部品のレイアウト自由度の向上を図っている。
トランスファー出力軸52は、車体前後方向に延びており、第2テーパーローラベアリング57によって、トランスファーケース53に対して回転自在に支持されている。
トランスファー出力軸52のトランスファー入力軸51側の端部(前端)には、ヘリカルギヤである第2ベベルギヤ58が設けられている。一方、トランスファー出力軸52の後端には、プロペラシャフト8の前端が結合されている継手81がスプライン結合されており、ナット82で固定されている。
第1ベベルギヤ56と第2ベベルギヤ58とが噛合することにより、トランスファー入力軸51の回転は、トランスファー出力軸52を介して、プロペラシャフト8(図1参照)に伝達される。
トランスファーケース53は、トランスミッションケース61(具体的にはトランスミッションケース61の一部を構成するトルクコンバータケース)の右側面に固定されている。
トランスファーケース53は、トランスファーケース本体53aとトランスファーカバー53bとで構成されている。トランスファーケース本体53aとトランスファーカバー53bとは、ノックピン53cで位置決めされた状態で、複数本の第1ボルト53dによって、一体に締結される。
サブアセンブリ化されたトランスファーケース53は、トランスファーケース本体53a及びトランスファーカバー53bを貫通する複数本の第2ボルト53eで、トランスミッションケース61へ締結される。
トランスファーカバー53bは、トランスミッションケース61の支持孔53fに嵌合している。トランスファーカバー53bは、支持孔53fに嵌合した状態で、トランスファーケース53が第2ボルト53eによって、トランスミッションケース61に固定される。
トランスファー入力軸51の左右方向のスラスト力は、トランスファー入力ギヤ55又は第1ベベルギヤ56及び第1テーパーローラベアリング54を介して、トランスファーカバー53bの段部に受け止められる。
次に、図3〜図6を参照して、フロントデファレンシャルギヤ4(デファレンシャル装置)からトランスファー装置5へ潤滑油(潤滑流体)を供給するための構造について説明する。なお、図4においては、理解を容易とするために、デファレンシャルケース41及びファイナルドリブンギヤ42aを図示省略している。
図3に示すように、トランスファー装置5のトランスファー入力軸51は、トランスファー入力軸51の回転中心軸線方向に延びる第1連通孔51aと、第1連通孔51aから径方向に延びる第2連通孔51bとを有している。
第1連通孔51aは、トランスミッションケース61の内部の空間と、トランスファーケース53のトランスファーケース本体53aの内部の空間とを連通している。第2連通孔51bは、第1連通孔51aを介して、トランスミッションケース61の内部の空間と、トランスファーカバー53bの内部の空間とを連通している。
図4に示すように、トランスファー入力軸51の端部で保持されているトランスファー入力ギヤ55は、トランスミッションケース61の内部で、トランスファードライブギヤ42bと噛合している。トランスファー入力ギヤ55とトランスファードライブギヤ42bとが噛合する位置は、トランスミッションケース61の内部に形成される潤滑油の油溜(流体溜)よりも高い位置となっている。
トランスミッションケース61は、トランスファー入力軸51のトランスファー入力ギヤ55側の端面(図4で示されている端面)に対向する位置に、トランスファー入力軸51の回転中心軸線方向に延設されているリブ62を有している。リブ62は、トランスファードライブギヤ42bが油溜から掻き上げた潤滑油を受け止め、受け止めた潤滑油をトランスファー入力軸51の端面に形成されている第1連通孔51aに導く。
このように構成されている動力伝達装置PTでは、まず、トランスファードライブギヤ42bによって掻き上げられた潤滑油が、リブ62に受け止められて、トランスファー入力軸51の端面を介して、又は、直接、第1連通孔51aに導かれる。その後、潤滑油は、第1連通孔51a及び第2連通孔51bを介して、トランスファー入力軸51の外部(すなわち、トランスファー装置5の内部)に導かれる。
このとき、潤滑油は、トランスファー入力軸51の周面ではなく端面に導かれるので、トランスファー入力軸51の回転速度が速い場合等であっても弾かれにくい。そのため、この動力伝達装置PTでは、トランスファー入力軸51の回転速度等によらず、第1連通孔51a及び第2連通孔51bを介して、トランスファー装置5に常に一定量以上の十分な潤滑流体が供給される。
