JP6452262B2 - 1,1‐2置換エチレンモノマー類の調製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高速硬化性接着剤の分野において用途が見出されている、シアノアクリレート類又はマロン酸メチリデン類といった1,1‐2置換エチレンモノマー類を調製するための方法に関する。
シアノアクリレートは、2‐シアノアクリレートをベースとした耐久性高速作用性接着剤の1つのファミリーの一般名である。このモノマーの構造は以下の通りである:
ここでRは一般に、例えばメチル、エチル、ブチル又は2‐オクチル等のアルキル基である。
このような化合物は近年、例えばマニュアルである非特許文献1に開示されているように、公知である。
これらの化合物は、電子求引基によって1,1‐2置換されたエチレンモノマーであり、これによりこれらのオレフィン類は、その電子の欠乏により、求核剤に対して高い反応性を有する。上記化合物の構造により、結合する媒体又は基材中に元々存在するいずれの求核性種又は塩基性種によって開始される上記化合物の重合化が、極めて容易となる。
シアノアクリレート類の調製のための工業的プロセスは、公知のクネーフェナーゲル反応に基づくものであり、上記反応は、塩基性媒体中の適切なシアノアセテートを用いた、シアノアクリレートと、例えばパラホルムアルデヒド又はトリオキサンといったホルムアルデヒド源との反応を伴う。反応条件は不可避的にプレポリマーを生じ、これは、高温、高真空及び酸性条件における熱的脱重合化に供する必要がある。純粋なモノマーは、通常再蒸留され、ごく少量の酸によって安定化され、これによって望ましくない重合化が回避される。脱重合化プロセスの強い条件により、この手順は、熱的に不安定な置換基を含むモノマーに対しては適切でない。
従来技術では、例えば特許文献1及び特許文献1に引用される参考文献において開示されているように、このような方法に対する複数の改善策が説明されている。
紹介されている改善策にもかかわらず、クネーフェナーゲル反応に基づくプロセスは、低アルキルシアノアクリレート類、例えば高速硬化性接着剤において使用されるシアノアクリレート類の生産のほとんど90%超を構成するエチルシアノアクリレートに関してしか、効率的でない。これらの場合には、廃棄物再利用システムを実装でき、これによって満足できる収率が得られる。
他のシアノアクリレート類に関しては、クネーフェナーゲル反応によって得られる収率は有意に低い。例えば:特許文献2に開示されているように、2−フェニルエチルシアノアクリレートは39%の収率で得られ;特許文献3に開示されているように、エチルグリコール酸シアノアクリレートは23%の収率で得られ;特許文献4に開示されているように、トリメチルシリルメチルシアノアクリレートは30%の収率で得られ;特許文献5に開示されているように、テトラヒドロフルフリルシアノアクリレートは、蒸留前に64%の収率で得られ;非特許文献2に開示されているように、アルコキシエチルシアノアクリレート類は、ヘキソキシ基に関する14%から、メトキシ基に関する45%までの範囲の収率で得られる。
しかしながら、接着剤に容易に応用できる特性は、例えば硬度及び耐久性の上昇を達成するために1つの塗料中で異なる複数のアクリルモノマーを組み合わせるのと同様に、特定の効果を達成するために単一の処方中で異なる複数のモノマーを組み合わせることができる能力に、大いに左右される。
更に、瞬間的に重合する他の種類のモノマー、マロン酸メチリデン類(これは1,1‐2置換エチレンモノマー類の分類にも属する)は、クネーフェナーゲル反応に基づくプロセスによって効率的に得るのは困難であることに留意しなければならない。このプロセスの改善策は、特許文献6に開示されている。
従来技術において、シアノアクリレートモノマーを改善された収率及び純度で得るため、並びにモノマー類の範囲を拡張するために、クネーフェナーゲル反応とは異なる多数の手順が開示されている。
従って特許文献7では、酸と、上記酸と同一の酸又はより強い酸と1級又は2級アミンとの塩との混合物の存在下での、シアノアセテートによるホルムアルデヒドの縮合か開示されている。この手順ではプレポリマーが得られ、これを熱的に脱重合化してモノマーを製造しなければならない。
特許文献8では、ビスシアノアクリレート類を得るための、アルコールによる又はジオールによる2‐シアノアクリロイル塩化物のエステル化が開示されている。上記プロセスは、上記酸塩化物を調製するために腐食性かつ水分感受性の試薬を使用するという事実等、複数の欠点を伴う。更に上記シアノアクリル酸は、場合によってはクネーフェナーゲル反応から得られた、エステルの熱分解によって得なければならない。
特許文献9では、電子欠乏オレフィン類の調製のためのプロセスが開示されており、ここでは、イオン性液体と呼ばれるいくつかの特定のイミニウム塩を化学量論量で使用する。というのは、上記イミニウム塩はシアノアクリレートのメチリデン基の担体であるためである。上記プロセスでは、上記モノマーは、イミニウム塩とシアノアセテートとの反応によって直接得られ、従って熱的な脱重合化は回避されるものの、イミニウム塩由来のアンモニウム塩が蒸留後に残滓として残るという欠点があり、上記アンモニウム塩を回収及び処理してアミンを再生成することにより、対応するイミニウム塩を得る必要がある。
特許文献10では、シアノアクリレート等の電子欠乏オレフィン類を調製するための方法が開示されており、ここでは、イミニウム塩を化学量論量で使用する。というのは、上記塩はシアノアクリレートのメチリデン基を提供するためである。このようなイミニウム塩は、アルデヒドと1級アミンとの反応と、これに続く酸によるプロトン化とによって得られる。ヨウ化物エッシェンモーザー塩(N,N‐ヨウ化ジメチルメチリデンアンモニウム)等の非プロトン化イミニウム塩を採用すると、反応は低収率で進行する。上記プロセスでも、モノマーは、プロトン化イミニウム塩とシアノアセテートとの反応によって直接得られ、従って熱的な脱重合化は回避される。しかしながら、残滓を直接再生利用することはできず、このようにして得られたアンモニウム塩を処理してアミンを再生成する必要があり、上記アミンはその後、パラホルムアルデヒドとの反応によって対応するイミニウム塩を形成する。例えば特許文献11に開示されているように、この残滓副産物の問題は、イミニウム塩をシアノアセテートに対して過剰に使用した場合に一層悪化する。
従って、単純で容易に入手可能な非毒性開始材料から、1,1‐2置換エチレンモノマー類を直接調製でき、また広範なモノマー類に適用可能な、1,1‐2置換エチレンモノマー類を調製するための代替的なプロセスに対する需要が存在し続けている。
米国特許第6245933号 特開H06‐192202 欧州特許第0127855号 欧州特許第0459617号 米国特許第4321180号 国際公開第2010/129066号 米国特許第3654340号 国際公開第94/15907号 国際公開第2008/050313号 米国特許第7718821号 国際公開第2013/113037号
S.Ebnesajjad Ed.,Adhesives Technology Handbook, William Andrew,Norwich,2008 Muzrahi et al.,Acta Biomater.,2011,7(8),3150−3157
本発明の目的は、1,1‐2置換エチレンモノマー類の調製方法である。
本発明の目的は、一般式(I):
(ここでA及びDは、互いから独立して、官能基CN、CO、COR、CONR 、SO、SO、COPO(OR、COPOR 、NOから選択され、ここでRは、直鎖又は分岐の飽和又は非飽和C‐C20アルキル、好ましくは直鎖、分岐若しくは脂環式のC‐Cアルキル、又は直鎖、分岐若しくは脂環式のC‐C20アルキル、C‐C20ハロゲン化アルキル、C‐C20アルキルシラン、C‐C20のアセトキシシラン、C‐C20アルコキシアルキル、C‐C20アルケニル、C‐C20アルキニル、C‐C10アルキレン、C‐C20シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、C‐C20シクロアルケニル、アルキルシクロアルケニル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、脂肪族複素環部分、脂肪族複素環に結合したアルキル部分、芳香族複素環部分、芳香族複素環に結合したアルキル部分、アクリル酸エステル部分、オキセタン部分、エポキシ部分、グリコール酸部分、及びカルボン酸エステル部分を意味する)
の1,1‐2置換エチレンモノマー類の調製方法であり、
上記方法は、一般式(II):
(ここで:
Eは(CHX)であり、
mは1〜20であり、
XはO又はSであり、
n=1の場合、Fは以下の官能基:
から選択され、
n=2の場合、Fは以下の官能基:
から選択され、
n=3の場合、Fは:
であり、
Gは以下の官能基:
から選択され、
G及びFは互いから独立して選択され、
及びRは、互いから独立して、官能基H、直鎖若しくは分岐C‐Cアルキル、直鎖若しくは分岐C‐Cハロゲン化アルキル、カルボキシ置換C‐Cアルキル、C‐C10シクロアルキル、任意に置換されたアリール、及び複素環部分から選択され、又は
n=1の場合、Fは(CH、(CHR’)、(CR’R’’)から選択された1つのR基によってGに接続でき、ここでpは1〜6、好ましくは1〜4、より好ましくは1であり、R’及びR’’は、同一の又は異なるC‐Cアルキル基である)
の化合物と、一般式(III):
の化合物との、触媒量のアンモニウム塩又はイミニウム塩の存在下での反応を含み、ここで上記塩は、均一な相であるか、又は固体基板上に支持され、好ましくは均一な相である。
本発明者らは、プレポリマーの熱的な脱重合化のステップを含む必要なしに、モノマーの直接的な調製を可能とする、1,1‐2置換エチレンモノマー類の調製方法を開発した。上記方法では、構造が明確に定義された、単純で容易に入手可能な非毒性開始材料が使用され、また上記方法は広範なモノマー類の調製のために適用可能である。
上記1,1‐2置換エチレン化合物は、高速硬化性接着剤の分野において用途が見出されている反応性モノマーである。これらはシアノアクリレート類及びマロン酸メチリデン類を含む。
熱的に脱重合化しなければならないポリマーの合成とは対照的に、モノマーの直接的な合成は、エネルギ集約的な方法が回避されるためだけでなく、エチレンモノマー中に存在し得る熱感受性基が厳しい熱的条件に曝露されないため、有利である。これは更に、このような化合物由来の接着剤が、必要な場合に熱的に活性化される能力を有することを意味する。
