JP6451046B2 - 核酸増幅方法および当該方法を利用した核酸増幅試薬 - Google Patents

核酸増幅方法および当該方法を利用した核酸増幅試薬 Download PDF

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Description

本発明は、試料中に含まれる標的核酸を特異的に増幅する方法、および当該方法を利用した核酸増幅試薬に関する。
従来より核酸増幅方法としてPCR法が用いられている。しかしながら、PCR法は急激に反応温度を昇降させる必要があるため、自動化の際、反応工程の省力化や反応装置の低コスト化の点で問題があった。さらに標的核酸がRNAの場合には、逆転写反応を行なう必要があり、さらに煩雑であった。
RNAを標的核酸とした増幅法としては、NASBA法(特許文献1および2)、TMA法(特許文献3)、TRC法(特許文献4および非特許文献1)が知られている。これれらの増幅法は、一定温度で核酸を増幅することができるため、自動化の際、反応工程の省力化や反応装置の低コスト化が容易な点で好ましい。しかしながら、これらの増幅法は標的核酸がDNAの場合、増幅が困難であった。
特許文献5には、AMV逆転写酵素が有する鎖置換活性を利用した、DNAを標的核酸とした、NASBA法による核酸の増幅および検出法を開示している。しかしながら、特許文献5に開示の方法は、37℃で2時間インキュベーションして標的核酸を増幅後、一旦−20℃で凍結し、その後ELOSA(Enzyme Linked OligoSorbent Assay)法により標的核酸を検出する方法であり、非常に煩雑な方法である。また最小検出感度も10コピー/テストであり、感度の面からも不十分である。
特許第2650159号公報 特許第3152927号公報 特許第3241717号公報 特開2000−014400号公報 特許第3002259号公報
Ishiguro,T.et al,Analytical Biochemistry,314,77−86(2003)
本発明の課題は、試料中に含まれる標的核酸を、核酸の種類(DNA/RNA)を問わず、一定温度、かつ高特異的、高感度、迅速、簡便に増幅可能な方法、および当該方法を利用した試薬を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、等温で標的核酸の増幅が可能な系に新たなプライマーおよび/または鎖置換活性を有する酵素を添加することで、一定温度で、核酸の種類(DNA/RNA)を問わず、かつ高特異的、高感度、迅速、簡便に増幅することができることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち本発明の第一の態様は、
RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素と、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素と、リボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素と、RNAポリメラーゼ活性を有する酵素と、5’末端側に前記RNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した標的核酸の一部と相同的な配列を有する第一のプライマーと、標的核酸の一部と相補的な配列を有する第二のプライマーと、を含む前記標的核酸の増幅試薬であって、
第一のプライマーに対して5’末端側の位置にある標的核酸の一部と相同的な配列を有する第三のプライマー、および/または鎖置換活性を有する酵素をさらに含む、前記増幅試薬である。
また本発明の第二の態様は、
RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素と、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素と、リボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素と、RNAポリメラーゼ活性を有する酵素と、標的核酸の一部と相同的な配列を有する第一のプライマーと、5’末端側に前記RNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した標的核酸の一部と相補的な配列を有する第二のプライマーと、を含む前記標的核酸の増幅試薬であって、
第二のプライマーに対して5’末端側の位置にある標的核酸の一部と相補的な配列を有する第三のプライマー、および/または鎖置換活性を有する酵素をさらに含む、前記増幅試薬である。
また本発明の第三の態様は、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素と、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素と、RNase H活性を有する酵素とが、AMV逆転写酵素である、前記第一または第二の態様に記載の増幅試薬である。
また本発明の第四の態様は、鎖置換活性を有する酵素がBsu DNAポリメラーゼ、Bst DNAポリメラーゼ、96−7DNAポリメラーゼのいずれかである、前記第一から第三の態様のいずれかに記載の増幅試薬である。
さらに本発明の第五の態様は、増幅した標的核酸の一部と相補的二本鎖を形成すると形成前と比較し蛍光特性が変化するオリゴヌクレオチドプローブを、前記第一から第四の態様のいずれかに記載の増幅試薬にさらに含んでなる、標的核酸の検出試薬である。
さらに本発明の第六の態様は、以下の(1)から(7)の工程を含む、標的核酸の増幅方法である。
(1)5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した標的核酸の一部と相同的な配列を有する第一のプライマー、およびRNA依存性またはDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、標的核酸の相補鎖から、標的核酸に相同的なDNAを合成する工程
(2)第一のプライマーに対して5’末端側の位置にある標的核酸の一部と相同的な配列を有する第三のプライマー、および鎖置換活性を有する酵素を用いて、前記(1)で合成したDNAを一本鎖DNAとする工程
(3)標的核酸の一部と相補的な配列を有する第二のプライマー、およびDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(2)で得られた一本鎖DNAから、5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した二本鎖DNAを合成する工程
(4)前記プロモータ配列に対応したRNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(3)で得られた二本鎖DNAから、RNA転写産物を合成する工程
(5)第二のプライマー、およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(4)のRNA転写産物から、標的核酸に相補的なcDNAを合成する工程、
(6)リボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素を用いて、RNA−DNA2本鎖のRNAを分解する工程(一本鎖DNAの生成)
(7)(6)で得られた一本鎖DNAを鋳型に連鎖的にRNA転写産物を合成する工程
また本発明の第七の態様は、以下の(1)から(7)の工程を含む、標的核酸の増幅方法である。
(1)5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した標的核酸の一部と相補的な配列を有する第二のプライマー、およびRNA依存性またはDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、標的核酸から、標的核酸に相補的なDNAを合成する工程
(2)第二のプライマーに対して5’末端側の位置にある標的核酸の一部と相補的な配列を有する第三のプライマー、および鎖置換活性を有する酵素を用いて、前記(1)で合成したDNAを一本鎖DNAとする工程
