JP6452619B2 - 水系スキンケア剤 - Google Patents

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Description

本発明は、水系スキンケア剤に関する。
肌の美容のために用いられるスキンケア剤として、肌に塗布してから暫く時間を置いた後に除去することにより、肌の汚れや老廃物等をスキンケア剤とともに除去するものがある。このようなスキンケア剤を肌から除去する方法としては、コットン等による拭き取りや、ぬるま湯等により洗い落とす方法が一般的である。最近では、これらの一般的方法よりもより簡便に使用後のスキンケア剤を除去する方法が望まれている。
例えば特許文献1には、磁化された粒子または磁化され得る粒子からなる粉末を塗布基礎剤として働く賦形剤中に含ませた表皮清浄用クリームが提案されている。この表皮清浄用クリームは、例えば以下のようにして使用される。すなわち、表皮清浄用クリームを肌に塗布した後、肌表面の表皮清浄用クリームに磁石等を接近させる。これにより、表皮清浄用クリームに含まれる上記粉末に磁力が作用し、上記粉末が磁力により吸引される。そして、上記粉末と共に、上記粉末に付着した使用済みの表皮清浄用クリーム及び肌の汚れ等が肌表面から吸着除去される。このようにして表皮清浄用クリームが肌表面から容易に除去される。
一方、上記スキンケア剤を用いて肌の汚れ等を除去する作業を行った後に、美容成分を含む化粧水を肌に塗布し、美容成分を肌内部に浸透させる作業を行うことも、肌の美容には有効である。
特公昭61−3765号公報
しかしながら、特許文献1に記載の表皮清浄用クリームは、ワセリン等の油性成分を主成分とする賦形剤を用いている。そのため、表皮清浄用クリームを肌から磁力により吸着除去した後に、肌の表面に上記油性成分の少なくとも一部が残留し、油膜を形成する。そして、肌表面に形成された油膜は、化粧水に含まれる美容成分の肌内部への浸透を阻害し、美容効果を低下させる要因となる。それ故、使用者は、油膜を除去するために別途洗顔等を行う必要があり、少なからず煩わしさを感じるという問題がある。
一方、水系のスキンケア剤は、上述したような油膜を肌表面に形成しにくい。そのため、上述した問題を回避するために、水系のスキンケア剤に磁性体粉を添加する方法が考えられる。しかしながら、水系のスキンケア剤に磁性体粉を添加する場合には、肌への塗布に好適なペースト状を呈するスキンケア剤を得ることが困難である。かかる問題は、磁性体粉の配合量を増やすほど顕著となる。例えば磁性体粉の配合量を13質量%より多くする場合には、磁性体粉をスキンケア剤中に分散させることが極めて困難であり、ペースト状のスキンケア剤を得ることがほとんど不可能である。
本発明は、上記の背景に鑑みてなされたもので、優れた性能を有する水系スキンケア剤を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、4〜85質量%の水と、
13〜80質量%の磁性体粉と、
増粘剤とを含有し、
粘度が9000mPa・s以上であり、
上記磁性体粉は、強磁性を示すフェライトを主成分とし、レーザー回折散乱法により得られる粒径分布から求めた体積平均粒径が20〜100μmであることを特徴とする水系スキンケア剤にある。
上記水系スキンケア剤は、上記特定の含有量の水と、上記特定の含有量の磁性体粉と、増粘剤とを含有している。そして、上記磁性体粉は、強磁性を示すフェライトを主成分とし、上記特定の範囲の体積平均粒径を有している。そのため、上記水系スキンケア剤は、上記磁性体粉が分散されており、肌への塗布に好適なペースト状を呈する。また、肌に塗布した上記水系スキンケア剤に磁石等を接近させることにより、上記磁性体粉に磁力が作用し、磁性体粉を含む使用済みの水系スキンケア剤を肌の汚れ等と共に肌表面から吸着除去することができる。
また、上記磁性体粉は、鉄の酸化物であるフェライトを主成分としているため、磁気特性や色調のばらつきが小さい。それ故、上記水系スキンケア剤は、吸着除去のし易さや色調等のばらつきを小さくできる。また、上記磁性体粉は、水系スキンケア剤の中で更なる酸化を受けにくい。そのため、上記水系スキンケア剤は、長期間保存しても磁性体粉の磁気特性等が変化しにくく、性能の劣化が起こりにくい。
また、上記水系スキンケア剤は、水系であるため、使用済みの水系スキンケア剤を吸着除去した後に、肌表面に油膜をほとんど形成しない。そのため、使用者は、上記水系スキンケア剤を肌表面から吸着除去した後、そのまま化粧水等を使用することができ、化粧水等を使用する前に別途洗顔等を行う必要がない。その結果、上記水系スキンケア剤は、美容効果を得るための作業が簡便になり、使用者にとって扱い易いものとなる。
