JP6449126B2 - ロータリーキルンの設計方法 - Google Patents

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Description

本発明は、焼結ペレットを生成するロータリーキルンを設計するための方法に関するものである。
従来、鉄鉱石や石炭等の混合物によって形成されたペレット粒を焼成するキルンを備えた焼結ペレットの製造装置が知られている。このような焼結ペレットの製造装置として、特許文献1には、当該鉄鉱石および石炭の混合物であるペレット粒を生成するディスクペレタイザと、ディスクペレタイザから投入されたペレット粒を焼成するロータリーキルンと、を備えた高炉原料用塊成化物の製造装置が記載されている。特許文献1のロータリーキルンは、ディスクペレタイザから投入されたペレット粒が当該ロータリーキルンから流出するように回転しつつ、当該ロータリーキルン内を移動するペレット粒を加熱し、これにより当該ペレット粒を焼成して焼結ペレットを生成する。
特開2012−153949号公報
近年、上記のロータリーキルンを設計するに際して、当該ロータリーキルンを最適なサイズにて設計可能な設計方法が求められている。具体的には、以下のとおりである。
ロータリーキルンは、要求される圧潰強度を有する焼結ペレットを生成することが可能な程度に大きいサイズにて設計される必要があるものの、当該ロータリーキルンを大きいサイズにて設計することによりコストが増大する虞がある。このため、ロータリーキルンは、要求される圧潰強度を有する焼結ペレットを生成することができるとともにコストの増大を抑止することができるような最適なサイズにて設計されることが要求される。しかしながら、ロータリーキルンを最適なサイズにてキルンを設計する方法は、未だ確立されていない。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、要求される圧潰強度を有する焼結ペレットを生成することができるとともにコストの増大を抑止することができるロータリーキルンの設計方法に関する。
本発明に係るロータリーキルンの設計方法は、ペレット粒が流入する流入口および当該ペレット粒子を流出させる流出口を有しており当該ペレット粒を前記流入口から前記流出口へと導くように回転しつつ当該ペレット粒を焼成することにより焼結ペレットを生成するロータリーキルンを設計するための方法であって、前記ロータリーキルンのラボ機を準備し、当該ラボ機内における前記ペレット粒の滞留時間および焼成温度と、当該滞留時間および当該焼成温度にて生成された前記焼結ペレットの圧潰強度と、をそれぞれ含む複数のラボ機データを取得するデータ取得工程と、前記複数のラボ機データから前記滞留時間、前記焼成温度、および前記圧潰強度の関係を示すラボ機特性を推算するラボ機特性推算工程と、前記ロータリーキルンの実機であって前記ラボ機のサイズに比して設計される前記ロータリーキルンのサイズに近いサイズを有するものを準備し、当該実機において取得した前記滞留時間、前記焼成温度、および前記圧潰強度を含む実機データに基づいて、前記ラボ機特性を補正することにより、設計される前記ロータリーキルンにおける前記滞留時間、前記焼成温度、および前記圧潰強度の関係を示す実機特性を推算する実機特性推算工程と、要求される前記焼結ペレットの前記圧潰強度と、前記設計されるロータリーキルンにおいて予定される前記焼結温度と、前記実機特性と、に基づいて、前記要求される焼結ペレットを生成するために必要な前記滞留時間を求め、当該必要な滞留時間に基づいて前記設計されるロータリーキルンのサイズを決定する設計工程と、を備える。
上記のロータリーキルンの設計方法では、ラボ機において取得した焼成温度、滞留時間、および圧潰強度を含むラボ機データからこれらの関係を示すラボ機特性を推算するとともに、実機において取得した焼成温度、滞留時間、および圧潰強度を含む実機データに基づいて当該ラボ機特性を補正することにより実機特性を推算し、当該実機特性から求められた必要な滞留時間に基づいてロータリーキルンのサイズを決定するため、コストの増大を抑止しつつ要求される圧潰強度を有する焼結ペレットを生成することができるロータリーキルンを設計することができる。具体的には、以下のとおりである。
