JP2014140367A - B型肝炎ウイルスdna増幅用プライマーおよびそれを用いたb型肝炎ウイルスdna検出法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 一定温度でRNAを増幅する方法を用いてもHBV DNAを特異的に増幅可能なプライマー、一定温度でRNAを増幅する方法を用いたHBVの検出方法および検出試薬を提供すること。
【解決の手段】 試料中に含まれるB型肝炎ウイルス(HBV)DNAの特定塩基配列の一部と相同的な配列を有する特定の塩基配列からなる第一のプライマーと、前記特定塩基配列の一部と相補的な配列を有する特定の塩基配列からなる第二のプライマーとからなる、前記特定塩基配列を含む核酸を増幅するためのプライマーセットにより、前記課題を解決する。
【選択図】 なし
【解決の手段】 試料中に含まれるB型肝炎ウイルス(HBV)DNAの特定塩基配列の一部と相同的な配列を有する特定の塩基配列からなる第一のプライマーと、前記特定塩基配列の一部と相補的な配列を有する特定の塩基配列からなる第二のプライマーとからなる、前記特定塩基配列を含む核酸を増幅するためのプライマーセットにより、前記課題を解決する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、試料中に含まれるB型肝炎ウイルス(HBV)のゲノムDNAの特定塩基配列を特異的に増幅可能なプライマーおよびそれを用いたHBV DNAの検出法に関する。
B型肝炎ウイルス(HBV)は、42nmのウイルス粒子サイズを有する部分的二本鎖環状DNAウイルスであり、世界中で20億以上の人々に感染してきたと推定されている。HBVは、軽度の潜伏性の感染から、慢性の活動的で劇症性の肝炎に至るまで、様々な病状を引き起こすことが知られている。4億人以上の人々、特に、子供と高齢者が、HBVに慢性的に感染している。B型肝炎ウイルスは、AIDSウイルスより100倍以上感染性が高いが、ワクチン接種によって予防することが可能である。このためHBV感染を管理する上で中心となる戦略は、汎用的なワクチン接種並びに感染個体の早期検出及び治療である。
HBV検査においては、HBV DNAを標的としたPCR法を利用した検査が汎用されており、HBV DNAを高感度に検出することができる。またPCR工程をインターカレーター性蛍光色素存在下で実施して蛍光増加を経時的に測定するKinetic PCR法も汎用されており、PCR工程および測定工程を20分以内に実施することができる。しかしながら前記方法は、プライマーダイマーなどの非特異増幅産物も検出してしまうという問題があった。さらにPCR法は急激に反応温度を昇降させる必要があり、自動化の際の反応装置の省力化や低コスト化のための障壁となっていた。
一方で、NASBA法(特許文献1および2)、TMA法(特許文献3)、TRC法(特許文献4および非特許文献1)といった一定温度で核酸を増幅する方法が知られている。これらの方法は反応温度の昇降が不要な点で簡便に核酸を増幅することができるため、自動化の際の反応装置の省力化や低コスト化に寄与することができる。しかしながら、これらの増幅方法はRNAを増幅する方法であり、標的がDNAの場合、増幅が困難であった。
Ishiguro,T.et al,Analytical Biochemistry,314,77−86(2003)
ウイルスにはRNAウイルスとDNAウイルスが存在しているため、両ウイルスを同じ増幅検出方法を用いて検出できるのが望ましい。しかしながら、NASBA法、TMA法、TRC法といった一定温度でRNAを増幅する方法では、DNAの増幅が困難であるため、DNAウイルスであるB型肝炎ウイルス(HBV)の検出は困難であった。
そこで本発明の目的は、一定温度で核酸増幅する方法を用いてもHBV DNAを特異的に増幅可能なプライマーセットを提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、一定温度で核酸増幅する方法を用いてもHBV DNAを特異的に増幅可能なプライマーセットを見出し、本発明を完成するにいたった。
すなわち本発明の第一の態様は、
試料中に含まれるB型肝炎ウイルス(HBV)DNAの特定塩基配列の一部と相同的な配列を有する第一のプライマーと、前記特定塩基配列の一部と相補的な配列を有する第二のプライマーとからなる、前記特定塩基配列を含む核酸を増幅するためのプライマーセットであって、
第一のプライマーが、配列番号1、3、5、39、41、43のいずれかに記載の塩基配列の相補配列とストリンジェントな条件下で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドからなり、
第二のプライマーが、配列番号11または12に記載の塩基配列の相補配列とストリンジェントな条件下で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドからなる、
前記プライマーセットである。
試料中に含まれるB型肝炎ウイルス(HBV)DNAの特定塩基配列の一部と相同的な配列を有する第一のプライマーと、前記特定塩基配列の一部と相補的な配列を有する第二のプライマーとからなる、前記特定塩基配列を含む核酸を増幅するためのプライマーセットであって、
第一のプライマーが、配列番号1、3、5、39、41、43のいずれかに記載の塩基配列の相補配列とストリンジェントな条件下で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドからなり、
