JP6450620B2 - 基板剥離装置および基板剥離方法 - Google Patents
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Description
また、本発明の別の態様に係る基板剥離装置は、支持体上に形成された平面形状が矩形の樹脂基板を剥離する基板剥離装置において、前記樹脂基板の少なくとも1つの角部に配置され、前記樹脂基板の前記角部における前記支持体との界面に挿入可能な挿入部と、前記挿入部が前記界面に挿入された状態で、前記挿入部と前記支持体とを相対移動させる移動機構と、前記樹脂基板を保持し、前記挿入部により前記界面に形成されたスリットを基点として前記支持体から剥離する剥離機構と、を備え、前記挿入部は、前記樹脂基板の対角線上における一対の角部にそれぞれ配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、スリットを簡便かつ確実に形成することができる。
この構成によれば、スリットを樹脂基板の四隅に形成することができる。よって、このスリットを基点として樹脂基板の剥離作業を簡便に行うことができる。
この構成によれば、スリットを樹脂基板の一対の角部に形成することができる。よって、このスリットを基点として樹脂基板の剥離作業を簡便に行うことができる。
この構成によれば、平面視した状態において、支持体及び樹脂基板の大きさが略同じ場合であっても、ガイド部材に沿って挿入部の挿入動作がガイドされるので、スリットを良好に形成することができる。
この構成によれば、樹脂基板の外周に沿ってスリットを形成できる。よって、剥離動作を良好に行うことができる。
本発明によれば、電子デバイス用途として最適なポリイミド基板を支持体から良好に剥離することができる。
この構成によれば、前処理によって支持体表面のヒドロキシ基がシリル化されるので、例えば、樹脂基板がポリイミドから構成される場合、該樹脂基板が支持体表面と共有結合を形成することを抑制できる。また、シランカップリング剤に由来するシリル基が形成されるため、樹脂基板の剥離性を向上させることができる。
また、本発明の別の態様に係る基板剥離方法は、支持体上に形成された平面形状が矩形の樹脂基板を剥離する基板剥離方法において、前記樹脂基板の少なくとも1つの角部に配置された挿入部を、前記樹脂基板の前記角部における前記支持体との界面に挿入する挿入ステップと、前記挿入部が前記界面に挿入された状態で、前記挿入部と前記支持体とを相対移動させる移動ステップと、前記挿入部により前記界面に形成されたスリットを基点として、前記樹脂基板を前記支持体から剥離する剥離ステップと、を備え、前記挿入ステップにおいては、前記樹脂基板の対角線上における一対の角部にそれぞれ配置された前記挿入部を前記角部と前記樹脂基板との界面に挿入することを特徴とする。
この構成によれば、スリットを簡便かつ確実に形成することができる。
この構成によれば、スリットを樹脂基板の四隅に形成することができる。よって、このスリットを基点として樹脂基板の剥離作業を簡便に行うことができる。
この構成によれば、スリットを樹脂基板の一対の角部に形成することができる。よって、このスリットを基点として樹脂基板の剥離作業を簡便に行うことができる。
この構成によれば、平面視した状態において、支持体及び樹脂基板の大きさが略同じ場合であっても、ガイド部材に沿って挿入部の挿入動作がガイドされるので、スリットを良好に形成することができる。
この構成によれば、樹脂基板の外周に沿ってスリットを形成できる。よって、剥離動作を良好に行うことができる。
本発明によれば、電子デバイス用途として最適なポリイミド基板を支持体から良好に剥離することができる。
この構成によれば、前処理によって支持体表面のヒドロキシ基がシリル化されるので、例えば、樹脂基板がポリイミドから構成される場合、該樹脂基板が支持体表面と共有結合を形成することを抑制できる。また、シランカップリング剤に由来するシリル基が形成されるため、樹脂基板の剥離性を向上させることができる。
図1は本実施形態に係る樹脂基板の製造工程を示す図である。
はじめに、図1(a)に示すように、支持基板1の表面(少なくとも一方の面)1aにシランカップリング剤を処理する前処理を行う(前処理工程)。本実施形態において、支持基板1はガラスから構成されている。
前処理の処理時間は、1〜60秒とするのが好ましい。なお、処理液を塗布に代えて、蒸着法により支持基板1にシランカップリング剤による処理を行っても良い。蒸着法による処理時間は、例えば、80℃〜120℃のオーブン内で1〜15分間行うのが好ましい。
シリル化剤としては、特に限定されず、従来公知のあらゆるシリル化剤を用いることができる。具体的には、例えば下記式(1)〜(3)で表されるシリル化剤を用いることができる。本明細書において、アルキル基は炭素数1〜5であり、シクロアルキル基は炭素数5〜10であり、アルコキシ基は炭素数1〜5であり、ヘテロシクロアルキル基は炭素数5〜10である。
溶剤としては、シリル化剤を溶解でき、かつ、表面処理対象となる樹脂パターン又は被エッチングパターンに対するダメージの少ないものであれば、特に限定されずに従来公知の溶剤を使用することができる。