要求される圧潰強度を有する焼結ペレットを生成するためには、ロータリーキルン内におけるペレット粒の滞留時間と当該ペレット粒の焼成温度とを最適化する必要があるが、当該滞留時間はロータリーキルンのサイズによって変化する。
そこで、上記のロータリーキルンの設計方法では、まず、ラボ機において焼成温度、滞留時間、および圧潰強度を含むラボ機データを複数取得し、当該取得した複数のラボ機データから焼成温度、滞留時間、および圧潰強度の関係を示すラボ機特性を推算する。これにより、ラボ機おいて、圧潰強度および焼成温度が決定されると、前記特性から滞留時間を求めることができる。
ところで、ロータリーキルンのラボ機のサイズは、設計されるロータリーキルンのサイズとは大きく異なる場合があり、ラボ機において推算されたラボ機特性と設計されるロータリーキルンにおける実機特性との間に差が生じる可能性がある。
そこで、上記のロータリーキルンの設計方法では、既に設計済みのロータリーキルンの実機において焼成温度、滞留時間、および圧潰強度を含む実機データを取得し、当該実機データに基づいてラボ機特性を補正することにより実機特性を推算し、当該実機特性を設計されるキルンにおける特性として利用する。なお、ここで用いられるロータリーキルンの実機は、ロータリーキルンのラボ機のサイズに比して設計されるロータリーキルンのサイズに近いサイズを有する。
このように、上記のロータリーキルンの設計方法では、ラボ機特性を補正することにより実機特性を求めることにより、当該実機特性と、要求される焼結ペレットの圧潰強度と、設計されるキルンにおいて予定される焼結温度と、に基づいて要求される焼結ペレットを生成するために必要な滞留時間を正確に求めることができ、当該必要な滞留時間に基づいて最適なロータリーキルンのサイズを決定することができる。
前記設計工程において、前記必要な滞留時間に基づいて、前記設計されるロータリーキルンの前記流入口から前記流出口までの長さ、前記設計されるロータリーキルンの内径、前記設計されるロータリーキルンの単位時間あたりの回転数、および前記設計されるロータリーキルンの傾斜比率を決定することが好ましい。
上記のロータリーキルンの設計方法では、必要な滞留時間に基づいてロータリーキルンの長さ、内径、単位時間あたりの回転数、および傾斜比率を決定することにより、コストの増大を抑止しつつ要求される圧潰強度を有する焼結ペレットを生成することができるロータリーキルンを設計することができる。具体的には、以下のとおりである。
ロータリーキルンでは、当該ロータリーキルンの内径、単位時間あたりの回転数、および傾斜比率に応じて、当該ロータリーキルンの長手方向においてペレット粒が単位時間あたりに進む距離が変化するため、ロータリーキルンの内径、単位時間あたりの回転数、傾斜比率、および長さによってペレット粒の滞留時間が決まる。
そこで、上記のロータリーキルンの設計方法では、要求される圧潰強度を有する焼結ペレットを生成するために必要なペレット粒の滞留時間に基づいて、ロータリーキルンの内径、単位時間あたりの回転数、傾斜比率、および長さを決定することにより、コストの増大を抑止しつつ要求される圧潰強度を有する焼結ペレットを生成することができるロータリーキルンを設計することができる。
なお、傾斜比率とは、基準面に対するロータリーキルンの傾斜角を指す。基準面は、例えば地面に設定することができる。
以上説明したように、本発明によれば、要求される圧潰強度を有する焼結ペレットを生成することができるとともにコストの増大を抑止することができるロータリーキルンの設計方法が提供される。
