JP2015130801A - 核酸増幅方法 - Google Patents

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惇 野口
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友理子 牧野
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睦 中西
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佐藤  寛
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Abstract

【課題】 試料中に含まれる標的核酸を、核酸の種類(DNA/RNA)を問わず、一定温度、かつ高特異的、高感度、迅速、簡便に増幅可能な方法を提供すること。
【解決手段】 5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した標的核酸の一部と相同的または相補的な配列を有するプライマー、およびRNA依存性またはDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、標的核酸の相補鎖または相同鎖から、標的核酸に相同的または相補的なDNAを合成する工程の後、pHを上昇させて、前記合成したDNAを一本鎖核酸とする工程を行なうことで、前記課題を解決する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、試料中に含まれる標的核酸を特異的に増幅する方法に関する。
従来より核酸増幅方法としてPCR法が用いられている。しかしながら、PCR法は急激に反応温度を昇降させる必要があるため、自動化の際、反応工程の省力化や反応装置の低コスト化の点で問題があった。さらに標的核酸がRNAの場合には、逆転写反応を行なう必要があり、さらに煩雑であった。
RNAを標的核酸とした増幅法としては、NASBA法(特許文献1および2)、TMA法(特許文献3)、TRC法(特許文献4および非特許文献1)が知られている。これれらの増幅法は、一定温度で核酸を増幅することができるため、自動化の際、反応工程の省力化や反応装置の低コスト化が容易な点で好ましい。しかしながら、これらの増幅法は標的核酸がDNAの場合、増幅が困難であった。
特許文献5には、AMV逆転写酵素が有する鎖置換活性を利用した、DNAを標的核酸とした、NASBA法による核酸の増幅および検出法を開示している。しかしながら、特許文献5に開示の方法は、37℃で2時間インキュベーションして標的核酸を増幅後、一旦−20℃で凍結し、その後ELOSA(Enzyme Linked OligoSorbent Assay)法により標的核酸を検出する方法であり、非常に煩雑な方法である。また最小検出感度も10コピー/テストであり、感度の面からも不十分である。
特許第2650159号公報 特許第3152927号公報 特許第3241717号公報 特開2000−014400号公報 特許第3002259号公報
Ishiguro,T.et al,Analytical Biochemistry,314,77−86(2003)
本発明の課題は、試料中に含まれる標的核酸を、核酸の種類(DNA/RNA)を問わず、一定温度、かつ高特異的、高感度、迅速、簡便に増幅可能な方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した標的核酸の一部と相同的または相補的な配列を有するプライマー、およびRNA依存性またはDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、標的核酸の相補鎖または相同鎖から、標的核酸に相同的または相補的なDNAを合成する工程の後、pHを上昇させて、前記合成したDNAを一本鎖核酸とする工程を行なうことで、一定温度で、核酸の種類(DNA/RNA)を問わず、かつ高特異的、高感度、迅速、簡便に増幅することができることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち本発明の第一の態様は、下の(1)から(7)の工程を含む、標的核酸の増幅方法である。
(1)5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した標的核酸の一部と相同的な配列を有する第一のプライマー、およびRNA依存性またはDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、標的核酸の相補鎖から、標的核酸に相同的なDNAを合成する工程
(2)pHを上昇させることで、前記(1)で合成したDNAを一本鎖DNAとする工程
(3)標的核酸の一部と相補的な配列を有する第二のプライマー、およびDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(2)で得られた一本鎖DNAから、5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した二本鎖DNAを合成する工程
(4)前記プロモータ配列に対応したRNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(3)で得られた二本鎖DNAから、RNA転写産物を合成する工程
(5)第二のプライマー、およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(4)のRNA転写産物から、標的核酸に相補的なcDNAを合成する工程、
(6)リボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素を用いて、RNA−DNA二本鎖のRNAを分解する工程(一本鎖DNAの生成)
(7)(6)で得られた一本鎖DNAを鋳型に連鎖的にRNA転写産物を合成する工程
また本発明の第二の態様は、以下の(1)から(7)の工程を含む、標的核酸の増幅方法である。
