JP6450530B2 - 車載カメラの取付角度調整処理、取付角度検出装置 - Google Patents
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Description
また、車両の前後左右に車載カメラを搭載しておき、それらで撮影した画像を視線変換して、あたかも上方から車両の周囲を見たような画像としてモニター画面に表示することで、運転者が周囲の状況を容易に把握できるようにした技術も実用化されている。
提案の技術はこの点に着目して、各車載カメラの撮影画像を視線変換して得られた画像間で位置ずれが生じないように、各車載カメラの車体に対する取付角度を決定する。こうして、各車載カメラの取付角度を求めることができれば、取付角度が許容範囲に収まるように調整することが可能となる。
A.装置構成 :
図1には、車載カメラ10を搭載した車両1の大まかな構成が示されている。図示した例では、車載カメラ10は車両1の後部の位置に、斜め下向きに搭載されており、車両1の後方の状況を斜め上方から撮影することができる。そして、車載カメラ10で撮影した撮影画像は、制御装置20を介してモニター11に表示される。車両1の運転者は、モニター11に表示された画像から、車両1の後方の状況を確認することができる。
更に、車両1には、車両情報を検出する車両情報センサー12が搭載されており、制御装置20は車両情報センサー12の出力に基づいて車両情報を取得することができる。尚、車両情報センサー12としては、車速センサーや、操舵角センサー、シフトポジションセンサーなどとすることができ、車両情報としては、車速や、操舵角、シフトポジションなどとすることができる。
ところが、車載カメラ10の取付角度にずれが生じていると、モニター11に表示される駐車枠が、図1(c)に例示したように歪んでしまうので、車両1と駐車枠との位置関係を把握することが困難となる。従って、このような場合には、車載カメラ10の取付角度を調整する必要がある。こうした点に鑑みて、制御装置20は、車載カメラ10の取付角度を調整し、あるいは取付角度を検出するための機能を搭載している。
尚、本実施例では車両1の後部に車載カメラ10が取り付けられているものとして説明するが、車両1の前方に車載カメラ10が取り付けられている場合にも、同様にして取付角度を調整することが可能である。
図2には、第1実施例の制御装置20の大まかな内部構造を示したブロック図が示されている。図示されるように制御装置20は、撮影画像取得部21と、鳥瞰変換部22と、記憶部23と、カメラ角度解析部24と、車両角度解析部25と、取付角度検出部26とを備えている。
尚、これら6つの「部」は、車載カメラ10の取付角度を調整し、あるいは取付角度を検出するために制御装置20が備える機能に着目して、制御装置20の内部を便宜的に分類した抽象的な概念であり、制御装置20が物理的に6つの部分に区分されることを表すものではない。従って、これらの「部」は、CPUで実行されるコンピュータープログラムとして実現することもできるし、LSIやメモリーを含む電子回路として実現することもできるし、更にはこれらを組合せることによって実現することもできる。
本実施例では、制御装置20は、CPUやROMやRAMなどを備えたマイクロコンピューターによって主に形成されており、CPUが実行するプログラムによって、上記の6つの「部」が実現されている。
また、車載カメラ10の取付角度を調整(あるいは検出)する際には、取付角度調整用の基準図形が形成された地面を撮影する。基準図形には、駐車枠のように、少なくとも3本の直線が既知の角度で交差していれば、どのような図形であっても用いることができる。