第二のプライマーが、配列番号11または12に記載の塩基配列の相補配列とストリンジェントな条件下で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドからなる、
前記プライマーセットである。
また本発明の第二の態様は、第一のプライマーが配列番号1、3、5、39、41、43のいずれかに記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであり、第二のプライマーが、配列番号11または12に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである、前記第一の態様に記載のプライマーセットである。
また本発明の第三の態様は、第一または第二のプライマーのいずれか一方の5’末端側にRNAポリメラーゼのプロモーターがさらに付加されている、前記第一または第二の態様に記載のプライマーセットである。
また本発明の第四の態様は、5’末端側にRNAポリメラーゼのプロモーターが付加されるプライマーが第一のプライマーであり、さらに配列番号5、39、41、43のいずれかに記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである第三のプライマーを一つ以上含む、前記第三の態様に記載のプライマーセットである。
また本発明の第五の態様は、第三のプライマーの5’末端側にRNAポリメラーゼのプロモーターがさらに付加されている、前記第四の態様に記載のプライマーセットである。
さらに本発明の第六の態様は、前記第一から第五の態様のいずれかに記載のプライマーセットで増幅した、特定塩基配列を含む核酸を、前記特定塩基配列の一部とストリンジェントな条件下で特異的にハイブリダイズ可能なインターカレーター性蛍光色素を標識した核酸プローブを用いて、HBV DNAを検出する方法である。
また本発明の第七の態様は、インターカレーター性蛍光色素を標識した核酸プローブを構成するオリゴヌクレオチドが、配列番号15または16に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである、前記第六の態様に記載の検出方法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において特定塩基配列とは、B型肝炎ウイルス(HBV)DNAのうち、第一のプライマーとの相同領域の5’末端から第二のプライマーとの相補領域の3’末端までの塩基配列に相同的または相補的な塩基配列のことをいう。
本発明におけるストリンジェントな条件の例として、42℃において、50%(v/v)ホルムアミド、0.1%ウシ血清アルブミン、0.1%フィコール、0.1%のポリビニルピロリドン、50mMリン酸ナトリウムバッファー(pH6.5)、150mMの塩化ナトリウム、75mMクエン酸ナトリウムが存在する条件や、本明細書の実施例に記載の核酸増幅条件があげられる。
本発明は、B型肝炎ウイルス(HBV)DNAの特定塩基配列の一部と相同的な配列を有する第一のプライマーとして、配列番号1(GenBank No.AB014370の178番目から204番目までの塩基配列)、配列番号3(GenBank No.AB014370の347番目から366番目までの塩基配列)、配列番号5(GenBank No.AB014370の301番目から320番目までの塩基配列)、配列番号39(GenBank No.AB014370の265番目から284番目までの塩基配列)、配列番号41(GenBank No.AB014370の245番目から264番目までの塩基配列)、配列番号43(GenBank No.AB554017の225番目から244番目までの塩基配列)のいずれかに記載の塩基配列の相補配列とストリンジェントな条件下で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドからなり、前記特定塩基配列の一部と相補的な配列を有する第二のプライマーとして、配列番号11(GenBank No.AB014370の301番目から320番目までの塩基配列の相補配列)または配列番号12(GenBank No.AB014370の455番目から480番目までの塩基配列の相補配列)に記載の塩基配列の相補配列とストリンジェントな条件下で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドからなることを特徴としている。すなわち、前述したストリンジェントな条件下で、前記塩基配列の相補配列と、十分に特異的かつ高効率にハイブリダイゼーション可能であれば、塩基配列の置換、欠失、付加、修飾があってもよい。なお配列番号1、3、5、39、41、43、11、12はいずれもHBVの各遺伝子型(A型からH型、配列番号21から37)に対して相同性の高い領域である(図1から24)。このため本発明のプライマーセットは、HBV DNAの特定核酸配列を含む核酸を遺伝子型を問わず特異的に増幅することができる。
本発明のプライマーセットは、PCR法など当業者が通常用いる核酸増幅法を利用したHBV DNAの特定塩基配列を含む核酸を増幅するためのプライマーセットとして有用である。なお第一または第二のプライマーのいずれか一方の5’末端側にRNAポリメラーゼのプロモーターをさらに付加させると、RNAポリメラーゼのプロモーターを付加した特定塩基配列を含む核酸が合成されるため、当該核酸から、NASBA法、TMA法、TRC法といった一定温度でRNAを増幅する方法により、RNAを増幅させることができるため、好ましい。RNAポリメラーゼのプロモーターの例として、T7 RNAポリメラーゼのプロモーター(T7プロモーター)である配列番号19に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドがあげられる。