(1)5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した標的核酸の一部と相補的な配列を有する第二のプライマー、およびRNA依存性またはDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、標的核酸から、標的核酸に相補的なDNAを合成する工程
(2)pHを上昇させることで、前記(1)で合成したDNAを一本鎖DNAとする工程
(3)標的核酸の一部と相同的な配列を有する第一のプライマー、およびDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(2)で得られた一本鎖DNAから、5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した二本鎖DNAを合成する工程
(4)前記プロモータ配列に対応したRNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(3)で得られた二本鎖DNAから、RNA転写産物を合成する工程
(5)第一のプライマー、およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(4)のRNA転写産物から、標的核酸に相同的なcDNAを合成する工程、
(6)リボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素を用いて、RNA−DNA二本鎖のRNAを分解する工程(一本鎖DNAの生成)
(7)(6)で得られた一本鎖DNAを鋳型に連鎖的にRNA転写産物を合成する工程
また本発明の第三の態様は、以下の(1)から(9)の工程を含む、標的核酸の増幅方法である。
(1)標的核酸の一部と相補的な配列を有する第二のプライマー、およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、標的RNAから、標的核酸に相補的なcDNAを合成する工程
(2)リボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素を用いて、RNA−DNA二本鎖のRNAを分解する工程(一本鎖DNAの生成)
(3)5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した標的核酸の一部と相同的な配列を有する第一のプライマー、およびDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(2)で得られた一本鎖DNAから、二本鎖DNAを合成する工程
(4)pHを上昇させることで、前記(3)で合成した5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加したDNAを一本鎖DNAとする工程
(5)第二のプライマー、およびDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(4)で得られた一本鎖DNAから、5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した二本鎖DNAを合成する工程
(6)前記プロモータ配列に対応したRNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(5)で得られた二本鎖DNAから、RNA転写産物を合成する工程
(7)第二のプライマー、およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(6)のRNA転写産物から、標的核酸に相補的なcDNAを合成する工程、
(8)RNase H活性を有する酵素を用いて、RNA−DNA二本鎖のRNAを分解する工程(一本鎖DNAの生成)
(9)(8)で得られた一本鎖DNAを鋳型に連鎖的にRNA転写産物を合成する工程
また本発明の第四の態様は、標的核酸が二本鎖核酸であり、かつ(1)の工程の前に、pHを上昇させることで前記標的核酸を一本鎖核酸とする工程を行なう、前記第一から第三の態様のいずれかに記載の増幅方法である。
また本発明の第五の態様は、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素と、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素と、RNase H活性を有する酵素とが、AMV逆転写酵素である、前記第一から第四の態様のいずれかに記載の増幅方法である。
さらに本発明の第六の態様は、RNA転写産物の一部と相補的二本鎖を形成すると形成前と比較し蛍光特性が変化するオリゴヌクレオチドプローブを用いて検出する工程を、前記第一から第五の態様のいずれかに記載の増幅方法にさらに含んでなる、標的核酸の検出方法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における標的核酸とは、試料中に含まれる一本鎖もしくは二本鎖DNAまたはRNAのうち、本発明の増幅方法により増幅される領域のことをいう。
本発明において、相補的な配列を有するとは、ストリンジェントな条件でハイブリダイズ可能な配列を有することをいい、相同的な配列を有するとは、標的核酸の相補鎖に対してストリンジェントな条件でハイブリダイズ可能な配列を有することをいう。ここでいうストリンジェントな条件とは、既知の条件から選定可能で、特に限定されるものではないが、例えば、42℃において、50%(v/v)のホルムアミド、0.1%のウシ血清アルブミン、0.1%のフィコール(商品名)、0.1%のポリビニルピロリドン、50mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH6.5)、150mMの塩化ナトリウム、75mMのクエン酸ナトリウムが共存する条件や、本明細書の実施例に記載の核酸増幅条件下でハイブリダイズ可能な条件があげられる。