(3)標的核酸の一部と相同的な配列を有する第一のプライマー、およびDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(2)で得られた一本鎖DNAから、5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した二本鎖DNAを合成する工程
(4)前記プロモータ配列に対応したRNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(3)で得られた二本鎖DNAから、RNA転写産物を合成する工程
(5)第一のプライマー、およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(4)のRNA転写産物から、標的核酸に相同的なcDNAを合成する工程、
(6)リボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素を用いて、RNA−DNA2本鎖のRNAを分解する工程(一本鎖DNAの生成)
(7)(6)で得られた一本鎖DNAを鋳型に連鎖的にRNA転写産物を合成する工程
また本発明の第八の態様は、以下の(1)から(9)の工程を含む、標的核酸の増幅方法である。
(1)標的核酸の一部と相補的な配列を有する第二のプライマー、およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、標的RNAから、標的RNAに相補的なcDNAを合成する工程
(2)リボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素を用いて、RNA−DNA2本鎖のRNAを分解する工程(一本鎖DNAの生成)
(3)5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した標的核酸の一部と相同的な配列を有する第一のプライマー、およびDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(2)で得られた一本鎖DNAから、二本鎖DNAを合成する工程
(4)第一のプライマーに対して5’末端側の位置にある標的核酸の一部と相同的な配列を有する第三のプライマー、および鎖置換活性を有する酵素を用いて、前記(3)で合成した5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加したDNAを一本鎖DNAとする工程
(5)第二のプライマー、およびDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(4)で得られた一本鎖DNAから、5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した二本鎖DNAを合成する工程
(6)前記プロモータ配列に対応したRNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(5)で得られた二本鎖DNAから、RNA転写産物を合成する工程
(7)第二のプライマー、およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(6)のRNA転写産物から、標的核酸に相補的なcDNAを合成する工程、
(8)RNase H活性を有する酵素を用いて、RNA−DNA2本鎖のRNAを分解する工程(一本鎖DNAの生成)
(9)(8)で得られた一本鎖DNAを鋳型に連鎖的にRNA転写産物を合成する工程
さらに本発明の第九の態様は、RNA転写産物の一部と相補的二本鎖を形成すると形成前と比較し蛍光特性が変化するオリゴヌクレオチドプローブを用いて検出する工程を、前記第六から第八の態様のいずれかに記載の標的核酸の増幅方法にさらに含んでなる、標的核酸の検出方法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における標的核酸とは、試料中に含まれる一本鎖もしくは二本鎖DNAまたはRNAのうち、本発明の増幅試薬および増幅方法により増幅される領域のことをいう。なお、本発明の増幅試薬および増幅方法において、後述する第三のプライマーを添加する場合は、第三のプライマーの5’末端側から第一または第二のプライマーの5’末端側までの領域も標的核酸に含まれる。
本発明において、相補的な配列を有するとは、ストリンジェントな条件でハイブリダイズ可能な配列を有することをいい、相同的な配列を有するとは、標的核酸の相補鎖に対してストリンジェントな条件でハイブリダイズ可能な配列を有することをいう。ここでいうストリンジェントな条件とは、既知の条件から選定可能で、特に限定されるものではないが、例えば、42℃において、50%(v/v)のホルムアミド、0.1%のウシ血清アルブミン、0.1%のフィコール(商品名)、0.1%のポリビニルピロリドン、50mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH6.5)、150mMの塩化ナトリウム、75mMのクエン酸ナトリウムが共存する条件や、本明細書の実施例に記載の核酸増幅条件下でハイブリダイズ可能な条件があげられる。
本発明で用いるRNAポリメラーゼ活性を有する酵素としては、分子生物学的実験などで汎用されているバクテリオファージ由来のT7 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼ、SP6 RNAポリメラーゼまたはこれらの誘導体が例示できる。なお第一または第二のプライマーに付加するRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列は、本発明で用いるRNAポリメラーゼ活性を有する酵素に対応した配列を用いればよく、RNAポリメラーゼ活性を有する酵素としてT7 RNAポリメラーゼを用いる場合の一例として、配列番号13に記載の配列からなるT7プロモータがあげられる。
本発明ではRNAポリメラーゼ活性を有する酵素の他に、少なくともRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素と、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素と、リボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素も含んでいる。RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素、およびRNase H活性を有する酵素は、いくつかの活性を合わせ持つ酵素を使用してもよく、それぞれの活性を持つ複数の酵素を使用してもよい。AMV逆転写酵素、MMLV逆転写酵素、HIV逆転写酵素またはこれらの誘導体は、前述した三つの酵素活性の全てを有しているため好ましく、中でもAMV逆転写酵素またはその誘導体が好ましい。
本発明の増幅試薬および増幅方法は、等温増幅系に第三のプライマーおよび/または鎖置換活性を有する酵素をさらに添加することを特徴とする。
本発明における第三のプライマーは、5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加するプライマーが第一のプライマーの場合、第一のプライマーに対して5’末端側(標的核酸における5’末端側)に位置し、かつ標的核酸の一部と相同的な配列を有するオリゴヌクレオチドのことをいい、5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加するプライマーが第二のプライマーの場合、第二のプライマーに対して5’末端側(標的核酸における3’末端側)に位置し、かつ標的核酸の一部と相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドのことをいう。なお、第三のプライマーから第一または第二のプライマーまでの塩基長さは適宜決定すればよいが、第三のプライマーの5’末端側から第一または第二のプライマーの5’末端側までの長さが130塩基以下であると好ましく、110塩基以下であるとより好ましく、90塩基以下であるとさらに好ましい。なお、第三のプライマーは本発明の核酸増幅系に複数種類添加してもよく、その5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加してもよい。第三のプライマーの添加量は、第一または第二のプライマーの添加量に対し少なければよく、好ましくは1/2以下、より好ましくは1/10以下である。