本発明の方法により、高純度の単官能性及び多官能性モノマーを、それらが液体であるか固体であるかにかかわらず調製できる。
本説明及び特許請求の範囲において、単数形「ある(a)」又は「1つの(one)」は、文脈がそうでないことを明示していない限り、複数に対する言及も含む。
本説明において、パーセンテージ(%)は、そうでないことが言明されていない限り、重量/重量として表される。
一般式(I)の化合物
一般式(I)
の化合物は、1,1‐2置換エチレン化合物であり、ここで基A及びDは、同一の炭素原子に付着する電子求引基である。基A及びDは同一であっても異なっていてもよく:互いから独立して、官能基CN、CO、COR、CONR 、SO、SO、COPO(OR、COPOR 、NOから選択され、ここでRは、直鎖又は分岐の飽和又は非飽和C‐C20アルキル、好ましくは直鎖、分岐若しくは脂環式のC‐Cアルキル、又は直鎖、分岐若しくは脂環式のC‐C20アルキル、C‐C20ハロゲン化アルキル、C‐C20アルキル化シラン、C‐C20のアセトキシシラン、C‐C20アルコキシアルキル、C‐C20アルケニル、C‐C20アルキニル、C‐C10アルキレン、C‐C20シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、C‐C20シクロアルケニル、アルキルシクロアルケニル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、脂肪族複素環部分、脂肪族複素環に結合したアルキル部分、芳香族複素環部分、芳香族複素環に結合したアルキル部分、アクリル酸エステル部分、オキセタン部分、エポキシ部分、グリコール酸部分、及びカルボン酸エステル部分を意味し;好ましくは、CN、CO、COR、CONR 、SO及びSOから、より好ましくはCN、CO及びCORから、更に好ましくはCN及びCOから選択される。好ましくは、Rは、直鎖又は分岐の飽和又は非飽和C‐C20アルキル、好ましくは直鎖、分岐若しくは脂環式のC‐Cアルキル、又は直鎖、分岐若しくは脂環式のC‐C20アルキル、C‐C20アルコキシアルキル、C‐C20アルケニル、C‐C20アルキニル、C‐C10アルキレン、C‐C20シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、C‐C20シクロアルケニル、アルキルシクロアルケニル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、脂肪族複素環部分、脂肪族複素環に結合したアルキル部分、芳香族複素環部分、芳香族複素環に結合したアルキル部分、アクリル酸エステル部分、及びカルボン酸エステル部分を意味し;より好ましくは、Rは、直鎖、分岐若しくは脂環式のC‐C20アルキル、直鎖、より好ましくは分岐若しくは脂環式のC‐Cアルキル、直鎖、分岐若しくは脂環式のC‐Cアルキル、C‐C20アルコキシアルキル、C‐C10アルキレン又はアクリル酸エステル部分を意味する。特に好ましい実施形態では、Rは直鎖、分岐若しくは脂環式のC‐Cアルキル、例えばメチル、エチル、n‐プロピル、i‐プロピル又はシクロプロピル等を意味する。別の特に好ましい実施形態では、Rは、直鎖、分岐若しくは脂環式のC‐C20アルキル、例えばn‐ブチル、i‐ブチル、sec‐ブチル、シクロブチル、n‐ヘキシル、シクロヘキシル、2‐オクチル、2‐エチルヘキシル、ヘキサデシル又はステアリル等を意味する。別の特に好ましい実施形態では、Rは、C‐C20アルコキシアルキル、例えば2‐メトキシエチル、2‐エトキシエチル、2‐ブトキシエチル、2‐イソプロポキシエチル、2−メトキシプロピル、又は2‐(1‐メトキシ)プロピル等を意味する。別の特に好ましい実施形態では、Rはアクリル酸エステル部分を意味する。
更に好ましい実施形態では、AはCNを意味し、DはCOORを意味し、Rは直鎖、分岐又は脂環式のC‐Cアルキルを意味する。別の更に好ましい実施形態では、AはCNを意味し、DはCOORを意味し、Rは直鎖、分岐又は脂環式のC‐C20アルキルを意味する。別の更に好ましい実施形態では、AはCNを意味し、DはCOORを意味し、RはC‐C20アルコキシアルキルを意味する。別の更に好ましい実施形態では、AはCNを意味し、DはCOORを意味し、Rはアクリル酸エステル部分を意味する。
式(I)の好ましい化合物のうち、表1に列挙するものを挙げることができる。
式(I)の化合物中に2つ以上のR基が存在する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。例えば特許文献7に開示されているように、ハロゲン化アルキル基は、部分的に又は完全にハロゲン化されていてよく、炭素鎖は直鎖又は分岐であってよい。例えば特許文献4に記載されているように、アルキル化シラン基は、メチルトリメチルシラン、エチルトリメチルシラン又はプロピルトリメチルシランであってよい。例えば非特許文献2に記載されているように、C‐C20アルコキシアルキル基は、2‐メトキシエチル又は2‐エトキシエチルであってよい。C‐C20アルコキシアルキル基はまた、例えば米国特許第3559652号、特許文献5及び米国特許第6977278号に記載されているように、2‐ブトキシエチル、2‐イソプロポキシエチル、2‐メトキシプロピル又は2‐(1‐メトキシ)プロピルであってもよい。好ましくは、C‐C20アルコキシアルキル基は、2‐メトキシエチル、2‐エトキシエチル、2‐ブトキシエチル、2‐イソプロポキシエチル、2‐メトキシプロピル又は2‐(1‐メトキシ)プロピルであり、より好ましくは2‐メトキシエチル、2‐エトキシエチル又は2‐(1‐メトキシ)プロピルである。アリル及びプロペニル基はアルケニル基の例であり、その一方でプロパルギル基はアルキニル基の例である。シクロアルキル類のうち、シクロブチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はシクロオクチル基を挙げることができ、またシクロアルケニル類のうち、シクロヘキセニル基を挙げることができる。脂環式複素環のうち、テトラヒドロフルフリル又はテトラヒドロチオフェン基を挙げることができ、また芳香族複素環のうち、フリル又はチオフェニル基を挙げることができる。「Rがアクリル酸エステル部分を意味する」とは、Rが式(IV):
の基であることを意味し、ここでTは:(CH(ただしzは2〜12、好ましくは2〜8、より好ましくは2〜6である);分岐C‐C12、好ましくはC‐C、より好ましくはC‐Cアルキル鎖;シクロへキシレン;任意に置換されたビフェニレン;任意に置換された‐CC(Me)‐;任意に置換された‐CCH‐;又は任意に置換されたフェニレンであり、Rは、H、Me、CN又はCO(ただしRはC‐C10アルキル基である)である。RがH又はMeである場合、これはそれぞれアクリレート部分又はメタクリレート部分に対応する。RがCNである場合、これはシアノアクリレート部分に対応する。RがCOである場合、これはマロン酸メチリデンエステル部分に対応する。グリコール酸部分は式‐CHCOで定義され、ここでRはC‐Cアルキル基である。カルボン酸エステル部分は式‐(CHCOで定義され、kは2〜18、好ましくは2〜12、より好ましくは2〜8であり、RはC‐Cアルキル基である。好ましい実施形態では、AはCNを意味し、DはCOORを意味し、Rは式(IV)のアクリル酸エステル部分を意味し、ここでRはCNを意味し、Tは:(CH(ただしzは2〜12、好ましくは2〜8、より好ましくは2〜6である);C‐C12、好ましくはC‐C、より好ましくはC‐Cの分岐アルキル鎖;シクロへキシレン;任意に置換されたビフェニレン;任意に置換された‐ C(Me) ‐;任意に置換された‐CCH‐;又は任意に置換されたフェニレンを意味する。別の好ましい実施形態では、AはCNを意味し、DはCOORを意味し、Rは式(IV)のアクリル酸エステル部分を意味し、ここでRはH又はMeを意味し、Tは:(CH(ただしzは2〜18、好ましくは2〜16、より好ましくは2〜12である);C‐C18、好ましくはC‐C16、及びより好ましくはC‐C12の分岐アルキル鎖;シクロへキシレン;任意に置換されたビフェニレン;任意に置換された‐CC(Me)‐;任意に置換された‐CCH‐;又は任意に置換されたフェニレンを意味する。
一般式(II)の化合物
一般式(II)
(ここで:
Eは(CHX)であり、
mは1〜20であり、
XはO又はSであり、
n=1の場合、Fは以下の官能基:
から選択され、
n=2の場合、Fは以下の官能基:
から選択され、
n=3の場合、Fは:
であり、
Gは以下の官能基:
から選択され、
G及びFは互いから独立して選択され、
及びRは、互いから独立して、官能基H、直鎖若しくは分岐C‐Cアルキル、直鎖若しくは分岐C‐Cハロゲン化アルキル、カルボキシ置換C‐Cアルキル、C‐C10シクロアルキル、任意に置換されたアリール、及び複素環部分から選択され、又は
n=1の場合、Fは(CH、(CHR’)、(CR’R’’)から選択されたR基によってGに接続でき、ここでpは1〜6、好ましくは1〜4、より好ましくは1であり、R’及びR’’は、同一の又は異なるC‐Cアルキル基である)
の化合物は、一般式(III)の化合物にメチリデン基を提供する化合物である。
好ましくは、Eは(CHX)であり、mは1〜10であり、XはO又はSであり、n=1であり、Fは以下の官能基:
から選択され、
Gは以下の官能基:
から選択され、
G及びFは互いから独立して選択され、
及びRは、互いから独立して、官能基H、直鎖若しくは分岐C‐Cアルキル、直鎖若しくは分岐C‐Cハロゲン化アルキル、カルボキシ置換C‐Cアルキル、C‐C10シクロアルキル、任意に置換されたアリール、及び複素環部分から選択され、又は
n=1の場合、Fは(CH、(CHR’)、(CR’R’’)から選択されたR基によってGに接続でき、ここでpは1〜6、好ましくは1〜4、より好ましくは1であり、R’及びR’’は、同一の又は異なるC‐Cアルキル基である。
より好ましくは、Eは(CHX)であり、mは1〜5であり、XはOであり、n=1であり、Fは以下の官能基:
から選択され、
Gは以下の官能基:
から選択され、
G及びFは互いから独立して選択され、