本発明で用いるRNAポリメラーゼ活性を有する酵素としては、分子生物学的実験などで汎用されているバクテリオファージ由来のT7 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼ、SP6 RNAポリメラーゼまたはこれらの誘導体が例示できる。なお第一または第二のプライマーに付加するRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列は、本発明で用いるRNAポリメラーゼ活性を有する酵素に対応した配列を用いればよく、RNAポリメラーゼ活性を有する酵素としてT7 RNAポリメラーゼを用いる場合の一例として、配列番号5に記載の配列からなるT7プロモータがあげられる。
本発明ではRNAポリメラーゼ活性を有する酵素の他に、少なくともRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素と、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素と、リボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素も用いる。RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素、およびRNase H活性を有する酵素は、いくつかの活性を合わせ持つ酵素を使用してもよく、それぞれの活性を持つ複数の酵素を使用してもよい。AMV逆転写酵素、MMLV逆転写酵素、HIV逆転写酵素またはこれらの誘導体は、前述した三つの酵素活性の全てを有しているため好ましく、中でもAMV逆転写酵素またはその誘導体が好ましい。
本発明の核酸増幅方法は、5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した標的核酸の一部と相同的または相補的な配列を有するプライマー、およびRNA依存性またはDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、標的核酸の相補鎖または相同鎖から、標的核酸に相同的または相補的なDNAを合成する工程の後、pHを上昇させて、前記合成したDNAを一本鎖核酸とする工程を行なうことを特徴としている。pHを上昇させる条件は、二本鎖核酸を解離可能なpH条件とすればよく、二本鎖核酸が二本鎖DNAの場合はpH約9.2以上とすればよいが、pHを12以上とするとさらによい。pHを上昇させる方法に特に限定はなく、例えば塩基性薬剤を添加すればよい。塩基性薬剤の一例として、水酸化カリウム水溶液があげられる。
pHを上昇させる操作を行なう際、さらに高温での反応や、溶媒の極性を下げる薬剤の添加などにより、二本鎖核酸の解離を促進してもよい。ここでいう高温とは、40℃以上であればよく、45℃以上であればさらによい。また、ここでいう溶媒の極性を下げる薬剤の例として、ジメチルスルホキシド(DMSO)があげられる。なお二本鎖核酸の解離は、二本鎖核酸の長さ、二本鎖核酸のGC含量、溶媒中の塩濃度などによって影響を受けることが知られており、これらを最適化することで二本鎖核酸の解離を促進してもよい。二本鎖核酸が解離する条件の例として、本明細書の実施例に記載の条件があげられる。
pHを上昇させたままの状態を維持すると、プライマーと一本鎖核酸とがアニールせず、標的核酸の増幅が進まないため、一本鎖核酸とする工程を行なった後は、プライマーと一本鎖核酸とがアニールする条件までpHまで下降させる。pHを下降させる方法に特に限定はなく、例えば酸性薬剤を添加すればよい。酸性薬剤の一例として、塩酸があげられる。なおプライマーと一本鎖核酸とのアニールは、反応温度、溶媒の極性、プライマーの長さ、プライマーのGC含量、溶媒中の塩濃度などによって影響を受けることが知られており、これらを最適化することでアニールを促進してもよい。
本発明の増幅方法は、鋳型核酸の形態により異なる。鋳型核酸が標的核酸の相補鎖である場合の増幅方法の一例としては、
(A−1)5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した標的核酸の一部と相同的な配列を有する第一のプライマー、およびRNA依存性またはDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、標的核酸の相補鎖から、標的核酸に相同的なDNAを合成する工程
(A−2)pHを上昇させることで、前記(A−1)で合成したDNAを一本鎖DNAとする工程
(A−3)標的核酸の一部と相補的な配列を有する第二のプライマー、およびDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(A−2)で得られた一本鎖DNAから、5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した二本鎖DNAを合成する工程
(A−4)前記プロモータ配列に対応したRNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(A−3)で得られた二本鎖DNAから、RNA転写産物を合成する工程
(A−5)第二のプライマー、およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(A−4)のRNA転写産物から、標的核酸に相補的なcDNAを合成する工程、
(A−6)リボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素を用いて、RNA−DNA二本鎖のRNAを分解する工程(一本鎖DNAの生成)
(A−7)(A−6)で得られた一本鎖DNAを鋳型に連鎖的にRNA転写産物を合成する工程
を含む方法があげられる。鋳型核酸が標的核酸の相同鎖である場合の増幅方法の一例としては、
(B−1)5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した標的核酸の一部と相補的な配列を有する第二のプライマー、およびRNA依存性またはDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、標的核酸から、標的核酸に相補的なDNAを合成する工程