本発明において鎖置換活性を有する酵素とは、鋳型となる二本鎖DNAの水素結合を自ら解離しつつ、新しいDNA鎖を合成する酵素のことをいい、具体的には、E.coli DNAポリメラーゼI、DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメント、T7またはT5バクテリオファージDNAポリメラーゼ、HIVウイルス逆転写酵素、Bsu DNAポリメラーゼ、Bst DNAポリメラーゼ、Aac DNAポリメラーゼ、phi29 DNAポリメラーゼ、96−7 DNAポリメラーゼ、Bca DNAポリメラーゼなどがあげられる。またヘリカーゼも、鎖置換効果、すなわち、同じ配列の核酸合成と結びつけられた核酸の置換を生じることから、本発明における鎖置換活性を有する酵素として用いることができる。さらにRecAや一本鎖結合蛋白質も、本発明における鎖置換活性を有する酵素として用いることができる。中でも、Bsu DNAポリメラーゼ、Bst DNAポリメラーゼおよび96−7 DNAポリメラーゼが好ましく、96−7 DNAポリメラーゼがより好ましい。鎖置換活性を有する酵素の添加量は適宜決定すればよいが、96−7 DNAポリメラーゼを用いる場合、0.5U以上添加すればよく、1.5U以上添加すると好ましい。
本発明の増幅試薬を用いた標的核酸の増幅方法は、鋳型核酸の形態により異なる。鋳型核酸が標的核酸の相補鎖である場合の増幅方法の一例としては、
(A−1)5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した標的核酸の一部と相同的な配列を有する第一のプライマー、およびRNA依存性またはDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、標的核酸の相補鎖から、標的核酸に相同的なDNAを合成する工程
(A−2)第一のプライマーに対して5’末端側の位置にある標的核酸の一部と相同的な配列を有する第三のプライマー、および鎖置換活性を有する酵素を用いて、(A−1)で合成したDNAを一本鎖DNAとする工程
(A−3)標的核酸の一部と相補的な配列を有する第二のプライマー、およびDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、(A−2)で得られた一本鎖DNAから、5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した二本鎖DNAを合成する工程
(A−4)前記プロモータ配列に対応したRNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、(A−3)で得られた二本鎖DNAから、RNA転写産物を合成する工程
(A−5)第二のプライマー、およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、(A−4)のRNA転写産物から、標的核酸に相補的なcDNAを合成する工程、
(A−6)リボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素を用いて、RNA−DNA2本鎖のRNAを分解する工程(一本鎖DNAの生成)
(A−7)(A−6)で得られた一本鎖DNAを鋳型に連鎖的にRNA転写産物を合成する工程
を含む方法があげられる。鋳型核酸が標的核酸の相同鎖である場合の増幅方法の一例としては、
(B−1)5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した標的核酸の一部と相補的な配列を有する第二のプライマー、およびRNA依存性またはDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、標的核酸から、標的核酸に相補的なDNAを合成する工程
(B−2)第二のプライマーに対して5’末端側の位置にある標的核酸の一部と相補的な配列を有する第三のプライマー、および鎖置換活性を有する酵素を用いて、(B−1)で合成したDNAを一本鎖DNAとする工程
(B−3)標的核酸の一部と相同的な配列を有する第一のプライマー、およびDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、(B−2)で得られた一本鎖DNAから、5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した二本鎖DNAを合成する工程
(B−4)前記プロモータ配列に対応したRNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、(B−3)で得られた二本鎖DNAから、RNA転写産物を合成する工程
(B−5)第一のプライマー、およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、(B−4)のRNA転写産物から、標的核酸に相同的なcDNAを合成する工程、
(B−6)リボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素を用いて、RNA−DNA2本鎖のRNAを分解する工程(一本鎖DNAの生成)
(B−7)(B−6)で得られた一本鎖DNAを鋳型に連鎖的にRNA転写産物を合成する工程
を含む方法があげられる。鋳型核酸が一本鎖RNAの相同鎖である場合の増幅方法の一例としては、
(C−1)標的核酸の一部と相補的な配列を有する第二のプライマー、およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、標的RNAから、標的RNAに相補的なcDNAを合成する工程
(C−2)リボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素を用いて、RNA−DNA2本鎖のRNAを分解する工程(一本鎖DNAの生成)
(C−3)5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した標的核酸の一部と相同的な配列を有する第一のプライマー、およびDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、(C−2)で得られた一本鎖DNAから、二本鎖DNAを合成する工程
(C−4)第一のプライマーに対して5’末端側の位置にある標的核酸の一部と相同的な配列を有する第三のプライマー、および鎖置換活性を有する酵素を用いて、(C−3)で合成した5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加したDNAを一本鎖DNAとする工程
(C−5)第二のプライマー、およびDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、(C−4)で得られた一本鎖DNAから、5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した二本鎖DNAを合成する工程
(C−6)前記プロモータ配列に対応したRNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、(C−5)で得られた二本鎖DNAから、RNA転写産物を合成する工程
(C−7)第二のプライマー、およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、(C−6)のRNA転写産物から、標的核酸に相補的なcDNAを合成する工程、
(C−8)RNase H活性を有する酵素を用いて、RNA−DNA2本鎖のRNAを分解する工程(一本鎖DNAの生成)
(C−9)(C−8)で得られた一本鎖DNAを鋳型に連鎖的にRNA転写産物を合成する工程
を含む方法があげられる。