本実施形態に係る焼結ペレットの製造装置を示す概略図である。 本実施形態に係るロータリーキルンの設計方法を示すブロックチャート図である。 焼結ペレットの圧潰強度とロータリーキルン内におけるペレット粒の滞留時間との関係を示すグラフであって、ラボ機および実機において計測された値をプロットするとともに、ラボ機における特性の推算式および実機における特性の推算式を示す。 ペレット粒がロータリーキルン内を移動する様子を示した概略図である。
まず、本実施形態に係る設計方法によって設計されるロータリーキルンを備えた焼結ペレットの製造装置X1(以下、製造装置X1と略する)について、図1を参照しながら説明する。なお、以下において参照する図1は、本実施形態に係る製造装置X1のうち主要部材のみを簡略化して示したものである。したがって、本実施形態に係る製造装置X1は、本明細書が参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。
図1に示すように、製造装置X1は、石炭ホッパ10と、鉄鉱石ホッパ20と、ディスクペレタイザ30と、乾燥予熱ユニット40と、ロータリーキルン50と、バーナー60と、クーラー70と、を備えている。製造装置X1では、石炭ホッパ10および鉄鉱石ホッパ20から流出した石炭および鉄鉱石がディスクペレタイザ30において混合されることによりペレット粒が生成され、当該ペレット粒が乾燥予熱ユニット40において乾燥された後、ロータリーキルン50において焼成されることにより、焼結ペレットが生成され、当該焼結ペレットがクーラー70において所定の温度まで冷却される。
石炭ホッパ10は、焼結ペレットの原料の一部である石炭を貯留するとともに、当該石炭ホッパ10の底から石炭を流出させる。鉄鉱石ホッパ20は、焼結ペレットの原料の一部である鉄鉱石を貯留するとともに、当該鉄鉱石ホッパ20の底から鉄鉱石を流出させる。なお、焼結ペレットには、石炭および鉄鉱石に限らず、その他の原料が含まれていてもよい。
ディスクペレタイザ30は、石炭と鉄鉱石とが混合されたペレット粒を生成する。具体的には、ディスクペレタイザ30は、石炭ホッパ10から流出した石炭と鉄鉱石ホッパ20から流出した鉄鉱石とが投入された状態で回転し、これによって石炭と鉄鉱石とを混合させることにより、石炭および鉄鉱石を含むペレット粒を生成する。このペレット粒は、例えば、図略のシードスクリーンによってスクリーニングされ、所定の外径以下の外径を有するペレット粒のみが後述の乾燥予熱ユニット40に投入される。
乾燥予熱ユニット40は、ペレット粒を乾燥させるとともに、焼成の前段階における当該ペレット粒の固さを調整する。乾燥予熱ユニット40は、乾燥室、離水室、および予熱室を有している。乾燥室、離水室、および予熱室は、ディスクペレタイザ30からペレット粒が投入される上流側からこの順番に並んでいる。乾燥室は、ペレット粒に含まれる水分を蒸発させる。離水室は、鉄鉱石に含まれる結晶水を蒸発させる。予熱室は、ペレット粒を加熱することにより、後述するロータリーキルン50内を転動するペレット粒から多量の粉が発生しない程度に当該ペレット粒の固さを調整する。
ロータリーキルン50は、当該ロータリーキルン50内を移動するペレット粒を焼成して焼結ペレットを生成する。ロータリーキルン50は、円筒状をなしており、回転可能に構成されている。ロータリーキルン50は、乾燥予熱ユニット40の予熱室に繋がる流入口51と、後述するクーラー70に繋がる流出口52と、を有しており、流入口51から流出口52に向けて下方に傾斜するように配置されている。ロータリーキルン50内には、流出口52を通じてバーナー60が配置されている。
流入口51を通じて乾燥予熱ユニット40からロータリーキルン50内に流入したペレット粒は、ロータリーキルン50の回転に応じて当該ロータリーキルン50内を転動しながら流出口52へ向けて移動し、その過程においてバーナー60によって加熱されることにより焼成され、これにより生成された焼結ペレットが流出口52を通じてロータリーキルン50から流出する。
クーラー70は、焼結ペレットを所定の温度まで冷却する。クーラー70は、ロータリーキルン50の流出口52に繋がっており、当該流出口52を通じてロータリーキルン50から流出した焼結ペレットがクーラー70において冷却される。