以上のごとく、上記水系スキンケア剤は、肌の汚れ等を吸着除去できると共に、保存安定性に優れ、更には美容効果を得るための作業を簡便に行うことができるものとなる。このように、上記スキンケア剤は、優れた性能を有する。
実施例における、水系スキンケア剤の使用方法の説明図。
上記水系スキンケア剤は、水に溶解しない成分の含有量が少ないほど肌表面に油膜を形成しにくく、優れた性能を有するものとなりやすい。それ故、水系スキンケア剤は、磁性体粉以外の成分の合計を100質量%としたときに、50質量%以上が水及び水溶性の成分より構成されているものとする。また、肌表面への油膜の形成を抑制する観点から、水及び水溶性成分の含有量は、60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。
水の含有量は、水系スキンケア剤全体に対して4〜85質量%である。水の含有量が上記特定の範囲内である場合には、水系スキンケア剤は、磁性体粉が分散された滑らかなペースト状になる。そのため、水系スキンケア剤は、肌に塗布する際に、塗り広げ易く、かつ、滑らかな肌触りを呈する。
水の含有量が4質量%未満の場合には、水系スキンケア剤は、水分が不足するため、粘り気のある塊状を呈する。また、この場合には、水系スキンケア剤は、肌に接触させたときの肌触りが悪く、場合によっては肌に過度に大きな刺激を与えるおそれがある。そのため、水系スキンケア剤を肌に塗り広げることが困難である。従って、肌への塗布に好適なペースト状を呈する水系スキンケア剤を得るためには、水の含有量は4質量%以上とする。また、同じ観点から、水の含有量は5質量%以上が好ましく、6質量%以上がより好ましい。
一方、水の含有量が85質量%を超える場合には、増粘剤による粘度を増大させる効果を得ることが難しく、水系スキンケア剤の粘度が過度に低くなる。そのため、この場合には、重力により磁性体粉が沈降し、肌表面に塗布される水系スキンケア剤に含まれる磁性体粉の量が不十分となる。そして、磁性体粉の量が不十分となることにより、磁石等を近づけた際に磁性体粉全体に作用する磁力が不十分となり、ひいては、使用済みの水系スキンケア剤を肌表面から吸着除去することが難しくなる。また、この場合には、低粘度のために水系スキンケア剤が肌表面から垂れ落ちる等の問題が生じ、水系スキンケア剤を肌に塗布することが困難である。従って、適度に大きな粘度を有する水系スキンケア剤を得るためには、水の含有量を85質量%以下とする。また、同じ観点から、水の含有量は73質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、15質量%以下が更に好ましい。
また、磁性体粉の含有量は、水系スキンケア剤全体に対して13〜80質量%である。磁性体粉の含有量が上記特定の範囲である場合には、水系スキンケア剤に磁石等を近づけた際に、磁性体粉全体に作用する磁力が大きくなる。それ故、使用済みの水系スキンケア剤を肌の汚れ等と共に肌表面から容易に除去することができる。
磁性体粉の含有量が13質量%未満の場合には、磁性体粉の含有量が少ないため、磁石等を近づけた際に磁性体粉全体に作用する磁力が不十分となる。そのため、使用済みの水系スキンケア剤を肌表面から吸着除去することが難しくなり、使用済みの水系スキンケア剤が肌表面に残留しやすい。従って、水系スキンケア剤を肌表面から吸着除去し易くする観点から、磁性体粉の含有量は13質量%以上とする。また、同じ観点から、磁性体粉の含有量は15質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、50質量%以上が更に好ましい。
一方、磁性体粉の含有量が80質量%を超える場合には、水分や増粘剤が不足するため、水系スキンケア剤が粘り気のある塊状を呈する。そのため、水系スキンケア剤を肌に塗り広げることが困難である。従って、肌への塗布に好適なペースト状を呈する水系スキンケア剤を得るためには、磁性体粉の含有量を80質量%以下とする。また、同じ観点から、磁性体粉の含有量は75質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましい。
また、磁性体粉は、強磁性を示すフェライトを主成分としている。ここで、「主成分」
とは、最も含有量の多い化合物であることを示している。すなわち、磁性体粉は、主成分としての強磁性を示すフェライトの他に、通常、ウスタイトやヘマタイト等の酸化度の異なる鉄系酸化物や、不可避不純物等を含有する。