記憶部23には、撮影画像の鳥瞰変換に用いるデータが予め記憶されており、鳥瞰変換部22は記憶部23から必要なデータを読み出して、撮影画像を鳥瞰画像に変換する。そして、得られた鳥瞰画像はモニター11に出力して表示させる。また、車載カメラ10の取付角度を調整(あるいは検出)するために、基準図形が形成された地面を撮影した場合には、その撮影画像から得られた鳥瞰画像を記憶部23にも出力して記憶させる。
図示されるように、第1実施例の取付角度調整処理では、地面上に形成された駐車枠を含む撮影画像を取得する(S100)。上述したように、車両1は、駐車枠が少なくとも車載カメラ10の撮影範囲内に入るような位置に予め移動されているので、車載カメラ10で撮影した画像を取得すれば、駐車枠を含む撮影画像を取得することができる。
図4には、車載カメラ10によって得られる撮影画像と、撮影画像を鳥瞰変換して得られる鳥瞰画像とが例示されている。
車載カメラ10は駐車枠を斜め上方から見下ろすような角度で撮影するので、得られる撮影画像は、図4(a)に例示したような画像となる。駐車枠の2つの角部A,Bの角度は直角であるが、車載カメラ10は斜め上方から駐車枠を撮影しているので、撮影画像上での2つの角部A,Bの角度は、本来の角度(ここでは直角)とは異なる角度で写っている。
しかし、車載カメラ10の取付角度にずれが生じている場合には、鳥瞰変換しても、駐車枠の2つの角部A,Bは、本来の角度である直角とはならない。
本実施例では、車両1から見て駐車枠の左側の辺が、本発明における「基準直線」に対応する。
以下では、鳥瞰画像中の駐車枠から検出した3つの角度から、駐車枠に対する車載カメラ10の角度を算出する方法を説明するが、その準備として、先ず始めに、撮影画像を鳥瞰画像に変換する方法について説明する。
車載カメラ10を基準とする直交座標系を形成する各座標軸についても同様に、車載カメラ10の光軸方向に取った座標軸をCY軸とし、CY軸に直角かつ水平方向に取った座標軸をCX軸とし、CY軸およびCX軸に対して直角かつ上向きに取った座標軸をCZ軸とする。また、このような3つの座標軸(CX軸、CY軸、CZ軸)による座標を、以下ではカメラ基準座標と称し、座標値を(cx、cy、cz)と表すものとする。
このような(解析用の)車両基準座標を考えると、車載カメラ10のピッチ方向の回転はX軸周りの回転と考えることができ、車載カメラ10のロール方向の回転はY軸周りの回転と、車載カメラ10のヨウ方向の回転はZ軸周りの回転と考えることができる。
このように、車両基準座標の座標値(xo、yo、zo)と、(解析用の)車両基準座標の座標値(x、y、z)とは相互に変換可能であり、また、解析にはもっぱら(解析用の)車両基準座標の座標値(x、y、z)が用いられる。そこで、以下では、(解析用の)車両基準座標の座標値(x、y、z)を、単に、車両基準座標の座標値(x、y、z)と略称する。
車載カメラ10で撮影される基準図形(ここでは駐車枠)の車両基準座標の座標値(x、y、z)は、図7に示した式(2)によって、カメラ基準座標の座標値(cx、cy、cz)に変換される。
図8には、カメラ基準座標に変換された基準図形の座標値(cx、cy、cz)を、画像面座標の座標値(u、v)に変換する方法が示されている。図示されるように、カメラ基準座標の原点COから適切な距離Lに、車載カメラ10の光軸(座標軸CY)に直交する平面(画像面)を設定する。こうすれば、車載カメラ10の撮影画像は、カメラ基準座標上の撮影対象を、画像面に投影したものと考えることができる。
従って、カメラ基準座標の座標軸CYと画像面との交点を原点として、カメラ基準座標の座標軸CXと平行に座標軸Uを取り、カメラ基準座標の座標軸CZと平行に座標軸Vと取れば、地面に形成された基準図形(ここでは駐車枠)の座標値(cx、cy、cz)は、図8(c)に示した式(3)によって、画像面上の座標値(u、v)に変換される。
このように、車両基準座標の座標値(x、y、z)と、画像面座標の座標値(u、v)とは一対一に対応しているから、図9中に破線の矢印で示したように、画像面座標の座標値(u、v)を車両基準座標の座標値(x、y、z)に逆変換することも可能である。そして、鳥瞰画像は、車両基準座標の画像をZ軸方向から見た画像であるから、車両基準座標の座標値(x、y、z)のZ軸成分を削除することによって容易に得ることができる。
