JP6447353B2 - 弁装置 - Google Patents
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Description
このような弁装置においては、シール構造に関しては、通路内周面との摺接による摩耗等を勘案し、金属製シールリングを弁体の外周溝に嵌め込んだ構成が一般的なものとなっている。
また、シールリングの軸方向に生じる差圧による弾性変形を利用しシール性能を向上させる構成となっているため、差圧が大きくないとシール性能を向上させにくく実用的な構成とは言い難い。
先ず、樹脂による弾性変形は、特許文献1において示す軸方向のみではなく径方向にも利用可能であること。
次いで、閉弁過程において生じる樹脂製リングの内径側と外径側とで生じる差圧を拡径方向への弾性変形を促進させる手段として活用し得ること。
ハウジングは、内部に気体の流れる通路が形成されている。
弁体は、通路内に収容され通路を回動変位により開閉するものであり、外周縁に周溝が設けられている。
シールリングは、周溝に嵌め込まれ弁体の全閉時に通路の内周面と弁体の外周縁との間をシールするものであり、径を拡縮可能とし径方向および軸方向に重なりが生じる合口が設けられる平板状となっている。
また、シールリングは、軸方向または周方向の断面積を減じる除肉部が設けられている。
さらに、シールリングは、全閉時に生じる差圧によって軸方向一端側が周溝の壁に密着するとともに拡径して外周面が通路の内周面に密着する。
そして、合口は全閉時に径方向および軸方向に密着している。
また、除肉部は、軸方向一端側と軸方向他端側に設けられ、軸方向一端側の除肉部は、周溝の内側に設けられ、除肉部により、シールリングを軸方向に貫通する貫通孔が形成される。
なお、シールリングに除肉部を設けるだけであるため、弁体等の基本構造は変更することはない。
これにより、簡単な構造のシールリングを用いてシール性能の向上とコストダウンの両立できる弁装置を提供することができる。
参考例1の弁装置1の構成を図1〜図3に基づいて説明する。
弁装置1は、気体の流れる通路2を、弁体3の回動変位により開閉するものであり、例えば、エンジン(図示しない。)の排気系に組み込まれ、エンジンに還流される排気ガス(以下、EGRガスと呼ぶことがある。)の通過量を操作するEGR装置に適用されている。
弁装置1は、以下に説明するハウジング5、センサケース6等を備えている。
ここで、弁体3は、シャフト9を介してノズル8内に収容され、ノズル8内に回動自在に支持されており、シャフト9の回動変位に応じて通路2(ノズル8)の開口面積を変更可能な円板形状のバタフライ弁である。すなわち、弁体3はシャフト9と一体に回動することにより通路2(ノズル8)の開度を調整している。
具体的には、モータと一体に回転するモータギア(図示しない。)と、このモータギアによって回動駆動される中間ギア(図示しない。)と、この中間ギアによって回動駆動される最終ギア12の組み合わせにより、モータの回転は減速される。
そして、最終ギア12と一体にシャフト9が回動する。
このリターンスプリング13は、一方向のみに巻かれたコイルバネよりなるシングルスプリングであり、シャフト9の周囲に同軸的に配置される。
そして、リターンスプリング13はハウジング5と最終ギア12との間に組み付けられることで閉弁方向に向けて付勢するバネ力を発生する。
すなわち、最終ギア12等はリターンスプリング13のバネ力に抗して回動していることになる。
なお、センサ15はシャフト9の回転角度を検出することで弁体3の開度を検出する非接触ポジションセンサである。
そして、ハウジング5のフランジとセンサケース6のフランジとを突き合わせ螺子締結することによりハウジング5とセンサケース6は一体となる。
図2(a)に示すように、弁体3の外周縁には断面矩形状の周溝22が全周に渡って設けられている。
より具体的には、シールリング20は、外径部20aが周溝22の外側にあり、内径部20bが周溝22の内側に嵌り込み、周溝22に収容されている。
なお、シールリング20は、合口23を離間させて一旦拡径させ、周溝22に配した後に縮径することで周溝22に嵌め込むことができる。
そして、シールリング20は、周溝22に嵌め込まれた状態、及び、全閉時に図2(d)に示すように、合口23は径方向および軸方向に重なりが生じている。
なお、参考例1における合口23の形状は、一つの例に過ぎず、径方向および軸方向に重なりが生じている構成であればこの態様に拘るものではない。
全閉時において、図3(a)の状態から、生じる差圧によって、先ず、シールリング20は、軸方向一端側に押され、図3(b)に示すように軸方向一端側が周溝22の壁に密着する。
これにより、シールリング20の内径側を通じての気体の流れが遮断され、内径側の圧力が上昇する。
また、シールリング20の外径側の隙間を通じて気体が流れているためシールリング20の外径側の圧力は低くなっている。
なお、合口23は、拡径することによって離間するものの、全閉時に径方向及び軸方向に生じる差圧によって重なり部分がお互いに密着している。
この除肉部30は、シールリング20の内径側の端部に全周に渡って設けられており、内径側ほど、軸方向により多くの量が除肉されるように設けられ、すなわち、シールリング20は内径側ほど軸方向の厚みが薄くなるようにテーパ状に形成されている。