及びRは、互いから独立して、官能基H、直鎖又は分岐C‐Cアルキル、直鎖又は分岐C‐Cハロゲン化アルキル、カルボキシ置換C‐Cアルキル、C‐C10シクロアルキル、任意に置換されたアリール、及び複素環部分から選択され、好ましくは、R及びRは、互いから独立して、官能基H及び直鎖又は分岐C‐Cアルキルから選択される。
更に好ましくは、Eは(CHX)であり、mは1〜3であり、XはOであり、n=1であり、Fは:
であり、
Gは:
であり、
G及びFは互いから独立して選択され、
及びRは、互いから独立して、官能基H、直鎖又は分岐C‐Cアルキル、直鎖又は分岐C‐Cハロゲン化アルキル、カルボキシ置換C‐Cアルキル、C‐C10シクロアルキル、任意に置換されたアリール、及び複素環部分から選択され、好ましくは、R及びRは、互いから独立して、官能基H及び直鎖又は分岐C‐Cアルキルから選択される。
このタイプの化合物は例えば、ホルムアルデヒドガス、又はパラホルムアルデヒド若しくはトリオキサン等のホルムアルデヒド源、又はトリチアン等のチオホルムアルデヒド源と、例えば無水酢酸、無水チオ酢酸、無水ジチオカルボン酸、無水メタンスルホン酸、無水コハク酸、無水フタル酸又は無水tert‐ブトキシ酸等の酸無水物との反応によって得ることができる。
XがO(酸素)であり、nが1である場合、上記化合物は、上述の定義による基F及びGに応じて、メチレンカルボン酸エステル、メチレンチオカルボン酸エステル、メチレンスルホン酸エステル又はメチレンリン酸エステルと呼ばれる。メチレンカルボン酸エステルの調製は例えば、米国特許第3927078号に記載されている。F及びG基が、(CH、(CHR’)、(CR’R’’)(ただしp=1〜6であり、R’及びR’’は同一の又は異なるC‐Cアルキル基である)から選択される基Rに接続されている場合の、メチレンスルホン酸エステルの調製は、米国特許第7829730号に記載されている。
XがO(酸素)であり、nが2である場合、上記化合物は、上述の定義による基F及びGに応じて、オキシビスメチレンカルボン酸エステル、オキシビスメチレンチオカルボン酸エステル、オキシビスメチレンスルホン酸エステル又はオキシビスメチレンリン酸エステルと呼ばれる。ポリオキシメチレンポリカルボン酸の調製は例えば、米国特許第3219630号に記載されている。オキシビスメチレンカルボン酸エステルの調製は、例えば米国特許第3927078号及び米国特許第3931412号に記載されている。オキシビスメチレンスルホン酸エステルの調製は、例えば米国特許第4100200号に記載されている。
トリオキシメチレンカルボン酸エステル(XがOであり、n=3である場合)の調製は、例えば米国特許第3931412号に記載されている。tris(アシルオキシメチレン)リン酸エステルの調製は、国際公開第96/40695号に記載されている。
XがS(硫黄)であり、nが1である場合、上記化合物は、上述の定義による基F及びGに応じて、硫化メチレンカルボン酸エステル、硫化メチレンチオカルボン酸エステル、硫化メチレンスルホン酸エステル又は硫化メチレンリン酸エステルと呼ばれる。
一般式(II)の化合物のうち、表2に列挙するものを挙げることができる。
式(II)の化合物として好ましい化合物は、メチレンジアセテート、オキシビスメチレンジアセテート、メチレンジプロピオン酸及びオキシビスメチレンジプロピオン酸であり、より好ましい化合物は、メチレンジアセテート及びオキシビスメチレンジアセテートであり、更に好ましい化合物はメチレンジアセテートである。
一般式(III)の化合物
一般式(III):
(ここでA及びDは上で定義されているとおりである)は、活性メチレン化合物である。というのは、A及びDが、同一の炭素原子に連結された電子求引基であるためである。
基A及びDは同一であっても異なっていてもよく:互いから独立して、官能基CN、CO、COR、CONR 、SO、SO、COPO(OR、COPOR 、NOから選択され、ここでRは、直鎖又は分岐の飽和又は非飽和C‐C20アルキル、好ましくは直鎖、分岐若しくは脂環式のC‐Cアルキル、又は直鎖、分岐若しくは脂環式のC‐C20アルキル、C‐C20ハロゲン化アルキル、C‐C20アルキル化シラン、C‐C20のアセトキシシラン、C‐C20アルコキシアルキル、C‐C20アルケニル、C‐C20アルキニル、C‐C10アルキレン、C‐C20シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、C‐C20シクロアルケニル、アルキルシクロアルケニル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、脂肪族複素環部分、脂肪族複素環に結合したアルキル部分、芳香族複素環部分、芳香族複素環に結合したアルキル部分、アクリル酸エステル部分、オキセタン部分、エポキシ部分、グリコール酸部分、及びカルボン酸エステル部分を意味し;A及びDは、好ましくは、CN、CO、COR、CONR 、SO及びSOから、より好ましくはCN、CO及びCORから、更に好ましくはCN及びCOから選択される。好ましくは、Rは、直鎖又は分岐の飽和又は非飽和C‐C20アルキル、好ましくは直鎖、分岐若しくは脂環式のC‐Cアルキル、又は直鎖、分岐若しくは脂環式のC‐C20アルキル、C‐C20アルコキシアルキル、C‐C20アルケニル、C‐C20アルキニル、C‐C10アルキレン、C‐C20シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、C‐C20シクロアルケニル、アルキルシクロアルケニル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、脂肪族複素環部分、脂肪族複素環に結合したアルキル部分、芳香族複素環部分、芳香族複素環に結合したアルキル部分、アクリル酸エステル部分、及びカルボン酸エステル部分を意味し;より好ましくは、Rは、C‐C20アルキル、直鎖、より好ましくは分岐若しくは脂環式のC‐Cアルキル、直鎖、分岐若しくは脂環式のC‐Cアルキル、C‐C20アルコキシアルキル、C‐C10アルキレン又はアクリル酸エステル部分を意味する。特に好ましい実施形態では、Rは直鎖、分岐若しくは脂環式のC‐Cアルキル、直鎖、分岐若しくは脂環式のC‐Cアルキル、例えばメチル、エチル、n‐プロピル、i‐プロピル又はシクロプロピル等を意味する。別の特に好ましい実施形態では、Rは、直鎖、分岐若しくは脂環式のC‐C20アルキル、例えばn‐ブチル、i‐ブチル、sec‐ブチル、シクロブチル、n‐ヘキシル、シクロヘキシル、2‐オクチル、2‐エチルヘキシル、ヘキサデシル又はステアリル等を意味する。別の特に好ましい実施形態では、Rは、C‐C20アルコキシアルキル、例えば2‐メトキシエチル、2‐エトキシエチル、2‐ブトキシエチル、2‐イソプロポキシエチル、2−メトキシプロピル、又は2‐(1‐メトキシ)プロピル等を意味する。別の特に好ましい実施形態では、Rはアクリル酸エステル部分を意味する。
更に好ましい実施形態では、AはCNを意味し、DはCOORを意味し、Rは直鎖、分岐又は脂環式のC‐Cアルキルを意味する。別の更に好ましい実施形態では、AはCNを意味し、DはCOORを意味し、Rは直鎖、分岐又は脂環式のC‐C20アルキルを意味する。別の更に好ましい実施形態では、AはCNを意味し、DはCOORを意味し、RはC‐C20アルコキシアルキルを意味する。別の更に好ましい実施形態では、AはCNを意味し、DはCOORを意味し、Rはアクリル酸エステル部分を意味する。「アクリル酸エステル部分」によって意味されるのは、式(IV):
の基であることであり、ここでTは:(CH(ただしzは2〜12、好ましくは2〜8、より好ましくは2〜6である);分岐C‐C12、好ましくはC‐C、より好ましくはC‐Cアルキル鎖;シクロへキシレン;任意に置換されたビフェニレン;任意に置換された‐CC(Me)‐;任意に置換された‐CCH‐;又は任意に置換されたフェニレンであり、Rは、H、Me、CN又はCO(ただしRはC‐C10アルキル基である)である。RがH又はMeである場合、これはそれぞれアクリレート部分又はメタクリレート部分に対応する。RがCNである場合、これはシアノアクリレート部分に対応する。RがCOである場合、これはマロン酸メチリデンエステル部分に対応する。グリコール酸部分は式‐CHCOで定義され、ここでRはC‐Cアルキル基である。カルボン酸エステル部分は式‐(CHCOで定義され、kは2〜18、好ましくは2〜12、より好ましくは2〜8であり、RはC‐Cアルキル基である。好ましい実施形態では、AはCNを意味し、DはCOORを意味し、Rは式(IV)のアクリル酸エステル部分を意味し、ここでRはCNを意味し、Tは:(CH(ただしzは2〜12、好ましくは2〜8、より好ましくは2〜6である);C‐C12、好ましくはC‐C、より好ましくはC‐Cの分岐アルキル鎖;シクロへキシレン;任意に置換されたビフェニレン;任意に置換された‐CC(Me)‐;任意に置換された‐CCH‐;又は任意に置換されたフェニレンを意味する。別の好ましい実施形態では、AはCNを意味し、DはCOORを意味し、Rは式(IV)のアクリル酸エステル部分を意味し、ここでRはH又はMeを意味し、Tは:(CH(ただしzは2〜18、好ましくは2〜16、より好ましくは2〜12である);C‐C18、好ましくはC‐C16、及びより好ましくはC‐C12の分岐アルキル鎖;シクロへキシレン;任意に置換されたビフェニレン;任意に置換された‐CC(Me)‐;任意に置換された‐CCH‐;又は任意に置換されたフェニレンを意味する。
この構造を有する化合物のうち、以下を挙げることができる:マロノニトリル、シアノアセテート、マロン酸、アルキルアセトアセテート、β‐ジケトン及びシアノアセトアミド。
アンモニウム塩及びイミニウム塩
本発明の方法では、式(II)の化合物と式(III)の化合物との間の反応は、触媒量のアンモニウム又はイミニウム塩の存在下で実施され、上記塩は均一な相であり、即ち上記塩が反応物と同一相中にあるか、又は上記塩が固体基材上に支持される。
本発明の文脈では、アンモニウム塩は、例えば酸と1級アミン(例えばメチルアミン、エチルアミン、エチレンジアミン、i‐プロピルアミン、アニリン、ベンジルアミン)、2級アミン(例えばピペラジン、モルホリン)又は3級アミン(例えばN,N’‐ジメトキシメチルピペラジン)との反応から得られる産物を意味し、上記分子が2つ以上のアミノ基を含む場合は、複数の塩が可能である。好ましくは、上記アミンは:メチルアミン、ピペラジン、2‐メチルピペラジン、N,N’‐ジメトキシメチルピペラジン、アニリン、ベンジルアミン、2,6‐ジフルオロベンジルアミン、トリフルオロエチルアミン及びこれらの混合物からなる群から;より好ましくはピペラジン、2‐メチルピペラジン及びN,N’‐ジメトキシメチルピペラジンから選択され、更に好ましくはピペラジン又は2−メチルピペラジンである。
