JP2004224782A - 磁性体粉末を含有する化粧料 - Google Patents
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Abstract
【目的】全く新しいタイプの化粧料であって、皮膚などに塗擦後の残存薬剤を水で洗い流すことなく、ペーパーや布でふき取ることなく、そして除去することが可能とすることによって、環境の保全ならびに資源の節約を図る。
【構成】磁性体粉末を化粧品ベースに配合したものである。皮膚上に残った薬剤を除去するには、磁石をもって吸い着かせて除く。
磁性体粉末の材料には A鉄金属、B鉄合金、Cフェライト が挙げられる。実施例には、パック剤、クレンジング剤、毛髪着色料、除毛剤が例示してあるがユキノシタ・クズ・ボタン・チャ・ホップ・レモン・ニンジン・ソバの生薬成分が顕著な美白効果を示した。
【構成】磁性体粉末を化粧品ベースに配合したものである。皮膚上に残った薬剤を除去するには、磁石をもって吸い着かせて除く。
磁性体粉末の材料には A鉄金属、B鉄合金、Cフェライト が挙げられる。実施例には、パック剤、クレンジング剤、毛髪着色料、除毛剤が例示してあるがユキノシタ・クズ・ボタン・チャ・ホップ・レモン・ニンジン・ソバの生薬成分が顕著な美白効果を示した。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は人体の美化を目的とする化粧品および医薬部外品(以下化粧料という)に関するものである。従って本発明の産業上の利用分野は、化粧料の製造業・販売業ならびにそれを用いて理美容の施術する業種である。
【0002】
【従来の技術】
化粧料に磁性体の粉末を配合原料として用いた例はない。強いていえば、顔料として用いることのある赤色酸化鉄・黒色酸化鉄は、理学的の広義解釈では磁性体の範疇に入るけれども、本発明にあっては使用に値するものでない。それは請求項1に述べたとおり、本発明は磁石で化粧料をくっ着ける操作でもって、塗擦を終えた用済み後の化粧料の除去を行うものであるから、磁石にくっ着く磁性値をもつ磁性体であることが必要である。即ち、普通の永久磁石また電磁石での磁場の強さ(BH)は大凡0.3〜8×106(ガウス−エルステッド)であり、この程度の磁場で磁極にくっ着くことが出来る磁性をもつ材料であることが必要条件である。本願で定義する「磁性体粉末」とは斯様な物質の粉末をいい、磁石にくっ着く現象を「磁着」という。具体例でいうと、鉄鋼のヤスリ粉に永久磁石を近付けると鉄粉は磁石のNS極近くにくっ着き、或いは金属でなくとも砂鉄(主成分はチタンフェライト)のようにくっ着く現象がみられるものもある。従って本発明でいう磁性体は、それ自体が磁石であるものは勿論、保磁力はなくても透磁率の高い物質であれば磁着するので採用可能である。それらにはMn−Biの如き遷移元素を含まない例、またケスター合金や又はPt−Coの様なFeを含まない例外もあるが、経済的に言っても一般にはFeを含むことが通例である。
【0003】
医療器具としての磁石の応用はある。例えば、磁石は肩凝りや筋肉の疲労解消に使われており、真偽は兎も角、血管の赤血球に働き血流を良くするとの宣伝文句で健康器具に売られたりしている。しかし、これは磁石の成型品を用いるのであり、本発明にいう磁性体粉末ではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の化粧品は、塗擦後の皮膚等に残着している化粧品を除去するには、拭取り等の手段はあるものの、殆んどは水湯で洗い流すものである。この際に、除去を効果よくするために界面活性剤(石鹸もその一種である)の助力に頼っている。は、その化粧品自体に含まれている場合もあり、また別に追って別品を使用する場合もある。化粧品には油成分を配合することが多いのであるが、この除去は水のみでは不可能であり、殆ど例外なく界面活性剤を用いるものであり、また顔料・糊剤などの除去は界面活性剤によって迅速度が増すのである。
【0005】
ところが、ここで使用される界面活性剤について考えてみると、界面活性剤のそれ自体の人体に対する毒性の問題は兎角、皮膚等の老廃物を除去する効果もある反面、皮膚などから油質や栄養物を除去して乾性肌に変える悪い作用を齎す。而うして、化粧品というものは皮膚などに欠乏している栄養分を与えるために塗布するのであるが、折角皮膚に与えた栄養分を活性剤で以って再び洗い流すことになるから、顛末抜天と言わざるを得ない。それに、界面活性剤の多用は、美容業界特にエステと呼ばれる業種における排水の汚染が環境問題になっている状況である。これらの問題から、界面活性剤を用いることなく、除去の可能な化粧品の開発することを課題とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決する手段として、磁力を以て除去する方法手段を発明するに至った。即ち、要旨は「皮膚・粘膜・毛髪に塗擦した後、磁石を用いて磁着し除去することを特徴とする化粧料」である。
【0007】