参考例1の弁装置1において、シールリング20は、樹脂製であって、外径部20aが周溝22の外側に存するとともに内径部20bが周溝22の内側に嵌り込んでいる。
また、シールリング20は、軸方向または周方向の断面積を減じる除肉部30が設けられている。
さらに、シールリング20は、全閉時に生じる差圧によって軸方向一端側が周溝22の壁に密着するとともに拡径して外周面がノズル8の内周面に密着する。
そして、合口23は全閉時に径方向及び軸方向に密着している。
なお、シールリング20に除肉部30を設けるだけであるため、弁体3等の基本構造は変更することはない。
これにより、簡単な構造のシールリング20を用いてシール性能の向上とコストダウンの両立できる弁装置1を提供することができる。
なお、拡径にともない合口23は離間することになるが、径方向及び軸方向に重なりが生じており、全閉時に径方向及び軸方向に密着することで、シール性能の低下を抑制している。
これにより、軸方向一端側における周溝22の壁との密着を犠牲にすることなくシールリング20の剛性を下げることができる。
参考例2におけるシールリング20を図4に示す。なお、以下の参考例や実施例においては、参考例1と同一機能物には同一符号を付して示している。
参考例2において、除肉部30は、シールリング20の軸方向一端側と軸方向他端側に設けられ、軸方向一端側の除肉部30は、周溝22の外側に設けられている。
なお、軸方向一端側と軸方向他端側の面に除肉部30を、それぞれ環状に設けることにより、図4(b)に示すように、それぞれ周方向の全周に渡って環状溝が形成されている。
これにより、軸方向一端側の周溝22の壁との密着を犠牲にすることなくシールリング20の剛性をさらに下げることができる。
参考例3におけるシールリング20を図5に示す。
参考例3において、除肉部30は、シールリング20の軸方向一端側と軸方向他端側に設けられ、軸方向一端側の除肉部30は、周溝22の内側に設けられている。
なお、軸方向一端側と軸方向他端側の面に除肉部30を、それぞれ環状に設けることにより、図5(b)に示すように、それぞれ周方向の全周に渡って環状溝が形成されている。
これにより、除肉部30の配置の自由度を高めることができる。
実施例1におけるシールリング20を図6に示す。
実施例1においては、除肉部30により、シールリング20を軸方向に貫通する貫通孔32が形成されている。
貫通孔32は、周方向に延びるスリット状であって、周方向に均等のピッチで配されている。
なお、貫通孔32は周溝22の内側に存する。
これにより、シールリング20の剛性をより下げることができる。
また、貫通孔32の軸方向一端側の開口は周溝22の内側にあるため、全閉時に貫通孔32を介して気体が漏れることはなくシール性能の悪化を抑制することができる。
参考例1においては、除肉部30は、内径側ほど、軸方向により多くの量が除肉されるように設けられていたが、図7(a)、(b)に示すように、軸方向他端側の面に周方向の全周に渡る環状溝が形成されるように除肉部30を設けてもよい。
さらに、除肉部30を、図7(c)、(d)に示すように、周方向に均等のピッチで円柱部を穿つように設けてもよい。
これにより、ピッチ等を調整することで、剛性を調整することができる。
なお、除肉部30が全周に渡って設けられていることを含め周方向に均等に配置されていると、均等に拡径しやすくなり、シールリング20が周溝22内で回転し位置が変化した場合であっても、偏りなく均等に拡径できるためシール性能の変化を抑制することができる。
また、除肉部30を内径側に周溝を形成することで設けてもよい。
さらに、除肉部30をシールリング20の内部に設ける、すなわち、シールリング20を中空状に形成してもよい。
この場合、シール性能に直接影響を与えずにシールリング20の剛性を下げることができる。
Claims (1)
- 内部に気体の流れる通路(8)の形成されるハウジング(5)と、
前記通路(8)内に収容され前記通路(8)を回動変位により開閉するものであり、外周縁に周溝(22)の設けられる弁体(3)と、
前記周溝(22)に嵌め込まれ前記弁体(3)の全閉時に前記通路(8)の内周面と前記弁体(3)の外周縁との間をシールするものであり、径を拡縮可能とし径方向および軸方向に重なりが生じている合口(23)の設けられる平板状のシールリング(20)とを備え、
前記シールリング(20)は、樹脂製であって、外径部(20a)が前記周溝(22)の外側に存するとともに内径部(20b)が前記周溝(22)の内側に嵌り込み、
前記シールリング(20)は、軸方向または周方向の断面積を減じる除肉部(30)が設けられており、
前記シールリング(20)は、前記全閉時に生じる差圧によって軸方向一端側が前記周溝(22)の壁に密着するとともに拡径して外周面が前記通路(8)の内周面に密着し、
前記合口(23)は、前記全閉時に径方向および軸方向に密着しており、
前記除肉部(30)は、軸方向一端側と軸方向他端側に設けられ、軸方向一端側の除肉部(30)は、前記周溝(22)の内側に設けられ、
前記除肉部(30)により、前記シールリング(20)を軸方向に貫通する貫通孔(32)が形成されることを特徴とする弁装置(1)。
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