図3に示した取付角度調整処理のS101では、このような鳥瞰変換モジュールを用いて、撮影画像を鳥瞰画像に変換する。尚、車両基準座標の座標値(x、y、z)のZ軸成分を削除して得られる座標値(x、y)を、鳥瞰座標の座標値(x、y)と称することがあるものとする。
そして、図4(c)に例示したように、基準図形(ここでは駐車枠)の角度が本来の角度とは異なってしまうのは、車載カメラ10の取付角度がずれているためと考えられる。
その結果、評価関数Hの値が最も小さくなった(あるいは評価関数Hの値が所定の許容値よりも小さくなった)角度θp、θr、θyの組合せを、車載カメラ10の光軸が基準図形(駐車枠)に対して成す角度として決定する。
図3に示した取付角度調整処理のS103では、以上のようにして、駐車枠に対する車載カメラ10の角度を算出する。
車両1は駐車枠に対してできるだけ傾かないように停車しているから、図12(a)に示したように、車両1が駐車枠に対して傾いていないとすれば、車載カメラ10が車両1に対してヨウ方向に角度θyだけずれていることになる。
しかし、車両1を駐車枠に対して傾かないように停車させることは難しいので、図12(b)に示したように、車両1が駐車枠に対して角度θyだけ傾いていることも考えられる。この場合は、車載カメラ10は車両1に対しては真っ直ぐに取り付けられていることになる。
もちろん、実際には、図12(c)に示したように、車両1が駐車枠に対してヨウ方向に角度θys傾いて、その車両1に対して車載カメラ10が角度θyc傾いたために、結果として、車載カメラ10が駐車枠に対して角度θy傾いたものと考えられる。
これに対して、車両1の駐車枠に対するヨウ方向の傾きについては、常に一定の傾きとなるように条件を揃えることが困難である。従って、車両1の駐車枠に対するヨウ方向の角度θysを何らかの方法で検出しなければ、車載カメラ10の車両1に対するヨウ方向の角度θycを知ることができず、車載カメラ10の取付角度を調整することもできなくなる。
尚、車両1を移動させる距離は、原理的には、距離が長いほど、車両1の駐車枠に対するヨウ方向の角度θysを精度良く検出することができる。しかし実際には、車両1を移動させる距離があまりに長くなると、車載カメラ10の撮影範囲内から駐車枠が外れてしまう。また、たとえ車載カメラ10の撮影範囲内に入っていても、駐車枠が車載カメラ10から遠くなると、車載カメラ10の解像度や、得られる像が歪み易くなる関係で、駐車枠の正確な形状を検出することが困難になる。このため、実際には、車両1を移動させる距離には適切な範囲が存在しており、本実施例では、2メートル〜3メートルの範囲で車両1を直進させる。
すなわち、図13(a)に示されるように、モニター11に表示された鳥瞰画像上で駐車枠が移動するのは、図13(b)に示すように、車両1が移動したことによって駐車枠が車両1から遠ざかったためである。従って、鳥瞰画像上での駐車枠の移動方向は、車両1が駐車枠に対して移動する方向となっており、そして、車両1が直進しているのであれば、車両1が駐車枠に対して移動する方向は、車両1の駐車枠に対する角度θysとなる。このことから、鳥瞰画像上での駐車枠の移動方向を検出すれば、車両1の駐車枠に対する角度θysを求めることができる。
例えば、図13(a)に例示したように、駐車枠の角部A、あるいは角部Bの位置を特徴点として検出して、2つの鳥瞰画像間で角部Aあるいは角部Bが移動する方向を求めることによって、車両1の駐車枠に対する角度θysを求めることができる。
図3に示した取付角度調整処理のS106では、このようにして、車両1の駐車枠に対する角度θysを検出する。