本方法手段によれば除去のための界面活性剤は全く使わず、或いは著しく減少させることが可能である。この突飛なアイデアは、実際に体得してみないと判らないかも知れないが、磁性体粉末を混合したクリーム・ジェル・クリームに磁石を当てると、磁石の磁極に吸い付けられ、其の際配合の基地(以下ベースという)をも巻き込んで塗布した化粧料の殆どが除去可能である。磁極に吸い付いた棄却すべき化粧料は焼却等の手段で処分するから排水の汚濁は避けられる。なお皮膚等に残存する分は極めて少量であるから、その侭で済む場合もあるし、また洗浄するにしても簡単に済ませることが出来る。
【0008】
本発明品を実際に実用してみると、上記課題とは別面の異なった現象が見出だされ、これを新たな特徴をもつ化粧料にまで発展させることが出来た。この件については後記する通りである。その為に本発明において、課題を解決するための手段は「もの」の発明と同時に「方法」の発明でもあるが、新しい効能効果を発揮する化粧料の発明も包含するので、「もの」の発明として提案する次第である。
【0009】
さて、化粧料は多汎に亙って種々あるから一概に言えないけれども、その主流は皮膚などに必要とする油分と水分と栄養分とを付与するために、両者を界面活性剤を以て乳化混合した所謂クリームまたはミルクをベースとし、これに目的とする各種薬剤を混和したものから成っている。勿論、乳化物でなくジェルによって粘性を保っているものがあるし、パウダー、パフ、スティク、ローション、メーク、ムース等々の製品が挙げられるが、本発明はそれ等にすべて適用可能である。
【0010】
本発明で配合する原料は[磁性体粉末]と{油脂成分・樹脂成分・界面活性剤・溶剤・粉末剤・糊粘剤・ジェル化剤・安定剤・酸アルカリ剤・pH調整剤・イオン封鎖剤・着色染料顔料・防腐剤・光沢剤・保湿剤・栄養剤・美白効果剤・紫外線防止剤・育毛剤・抗炎症剤・刺激剤・香料・噴射剤および水から選ばれた一種または二種以上}である。
【0011】
これら{}の区分によって挙げる原料は通常の化粧品技術者であれは理解できるものであるので、各個々の説明並びに例示は省略する。
【0012】
さて、本発明品に配合される[磁性体粉末]について説明する。粉末の粒度は使用する化粧品の種類目的、使用の方法、ベースの構成、などによって最適の範囲を選ぶのであるが、概ね60ミッシュ以下を[粉末]の定義とする。場所が顔面で、擦るなどの施術が成される場合は肌を傷つけないようもっと細かく200メッシュ〜またはそれ以下が望ましい。そして、その構成する物質の本質によって、次ぎの3分類にする。(Rはレアアース)
[A]金属鉄、
[B]FeとCr・Ni・Co・Si・Al・Cu・Mo・R・Cの一種または二種以上の元素とでもって作る合金。
[C]Feの酸化物と、Ca・Sr・Ba・Mg−Al・Si・Ti・Mn・Fe・Ni・Co・Cr・Ce・Rの一種または二種以上の酸化物とで成るフェライト。
【0013】
[A]金属鉄とは、所謂メタルFeであって、精錬時に混入する或いは意図して混在させる少量のC・Si・Mn・Alを含有するものである。このうち電解鉄は針状に電着成長しているので、ボールミルなどの摩砕機械で粉砕することが出来る。乾式溶鉄法での金属鉄はCが1%以下の鋼材、3%程度の鋳鉄がある。後者は粉砕して粉末にすることができるが、前者は其の侭では粉砕不可能である。しかし、鋼材から切り出した削り屑−通称ダライ粉、また極薄板とし焼入れて硬化した鋼材であれば粉砕可能である。ただし、ここで注意すべきことは粉末の粒度が細かくなるに従い広い表面積になり、これが空中の酸素と結合して酸化熱を蓄積し、発火に至ることである。粉体の製造工程にあっては、不活性ガス雰囲気にするなどして管理可能であるが、本品を配合した本発明化粧料にあっても貯蔵時において酸化変質しないように空気か流通しない包装資材を用いるべきである。予め、鉄粉の表面処理を行うことによってこの危険はある程度避け得る。また水分は鉄粉との反応を促進するものである故に、水分を含む化粧料に本発明の応用は保存上の問題がある。
【0014】
この発熱を逆に利用して、本発明品の新なる化粧料が開発された。それは具体的に実施例で詳述するが、例えば発熱髭剃クリーム、美白顔パック、エステ用発汗全身パックなとに応用し得る。従来の発熱化粧品はグリセリン等の多価アルコールを用いその水希釈熱を利用するもの、過酸化水素を用いその分解熱を利用するものがあったが皮膚に対する影響を考えて量的に多く配合出来ず、かつ発熱量の低いものであった。Feの酸化熱は上記2例の熱量に比べて桁違いに大であり[約20×103J/g・Fe]かつ原料・生成物共に全く毒性はない利点がある。この発明品は黒〜灰褐色に着色することが欠点と言えば左様であるが、パック類には泥や植物乾燥粉末を配合してなる着色した品のあることを考えれば、別に異常ではないし、磁石で跡形なく除去可能であるから問題ない。
【0015】
[B]Fe合金で、磁着する金属は本発明の対象になる。前記の金属鉄粉は化学的にアクティーヴであるため、空中や水分の配合されたベースに混ぜて置くと経時変化等の虞れがあったが、Fe合金を採用することにより緩和される。例えばステンレスとして知られる18Ni−8Cr合金はオーステナイト組織を作り磁着しないので本発明の対象外であるが、13Cr合金の組織はフェライト型であって磁着するから本発明に採用し得るものであり、空中に置いても銹化することがない。磁着の力を強く望む場合はCo・Ni・Cu・Moを含むFe合金がよく、それに異方性とするためのAl・Tiの配合したものも利用の対象になる。この合金はアルニコ磁石鋼と呼ばれているもので、うちMK磁石鋼は最高のBH値を示す磁石として有名である。ところが欠け易い欠点があるのだが、本発明の粉末とする場合は却って好都合である。Ti・C・Siの配合は粉末を得るときの粉砕性の改良を求めるためである。普通の工具鋼は小量のMo・W・Cr・Mn等を入れるを通例とするが、これは[A]の分野に分類される。