本発明の増幅試薬および増幅方法で増幅した標的核酸(RNA転写産物)を検出することで、試料中に含まれる標的核酸の有無を検出することができるが、増幅した標的核酸の一部と相補的二本鎖を形成すると形成前と比較し蛍光特性が変化するオリゴヌクレオチドプローブをあらかじめ本発明の増幅試薬に添加し、当該蛍光特性の変化を蛍光分光光度計で経時的に測定すると、試料中に含まれる標的核酸の増幅と検出を一段階かつ密閉容器内で行なえるため、好ましい。
本発明の増幅試薬は、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素、リボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素、RNAポリメラーゼ活性を有する酵素、標的核酸の一部と相同的な配列を有する第一のプライマー、および標的核酸の一部と相補的な配列を有する第二のプライマー(ここで前記第一または第二のプライマーのいずれか一方はその5’末端側に前記RNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加している)に加えて、前記プロモータ配列を付加したプライマーに対して5’末端側の位置にある第三のプライマー、および/または鎖置換活性を有する酵素をさらに含むことを特徴としている。本発明により、NASBA法、TMA法、TRC法といった一定温度でRNAを増幅する方法であっても、標的核酸の種類(DNA/RNA)を問わず、一定温度、かつ高特異的、高感度、迅速、簡便に標的核酸を増幅することができる。
実施例4から13で使用したプライマー類および標的核酸の塩基配列と、GenBank No.AB014370での領域を示した図である。配列番号2は配列番号1の5’末端側に、配列番号4は配列番号3の5’末端側に、配列番号6は配列番号5の5’末端側に、配列番号8は配列番号7の5’末端側に、配列番号10は配列番号9の5’末端側に、それぞれT7プロモータ配列(配列番号13)を付加したものである。 図1に示したプライマー類と標的核酸との位置関係を示した図である。 実施例14で使用したプライマー類および標的核酸の塩基配列を示した図である。 図3に示したプライマー類と標的核酸との位置関係を示した図である。
以下、本発明の実施の形態について、実施例を用いて詳細に説明するが、本実施例は本発明の実施の一形態を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。なお本実施例で使用したプライマー類および標的核酸の塩基配列を図1および図3に、プライマー類と標的核酸との位置関係を図2および図4にそれぞれ示す。
実施例1 B型肝炎ウイルス(HBV)DNA溶液の調製
ZeptoMetrix社より購入した不活化ウイルスより、QIAamp DNA Blood Mini Kit(QIAGEN社製)を用いて、当該キットのマニュアルに従い抽出することで、HBV DNA溶液を得た。抽出試料中に含まれるHBV DNAのコピー数は、抽出効率を100%とし、1IUを約6コピーとして計算した。
実施例2 二本鎖DNAの調製
(1)鋳型として実施例1で調製したHBV DNA溶液を、プライマーとして配列番号15および配列番号16に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを、DNAポリメラーゼとしてTakara Ex Taq(タカラバイオ社製)を、それぞれ用いて、Takara Ex Taqのマニュアルに従いPCRを行ない、GenBank No.AB014370の塩基番号2745から1800までに相当する領域のポリヌクレオチドを増幅した。
(2)QIAquick PCR Purification Kit(QIAGEN社製)を用いて増幅したPCR産物を精製し、二本鎖DNAを調製した。二本鎖DNAの定量は、260nmの紫外部吸収を測定することで行なった。
実施例3 インターカレーター性蛍光色素標識プローブの作製
Ishiguroらの方法(Ishiguro,T.et al,Nucleic Acids Res.,24,4992−4997(1996))に従い、配列番号11に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドのうち5’末端から5番目のTの位置、および配列番号20に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドのうち5’末端から10番目のAの位置に、インターカレーター性蛍光色素であるオキサゾールイエローを標識することで、インターカレーター性蛍光色素標識プローブを調製した。
実施例4 等温増幅法を用いたHBV DNAの検出
等温増幅法によるHBV DNAの検出を試みた。
(1)実施例1で調製したHBV DNA溶液を、注射用水を用いて1000コピー/5μL、500コピー/5μL、300コピー/5μL、100コピー/5μL、または10コピー/5μLとなるよう希釈した。
(2)以下の組成の反応液を0.5mL容量PCR用チューブ(GeneAmp Thin−Walled Reaction Tubes、パーキンエルマー社製)に17μL/tubeで分注し、これに前記HBV DNA溶液5μLを添加した。
反応液の組成:濃度は開始液添加後(30μL中)の最終濃度
60mM Tris−HCl(pH8.6)
各0.3mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP
各3mM ATP、CTP、UTP、GTP
3.4mM ITP
1μM 第一のプライマー(配列番号2または4)
1μM 第二のプライマー(配列番号12)
36nM インターカレーター性蛍光色素標識プローブ(以下、INAFプローブ)(配列番号11)(実施例3で調製)
67mM トレハロース
6.4U AMV逆転写酵素
142U 耐熱性T7 RNAポリメラーゼ(WO2010/016621号)
(3)上記反応液を46℃で5分間保温後、以下の組成の開始液8μLを添加した。
開始液の組成:濃度は開始液添加後(30μL中)の最終濃度
3.8wt% グリセロール
19mM 塩化マグネシウム
95mM 塩化カリウム
10.5% DMSO
(4)引き続きPCR用チューブを直接測定可能な温調機能付き蛍光分光光度計を用い、46℃の一定温度で反応させると同時に反応溶液の蛍光強度(励起波長470nm、蛍光波長520nm)を経時的に測定した。
酵素添加時を0分として、反応液の蛍光強度比が1.2を超えた場合を(+)判定とし、そのときの時間を検出時間とした。結果を表1に示す。第一のプライマーとして、配列番号2に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いた場合はHBV DNAを100コピー/テストまで、配列番号4に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いた場合にはHBV DNAを300コピー/テストまで、それぞれ検出することができた。しかしながら、いずれの場合も、10コピー/テストのHBV DNAは検出できなかった。
Figure 0006451046
実施例5 置換プライマーを添加した等温増幅法によるHBV DNAの検出
置換プライマー(本発明における第三のプライマーに相当)を添加した等温増幅法によるHBV DNAの検出を試みた。
(1)実施例1で調製したHBV DNA溶液を、注射用水を用いて100コピー/5μLとなるよう希釈した。
(2)以下の組成の反応液を0.5mL容量PCR用チューブ(GeneAmp Thin−Walled Reaction Tubes、パーキンエルマー社製)に17μL/tubeで分注し、これに前記HBV DNA溶液5μLを添加した。
反応液の組成:濃度は開始液添加後(30μL中)の最終濃度
60mM Tris−HCl(pH8.6)
各0.3mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP
各3mM ATP、CTP、UTP、GTP
3.4mM ITP
1μM、0.9μMまたは0.5μM 第一のプライマー(配列番号2)
0μM、0.1μMまたは0.5μM 置換プライマー(配列番号4)
1μM 第二のプライマー(配列番号12)
36nM INAFプローブ(配列番号11)(実施例3で調製)
67mM トレハロース
6.4U AMV逆転写酵素
142U 耐熱性T7 RNAポリメラーゼ(WO2010/016621号)
