JP6448441B2 - 積層構造体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、積層構造体及びその製造方法に関する。
円筒形のインジウムターゲットは通常、バッキングチューブと共にインジウムを鋳造することで製造されている。
また、従来のターゲットの鋳造方法としては、種々のものが開発されており、例えば、特許文献1には、断面が円筒もしくはそれ以外の中空状の水冷鋳型の上下開放せる中空部内に中子を配備し、前記水冷鋳型と中子との間に形成された環状の鋳造路内に金属溶湯を連続して供給する一方、当初は前記鋳造路の下端を密閉するように配置した受台を降下させ、供給された金属溶湯が前記鋳造路内で凝固する凝固開始点をほぼ一定に維持して環状の鋳塊を連続的に引き出すことにより中空ビレットを製造する装置において、前記中子が、(a)前記鋳造路内へ供給すべき金属溶湯を一旦受け入れるための溶湯受槽および該溶湯受槽から前記鋳造路内へ金属溶湯を導くための少なくとも1つの導湯部が上部に一体に形成された断熱材からなる断熱部体に、(b)中子側の予定せる前記凝固開始点を含む上下方向に適当な長さ範囲につき下方が小径となる先細状のテーパーを有する中子側鋳造面を形成するための黒鉛または炭素質材料からなる鋳造部体を固定して構成されていることを特徴とする中空ビレットの連続的鋳造装置が開示されている。
また、特許文献2には、鋳型上の溶湯を保持するための断熱材耐火物製の溶湯受槽に鋳造炉からロンダー(樋)を経て、溶湯を鋳型に供給するホットトップ鋳造法において、耐火材製中子を水冷鋳型の内側に同心的に設置して連続鋳造法により中空ビレットを鋳造する方法において、該中子の内部に冷却剤を流通させるための冷却剤流管及び温度検出装置の温度検知端を設け、該温度検出装置の検出する温度に応じて冷却剤流管内の冷却剤の流量又は温度を調節することにより該中子の温度を制御することを特徴とする中空ビレットの鋳造法が開示されている。
特開昭61−135452号公報 特公平1−31971号公報
円筒形のインジウムターゲットは、バッキングチューブを内部に設置した鋳型にインジウム溶湯を流し込んで溶解鋳造することで作製されている。インジウム溶湯内に含まれる酸化物スラグは、インジウムよりも密度が低いため、インジウム溶湯中に浮上する。このため、インジウム内に残ることは少ない。しかしながら、バッキングチューブに付着し、残存する場合も多く存在する。スラグが残存したまま冷却、凝固を行うと、バッキングチューブに酸化物スラグが付着したまま凝固して接着不良を生じさせるおそれがある。接着不良が生じると、スパッタ中に冷却不良が生じ、異常放電等の原因となる。
そこで、本発明は、欠陥の発生が良好に制御されたインジウムターゲットを有し、且つ、当該インジウムターゲットとバッキングチューブとの接着性が良好な積層構造体を提供することを課題とする。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねたところ、バッキングチューブが設置された鋳型にインジウム溶湯を流し込んだ後、不活性ガスを用いて、鋳型下部からバブリングを行うことで、インジウム溶湯内に存在する酸化物スラグや、バッキングチューブ表面に付着した酸化物を除去して浮上させることで、溶湯内の欠陥の抑制とバッキングチューブとインジウムターゲットとの接着が良好なインジウムターゲットを提供できることを見出した。
上記知見を基礎として完成した本発明は一側面において、インジウム−バッキングチューブ界面の欠陥面積率が5.0%以下である円筒形インジウムターゲットとバッキングチューブとの積層構造体である。
本発明の積層構造体は一実施形態において、前記欠陥面積率が3.0%以下である。
本発明の積層構造体は別の一実施形態において、前記欠陥面積率が1.0%以下である。
本発明の積層構造体は更に別の一実施形態において、インジウム−バッキングチューブ界面の直径1mm以上の内部欠陥数が0.10個/cm3未満である。