また、強磁性を示すフェライトとしては、スピネル型フェライトや、マグネトプランバイト型フェライト、ガーネット型フェライト、ペロブスカイト型フェライト等がある。磁性体粉は、これらのフェライトの中で、飽和磁化が高く、残留磁化及び保磁力の両方が低いソフトフェライトを主成分とすることが好ましい。ソフトフェライトの具体例としては、(MO)(Fe(但し、x+y=100mol%であり、MはFe、Mn、Mg、Sr、Ca、Ba、Cu、Zn、Ni、Li、Co等の金属元素から選ばれる1種または2種以上の元素である。)で表される組成式を有するスピネル型フェライトが挙げられる。また、スピネル型フェライトの中でも、飽和磁化の高いフェライトを用いることがより好ましい。
一方、水系スキンケア剤に用いる磁性体粉は、主成分としてのフェライトを構成する元素の種類が少ない方が好ましい。それ故、磁性体粉は、高い飽和磁化を有すると共にFe及びOの2種類の元素から構成されているマグネタイト(Fe)を主成分として含有することがさらに好ましい。
また、磁性体粉の体積平均粒径は、20〜100μmとする。この場合には、水系スキンケア剤を肌表面から磁力により容易に吸着除去することができる。磁性体粉の体積平均粒径は、レーザー回折散乱法により得られた粒径分布において、体積分布モード、ふるい下表示により得られる累積50%粒子径(メジアン径)として算出することができる。
体積平均粒径が20μm未満の場合には、磁性体粉の粒径分布が、粒径が過度に小さい粒子の含有量が多い分布になりやすい。個々の粒子に作用する磁力は粒径が小さいほど弱くなる。そのため、粒径が過度に小さい粒子は、磁石等に吸引されにくく、肌表面に残留しやすい。また、この場合には、磁性体粉全体に作用する磁力が弱くなるため、使用済みの水系スキンケア剤が肌表面に残留しやすい。
また、粒径が過度に小さい粒子を多く含有する場合には、水系スキンケア剤に混合した際に、水系スキンケア剤が赤みを帯びる現象が起こりやすい。このメカニズムは現時点では明確ではないが、粒径が過度に小さい粒子が増えることにより、ヘマタイトの赤褐色が水系スキンケア剤の色調に大きく影響するようになることが原因と考えられる。
一方、体積平均粒径が100μmを超える場合には、粒径が過度に大きい粒子の含有量が多い粒径分布となる。そのため、この場合には、磁性体粉を混合した水系スキンケア剤の肌触りが悪くなる等、使用感が悪化するおそれがある。
以上のように、磁性体粉の体積平均粒径を上記特定の範囲に制御した水系スキンケア剤は、磁性体粉に含まれる微小な粒子及び使用済みの水系スキンケア剤が肌表面に残留しにくく、かつ、優れた使用感を有する。また、同じ観点から、磁性体粉の体積平均粒径は、50〜75μmであることが好ましい。
増粘剤は、水系スキンケア剤の粘度を増大させ、水系スキンケア剤に適度な粘度を付与する作用を有する。そのため、増粘剤を含む水系スキンケア剤は、磁性体粉が分散されやすく、肌への塗布に好適なペースト状を呈するものとなりやすい。また、増粘剤は、肌に塗布した状態において、磁性体粉を構成する粒子間に粘着性を付与する作用を有している。そのため、増粘剤を含む水系スキンケア剤は、磁性体粉の粒子が互いに粘着しやすくなり、使用済みの水系スキンケア剤が皮膜状に連なった状態で肌表面から剥がれ易くなる。その結果、水系スキンケア剤は、肌表面から容易に吸着除去することができ、使用済みの水系スキンケア剤や、磁性体粉中の微小な粒子が肌表面に残留しにくい。
水系スキンケア剤に増粘剤が含まれない場合には、水系スキンケア剤の粘度が高くならず、重力による磁性体粉の沈降や、低粘度のために水系スキンケア剤が肌表面から垂れ落ちる等の問題が生じる。そのため、水系スキンケア剤を肌に塗布することが難しい。
増粘剤としては、例えば、グリセリン、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10−30))クロスポリマー、セルロース誘導体、キサンタンガム、グアーガム、デンプン及びその誘導体、アルギン酸塩及びその誘導体、寒天、ポリアクリル酸ソーダ、カルボキシビニルポリマー、ベントナイト等の、化粧品用として従来公知の増粘剤を用いることができる。これらの増粘剤は、単独で用いてもよく、複数種を併用しても良い。