具体的には、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホン、テトラメチレンスルホン等のスルホン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアミド類;N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−プロピル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン等のラクタム類;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジイソプロピル−2−イミダゾリジノン等のイミダゾリジノン類;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のジアルキルエーテル類;ジメチルグリコール、ジメチルジグリコール、ジメチルトリグリコール、メチルエチルジグリコール、ジエチルグリコール等のジアルキルグリコールエーテル類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;p−メンタン、ジフェニルメンタン、リモネン、テルピネン、ボルナン、ノルボルナン、ピナン等のテルペン類;等が挙げられる。
以下、本実施形態に用いるポリアミック酸について説明する。
本実施形態において、ポリイミドからなる樹脂基板の生成に使用されるポリアミック酸は特に限定されず、従来からポリイミド樹脂の前駆体として知られているポリアミック酸から適宜選択される。
ポリアミック酸の合成原料となるテトラカルボン酸二無水物成分は、ジアミン成分と反応することによりポリアミック酸を形成可能なものであれば特に限定されない。テトラカルボン酸二無水物成分は、従来からポリアミック酸の合成原料として使用されているテトラカルボン酸二無水物から適宜選択することができる。テトラカルボン酸二無水物成分は、芳香族テトラカルボン酸二無水物であっても、脂肪族テトラカルボン酸二無水物であってもよいが、得られるポリイミド樹脂の耐熱性の点から、芳香族テトラカルボン酸二無水物が好ましい。テトラカルボン酸二無水物成分は、2種以上を組合せて用いてもよい。
ポリアミック酸の合成原料となるジアミン成分は、テトラカルボン酸二無水物成分と反応することによりポリアミック酸を形成可能なものであれば特に限定されない。ジアミン成分は、従来からポリアミック酸の合成原料として使用されているジアミンから適宜選択することができる。ジアミン成分は、芳香族ジアミンであっても、脂肪族ジアミンであってもよいが、得られるポリイミド樹脂の耐熱性の点から、芳香族ジアミンが好ましい。ジアミン成分は、2種以上を組合せて用いてもよい。
テトラカルボン酸二無水物成分と、ジアミン成分とは、N,N,N’,N’−テトラメチルウレアを溶媒として用いて合成される。N,N,N’,N’−テトラメチルウレアを溶媒として用いて合成されたポリアミック酸を加熱してポリイミド樹脂を生成させると、引張伸度及び耐熱性に優れるポリイミド樹脂を得やすい。
以上説明した、テトラカルボン酸二無水物成分と、ジアミン成分とを、N,N,N’,N’−テトラメチルウレアを溶媒として用いて反応させてポリアミック酸を合成する。ポリアミック酸を合成する際の、テトラカルボン酸二無水物成分及びジアミン成分の使用量は特に限定されないが、テトラカルボン酸二無水物成分1モルに対して、ジアミン成分を0.50〜1.50モル用いるのが好ましく、0.60〜1.30モル用いるのがより好ましく、0.70〜1.20モル用いるのが特に好ましい。
図4に示すように、基板剥離装置100は、挿入部20と、移動機構21と、剥離機構22と、を備えている。
押し出し部30B、31B、32B、33Bは、例えば、アクチュエーター等から構成され、刃物30A、31A、32A、33Aをそれぞれ所定方向に押し出すことで支持基板1と樹脂基板3との界面に挿入可能である。
本実施形態の基板剥離方法は、挿入ステップS1と、移動ステップS2と、剥離ステップS3と、を備えている。
本実施形態において、押し出し部30Bは、刃物30Aを刃面の直交方向に押し出し、角部3Aの界面Kに挿入させる。
また、第3挿入部32においても、図4に示したように、平刃から構成された刃物32Aの刃面が角部3Cに対し、略45度の角度をなすように配置されている。押し出し部32Bは、刃物32Aを刃面の直交方向に押し出し、角部3Cの界面に挿入させる。
また、第4挿入部33においても、図4に示したように、平刃から構成された刃物33Aの刃面が角部3Dに対し、略45度の角度をなすように配置されている。押し出し部33Bは、刃物33Aを刃面の直交方向に押し出し、角部3Dの界面に挿入させる。
剥離ステップS3において、剥離機構22は、保持部40における樹脂基板3のスリットSが形成された部分(スリット形成部分)を保持する。本実施形態において、保持部40は、スリット形成部分を吸着保持する。
よって、剥離時に樹脂基板3にダメージを与えることなく、支持基板1から容易に剥離することができる。
続いて、本発明の第二実施形態について説明する。
本実施形態と第一実施形態との違いは挿入部の設置数である。そのため、以下では、第一実施形態と共通の構成および部材については同じ符号を付し、その詳細な説明については省略するものとする。