なお、本実施形態では、図2に示すように、ファイナルドリブンギヤ42aとトランスファードライブギヤ42bとは近接して設けられている。さらに、ファイナルドリブンギヤ42aはトランスファードライブギヤ42bよりも大径となっている。すなわち、ファイナルドリブンギヤ42aはトランスファードライブギヤ42bよりもリブ62に近接した位置に位置している。
そのため、本実施形態では、トランスファードライブギヤ42bによって掻き上げられた潤滑油だけではなく、ファイナルドリブンギヤ42aによって掻き上げられた潤滑油の一部も、リブ62によって受け止められ、第1連通孔51aに導かれる。
しかし、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、ファイナルドリブンギヤ42a及びトランスファードライブギヤ42bのいずれか一方のみが掻き上げた潤滑油を、リブ62で受け止めるように構成してもよい。すなわち、ファイナルドリブンギヤ42a及びトランスファードライブギヤ42bの両方を本発明における回転体としてもよいし、いずれか一方のみを本発明における回転体としてもよい。
また、図4に示すように、トランスミッションケース61は、リブ62の下方でトランスファードライブギヤ42bの周面に沿って延びる導流溝部61aを有している。リブ62は、導流溝部61aの延長線上に位置している。
導流溝部61aが形成されているので、トランスミッションケース61の内部では、トランスファードライブギヤ42bで掻き上げられた潤滑油のうちトランスミッションケース61の壁面に向かって掻き上げられた潤滑油が、導流溝部61aに沿って流れ、リブ62に向かって噴き上げられる。
これにより、動力伝達装置PTでは、直接リブ62に受け止められた潤滑油以外の潤滑油も、導流溝部61a及びリブ62を介して、第1連通孔51aに導かれるようになっている。
ところで、図5は、トランスミッションケース61の、トランスファー入力軸51のトランスファー入力ギヤ55側の端面に対向する部分を示す図(すなわち、図3のA−A線断面図)である。
図5に示すように、リブ62は、第1リブ部62aと、第1リブ部62aよりも下方に設けられている第2リブ部62bとで構成されている。第1リブ部62aのトランスファードライブギヤ42b側の先端部は、第2リブ部62bのトランスファードライブギヤ42b側の先端部よりも、トランスファードライブギヤ42b側に突出した位置に位置している。
そのため、トランスファードライブギヤ42bの回転速度が速い場合(すなわち、図5に記載の右側の矢印のように潤滑油が高く掻き上げられる場合)には、第1リブ部62aによって潤滑油が受け止められる。一方、回転速度が遅い場合(すなわち、図5に記載の左側の矢印のように潤滑油がそれほど高く掻き上げられない場合)には、第2リブ部62bによって潤滑油が受け止められることになる。
これにより、動力伝達装置PTでは、トランスファードライブギヤ42bの回転速度によらず潤滑油をトランスファー入力軸51に導くことができるようになっている。
なお、本発明のリブは、このような形状に限定されるものではなく、内部に油溜が形成されている第1ケースのトランスファー入力軸のトランスファー入力ギヤ側の端面に対向する位置に設けられ、第1ケースに回転自在に軸支されている回転体が油溜から掻き上げた潤滑流体を受け止めてトランスファー入力軸の連通孔に向かって導くものであればよい。
例えば、リブを単一の部材で形成してもよいし、3つ以上のリブ部を組み合わせて形成してもよい。また、リブの延設されている方向も、トランスファー入力軸の回転中心軸線方向に対し傾斜していてもよい。
また、回転体は、ファイナルドライブギヤを介して駆動力が伝達されるものであればよい。具体的には、例えば、トランスファードライブギヤ42bに代わり、ファイナルドリブンギヤ42aを回転体としてもよい。
ここで、図6を参照して、トランスファー入力軸51のトランスファー入力ギヤ55側の端部の構成について詳細に説明する。