製造装置X1では、乾燥予熱ユニット40からロータリーキルン50へと流入したペレット粒が、当該ロータリーキルン50内に滞留する滞留時間の間、バーナー60によって加熱されたロータリーキルン50内の焼成温度にて焼成され、これにより所定の圧潰強度を有する焼結ペレットが生成される。
ところで、焼結ペレットの圧潰強度は、ロータリーキルン50内におけるペレット粒の焼成条件、すなわち前記滞留時間および焼成温度によって決まる。すなわち、要求される圧潰強度を有する焼結ペレットを生成するためには、当該要求される圧潰強度に対応する滞留時間を満たし得る最適なサイズのロータリーキルン50を設計する必要がある。
以下では、図2を参照しながら、要求される圧潰強度を有する焼結ペレットを生成することが可能な最適なサイズのロータリーキルン50の設計方法について、詳細に説明する。なお、以下で参照する図2は、本実施形態に係るロータリーキルン50の設計方法のうち、主要な工程のみを簡略化して示したものである。したがって、本実施形態に係るロータリーキルン50の設計方法は、図2に示されていない任意の工程を備え得る。
最初に、ロータリーキルン50のラボ機A1内におけるペレット粒の滞留時間t(min)および焼成温度T(℃)と、当該滞留時間tおよび当該焼成温度Tにて生成された焼結ペレットの圧潰強度CCS(kg)と、をそれぞれ含む複数のラボ機データを取得する。具体的には以下のとおりである。
まず、本実施形態に係る設計方法によって設計されるロータリーキルン50の小型機であるラボ機A1を準備する。このラボ機A1は、本実施形態に係る設計方法によって設計されるロータリーキルン50の実機B1に比してサイズが小さく、設計に要するコストの低いものである。そして、ラボ機A1を用いて、焼結ペレットの生成を行い、当該生成過程におけるペレット粒の滞留時間tおよび焼成温度Tと、当該滞留時間tおよび焼成温度Tにて生成された焼結ペレットの圧潰強度CCSを実測する。本実施の形態では、焼結ペレットのもとになるペレット粒の原料として、ブラジル鉱石を使用しているが、これに限定するものではなくその他の鉱石を使用することができる。
なお、本実施形態では、ペレット粒の滞留時間tは、流入口51から流出口52に至るまでペレット粒がロータリーキルン50内を移動する時間である。また、ペレット粒の焼成温度Tは、ロータリーキルン50内における最高温度である。特に、本実施形態では、ロータリーキルン50内における流出口52側の底面付近における温度をロータリーキルン50内における最高温度として実測する。また、焼結ペレットの圧潰強度CCSは、ロータリーキルン50の流出口52から流出した後にクーラー70において所定の温度まで冷却された焼結ペレットの圧潰強度である。
本実施形態では、焼成温度Tを1200℃に設定した場合(条件A)における滞留時間tと圧潰強度CCSとを実測するとともに、焼成温度Tを1300℃に設定した場合(条件B)における滞留時間tと圧潰強度CCSとを実測し、滞留時間t、焼成温度T、および圧潰強度CCSをそれぞれ含む複数のラボ機データを取得する。焼成温度Tは、例えばバーナー60の加熱性能を変更することにより変化させることができ、これにより条件Aと条件Bとに分けてラボ機データを取得することができる。また、滞留時間tは、例えばラボ機A1の回転数を変更することにより変化させることができ、これにより条件Aにおける複数のラボ機データを取得できるとともに条件Bにおける複数のラボ機データを取得することができる。
次に、図3に示すように、取得した複数のラボ機データより、条件Aにおけるラボ機A1の実測値と、条件Bにおけるラボ機A1の実測値と、をグラフにプロットする。図3は、縦軸に圧潰強度CCSを、横軸に滞留時間tを示すグラフである。