また、水系スキンケア剤の粘度は、9000mPa・s以上である。この場合には、水系スキンケア剤を肌に塗布する際に、磁性体粉が分散した状態が維持され易い。そのため、肌表面に塗布される水系スキンケア剤に含まれる磁性体粉の量が十分に多くなり、水系スキンケア剤を磁力により吸着除去する際に、磁性体粉全体に作用する磁力が十分に大きくなる。その結果、磁性体粉及び使用済みの水系スキンケア剤を肌表面からより容易に吸着除去することができ、使用済みの水系スキンケア剤や、磁性体粉中の微小な粒子がより肌表面に残留しにくい。
また、水系スキンケア剤は、増粘剤として、水系スキンケア剤全体に対して10〜45質量%のグリセリンを含むことが好ましい。この場合には、磁性体粉の粒子間に作用する粘着力がより大きくなり、使用済みの水系スキンケア剤が肌から剥がれる際の皮膜状構造がより広く連なりやすい。その結果、水系スキンケア剤は、肌表面からの吸着除去がより容易であり、使用済みの水系スキンケア剤等がより肌表面に残留しにくい。また、グリセリンは、優れた保湿効果を有するため、水系スキンケア剤を吸着除去した後の肌を効果的に保湿することができる。
また、水系スキンケア剤は、チキソトロピー性を付与するチキソ剤を含んでいてもよい。チキソトロピー性を付与された水系スキンケア剤は、保管中等の水系スキンケア剤が流動していない状態において高い粘度を有する。一方で、肌への塗布時等のスキンケア剤が流動している状態においては、水系スキンケア剤の粘度が低下する。それ故、チキソ剤を含有する水系スキンケア剤は、保管中においては高い粘度のため磁性体粉が沈降しにくく、肌への塗布時においては、塗布に好適な粘度を有するものとなり易い。その結果、上記水系スキンケア剤は、磁性体粉の沈降を抑制しつつ、肌への塗布に好適なものとなる。
チキソ剤としては、例えばベントナイト、12−ヒドロキシステアリン酸、結晶セルロース等の化粧品用として従来公知のチキソ剤が用いられる。
また、水系スキンケア剤は、界面活性剤を含有していてもよい。界面活性剤は、磁性体粉を水系スキンケア剤中に分散させる作用を有する。そのため、界面活性剤を含む水系スキンケア剤は、磁性体粉がより分散され易く、滑らかなペースト状を呈するものとなりやすい。
界面活性剤としては、例えば、ヤシ油脂肪酸PEG−7グリセリル、ラウリン酸ポリグリセリル−10、アルキル硫酸エステル塩、アシルアミノ酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルポリエチレングリコールエーテル、グリセリンポリプロピレングリコールエーテル、アルキルポリグリセリンエーテル、エチレンオキシド・プロピレンオキシドブロック共重合体等の、化粧品用として従来公知の界面活性剤を用いることができる。これらの界面活性剤は、単独で用いてもよく、複数種を併用しても良い。
また、磁性体粉を構成する粒子は、表面に樹脂皮膜を有していることが好ましい。この場合には、磁性体粉を構成するフェライトが、水等の酸化剤として作用しうる物質に直接接触しにくくなる。そのため、磁性体粉は、水系スキンケア剤の中で更なる酸化をより受けにくくなる。それ故、水系スキンケア剤は吸着除去のし易さや色調等のばらつきをより小さくできる。また、磁性体粉が水系スキンケア剤の中での酸化をより受けにくくなるため、水系スキンケア剤をより長期に亘って保存することができる。
樹脂皮膜を構成する樹脂としては、例えば、アクリレーツコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体、カチオン化セルロース、ポリアクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体等の樹脂を用いることができる。また、樹脂皮膜を構成する樹脂には、磁性体粉の色調を調整する目的で、酸化チタン等の顔料を配合しても良い。
また、磁性体粉は、レーザー回折散乱法により得られる粒径分布から求めた体積平均粒径が50〜75μmであり、粒径が37μm未満である粒子の含有量が15質量%以下であり、かつ、粒径が105μm以上である粒子の含有量が5質量%以下であることが好ましい。
粒径が37μm未満である粒子(以下、「小径粒子」ということがある。)の含有量は、例えば、呼び寸法37μm(400メッシュ)の標準ふるいを通過できる粒子の量として測定することができる。
また、粒径が105μm以上である粒子(以下、「大径粒子」ということがある。)の含有量は、例えば、呼び寸法105μm(145メッシュ)の標準ふるいを通過できない粒子の量として測定することができる。
上述したように、肌表面に残留しにくく、かつ、優れた使用感を有する水系スキンケア剤を得る観点から、磁性体粉の粒径分布は、粒径が過度に小さい粒子の含有量及び粒径が過度に大きい粒子の含有量の両方が少ない分布を呈することが好ましい。そのため、磁性体粉の体積平均粒径が50〜75μmであることがより好ましい。