本発明は別の一側面において、バッキングチューブを鋳型の内部に配置する工程と、前記鋳型内部のバッキングチューブと鋳型との間隙にインジウム原料を供給し、溶解鋳造する工程とを含み、前記溶解鋳造する工程において、インジウム溶湯に不活性ガスを吹き込むことでバブリングにより前記インジウム溶湯中の酸化物を含むスラグ、及び/又は、バッキングチューブに付着した酸化物を含むスラグを前記インジウム溶湯上部へ浮上させて除去するインジウムターゲットとバッキングチューブとの積層構造体の製造方法である。
本発明の積層構造体の製造方法は一実施形態において、前記溶解鋳造する工程において、不活性ガスを導入しながら溶解鋳造する。
本発明の積層構造体の製造方法は別の一実施形態において、前記バッキングチューブを鋳型の内部に配置する工程が、インジウム層が積層されたバッキングチューブを準備し、前記インジウム層が積層されたバッキングチューブを鋳型の内部に配置する工程である。
本発明の積層構造体の製造方法は更に別の一実施形態において、前記バブリングにおいて、前記インジウム溶湯に不活性ガスを吹き込むときのガス量が、以下の式:
Q=(T+273.2)/(T1+273.2)×(P1/P)×Q1
(式中、T[℃]=導入ガスの温度、P=導入ガスの圧力、T1=25[℃]、P1=0.2[MPa]、Q1=1〜40[L/分]である)
で算出された流量Q[L/分]である。
本発明の積層構造体の製造方法は更に別の一実施形態において、不活性ガスのバブリング時間が5分以上である。
本発明の積層構造体の製造方法は更に別の一実施形態において、前記バブリングで用いる不活性ガスが窒素又はアルゴン又はそれらの混合ガスである。
本発明によれば、欠陥の発生が良好に制御されたインジウムターゲットを有し、且つ、当該インジウムターゲットとバッキングチューブとの接着性が良好な積層構造体を提供することができる。
本発明の実施形態に係る鋳造装置の断面模式図を示す。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
(積層構造体の構成)
本発明に係る積層構造体は、円筒形インジウムターゲットとバッキングチューブとの積層構造体である。このように、本発明に係る積層構造体はインジウムターゲットとバッキングチューブとの2層のみの構造体である。バッキングチューブの形状は特に限定されないが、所定の厚さ及び直径を有する円筒状に形成することができる。バッキングチューブの構成材料は特に限定されないが、例えばチタン、ステンレス等の金属材料で形成することができる。
本発明に係る積層構造体は、インジウム−バッキングチューブ界面の欠陥面積率が1.0%以下である。ここで、インジウム−バッキングチューブ界面の欠陥とは、インジウム層とバッキングチューブとが接着されていない空隙のことを指す。欠陥面積率は、当該欠陥の、インジウム層のバッキングチューブ側表面面積に対する割合を示す。インジウム−バッキングチューブ界面の欠陥面積率が5.0%以下であると、インジウム層とバッキングチューブとの接着が良好となり、スパッタ中の冷却不良の発生が抑制され、異常放電の発生を良好に抑制することができる。インジウム−バッキングチューブ界面の欠陥面積率は、好ましくは3.0%以下であり、より好ましくは1.0%以下であり、典型的には0.05〜5.0%である。
本発明のインジウム−バッキングチューブ界面の欠陥面積率は以下のようにして超音波探傷により測定される。具体的には、日立エンジニアリング製超音波探傷機FSLINEを使用して、超音波探傷を行い、バッキングチューブとターゲット本体との接着率を測定する。より詳細には、円筒状インジウムターゲットを探傷器水槽内にセットして、長手方向に1mmピッチでスキャンした後、円周方向に1mmピッチとなるようにターゲットを回転させ、再度長手方向に1mmピッチでスキャンするサイクルを繰り返し、全周分を測定する。このとき、10MHzのプローブを用い、ゲイン30dBとする。なお、一般的には、超音波探傷では、用いる装置やプローブ、測定環境により得られるエコーが変化するため、事前に欠陥の有無が明確な標準サンプルを作製、測定する。具体的には、円筒状インジウムターゲットのバッキングチューブ内面側からターゲットに到達するようにφ1mmの穴を開け、内部に水がはいらないようマスキングをした上で、これを欠陥と見立てて、判別可能な条件にて探傷を行う。