図7に示すように、基板剥離装置200は、挿入部120と、移動機構121と、剥離機構22と、回転機構123と、を備えている。
まず、挿入部120は、樹脂基板3の角部3A,3Cにおける支持基板1との界面に挿入される。図8(a)に示すように、第1挿入部130は、刃物130Aを角部3Aから徐々に押し込んで界面に挿入する。一方、第3挿入部132は、刃物132Aを角部3Cから徐々に押し込んで界面に挿入する。
以上のようにして、樹脂基板3の外周を囲む4つのスリットSを形成することができる。
Claims (15)
- 支持体上に形成された平面形状が矩形の樹脂基板を剥離する基板剥離装置において、
前記樹脂基板の少なくとも1つの角部に配置され、前記樹脂基板の前記角部における前記支持体との界面に挿入可能な挿入部と、
前記挿入部が前記界面に挿入された状態で、前記挿入部と前記支持体とを相対移動させる移動機構と、
前記樹脂基板を保持し、前記挿入部により前記界面に形成されたスリットを基点として前記支持体から剥離する剥離機構と、を備え、
前記挿入部は、前記樹脂基板の角部の四隅にそれぞれ配置されている
基板剥離装置。 - 支持体上に形成された平面形状が矩形の樹脂基板を剥離する基板剥離装置において、
前記樹脂基板の少なくとも1つの角部に配置され、前記樹脂基板の前記角部における前記支持体との界面に挿入可能な挿入部と、
前記挿入部が前記界面に挿入された状態で、前記挿入部と前記支持体とを相対移動させる移動機構と、
前記樹脂基板を保持し、前記挿入部により前記界面に形成されたスリットを基点として前記支持体から剥離する剥離機構と、を備え、
前記挿入部は、前記樹脂基板の対角線上における一対の角部にそれぞれ配置されている
基板剥離装置。 - 前記挿入部は、刃物から構成される
請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板剥離装置。 - 前記刃物は、平刃または丸刃から構成される
請求項3に記載の基板剥離装置。 - 前記支持体の外周部に設けられ、前記支持体における前記樹脂基板が形成された面と同じ高さの面を有するとともに、前記挿入部の挿入動作をガイドするガイド部材をさらに備える
請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板剥離装置。 - 前記移動機構は、前記挿入部を前記樹脂基板の外周に沿って移動させる
請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板剥離装置。 - 前記樹脂基板がポリイミド基板である
請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板剥離装置。 - 前記支持体として、前記樹脂基板が形成される面に予めシランカップリング剤からなる前処理層が設けられたガラス基板を用いる
請求項1〜7のいずれか一項に記載の基板剥離装置。 - 支持体上に形成された平面形状が矩形の樹脂基板を剥離する基板剥離方法において、
前記樹脂基板の少なくとも1つの角部に配置された挿入部を、前記樹脂基板の前記角部における前記支持体との界面に挿入する挿入ステップと、
前記挿入部が前記界面に挿入された状態で、前記挿入部と前記支持体とを相対移動させる移動ステップと、
前記挿入部により前記界面に形成されたスリットを基点として、前記樹脂基板を前記支持体から剥離する剥離ステップと、を備え、
前記挿入ステップにおいては、前記樹脂基板の四隅の角部に配置された前記挿入部を前記角部と前記樹脂基板との界面に挿入する
基板剥離方法。 - 支持体上に形成された平面形状が矩形の樹脂基板を剥離する基板剥離方法において、
前記樹脂基板の少なくとも1つの角部に配置された挿入部を、前記樹脂基板の前記角部における前記支持体との界面に挿入する挿入ステップと、
前記挿入部が前記界面に挿入された状態で、前記挿入部と前記支持体とを相対移動させる移動ステップと、
前記挿入部により前記界面に形成されたスリットを基点として、前記樹脂基板を前記支持体から剥離する剥離ステップと、を備え、
前記挿入ステップにおいては、前記樹脂基板の対角線上における一対の角部にそれぞれ配置された前記挿入部を前記角部と前記樹脂基板との界面に挿入する
基板剥離方法。 - 前記挿入部として、平刃または丸刃を用いる
請求項9または10に記載の基板剥離方法。 - 前記挿入ステップにおいては、前記支持体の外周部に設けられ、前記支持体における前記樹脂基板が形成された面と同じ高さの面を有するガイド部材を用いて、前記挿入部の挿入動作をガイドさせる
請求項9〜11のいずれか一項に記載の基板剥離方法。 - 前記移動ステップにおいては、前記挿入部が前記樹脂基板の外周に沿って移動する
請求項9〜12のいずれか一項に記載の基板剥離方法。 - 前記樹脂基板がポリイミド基板である
請求項9〜13のいずれか一項に記載の基板剥離方法。 - 前記支持体として、前記樹脂基板が形成される面に予めシランカップリング剤からなる前処理層が設けられたガラス基板を用いる
請求項9〜14のいずれか一項に記載の基板剥離方法。
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