図6に示すように、トランスファー入力軸51のトランスファー入力ギヤ55側の端面には、第1連通孔51aの縁部から径方向外側に向かって放射状に延びる複数の放射状溝部51cを有している。放射状溝部51cの、トランスファー入力軸51の回転方向(図6の矢印方向)後側の縁部は、径方向外側に向かうほど、トランスファー入力軸51の回転方向前側に突出するように湾曲している。
また、トランスファー入力軸51のトランスファー入力ギヤ55側の端面は、中央部(すなわち、第1連通孔51a)に向かって、窪むように傾斜している。
このように、端面に放射状溝部51cを設け、また、中央に向かって傾斜させることにより、トランスファー入力軸51の端面に導かれた潤滑油は、トランスファー入力軸51の回転によって生じる遠心力に抗して、第1連通孔51aに導かれる。
また、トランスファー入力軸51のトランスファー入力ギヤ55側の端面の外周部(具体的には、放射状溝部51cよりも外周側の部分)に、環状の環状溝部51dを有している。
このような環状溝部51dを設けることにより、トランスファー入力軸51のトランスファー入力ギヤ55側の端面に導かれた潤滑油のうち、遠心力等によって第1連通孔51aに到達することのできなかった潤滑油は、一時的に環状溝部51dに溜まることになる。そのようにして留まっていた潤滑油は、トランスファー入力軸51の回転速度が低下した際等に、放射状溝部51cの形状、中央部への傾斜等の作用によって、第1連通孔51aに導かれる。
なお、本発明のトランスファー入力軸のトランスファー入力ギヤ側の端面の形状は、リブによって導かれた潤滑流体を受け止めて、連通孔に導くことができる形状であればよい。そのため、例えば、放射状溝部や環状溝部を省略した平坦な形状としてもよいし、放射状溝部及び環状溝部のいずれか一方のみを形成してもよい。
また、トランスファー入力ギヤ55は、トランスファー入力ギヤ55の端面とトランスファー入力軸51の端面(具体的には、放射状溝部51cに挟まれた突出部分の端面)とが一致するようにして、トランスファー入力軸51に保持されている。
これにより、端面の面積を広げ、リブ62によって導かれた潤滑油を受け止めやすくなっている。また、トランスファー入力軸51の端部の内周面と環状溝部51dとによって、深い溝部が形成されるので、遠心力等によって第1連通孔51aに到達することのできなかった潤滑油を、トランスファー入力軸51の端面にさらに留めやすくなっている。
なお、本発明のトランスファー入力ギヤは、トランスファー入力軸の端部に一体回転可能に保持されていればよくトランスファー入力ギヤの端面とトランスファー入力軸の端面とは、必ずしも一致させなくてもよい。
以上説明したように、動力伝達装置PTでは、トランスファー装置5用の潤滑機構を設ける必要がなく、トランスミッションケース61又はトランスファーケース53に潤滑油用の流路を形成する必要もないので、大型化を抑制することができる。また、十分な潤滑油をトランスファー装置5に安定して供給することができる。
なお、上記実施形態では、トランスファー装置5に安定して潤滑油を供給するために、第1連通孔51a及び第2連通孔51bを介して、トランスミッションケース61の内部とトランスファーケース53の内部とを連通している。しかし、本発明の連通孔はそのような構成に限定されるものではなく、トランスファー入力軸51の内部と外部とを連通するものであればよい。
例えば、本実施形態のように、油溜の存在するトランスミッションケース61の内部とトランスファー入力軸51を回転自在に軸支する第1テーパーローラベアリング54が配置されている空間とを連通するものの他、トランスミッションケース61の内部とトランスファー入力軸51に取り付けられているトランスファー入力ギヤ55以外のギヤが配置されている空間とを連通するものであってもよい
また、上記実施形態では、動力伝達装置PTのケースとして、トランスミッションケース61とトランスファーケース53とを組み合わせたものを用いている。しかし、本発明のケースはそのような構成に限定されるものではない。例えば、ケース全体を単一のケースで構成してもよいし、3つ以上のケースで構成してもよい。
[第2実施形態]
以下、図7〜図9を参照して、第2実施形態に係る動力伝達装置について説明する。ただし、本実施形態の動力伝達装置は、リブの構成及びトランスファー入力軸の端面の構成のみにおいて第1実施形態に係る動力伝達装置と異なっている。そこで、第1実施形態に係る動力伝達装置と同様の構成を備える部分については、同一の符号を付すとともに、それらについての詳細な説明は省略する。