【0016】
[C]Fe2O3−MIIOの構造をもつフェライト(上述の金属組織のフェライトとは異なる)は、自然界でも磁鉄鉱・ガーネット・クロマイトなど存在し、或るものはそれの珪酸塩を形成している。卑近な例の砂鉄はチタンフェライトFe2O3−TiO2であり、磁着する物質であることは良く知られて居る。磁鉄鉱はFe2O3−FeOであり、これまた良く磁着する。高性能録音テープ高性能の磁性体は0P磁石の応用であり、本質はFe2O3−CoOである。また磁石として普遍的なバリウムフェライトはFe2O3−BaOであり、抗磁力が高く、比較的安価に販売されている。そして、バリウムフェライト磁石の製造時に発生する不良品は粉砕してゴム磁石原料に販売されているから、本発明の配合原料として容易に入手可能である。
【0017】
次ぎに、本発明の応用の一つとして、エステ美容院に実際実用して、美白効果の顕著であったパック剤に配合される生薬を説明する。生薬の類はその多くが、美容効果ありと宣伝している向きがないでもないが、次ぎの品目は漢方専門業者の実験に本発明者が立ち会って確認したものである。それらは或る組合わせの処方でなされ、かつ元生薬の乾燥品の粉末ならびにアルコール−水エキスについて行った。
(a)ユキノシタ[ユキノシタ科]葉
(b)クズ[マメ科]根
(c)ボタン[ボタン科]根茎
(d)チャ[チャ科]葉
(e)ホップ[クワ科]花および総苞
(f)レモン[ミカン科]漿果および果皮
(g)ニンジン[ウコギ科]根茎
(h)ソバ[タデ科]穀つき子実
【0018】
これらの生薬の有効成分は完全に解明されているわけでないけれども、イ)フラボノール・シャルコン・アントシアニン系のポリフェノール色素、ロ)カテキンタンニン・アスコルビン酸等の還元性物質、ハ)サポニゲン等の起泡性物質、ニ)ポリサッカライド等の粘質物質 ホ)その植物特有の精油成分。がある。これら成分は従来手法では解明が困難であったが近年ポリフェノールならびカテキン誘導体は活性酸素を遮断すること、サポゲニンは血液の溶解作用を為すが特に老廃血球に対して優先すること、ポリサッカライドはガン細胞の分裂増殖を抑制をすること、精油成分は脳や自律神経に作用し精神の安定を齎すことなどが学術的に明らかにされつつある。
【0019】
これらの学説は民間にも流布し、それをタネに各種の生薬の効果を謳って健康食品などで販売される帰来はある。然様なこともあり、本発明者は本発明品に生薬を配合した場合の皮膚に対する効果を理科学機器を用いて確認した。試験に用いた生薬は総計32種に及ぶが、効果の判定から絞り込み、上記a)〜h)の8種が特に顕著な美白効果が確認されたものである。ただし、同時に行った皮膚の保湿率、肌の弾力の測定データーは他の生薬でも向上の著しいものがあった。肌弾力・水分保有率は肌の若さを表す指針でありことから、本発明パツク剤は生薬成分があれば勿論、配合無い場合もそれなりの効果はあるものである。
【0020】
実験I.
供試資料:実施例1の配合品100部に生薬乾燥粉の場合は3%,エキスの場合は0.6%添加したものに、水30部を混和したもの。表1−No.12は各成分を1/3づつ即ち1%,0.2%添加したものである。コントロールは生薬を入れないものである。
実験方法:人体の上膊部また背部のパッチテストによる。試験を行った員数は30名。供試資料を塗布し、30分静置した後磁石で除去し、この操作を十日間にわたり、毎日1回行う。なお、試験期間中は長袖を着用し、日射による影響のないよう配慮した。
測定方法:10日の試験終了後、試験箇所の色度を測定する。色の表示はC.I.E.−L*,a*.b* (JIS Z8729)による。
実験結果:表1に掲げる。△E値は蒸着マグネトアに対する値であり、表には30名の範囲と平均値を記載した。
【0021】
【表1】
【0022】
この結果から、肌の美白効果のあることか確かめられた。なお外の生薬例えば麦門冬・白朮・桑白皮・霊芝・糸瓜水でも優位に効果が認められたが反対の結果も少例ながら有ったので、優位差検定にはなおデーターを要する状況である。最も効果の著しく現れたのは、混合生薬の場合で表1−No.12に示す通りである。
【0023】
以上により、<ベース>の配合物と[磁性体粉末]とを混合して、本発明品を作ることが出来る。ここにおいて[磁性体粉末]の配合割合は強いて制定しない。それは、多岐にわたる各化粧品によって最適の範囲は大幅に異なるからである。ただ、オイルベースでは50〜80%、クリームベースでは10〜70%、ジェルベースでは30〜90%、至当な範囲といえよう。
【0024】
【実施例】
[実施例1]粉体型→(使用時に水を添加して泥状にする)