すなわち、ヨウ方向については、車載カメラ10の車両1に対する取付角度θycが求められているので、この取付角度θycが適切な値となるように調整することができる。
また、ピッチ方向およびロール方向については、車両1の駐車枠に対する傾きが同じとなるように乗員や積載状態(積載量や積載位置など)を揃えた状態で、車載カメラ10の駐車枠に対するピッチ方向の角度θpおよびロール方向の角度θrが適切な値となるように、車載カメラ10の取付角度を調整することができる。
あるいは、乗員や積載状態(積載量や積載位置など)を揃えた状態で、車両1が駐車枠に対してピッチ方向およびロール方向に傾く角度を予め見積もっておき、車載カメラ10の駐車枠に対するピッチ方向の角度θpおよびロール方向の角度θrから、これら見積もっておいた角度を減算してもよい。こうすれば、車載カメラ10の車両1に対するピッチ方向およびロール方向の取付角度を求めることができるので、求めた角度が適切な角度となるように、車載カメラ10の取付角度を調整することができる。
しかし、直進後の鳥瞰画像に基づいて、車載カメラ10の駐車枠に対する角度を算出することとしても良い。
しかし、車載カメラ10の駐車枠に対する角度を算出するために用いた鳥瞰画像とは別に、車両1の直進前後で新たな2つの鳥瞰画像を取得して、それらの鳥瞰画像に基づいて車載カメラ10の駐車枠に対する角度を算出することとしても良い。
上述した第1実施例では、1つの鳥瞰画像に基づいて車載カメラ10の基準図形(ここでは駐車枠)に対する角度を算出し、2つの鳥瞰画像に基づいて車両1の基準図形(駐車枠)に対する角度を検出するものとして説明した。しかし、複数の鳥瞰画像を用いて、車載カメラ10の基準図形に対する角度を算出し、2つよりも多くの鳥瞰画像を用いて、車両1の基準図形に対する角度を検出してもよい。
こうすれば、それぞれの角度を算出あるいは検出する際に混入する誤差の影響を小さくすることができるので、車載カメラ10の取付角度をより正確に調整することができる。
また、直進監視部27は、取付角度の検出中に車両1が直進状態から逸脱したことを検出すると、取付角度の検出中は車両1の直進状態を維持する旨の警告を、スピーカー30などから出力する。
図示されるように、第2実施例の取付角度調整処理でも、先ず始めは、基準図形(駐車枠)の撮影画像を車載カメラ10から取得する(S200)。
その結果、撮影画像中の所定範囲内に駐車枠が写っていない場合は(S201:no)、車両1を停車した位置が適切でない旨の警告を、スピーカー30やモニター11などから出力する(S202)。そして、取得した撮影画像を破棄した後(S203)、S200に戻って、もう一度、駐車枠を撮影した撮影画像を取得する。
そこで、始めに駐車枠の撮影画像を取得したら、その撮影画像中で適切な範囲内に駐車枠が写っているか否かを判断し(S201)、適切な範囲内に駐車枠が写っていない場合は(S201:no)、その旨を運転者に警告することとしている。
そして、車両情報センサー12から検出した車速が、許容速度以内か否かを判断して(S205)、許容速度を超えていた場合は(S205:no)、車速が高い旨の警告を、スピーカー30あるいはモニター11を用いて出力する(S206)。尚、車速が許容速度より高い場合に警告する理由については後述する。
また、車速が許容速度以内であった場合は(S205:yes)、運転者に対する警告は行わない。
その結果、車両1が直進状態でなかった場合は(S207:no)、車両1の直進状態を保つ旨の警告を、スピーカー30あるいはモニター11を用いて出力する(S208)。そして、それまでに取得した全ての撮影画像を破棄した後(S209)、処理の先頭に戻って、駐車枠の撮影画像を取得する処理(S200)からやり直す。ここで、全ての撮影画像を破棄する(S209)のは、車両1の駐車枠に対する角度θysは、車両1が直進状態にあることを前提として検出しているので(図13参照)、車両1が直進状態から逸脱すると、それまでの撮影画像は使えなくなるためである。