しかしながら、体積平均粒径を50μm以上に制御するだけでは、粒径が過度に小さい粒子の含有量を十分に減少させることが難しい場合がある。そのため、体積平均粒径を50μm以上に制御することに加えて、上述のように、小径粒子の含有量を15質量%以下に規制することが重要である。小径粒子の含有量を15質量%以下に規制することにより、粒径の過度に小さい粒子の含有量を確実に減少させることができる。
同様に、体積平均粒径を75μm以下に制御するだけでは、粒径が過度に大きい粒子の含有量を十分に減少させることが難しい場合がある。そのため、体積平均粒径を75μm以下に制御することに加えて、上述のように、大径粒子の含有量を5質量%以下に規制することが重要である。大径粒子の含有量を5質量%以下に規制することにより、粒径が過度に大きい粒子の含有量を確実に減少させることができる。
以上のように、磁性体粉の体積平均粒径を上記特定の範囲に制御した上で、さらに小径粒子の含有量及び大径粒子の含有量の双方を規制することにより、適切な大きさの粒子の含有量を多くした最適な粒径分布を実現することができる。そして、上述のようにきめ細かく制御された粒径分布を有する磁性体粉は、水系スキンケア剤に配合する磁性体粉として最適な特性を有する。それ故、かかる磁性体粉を含有する水系スキンケア剤は、より肌表面に残留しにくく、かつ、より優れた使用感を有する。
また、磁性体粉は、80質量%以上のマグネタイトと、ウスタイト、ヘマタイト及び不可避不純物からなる残部とからなる化学成分を有することが好ましい。この場合には、磁性体粉中の反磁性体の割合が減少するため、磁性体粉全体に作用する磁力がより強くなる。その結果、水系スキンケア剤の吸着除去をより効率的に行うことができる。また、ウスタイトはマグネタイト等に比べて酸化度が低いため、ウスタイトの含有量を低減することにより、磁性体粉が更なる酸化を受けにくくなる。その結果、水系スキンケア剤の性能をより長期間にわたって安定させることができる。
また、磁性体粉は、飽和磁化が80Am/kg以上であることが好ましい。この場合には、磁性体粉の磁化を十分大きくでき、磁性体粉全体に作用する磁力をより大きくすることができる。その結果、水系スキンケア剤を肌表面からより容易に吸着除去することができる。
また、水系スキンケア剤は、上述した各成分に加えて、肌に美容効果を付与する美容成分を更に含んでいても良い。上述したように、水系スキンケア剤は、使用済みの水系スキンケア剤を吸着除去した後に、肌表面に油膜をほとんど形成しない。そのため、水系スキンケア剤を吸着除去した後の肌表面は、肌の汚れ、老廃物あるいは油膜等の美容成分の浸透を阻害する物質が少なく、美容成分が浸透しやすい状態となる。そして、予め水系スキンケア剤に配合された美容成分は、水系スキンケア剤を肌表面から吸着除去することができると共に肌表面に塗布された状態となる。それ故、美容成分が肌表面により浸透しやすくなる。その結果、水系スキンケア剤は、体感できる美容効果をより向上させやすくなる。
また、この場合には、水系スキンケア剤を肌に塗布し、磁力により吸着除去するという一連の動作により、肌の汚れ等を吸着除去する作業と、美容成分を肌に浸透させる作業とを連続して行うことができる。そのため、使用者の利便性が一層向上する。
美容成分としては、例えば、アスコルビン酸誘導体、コウジ酸、アルブチン、トラネキサム酸等の美白成分、アミノ酸、ビタミン、植物エキス、微生物発酵物等の栄養成分、及び保湿成分などが用いられる。
また、水系スキンケア剤は、電荷を帯びたイオン導入成分を含有することが好ましい。水系スキンケア剤中のイオン導入成分は、電離した状態で存在する。そして、水系スキンケア剤を肌表面から吸着除去した後に、肌に微弱な電流を流すことができる。これにより、電荷を帯びたイオン導入成分を肌内部に向けて移動させ、美容成分の肌への浸透を促進させることができる。その結果、体感できる美容効果をより向上させやすくなる。なお、スキンケア剤を吸着除去した後に肌に電流を流すことは、油性成分を主成分とするスキンケア剤では不可能である。
上記の場合において、水系スキンケア剤は、イオン導入成分とともにグリセリンを含有していることがより好ましい。上述のように、グリセリンは優れた保湿効果を有している。そのため、上記の構成の水系スキンケア剤を用いることにより、グリセリンを含まない水系スキンケア剤に比べて、水系スキンケア剤を吸着除去した後の肌表面により多くの水分を保持させることができる。その結果、イオン導入成分を肌内部へ浸透させるための微弱電流を流れ易くすることができ、イオン導入を容易に行うことができる。