図7に示すように、本実施形態におけるリブは、トランスミッションケース61の内部に配置されたリブ部材63によって構成されている。
図8に示すように、リブ部材63は、トランスファー入力軸51の回転中心軸線方向に延設されている第1リブ部63aと、第1リブ部63aよりも下方で、トランスファー入力軸51の回転中心軸線方向に延設されている半円筒状の第2リブ部63bとを備えている。
また、リブ部材63は、第1リブ部63a及び第2リブ部63bの、トランスファー入力軸51側とは反対側の端部に連設されている第1リブ壁部63cと、第1リブ壁部63cと対向するように、第1リブ部63aの、トランスファー入力軸51側の端部に連設されている第2リブ壁部63dとを備えている。
第2リブ壁部63dは、トランスファー入力軸51側に開口部を有しており、第2リブ部63bは、その開口部の縁部から、トランスファー入力軸51側に(具体的には、第1連通孔51aの内部に向かって)、延設されている(図7参照)。
第1リブ部63aの先端部は、第2リブ部63bの先端部よりも、トランスファードライブギヤ42b側に突出した位置に位置している。
そのため、トランスファードライブギヤ42bの回転速度が速い場合(すなわち、図8に記載の右側の矢印のように潤滑油が高く掻き上げられる場合)には、第1リブ部63aによって潤滑油が受け止められる。一方、回転速度が遅い場合(すなわち、図8に記載の左側の矢印のように潤滑油がそれほど高く掻き上げられない場合)には、第2リブ部63bによって潤滑油が受け止められることになる。
図9に示すように、第2リブ部63bは、リブ部材63がトランスミッションケース61に固定された状態で、トランスファー入力軸51の第1連通孔51aに対応する位置に(すなわち、第1連通孔51aの内部に挿入されるように)形成されている。
このように構成されたリブ部材63では、第1リブ部63aに受け止められた潤滑油は、第1リブ部63aの下方側の面と、第1リブ壁部63cのトランスファー入力軸51側の面と、第2リブ壁部63dのトランスファー入力軸51側とは反対側の面とによって、半円筒の第2リブ部63bに導かれる。そのようにして導かれた潤滑油は、第2リブ部63bを介して、トランスファー入力軸51の第1連通孔51aに導かれる。
一方、第2リブ部63bによって受け止められた潤滑油は、第2リブ部63bによって、第1連通孔51aに直接導かれる。
このように構成されている本実施形態の動力伝達装置においても、第1実施形態の動力伝達装置と同様に、トランスファー装置5用の潤滑機構を設ける必要がなく、トランスミッションケース61又はトランスファーケース53に潤滑油用の流路を形成する必要もないので、大型化を抑制することができる。また、十分な潤滑油をトランスファー装置5に安定して供給することができる。
[第3実施形態]
以下、図10〜図12を参照して、第3実施形態に係る動力伝達装置について説明する。ただし、本実施形態の動力伝達装置は、リブの構成及びトランスファー入力軸の端面の構成のみにおいて第1実施形態に係る動力伝達装置又は第2実施形態に係る動力伝達装置と異なっている。そこで、同様の構成を備える部分については、第1実施形態に係る動力伝達装置又は第2実施形態に係る動力伝達装置と同一の符号を付すとともに、それらについての詳細な説明は省略する。
図10に示すように、本実施形態におけるリブは、トランスミッションケース61の内部に配置されたリブ部材64によって構成されている。
図11に示すように、リブ部材64は、トランスファー入力軸51の回転中心軸線方向に延設されている第1リブ部64aと、第1リブ部64aよりも下方に設けられている第2リブ部64bと、第2リブ部64bよりも下方に設けられている第3リブ部64cとを備えている。
また、リブ部材64は、第1リブ部64a、第2リブ部64b及び第3リブ部64cのトランスファー入力軸51側の端部に連設されているリブ壁部64dと、リブ壁部64dの開口部からトランスファー入力軸51側に延設されているリブ筒部64eとを備えている。
なお、リブ部材64では、第1リブ部64aと第2リブ部64bとは、トランスファー入力軸51側とは反対側の端部で、相互に接続されていない。また、リブ部材64では、第2リブ部64bとリブ筒部64eとが、独立して構成されている。