(3)上記反応液を46℃で5分間保温後、実施例4(3)に記載の組成からなる開始液8μLを添加した。
(4)実施例4(4)に記載の方法で反応溶液の蛍光強度(励起波長470nm、蛍光波長520nm)を経時的に測定した。
酵素添加時を0分として、反応液の蛍光強度比が1.5を超えた場合を(+)判定とし、そのときの時間を検出時間とした。結果を表2に示す。置換プライマーを添加することでHBV DNA 100コピー/テストの検出時間が向上していることがわかる。なお第一のプライマーと置換プライマーをモル比として10対1添加したときが最も検出時間が速かった。
Figure 0006451046
実施例6 置換プライマーおよび鎖置換酵素を添加した等温増幅法によるHBV DNAの検出
置換プライマーおよび鎖置換酵素を添加した等温増幅法によるHBV DNAの検出を試みた。
(1)実施例1で調製したHBV DNA溶液を、注射用水を用いて1000コピー/5μL、または100コピー/5μLとなるよう希釈した。
(2)以下の組成の反応液を0.5mL容量PCR用チューブ(GeneAmp Thin−Walled Reaction Tubes、パーキンエルマー社製)に16μL/tubeで分注し、これに鎖置換酵素溶液1μLおよび前記HBV DNA溶液5μLを添加した。なお鎖置換酵素は、Bsu DNAポリメラーゼ(5U/μL)、Bst DNAポリメラーゼ(8U/μL)、phi29 DNAポリメラーゼ(10U/μL)、96−7 DNAポリメラーゼ(8U/μL)、Bca DNAポリメラーゼ(12U/μL)のいずれかを用いた。
反応液の組成:濃度は開始液添加後(30μL中)の最終濃度
60mM Tris−HCl(pH8.6)
各0.3mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP
各3mM ATP、CTP、UTP、GTP
3.4mM ITP
1μM 第一のプライマー(配列番号2)
0.1μM 置換プライマー(配列番号4)
1μM 第二のプライマー(配列番号12)
36nM INAFプローブ(配列番号11)(実施例3で調製)
67mM トレハロース
6.4U AMV逆転写酵素
142U 耐熱性T7 RNAポリメラーゼ(WO2010/016621号)
(3)上記反応液を46℃で5分間保温後、実施例4(3)に記載の組成からなる開始液8μLを添加した。
(4)実施例4(4)に記載の方法で反応溶液の蛍光強度(励起波長470nm、蛍光波長520nm)を経時的に測定した。
酵素添加時を0分として、反応液の蛍光強度比が1.2を超えた場合を(+)判定とし、そのときの時間を検出時間とした。結果を表3に示す。鎖置換酵素をさらに添加することで、100コピー/テストのHBV DNAの検出時間は、置換プライマーのみを添加した時(実施例5)と比較し、同等またはさらに向上していることがわかる。特に鎖置換酵素としてBsu DNAポリメラーゼ、Bst DNAポリメラーゼまたは96−7 DNAポリメラーゼを用いたとき、検出時間の向上が著しいことがわかる。
Figure 0006451046
実施例7 置換プライマーおよび/または鎖置換酵素の添加による等温増幅法への影響
置換プライマーおよび鎖置換酵素の添加の有無による等温増幅法を用いたHBV DNA検出への影響を調べた。
(1)実施例1で調製したHBV DNA溶液を、注射用水を用いて100コピー/5μL、または10コピー/5μLとなるよう希釈した。
(2)以下の組成の反応液を0.5mL容量PCR用チューブ(GeneAmp Thin−Walled Reaction Tubes、パーキンエルマー社製)に17μL/tubeで分注し、これに前記HBV DNA溶液5μLを添加した。
反応液の組成:濃度は開始液添加後(30μL中)の最終濃度
60mM Tris−HCl(pH8.6)
各0.3mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP
各3mM ATP、CTP、UTP、GTP
3.4mM ITP
1μM 第一のプライマー(配列番号2)
1μM 第二のプライマー(配列番号12)
36nM INAFプローブ(配列番号11)(実施例3で調製)
67mM トレハロース
6.4U AMV逆転写酵素
142U 耐熱性T7 RNAポリメラーゼ(WO2010/016621号)
(以下、必要に応じ添加)
0.1μM 置換プライマー(配列番号4)
2U 96−7 DNAポリメラーゼ
(3)上記反応液を46℃で5分間保温後、実施例4(3)に記載の組成からなる開始液8μLを添加した。
(4)実施例4(4)に記載の方法で反応溶液の蛍光強度(励起波長470nm、蛍光波長520nm)を経時的に測定した。
酵素添加時を0分として、反応液の蛍光強度比が1.2を超えた場合を(+)判定とし、そのときの時間を検出時間とした。結果を表4に示す。置換プライマーの添加により、HBV DNAの検出時間が向上し、さらに鎖置換酵素を添加するとHBV DNAの検出時間および検出感度がさらに向上することがわかる。
Figure 0006451046
実施例8 置換プライマーによる等温増幅法への影響
実施例7に記載の置換プライマーおよび鎖置換酵素を添加した系のうち、置換プライマーを替えたことによる等温増幅法を用いたHBV DNA検出への影響を調べた。
(1)実施例1で調製したHBV DNA溶液を、注射用水を用いて30コピー/5μLとなるよう希釈した。
(2)以下の組成の反応液を0.5mL容量PCR用チューブ(GeneAmp Thin−Walled Reaction Tubes、パーキンエルマー社製)に17μL/tubeで分注し、これに前記HBV DNA溶液5μLを添加した。
反応液の組成:濃度は開始液添加後(30μL中)の最終濃度
60mM Tris−HCl(pH8.6)
各0.3mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP
各3mM ATP、CTP、UTP、GTP
3.4mM ITP
1μM 第一のプライマー(配列番号2)
0.1μM 置換プライマー(配列番号3から10のいずれか)
1μM 第二のプライマー(配列番号12)
36nM INAFプローブ(配列番号11)(実施例3で調製)
67mM トレハロース
2U 96−7 DNAポリメラーゼ
6.4U AMV逆転写酵素
142U 耐熱性T7 RNAポリメラーゼ(WO2010/016621号)
(3)上記反応液を46℃で5分間保温後、実施例4(3)に記載の組成からなる開始液8μLを添加した。
(4)実施例4(4)に記載の方法で反応溶液の蛍光強度(励起波長470nm、蛍光波長520nm)を経時的に測定した。
酵素添加時を0分として、反応液の蛍光強度比が1.2を超えた場合を(+)判定とし、そのときの時間を検出時間とした。結果を表5に示す。置換プライマーとして、
配列番号3に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときの結果と配列番号4に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときの結果、
配列番号5に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときの結果と配列番号6に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときの結果、
配列番号7に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときの結果と配列番号8に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときの結果、および
配列番号9に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときの結果と配列番号10に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときの結果、
が、それぞれ、ほぼ同様の結果(検出時間)であることから、T7プロモータ配列(配列番号13)の有無による、置換プライマーへの影響はないことがわかる。
Figure 0006451046
実施例9 鎖置換酵素の濃度検討