また、5’末端側にRNAポリメラーゼのプロモーターが付加されるプライマーが第一のプライマーであり、さらに配列番号5(GenBank No.AB014370の301番目から320番目までの塩基配列)、39(GenBank No.AB014370の265番目から284番目までの塩基配列)、41(GenBank No.AB014370の245番目から264番目までの塩基配列)、43(GenBank No.AB554017の225番目から244番目までの塩基配列)のいずれかに記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである第三のプライマーを本発明のプライマーセットに一つ以上追加すると、NASBA法、TMA法、TRC法といった一定温度でRNAを増幅する方法におけるHBV DNAの検出感度および/または検出時間が向上するため好ましい。なお、第三のプライマーは本発明のプライマーセットに複数種類追加してもよく、その5’末端側にRNAポリメラーゼのプロモーターを付加してもよい。さらに前記好ましい態様では、一定温度でRNAを増幅する系に鎖置換酵素をさらに追加すると好ましく、好ましい鎖置換酵素の例としては、Bsu DNAポリメラーゼ、Bst DNAポリメラーゼ、96−7DNAポリメラーゼがあげられる。
本発明のプライマーセットを用いて増幅した、HBV DNAの特定塩基配列を含む核酸は、前記特定塩基配列の一部とストリンジェントな条件下で特異的にハイブリダイズ可能なインターカレーター性蛍光色素を標識した核酸プローブを用いて検出すると、前記特定塩基配列を含む核酸の増幅と検出を一段階かつ密閉容器内で行なえるため、好ましい。特に好ましくは、前記核酸プローブを構成するオリゴヌクレオチドが、配列番号15(GenBank No.AB014370の262番目から283番目までの塩基配列の相補配列)または配列番号16(GenBank No.AB014370の381番目から399番目までの塩基配列の相補配列)に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである、前記核酸プローブを用いた検出である。
本発明のプライマーセットは、一定温度で核酸増幅する方法を用いてもB型肝炎ウイルス(HBV)DNAを特異的に増幅可能なプライマーセットであり、本プライマーセットにより、NASBA法、TMA法、TRC法といった一定温度でRNAを増幅する方法を用いても、HBV DNAを検出することができる。
以下、本発明の実施の形態について、実施例を用いて詳細に説明するが、本実施例は本発明の実施の一形態を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。
実施例1 B型肝炎ウイルス(HBV)のDNAの調製
HBVのDNAは、ZeptoMetrix Corporationより購入した不活化ウイルスより、QIAamp DNA Blood Mini Kit(QIAGEN社製)を用いて、当該キットのマニュアルに従い抽出して得た。
HBVのDNAは、ZeptoMetrix Corporationより購入した不活化ウイルスより、QIAamp DNA Blood Mini Kit(QIAGEN社製)を用いて、当該キットのマニュアルに従い抽出して得た。
実施例2 インターカレーター性蛍光色素標識核酸プローブ(INAFプローブ)の作製
Ishiguroらの方法(Ishiguro,T.et al,Nucleic Acids Res.,24,4992−4997(1996))により、配列番号15に記載の配列の5’末端から17番目のGと18番目のAの間、配列番号16に記載の配列の5’末端から5番目のTと6番目のAの間、配列番号17に記載の配列の5’末端から8番目のTと9番目のAの間、配列番号18に記載の配列の5’末端から12番目のGと13番目のAの間のリン酸ジエステル部分にリンカーを介してオキサゾールイエローを結合させたオキサゾールイエロー標識核酸プローブを調製した(図25)。
Ishiguroらの方法(Ishiguro,T.et al,Nucleic Acids Res.,24,4992−4997(1996))により、配列番号15に記載の配列の5’末端から17番目のGと18番目のAの間、配列番号16に記載の配列の5’末端から5番目のTと6番目のAの間、配列番号17に記載の配列の5’末端から8番目のTと9番目のAの間、配列番号18に記載の配列の5’末端から12番目のGと13番目のAの間のリン酸ジエステル部分にリンカーを介してオキサゾールイエローを結合させたオキサゾールイエロー標識核酸プローブを調製した(図25)。
実施例3 等温増幅法を用いたB型肝炎ウイルス(HBV)DNAの検出
下記に示すオリゴヌクレオチドの組み合わせを用いて、等温増幅法によるHBV DNAの検出を試みた。なお第一のプライマーのうち、配列番号2は配列番号1の5’末端側に、配列番号4は配列番号3の5’末端側に、配列番号6は配列番号5の5’末端側に、配列番号8は配列番号7の5’末端側に、配列番号10は配列番号9の5’末端側に、それぞれT7プロモータ配列(配列番号19)を付加したものである。
(A)第一のプライマー:配列番号2、第二のプライマー:配列番号11、インターカレーター性蛍光色素標識核酸プローブ:配列番号15
(B)第一のプライマー:配列番号4、第二のプライマー:配列番号12、インターカレーター性蛍光色素標識核酸プローブ:配列番号16
(C)第一のプライマー:配列番号6、第二のプライマー:配列番号12、インターカレーター性蛍光色素標識核酸プローブ:配列番号16
