JP5751057B2 - 弁装置 - Google Patents
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Description
このような弁装置として、上記回転軸の回転中心と弁体の中心とが一致している弁装置(特許文献1)が知られているが、このような特許文献1の弁装置の場合、弁体が閉鎖状態となった場合に、流体が上記ハウジングの軸受部から漏れてしまうという問題があった。
このような弁装置に対して、上記流体通路の内周面を所定の軸方向に沿って縮小する断面テーパ形状とし、さらに弁体と当該断面テーパ形状とが接触するシール線に対し、上記回転軸の回転中心を離隔させた弁装置が知られている(特許文献2)。
このような構成とすることで、上記弁体を上記回転軸よりも上流側に位置させることができ、流体がハウジングの軸受部から漏れてしまうという問題を解決することができる。
しかしながら図6の構成のように流体通路の断面テーパ形状の中心軸上に回転軸の回転中心を位置させた場合、弁体を回転させて閉鎖状態と開放状態とするには上記弁体の外周に設けた樹脂製のシール部材を大きく変形させる必要があった。
一方、図13の構成の場合、閉鎖状態とした際に上記回転軸の回転中心を挟んで上記弁体における面積の広い側に圧力が高く作用するため、弁体を開閉操作するためには上記回転軸を高いトルクで回転させなければならないという問題があった。
このような問題に鑑み、本発明は簡易な構成ながら気密性の高い弁装置を提供するものである。
上記流体通路は所定の軸方向に沿って内周面が縮小する断面テーパ形状を有し、さらに弁体と当該断面テーパ形状とが接触するシール線に対し、上記回転軸の回転中心が離隔した弁装置において、
上記弁体は、外周が楕円状で薄肉状に形成された当接部を備え、該弁体が上記流体通路を閉鎖した状態では、上記当接部が形成する平面が上記断面テーパ形状の軸方向に対して所定の角度で傾斜し、かつ該当接部の全周が上記ハウジングの断面テーパ形状に接触し、
さらに上記回転軸の回転中心を、上記当接部が形成する平面に直交し、かつ該当接部の長軸の中央を通過する弁体中心軸と交差するように設け、
上記弁体を開放状態から上記閉鎖状態とすると、上記弁体の当接部の描く軌跡が上記閉鎖状態の位置から上記断面テーパ形状に干渉して、上記閉鎖状態からの弁体の回転が阻止されることを特徴としている。
また、上記回転軸の回転中心は弁体の弁体中心軸と交差するように設けられていることから、閉鎖状態とした際に弁体には回転軸を挟んで均等に圧力が作用するようにすることができる。
上記第1ターボ3はエンジン1の運転状況に応じて作動状態を切替えることが可能となっており、具体的には、第1ターボ3を作動させる際には上記弁装置6がバイパス通路5を閉鎖し、第1ターボ3を非作動とする際には上記弁装置6を開放して排気ガスをバイパス通路5から第2ターボ4に供給するようになっている。
上記ハウジング12は上記バイパス通路5の途中に挿入され、内部には金属製のリング状部材16が固定され、該リング状部材16の内周面は上記排気通路11を形成する断面テーパ形状16aに加工されている。
上記ハウジング12および上記リング状部材16には図示左右方向に上記軸受部が穿設されており、上記回転軸13はこの軸受部に図示しないシール手段を介して回転可能に軸支され、また回転軸13の一端は上記ハウジング12の外部に突出し、上記駆動手段15に連結されている。
また上記回転軸13には円盤状の上記弁体14が固定されており、後に詳述するように弁体14を閉鎖状態とした際にはこの弁体14の外周と上記リング状部材16の断面テーパ形状16aとが線接触して、排気通路11を閉鎖するようになっている。
上記駆動手段15は、ハウジング12の上部に固定されたサーボモータ17と、該サーボモータ17によって回転するアーム18と、該アーム18と上記回転軸13との間に設けられたリンク19とから構成されている。
上記構成により、上記サーボモータ17が回転軸13を回転させることにより、該回転軸13に固定された弁体14を閉鎖状態と開放状態とに切替えるようになっている。
まず上記リング状部材16は金属によって成形されており、その内周面に形成された断面テーパ形状16aは、図示水平方向に設定した該断面テーパ形状16aの軸方向C1に沿って、排気ガスの流通方向の下流側から上流側に向けて縮小するように加工されている。
本実施例では、上記断面テーパ形状16aにおける各位置での上記軸方向C1に直交する平面での断面形状は真円となっており、図中の軸方向C1は上記真円の中心を通過する中心軸となっている。
次に、上記回転軸13は弁体14の一方の面に固定されて、上記弁体14の中心C2と上記回転軸13の回転中心C3とが離隔しており、回転軸13は上記閉鎖状態とされた弁体14に対して排気ガスの下流側に設けられている。
なお、上記回転軸13については、弁体14に対して排気ガスの上流側に設けても良いが、回転軸13と上記軸受部とのシール性能確保の観点からは、排気ガスの下流側に設けることが望ましい。
上記当接部14aの詳細な形状ならびに弁体の中心C2の位置については後に詳述するが、この当接部14aが形成する平面に直交し、かつ該弁体14の中心C2を通過する軸を弁体中心軸C4と呼ぶ。
また上記弁体14と回転軸13との位置関係についてより詳細に説明すると、上記回転軸13の回転中心C3はこの弁体中心軸C4と交差するようになっており、換言すると上記回転軸13は弁体14の中央に設けられている。
このように弁体14が閉鎖状態となると、上記弁体14の当接部14aの全周が上記流体通路11を構成するリング状部材16の断面テーパ形状16aに線接触して、排気通路11を閉鎖するようになっている。