そして、ステップST1にて取得した複数のラボ機データに基づいて、ラボ機A1における滞留時間t、焼成温度T、および圧潰強度CCSの関係を示すラボ機特性を推算する(ステップST2)。具体的には、図3に示すように、条件Aおよび条件Bのそれぞれにおけるラボ機A1の滞留時間tおよび圧潰強度CCSの実測値を示す複数の点の近似曲線を引き、これらの近似曲線に共通する滞留時間t、焼成温度T、および圧潰強度CCSの推算式を求める。これによって、ラボ機A1における滞留時間t、焼成温度T、および圧潰強度CCSの関係を示すラボ機特性として、以下の推算式を求める。
これにより、ラボ機A1では、推算式(1)において、焼成温度Tに予定される焼成温度を代入するとともに、圧潰強度CCSに要求される圧潰強度を代入することにより、当該要求される圧潰強度を有する焼結ペレットを生成するために必要なペレット粒の滞留時間を求めることができる。
次に、ロータリーキルン50の実機B1内におけるペレット粒の滞留時間tおよび焼成温度Tと、当該滞留時間tおよび当該焼成温度Tにて生成された焼結ペレットの圧潰強度CCSと、をそれぞれ含む複数の実機データを取得する(ステップST3)。具体的には以下のとおりである。
まず、ロータリーキルン50の実機B1を準備する。実機B1は、既に設計済みのロータリーキルン50である。すなわち、実機B1としては、実際に稼働されているロータリーキルン50を用いることができる。実機B1は、少なくともラボ機A1のサイズに比して設計されるロータリーキルン50のサイズに近いサイズを有する。本実施形態では、実機B1は、設計されるロータリーキルン50のサイズと同程度のサイズを有する。
そして、実機B1を用いて、焼結ペレットの生成を行い、当該生成過程におけるペレット粒の滞留時間tおよび焼成温度Tと、当該滞留時間tおよび焼成温度Tにて生成された焼結ペレットの圧潰強度CCSを実測する。本実施形態では、焼成温度Tを条件Cに設定した場合における滞留時間tと圧潰強度CCSとを実測し、滞留時間t、焼成温度T、および圧潰強度CCSをそれぞれ含む複数の実機データを取得する。なお、実機B1における焼結ペレットの原料および実測方法については、ラボ機A1に場合と同様である。
次に、図3に示すように、取得した複数の実機データより、条件Cにおける実機B1の滞留時間tおよび圧潰強度CCSの実測値をグラフにプロットする。なお、本実施形態では、2つの実機データを取得することにより図3に2点の実測値がプロットしているが、これに限らず、実機データは1つであってもよい。
そして、ステップST3にて取得した実機データに基づいて、ステップST2にて推算したラボ機特性を補正することにより、設計されるロータリーキルン50における滞留時間t、焼成温度T、および圧潰強度CCSの関係を示す実機特性を推算する(ステップST4)。具体的には、推算式(1)にの焼成温度Tに条件Cにおける焼成温度を代入することによりラボ機A1における滞留時間tと圧潰強度CCSとの関係式を求めた後、当該関係式と実機データを比較することでラボ機特性と実機特性とのずれを求め、当該ずれに応じた補正係数kによって推算式(1)を補正することにより、実機B1における実機機特性として以下の推算式を求める。
ここで、実機B1は、ラボ機A1のサイズに比して設計されるロータリーキルン50のサイズに近いサイズを有している。このため、設計されるロータリーキルン50では、推算式(2)において、焼成温度Tに予定される焼成温度を代入するとともに、圧潰強度CCSに要求される圧潰強度を代入することにより、当該要求される圧潰強度を有する焼結ペレットを生成するために必要なペレット粒の滞留時間を求めることができる。
次に、ステップST4にて推算された推算式(2)を用いて、設計されるロータリーキルン50において必要なペレット粒の滞留時間tを算出する(ステップST5)。具体的には、設計されるロータリーキルン50において要求される焼結ペレットの圧潰強度をCCSとし、当該設計されるロータリーキルン50において予定される焼成温度をTとする場合に、推算式(2)における圧潰強度CにCCSを代入するとともに焼成温度TにTを代入することにより、当該圧潰強度CCSを有する焼結ペレットを生成するために必要なペレット粒の滞留時間tを算出する。