(D)第一のプライマー:配列番号8、第二のプライマー:配列番号13、インターカレーター性蛍光色素標識核酸プローブ:配列番号17
(E)第一のプライマー:配列番号10、第二のプライマー:配列番号14、インターカレーター性蛍光色素標識核酸プローブ:配列番号18
(1)実施例1で調製したB型肝炎ウイルスDNAを、注射用水を用いて167IU、84IU、55.7IU、16.7IUまたは1.67IU(1IUは約6コピー)/5μlとなるよう希釈し、ウイルスDNA試料として用いた。
(2)以下の組成の反応液20μLを0.5mL容量PCR用チューブ(GeneAmp Thin−Walled Reaction Tubes、パーキンエルマー製)に分注し、これに前記ウイルスDNA溶液5μLを添加した。
〔反応液の組成:濃度は酵素液添加後(30μL中)の最終濃度〕
60mM Tris−HCl(pH8.6);
19mM 塩化マグネシウム;
61.7mM 塩化カリウム;
各0.3mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP;
各3mM ATP、CTP、UTP、GTP;
3.4mM ITP;
1μM 第一のプライマー;
1μM 第二のプライマー;
36nM インターカレーター性蛍光色素標識核酸プローブ(実施例2で調製)
10.5% DMSO;
(3)前述の反応液を、46℃で5分間保温後、以下の組成で、予め46℃で2分間保温した酵素液5μLを添加した。
〔酵素液の組成:5μL中の最終濃度〕
25wt% グリセロール;
400mM トレハロース;
200mM 塩化カリウム;
6.4U/30μL AMV逆転写酵素;
142U/30μL 耐熱性T7 RNAポリメラーゼ(WO2010/016621号);
(4)引き続きPCRチューブを直接測定可能な温調機能付き蛍光分光光度計を用い、46℃の一定温度で反応させると同時に反応溶液の蛍光強度(励起波長470nm、蛍光波長520nm)を経時的に測定した。酵素添加時を0分として、反応液の蛍光強度比が1.2を超えた場合を(+)判定とし、そのときの時間を検出時間とした。
(5)対照として、前記(A)から(E)に示すオリゴヌクレオチドの組み合わせのうち、第一のプライマーと第二のプライマーとTaq DNAポリメラーゼとを含む10μLのPCR溶液に、配列番号20に記載の配列からなるHBV DNAを鋳型とした合成核酸5μLを添加後、94℃で10秒−55℃で30秒−72℃で20秒からなるPCR反応を30サイクルの条件で行ない、電気泳動を用いて増幅産物を確認した。
下記に示すオリゴヌクレオチドの組み合わせを用いて、等温増幅法によるHBV DNAの検出を試みた。なお第一のプライマーのうち、配列番号2は配列番号1の5’末端側に、配列番号4は配列番号3の5’末端側に、配列番号6は配列番号5の5’末端側に、配列番号8は配列番号7の5’末端側に、配列番号10は配列番号9の5’末端側に、それぞれT7プロモータ配列(配列番号19)を付加したものである。
(A)第一のプライマー:配列番号2、第二のプライマー:配列番号11、インターカレーター性蛍光色素標識核酸プローブ:配列番号15
(B)第一のプライマー:配列番号4、第二のプライマー:配列番号12、インターカレーター性蛍光色素標識核酸プローブ:配列番号16
(C)第一のプライマー:配列番号6、第二のプライマー:配列番号12、インターカレーター性蛍光色素標識核酸プローブ:配列番号16
(D)第一のプライマー:配列番号8、第二のプライマー:配列番号13、インターカレーター性蛍光色素標識核酸プローブ:配列番号17
(E)第一のプライマー:配列番号10、第二のプライマー:配列番号14、インターカレーター性蛍光色素標識核酸プローブ:配列番号18
(1)実施例1で調製したB型肝炎ウイルスDNAを、注射用水を用いて167IU、84IU、55.7IU、16.7IUまたは1.67IU(1IUは約6コピー)/5μlとなるよう希釈し、ウイルスDNA試料として用いた。
(2)以下の組成の反応液20μLを0.5mL容量PCR用チューブ(GeneAmp Thin−Walled Reaction Tubes、パーキンエルマー製)に分注し、これに前記ウイルスDNA溶液5μLを添加した。
〔反応液の組成:濃度は酵素液添加後(30μL中)の最終濃度〕
60mM Tris−HCl(pH8.6);
19mM 塩化マグネシウム;
61.7mM 塩化カリウム;
各0.3mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP;
各3mM ATP、CTP、UTP、GTP;
3.4mM ITP;
1μM 第一のプライマー;
1μM 第二のプライマー;
36nM インターカレーター性蛍光色素標識核酸プローブ(実施例2で調製)
10.5% DMSO;
(3)前述の反応液を、46℃で5分間保温後、以下の組成で、予め46℃で2分間保温した酵素液5μLを添加した。
〔酵素液の組成:5μL中の最終濃度〕
25wt% グリセロール;
400mM トレハロース;
200mM 塩化カリウム;
6.4U/30μL AMV逆転写酵素;
142U/30μL 耐熱性T7 RNAポリメラーゼ(WO2010/016621号);
(4)引き続きPCRチューブを直接測定可能な温調機能付き蛍光分光光度計を用い、46℃の一定温度で反応させると同時に反応溶液の蛍光強度(励起波長470nm、蛍光波長520nm)を経時的に測定した。酵素添加時を0分として、反応液の蛍光強度比が1.2を超えた場合を(+)判定とし、そのときの時間を検出時間とした。