(B−2)pHを上昇させることで、前記(B−1)で合成したDNAを一本鎖DNAとする工程
(B−3)標的核酸の一部と相同的な配列を有する第一のプライマー、およびDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(B−2)で得られた一本鎖DNAから、5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した二本鎖DNAを合成する工程
(B−4)前記プロモータ配列に対応したRNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(B−3)で得られた二本鎖DNAから、RNA転写産物を合成する工程
(B−5)第一のプライマー、およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(B−4)のRNA転写産物から、標的核酸に相同的なcDNAを合成する工程、
(B−6)リボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素を用いて、RNA−DNA二本鎖のRNAを分解する工程(一本鎖DNAの生成)
(B−7)(B−6)で得られた一本鎖DNAを鋳型に連鎖的にRNA転写産物を合成する工程
を含む方法があげられる。鋳型核酸がRNAの相同鎖である場合の増幅方法の一例としては、
(C−1)標的核酸の一部と相補的な配列を有する第二のプライマー、およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、標的RNAから、標的核酸に相補的なcDNAを合成する工程
(C−2)リボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素を用いて、RNA−DNA二本鎖のRNAを分解する工程(一本鎖DNAの生成)
(C−3)5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した標的核酸の一部と相同的な配列を有する第一のプライマー、およびDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(C−2)で得られた一本鎖DNAから、二本鎖DNAを合成する工程
(C−4)pHを上昇させることで、前記(C−3)で合成した5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加したDNAを一本鎖DNAとする工程
(C−5)第二のプライマー、およびDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(C−4)で得られた一本鎖DNAから、5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した二本鎖DNAを合成する工程
(C−6)前記プロモータ配列に対応したRNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(C−5)で得られた二本鎖DNAから、RNA転写産物を合成する工程
(C−7)第二のプライマー、およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(C−6)のRNA転写産物から、標的核酸に相補的なcDNAを合成する工程、
(C−8)RNase H活性を有する酵素を用いて、RNA−DNA二本鎖のRNAを分解する工程(一本鎖DNAの生成)
(C−9)(C−8)で得られた一本鎖DNAを鋳型に連鎖的にRNA転写産物を合成する工程
を含む方法があげられる。
なお標的核酸が二本鎖核酸の場合は、前記二本鎖核酸を含む溶液のpHを上昇させて、一本鎖核酸とする工程を行なった後、当該一本鎖核酸の態様に応じて、前記(A−1)、前記(B−1)、前記(C−1)のいずれかの工程を行なえばよい。なお前記工程は、例えば、試料からの標的核酸の抽出工程といった予備操作における最終工程で、標的核酸を高いpHの溶媒へ溶解させることで行なってもよい。
本発明の増幅方法で増幅した標的核酸(RNA転写産物)を検出することで、試料中に含まれる標的核酸の有無を検出することができるが、増幅した標的核酸の一部と相補的二本鎖を形成すると形成前と比較し蛍光特性が変化するオリゴヌクレオチドプローブをあらかじめ本発明の増幅試薬に添加し、当該蛍光特性の変化を蛍光分光光度計で経時的に測定すると、試料中に含まれる標的核酸の増幅と検出を一段階かつ密閉容器内で行なえるため、好ましい。
本発明の増幅方法は、5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した標的核酸の一部と相同的または相補的な配列を有するプライマー、およびRNA依存性またはDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、標的核酸の相補鎖または相同鎖から、標的核酸に相同的または相補的なDNAを合成する工程の後、pHを上昇させて、前記合成したDNAを一本鎖核酸とする工程を行なうことを特徴としている。本発明により、NASBA法、TMA法、TRC法といった一定温度でRNAを増幅する方法であっても、標的核酸の種類(DNA/RNA)を問わず、一定温度、かつ高特異的、高感度、迅速、簡便に標的核酸を増幅することができる。
B型肝炎ウイルス(HBV)ゲノムDNAの塩基配列(GenBank No.AB014370)と、実施例3および実施例4で使用したプライマー/プローブの塩基配列との関係を示した図である。なお配列番号3および4は相補鎖の塩基配列である。 実施例2で作製したインターカレーター性蛍光色素標識核酸プローブの構造。B、B、B、Bは塩基を示す。なお3’末端側−OHからの伸長反応を防止するために3’末端側−OHはグリコール酸修飾がなされている。