また、水系スキンケア剤は、25℃における導電率が20μS/cm以上であることが好ましい。この場合には、イオン導入成分を肌内部へ浸透させるための微弱電流が流れ易くなるため、イオン導入を容易に行うことができる。
また、水系スキンケア剤は、上述した各成分に加えて、さらに化粧品に通常用いられる添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、潤滑剤、抗菌剤、香料、pH調整剤等がある。これらの添加剤は、本発明の作用効果を損なわない範囲で適宜添加することができる。
上記水系スキンケア剤の実施例を説明する。本例の水系スキンケア剤は、表1及び表3に示すように、4〜85質量%の水と、13〜80質量%の磁性体粉と、増粘剤とを含有している。また、磁性体粉は、強磁性を示すフェライトを主成分とし、レーザー回折散乱法により得られる粒径分布から求めた体積平均粒径が20〜100μmである。
水系スキンケア剤1は、肌に塗布された後、図1に示すように、磁石を内蔵したリムーバー2を接近させることにより、肌表面から吸着除去される(符号10)。また、水系スキンケア剤1は、磁力により吸着除去された後、肌表面にイオン導入成分3が残留するように構成されている。なお、図1においては使用者の顔に水系スキンケア剤1を塗布した例を示したが、水系スキンケア剤1は、顔に限らず、手や腕、背中等の顔以外の部位に塗布して使用することも可能である。
本例においては、表1及び表3に示す比率で各成分を混合してなる試験剤(試験剤1〜21)を作製した。また、表1及び表3に示すように、磁性体粉として、マグネタイト系磁性体粉、ベンガラ、顔料用黒酸化鉄及び鉄粉の4種を用いた。各磁性体粉の作製方法及び性状は以下の通りである。
<マグネタイト系磁性体粉>
・作製方法
ヘマタイト(Fe)を粉砕した粉末に対し、固形分が55質量%となるように水を加えてスラリーを調製した。次いで、得られたスラリーの固形分に対して1質量%のポリビニルアルコールと、0.9質量%のカーボンブラックと、0.5質量%のポリカルボン酸塩とをスラリーに加えた後、この混合物に水を加えて固形分が55質量%のスラリーを調製した。次いで、アトライターを用いて得られたスラリーを1時間攪拌した。その後、スプレードライヤーを用いてスラリーを球状に造粒し、ジャイロシフターを用いて得られた造粒物の粒度調整を行った。
次いで、粒度調整を行った球状の造粒物を1320℃で3時間加熱することにより原料のヘマタイトを還元し、マグネタイトを主成分とする焼成物を得た。なお、造粒物の加熱はトンネル式電気炉を用いて窒素雰囲気下にて行った。
得られた焼成物を解砕した後、ジャイロシフターと気流分級機とを組み合わせて用いることにより分級処理を行い、粒度分布を調整した。その後、磁力選鉱を行って磁化率の大きい粒子を選別し、マグネタイト系磁性体粉を得た。
また、上述のようにして得られたマグネタイト系磁性体粉に表面処理を施し、磁性体粉を構成する粒子の表面に、アクリレーツコポリマーよりなる樹脂皮膜を形成した。
・体積平均粒径
体積平均粒径の算出は、以下の方法により行った。まず、マグネタイト系磁性体粉に0.2%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を加えた後、ウルトラソニックホモジナイザー(超音波工業社製、UH−3C)を用いて1分間の超音波処理を行ってマグネタイト系磁性体粉の分散液を調製した。この分散液をマイクロトラック粒度分析計(日機装株式会社製、Model9320−X100)に導入し、屈折率1.81、温度25±5℃、湿度55±15%の条件下で測定を行い、レーザー回折散乱法による粒径分布を得た。得られた粒径分布から、体積分布モード、ふるい下表示での累積50%粒子径を算出し、これを体積平均粒径(メジアン径)とした。
以上の結果、マグネタイト系磁性体粉の体積平均粒径は約70μmであった。
・小径粒子及び大径粒子の含有量
JIS Z 8801に規定される標準ふるいを用いて、JIS H 2601に準じた方法によりマグネタイト系磁性体粉の分級を行った。これにより、呼び寸法37μm(400メッシュ)の標準ふるいを通過した粒子(小径粒子)の含有量及び呼び寸法105μm(145メッシュ)の標準ふるいを通過しなかった粒子(大径粒子)の含有量を測定した。
以上の結果、マグネタイト系磁性体粉中の小径粒子の含有量は6.7質量%であり、大径粒子の含有量は0質量%であった。
・飽和磁化、残留磁化及び保磁力