(5)対照として、前記(A)から(E)に示すオリゴヌクレオチドの組み合わせのうち、第一のプライマーと第二のプライマーとTaq DNAポリメラーゼとを含む10μLのPCR溶液に、配列番号20に記載の配列からなるHBV DNAを鋳型とした合成核酸5μLを添加後、94℃で10秒−55℃で30秒−72℃で20秒からなるPCR反応を30サイクルの条件で行ない、電気泳動を用いて増幅産物を確認した。
結果を表1に示す。今回検討した(A)から(E)に示すオリゴヌクレオチドの組み合わせのうち、(A)から(C)の組み合わせを用いた場合は、等温増幅法により16.7IU/テスト(100コピー/テストに相当)までのHBV DNAを検出することができた。一方(D)または(E)の組み合わせを用いた場合は、PCR法では増幅産物を確認できたものの、等温増幅法では2500IU/テスト(1.5×104コピー/テストに相当)のHBV DNAであっても検出することができなかった。このことから、PCR法によりHBV DNAの検出が可能なオリゴヌクレオチドの組み合わせを用いて、等温増幅法によるHBV DNAの検出を試みても、必ずしもHBV DNAを検出できるとはいえないことがわかる。
実施例4 PCR法と等温増幅法とを組み合わせたB型肝炎ウイルス(HBV)DNAの検出
実施例3において等温増幅法によりHBV DNAの検出が確認できた、前記(A)から(C)に示すオリゴヌクレオチドの組み合わせを用いて、PCR法と等温増幅法とを組み合わせたHBV DNAの検出を試みた。
(1)前記(A)から(C)に記載のオリゴヌクレオチドの組み合わせのうち、第一のプライマーと第二のプライマーとTaq DNAポリメラーゼとを含む10μLのPCR溶液に、実施例3(1)で調製したウイルスDNA試料5μLを添加後、94℃で10秒−55℃で30秒−72℃で20秒からなるPCR反応を1サイクルまたは2サイクル実施した。
(2)以下の組成の反応液20μLを0.5mL容量PCR用チューブ(Gene Amp Thin−Walled Reaction Tubes、パーキンエルマー製)に分注し、これに(1)の反応液5μLを添加した。
(反応液の組成:濃度は酵素液添加後(30μL中)の最終濃度)
60mM Tris−HCl (pH8.65);
19mM 塩化マグネシウム;
95mM 塩化カリウム;
各0.3mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP;
各3mM ATP、CTP、UTP、GTP;
3.4mM ITP;
1μM 第一のプライマー;
1μM 第二のプライマー;
36nM インターカレーター性蛍光色素標識核酸プローブ;
10.5% DMSO;
(4)(3)の反応液を、46℃で5分間保温後、予め46℃で2分間保温した、以下の組成の酵素液5μLを添加した。
(酵素液の組成:5μL中の最終濃度)
25wt% グリセロール;
400mM トレハロース;
200mM 塩化カリウム;
6.4U/30μL AMV逆転写酵素;
142U/30μL 耐熱性T7 RNAポリメラーゼ(WO2010/016621号);
(5)引き続きPCRチューブを直接測定可能な温調機能付き蛍光分光光度計を用い、46℃の一定温度で反応させると同時に反応溶液の蛍光強度(励起波長470nm、蛍光波長520nm)を経時的に測定した。酵素添加時を0分として、反応液の蛍光強度比が1.2を超えた場合を(+)判定とし、そのときの時間を検出時間とした。
実施例3において等温増幅法によりHBV DNAの検出が確認できた、前記(A)から(C)に示すオリゴヌクレオチドの組み合わせを用いて、PCR法と等温増幅法とを組み合わせたHBV DNAの検出を試みた。
(1)前記(A)から(C)に記載のオリゴヌクレオチドの組み合わせのうち、第一のプライマーと第二のプライマーとTaq DNAポリメラーゼとを含む10μLのPCR溶液に、実施例3(1)で調製したウイルスDNA試料5μLを添加後、94℃で10秒−55℃で30秒−72℃で20秒からなるPCR反応を1サイクルまたは2サイクル実施した。
(2)以下の組成の反応液20μLを0.5mL容量PCR用チューブ(Gene Amp Thin−Walled Reaction Tubes、パーキンエルマー製)に分注し、これに(1)の反応液5μLを添加した。
(反応液の組成:濃度は酵素液添加後(30μL中)の最終濃度)
60mM Tris−HCl (pH8.65);
19mM 塩化マグネシウム;
95mM 塩化カリウム;
各0.3mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP;
各3mM ATP、CTP、UTP、GTP;
3.4mM ITP;
1μM 第一のプライマー;
1μM 第二のプライマー;
36nM インターカレーター性蛍光色素標識核酸プローブ;
10.5% DMSO;
(4)(3)の反応液を、46℃で5分間保温後、予め46℃で2分間保温した、以下の組成の酵素液5μLを添加した。
(酵素液の組成:5μL中の最終濃度)
25wt% グリセロール;
400mM トレハロース;
200mM 塩化カリウム;
6.4U/30μL AMV逆転写酵素;
142U/30μL 耐熱性T7 RNAポリメラーゼ(WO2010/016621号);
(5)引き続きPCRチューブを直接測定可能な温調機能付き蛍光分光光度計を用い、46℃の一定温度で反応させると同時に反応溶液の蛍光強度(励起波長470nm、蛍光波長520nm)を経時的に測定した。酵素添加時を0分として、反応液の蛍光強度比が1.2を超えた場合を(+)判定とし、そのときの時間を検出時間とした。
結果を表2に示す。(A)から(C)に記載のオリゴヌクレオチドの組み合わせを用いて、PCRを1サイクル以上行ない、その後等温増幅を行なうことで、1.67IU/テスト(10コピー/テストに相当)までのHBV DNAを検出することができた。