その結果、撮影画像の枚数が目標枚数に達していない場合は(S210:no)、車両1の移動距離が制限距離に達したか否かを判断する(S211)。これは、第1実施例で説明したように、駐車枠が車両1から遠くなると、駐車枠を精度良く検出することが困難となるためである。第2実施例の取付角度調整処理では、制限距離が2メートル〜3メートルの範囲から選択された所定の距離に設定されている。
そして、車両1の移動距離が制限距離に達していない場合は(S211:no)、S205に戻って、車速が許容速度以内か否かを判断した後、続く上述した一連の処理(S206〜S211)を繰り返す。
そして、車両1の移動距離が制限距離を超えた旨の警告を、スピーカー30あるいはモニター11などから出力し(S213)、更に、車両1を一旦停止させて進行方向を反転させる旨の指示を、運転者に対して出力する(S214)。ここで、撮影画像の取得を中断し、車両1の進行方向を反転させる旨を指示しているのは、車両1がそれ以上に駐車枠から離れると、駐車枠の検出精度が低下する虞が生じるためである。
尚、第2実施例では、車両1の停止と進行方向の反転とを運転者に対して指示するものとして説明する。しかし、運転者に対して指示するのではなく、制御装置20が車両1の各種アクチュエータに対して指示することによって、車両1の停止と進行方向の反転とを自動で実行してもよい。
その結果、進行方向を反転させて車両1が進行を開始していないと判断した場合には(S215:no)、同様の判断を繰り返すことによって、そのまま待機状態となる。その結果、反転した方向に進行を開始したと判断したら(S215:yes)、撮影画像の取得を再開する(S216)。その後は、図15のS205に戻って、車速が許容速度以内か否かを判断した後、続く上述した一連の処理(S206〜S211)を繰り返す。
上述したように第2実施例の取付角度調整処理では、車両1を制限距離内で移動させながら、目標枚数の撮影画像を取得する。従って、車両1の車速が高いと、取得した撮影画像が目標枚数に達するまでの間に、何度も車両1を停止させて進行方向を反転させなければならなくなるので、目標枚数の撮影画像を取得するために要する時間が長くなってしまう。
また、車両1を停止させて、進行方向を反転させる回数が増えるほど、車両1が直進状態から逸脱する可能性が高くなる。そして、直進状態から逸脱した場合には、それまでに取得した撮影画像は破棄されてしまうので、目標枚数の撮影画像を取得するために要する時間は、更に長くなってしまう。
従って、車両1の移動速度は、あまり高くない方が望ましい。そこで、第2実施例の取付角度調整処理では、車両1の車速が許容速度を超えている場合には(S205:no)、車速が高い旨を警告する(S206)こととしている。
そして、それぞれの鳥瞰画像中から検出した駐車枠の座標値を平均することによって、平均駐車枠を算出する(S218)。平均駐車枠は、目標枚数の鳥瞰画像中から検出した駐車枠を平均して算出されているので、たとえ個々の鳥瞰画像から検出した駐車枠の位置にノイズが混入していた場合でも、ノイズの影響を除去することができる。その結果、駐車枠を精度良く検出することができる。
続いて、前述した第1実施例の取付角度調整処理と同様に、検出した各辺の角度に基づいて、駐車枠に対する車載カメラ10の角度を算出する(S220)。
その後、車載カメラ10の駐車枠に対するピッチ方向の角度θpおよびロール方向の角度θrと、車載カメラ10の車両1に対するヨウ方向の取付角度θycとに基づいて、車載カメラ10の車両1に対する取付角度を調整する(S223)。
また、複数の撮影画像を撮影するためには、車両1の直進状態を保ったまま、車両1を往復させればよいので、何ら作業が複雑になったり、煩雑になったりすることがなく、簡単に車載カメラ10の取付角度を調整することができる。