実施例7に記載の置換プライマーおよび鎖置換酵素を添加した系における鎖置換酵素の最適濃度を検討した。
(1)実施例1で調製したHBV DNA溶液を、注射用水を用いて100コピー/5μL、または10コピー/5μLとなるよう希釈した。
(2)以下の組成の反応液を0.5mL容量PCR用チューブ(GeneAmp Thin−Walled Reaction Tubes、パーキンエルマー社製)に17μL/tubeで分注し、これに前記HBV DNA溶液5μLを添加した。
反応液の組成:濃度は開始液添加後(30μL中)の最終濃度
60mM Tris−HCl(pH8.6)
各0.3mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP
各3mM ATP、CTP、UTP、GTP
3.4mM ITP
1μM 第一のプライマー(配列番号2)
0.1μM 置換プライマー(配列番号4)
1μM 第二のプライマー(配列番号12)
36nM INAFプローブ(配列番号11)(実施例3で調製)
67mM トレハロース
0.8U、1U、2U、4Uまたは8U 96−7 DNAポリメラーゼ
6.4U AMV逆転写酵素
142U 耐熱性T7 RNAポリメラーゼ(WO2010/016621号)
(3)上記反応液を46℃で5分間保温後、実施例4(3)に記載の組成からなる開始液8μLを添加した。
(4)実施例4(4)に記載の方法で反応溶液の蛍光強度(励起波長470nm、蛍光波長520nm)を経時的に測定した。
酵素添加時を0分として、反応液の蛍光強度比が1.2を超えた場合を(+)判定とし、そのときの時間を検出時間とした。結果を表6に示す。鎖置換酵素を0.8U以上添加していれば100コピー/テストのHBV DNAを5分以内に検出できるが、鎖置換酵素を2.0U以上添加すると10コピー/テストのHBV DNAを5分以内に検出できるため、より好ましいといえる。
Figure 0006451046
実施例10 AMV逆転写酵素の濃度
実施例7に記載の置換プライマーおよび鎖置換酵素を添加した系におけるAMV逆転写酵素の最適濃度を検討した。
(1)実施例1で調製したHBV DNA溶液を、注射用水を用いて100コピー/5μL、または10コピー/5μLとなるよう希釈した。
(2)以下の組成の反応液を0.5mL容量PCR用チューブ(GeneAmp Thin−Walled Reaction Tubes、パーキンエルマー社製)に17μL/tubeで分注し、これに前記HBV DNA溶液5μLを添加した。
反応液の組成:濃度は開始液添加後(30μL中)の最終濃度
60mM Tris−HCl(pH8.6)
各0.3mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP
各3mM ATP、CTP、UTP、GTP
3.4mM ITP
1μM 第一のプライマー(配列番号2)
0.1μM 置換プライマー(配列番号4)
1μM 第二のプライマー(配列番号12)
36nM INAFプローブ(配列番号11)(実施例3で調製)
67mM トレハロース
2U 96−7 DNAポリメラーゼ
0.8U、1.6U、2.4U、3.2U、6.4U、8.6U、9.6Uまたは19.2U AMV逆転写酵素
142U 耐熱性T7 RNAポリメラーゼ(WO2010/016621号)
(3)上記反応液を46℃で5分間保温後、実施例4(3)に記載の組成からなる開始液8μLを添加した。
(4)実施例4(4)に記載の方法で反応溶液の蛍光強度(励起波長470nm、蛍光波長520nm)を経時的に測定した。
酵素添加時を0分として、反応液の蛍光強度比が1.2を超えた場合を(+)判定とし、そのときの時間を検出時間とした。結果を表7に示す。100コピー/テストの結果でAMV逆転写酵素の添加量が0.8Uから9.6Uまでは検出時間に差がないことから、AMV逆転写酵素の添加量は0.5Uから10Uまでの間であればよいことがわかる。
Figure 0006451046
実施例11 置換プライマーを複数種類用いたことによる等温増幅法への影響
実施例6に記載の反応系(置換プライマーおよび鎖置換酵素を添加した系)において、置換プライマーを複数種類添加することによる、等温増幅法を用いたHBV DNA検出への影響を調べた。
(1)実施例1で調製したHBV DNA溶液を、注射用水を用いて30コピー/5μLとなるよう希釈した。
(2)以下の組成の反応液を0.5mL容量PCR用チューブ(GeneAmp Thin−Walled Reaction Tubes、パーキンエルマー社製)に17μL/tubeで分注し、これに前記HBV DNA溶液5μLを添加した。
反応液の組成:濃度は開始液添加後(30μL中)の最終濃度
60mM Tris−HCl(pH8.6)
各0.3mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP
各3mM ATP、CTP、UTP、GTP
3.4mM ITP
1μM 第一のプライマー(配列番号2)
各0.025μMから0.1μM 置換プライマー(配列番号4、6、8および10の中から組み合わせて使用)
1μM 第二のプライマー(配列番号12)
36nM INAFプローブ(配列番号11)(実施例3で調製)
67mM トレハロース
2U 96−7 DNAポリメラーゼ
0.8U AMV逆転写酵素
142U 耐熱性T7 RNAポリメラーゼ(WO2010/016621号)
(3)上記反応液を46℃で5分間保温後、実施例4(3)に記載の組成からなる開始液8μLを添加した。
(4)実施例4(4)に記載の方法で反応溶液の蛍光強度(励起波長470nm、蛍光波長520nm)を経時的に測定した。
酵素添加時を0分として、反応液の蛍光強度比が1.2を超えた場合を(+)判定とし、そのときの時間を検出時間とした。結果を表8に示す。置換プライマーを複数種類添加しても、検出性能への影響はほとんどないことがわかる。なお置換プライマーを添加しない系では、30コピー/テストのHBV DNAは検出できなかった。
Figure 0006451046
実施例12 鎖置換酵素を使用した等温増幅法による合成一本鎖DNAの検出
合成一本鎖DNAを標的核酸としたときの、等温増幅法による前記標的核酸の検出を試みた。
(1)配列番号14に記載の配列からなるポリヌクレオチドを合成し、注射用水を用いて10コピー/5μL、10コピー/5μL、10コピー/5μL、10コピー/5μL、10コピー/5μL、または10コピー/5μLとなるよう希釈して、合成一本鎖DNA試料を調製した。
(2)以下の組成の反応液を0.5mL容量PCR用チューブ(GeneAmp Thin−Walled Reaction Tubes、パーキンエルマー社製)に17μL/tubeで分注し、これに(1)で調製した一本鎖DNA試料5μLを添加した。
反応液の組成:濃度は開始液添加後(30μL中)の最終濃度
60mM Tris−HCl(pH8.6)
各0.3mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP
各3mM ATP、CTP、UTP、GTP
3.4mM ITP
1μM 第一のプライマー(配列番号2)
0.1μM 置換プライマー(配列番号4)
1μM 第二のプライマー(配列番号12)
36nM INAFプローブ(配列番号11)(実施例3で調製)
67mM トレハロース
2U 96−7 DNAポリメラーゼ
0.8U AMV逆転写酵素
142U 耐熱性T7 RNAポリメラーゼ(WO2010/016621号)
(3)上記反応液を46℃で5分間保温後、実施例4(3)に記載の組成からなる開始液8μLを添加した。
(4)実施例4(4)に記載の方法で反応溶液の蛍光強度(励起波長470nm、蛍光波長520nm)を経時的に測定した。
酵素添加時を0分として、反応液の蛍光強度比が1.2を超えた場合を(+)判定とし、そのときの時間を検出時間とした。結果を表9に示す。合成一本鎖DNAの検出感度は10コピー/テストであった。
Figure 0006451046
実施例13 鎖置換酵素を使用した等温増幅法による二本鎖DNAの検出
二本鎖DNAを標的核酸としたときの、等温増幅法による前記標的核酸の検出を試みた。