第1リブ部64aの先端部は、第2リブ部64bの先端部よりも、トランスファードライブギヤ42b側に突出した位置に位置している。
そのため、トランスファードライブギヤ42bの回転速度が速い場合(すなわち、図11に記載の右側の矢印のように潤滑油が高く掻き上げられる場合)には、第1リブ部64aによって潤滑油が受け止められる。一方、回転速度が遅い場合(すなわち、図11に記載の左側の矢印のように潤滑油がそれほど高く掻き上げられない場合)には、第2リブ部64bによって潤滑油が受け止められることになる。
図12に示すように、リブ筒部64eは、リブ部材64がトランスミッションケース61に固定された状態で、トランスファー入力軸51の第1連通孔51aに対応する位置に(すなわち、第1連通孔51aの内部に挿入されるように)形成されている。
このように構成されたリブ部材64では、第1リブ部64aによって受け止められた潤滑油は、第1リブ部64aの下方側の面と、第2リブ部64bの上方側の面と、リブ壁部64dと、トランスミッションケース61とによって、上下方向に延びる第3リブ部64cに導かれる。そのようにして導かれた潤滑油は、第3リブ部64cによって受け止められた後、リブ壁部64dの開口部及びリブ筒部64eを介して、第1連通孔51aに導かれる。
一方、第2リブ部64bによって受け止められた潤滑油は、第2リブ部64bの下方側の面を伝わって、リブ壁部64dの開口部及びリブ筒部64eを介して、第1連通孔51aに直接導かれる。
なお、本実施形態ではリブを上記のようなリブ部材64で構成しているので、リブ部材64によって受け止められた潤滑油は、直接第1連通孔51aに導かれ、トランスファー入力軸51のトランスファー入力ギヤ55側の端面に導かれることがない。そのため、本実施形態のトランスファー入力軸51では、トランスファー入力ギヤ55側の端面を、放射状溝部等を設けていない平坦な形状としている。
このように構成されている本実施形態の動力伝達装置においても、第1実施形態又は第2実施形態の動力伝達装置と同様に、トランスファー装置5用の潤滑機構を設ける必要がなく、トランスミッションケース61又はトランスファーケース53に潤滑油用の流路を形成する必要もないので、大型化を抑制することができる。また、十分な潤滑油をトランスファー装置5に安定して供給することができる。
1…クランクシャフト、2…トルクコンバータ、3…トランスミッション、4…フロントデファレンシャルギヤ(デファレンシャル装置)、5…トランスファー装置、6…リヤデファレンシャルギヤ、7L…前部左車軸、7R…前部右車軸、8…プロペラシャフト、9L…後部左車軸、9R…後部右車軸、21…メインドライブギヤ、22…メイン3速ギヤ、23…メイン4速ギヤ、24…メインリバースギヤ、25…セカンダリドリブンギヤ、26…セカンダリ1速ギヤ、27…セカンダリ2速ギヤ、28…カウンタ2速ギヤ、29…カウンタ3速ギヤ、30…ファイナルドライブギヤ、31…カウンタアイドルギヤ、32…カウンタ4速ギヤ、33…カウンタリバースギヤ、34…カウンタ1速ギヤ、35…リバースアイドルギヤ、36…セレクタ、41…デファレンシャルケース、42a…ファイナルドリブンギヤ、42b…トランスファードライブギヤ(回転体)、43L…前部左出力軸、43R…前部右出力軸、44…デファレンシャルサイドギヤ、45…ピニオンシャフト、46…ピニオンギヤ、51…トランスファー入力軸、51a…第1連通孔、51b…第2連通孔、51c…放射状溝部、51d…環状溝部、52…トランスファー出力軸、53…トランスファーケース(第2ケース)、53a…トランスファーケース本体、53b…トランスファーカバー、53c…ノックピン、53d…第1ボルト、53e…第2ボルト、53f…支持孔、54…第1テーパーローラベアリング、55…トランスファー入力ギヤ、56…第1ベベルギヤ、57…第2テーパーローラベアリング、58…第2ベベルギヤ、61…トランスミッションケース(第1ケース)、61a…導流溝部、62…リブ、62a,63a,64a…第1リブ部、62b,63b,64b…第2リブ部、63,64…リブ部材、63c…第1リブ壁部、63d…第2リブ壁部、64c…第3リブ部、64d…リブ壁部、64e…リブ筒部、81…継手、82…ナット、E…エンジン、C1…1速クラッチ、C2…2速クラッチ、C3…3速クラッチ、C4R…4速−リバースクラッチ、CLH…1速ホールドクラッチ、COW…一方向クラッチ、CS…カウンタシャフト、MS…メインシャフト、SS…セカンダリシャフト、PT…動力伝達装置、WFL…左前輪、WFR…右前輪、WRL…左後輪、WRR…右後輪。

