JP5984141B2 - 鉱石中水分の測定方法、並びにフェロニッケル製錬の乾燥工程における乾燥処理方法及びフェロニッケルの製錬方法 - Google Patents
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Description
1.鉱石中水分の測定方法
1−1.篩分け工程
1−2.水分率測定工程
2.フェロニッケルの製錬方法
2−1.乾燥工程
2−2.焼成及び部分還元工程
3.実施例
本実施の形態に係る鉱石中水分の測定方法は、フェロニッケル製錬においてロータリーキルンを使用して原料鉱石を乾燥させる乾燥工程にて得られた乾燥鉱石(予備乾燥物)の水分率を測定する鉱石中水分の測定方法である。
本実施の形態に係る鉱石中水分の測定方法では、先ず、ロータリードライヤー11から得られた乾燥鉱石を目開き30〜70mmの篩12で篩分けする。これにより、目開き30〜70mmの篩を通過した篩下の乾燥鉱石である細粒13(以下、「篩下の乾燥鉱石13」ともいう)と、篩を通過しなかった篩上の乾燥鉱石である塊14aとに分別する。
ここで、篩下に得られた乾燥鉱石(細粒13)を水分率測定の対象とすることで、その測定値のばらつきが小さくなる理由についてより詳しく説明する。
篩12の目開きについては、上述したように、30〜70mmとする。篩12の目開きが70mmを超えると、70mmを超える塊14aが篩を通過して篩下に混じってしまう。すると、ベルトコンベヤー15aで乾燥鉱石を搬送する際に、表面積に占める小塊14bの割合と重量に占める小塊14bの割合の違いが大きくなる。また、表面積に占める小塊14bの割合と重量に占める小塊14bの割合との比は、上述したように、処理する原料の性状、すなわち含まれている粘土分の割合等により大きくばらつく。このことから、篩12の目開きが70mmを超えると、水分率の測定値のばらつきが非常に大きくなる。
篩12としては、上述した目開きで乾燥鉱石を分別できるものであれば特に限定されず、例えば振動篩等を用いることができるが、30〜70mm(目開き)の複数の円い穴を有する金属板で形成されてなるものを用いることが好ましい。篩分け処理では、塊が混じった乾燥鉱石を処理するため、この塊による摩耗に強いことが必要となる。この点において、金属板で形成されてなる篩を用いることによって摩耗を防ぐことができ、より効果的な篩分けを行うことを可能にする。また、その金属板で形成されてなる篩の中でも、トロンメルを用いることがより好ましい。トロンメルは、開口部が狭い構造となっているため、発生したダストの回収が容易となり、効率的な処理を行うことを可能にする。
本実施の形態に係る鉱石中水分の測定方法においては、上述したように、乾燥鉱石を目開き30〜70mmの篩12で篩分けして得られた篩下の乾燥鉱石である細粒13のみを対象として、その乾燥鉱石の水分率を求めるようにする。
乾燥鉱石の水分率の測定方法としては、特に限定されないが、例えば以下のようにして行う。すなわち、先ず、その水分率が既知であり、且つ、その水分率が15〜25%の範囲にある乾燥鉱石を標準試料として30個以上準備し、これらの標準試料を対象として上述した非接触型の水分測定器を使用して測定する。このときに得られる測定値は、その標準試料の水分率に対応した値(以下、「水分相対値」という)となる。そして、その標準試料の既知の水分率を横軸とし、測定した水分相対値を縦軸として、散布図を作製する。
次に、上述した鉱石中水分の測定方法を適用した、フェロニッケルの製錬方法について説明する。
乾燥工程では、所定の調合品位となるように原料鉱石を配合した後に、ロータリードライヤーを使用して、その原料鉱石中の水分の一部を除去する。具体的には、鉱石中の水分を15〜25%程度に調整する。
焼成及び部分還元工程では、乾燥工程を経て得られた乾燥鉱石をロータリーキルン内に装入し、石炭等の還元剤と必要に応じて熔剤を添加して、乾燥鉱石中に含まれる残りの水分を完全に除去するとともに、乾燥鉱石を部分的に還元して焼成鉱石(焼鉱)を得る。
以下、本発明についての実施例を比較例と対比しながら説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