本発明の文脈では、イミニウム塩は、1級又は2級アミンとアルデヒド又はケトンとの、中性又は酸性媒体(これはイミニウムカチオンをもたらし、また酸からのアニオンを含有する)中での反応から得られるイミンを意味する。好ましくは、2級アミンとアルデヒドとの、より好ましくはホルムアルデヒドとの反応から得られるイミニウム塩が使用される。より好ましくは、イミニウム塩は、N,N‐ジメチルアミンとホルムアルデヒドとの反応の結果である。
アンモニウム塩及びイミニウム塩の調製のために採用される酸は、いずれの酸とすることができる。好ましくは、上記酸は、酢酸、トリフルオロ酢酸、硫酸、メタンスルホン酸、p‐トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、カンファースルホン酸、塩酸、リン酸及びこれらの混合物からなる群から選択され;好ましくは、上記酸は、硫酸、メタンスルホン酸、p‐トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸及びこれらの混合物からなる群から;より好ましくはメタンスルホン酸、p‐トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸及びこれらの混合物から選択される。複数の酸の混合物及び/又は複数のアミンの混合物を採用することもできる。
特に好ましい実施形態では、アンモニウム又はイミニウム塩は、ピペラジン、N,N’‐ジメトキシメチルピペラジン及び1,3,5‐トリメチルヘキサヒドロ‐1,3,5‐トリアジンからなる群から選択されるアミンと、メタンスルホン酸、p‐トルエンスルホン酸及びドデシルベンゼンスルホン酸(LAS)から選択される酸との間で形成される塩である。
イミニウム塩の調製は、従来技術において、例えば参考マニュアルHouben Weyl,Vol.11/12,page 616 and Vol E 14a/3,page 203並びに特許文献9及び11において十分に開示されているため、当業者には公知である。イミニウム塩はまた、例えばエッシェンモーザー塩(N,N‐ヨウ化ジメチルメチリデンアンモニウム、N,N‐塩化ジメチルメチリデンアンモニウム)としてSigma‐Aldrich社から市販されている。上記エッシェンモーザー塩のアニオンは、例えばV.P. Kukhar et al.,Zhurnal Organicheskoi Khimii,1981,17(1),180‐6に開示されているように、アニオンメタセシス反応を用いて交換できる。
イミニウム塩を調製するための別の手順は、一般式(II)の化合物と、1級、2級又は3級アミンと酸又は酸混合物との反応から得られる産物としてのアンモニウム塩との間の反応である。
アンモニウム塩と反応する化合物は、一般式(II):
によって定義され、ここで:
Eは(CHX)であり、
mは1〜20であり、
XはO又はSであり、
n=1の場合、Fは以下の官能基:
から選択され、
n=2の場合、Fは以下の官能基:
から選択され、
n=3の場合、Fは:
であり、
Gは以下の官能基:
から選択され、
G及びFは互いから独立して選択され、
及びRは、互いから独立して、官能基H、直鎖若しくは分岐C‐Cアルキル、直鎖若しくは分岐C‐Cハロゲン化アルキル、カルボキシ置換C‐Cアルキル、C‐C10シクロアルキル、任意に置換されたアリール、及び複素環部分から選択され、又は
n=1の場合、Fは(CH、(CHR’)、(CR’R’’)から選択された1つのR基によってGに接続でき、ここでpは1〜6、好ましくは1〜4、より好ましくは1であり、R’及びR’’は、同一の又は異なるC‐Cアルキル基であり:
好ましくは、Eは(CHX)であり、mは1〜10であり、XはO又はSであり、n=1であり、Fは以下の官能基:
から選択され、
Gは以下の官能基:
から選択され、
G及びFは互いから独立して選択され、
及びRは、互いから独立して、官能基H、直鎖若しくは分岐C‐Cアルキル、直鎖若しくは分岐C‐Cハロゲン化アルキル、カルボキシ置換C‐Cアルキル、C‐C10シクロアルキル、任意に置換されたアリール、及び複素環部分から選択され、又は
n=1の場合、Fは(CH、(CHR’)、(CR’R’’)から選択されたR基によってGに接続でき、ここでpは1〜6、好ましくは1〜4、より好ましくは1であり、R’及びR’’は、同一の又は異なるC‐Cアルキル基であり;
より好ましくは、Eは(CHX)であり、mは1〜5であり、XはOであり、n=1であり、Fは以下の官能基:
から選択され、
Gは以下の官能基:
から選択され、
G及びFは互いから独立して選択され、
及びRは、互いから独立して、官能基H、直鎖又は分岐C‐Cアルキル、直鎖又は分岐C‐Cハロゲン化アルキル、カルボキシ置換C‐Cアルキル、C‐C10シクロアルキル、任意に置換されたアリール、及び複素環部分から選択され、好ましくは、R及びRは、互いから独立して、官能基H及び直鎖又は分岐C‐Cアルキルから選択され;
更に好ましくは、Eは(CHX)であり、mは1〜3であり、XはOであり、n=1であり、Fは:
であり、
Gは:
であり、
G及びFは互いから独立して選択され、
及びRは、互いから独立して、官能基H、直鎖又は分岐C‐Cアルキル、直鎖又は分岐C‐Cハロゲン化アルキル、カルボキシ置換C‐Cアルキル、C‐C10シクロアルキル、任意に置換されたアリール、及び複素環部分から選択され、好ましくは、R及びRは、互いから独立して、官能基H及び直鎖又は分岐C‐Cアルキルから選択される。
この方法では、反応は通常、80℃〜120℃で5〜12時間実施される。一般式(II)の化合物とアンモニウム塩との好ましい比は、1.1〜2である。好ましいアンモニウム塩は:2級アミンから、又はこれらのアミン及びホルムアルデヒドから得られた濃縮産物から;より好ましくは、N,N‐ジメチルアミン、モルホリン及びN,N,N’,N’‐テトラメチルジアミンメタンから得られるものである。上述の酸はいずれも、アンモニウム塩の形成に好適である。好ましくは、上記酸は、メタンスルホン酸、p‐トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸及びこれらの混合物から選択される。好ましくは、式(II)の化合物は、メチレンジアセテート又はオキシビスメチレンジアセテートである。
アンモニウム塩及びイミニウム塩は、本発明の方法の実行中にインシチュ(in situ)で形成でき、あるいは別個に調製して、反応混合物に個別に添加できる。好ましくは、アンモニウム塩及びイミニウム塩はインシチュで調製される。
アンモニウム又はイミニウム塩は、インシチュ形成によって、又は予備形成された中性アンモニウム若しくはイミニウム塩への過剰な酸の添加によって生成されたときに、反応物と同一の相の一部を形成する。従って化合物(II)と化合物(III)との反応は、これらの化合物と同一の相にアンモニウム又はイミニウム塩を有する。
上記酸は、酢酸、トリフルオロ酢酸、硫酸、メタンスルホン酸又は他のアルキルスルホン酸、p‐トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、カンファースルホン酸、塩酸、リン酸及びこれらの混合物からなる群から選択され;好ましくは、上記酸は、硫酸、メタンスルホン酸、p‐トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸及びこれらの混合物からなる群から;より好ましくはメタンスルホン酸、p‐トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸及びこれらの混合物から選択される。
上記酸は、アンモニウム若しくはイミニウム塩を形成する塩と同一であってもよく、又は異なる塩であってもよい。好ましくは、上記酸は同一の酸である。中性アンモニウム又はイミニウム塩に対する過剰な酸は通常、10mol%〜300mol%、好ましくは30mol%〜100mol%、更に好ましくは50mol%〜80mol%である。即ち、アミン及び酸から形成された中性アンモニウム塩を、式(III)の試薬に対して5mol%の量で使用した場合、過剰な酸は8mol%であり、これは中性アンモニウム塩に対して60mol%過剰であることを表す。
アンモニウム又はイミニウム塩は、固体基材上に支持でき、従って反応媒体から容易に分離できる。上記アンモニウム塩は、固体基材上に支持された1級、2級又は3級アミンと、酸又は酸混合物との反応によって得ることができ、そしてイミニウム塩は、固体基材上に支持された上記アンモニウム塩と、式(II)の化合物との反応の結果であってよい。上記アミンは、例えばシリカゲル、アルミナ、ポリスチレン又はゼオライト等の複数の基材上に支持されてよい。好ましくは、上記基材はシリカゲルである。更にはこのような塩は、例えば3‐(1‐ピペラジノ)プロピル基で官能化されたポリスチレン又はシリカゲル上のベンジルアミン等、Sigma‐Aldrich又はVWRから購入できる。またこれらは、アミンを、例えばポリスチレン上に支持されたクロロメチル樹脂等の、良好に離脱する基で官能化された固体基材と反応させることによっても、容易に得ることができる。
方法
本発明の方法は、均一な相の状態の触媒量のアンモニウム又はイミニウム塩の存在下で、式(II)の化合物を式(III)の化合物と反応させるステップを含む。
上記反応は、大気圧下において、70℃〜145℃、好ましくは90℃〜135℃、より好ましくは110℃〜130℃で実施してよく、反応時間は通常30分〜4時間、好ましくは1〜3時間、より好ましくは1〜2時間である。反応過程は、例えばガスクロマトグラフィ又は核磁気共鳴といった、当業者に公知の技術を用いて監視できる。
上記反応は一般に、溶媒の不在下で実施される。しかしながら必要であれば、非求核性又は弱求核性溶媒、例えばペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン、トルエン、クロロホルム、酢酸エチル、ブチロラクトン、トリフルオロエタノール及びプロピレンカーボネート等を添加できる。