以下、本発明の実施の形態について、実施例を用いて詳細に説明するが、本実施例は本発明の実施の一形態を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。なお、本実施例で使用したプライマー/プローブの、B型肝炎ウイルス(HBV)DNA(GenBank No.AB014370)における位置関係を図1に示す。
実施例1 B型肝炎ウイルス(HBV)DNA溶液の調製
ZeptoMetrix社より購入した不活化ウイルスより、QIAamp DNA Blood Mini Kit(QIAGEN社製)を用いて、当該キットのマニュアルに従い抽出することで、HBV DNA溶液を得た。抽出試料中に含まれるHBV DNAのコピー数は、抽出効率を100%とし、1IUを約6コピーとして計算した。
実施例2 インターカレーター性蛍光色素標識核酸プローブ(INAFプローブ)の作製
Ishiguroらの方法(Ishiguro,T.et al,Nucleic Acids Res.,24,4992−4997(1996))により、配列番号3に記載の配列の5’末端から5番目のTと6番目のAの間のリン酸ジエステル部分にリンカーを介してオキサゾールイエローを結合させたオキサゾールイエロー標識核酸プローブを調製した(図2)。
実施例3 等温増幅法を用いたHBV DNAの検出(その1)
等温増幅法によるHBV DNAの検出を試みた。
(1)実施例1で調製したHBV DNA溶液を、注射用水を用いて1000コピー/5μL、100コピー/5μL、または10コピー/5μLとなるよう希釈した。
(2)0.5mL容量PCR用チューブ(GeneAmp Thin−Walled Reaction Tubes、パーキンエルマー社製)に表1に示す組成からなる反応液を17μL/tubeで分注し、これに前記HBV DNA溶液5μLを添加した。なお第一のプライマー(配列番号2)は、配列番号1に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドの5’末端側に配列番号5に記載の配列からなるT7プロモータを付加したオリゴヌクレオチドである。
Figure 2015130801
(3)上記反応液を46℃で5分間保温後、表2に示す組成からなる反応液4μLを添加した。
Figure 2015130801
(4)引き続きPCRチューブを46℃で5分間保温後、注射用水を4μL添加した。
(5)5から10回ピペッティングを行ない撹拌後、ただちに注射用水を4μL添加した。
(6)引き続きPCRチューブを46℃で5分間保温後、あらかじめ43℃で1分間保温した表3に記載の組成からなる反応液2μLを添加した。
Figure 2015130801
(7)引き続きPCRチューブを46℃で5分間保温後、あらかじめ43℃で1分間保温した表4に記載の組成からなる反応液2μLを添加した。
Figure 2015130801
(8)引き続きPCRチューブを直接測定可能な温調機能付き蛍光分光光度計を用い、46℃の一定温度で反応させると同時に反応溶液の蛍光強度(励起波長470nm、蛍光波長520nm)を経時的に測定した。
表4に記載の組成からなる反応液添加時((7)の操作を行なったとき)を0分として、反応液の蛍光強度比が1.2を超えた場合を陽性判定とし、そのときの時間を検出時間とした。結果を表5に示す。等温増幅法により1000コピー/テストまでのHBV DNAを検出することができた。
Figure 2015130801
実施例4 等温増幅法を用いたHBV DNAの検出(その2)
等温増幅法によるHBV DNAの検出を試みた。
(1)0.5mL容量PCR用チューブ(GeneAmp Thin−Walled Reaction Tubes、パーキンエルマー社製)に表6に示す組成からなる反応液を17μL/tubeで分注し、これに実施例3(1)で調製したHBV DNA溶液5μLを添加した。
Figure 2015130801
(2)上記反応液を46℃で5分間保温後、表7に示す組成からなる反応液4μLを添加した。
Figure 2015130801
(4)引き続きPCRチューブを46℃で5分間保温後、1M水酸化カリウム水溶液を4μL添加した。
(5)5から10回ピペッティングを行ない撹拌後、ただちに1M塩酸を4μL添加した。
(6)引き続きPCRチューブを46℃で5分間保温後、あらかじめ43℃で1分間保温した表3に記載の組成からなる反応液2μLを添加した。
(7)引き続きPCRチューブを46℃で5分間保温後、あらかじめ43℃で1分間保温した表4に記載の組成からなる反応液2μLを添加した。
(8)実施例3(8)に記載の方法で反応溶液の蛍光強度(励起波長470nm、蛍光波長520nm)を経時的に測定した。
表4に記載の組成からなる反応液添加時((7)の操作を行なったとき)を0分として、反応液の蛍光強度比が1.2を超えた場合を陽性判定とし、そのときの時間を検出時間とした。結果を表8に示す。pH操作を伴う前処理により検出時間の短縮と検出感度の大幅な向上がみられ、10コピー/テストまでのHBV DNAを検出することができた。なお(4)で水酸化カリウム水溶液添加後のpHを別途測定したところ、pH12.2であった。
Figure 2015130801

Claims (6)

  1. 以下の(1)から(7)の工程を含む、標的核酸の増幅方法。
    (1)5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した標的核酸の一部と相同的な配列を有する第一のプライマー、およびRNA依存性またはDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、標的核酸の相補鎖から、標的核酸に相同的なDNAを合成する工程
    (2)pHを上昇させることで、前記(1)で合成したDNAを一本鎖DNAとする工程
    (3)標的核酸の一部と相補的な配列を有する第二のプライマー、およびDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(2)で得られた一本鎖DNAから、5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した二本鎖DNAを合成する工程