本発明に係る積層構造体は、インジウム−バッキングチューブ界面の直径1mm以上の内部欠陥数が0.10個/cm3未満であるのが好ましく、0.00個/cm3であるのがより好ましい。内部欠陥数も、上述の「欠陥面積率」の測定方法で記載したように事前に円筒状インジウムターゲットのターゲットにφ1mmの穴を開け、これを確認できる探傷条件とし、ゲインは35dBとすることができる。そして、上述の「欠陥面積率」の測定方法と同様の方法にて測定を行い、内部欠陥数を評価することができる。
(積層構造体の製造方法)
次に、本発明に係る積層構造体の製造方法の好適な例を、順を追って説明する。まず、バッキングチューブを準備する。次に、バッキングチューブを鋳型の内部に配置し、インジウムの融点以上に加熱した後、鋳型とバッキングチューブとの間隙にインジウム原料を供給し、インジウム原料を溶解鋳造することによりインジウムターゲットを形成する。原料の供給については、溶融した状態のインジウムを流し込んでもよく、または固体のインジウムをヒーターで加熱して溶解しても良い。さらに、インジウム原料を供給する際、雰囲気を不活性ガスとすることが好ましい。このような構成によれば、酸化被膜等の形成を抑制することができる。
当該溶解鋳造において、インジウム溶湯に不活性ガスを吹き込むことでバブリングによりインジウム溶湯中の酸化物を含むスラグ、及び/又は、バッキングチューブに付着した酸化物を含むスラグを、インジウム溶湯上部へ浮上させて除去する。このような構成により、インジウム−バッキングチューブ界面の欠陥の発生が良好に制御されたインジウムターゲットを作製することができる。
また、前記バッキングチューブを鋳型の内部に配置する工程が、インジウム層が積層されたバッキングチューブを準備し、前記インジウム層が積層されたバッキングチューブを鋳型の内部に配置する工程であってもよい。すなわち、まず、インジウム層が積層されたバッキングチューブを準備する。このとき、バッキングチューブへのインジウム層の積層手段としては、インジウム含有メッキ液を用いたメッキ処理をバッキングチューブ上に行うこと等が挙げられる。次に、インジウム層が積層されたバッキングチューブを鋳型の内部に配置し、インジウムの融点以上に加熱した後、鋳型内部のバッキングチューブ上のインジウム層上にインジウム原料を供給し、バッキングチューブ上のインジウム及び供給したインジウム原料を溶解鋳造することによりインジウムターゲットを形成する。
上述のバブリングにおいて、インジウム溶湯に、窒素、アルゴン等の不活性ガスを吹き込むのが好ましい。ここで、吹き込むガス量は、鋳型に通ずるガス配管とガス供給源の間に圧力計と流量計を設置して記録するもので、25℃で、ガス圧0.2MPaの時の値であり、次の式により流量Q[L/分]を換算する。
Q=(T+273.2)/(T1+273.2)×(P1/P)×Q1
ここで、T[℃]=導入ガスの温度、P=導入ガスの圧力、T1=25[℃]、P1=0.2[MPa]、Q1=1〜40[L/分]である。
このようなガス量でバブリングすることで、酸化物を含むスラグを効率良く除去することができる。また、インジウムの溶湯を供給する前の雰囲気を不活性雰囲気とすることで、さらに酸化被膜の形成を抑制することができる。
導入するガスは、溶湯の温度を下げないように、予備加熱を実施しても良い。例えば、200℃に加熱した配管を導入経路に組み込むことができる。ガス圧は導入の際にインジウムの自重(=圧力)より大きな値で設定すればよいが、おおむね0.1〜0.5MPaである。
また、上述のバブリングにおいて、鋳造鋳型に設ける不活性ガスの導入口が2個以上であるのが好ましく、4個以上であるのがより好ましい。このように不活性ガスの導入口を複数箇所設けることで、バッキングチューブの円周方向全体にバブルが届き、より効率的にバランス良く酸化物を含むスラグの除去を行うことができる。また、当該不活性ガスのバブリング時間は5分以上とすると、酸化物を含むスラグをより効率良く除去することができるため好ましい。