一般に、1当量の式(III)の化合物と、1〜2.5当量、好ましくは1.2〜2当量、より好ましくは1.5〜2当量の式(II)の化合物とを使用する。一般に、0.01〜0.10当量、好ましくは0.02〜0.08当量、より好ましくは0.025〜0.06当量のアミンと、0.10〜0.22当量、好ましくは0.12〜0.16当量、より好ましくは0.13〜0.15当量の酸とを使用する。
通常の手順では、式(II)の化合物及び式(III)の化合物を反応器に入れ、混合物を70℃〜145℃、好ましくは110℃〜130℃で加熱する。この温度に到達したら、触媒量の予備形成されたアンモニウム若しくはイミニウム塩を添加するか、塩基と対応する酸との反応によってアンモニウム塩を反応器内においてインシチュで合成できる。予備形成されたアンモニウム又はイミニウム塩を使用する場合、酸又は上述のような非求核性溶媒を使用することにより、上記予備形成されたアンモニウム又はイミニウム塩を反応媒体中で可溶化できる。
式(II)の化合物は、予備形成して反応に添加できる。即ち式(II)の化合物は、式(III)の化合物との後続の反応を実施する前に単離される。
式(II)の化合物は、式(III)の化合物との後続の反応が実施されるのと同一の反応器内においてインシチュで調製することもでき、本発明の文脈においては、この実施形態をタンデム反応と呼ぶ。予備形成された又はインシチュで形成された式(II)の化合物、どちらの場合においても、式(I)の化合物が同程度の選択性で得られることが観察された。ここで上記選択性の程度は、式(III)の化合物に由来する反応したモノマーに対する、生成されたモノマーの量である。この選択性の程度は極めて高く、一般に90%超である。
代替実施形態では、式(I)の化合物の調製方法は、式(II)の化合物が、式(III)の化合物及び均一な相の状態の触媒量のアンモニウム又はイミニウム塩の存在下で、ホルムアルデヒドガス又はホルムアルデヒド源と無水カルボン酸との間の反応から得られることを特徴とし、ここで式(II):
の化合物中において、Eは(CHX)であり、mは1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5、更に好ましくは1〜3であり、XはOであり、n=1であり、Fは:
であり、及び、
Gは:
であり、
及びRは、互いから独立して、官能基H、直鎖又は分岐C‐Cアルキル、直鎖又は分岐C‐Cハロゲン化アルキル、カルボキシ置換C‐Cアルキル、C‐C10シクロアルキル、任意に置換されたアリール、及び複素環部分から選択される。
ホルムアルデヒド源は例えば、パラホルムアルデヒド又はトリオキサンとすることができる。無水カルボン酸は例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水安息香酸又は酸無水物の混合物であってよい。
本発明の文脈において、上記方法を実施するこのような方法は、直接反応と呼ばれる。従って例えば、この直接反応を実施する一般的な方法は、反応器内にパラホルムアルデヒド、無水酢酸及びブチルシアノアセテートを入れるステップであって、120℃〜130℃の温度で、同一の反応器内においてピペラジン(5mol%)及びp‐トルエンスルホン酸(15mol%)からインシチュで調製された触媒、又はピペラジン及び上記酸によって形成された5mol%の中性アンモニウム塩、及び反応を起こすための追加の5mol%の酸の、均一な相の状態での存在下で、入れるステップを伴う。この場合、選択性の程度は高く、一般に少なくとも70%となる。
表IIIには、式(II)の化合物及びアンモニウム又はイミニウム塩を調製する方法、並びに複数の条件の各組み合わせに関して通常得られる選択性の程度に従って、本発明の方法の異なる実施形態がまとめられている。
式(II)の化合物の調製に関して、上に示されているように:
‐用語「予備形成された(preformed)」は、式(II)の化合物が、式(III)の化合物との反応に供される前に調製及び単離されていることを意味し;
‐「タンデム反応(tandem reaction)」という表現は、式(II)の化合物が、式(III)の化合物との反応が触媒量のアンモニウム又はイミニウム塩の存在下で発生する反応器と同一の反応器内で調製されることを意味し;
‐「直接反応(direct reaction)」という表現は、式(III)の化合物及び触媒量のアンモニウム又はイミニウム塩の存在下での、ホルムアルデヒド又はその源及び無水カルボン酸からの、式(II)の化合物の調製の具体的実施形態を指す。
アンモニウム又はイミニウム塩の調製に関して、上に明記したように:
‐「同一の反応器内で(in the same reactor)」という表現は、式(II)の化合物と式(III)の化合物との間の反応が発生する反応器と同一の反応器内において、上記塩がインシチュで調製されることを意味し;
‐用語「予備形成された(preformed)」は、アンモニウム又はイミニウム塩が調製及び単離されていることを意味する。
好ましい実施形態では、本発明の方法中に、安定化剤が反応混合物に導入され、上記作用剤は、フリーラジカル安定化剤及び酸安定化剤からなる群から選択される。採用できるフリーラジカル安定化剤のうち、例えばヒドロキノン、ピロカテコール、レゾルシノール又はその誘導体(ヒドロキノンモノエチルエーテル等)、ジ‐t‐ブチルフェノール等のフェノール類、2,6‐ジ‐t‐ブチル‐p‐クレゾール、2,2’‐メチレン‐ビス‐(4‐メチル‐6‐t‐ブチルフェノール)、及びジヒドロキシジフェニルメタンを挙げることができる。酸安定化剤のうち、例えばルイス酸、硫酸、塩酸、スルホン酸類(メタンスルホン酸、p‐トルエンスルホン酸又はドデシルベンゼンスルホン酸(LAS))、リン酸、ポリリン酸、強酸のシリル化エステル(スルホン酸、硫酸又はリン酸とのトリアルキルクロロシラン、ジアルキルジクロロシラン、アルキルトリクロロシラン、テトラクロロシランの誘導体)を挙げることができる。
本発明の方法に従って調製された式(I)の化合物を安定化するために使用される上記安定化剤の量は、当業者には公知であり、1,1‐2置換エチレンモノマーの特性に応じて変更できる。
本発明の方法は、従来技術に記載されている方法を超える利点を有する。というのは、本方法はモノマーを直接調製でき、プレポリマーの熱的な脱重合化のステップが回避され、またこの方法では、構造が明確に定義された、単純で容易に入手可能な非毒性開始材料が使用され、また上記方法は広範なモノマー類:高沸点の液体の、固体の、単官能性の、同一の基を有する多官能性の、異なる複数の基を有する多官能性のモノマー、又は専用に設計されたモノマーに適用可能であるためであり、標準的な産業用設備での最終的な蒸留後に高い収率及び純度が得られる。更にこの反応は、共沸蒸留によって水又はアルコール類を除去する必要なく実施され;触媒系は、最終モノマーが含有するメチレン基の源ではないため、化学量論量の触媒を使用する必要はなく;本反応は、ひとたび形成されたモノマーを安定化する酸性又は中性媒体中で発生し;最終産物は、反応粗生成物から直接蒸留してよく、又は最終産物が固体である場合は沈殿させてよく;少量の副産物が形成されるが、これは容易に再生利用又は除去できる。
応用試験
本発明の方法によって得られる1,1‐2置換エチレンモノマーの反応性は、これらの純粋なモノマーをベースとして調製された接着剤を用いて、様々な基材を接着するための固定時間を測定することによって評価できる。
「実施例」の節では、上記モノマーの接着強度を試験するための3タイプの材料:グリットブラスト軟鋼、パインウッド材、及びプラスチック材料としてのポリカーボネートを用いて、使用した手順を詳細に説明する。
本方法によって得られるモノマーは、純度が高く、酸含有量が低い。というのはこれら3つの材料においては、材料に応じて1分以下の固定時間が得られ、開始剤の存在下での完全な重合化も1分未満で達成されたためである。酸の存在により、開始剤と密接するモノマーの完全な重合に遅延が生じることに留意されたい。
従って、本発明の方法によって得られる1,1‐2置換エチレンモノマーは、接着剤組成物の処方に使用するために適切である。
本発明は以下の実施形態を含む:
1.一般式(I):
(ここでA及びDは、互いから独立して、以下の官能基:CN、CO、COR、CONR 、SO、SO、COPO(OR、COPOR 、NOから選択され、ここでRは、直鎖又は分岐の飽和又は非飽和C‐C20アルキル、好ましくは直鎖、分岐若しくは脂環式のC‐Cアルキル、又は直鎖、分岐若しくは脂環式のC‐C20アルキル、C‐C20ハロゲン化アルキル、C‐C20アルキルシラン、C‐C20のアセトキシシラン、C‐C20アルコキシアルキル、C‐C20アルケニル、C‐C20アルキニル、C‐C10アルキレン、C‐C20シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、C‐C20シクロアルケニル、アルキルシクロアルケニル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、脂肪族複素環部分、脂肪族複素環に結合したアルキル部分、芳香族複素環部分、芳香族複素環に結合したアルキル部分、アクリル酸エステル部分、オキセタン部分、エポキシ部分、グリコール酸部分、及びカルボン酸エステル部分を意味する)
の1,1‐2置換エチレンモノマー類の調製方法であり、
上記方法は、一般式(II):
(ここで:
Eは(CHX)であり、
mは1〜20であり、
XはO又はSであり、
n=1の場合、Fは以下の官能基:
から選択され、
n=2の場合、Fは以下の官能基:
から選択され、
n=3の場合、Fは:
であり、
Gは以下の官能基:
から選択され、
G及びFは互いから独立して選択され、
及びRは、互いから独立して、官能基H、直鎖若しくは分岐C‐Cアルキル、直鎖若しくは分岐C‐Cハロゲン化アルキル、カルボキシ置換C‐Cアルキル、C‐C10シクロアルキル、任意に置換されたアリール、及び複素環部分から選択され、又は
n=1の場合、Fは(CH、(CHR’)、(CR’R’’)から選択された1つのR基によってGに接続でき、ここでpは1〜6、好ましくは1〜4、より好ましくは1であり、R’及びR’’は、同一の又は異なるC‐Cアルキル基である)
の化合物と、一般式(III):
の化合物との、触媒量のアンモニウム塩又はイミニウム塩の存在下での反応を含み、ここで上記塩は、均一な相であるか、又は固体基板上に支持される、方法。
2.上記一般式(II)の化合物と上記一般式(III)の化合物との間の上記反応は、均一な相の状態の触媒量のアンモニウム塩又はイミニウム塩の存在下で実施されることを特徴とする、実施形態1に記載の方法。