(1)実施例2で調製した二本鎖DNAを、注射用水を用いて10コピー/5μL、10コピー/5μL、10コピー/5μL、または10コピー/5μLとなるよう希釈して、二本鎖DNA試料を調製した。
(2)以下の組成の反応液を0.5mL容量PCR用チューブ(GeneAmp Thin−Walled Reaction Tubes、パーキンエルマー社製)に17μL/tubeで分注し、これに(1)で調製した二本鎖DNA試料5μLを添加した。
反応液の組成:濃度は開始液添加後(30μL中)の最終濃度
60mM Tris−HCl(pH8.6)
各0.3mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP
各3mM ATP、CTP、UTP、GTP
3.4mM ITP
1μM 第一のプライマー(配列番号2)
0.1μM 置換プライマー(配列番号4)
1μM 第二のプライマー(配列番号12)
36nM INAFプローブ(配列番号11)(実施例3で調製)
67mM トレハロース
2U 96−7 DNAポリメラーゼ
0.8U AMV逆転写酵素
142U 耐熱性T7 RNAポリメラーゼ(WO2010/016621号)
(3)上記反応液を46℃で5分間保温後、実施例4(3)に記載の組成からなる開始液8μLを添加した。
(4)実施例4(4)に記載の方法で反応溶液の蛍光強度(励起波長470nm、蛍光波長520nm)を経時的に測定した。
酵素添加時を0分として、反応液の蛍光強度比が1.2を超えた場合を(+)判定とし、そのときの時間を検出時間とした。結果を表10に示す。二本鎖DNAの検出感度は10コピー/テストであった。一方(2)に記載の反応液の組成から、置換プライマーと鎖置換酵素を除いた系で同様の検出を試みたが、二本鎖DNAの検出感度は10コピー/テストであった。すなわち、置換プライマーおよび鎖置換酵素を等温増幅系に添加することで、二本鎖DNAの検出感度が大幅に向上することがわかる。
Figure 0006451046
実施例14 鎖置換酵素を使用した等温増幅法によるRNAの検出
一本鎖RNAを標的核酸としたときの、等温増幅法による前記標的核酸の検出を試みた。
(1)一本鎖RNAとしてサバイビンmRNA(配列番号22)を用いた。サバイビンmRNAを注射用水を用いて100コピー/5μL、または30コピー/5μLとなるよう希釈し、RNA試料を調製した。
(2)以下の組成の反応液を0.5mL容量PCR用チューブ(GeneAmp Thin−Walled Reaction Tubes、パーキンエルマー社製)に17μL/tubeで分注し、これに(1)で調製したRNA試料5μLを添加した。なお切断用オリゴヌクレオチドとは、標的核酸における第一のプライマーとの相同領域の5’末端側と重複し、かつ当該重複部位から5’末端側に隣接した領域に相補的な配列を有したオリゴヌクレオチドである。切断用ヌクレオチドおよびAMV逆転写酵素が有するリボヌクレアーゼH(RNase H)活性により、前記第一のプライマーとの相同領域の5’末端側のRNAを切断することで、cDNA合成後に、cDNAにハイブリダイズした第一のプライマーのプロモーター配列に相補的なDNA鎖を、cDNAの3’末端を伸長させることで効率的に合成でき、結果として効率的に機能的な2本鎖DNAプロモーター構造を形成することができる。
反応液の組成:濃度は開始液添加後(30μL中)の最終濃度
60mM Tris−HCl(pH8.6)
各0.3mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP
各3mM ATP、CTP、UTP、GTP
3.4mM ITP
1μM 第一のプライマー(配列番号18)
1μM 第二のプライマー(配列番号21)
36nM INAFプローブ(配列番号20)(実施例3で調製)
67mM トレハロース
0.8U AMV逆転写酵素
142U 耐熱性T7 RNAポリメラーゼ(WO2010/016621号)
(以下、必要に応じ添加)
0.2μM 切断用オリゴヌクレオチド(以下、シザープローブ)(配列番号19に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドのうち3’末端側の水酸基をアミノ基で修飾)
0.1μM 置換プライマー(配列番号17)
2U 96−7 DNAポリメラーゼ
(3)上記反応液を46℃で5分間保温後、実施例4(3)に記載の組成からなる開始液8μLを添加した。
(4)実施例4(4)に記載の方法で反応溶液の蛍光強度(励起波長470nm、蛍光波長520nm)を経時的に測定した。
酵素添加時を0分として、反応液の蛍光強度比が1.2を超えた場合を(+)判定とし、そのときの時間を検出時間とした。結果を表11に示す。一本鎖RNAの検出においても置換プライマーおよび/または鎖置換酵素を添加することで、検出感度が向上していることがわかる。なお、置換プライマーおよび鎖置換酵素を添加した場合は、シザープローブの添加がなくとも30コピー/テストの一本鎖RNAが検出できることがわかる。
Figure 0006451046

Claims (8)

  1. RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素と、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素と、リボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素と、RNAポリメラーゼ活性を有する酵素と、5’末端側に前記RNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した標的核酸の一部と相同的な配列を有する第一のプライマーと、標的核酸の一部と相補的な配列を有する第二のプライマーと、を含む前記標的核酸の増幅試薬であって、
    第一のプライマーに対して5’末端側の位置にある標的核酸の一部と相同的な配列を有する第三のプライマー、および鎖置換活性を有する酵素をさらに含み、
    前記鎖置換活性を有する酵素がBsu DNAポリメラーゼ、Bst DNAポリメラーゼ、および96−7DNAポリメラーゼから選択されるいずれかであ
    RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素と、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素と、RNase H活性を有する酵素とが、AMV逆転写酵素である、
    前記増幅試薬。
  2. RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素と、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素と、リボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素と、RNAポリメラーゼ活性を有する酵素と、標的核酸の一部と相同的な配列を有する第一のプライマーと、5’末端側に前記RNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した標的核酸の一部と相補的な配列を有する第二のプライマーと、を含む前記標的核酸の増幅試薬であって、
    第二のプライマーに対して5’末端側の位置にある標的核酸の一部と相補的な配列を有する第三のプライマー、および鎖置換活性を有する酵素をさらに含み、
    前記鎖置換活性を有する酵素がBsu DNAポリメラーゼ、Bst DNAポリメラーゼ、および96−7DNAポリメラーゼから選択されるいずれかであ
    RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素と、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素と、RNase H活性を有する酵素とが、AMV逆転写酵素である、
    前記増幅試薬。
  3. 増幅した標的核酸の一部と相補的二本鎖を形成すると形成前と比較し蛍光特性が変化するオリゴヌクレオチドプローブを、請求項1または2に記載の増幅試薬にさらに含んでなる、標的核酸の検出試薬。