また、酸化物の浮上を補助するため、インジウム−バッキングチューブ界面の内部欠陥を抑制することも可能である。本発明に係る積層構造体では、直径1mm以上の内部欠陥が0.10個/cm3であるのが好ましい。
インジウム原料の供給及び溶解鋳造は、例えば、図1に示すような鋳型装置を用いて行う。図1に示す鋳造装置は、鋳型と、鋳型を覆うように設けられたヒーター(不図示)とを備えている。また、ガス供給源と鋳型の間に圧力計(レギュレーター)と流量計を設け、流量制御を行う。鋳型は、円筒型に形成されている。鋳型の内部に、中空のバッキングチューブが配置され、バッキングチューブと鋳型の間にインジウム溶湯が注入される。また、鋳造の間、当該インジウム溶湯には、不活性ガス導入配管から導かれたアルゴンや窒素等の不活性ガスが吹き込まれる。
その後、室温まで冷却して、バッキングチューブ上に新たにインジウムターゲットを形成する。冷却速度は空気による自然放冷でよい。冷却後、ターゲット表面を旋盤等で切削し、規定の寸法にする。
このようにして得られた積層構造体は、CIGS系薄膜太陽電池用光吸収層のスパッタリングターゲットとして好適に使用することができる。
以下に本発明を実施例でさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜10、比較例1〜5)
まず、図1に示すような鋳型装置を用い、インジウム層が積層されたバッキングチューブを準備し、当該バッキングチューブを鋳型の内部に配置し、インジウムの融点以上である200℃に加熱した後、鋳型内部のバッキングチューブ上のインジウム層上にインジウム原料を供給し、バッキングチューブ上のインジウム及び供給したインジウム原料を表1に記載の鋳造雰囲気中で溶解鋳造することによりインジウムターゲットを形成した。なお、実施例1〜9及び比較例1〜5は原料のインジウムを供給する際の雰囲気を大気雰囲気で実施したが、実施例10については、不活性ガス雰囲気で実施した。当該溶解鋳造において、インジウム溶湯に、表1に記載のガス(25℃)を、表1の記載のガス量及びガス圧で吹き込み、表1に記載の時間のバブリングを行うことにより、インジウム溶湯中の酸化物を含むスラグ、及び、バッキングチューブに付着した酸化物を含むスラグを、インジウム溶湯上部へ浮上させて除去した。ガス量については、ガス供給源と鋳型の間に設けた圧力計(レギュレーター)と流量計とを用いて流量制御を行った。
その後、室温まで自然放冷により冷却して、バッキングチューブ上に新たにインジウムターゲットを形成した。
上述のようにして作製した円筒形インジウムターゲットとバッキングチューブとの積層構造体について、インジウム−バッキングチューブ界面の欠陥面積率、接着率、内部欠陥を以下のように測定した。
(欠陥面積率)
インジウム−バッキングチューブ界面の欠陥面積率は、超音波探傷により測定した。具体的には、日立エンジニアリング製超音波探傷機FSLINEを使用して、超音波探傷を行い、インジウム−バッキングチューブ界面の欠陥面積率〔(欠陥面積/界面の面積)×100(%)〕を測定した。より詳細には、円筒状インジウムターゲットを探傷器水槽内にセットして、長手方向に1mmピッチでスキャンした後、円周方向に1mmピッチとなるようにターゲットを回転させ、再度長手方向に1mmピッチでスキャンするサイクルを繰り返し、全周分を測定した。測定には10MHzのプローブを用い、ゲイン30dBで測定した。なお、一般的には、超音波探傷では、用いる装置やプローブ、測定環境により得られるエコーが変化するため、事前に欠陥の有無が明確な標準サンプルを作製、測定した。具体的には、円筒状インジウムターゲットのバッキングチューブ内面側からターゲットに到達するようにφ1mmの穴を開け、これを欠陥と見立てて、判別可能な条件にて探傷を行った。
(内部欠陥)