3.A及びDは、互いから独立して、CN、CO及びCORから選択されることを特徴とする、実施形態1又は2に記載の方法。
4.A及びDは、互いから独立して、CN及びCORから選択されることを特徴とする、実施形態3に記載の方法。
5.Rは、直鎖又は分岐の飽和又は非飽和C‐C20アルキル、好ましくは直鎖、分岐若しくは脂環式のC‐Cアルキル、又は直鎖、分岐若しくは脂環式のC‐C20アルキル、C‐C20アルコキシアルキル、C‐C10アルキレン、若しくはアクリル酸エステル部分を意味することを特徴とする、実施形態1〜4のいずれか1つに記載の方法。
6.上記式(II)の化合物において:
Eは(CHX)であり、
mは1〜5であり、
XはOであり、
n=1であり、
Fは以下の官能基:
から選択され、
Gは以下の官能基:
から選択され、
G及びFは互いから独立して選択され、
及びRは、互いから独立して、官能基H、直鎖又は分岐C‐Cアルキル、直鎖又は分岐C‐Cハロゲン化アルキル、カルボキシ置換C‐Cアルキル、C‐C10シクロアルキル、任意に置換されたアリール、及び複素環部分から選択される
ことを特徴とする、実施形態1〜5のいずれか1つに記載の方法。
7.上記式(II)の化合物において:
Eは(CHX)であり、
mは1〜3であり、
XはOであり、
n=1であり、
Fは:
であり、
Gは:
であり、
G及びFは互いから独立して選択され、
及びRは、互いから独立して、官能基H、直鎖又は分岐C‐Cアルキル、直鎖又は分岐C‐Cハロゲン化アルキル、カルボキシ置換C‐Cアルキル、C‐C10シクロアルキル、任意に置換されたアリール、及び複素環部分から選択される
ことを特徴とする、実施形態6に記載の方法。
8.R及びRは、互いから独立して、官能基H及び直鎖又は分岐C‐Cアルキルから選択されることを特徴とする、実施形態6又は7に記載の方法。
9.上記式(II)の化合物は、メチレンジアセテート、オキシビスメチレンジアセテート、メチレンジプロピオン酸及びオキシビスメチレンジプロピオン酸であることを特徴とする、実施形態8に記載の方法。
10.上記式(II)の化合物は、メチレンジアセテートであることを特徴とする、実施形態9に記載の方法。
11.上記アンモニウム塩は、酸と1級、2級又は3級アミンとの反応から得られる産物である、実施形態1〜10のいずれか1つに記載の方法。
12.上記アミンは、メチルアミン、ピペラジン、2‐メチルピペラジン、N,N’‐ジメトキシメチルピペラジン、アニリン、ベンジルアミン、2,6‐ジフルオロベンジルアミン、トリフルオロエチルアミン及びこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、実施形態11に記載の方法。
13.上記アミンは、ピペラジン又は2−メチルピペラジンであることを特徴とする、実施形態12に記載の方法。
14.上記イミニウム塩は、1級又は2級アミンとアルデヒド又はケトンとの、中性又は酸性媒体中での反応から得られる、酸からのアニオンを含有するイミンである、実施形態1〜10のいずれか1つに記載の方法。
15.上記イミニウム塩は、N,N‐ジメチルアミンとホルムアルデヒドとの反応の結果であることを特徴とする、実施形態14に記載の方法。
16.上記酸は、酢酸、トリフルオロ酢酸、硫酸、メタンスルホン酸、p‐トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、カンファースルホン酸、塩酸、リン酸及びこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、実施形態11〜15のいずれか1つに記載の方法。
17.上記酸は、メタンスルホン酸、p‐トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸及びこれらの混合物から選択されることを特徴とする、実施形態16に記載の方法。
18.上記アンモニウム又はイミニウム塩は、ピペラジン、N,N’‐ジメトキシメチルピペラジン及び1,3,5‐トリメチルヘキサヒドロ‐1,3,5‐トリアジンからなる群から選択されるアミンと、メタンスルホン酸、p‐トルエンスルホン酸及びドデシルベンゼンスルホン酸(LAS)から選択される酸との間で形成される塩であることを特徴とする、実施形態11又は14に記載の方法。
19.上記イミニウム塩は、一般式(II)の化合物と、1級、2級又は3級アミンと酸又は酸混合物との間の反応から得られたアンモニウム塩との間の反応によって調製されることを特徴とする、実施形態1に記載の方法。
20.上記アミンは、N,N‐ジメチルアミン、モルホリン及びN,N,N’,N’‐テトラメチルジアミンメタンから選択され、上記酸は、メタンスルホン酸、p‐トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸及びこれらの混合物から選択されることを特徴とする、実施形態19に記載の方法。
21.上記アミンはN,N‐ジメチルアミンであり、上記酸はp‐トルエンスルホン酸とドデシルベンゼンスルホン酸との混合物であることを特徴とする、実施形態20に記載の方法。
22.上記アンモニウム又はイミニウム塩は、インシチュで調製されることを特徴とする、実施形態1〜21のいずれか1つに記載の方法。
23.予備形成されたアンモニウム又はイミニウム塩を採用し、上記中性アンモニウム又はイミニウム塩に対して過剰な酸を添加することを特徴とする、実施形態1〜21のいずれか1つに記載の方法。
24.上記式(II)の化合物は、上記式(III)の化合物との後続の反応を実施する前に単離されることを特徴とする、実施形態1〜23のいずれか1つに記載の方法。
25.上記式(II)の化合物は、上記式(III)の化合物との上記後続の反応が発生する反応器と同一の反応器内において、インシチュで調製されることを特徴とする、実施形態1〜23のいずれか1つに記載の方法。
26.上記式(II)の化合物は、上記式(III)の化合物及び均一な相の状態の触媒量のアンモニウム又はイミニウム塩の存在下で、ホルムアルデヒドガス又はホルムアルデヒド源と無水カルボン酸との間の反応から得られることを特徴とし、ここで式(II):
の化合物中において、Eは(CHX)であり、mは1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5、更に好ましくは1〜3であり、XはOであり、n=1であり、Fは:
であり、及び、
Gは:
であり、
及びRは、互いから独立して、官能基H、直鎖又は分岐C‐Cアルキル、直鎖又は分岐C‐Cハロゲン化アルキル、カルボキシ置換C‐Cアルキル、C‐C10シクロアルキル、任意に置換されたアリール、及び複素環部分から選択される
ことを特徴とする、実施形態1〜23のいずれか1つに記載の方法。
次に、本発明の例示であるが本発明を限定するものではない、複数の実施例を提供する。
調製例1:メチレンジアセテートの調製
1Lの2重管反応器に、561g(5.5モル)の無水酢酸及び158g(5モル)の純度95%のパラホルムアルデヒドを導入し、得られた懸濁液を、均一な混合物が得られるまで室温で撹拌し続けた。反応器内の油を160℃で加熱しながら、2.45g(0.025モル)の濃縮硫酸を添加した。温度が138℃に達するとパラホルムアルデヒドは溶解し、混合物は透明になった。温度が160℃に達したら、試料を採取してガスクロマトグラフィで分析した。試料採取を毎時間繰り返した。3時間の反応後、98%の変換が観察され、反応物を冷却した。反応器の内容物を別の反応器に移し、蒸留した。671gのメチレンジアセテートの透明な蒸留物が得られ、これは1%未満の無水酢酸、1%のオキシビスメチレンジアセテート及び13.6%の酢酸を含有していた。この粗生成物を、分留によって更に精製し、純度およそ100%のメチレンジアセテートを得た。
調製例2:アニオンメタセシス反応によるN,N‐ジメチルメチレンイミニウムp‐トルエンスルホン酸塩の調製
9.4g(0.10モル)のN,N‐ジメチルメチレンイミニウム(Sigma‐Aldrich社)と、18.6g(0.10モル)の溶融p‐トルエンスルホン酸メチルとの混合物を、気泡カウンタを備えた100mL丸首フラスコ中で、約100℃まで撹拌しながら加熱した。上記フラスコを、100℃超の油浴中に浸漬した。反応は速やかに開始され、塩化メチルガスの発生を伴い、これによって泡が精製された。反応時間は、全量が溶融するまで5分であった。
産物を更に30分間、100〜110℃に維持した。この期間の後、上記産物を気密性プラスチック瓶に導入し、上記産物はこの気密性プラスチック瓶中で極めて硬質の塊の形態に固化した。反応収率は、実際に定量的であった。得られた産物の融点は約110℃であった。
略同一の方法に従って、例えば以下のもの等の他の塩も調製した:
‐融点約100℃のN,N‐ジメチルメチレンイミニウムベンゼンスルホン酸;
‐融点約70℃のN,N‐ジメチルメチレンイミニウムp‐トルエン/ベンゼンスルホン酸(複数のアニオンの混合物);
‐融点約160℃のN,N‐ジメチルメチレンイミニウムメタンスルホン酸。
本開示の方法は、V.P.Kukhar et al.,Zhurnal Organicheskoi Khimii,1981,17(1),180−6において報告されている方法から最適化されたものである。
この産物は、以下の表VIに含まれている実施例10において使用した。
調製例3:一般式(II)の化合物とアンモニウム塩との反応による、イミニウム塩の調製
a)第1のステップでは、複数のアニオンの混合物を有するアンモニウム塩を、以下に記載の手順に従ってN,N‐ジメチルアミンから調製した。
65重量%のp‐トルエンスルホン酸(Stepanate p‐TSA‐LS、Stepan Europe)の水溶液を306g(1.2モル)内包する1L丸首フラスコに、ドデシルベンゼンスルホン酸(LAS)238g(0.8モル)を迅速に添加した。LASはわずかな発熱を伴って溶解し、透明で低粘度の溶液が形成された。LASの添加直後、40%のジメチルアミンの水溶液(236g、2.09モル)を5分間にわたって添加した。この添加の終了時、反応粗生成物の内部温度は80℃に達した。
高温のままの溶液を2Lフラスコに移し、回転蒸発装置内で水を除去した。上記回転蒸発装置は、PTFE毛細管チューブを備えていた。最初に、400〜300mbarの真空を、空気流を起こすことなく120℃で印加し、その後上記真空を100mbarまでゆっくりと低下させた。最後に中性液体ジメチルアンモニウム塩を、上述の温度において、2時間にわたって空気流を用いて30mbarで乾燥させた。産物の水分含有量は、カール‐フィッシャー法による分析によって決定したところ、0.085%であった。