Claims (8)

  1. デファレンシャル装置と、前記デファレンシャル装置に隣接して配置されているトランスファー装置と、前記デファレンシャル装置及び前記トランスファー装置を収容し、内部に潤滑流体の流体溜が形成されるケースとを備えている動力伝達装置であって、
    前記デファレンシャル装置は、前記ケースに回転自在に軸支され、ファイナルドライブギヤからの駆動力によって回転し、該回転の際に前記流体溜から前記潤滑流体を掻き上げる回転体を備え、
    前記トランスファー装置は、前記回転体からの駆動力が伝達されるトランスファー入力ギヤと、前記ケースに回転自在に軸支され、前記トランスファー入力ギヤを端部で一体回転可能に保持するトランスファー入力軸とを備え、
    前記トランスファー入力軸は、該トランスファー入力軸の前記トランスファー入力ギヤ側の端面から該トランスファー入力軸の回転中心軸線方向に延び、該トランスファー入力軸の内部と外部とを連通する連通孔を有し、
    前記ケースは、前記トランスファー入力軸の前記トランスファー入力ギヤ側の端面に対向する位置に、前記回転体が前記流体溜から掻き上げた前記潤滑流体を受け止め、受け止めた該潤滑流体を前記連通孔に向かって導くリブを有していることを特徴とする動力伝達装置。
  2. 請求項1に記載の動力伝達装置において、
    前記ケースは、内部に前記流体溜が形成され、前記回転体を回転自在に軸支する第1ケースと、前記トランスファー入力軸を回転自在に軸支する第2ケースとを含み、
    前記連通孔は、前記第1ケースの内部と前記第2ケースの内部とを連通していることを特徴とする動力伝達装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の動力伝達装置において、
    前記トランスファー入力軸は、前記トランスファー入力ギヤ側の端面に、前記連通孔の縁部から径方向外側に向かって放射状に延びる放射状溝部を有し、
    前記放射状溝部の前記トランスファー入力軸の回転方向後側の縁部は、径方向外側に向かうほど前記トランスファー入力軸の回転方向前側に突出するように湾曲していることを特徴とする動力伝達装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の動力伝達装置において、
    前記トランスファー入力軸は、前記トランスファー入力ギヤ側の端面の外周部に、環状の環状溝部を有していることを特徴とする動力伝達装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の動力伝達装置において、
    前記トランスファー入力ギヤは、該トランスファー入力ギヤの端面と前記トランスファー入力軸の端面とが一致するようにして、前記トランスファー入力軸の端部で保持されていることを特徴とする動力伝達装置。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の動力伝達装置において、
    前記トランスファー入力軸の前記トランスファー入力ギヤ側の端面は、中央部に向かって窪むように傾斜していることを特徴とする動力伝達装置。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の動力伝達装置において、
    前記リブは、第1リブ部と、前記第1リブ部よりも下方に設けられている第2リブ部とを含み、
    前記第1リブ部の先端部は、前記第2リブ部の先端部よりも、前記回転体側に突出していることを特徴とする動力伝達装置。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の動力伝達装置において、
    前記ケースは、前記リブの下方で前記回転体の周面に沿って延びる導流溝部を有し、
    前記リブは、前記導流溝部の延長線上に位置していることを特徴とする動力伝達装置。
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