磁気特性の測定は、積分型B−Hトレーサー((株)理研電子製、BHU−60型)を使用して以下の手順で行った。まず、電磁石間に磁場測定用Hコイル及び磁化測定用4πIコイルを入れ、マグネタイト系磁性体粉を4πIコイル内に入れる。次いで、電磁石の電流を変化させ磁場Hを変化させたHコイル及び4πIコイルの出力をそれぞれ積分し、X軸にH出力をとり、Y軸に4πIコイルの出力をとったヒステリシスループを記録紙に描く。このヒステリシスループから飽和磁化、残留磁化及び保持力を算出した。なお、ヒステリシスループの測定条件は、試料充填量:約1g、試料充填セル:内径7mmφ±0.02mm、高さ10mm±0.1mm、4πIコイル:巻数30回、印加磁場:3000エルステッドとした。
以上の結果、マグネタイト系磁性体粉の飽和磁化は82Am/kgであり、残留磁化は82Am/kgであり、保持力は24Oeであった。
・化学成分
X線回折法を用いて、マグネタイト(Fe)、ヘマタイト(Fe)及びウスタイト(FeO)の組成比を以下の方法で算出した。
測定装置にはパナリティカル社製「X’PertPRO MPD」を用いた。X線源としてCo管球(CoKα線)を、光学系として集中光学系及び高速検出器「X’Celarator」を用いて、測定は0.2°/secの連続スキャンで行った。測定結果の解析は、解析用ソフトウエア「X’PertHighScore」を用いて通常の粉末の結晶構造解析と同様に行い、結晶構造を同定した後、得られた結晶構造を精密化することで重量換算の存在比率を算出した。なお、存在比率の算出に際しては、Fe及びOを必須元素として、マグネタイト、ヘマタイト及びウスタイトの存在比率を算出した。
X線回折測定に用いるX線源は、Cu管球でも問題なく測定できるが、Feを多く含んだサンプルの場合には測定対象となるピークと比較してバックグラウンドが大きくなるので、Co管球を用いる方が好ましい。また、光学系は平行法でも同様の結果が得られる可能性があるが、X線強度が低く測定に時間がかかるため集中光学系での測定が好ましい。さらに、連続スキャンの速度は特に制限はないが結晶構造の解析を行う際に十分なS/N比を得るためにマグネタイトのメインピークである(311)面のピーク強度が50000cps以上となるようにし、粒子の特定の優先方向への配向がないようにサンプルセルに試料をセットして測定を行った。
以上の結果、マグネタイト系磁性体粉は、89.7質量%のマグネタイトと、4.1質量%のヘマタイトと、6.2質量%のウスタイトとからなる化学成分を有する。
<ベンガラ>
市販されている顔料グレードのベンガラ(大東化成工業株式会社製「タロックスR−156L」)を使用した。なお、このベンガラの体積平均粒径は、0.1〜0.6μmであった。
<顔料用黒酸化鉄>
市販されている顔料グレードの黒酸化鉄(大東化成工業株式会社製「タロックスBL−100」)を使用した。なお、この顔料用黒酸化鉄の体積平均粒径は、0.1〜0.6μmであった。
<鉄粉>
市販されている鉄粉(パウダーテック社製)を使用した。なお、この鉄粉の体積平均粒径は、約80μmであった。
Figure 0006452619
次に、表1及び表3に示す試験剤1〜21の製剤の性状、粘度、肌表面からの吸着除去のし易さ及び肌表面への残留量を、以下の方法により評価した。そして、各評価における評価結果を表2及び表4に示した。
<製剤の性状>
試験剤1〜21の製剤の性状を目視観察した。その結果を表2及び表4に示した。なお、表2及び表4中の「製剤の性状」欄に記載した記号は、それぞれ、以下の状態に対応する記号である。
A:試験剤は滑らかなペースト状を呈し、肌に塗布した際にざらつき感がない状態
B:試験剤は概ねペースト状を呈し、肌に塗り広げることはできるがざらつき感を感じる状態
C:試験剤は粘り気のある塊状を呈し、肌に塗り広げることができない状態
<粘度>
回転式粘度計(東京計器製、B型粘度計BH)を用いて試験剤の粘度を測定し、得られた粘度の値を表2及び表4に示した。なお、粘度測定の条件は以下の通りである。
ローター:No.#6
回転数:20rpm
測定温度:25℃
測定時間:60秒
<吸着除去のし易さ>
試験剤を肌に塗布した後、数分間静置した。その後、表面磁束密度が400G、800G、1200Gまたは2800Gである4種類の磁石を、肌に塗布した試験剤に接近させた。そして、磁石と肌との間隔が約10mmに達した時の、試験剤の吸着状態を目視観察した。その結果を表2及び表4に示した。なお、表2及び表4中の「吸着除去のし易さ」欄に記載した記号は、それぞれ、以下の状態に対応する記号である。
A:試験剤が皮膜状に連なって吸着除去された状態
B:試験剤が皮膜状に連なって吸着除去されたが、Aに比べて膜状構造が小さい状態