本例はエステ美容院で、全身泥パックを行う際のパック剤に関するものである。本品は粉末状であり、缶に密封して入れられている。使用に当たり本品100部等量の水を加えて撹拌し、軟泥状となったものを全身に塗布する。塗布後約20分で温度40°Cまで上昇する。樹脂キャップで覆った交流電磁石で振動を与えるマッサージを施術すると同時に、塗布した薬剤は磁石のポールにくっ着いて除去することができる。切電したとき、薬剤はポールから離脱するから、棄却用容器に入れて処分する。塗布した皮膚には薬剤は殆ど残らなくて、且つ生薬成分と水分とによって美白効果は絶大である。なお、乾性肌の場合は約10部のオリーブヴァージンを追加すると宜しい。
【0025】
【0026】
[実施例2] オイルをベースとする型
本例はクリンジングの例である。顔の化粧のやり方は、まず化粧水で顔面皮膚を引き締め、つぎにファンデーションと称する肌色より微に白めの塗料を一面に塗り、シャドウと称して顔の彫りを深く見せるようにパフを叩いて、次ぎはメイク即ちチークカラー、アイシャドウ、眉書き、リップを入れ、付けまつ毛をして漸く美人が仕上がるのである。さて帰宅して休息に入る前に化粧を除去するのがクリンジングであるが、古はファンデは水白粉であり色物も少なかったので、石鹸と温湯で落せたけれども、最近の化粧料は化粧崩れを少なくするために油性が主流となり、従って市販のメーク落し剤もオイル質となっている。このメーク落しも大変な作業で、ふき取りのための大量のペーパーや布を使い、それでも完全でないから化粧石鹸等で洗顔すことになる。
これに対し、本発明の磁性体粉末入りのクリンジングでは、磁石が吸い取るのであるから拭き取りのペーパーを必要とせず、除去は簡単であり且つ短時間で終わる利点がある。
【0027】
【0028】
[実施例3]ゲルをベースとする型
本例は白髪かくし整髪料の例である。初老になると誰でも白髪が発生してくるもので、完全に白髪化すれば染毛剤で染色するか諦めるかの心境に至るのであるが、その途中のゴマシオ白髪では一時的に着色して誤魔化すことが多いし、ごく初期の程度では髪を水か油でウェットの状態にするだけで白髪はある程度目立たなくものである。また、最近の若い女性は折角の黒髪を過酸化水素で脱色し茶髪とする傾向である。しかし、染色や脱色施術した頭髪は以後も日毎伸びてくるものであるから段々模様が目立って見苦しい。1ケ月程度で再処理するけれども、その間にあってはテンポラリーな着色剤を塗布して済ませる事が多い。
本例は左様な場合に用いる毛髪着色料である。この一時的着色料は塗髪した状態で他物に触れたとき転写する欠点があるので、寝床に入る際は洗髪して除く必要がある。本発明品は磁石で吸い取るのであるから身体を濡らすことなく短時間で除去を終了できるし、それに、磁石にくっ着いた着色料は再度使用出来る利点がある。次述の整髪料(i)は茶髪の段々隠しに、(ii)は胡麻白髪の整髪料に塗髪するために作られた処方である。ここで、使用する磁性体粉末は茶色ないし黒色または灰色であるので着色剤の役目も兼ねることになる。さらにまた、白髪が発生する年代では頭髪の量質ともに少なくなるを以て、本処方調剤は毛髪の表面に磁性体粉末などが被覆して太くなり、頭髪量が多くなったように見せかける効果もある。
【0029】
【0030】
[実施例4]ムース型
本例はむだ毛の除毛剤に関するもので、エアゾール缶に封入されており、噴出に際しては泡状になる。この泡を除毛したい場所に約15分間塗布しておく。チオグリコール酸とアルカリの作用により毛の組織が脆化するので、ふき取ると毛が切れて除毛するのである。
本発明品では、ふき取りの作業を磁石に吸い着けてぬぐい去るのてあり、この際の汚泥の始末に指先を使わずにできる利便がある。本処方ではアルカリが強いので、処理後は水洗しておいた方がよい。
【0031】
ここで調整した原液100重量部に対し、LPG重量部の割合で、鉄製エアゾール用缶に圧入し本発明品を得た。
【0032】
【発明の効果】
化粧料の分野で磁性体粉末を原料とした例はなく、ましてやその除去に磁石を利用することなど聞いたこともない。調合品がある程度以上の粘度のある場合は、同時に配合された物質も磁性体粉末と一緒に磁石にくっ着いて肌から除去されるから、拭取り除去の場合のように指先を汚染することはない。磁石の極を紙やポリシートで覆っておき、用済み後にこの覆いを磁場から離すことにより、安易に薬剤の取扱いが済むのである。この事は、染毛剤や脱毛剤で常に心配するところてあった。
【0033】
次なる効果を述べれば、化粧料には多量の界面活性剤が配合されており、水洗によってこれを下水に流すことは環境上問題である。またメイクに使った着色顔料を洗剤と共に洗面所から流すのも環境にさもうるさい奥様方の言動に反する。本発明のクレンジング方法では流すことなく処分可能であるし、差し支えなけれはクレンジング剤は何回でも繰り返し使用できる。
【0034】
本発明に用いる磁性体粉末は、化粧料によっては他の目的と兼用することになる。例えば、クレンジング剤にあってはこすり落とす研摩材に、毛髪着色剤にあっては黒色・褐色の顔料の役目も兼ねる。
【0035】
磁性体粉末が微細な金属鉄粉であった場合は、その表面の酸化作用若しくは水また薬品との接触により熱を発する。これは従来の自己発熱化粧料の発熱量と比較にならない位高いもので、ひげそりクリームやパック剤に応用される。
【0036】
本発明の一例として、肌の美白効果パックがある。これは最も普及すると思われる商品であるが、この時、美白剤に植物粉末またエキスを混合することにより効果は確実に向上する。効果の確実と認識されたものは、ユキノシタ・クズ・ボタン・チャ・ホップ・レモン・ニンジン・ソバであった。