フェロニッケル製錬の乾燥工程におけるロータリードライヤーから排出された乾燥鉱石を、目開き30mmの篩で篩分けした。篩分けして得られた篩下の乾燥鉱石(細粒)に水を添加して水分率を調整した乾燥鉱石(すなわち、水分率が既知の乾燥鉱石)に対して常圧乾燥法で測定した水分率を横軸とし、非接触型の水分測定器で測定した水分相対値を縦軸として散布図を作製した。この散布図の一次近似の相関係数として、0.70を得ることができた。なお、非接触型の水分測定器としては、赤外線吸収式水分計(型式IRMA5161S2、株式会社チノー製)を使用した。
ロータリードライヤーから排出された乾燥鉱石を、目開き70mmの篩で篩分けしたこと以外は、実施例1と同様にして行った。
ロータリードライヤーから排出された乾燥鉱石を、ロータリードライヤーの排出端側に接続された目開き30mmの円い穴を開けた厚さ20mmの金属板を使ったトロンメルを使用して篩分けしたこと以外は、実施例1と同様にして行った。
ロータリードライヤーから排出された乾燥鉱石を、目開き100mmの篩で篩分けしたこと以外は、実施例1と同様にして行った。
乾燥鉱石を篩分けした後、篩上の乾燥鉱石を破砕して30〜120mmの小塊とし、得られた小塊と篩分けして得られた篩下の乾燥鉱石とを混ぜ合わせ、それら混ぜ合わせた後の乾燥鉱石に対して非接触型の水分測定器を用いて水分率を測定したこと以外は、実施例1と同様にして行った。
Claims (7)
- フェロニッケル製錬においてロータリーキルンを使用して原料鉱石を乾燥させる乾燥工程にて得られた乾燥鉱石の水分率を測定する鉱石中水分の測定方法であって、
前記ロータリーキルンから得られた乾燥鉱石を目開き30〜70mmの篩で篩分けし、
篩分けして得られた篩下の乾燥鉱石を対象として、非接触型の赤外線吸収式水分計を用いて水分率を求める
ことを特徴とする鉱石中水分の測定方法。 - 前記篩下の乾燥鉱石の水分率を求めるに際しては、水分率が既知の複数の鉱石標準試料を用いて、該既知の水分率を横軸に、該鉱石標準試料に対して非接触型の赤外線吸収式水分計により測定した該既知の水分率に対応する水分相対値を縦軸にとった散布図を使用し、
前記篩下の乾燥鉱石を対象として前記非接触型の赤外線吸収式水分計により得られた水分相対値から、前記散布図に基づいて水分率を求める
ことを特徴とする請求項1に記載の鉱石中水分の測定方法。 - 前記篩は、前記ロータリーキルンに連続して設けられ、30〜70mmの複数の円い穴を有する金属板で形成されてなるトロンメルであることを特徴とする請求項1又は2に記載の鉱石中水分の測定方法。
- 前記トロンメルは、前記ロータリーキルンの排出端に接続され、該ロータリーキルンと一体になっていることを特徴とする請求項3に記載の鉱石中水分の測定方法。
- フェロニッケル製錬においてロータリーキルンを使用して原料鉱石を乾燥させて乾燥鉱石とする乾燥工程における乾燥処理方法であって、
前記ロータリーキルンから得られた乾燥鉱石を目開き30〜70mmの篩で篩分けし、
篩分けして得られた篩下の乾燥鉱石を対象として、非接触型の赤外線吸収式水分計を用いて水分率を求め、
求められた水分率に基づき、前記ロータリーキルンにて燃焼させる燃料の量を調整する
ことを特徴とする乾燥処理方法。 - ロータリーキルンを使用して原料鉱石を乾燥させて乾燥鉱石とする乾燥工程と、得られた乾燥鉱石を焼成するとともに部分還元する焼成及び部分還元工程とを含むフェロニッケルの製錬方法であって、
前記乾燥工程では、
前記ロータリーキルンから得られた乾燥鉱石を目開き30〜70mmの篩で篩分けし、
篩分けして得られた篩下の乾燥鉱石を対象として、非接触型の赤外線吸収式水分計を用いて水分率を求め、
求められた水分率に基づき、前記ロータリーキルンにて燃焼させる燃料の量を調整する
ことを特徴とするフェロニッケルの製錬方法。 - 水分率を測定した後の篩下の乾燥鉱石と、篩分けされた篩上の乾燥鉱石とを混合して、それら乾燥鉱石を前記焼成及び部分還元工程に移送することを特徴とする請求項6に記載のフェロニッケルの製錬方法。
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