C:試験剤の吸着除去が完了せず、肌と磁石との間に試験剤が浮いている状態
D:試験剤が磁石に反応せず、吸着除去が不可能な状態
−:試験剤が塗布できず、試験が不可能な状態
<肌表面への残留量>
試験剤を肌に塗布した後、数分間静置した。その後、表面磁束密度が400G、800G、1200Gまたは2800Gである4種類の磁石を、肌に塗布した試験剤に接近させた。そして、磁石と肌との間隔が約10mmに達した時の、肌表面に残留した試験剤の量を目視観察した。その結果を表2及び表4に示した。なお、表2及び表4中の「肌表面への残留量」欄に記載した記号は、それぞれ、以下の状態に対応する記号である。
A:肌表面に試験剤が残留していない状態
B:肌表面に粒状に残留した試験剤が2〜3箇所程度存在している状態
C:肌表面にBよりも多くの試験剤が残留している状態
D:ほぼ全量の試験剤が肌表面に残留している状態
−:試験剤が塗布できず、試験が不可能な状態
Figure 0006452619
Figure 0006452619
Figure 0006452619
表1〜表4より知られるように、試験剤1〜9及び試験剤17は、上記特定の含有量の水と、上記特定の含有量の磁性体粉と、増粘剤とを含有している。そして、上記磁性体粉は、強磁性を示すフェライトを主成分とし、上記特定の範囲の体積平均粒径を有している。それ故、試験剤1〜9及び試験剤17は、肌表面からの吸着除去が容易である。
また、試験剤1〜9及び試験剤17には、アスコルビン酸リン酸ナトリウムが配合されている。アスコルビン酸リン酸ナトリウムは、試験剤中で、アスコルビン酸リン酸イオンとナトリウムイオンとに電離している。そのため、図1に示すように、これらの試験剤が肌表面から吸着除去されると共にアスコルビン酸リン酸イオン(イオン導入成分3)が肌表面に塗布された状態となる。それ故、これらの試験剤を肌表面から吸着除去した後に肌に微弱な電流を流すことにより、電荷を帯びたイオン導入成分3を肌内部に向けて移動させ、美容成分の肌への浸透を促進させることができる。その結果、体感できる美容効果をより向上させやすくなる。

Claims (10)

  1. 4〜85質量%の水と、
    13〜80質量%の磁性体粉と、
    増粘剤とを含有し、
    粘度が9000mPa・s以上であり、
    上記磁性体粉は、強磁性を示すフェライトを主成分とし、レーザー回折散乱法により得られる粒径分布から求めた体積平均粒径が20〜100μmであることを特徴とする水系スキンケア剤。
  2. 上記増粘剤として10〜45質量%のグリセリンを含むことを特徴とする請求項1に記載の水系スキンケア剤。
  3. チキソトロピー性を付与するチキソ剤を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の水系スキンケア剤。
  4. 界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の水系スキンケア剤。
  5. 上記磁性体粉を構成する粒子は、表面に樹脂皮膜を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の水系スキンケア剤。
  6. 上記磁性体粉は、レーザー回折散乱法により得られる粒径分布から求めた体積平均粒径が50〜75μmであり、粒径が37μm未満である粒子の含有量が15質量%以下であり、かつ、粒径が105μm以上である粒子の含有量が5質量%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の水系スキンケア剤。
  7. 上記磁性体粉は、80質量%以上のマグネタイトと、ウスタイト、ヘマタイト及び不可避不純物からなる残部とからなる化学成分を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の水系スキンケア剤。
  8. 上記磁性体粉の飽和磁化が80Am/kg以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の水系スキンケア剤。
  9. 電荷を帯びたイオン導入成分を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の水系スキンケア剤。
  10. 25℃における導電率が20μS/cm以上であることを特徴とする請求項9に記載の水系スキンケア剤。
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