実施例5 第三のプライマーの添加によるB型肝炎ウイルス(HBV)DNA検出への影響(その1)
第三のプライマーの添加の有無によるHBV DNA検出への影響を調べた。
(1)実施例1で調製したB型肝炎ウイルスDNAを、注射用水を用いて100コピー/5μL、または10コピー/5μLとなるよう希釈し、ウイルスDNA試料として用いた。
(2)以下の組成の反応液を0.5mL容量PCR用チューブ(GeneAmp Thin−Walled Reaction Tubes、パーキンエルマー社製)に17μL/tubeで分注し、これに前記ウイルスDNA試料5μLを添加した。
第三のプライマーの添加の有無によるHBV DNA検出への影響を調べた。
(1)実施例1で調製したB型肝炎ウイルスDNAを、注射用水を用いて100コピー/5μL、または10コピー/5μLとなるよう希釈し、ウイルスDNA試料として用いた。
(2)以下の組成の反応液を0.5mL容量PCR用チューブ(GeneAmp Thin−Walled Reaction Tubes、パーキンエルマー社製)に17μL/tubeで分注し、これに前記ウイルスDNA試料5μLを添加した。
反応液の組成:濃度は開始液添加後(30μL中)の最終濃度
60mM Tris−HCl(pH8.6)
各0.3mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP
各3mM ATP、CTP、UTP、GTP
3.4mM ITP
1μM 第一のプライマー(配列番号4)
1μM 第二のプライマー(配列番号12)
36nM INAFプローブ(配列番号16)(実施例2で調製)
67mM トレハロース
6.4U AMV逆転写酵素
142U 耐熱性T7 RNAポリメラーゼ(WO2010/016621号)
(以下、必要に応じ添加)
0.1μM 第三のプライマー(配列番号6)
2U 96−7 DNAポリメラーゼ
(3)上記反応液を46℃で5分間保温後、以下の組成の開始液8μLを添加した。
60mM Tris−HCl(pH8.6)
各0.3mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP
各3mM ATP、CTP、UTP、GTP
3.4mM ITP
1μM 第一のプライマー(配列番号4)
1μM 第二のプライマー(配列番号12)
36nM INAFプローブ(配列番号16)(実施例2で調製)
67mM トレハロース
6.4U AMV逆転写酵素
142U 耐熱性T7 RNAポリメラーゼ(WO2010/016621号)
(以下、必要に応じ添加)
0.1μM 第三のプライマー(配列番号6)
2U 96−7 DNAポリメラーゼ
(3)上記反応液を46℃で5分間保温後、以下の組成の開始液8μLを添加した。
開始液の組成:濃度は開始液添加後(30μL中)の最終濃度
3.8wt% グリセロール
19mM 塩化マグネシウム
95mM 塩化カリウム
10.5% DMSO
(4)引き続きPCR用チューブを直接測定可能な温調機能付き蛍光分光光度計を用い、46℃の一定温度で反応させると同時に反応溶液の蛍光強度(励起波長470nm、蛍光波長520nm)を経時的に測定した。
3.8wt% グリセロール
19mM 塩化マグネシウム
95mM 塩化カリウム
10.5% DMSO
(4)引き続きPCR用チューブを直接測定可能な温調機能付き蛍光分光光度計を用い、46℃の一定温度で反応させると同時に反応溶液の蛍光強度(励起波長470nm、蛍光波長520nm)を経時的に測定した。
酵素添加時を0分として、反応液の蛍光強度比が1.2を超えた場合を(+)判定とし、そのときの時間を検出時間とした。結果を表3に示す。第三のプライマーの添加により、HBV DNAの検出時間が向上し、さらに鎖置換酵素を添加するとHBV DNAの検出時間および検出感度がさらに向上することがわかる。
実施例6 第三のプライマーの添加によるB型肝炎ウイルス(HBV)DNA検出への影響(その2)
実施例5に記載の第三のプライマーおよび鎖置換酵素を添加した系のうち、第三のプライマーを替えたことによるHBV DNA検出への影響を調べた。
(1)実施例1で調製したB型肝炎ウイルスDNAを、注射用水を用いて30コピー/5μLとなるよう希釈し、ウイルスDNA試料として用いた。
(2)以下の組成の反応液を0.5mL容量PCR用チューブ(GeneAmp Thin−Walled Reaction Tubes、パーキンエルマー社製)に17μL/tubeで分注し、これに前記ウイルスDNA試料5μLを添加した。
実施例5に記載の第三のプライマーおよび鎖置換酵素を添加した系のうち、第三のプライマーを替えたことによるHBV DNA検出への影響を調べた。
(1)実施例1で調製したB型肝炎ウイルスDNAを、注射用水を用いて30コピー/5μLとなるよう希釈し、ウイルスDNA試料として用いた。
(2)以下の組成の反応液を0.5mL容量PCR用チューブ(GeneAmp Thin−Walled Reaction Tubes、パーキンエルマー社製)に17μL/tubeで分注し、これに前記ウイルスDNA試料5μLを添加した。
反応液の組成:濃度は開始液添加後(30μL中)の最終濃度
60mM Tris−HCl(pH8.6)
各0.3mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP
各3mM ATP、CTP、UTP、GTP
3.4mM ITP
1μM 第一のプライマー(配列番号4)
0.1μM 第三のプライマー(配列番号5、6、39から44のいずれか)
1μM 第二のプライマー(配列番号12)