加えて、車両1が直進状態にあるか否かを監視して、直進状態から逸脱した場合には、その旨を警告する。このため、車両1が直進状態から逸脱したことに気付かないまま、車載カメラ10の取付角度の検出を継続して、取付角度を誤検出してしまうことも回避することができる。
すなわち、車両1の操舵角および車速が分かれば、駐車枠に対する車両1の相対位置の変化およびヨウ方向の角度の変化を推定することができる。従って、仮に、車載カメラ10の車両1に対するヨウ方向の取付角度θycが設計値通りであれば、撮影画像を鳥瞰変換して得られた画像中での駐車枠の移動量および移動方向は、推定した移動量および移動方向と一致するはずである。逆に、一致していないのであれば、車載カメラ10の車両1に対するヨウ方向の取付角度θycが設計値からずれていることになる。
そこで、ヨウ方向の取付角度θycを様々な値に仮定して、鳥瞰変換した画像中での駐車枠の移動量および移動方向を算出する。そして、車両1の操舵角および車速から推定した値に最も近い値が得られる角度を、車載カメラ10の車両1に対するヨウ方向の取付角度θycとする。こうすれば、車両1を直進させない場合でも、車載カメラ10の取付角度を簡単に検出して調整することが可能となる。
12…車両情報センサー、 20…制御装置、 21…撮影画像取得部、
22…鳥瞰変換部、 23…記憶部、 24…カメラ角度解析部、
25…車両角度解析部、 26…取付角度検出部、 27…直進監視部、
30…スピーカー。
Claims (11)
- 水平方向よりも斜め下方の方向で車両に取り付けられて、該車両の周囲の地面を含む画像を撮影する車載カメラの取付角度調整方法であって、
少なくとも3本の直線が既知の角度で交差し、前記地面上に形成された所定の基準図形を、前記車載カメラで撮影する撮影工程(S100、S204)と、
前記基準図形を撮影した撮影画像を、該基準図形が形成された前記地面を上方から見下ろした鳥瞰画像に変換する鳥瞰変換工程(S101、S217)と、
前記鳥瞰画像中の前記基準図形の形状と、前記地面上に形成された前記基準図形の形状との偏差に基づいて、前記基準図形に対して前記車載カメラの光軸がなす角度を、該光軸の先端側を上下方向に動かすピッチ方向の角度成分と、該光軸周りに回転するロール方向の角度成分と、該光軸の先端側を左右方向に動かすヨウ方向の角度成分とについて決定するカメラ角度決定工程(S103、S220)と、
前記車両を直進させて前記基準図形を撮影し、少なくとも2箇所で撮影した該基準図形の前記鳥瞰画像に基づいて、該基準図形に対する前記車両の前記ヨウ方向の角度成分を決定する車両角度決定工程(S106、S221)と、
前記カメラ角度決定工程で得られた角度成分と、前記車両角度決定工程で得られた角度成分とに基づいて、前記車両に対する前記車載カメラの取付角度を調整する調整工程(S108、S223)と
を備える車載カメラの取付角度調整方法。 - 請求項1に記載の車載カメラの取付角度調整方法であって、
前記カメラ角度決定工程は、
前記鳥瞰画像中の前記基準図形から、該基準図形に含まれる前記3本の直線の中で基準として用いる1本の基準直線と、他の2本の直線とを抽出して、該基準直線が他の2本の直線に対してなす角度と、該基準直線が前記車載カメラの光軸に対してなす角度とを検出する工程(S102、S219)を備え、
前記基準直線が他の2本の直線に対してなす角度と前記既知の角度との偏差と、該基準直線が前記車載カメラの光軸に対してなす角度と所定角度との偏差との合計が、所定の許容範囲内となるように、前記ピッチ方向の角度成分と、前記ロール方向の角度成分と、前記ヨウ方向の角度成分とを決定する工程であり、
前記車両角度決定工程は、少なくとも2箇所で得られた前記鳥瞰画像から、該鳥瞰画像上での前記基準図形の移動方向を検出することによって、該基準図形に対する前記車両の前記ヨウ方向の角度成分を決定する工程である
車載カメラの取付角度調整方法。 - 請求項2に記載の車載カメラの取付角度調整方法であって、