【産業上の利用分野】
本発明は人体の美化を目的とする化粧品および医薬部外品(以下化粧料という)に関するものである。従って本発明の産業上の利用分野は、化粧料の製造業・販売業ならびにそれを用いて理美容の施術する業種である。
【0002】
【従来の技術】
化粧料に磁性体の粉末を配合原料として用いた例はない。強いていえば、顔料として用いることのある赤色酸化鉄・黒色酸化鉄は、理学的の広義解釈では磁性体の範疇に入るけれども、本発明にあっては使用に値するものでない。それは請求項1に述べたとおり、本発明は磁石で化粧料をくっ着ける操作でもって、塗擦を終えた用済み後の化粧料の除去を行うものであるから、磁石にくっ着く磁性値をもつ磁性体であることが必要である。即ち、普通の永久磁石また電磁石での磁場の強さ(BH)は大凡0.3〜8×106(ガウス−エルステッド)であり、この程度の磁場で磁極にくっ着くことが出来る磁性をもつ材料であることが必要条件である。本願で定義する「磁性体粉末」とは斯様な物質の粉末をいい、磁石にくっ着く現象を「磁着」という。具体例でいうと、鉄鋼のヤスリ粉に永久磁石を近付けると鉄粉は磁石のNS極近くにくっ着き、或いは金属でなくとも砂鉄(主成分はチタンフェライト)のようにくっ着く現象がみられるものもある。従って本発明でいう磁性体は、それ自体が磁石であるものは勿論、保磁力はなくても透磁率の高い物質であれば磁着するので採用可能である。それらにはMn−Biの如き遷移元素を含まない例、またケスター合金や又はPt−Coの様なFeを含まない例外もあるが、経済的に言っても一般にはFeを含むことが通例である。
【0003】
医療器具としての磁石の応用はある。例えば、磁石は肩凝りや筋肉の疲労解消に使われており、真偽は兎も角、血管の赤血球に働き血流を良くするとの宣伝文句で健康器具に売られたりしている。しかし、これは磁石の成型品を用いるのであり、本発明にいう磁性体粉末ではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の化粧品は、塗擦後の皮膚等に残着している化粧品を除去するには、拭取り等の手段はあるものの、殆んどは水湯で洗い流すものである。この際に、除去を効果よくするために界面活性剤(石鹸もその一種である)の助力に頼っている。は、その化粧品自体に含まれている場合もあり、また別に追って別品を使用する場合もある。化粧品には油成分を配合することが多いのであるが、この除去は水のみでは不可能であり、殆ど例外なく界面活性剤を用いるものであり、また顔料・糊剤などの除去は界面活性剤によって迅速度が増すのである。
【0005】
ところが、ここで使用される界面活性剤について考えてみると、界面活性剤のそれ自体の人体に対する毒性の問題は兎角、皮膚等の老廃物を除去する効果もある反面、皮膚などから油質や栄養物を除去して乾性肌に変える悪い作用を齎す。而うして、化粧品というものは皮膚などに欠乏している栄養分を与えるために塗布するのであるが、折角皮膚に与えた栄養分を活性剤で以って再び洗い流すことになるから、顛末抜天と言わざるを得ない。それに、界面活性剤の多用は、美容業界特にエステと呼ばれる業種における排水の汚染が環境問題になっている状況である。これらの問題から、界面活性剤を用いることなく、除去の可能な化粧品の開発することを課題とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決する手段として、磁力を以て除去する方法手段を発明するに至った。即ち、要旨は「皮膚・粘膜・毛髪に塗擦した後、磁石を用いて磁着し除去することを特徴とする化粧料」である。
【0007】
本方法手段によれば除去のための界面活性剤は全く使わず、或いは著しく減少させることが可能である。この突飛なアイデアは、実際に体得してみないと判らないかも知れないが、磁性体粉末を混合したクリーム・ジェル・クリームに磁石を当てると、磁石の磁極に吸い付けられ、其の際配合の基地(以下ベースという)をも巻き込んで塗布した化粧料の殆どが除去可能である。磁極に吸い付いた棄却すべき化粧料は焼却等の手段で処分するから排水の汚濁は避けられる。なお皮膚等に残存する分は極めて少量であるから、その侭で済む場合もあるし、また洗浄するにしても簡単に済ませることが出来る。
【0008】
本発明品を実際に実用してみると、上記課題とは別面の異なった現象が見出だされ、これを新たな特徴をもつ化粧料にまで発展させることが出来た。この件については後記する通りである。その為に本発明において、課題を解決するための手段は「もの」の発明と同時に「方法」の発明でもあるが、新しい効能効果を発揮する化粧料の発明も包含するので、「もの」の発明として提案する次第である。
【0009】
さて、化粧料は多汎に亙って種々あるから一概に言えないけれども、その主流は皮膚などに必要とする油分と水分と栄養分とを付与するために、両者を界面活性剤を以て乳化混合した所謂クリームまたはミルクをベースとし、これに目的とする各種薬剤を混和したものから成っている。勿論、乳化物でなくジェルによって粘性を保っているものがあるし、パウダー、パフ、スティク、ローション、メーク、ムース等々の製品が挙げられるが、本発明はそれ等にすべて適用可能である。
【0010】