  4. 以下の(1)から(7)の工程を含む、標的核酸の増幅方法であって、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素と、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素と、RNase H活性を有する酵素とが、AMV逆転写酵素である、方法
    (1)5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した標的核酸の一部と相同的な配列を有する第一のプライマー、およびRNA依存性またはDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、標的核酸の相補鎖から、標的核酸に相同的なDNAを合成する工程
    (2)第一のプライマーに対して5’末端側の位置にある標的核酸の一部と相同的な配列を有する第三のプライマー、および鎖置換活性を有する酵素を用いて、前記(1)で合成したDNAを一本鎖DNAとする工程であって、前記鎖置換活性を有する酵素がBsu DNAポリメラーゼ、Bst DNAポリメラーゼ、および96−7DNAポリメラーゼから選択されるいずれかである、工程
    (3)標的核酸の一部と相補的な配列を有する第二のプライマー、およびDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(2)で得られた一本鎖DNAから、5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した二本鎖DNAを合成する工程
    (4)前記プロモータ配列に対応したRNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(3)で得られた二本鎖DNAから、RNA転写産物を合成する工程
    (5)第二のプライマー、およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(4)のRNA転写産物から、標的核酸に相補的なcDNAを合成する工程、
    (6)リボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素を用いて、RNA−DNA2本鎖のRNAを分解する工程(一本鎖DNAの生成)
    (7)(6)で得られた一本鎖DNAを鋳型に連鎖的にRNA転写産物を合成する工程
  5. 以下の(1)から(7)の工程を含む、標的核酸の増幅方法であって、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素と、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素と、RNase H活性を有する酵素とが、AMV逆転写酵素である、方法
    (1)5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した標的核酸の一部と相補的な配列を有する第二のプライマー、およびRNA依存性またはDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、標的核酸から、標的核酸に相補的なDNAを合成する工程
    (2)第二のプライマーに対して5’末端側の位置にある標的核酸の一部と相補的な配列を有する第三のプライマー、および鎖置換活性を有する酵素を用いて、前記(1)で合成したDNAを一本鎖DNAとする工程であって、前記鎖置換活性を有する酵素がBsu DNAポリメラーゼ、Bst DNAポリメラーゼ、および96−7DNAポリメラーゼから選択されるいずれかである、工程
    (3)標的核酸の一部と相同的な配列を有する第一のプライマー、およびDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(2)で得られた一本鎖DNAから、5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した二本鎖DNAを合成する工程
    (4)前記プロモータ配列に対応したRNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(3)で得られた二本鎖DNAから、RNA転写産物を合成する工程
    (5)第一のプライマー、およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(4)のRNA転写産物から、標的核酸に相同的なcDNAを合成する工程、
    (6)リボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素を用いて、RNA−DNA2本鎖のRNAを分解する工程(一本鎖DNAの生成)
    (7)(6)で得られた一本鎖DNAを鋳型に連鎖的にRNA転写産物を合成する工程
  6. 以下の(1)から(9)の工程を含む、標的核酸の増幅方法であって、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素と、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素と、RNase H活性を有する酵素とが、AMV逆転写酵素である、方法
    (1)標的核酸の一部と相補的な配列を有する第二のプライマー、およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、標的RNAから、標的核酸に相補的なcDNAを合成する工程
    (2)リボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素を用いて、RNA−DNA2本鎖のRNAを分解する工程(一本鎖DNAの生成)
    (3)5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した標的核酸の一部と相同的な配列を有する第一のプライマー、およびDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(2)で得られた一本鎖DNAから、二本鎖DNAを合成する工程
    (4)第一のプライマーに対して5’末端側の位置にある標的核酸の一部と相同的な配列を有する第三のプライマー、および鎖置換活性を有する酵素を用いて、前記(3)で合成した5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加したDNAを一本鎖DNAとする工程であって、前記鎖置換活性を有する酵素がBsu DNAポリメラーゼ、Bst DNAポリメラーゼ、および96−7DNAポリメラーゼから選択されるいずれかである、工程
    (5)第二のプライマー、およびDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(4)で得られた一本鎖DNAから、5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した二本鎖DNAを合成する工程
    (6)前記プロモータ配列に対応したRNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(5)で得られた二本鎖DNAから、RNA転写産物を合成する工程
    (7)第二のプライマー、およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(6)のRNA転写産物から、標的核酸に相補的なcDNAを合成する工程、
    (8)RNase H活性を有する酵素を用いて、RNA−DNA2本鎖のRNAを分解する工程(一本鎖DNAの生成)
    (9)(8)で得られた一本鎖DNAを鋳型に連鎖的にRNA転写産物を合成する工程
  7. RNA転写産物の一部と相補的二本鎖を形成すると形成前と比較し蛍光特性が変化するオリゴヌクレオチドプローブを用いて検出する工程を、請求項からのいずれかに記載の標的核酸の増幅方法にさらに含んでなる、標的核酸の検出方法。
  8. 標的核酸の増幅を一定温度で行う、請求項4から7のいずれかに記載の方法。
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