b)第2のステップでは、ステップa)において記載した方法に従って調製されたアンモニウム塩を、調製例1に従って得られたメチレンジアセテートと反応させた。
0.80モルのアミン窒素を含有する、ステップa)で得られた213gのジメチルアンモニウム塩と、47.8g(0.16モル)の未精製LAS(Aldrich)とを、1Lフラスコに導入した。
上記混合物に、222g(1.6モル)のメチレンジアセテートを撹拌しながら添加し、内部温度100℃まで加熱した。この温度において、反応混合物の試料を、5時間、7.5時間、10時間及び12.5時間の時点で採取し、磁気共鳴によって分析した。試料を回転蒸発装置内で濃縮して、上記反応中に生成された酢酸、及び反応せずに残留している場合がある、メチレンジアセテート由来の酢酸を除去した。この分析により、5時間以内の反応でおよそ90%の変換が得られることが分かり、収率はこの変換に等しい。
調製例4:1,4‐ジアンモニオシクロヘキサンジ‐p‐トルエンスルホン酸の調製
20mLのエタノール中のp‐トルエンスルホン酸一水和物(22.04g、0.116モル)の溶液を、25mLのエタノール中のピペラジン(5g、0.058モル)の溶液に添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。得られた固体を濾過し、エタノールで洗浄(3×20mL)した。その後上記固体を回転蒸発装置内で乾燥させ、アンモニウム塩を定量的に得た。
比較例:クネーフェナーゲル反応を用いた2‐オクチルシアノアクリレートの調製
100mLのヘプタン中の42gのパラホルムアルデヒド(1.4モル)の混合物に、0.54gのピペリジン(6ミリモル)を触媒量で添加し、得られた混合物を70℃に加熱して、その温度に10分間維持した。250.8gの2‐オクチルシアノアセテート(1.2モル)を、添加用漏斗によって30分間にわたって滴下した。水が回収されなくなるまで、混合物を還流下に維持した。この反応の結果、2‐オクチルシアノアクリレートのプレポリマーが得られた。
続いて、上記反応混合物にリン酸を添加した後、蒸留によって溶媒を除去した。次に、得られた残滓を、p‐トルエンスルホン酸でゆっくりと中和し。真空蒸留に供して、熱的な脱重合化を実施した。蒸留物を含むフラスコを、当業者に公知の適切な安定化剤の混合物で安定化した。蒸留は、産物の蒸留が開始されるまでは1mbar及び150℃で実施した。その後、モノマーの完全な蒸留まで、温度を200℃に上昇させた。これに続く2‐オクチルシアノアクリレートの精製は、120℃、1〜3mbarにおいて、真空蒸留によって実施した。単離された純粋なモノマーの収率は40%であった。
実施例1:ブチルシアノアクリレート(式(I)の化合物、ただしAはCNであり、Dは‐CO‐n‐Buである)の調製
1.40モルのブチルシアノアセテートと、調製例1によって得られた2.1モルのメチレンジアセテートとを、1L反応器に添加した。続いて混合物を、120〜130℃まで加熱した。そして、5mol%のピペラジン及び15mol%のp‐トルエンスルホン酸一水和物を添加した。ガスクロマトグラフィ又は核磁気共鳴によって、反応を30分毎に監視した。1時間後、反応を終了させ、n‐ブチルシアノアクリレートを94%の選択性で得た。ここで「選択性」は、反応したシアノアセテートに対する生成されたモノマーの量として理解される。続いて、真空下で酢酸を除去し、モノマーの蒸留のために残滓に安定化剤を添加した。
実施例2〜6:ブチルシアノアクリレート(式(I)の化合物、ただしAはCNであり、Dは‐CO‐n‐Buである)の調製に適用される要因配置
n‐ブチルシアノアクリレートは、本発明の方法に従ったその合成に対する、表IVに示す要因の影響を研究するための、モデルモノマーとして選択された。
実施例1と同一の手順に従って実施例4を調製したが、ここで触媒は、調製例4に従って事前に合成されていた。よって、120〜130℃のブチルシアノアクリレート(1.40モル)及びメチレンジアセテート(2.1モル)の溶液に、5mol%の1,4‐ジアンモニオシクロヘキサンジ‐p‐トルエンスルホン酸を、実施例1に記載の酸性度と同一の酸性度に到達するための追加の5mol%のp‐トルエンスルホン酸一水和物と共に、添加した。
実施例2及び5では、調製例1に記載したのと同一の手順に従ってメチレンジアセテートを調製し、ここで反応時間は2時間であった。続いて両方の場合において、同一の反応粗生成物に対してブチルシアノアセテート(1.40モル)を添加した後、実施例2に関しては5mol%のピペラジン及び10mol%のp‐トルエンスルホン酸一水和物を、又は実施例5に関しては調製例4において記載した5mol%のアンモニウム塩を添加した。ブチルシアノアセテートの添加から、反応を120℃において1時間、撹拌したまま保持した。
実施例3及び6では、方法を直接反応によって実施した。これらの実施例では、パラホルムアルデヒド(2.1モル)、無水酢酸(2.1モル)及びブチルシアノアクリレート(1.4モル)を、実施例3に関しては、同一の反応器内において5mol%のピペラジン及び15mol%のp‐トルエンスルホン酸から調製された触媒の存在下で、又は実施例6に関しては、5mol%の事前に調製した触媒及び追加の5mol%のp‐トルエンスルホン酸一水和物を用いて、120〜130℃で2時間反応させた。
これらの要因の、並びにメチレンジアセテートの調製の3つのレベルの、及びアンモニウム又はイミニウム塩の調製に関する2つのレベルの組み合わせを、表Vに示す要因配置を用いて実施した。表Vには、得られる選択性も含まれている。
n‐ブチルシアノアクリレートを得るにあたっての選択性は、触媒の調製方法とは無関係であるものの、式(II)の化合物を得る方法は一定の影響を有することが分かる。というのは、直接反応に関しては影響が大きく、また事前調製又はタンデムプロセスによる調製に関しては影響が極めて大きいためである。
実施例7:オクタデシルシアノアクリレート(式(I)の化合物、ただしAはCNであり、Dは‐CO1837である)の調製
84.3gのオクタデシルシアノアセテートを、温度計を備えた250mLの3口フラスコ内に入れ、1.07gの1,3,5‐トリメチルヘキサヒドロ‐1,3,5‐トリアジン、84.3mgの2,60ジ‐tert‐ブチル‐4‐メチルフェノール(BHT)、及び69.4gのメチレンジアセテートと13.4gのドデシルベンゼンスルホン酸との混合物を添加した。後者の添加をゆっくりと実施して、固体のシアノアセテートを湿潤させた。混合物を穏やかに撹拌しながら加熱して、液体を得た。次に、核磁気共鳴スペクトルにおいてシアノアセテートの信号が消えるまで、1.5〜2時間にわたって、反応物を迅速に撹拌しながら、内部温度125℃に維持した。
反応が終了した後、粗生成物を50gの氷酢酸で希釈し、撹拌しながら室温までゆっくりと冷却した。産物の結晶化は約35℃で開始し、撹拌は室温で一晩中続けられた。固体を濾過し、フラスコに追加の35gの酢酸を添加し、固体を、室温の70gの酢酸を用いて、フィルタ上において更に3回洗浄した。
湿潤な産物(127g)を、84mgのBHTの存在下において、123gの氷酢酸中に80℃で溶解させた。不溶ポリマー画分を除去し、結晶化プロセスを室温で繰り返した。
得られた結晶を、低速の回転蒸発装置内で、50℃において乾燥させ、20〜7mbarの真空を印加することによって酢酸を除去し、ポンプ内での産物の損失を防止した。1時間後、7mbarにおいて、61gの2‐オクタデシルシアノアクリレートが得られ、これは70%の収率に相当していた。選択性は90%であった。
実施例8:1,6‐ヘキシルビスシアノアクリレート(式(I)の化合物、ただしAはCNであり、Dは‐CO(CHC(CN)=CH、シアノアクリル酸エステルに結合したアルキレン部分である)の調製
59.4gのメチレンジアセテート、0.75gの2‐メチルピペラジン、及び12.0gのドデシルベンゼンスルホン酸の混合物を、110℃まで加熱した。次に189mgの2,2‐メチレンビス(6‐tert‐ブチル‐4‐メチルフェノール)を添加した後、37.8gの1,6‐ヘキサンジオールビスシアノアセテートを、30分間にわたって30の部分に分けてゆっくりと添加した。NMRスペクトルにおいてシアノアセテートの信号が消えるまで、反応を2時間にわたってこの温度に保持した。
次に、反応物を回転蒸発装置内で濃縮して溶媒を除去し(80℃、10mbarにおいて30分)、45gのトルエンで希釈した。得られた溶液は固体を含有していなかった。産物を凝結させるために、高温のままのトルエン溶液に45gのヘプタンを30分間にわたって滴下し、得られた2相混合物を、迅速に撹拌しながら室温まで冷却した。結晶化は、混合物が室温に到達したおよそ20分後に開始した。結晶上の液体が均一になるまで、撹拌を更に更に90分間続行し、混合物を冷凍庫内で一晩中保持した。
得られた固体産物を濾過し、30gのトルエン‐ヘプタン(1:1)の低温の混合物(これは30ppmの三フッ化ホウ素ジブチルエーテル化合物(BF・BuO)を含有する)を用いて2回洗浄し、2時間にわたって真空乾燥して、実用上無色の、29.6gの1,6‐ヘキシルビスシアノアクリレートを得た。収率は71%を示した。選択性は90%であった。
実施例9〜35:式(I)のシアノアクリレートの調製
実施例1に記載の本発明の方法に略従って、表VIに列挙した1,1‐2置換エチレンモノマーを調製した。この表は、反応時間、アミン又はイミンのモル%、及び酸のモル%、並びに各産物に関して得られる選択性を示す。
ここで:
LAS:ドデシルベンゼンスルホン酸
p‐TSA:p‐トルエンスルホン酸
MSA:メタンスルホン酸
である。
実施例19では、使用した塩基は、0.8ミリモル/gの使用量の3‐(1−ピペラジノ)プロピル官能化シリカゲル(Sigma Aldrich)と、ドデシルベンゼンスルホン酸であった。上記反応もまた、実施例1に記載の本発明の方法に従って実施された。
本発明の方法により、1,1‐2置換エチレンモノマーの調製において高い選択性が得られることが分かる。
実施例36:本発明の方法とクネーフェナーゲル反応との比較
クネーフェナーゲル反応に関して記載された方法に従って、いくつかのシアノアクリレートを調製し、得られた収率を、本発明の方法を用いて得られたものと比較した。