本発明で配合する原料は[磁性体粉末]と{油脂成分・樹脂成分・界面活性剤・溶剤・粉末剤・糊粘剤・ジェル化剤・安定剤・酸アルカリ剤・pH調整剤・イオン封鎖剤・着色染料顔料・防腐剤・光沢剤・保湿剤・栄養剤・美白効果剤・紫外線防止剤・育毛剤・抗炎症剤・刺激剤・香料・噴射剤および水から選ばれた一種または二種以上}である。
【0011】
これら{}の区分によって挙げる原料は通常の化粧品技術者であれは理解できるものであるので、各個々の説明並びに例示は省略する。
【0012】
さて、本発明品に配合される[磁性体粉末]について説明する。粉末の粒度は使用する化粧品の種類目的、使用の方法、ベースの構成、などによって最適の範囲を選ぶのであるが、概ね60ミッシュ以下を[粉末]の定義とする。場所が顔面で、擦るなどの施術が成される場合は肌を傷つけないようもっと細かく200メッシュ〜またはそれ以下が望ましい。そして、その構成する物質の本質によって、次ぎの3分類にする。(Rはレアアース)
[A]金属鉄、
[B]FeとCr・Ni・Co・Si・Al・Cu・Mo・R・Cの一種または二種以上の元素とでもって作る合金。
[C]Feの酸化物と、Ca・Sr・Ba・Mg−Al・Si・Ti・Mn・Fe・Ni・Co・Cr・Ce・Rの一種または二種以上の酸化物とで成るフェライト。
【0013】
[A]金属鉄とは、所謂メタルFeであって、精錬時に混入する或いは意図して混在させる少量のC・Si・Mn・Alを含有するものである。このうち電解鉄は針状に電着成長しているので、ボールミルなどの摩砕機械で粉砕することが出来る。乾式溶鉄法での金属鉄はCが1%以下の鋼材、3%程度の鋳鉄がある。後者は粉砕して粉末にすることができるが、前者は其の侭では粉砕不可能である。しかし、鋼材から切り出した削り屑−通称ダライ粉、また極薄板とし焼入れて硬化した鋼材であれば粉砕可能である。ただし、ここで注意すべきことは粉末の粒度が細かくなるに従い広い表面積になり、これが空中の酸素と結合して酸化熱を蓄積し、発火に至ることである。粉体の製造工程にあっては、不活性ガス雰囲気にするなどして管理可能であるが、本品を配合した本発明化粧料にあっても貯蔵時において酸化変質しないように空気か流通しない包装資材を用いるべきである。予め、鉄粉の表面処理を行うことによってこの危険はある程度避け得る。また水分は鉄粉との反応を促進するものである故に、水分を含む化粧料に本発明の応用は保存上の問題がある。
【0014】
この発熱を逆に利用して、本発明品の新なる化粧料が開発された。それは具体的に実施例で詳述するが、例えば発熱髭剃クリーム、美白顔パック、エステ用発汗全身パックなとに応用し得る。従来の発熱化粧品はグリセリン等の多価アルコールを用いその水希釈熱を利用するもの、過酸化水素を用いその分解熱を利用するものがあったが皮膚に対する影響を考えて量的に多く配合出来ず、かつ発熱量の低いものであった。Feの酸化熱は上記2例の熱量に比べて桁違いに大であり[約20×103J/g・Fe]かつ原料・生成物共に全く毒性はない利点がある。この発明品は黒〜灰褐色に着色することが欠点と言えば左様であるが、パック類には泥や植物乾燥粉末を配合してなる着色した品のあることを考えれば、別に異常ではないし、磁石で跡形なく除去可能であるから問題ない。
【0015】
[B]Fe合金で、磁着する金属は本発明の対象になる。前記の金属鉄粉は化学的にアクティーヴであるため、空中や水分の配合されたベースに混ぜて置くと経時変化等の虞れがあったが、Fe合金を採用することにより緩和される。例えばステンレスとして知られる18Ni−8Cr合金はオーステナイト組織を作り磁着しないので本発明の対象外であるが、13Cr合金の組織はフェライト型であって磁着するから本発明に採用し得るものであり、空中に置いても銹化することがない。磁着の力を強く望む場合はCo・Ni・Cu・Moを含むFe合金がよく、それに異方性とするためのAl・Tiの配合したものも利用の対象になる。この合金はアルニコ磁石鋼と呼ばれているもので、うちMK磁石鋼は最高のBH値を示す磁石として有名である。ところが欠け易い欠点があるのだが、本発明の粉末とする場合は却って好都合である。Ti・C・Siの配合は粉末を得るときの粉砕性の改良を求めるためである。普通の工具鋼は小量のMo・W・Cr・Mn等を入れるを通例とするが、これは[A]の分野に分類される。
【0016】
[C]Fe2O3−MIIOの構造をもつフェライト(上述の金属組織のフェライトとは異なる)は、自然界でも磁鉄鉱・ガーネット・クロマイトなど存在し、或るものはそれの珪酸塩を形成している。卑近な例の砂鉄はチタンフェライトFe2O3−TiO2であり、磁着する物質であることは良く知られて居る。磁鉄鉱はFe2O3−FeOであり、これまた良く磁着する。高性能録音テープ高性能の磁性体は0P磁石の応用であり、本質はFe2O3−CoOである。また磁石として普遍的なバリウムフェライトはFe2O3−BaOであり、抗磁力が高く、比較的安価に販売されている。そして、バリウムフェライト磁石の製造時に発生する不良品は粉砕してゴム磁石原料に販売されているから、本発明の配合原料として容易に入手可能である。
【0017】
次ぎに、本発明の応用の一つとして、エステ美容院に実際実用して、美白効果の顕著であったパック剤に配合される生薬を説明する。生薬の類はその多くが、美容効果ありと宣伝している向きがないでもないが、次ぎの品目は漢方専門業者の実験に本発明者が立ち会って確認したものである。それらは或る組合わせの処方でなされ、かつ元生薬の乾燥品の粉末ならびにアルコール−水エキスについて行った。