つまり上記当接部14aの形状は、上記断面テーパ形状16aを上記当接部14aが形成する平面で切断、換言すると上記弁体14の中心C2を通過する位置で上記弁体14の傾斜角度θと平行に切断した場合における、当該断面テーパ形状16aの断面形状に一致する、真円ではない楕円状の形状となる。
そして上記弁体14の中心C2は、上記当接部14aが形成する楕円状の長軸の中心に位置し、上記回転軸13の回転中心C3は、上記当接部14aの中央を通過する上記弁体中心軸と交差し、かつ上記長軸に対して直交する方向に設けられていることとなる。
上述したように、本実施例の回転軸13は弁体14の一方の面に固定され、弁体14の中心C2と回転軸13の回転中心C3とが離隔していることから、弁体14の接触部は弁体14の中心C2で回転せず、回転軸13の回転中心C3を中心に回転することとなる。
このため弁体14を閉鎖状態から開放状態とするには、弁体14の弁体中心軸4Cと断面テーパ形状16aの軸方向C1との角度を、上記閉鎖状態における角度θよりも大きく傾斜させるように回転、換言すると図4における反時計方向に回転させる必要がある。
すると、図示上方および下方に示した当接部14aは断面テーパ形状16aより離脱してゆき、その後上記駆動手段15によって弁体14が所定の開度まで開放されることとなる。
逆に、弁体14を開放状態から閉鎖状態として、さらに図4の時計方向に回転させるようとする場合、換言すると上記閉鎖状態における角度θよりも小さい角度となるように回転させようとしても、図示した当接部14aの軌跡から明らかなように、該当接部14aは断面テーパ形状16aに干渉することなり、弁体14を回転させることができずに閉鎖状態が維持されることとなる。
このため、弁体14を閉鎖状態とした場合に、排気ガスは弁体14によって流通が阻止されるため、排気ガスが上記回転軸13と該回転軸13を軸支するハウジング12の軸受部との間から漏出しないようになっている。
さらに、上記弁体14の当接部14aを薄肉状で楕円状とし、閉鎖状態とした際に上記当接部14aが形成する平面が上記断面テーパ形状16aの軸方向C1に対して所定の角度で傾斜し、弁体14の当接部14aと断面テーパ形状16aとが線接触し、排気通路11を高気密で閉鎖することが可能となる。
つまり閉鎖状態において、上記断面テーパ形状16aを、弁体14の当接部14aが形成する平面で切断すると、その断面形状が上記当接部14aと同じ楕円状となる。
そして、上記回転軸13の回転中心C3を、上記弁体14の当接部14aの弁体中心軸4Cと交差するように設けたことにより、閉鎖状態となった弁体14を上記回転軸13を回転させることで、上記線接触している弁体14を断面テーパ形状16aから離脱させることが可能となっている。
つまり本実施例における弁体14には、特許文献2に開示される弁体14に装着された弾性変形する樹脂製のシール部材は不要であり、該シール部材の変形による劣化という問題が発生しない。
さらには、弁体14と上記断面テーパ形状16aの形成されたリング状部材16とを金属によって形成することで、排気通路11をメタルタッチにより閉鎖することが可能となっている。
そして上記弁体14の当接部14aの弁体中心軸4Cと交差するように設けたことで、上記弁体14における上記回転軸13を挟んだ両側の領域に作用する圧力のバランスをつりあわせることができる。
なお、上記実施例では上記リング状部材14に形成した断面テーパ形状14aは、該断面テーパ形状14aの軸方向C1に直交する方向で切断した場合の断面形状が真円となっているが、これを楕円状としてもよく、その場合には上記弁体の当接部14aの形状は、この断面テーパ形状14aに線接触するような楕円状とすればよい。
ただし加工上、断面テーパ形状14aについてはその断面形状が真円であることの方が望ましい。
12 ハウジング 13 回転軸
14 弁体 14a 当接部
16a 断面テーパ形状 C1 断面テーパ形状の軸方向
C2 弁体の中心 C3 回転軸の回転中心
C4 弁体中心軸
Claims (4)
- 内部に流体が流通する流体通路の形成されたハウジングと、該ハウジングに形成された軸受部に回転可能に軸支された回転軸と、該回転軸に固定されて上記流体通路を開閉する円盤状の弁体とを備え、
上記流体通路は所定の軸方向に沿って内周面が縮小する断面テーパ形状を有し、さらに弁体と当該断面テーパ形状とが接触するシール線に対し、上記回転軸の回転中心が離隔した弁装置において、
上記弁体は、外周が楕円状で薄肉状に形成された当接部を備え、該弁体が上記流体通路を閉鎖した状態では、上記当接部が形成する平面が上記断面テーパ形状の軸方向に対して所定の角度で傾斜し、かつ該当接部の全周が上記ハウジングの断面テーパ形状に接触し、
さらに上記回転軸の回転中心を、上記当接部が形成する平面に直交し、かつ該当接部の長軸の中央を通過する弁体中心軸と交差するように設け、
そして弁体を開放状態とする際には、上記弁体の弁体中心軸と上記断面テーパ形状の軸方向との角度を、上記閉鎖状態における傾斜角度よりも大きく傾斜させるように上記回転軸を回転させることを特徴とする弁装置。 - 上記断面テーパ形状を、該断面テーパ形状の軸方向に直交する断面での断面形状が真円となるように形成したことを特長とする請求項1に記載の弁装置。
- 上記弁体を金属によって一体成形して、上記当接部を金属製としたことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の弁装置。
- 上記流体通路の内周面を金属によって成形し、上記弁体と流体通路の内周面とをメタルタッチさせることを特徴とする請求項3に記載の弁装置。
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