次に、ステップST5にて算出された滞留時間tに基づいて、設計されるロータリーキルン50のサイズ、単位時間あたりの回転数、および傾斜比率を決定する(ステップST6)。具体的には、以下のとおりである。
図4は、ロータリーキルン50内を移動するペレット粒の軌跡を点線で示す。ペレット粒は、ロータリーキルン50の回転に応じて流入口51側から流出口52側へと当該ロータリーキルン50内を転動する。なお、図4において、Lはロータリーキルン50の長さを示し、rはロータリーキルン50の内径を示し、Sはロータリーキルン50の傾斜比率を示す。なお、本実施形態では、ロータリーキルン50の傾斜比率Sは、基準面となる地面に対する当該ロータリーキルン50の傾斜角を指す。ロータリーキルン50で焼成後のペレットの安息角をβとすると、ロータリーキルン50内の滞留時間tはSullivanの式である、以下の数式で表される。
なお、安息角βは、原料固有の物性値である。そのため、ロータリーキルン50内の滞留時間tがステップST5にて算出された滞留時間t1となるように、最適な内径r、長さL、単位時間あたりの回転数N、および傾斜比率Sを決定する。そして、当該決定に基づいて、ロータリーキルン50を設計する。
このようにして、ロータリーキルン50の設計が終了する。
以上のように、本実施形態に係るロータリーキルン50の設計方法では、ラボ機A1において取得した焼成温度T、滞留時間t、および圧潰強度CCSを含むラボ機データからこれらの関係を示すラボ機特性を推算するとともに、実機B1において取得した焼成温度T、滞留時間t、および圧潰強度CCSを含む実機データに基づいて当該ラボ機特性を補正することにより実機特性を推算し、当該実機特性から求められた必要な滞留時間tに基づいてロータリーキルン50のサイズとして内径rおよび長さLを決定するため、コストの増大を抑止しつつ要求される圧潰強度CCSを有する焼結ペレットを生成することができるロータリーキルン50を設計することができる。具体的には、以下のとおりである。
要求される圧潰強度CCSを有する焼結ペレットを生成するためには、ロータリーキルン50内におけるペレット粒の滞留時間tと当該ペレット粒の焼成温度Tとを最適化する必要があるが、当該滞留時間tはロータリーキルン50のサイズによって変化する。
そこで、本実施形態に係るロータリーキルン50の設計方法では、まず、ラボ機A1において焼成温度T、滞留時間t、および圧潰強度CCSを含む複数のラボ機データを取得し、当該取得した複数のラボ機データから焼成温度T、滞留時間t、および圧潰強度CCSの関係を示すラボ機特性を推算する。
次に、既に設計済みのロータリーキルン50の実機B1において焼成温度T、滞留時間t、および圧潰強度CCSを含む実機データを取得し、当該実機データに基づいてラボ機特性を補正することにより実機特性を推算し、当該実機特性を設計されるキルンにおける特性として利用する。
このように、本実施形態に係るロータリーキルン50の設計方法では、ラボ機特性を補正することにより実機特性を求めることにより、当該実機特性と、要求される焼結ペレットの圧潰強度CCSと、設計されるキルンにおいて予定される焼結温度Tと、に基づいて要求される焼結ペレットを生成するために必要な滞留時間tを正確に求めることができ、当該必要な滞留時間tに基づいて最適なロータリーキルン50のサイズを決定することができる。
さらに、本実施形態に係るロータリーキルン50の設計方法では、必要な滞留時間tに基づいて、ロータリーキルン50のサイズとしての長さLおよび内径rと、ロータリーキルン50の単位時間あたりの回転数と、ロータリーキルン50の傾斜比率Sと、を決定することにより、コストの増大を抑止しつつ要求される圧潰強度を有する焼結ペレットを生成することができるロータリーキルン50をより確実に設計することができる。具体的には、以下のとおりである。