(a)ユキノシタ[ユキノシタ科]葉
(b)クズ[マメ科]根
(c)ボタン[ボタン科]根茎
(d)チャ[チャ科]葉
(e)ホップ[クワ科]花および総苞
(f)レモン[ミカン科]漿果および果皮
(g)ニンジン[ウコギ科]根茎
(h)ソバ[タデ科]穀つき子実
【0018】
これらの生薬の有効成分は完全に解明されているわけでないけれども、イ)フラボノール・シャルコン・アントシアニン系のポリフェノール色素、ロ)カテキンタンニン・アスコルビン酸等の還元性物質、ハ)サポニゲン等の起泡性物質、ニ)ポリサッカライド等の粘質物質 ホ)その植物特有の精油成分。がある。これら成分は従来手法では解明が困難であったが近年ポリフェノールならびカテキン誘導体は活性酸素を遮断すること、サポゲニンは血液の溶解作用を為すが特に老廃血球に対して優先すること、ポリサッカライドはガン細胞の分裂増殖を抑制をすること、精油成分は脳や自律神経に作用し精神の安定を齎すことなどが学術的に明らかにされつつある。
【0019】
これらの学説は民間にも流布し、それをタネに各種の生薬の効果を謳って健康食品などで販売される帰来はある。然様なこともあり、本発明者は本発明品に生薬を配合した場合の皮膚に対する効果を理科学機器を用いて確認した。試験に用いた生薬は総計32種に及ぶが、効果の判定から絞り込み、上記a)〜h)の8種が特に顕著な美白効果が確認されたものである。ただし、同時に行った皮膚の保湿率、肌の弾力の測定データーは他の生薬でも向上の著しいものがあった。肌弾力・水分保有率は肌の若さを表す指針でありことから、本発明パツク剤は生薬成分があれば勿論、配合無い場合もそれなりの効果はあるものである。
【0020】
実験I.
供試資料:実施例1の配合品100部に生薬乾燥粉の場合は3%,エキスの場合は0.6%添加したものに、水30部を混和したもの。表1−No.12は各成分を1/3づつ即ち1%,0.2%添加したものである。コントロールは生薬を入れないものである。
実験方法:人体の上膊部また背部のパッチテストによる。試験を行った員数は30名。供試資料を塗布し、30分静置した後磁石で除去し、この操作を十日間にわたり、毎日1回行う。なお、試験期間中は長袖を着用し、日射による影響のないよう配慮した。
測定方法:10日の試験終了後、試験箇所の色度を測定する。色の表示はC.I.E.−L*,a*.b* (JIS Z8729)による。
実験結果:表1に掲げる。△E値は蒸着マグネトアに対する値であり、表には30名の範囲と平均値を記載した。
【0021】
【表1】
【0022】
この結果から、肌の美白効果のあることか確かめられた。なお外の生薬例えば麦門冬・白朮・桑白皮・霊芝・糸瓜水でも優位に効果が認められたが反対の結果も少例ながら有ったので、優位差検定にはなおデーターを要する状況である。最も効果の著しく現れたのは、混合生薬の場合で表1−No.12に示す通りである。
【0023】
以上により、<ベース>の配合物と[磁性体粉末]とを混合して、本発明品を作ることが出来る。ここにおいて[磁性体粉末]の配合割合は強いて制定しない。それは、多岐にわたる各化粧品によって最適の範囲は大幅に異なるからである。ただ、オイルベースでは50〜80%、クリームベースでは10〜70%、ジェルベースでは30〜90%、至当な範囲といえよう。
【0024】
【実施例】
[実施例1]粉体型→(使用時に水を添加して泥状にする)
本例はエステ美容院で、全身泥パックを行う際のパック剤に関するものである。本品は粉末状であり、缶に密封して入れられている。使用に当たり本品100部等量の水を加えて撹拌し、軟泥状となったものを全身に塗布する。塗布後約20分で温度40°Cまで上昇する。樹脂キャップで覆った交流電磁石で振動を与えるマッサージを施術すると同時に、塗布した薬剤は磁石のポールにくっ着いて除去することができる。切電したとき、薬剤はポールから離脱するから、棄却用容器に入れて処分する。塗布した皮膚には薬剤は殆ど残らなくて、且つ生薬成分と水分とによって美白効果は絶大である。なお、乾性肌の場合は約10部のオリーブヴァージンを追加すると宜しい。
【0025】
【0026】
[実施例2] オイルをベースとする型
本例はクリンジングの例である。顔の化粧のやり方は、まず化粧水で顔面皮膚を引き締め、つぎにファンデーションと称する肌色より微に白めの塗料を一面に塗り、シャドウと称して顔の彫りを深く見せるようにパフを叩いて、次ぎはメイク即ちチークカラー、アイシャドウ、眉書き、リップを入れ、付けまつ毛をして漸く美人が仕上がるのである。さて帰宅して休息に入る前に化粧を除去するのがクリンジングであるが、古はファンデは水白粉であり色物も少なかったので、石鹸と温湯で落せたけれども、最近の化粧料は化粧崩れを少なくするために油性が主流となり、従って市販のメーク落し剤もオイル質となっている。このメーク落しも大変な作業で、ふき取りのための大量のペーパーや布を使い、それでも完全でないから化粧石鹸等で洗顔すことになる。
これに対し、本発明の磁性体粉末入りのクリンジングでは、磁石が吸い取るのであるから拭き取りのペーパーを必要とせず、除去は簡単であり且つ短時間で終わる利点がある。