前記撮影工程は、前記基準図形として駐車枠を撮影する工程である
車載カメラの取付角度調整方法。 - 請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載の車載カメラの取付角度調整方法であって、
前記車両角度決定工程は、前記車両を直進させながら複数の前記撮影画像を撮影することによって、前記ヨウ方向への角度成分を決定する工程である
車載カメラの取付角度調整方法。 - 請求項1ないし請求項4の何れか一項に記載の車載カメラの取付角度調整方法であって、
前記車両角度決定工程は、前記撮影工程で前記基準図形を撮影した後、該基準図形から遠ざかる方向に前記車両を直進させて該基準図形を再び撮影することによって、前記ヨウ方向への角度成分を決定する工程である
車載カメラの取付角度調整方法。 - 請求項1ないし請求項5の何れか一項に記載の車載カメラの取付角度調整方法であって、
前記車両角度決定工程は、前記車両を3メートル以内で直進させて複数の前記撮影画像を撮影することによって、前記ヨウ方向への角度成分を決定する工程である
車載カメラの取付角度調整方法。 - 請求項1ないし請求項6の何れか一項に記載の車載カメラの取付角度調整方法であって、
前記車両を直進させる前に撮影した前記撮影画像中の所定範囲内に前記基準図形が写っているか否かを判断して、該基準図形が写っていない場合には、警告を出力する工程(S201、S202)を備える
車載カメラの取付角度調整方法。 - 請求項1ないし請求項7の何れか一項に記載の車載カメラの取付角度調整方法であって、
前記車両の直進中に該車両の直進状態が維持されているか否かを監視して、該直進状態が維持されていない場合には、警告を出力する工程(S207、S208)を備える
車載カメラの取付角度調整方法。 - 請求項1ないし請求項8の何れか一項に記載の車載カメラの取付角度調整方法であって、
前記車両の直進中に該車両の移動速度が所定の許容速度以内か否かを判断して、該移動速度が該許容速度を超えた場合には、警告を出力する工程(S205、S206)を備える
車載カメラの取付角度調整方法。 - 請求項1ないし請求項9の何れか一項に記載の車載カメラの取付角度調整方法であって、
前記車両の直進中に該車両の移動範囲が所定の制限距離の範囲内を超えたか否かを判断して、該制限距離の範囲内を超えた場合には、警告を出力する工程(S211、S213)を備える
車載カメラの取付角度調整方法。 - 水平方向よりも斜め下方の方向で車両(1)に取り付けられて、該車両の周囲の地面を含む画像を撮影する車載カメラ(10)の取付角度検出装置(20)であって、
少なくとも3本の直線が既知の角度で交差し、前記地面上に形成された所定の基準図形を、前記車載カメラで撮影した撮影画像を取得する撮影画像取得部(21)と、
前記基準図形を撮影した撮影画像を、該基準図形が形成された前記地面を上方から見下ろした鳥瞰画像に変換する鳥瞰変換部(22)と、
前記鳥瞰画像中の前記基準図形の形状と、前記地面上に形成された前記基準図形の形状との偏差に基づいて、前記基準図形に対して前記車載カメラの光軸がなす角度を、該光軸の先端側を上下方向に動かすピッチ方向の角度成分と、該光軸周りに回転するロール方向の角度成分と、該光軸の先端側を左右方向に動かすヨウ方向の角度成分とについて決定するカメラ角度決定部(24)と、
前記車両を直進させて前記基準図形を撮影し、少なくとも2箇所で撮影した該基準図形の前記鳥瞰画像に基づいて、該基準図形に対する前記車両の前記ヨウ方向の角度成分を決定する車両角度決定部(25)と、
前記カメラ角度決定部で得られた角度成分と、前記車両角度決定部で得られた角度成分とに基づいて、前記車両に対する前記車載カメラの取付角度を検出する取付角度検出部(26)と
を備える車載カメラの取付角度検出装置。
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