36nM INAFプローブ(配列番号16)(実施例2で調製)
67mM トレハロース
2U 96−7 DNAポリメラーゼ
6.4U AMV逆転写酵素
142U 耐熱性T7 RNAポリメラーゼ(WO2010/016621号)
(3)上記反応液を46℃で5分間保温後、実施例5(3)に記載の組成からなる開始液8μLを添加した。
(4)実施例5(4)に記載の方法で反応溶液の蛍光強度(励起波長470nm、蛍光波長520nm)を経時的に測定した。
60mM Tris−HCl(pH8.6)
各0.3mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP
各3mM ATP、CTP、UTP、GTP
3.4mM ITP
1μM 第一のプライマー(配列番号4)
0.1μM 第三のプライマー(配列番号5、6、39から44のいずれか)
1μM 第二のプライマー(配列番号12)
36nM INAFプローブ(配列番号16)(実施例2で調製)
67mM トレハロース
2U 96−7 DNAポリメラーゼ
6.4U AMV逆転写酵素
142U 耐熱性T7 RNAポリメラーゼ(WO2010/016621号)
(3)上記反応液を46℃で5分間保温後、実施例5(3)に記載の組成からなる開始液8μLを添加した。
(4)実施例5(4)に記載の方法で反応溶液の蛍光強度(励起波長470nm、蛍光波長520nm)を経時的に測定した。
酵素添加時を0分として、反応液の蛍光強度比が1.2を超えた場合を(+)判定とし、そのときの時間を検出時間とした。結果を表4に示す。第三のプライマーとして、
配列番号5に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときの結果と配列番号6(配列番号5の5’末端側にT7プロモーター(配列番号19)を付加)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときの結果、
配列番号39に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときの結果と配列番号40(配列番号39の5’末端側にT7プロモーター(配列番号19)を付加)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときの結果、
配列番号41に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときの結果と配列番号42(配列番号41の5’末端側にT7プロモーター(配列番号19)を付加)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときの結果、および
配列番号43に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときの結果と配列番号44(配列番号43の5’末端側にT7プロモーター(配列番号19)を付加)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときの結果、
が、それぞれ、ほぼ同様の結果(検出時間)であることから、T7プロモーター(配列番号19)の有無による、第三のプライマーへの影響はないことがわかる。
配列番号5に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときの結果と配列番号6(配列番号5の5’末端側にT7プロモーター(配列番号19)を付加)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときの結果、
配列番号39に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときの結果と配列番号40(配列番号39の5’末端側にT7プロモーター(配列番号19)を付加)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときの結果、
配列番号41に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときの結果と配列番号42(配列番号41の5’末端側にT7プロモーター(配列番号19)を付加)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときの結果、および
配列番号43に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときの結果と配列番号44(配列番号43の5’末端側にT7プロモーター(配列番号19)を付加)に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときの結果、
が、それぞれ、ほぼ同様の結果(検出時間)であることから、T7プロモーター(配列番号19)の有無による、第三のプライマーへの影響はないことがわかる。
実施例6 第三のプライマーの添加によるB型肝炎ウイルス(HBV)DNA検出への影響(その3)
第三のプライマーを複数種類添加することによる、HBV DNA検出への影響を調べた。
(1)実施例1で調製したB型肝炎ウイルスDNAを、注射用水を用いて30コピー/5μLとなるよう希釈し、ウイルスDNA試料として用いた。
(2)以下の組成の反応液を0.5mL容量PCR用チューブ(GeneAmp Thin−Walled Reaction Tubes、パーキンエルマー社製)に17μL/tubeで分注し、これに前記ウイルスDNA試料5μLを添加した。
第三のプライマーを複数種類添加することによる、HBV DNA検出への影響を調べた。