【0027】
【0028】
[実施例3]ゲルをベースとする型
本例は白髪かくし整髪料の例である。初老になると誰でも白髪が発生してくるもので、完全に白髪化すれば染毛剤で染色するか諦めるかの心境に至るのであるが、その途中のゴマシオ白髪では一時的に着色して誤魔化すことが多いし、ごく初期の程度では髪を水か油でウェットの状態にするだけで白髪はある程度目立たなくものである。また、最近の若い女性は折角の黒髪を過酸化水素で脱色し茶髪とする傾向である。しかし、染色や脱色施術した頭髪は以後も日毎伸びてくるものであるから段々模様が目立って見苦しい。1ケ月程度で再処理するけれども、その間にあってはテンポラリーな着色剤を塗布して済ませる事が多い。
本例は左様な場合に用いる毛髪着色料である。この一時的着色料は塗髪した状態で他物に触れたとき転写する欠点があるので、寝床に入る際は洗髪して除く必要がある。本発明品は磁石で吸い取るのであるから身体を濡らすことなく短時間で除去を終了できるし、それに、磁石にくっ着いた着色料は再度使用出来る利点がある。次述の整髪料(i)は茶髪の段々隠しに、(ii)は胡麻白髪の整髪料に塗髪するために作られた処方である。ここで、使用する磁性体粉末は茶色ないし黒色または灰色であるので着色剤の役目も兼ねることになる。さらにまた、白髪が発生する年代では頭髪の量質ともに少なくなるを以て、本処方調剤は毛髪の表面に磁性体粉末などが被覆して太くなり、頭髪量が多くなったように見せかける効果もある。
【0029】
【0030】
[実施例4]ムース型
本例はむだ毛の除毛剤に関するもので、エアゾール缶に封入されており、噴出に際しては泡状になる。この泡を除毛したい場所に約15分間塗布しておく。チオグリコール酸とアルカリの作用により毛の組織が脆化するので、ふき取ると毛が切れて除毛するのである。
本発明品では、ふき取りの作業を磁石に吸い着けてぬぐい去るのてあり、この際の汚泥の始末に指先を使わずにできる利便がある。本処方ではアルカリが強いので、処理後は水洗しておいた方がよい。
【0031】
ここで調整した原液100重量部に対し、LPG重量部の割合で、鉄製エアゾール用缶に圧入し本発明品を得た。
【0032】
【発明の効果】
化粧料の分野で磁性体粉末を原料とした例はなく、ましてやその除去に磁石を利用することなど聞いたこともない。調合品がある程度以上の粘度のある場合は、同時に配合された物質も磁性体粉末と一緒に磁石にくっ着いて肌から除去されるから、拭取り除去の場合のように指先を汚染することはない。磁石の極を紙やポリシートで覆っておき、用済み後にこの覆いを磁場から離すことにより、安易に薬剤の取扱いが済むのである。この事は、染毛剤や脱毛剤で常に心配するところてあった。
【0033】
次なる効果を述べれば、化粧料には多量の界面活性剤が配合されており、水洗によってこれを下水に流すことは環境上問題である。またメイクに使った着色顔料を洗剤と共に洗面所から流すのも環境にさもうるさい奥様方の言動に反する。本発明のクレンジング方法では流すことなく処分可能であるし、差し支えなけれはクレンジング剤は何回でも繰り返し使用できる。
【0034】
本発明に用いる磁性体粉末は、化粧料によっては他の目的と兼用することになる。例えば、クレンジング剤にあってはこすり落とす研摩材に、毛髪着色剤にあっては黒色・褐色の顔料の役目も兼ねる。
【0035】
磁性体粉末が微細な金属鉄粉であった場合は、その表面の酸化作用若しくは水また薬品との接触により熱を発する。これは従来の自己発熱化粧料の発熱量と比較にならない位高いもので、ひげそりクリームやパック剤に応用される。
【0036】
本発明の一例として、肌の美白効果パックがある。これは最も普及すると思われる商品であるが、この時、美白剤に植物粉末またエキスを混合することにより効果は確実に向上する。効果の確実と認識されたものは、ユキノシタ・クズ・ボタン・チャ・ホップ・レモン・ニンジン・ソバであった。
Claims (6)
- 皮膚・粘膜・毛髪に塗擦した後、磁石を用いて磁着し除去することを特徴とする、磁性体粉末を含有する化粧料。
- 磁性体粉末と油脂成分・樹脂成分・界面活性剤・溶剤・粉末剤・糊粘剤・ジェル化剤・安定剤・酸アルカリ剤・pH調整剤・イオン封鎖剤・着色染料顔料・防腐剤・光沢剤・保湿剤・栄養剤・美白効果剤・紫外線防止剤・育毛剤・抗炎症剤・刺激剤・香料・噴射剤および水から選ばれた薬剤の1種また2種以上とを配合してなる、特許請求項1に記載の化粧料。
- 磁性体粉末の本質が金属鉄である、特許請求項2に記載の化粧料。
- 磁性体粉末の本質がFeとCr・Ni・Co・Cu・Mo・Al・Ti・Si・レアアース・Cの1種また2種以上の元素とでもって作る合金である、特許請求項2に記載の化粧料。
- 磁性体粉末の本質がFeの酸化物と、Ca・Sr・Ba・Mg・Al・Si・Ti・Mn・Zn・Fe・Ni・Co・Cr・Ce・レアアースの酸化物の1種または2種以上とで成るフェライトである、特許請求項2に記載の化粧料。
- 美白効果剤がユキノシタ・クズ・ボタン・チャ・ホップ・レモン・ニンジン・ソバの葉茎・果実・根・種子の何れかの粉末またはエキスの1種また2種以上であること特徴とする、特許請求項2に記載の化粧料。
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