表VIIに、各方法に関して、調製された化合物及び収率値を示す。

(a)文献に開示されている条件を再現することにより、実験によって得られた、単離収率
(b)Holl et al., J. Microencapsulation, 2002, 19(6), 699
(c)Holl et al., J. Microencapsulation, 2002, 19(6), 699
(d)特許文献2
(e)非特許文献2
(f)特許文献5
(g)特許文献3
本発明の方法によって得られる収率は、クネーフェナーゲル反応に従った方法を用いて得られるものよりも有意に優れており、いくつかの特定の場合においては、良好な収率でモノマーを調製できたことが確認できる。これはクネーフェナーゲル反応の条件では不可能である。
実施例37:本発明の方法によって得られるモノマーの接着特性の研究
実施例30及び31のアルコキシアルキルシアノアクリレートを例として用いて、本発明の方法によって得られる1,1‐2置換エチレンモノマーの反応性を試験した。この目的のために、これらの純粋なモノマーから調製された接着剤を用いて様々な基材を接着するために必要な固定時間を決定した。
3タイプの材料:グリットブラスト軟鋼、パインウッド材、及びプラスチック材料としてのポリカーボネートを使用した。
この試験を実施するために、基材の表面をイソプロパノールで洗浄し、続いて上記純粋なモノマーの、可能な限り小さい液滴を上記基材に適用し、その後、この第1の基材の上に同一の基材を組み付け、この組立体を一体として保持した。結合表面は250mmであった。一定時間後にクランプを取り外し、3kgの錘を上記基材のうちの一方から吊り下げ、もう一方は垂直位置に保持した。
秒で表される固定時間は、モノマーを用いた2つの基材の組み立て後の瞬間と、試料が分離することなく3kgの錘に30秒間耐えることができる瞬間との間に経過する時間である。
標準的な試料が開始剤に反応して完全に硬化するために必要な時間を観察することによって、調製方法によってモノマー中に存在する酸の総含有量も間接的に評価した。
この目的のために、非求核性溶媒中のN‐オキシジエチレンベンゾチアゾール‐2‐スルフェンアミドの溶液として、開始剤を調製した。ある量の上記溶液をモノマーに添加し、完全に混合した。続いて、直径2mmの細い木製の棒を混合物中に導入し、この棒を、混合物が流れなくなり、棒が重合した接着剤中にとらえられるまで、手で物理的に上下に動かした。完全な重合が起こる時間は、モノマーの酸含有量の指標となる。というのは、開始剤は媒体中に存在するいずれの酸によって中和されるためである。完全な重合化を得るために必要な時間が長いほど、モノマー中の酸含有量は高くなる。
表VIIIには、上記2つの指定したモノマーに関する、各タイプの材料に関する結果と、酸含有量の間接的な評価とが示されている。
基材によっては1分以下の短い固定時間、低い酸含有量、及び1分未満の完全な重合化までの時間は、本発明の方法に従って調製されたモノマーの純度を示しており、従ってこれらのモノマーは、接着剤組成物の処方において使用するために好適である。
実施例38:エチルシアノアクリレート(式(I)の化合物、ただしAはCNであり、Dは‐CO‐Etである)の調製
1.77モルのエチルシアノアセテートと、調製例1によって得られた2.65モルのメチレンジアセテートとの混合物を、1L反応器中において、120〜130℃まで加熱した。次に、2.5モル%のピペラジン及び13モル%のメタンスルホン酸一水和物を添加した。ガスクロマトグラフィ又は核磁気共鳴によって、反応を30分毎に監視した。2時間後、反応は終了したものと考えられ、エチルシアノアクリレートが98%の選択性で得られた。ここで「選択性」は、反応したシアノアセテートに対する精製されたモノマーの量として理解される。続いて、真空下で酢酸を除去し、モノマーの蒸留のために残滓に安定化剤を添加した。エチルシアノアクリレートの収率は82%であった。
実施例39:12‐メタクリロイルオキシドデシルシアノアクリレート(式(I)の化合物、ただしAはCNであり、Dは‐COであり、ここでRは(CH12C(Me)=CH、式(IV)の化合物のアクリル酸エステル部分であり、ここでz=12かつR=Meである)の調製
例えば英国特許出願第2311519号に開示されている方法に従って得られた、ガスクロマトグラフィアッセイによる純度が約90%の、25.3gの12‐メタクリロイルオキシドデシルシアノアセテートと、調製例1によって得られた19.8gのメチレンジアセテートと、0.375gの2‐メチルピペラジンと、0.128gのBHTと、5.08gのドデシルベンゼンスルホン酸(硫酸非含有)との混合物を、120℃とし、NMRによってチェックされるシアノアセテート信号が略消える時点まで、この温度で45分撹拌した。
次に、反応物を回転蒸発装置上で濃縮して溶媒を除去し(80℃及び8mbarで30分)、いずれの固体材料も含有しない褐色の油が得られた。この油を、32gのイソオクタンのポーション中へと2回抽出した。抽出物を室温で放置して、触媒を黄色のペーストとして分離させた。産物を‐20℃に冷却することによって凝結させた。固体を濾過し、17.5mlの凍結したイソオクタンで洗浄した。最後に16.8gのわずかに黄色の蝋状固体が得られ、これは64%の収率を表していた。選択性は約90%であった。ヘキサメチルジシロキサン又はオクタン等の低極性溶媒から再結晶化することによって、純粋なモノマーが得られ、またH‐NMRスペクトルは、2つの重合化官能基:シアノアクリレート及びメタクリレートに関連する4つのビニルプロトンを明らかに示していた。

Claims (11)

  1. 一般式(I):
    (ここでAは、CNであり、そしてDは、以下の官能基:C であり、ここでRは、直鎖又は分岐の飽和又は非飽和C‐C20アルキル、C ‐C20ハロゲン化アルキル、C‐C20アルキルシラン、C‐C20のアセトキシシラン、C‐C20アルコキシアルキル、C‐C20アルケニル、C‐C20アルキニル、C‐C10アルキレン、C‐C20シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、C‐C20シクロアルケニル、アルキルシクロアルケニル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、脂肪族複素環部分、脂肪族複素環に結合したアルキル部分、芳香族複素環部分、芳香族複素環に結合したアルキル部分、アクリル酸エステル部分、オキセタン部分、エポキシ部分、グリコール酸部分、及びカルボン酸エステル部分を意味する)
    の1,1‐2置換エチレンモノマー類の調製方法であって、
    前記方法は、メチレンジアセテート、オキシビスメチレンジアセテート、メチレンジプロピオン酸及びオキシビスメチレンジプロピオン酸からなる群から選ばれる化合物と、一般式(III):
    の化合物との、触媒量のアンモニウム塩又はイミニウム塩の存在下での反応を含むことを特徴とし、ここで前記塩は、均一な相であるか、又は固体基板上に支持される、前記方法。
  2. 前記メチレンジアセテート、オキシビスメチレンジアセテート、メチレンジプロピオン酸及びオキシビスメチレンジプロピオン酸からなる群から選ばれる化合物と前記一般式(III)の化合物との間の前記反応は、均一な相の状態の触媒量のアンモニウム塩又はイミニウム塩の存在下で実施されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記アンモニウム塩は、酸と1級、2級又は3級アミンとの反応から得られる産物である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記アミンは、メチルアミン、ピペラジン、2‐メチルピペラジン、N,N’‐ジメトキシメチルピペラジン、アニリン、ベンジルアミン、2,6‐ジフルオロベンジルアミン、トリフルオロエチルアミン及びこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  5. 前記イミニウム塩は、1級又は2級アミンとアルデヒド又はケトンとの、中性又は酸性媒体中での反応から得られる、酸からのアニオンを含有するイミンである、請求項1又は2に記載の方法。
  6. 前記イミニウム塩は、N,N‐ジメチルアミンとホルムアルデヒドとの反応の結果であることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  7. 前記酸は、酢酸、トリフルオロ酢酸、硫酸、メタンスルホン酸、p‐トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、カンファースルホン酸、塩酸、リン酸及びこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項3〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記イミニウム塩は、メチレンジアセテート、オキシビスメチレンジアセテート、メチレンジプロピオン酸及びオキシビスメチレンジプロピオン酸からなる群から選ばれる化合物と、1級、2級又は3級アミンと酸又は酸混合物との間の反応から得られたアンモニウム塩との間の反応によって調製されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  9. 前記アンモニウム又はイミニウム塩は、インシチュで調製されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  10. 予備形成されたアンモニウム又はイミニウム塩を採用し、前記中性アンモニウム又はイミニウム塩に対して過剰な酸を添加することを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記メチレンジアセテート、オキシビスメチレンジアセテート、メチレンジプロピオン酸及びオキシビスメチレンジプロピオン酸からなる群から選ばれる化合物は、前記式(III)の化合物及び均一な相の状態の触媒量のアンモニウム又はイミニウム塩の存在下で、ホルムアルデヒドガス又はホルムアルデヒド源と無水カルボン酸との間の反応から得られることを特徴と
    する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
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