    (4)前記プロモータ配列に対応したRNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(3)で得られた二本鎖DNAから、RNA転写産物を合成する工程
    (5)第二のプライマー、およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(4)のRNA転写産物から、標的核酸に相補的なcDNAを合成する工程、
    (6)リボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素を用いて、RNA−DNA二本鎖のRNAを分解する工程(一本鎖DNAの生成)
    (7)(6)で得られた一本鎖DNAを鋳型に連鎖的にRNA転写産物を合成する工程
  2. 以下の(1)から(7)の工程を含む、標的核酸の増幅方法。
    (1)5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した標的核酸の一部と相補的な配列を有する第二のプライマー、およびRNA依存性またはDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、標的核酸から、標的核酸に相補的なDNAを合成する工程
    (2)pHを上昇させることで、前記(1)で合成したDNAを一本鎖DNAとする工程
    (3)標的核酸の一部と相同的な配列を有する第一のプライマー、およびDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(2)で得られた一本鎖DNAから、5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した二本鎖DNAを合成する工程
    (4)前記プロモータ配列に対応したRNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(3)で得られた二本鎖DNAから、RNA転写産物を合成する工程
    (5)第一のプライマー、およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(4)のRNA転写産物から、標的核酸に相同的なcDNAを合成する工程、
    (6)リボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素を用いて、RNA−DNA二本鎖のRNAを分解する工程(一本鎖DNAの生成)
    (7)(6)で得られた一本鎖DNAを鋳型に連鎖的にRNA転写産物を合成する工程
  3. 以下の(1)から(9)の工程を含む、標的核酸の増幅方法。
    (1)標的核酸の一部と相補的な配列を有する第二のプライマー、およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、標的RNAから、標的核酸に相補的なcDNAを合成する工程
    (2)リボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素を用いて、RNA−DNA二本鎖のRNAを分解する工程(一本鎖DNAの生成)
    (3)5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した標的核酸の一部と相同的な配列を有する第一のプライマー、およびDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(2)で得られた一本鎖DNAから、二本鎖DNAを合成する工程
    (4)pHを上昇させることで、前記(3)で合成した5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加したDNAを一本鎖DNAとする工程
    (5)第二のプライマー、およびDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(4)で得られた一本鎖DNAから、5’末端側にRNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列を付加した二本鎖DNAを合成する工程
    (6)前記プロモータ配列に対応したRNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(5)で得られた二本鎖DNAから、RNA転写産物を合成する工程
    (7)第二のプライマー、およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素を用いて、前記(6)のRNA転写産物から、標的核酸に相補的なcDNAを合成する工程、
    (8)RNase H活性を有する酵素を用いて、RNA−DNA二本鎖のRNAを分解する工程(一本鎖DNAの生成)
    (9)(8)で得られた一本鎖DNAを鋳型に連鎖的にRNA転写産物を合成する工程
  4. 標的核酸が二本鎖核酸であり、かつ(1)の工程の前に、pHを上昇させることで前記標的核酸を一本鎖核酸とする工程を行なう、請求項1から3のいずれかに記載の増幅方法。
  5. RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素と、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素と、RNase H活性を有する酵素とが、AMV逆転写酵素である、請求項1から4のいずれかに記載の増幅方法。
  6. RNA転写産物の一部と相補的二本鎖を形成すると形成前と比較し蛍光特性が変化するオリゴヌクレオチドプローブを用いて検出する工程を、請求項1から5のいずれかに記載の増幅方法にさらに含んでなる、標的核酸の検出方法。
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