内部欠陥についても、上述の「欠陥面積率」の測定方法で記載したように事前に円筒状インジウムターゲットのターゲットにφ1mmの穴を開け、これを確認できる探傷条件とし、ゲインは35dBとした。そして、上述の「欠陥面積率」の測定方法と同様の方法にて測定を行い、直径1mm以上の内部欠陥数を評価した。
試験条件及び評価結果を表1に示す。
(評価結果)
実施例1〜10は、いずれもインジウム−バッキングチューブ界面の欠陥面積率が5.0%以下であり、インジウムターゲットの欠陥の発生が良好に制御され、且つ、当該インジウムターゲットとバッキングチューブとの接着性が良好であった。
また、実施例10は原料のインジウムを供給する際に、不活性ガス雰囲気で実施し、鋳造時にバッキングチューブ表面に発生するインジウム酸化膜を低減できたため、実施例1と比較してより良好な接着率となった。
比較例1〜5は、いずれもインジウム−バッキングチューブ界面の欠陥面積率が5.0%を超えており、インジウムターゲットに欠陥が発生し、且つ、当該インジウムターゲットとバッキングチューブとの接着性が不良であった。

Claims (10)

  1. 円筒形インジウムターゲットとバッキングチューブとが接着してなる積層構造体であって、
    前記円筒形インジウムターゲットと前記バッキングチューブとが接着されていない空隙である前記インジウム−バッキングチューブ界面の欠陥を有し、前記欠陥の、前記円筒形インジウムターゲットの前記バッキングチューブ側表面面積に対する割合である欠陥面積率が5.0%以下である円筒形インジウムターゲットとバッキングチューブとの積層構造体。
  2. 前記欠陥面積率が3.0%以下である請求項1に記載の積層構造体。
  3. 前記欠陥面積率が1.0%以下である請求項2に記載の積層構造体。
  4. 前記円筒形インジウムターゲットと前記バッキングチューブとが接着されていない空隙である前記インジウム−バッキングチューブ界面の欠陥の数を内部欠陥数としたとき、直径1mm以上の前記内部欠陥数が0.10個/cm3未満である請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層構造体。
  5. バッキングチューブを鋳型の内部に配置する工程と、
    前記鋳型内部のバッキングチューブと鋳型との間隙にインジウム原料を供給し、溶解鋳造する工程と、
    を含み、
    前記溶解鋳造する工程において、インジウム溶湯に不活性ガスを吹き込むことでバブリングにより前記インジウム溶湯中の酸化物を含むスラグ、及び/又は、バッキングチューブに付着した酸化物を含むスラグを前記インジウム溶湯上部へ浮上させて除去する請求項1に記載の円筒形インジウムターゲットとバッキングチューブとの積層構造体の製造方法。
  6. 前記溶解鋳造する工程において、不活性ガスを導入しながら溶解鋳造する請求項5に記載の積層構造体の製造方法。
  7. 前記バッキングチューブを鋳型の内部に配置する工程が、インジウム層が積層されたバッキングチューブを準備し、前記インジウム層が積層されたバッキングチューブを鋳型の内部に配置する工程である請求項5又は6に記載の積層構造体の製造方法。
  8. 前記バブリングにおいて、前記インジウム溶湯に不活性ガスを吹き込むときのガス量が、以下の式:
    Q=(T+273.2)/(T1+273.2)×(P1/P)×Q1
    (式中、T[℃]=導入ガスの温度、P=導入ガスの圧力、T1=25[℃]、P1=0.2[MPa]、Q1=1〜40[L/分]である)
    で算出された流量Q[L/分]である請求項5〜7のいずれか一項に記載の積層構造体の製造方法。
  9. 不活性ガスのバブリング時間が5分以上である請求項5〜8のいずれか一項に記載の積層構造体の製造方法。
  10. 前記バブリングで用いる不活性ガスが窒素又はアルゴン又はそれらの混合ガスである請求項8又は9に記載の積層構造体の製造方法。
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