(1)実施例1で調製したB型肝炎ウイルスDNAを、注射用水を用いて30コピー/5μLとなるよう希釈し、ウイルスDNA試料として用いた。
(2)以下の組成の反応液を0.5mL容量PCR用チューブ(GeneAmp Thin−Walled Reaction Tubes、パーキンエルマー社製)に17μL/tubeで分注し、これに前記ウイルスDNA試料5μLを添加した。
反応液の組成:濃度は開始液添加後(30μL中)の最終濃度
60mM Tris−HCl(pH8.6)
各0.3mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP
各3mM ATP、CTP、UTP、GTP
3.4mM ITP
1μM 第一のプライマー(配列番号4)
各0.025μMから0.1μM 第三のプライマー(配列番号6、40、42および44の中から組み合わせて使用)
1μM 第二のプライマー(配列番号12)
36nM INAFプローブ(配列番号16)(実施例2で調製)
67mM トレハロース
2U 96−7 DNAポリメラーゼ
0.8U AMV逆転写酵素
142U 耐熱性T7 RNAポリメラーゼ(WO2010/016621号)
(3)上記反応液を46℃で5分間保温後、実施例5(3)に記載の組成からなる開始液8μLを添加した。
(4)実施例5(4)に記載の方法で反応溶液の蛍光強度(励起波長470nm、蛍光波長520nm)を経時的に測定した。
60mM Tris−HCl(pH8.6)
各0.3mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP
各3mM ATP、CTP、UTP、GTP
3.4mM ITP
1μM 第一のプライマー(配列番号4)
各0.025μMから0.1μM 第三のプライマー(配列番号6、40、42および44の中から組み合わせて使用)
1μM 第二のプライマー(配列番号12)
36nM INAFプローブ(配列番号16)(実施例2で調製)
67mM トレハロース
2U 96−7 DNAポリメラーゼ
0.8U AMV逆転写酵素
142U 耐熱性T7 RNAポリメラーゼ(WO2010/016621号)
(3)上記反応液を46℃で5分間保温後、実施例5(3)に記載の組成からなる開始液8μLを添加した。
(4)実施例5(4)に記載の方法で反応溶液の蛍光強度(励起波長470nm、蛍光波長520nm)を経時的に測定した。
酵素添加時を0分として、反応液の蛍光強度比が1.2を超えた場合を(+)判定とし、そのときの時間を検出時間とした。結果を表5に示す。第三のプライマーを複数種類添加しても、検出性能への影響はほとんどないことがわかる。
Claims (7)
- 試料中に含まれるB型肝炎ウイルス(HBV)DNAの特定塩基配列の一部と相同的な配列を有する第一のプライマーと、前記特定塩基配列の一部と相補的な配列を有する第二のプライマーとからなる、前記特定塩基配列を含む核酸を増幅するためのプライマーセットであって、
第一のプライマーが、配列番号1、3、5、39、41、43のいずれかに記載の塩基配列の相補配列とストリンジェントな条件下で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドからなり、
第二のプライマーが、配列番号11または12に記載の塩基配列の相補配列とストリンジェントな条件下で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドからなる、
前記プライマーセット。 - 第一のプライマーが配列番号1、3、5、39、41、43のいずれかに記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであり、第二のプライマーが、配列番号11または12に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである、請求項1に記載のプライマーセット。
- 第一または第二のプライマーのいずれか一方の5’末端側にRNAポリメラーゼのプロモーターがさらに付加されている、請求項1または2に記載のプライマーセット。
- 5’末端側にRNAポリメラーゼのプロモーターが付加されるプライマーが第一のプライマーであり、さらに配列番号5、39、41、43のいずれかに記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである第三のプライマーを一つ以上含む、請求項3に記載のプライマーセット。
- 第三のプライマーの5’末端側にRNAポリメラーゼのプロモーターがさらに付加されている、請求項4に記載のプライマーセット。
- 請求項1から5のいずれかに記載のプライマーセットで増幅した、特定塩基配列を含む核酸を、前記特定塩基配列の一部とストリンジェントな条件下で特異的にハイブリダイズ可能なインターカレーター性蛍光色素を標識した核酸プローブを用いて、HBV DNAを検出する方法。
- インターカレーター性蛍光色素を標識した核酸プローブを構成するオリゴヌクレオチドが、配列番号15または16に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである、請求項6に記載の検出方法。
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- 2013-12-27 JP JP2013272112A patent/JP2014140367A/ja active Pending
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