ロータリーキルン50では、当該ロータリーキルン50の内径r、単位時間あたりの回転数N、および傾斜比率Sに応じて、当該ロータリーキルン50の長手方向においてペレット粒が単位時間あたりに進む距離が変化するため、ロータリーキルンの長さL、内径r、単位時間あたりの回転数N、および傾斜比率Sのそれぞれによってペレット粒の滞留時間tが決まる。
そこで、本実施形態に係るロータリーキルン50の設計方法では、要求される圧潰強度CCSを有する焼結ペレットを生成するために必要なペレット粒の滞留時間tに基づいて、ロータリーキルンの長さL、内径r、単位時間あたりの回転数N、および傾斜比率Sのそれぞれを決定している。
以上説明した上記の実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記の実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上記の実施形態では、ステップST1にてラボ機データを取得するとともにステップST2にてラボ機特性を推算した後に、ステップST3にて実機データを取得したが、これに限らず、ステップST1およびステップST2以前に実機データが取得されてもよい。
また、上記の実施形態では、ステップST3にて実機データを取得し、これを用いてラボ機特性を補正することにより、実機特性を求めているが、これに限らない。ラボ機特性になる推算式(1)と実機データとから求められる補正係数kの値は、ペレットの原料鉄鉱石の仕様が異なる場合においても、同様の値を示すと推定される。したがって、過去にラボ機特性と実機特性における補正係数kとを求めたことがある場合、これらを利用することによりステップST3は省略可能である。なお、過去にラボ機特性と実機特性における補正係数kとを求めたことがある場合であっても、ステップST3を都度実施しても構わない。
A1 ロータリーキルンのラボ機
B1 ロータリーキルンの実機
50 ロータリーキルン
51 流入口
52 流出口

Claims (2)

  1. ペレット粒が流入する流入口および当該ペレット粒子を流出させる流出口を有しており当該ペレット粒を前記流入口から前記流出口へと導くように回転しつつ当該ペレット粒を焼成することにより焼結ペレットを生成するロータリーキルンを設計するための方法であって、
    前記ロータリーキルンのラボ機を準備し、当該ラボ機内における前記ペレット粒の滞留時間および焼成温度と、当該滞留時間および当該焼成温度にて生成された前記焼結ペレットの圧潰強度と、をそれぞれ含む複数のラボ機データを取得するデータ取得工程と、
    前記複数のラボ機データから前記滞留時間、前記焼成温度、および前記圧潰強度の関係を示すラボ機特性を推算するラボ機特性推算工程と、
    前記ロータリーキルンの実機であって前記ラボ機のサイズに比して設計される前記ロータリーキルンのサイズに近いサイズを有するものを準備し、当該実機において取得した前記滞留時間、前記焼成温度、および前記圧潰強度を含む実機データに基づいて、前記ラボ機特性を補正することにより、設計される前記ロータリーキルンにおける前記滞留時間、前記焼成温度、および前記圧潰強度の関係を示す実機特性を推算する実機特性推算工程と、
    要求される前記焼結ペレットの前記圧潰強度と、前記設計されるロータリーキルンにおいて予定される前記焼結温度と、前記実機特性と、に基づいて、前記要求される焼結ペレットを生成するために必要な前記滞留時間を求め、当該必要な滞留時間に基づいて前記設計されるロータリーキルンのサイズを決定する設計工程と、を備えるロータリーキルンの設計方法。
  2. 前記設計工程において、前記必要な滞留時間に基づいて、前記設計されるロータリーキルンの前記流入口から前記流出口までの長さ、前記設計されるロータリーキルンの内径、前記設計されるロータリーキルンの単位時間あたりの回転数、および前記設計されるロータリーキルンの傾斜比率を決定する、請求項1に記載のロータリーキルンの設計方法。
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