JP6446978B2 - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents

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本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの複合機などの画像形成装置および画像形成方法に関する。
従来、電子写真方式には多様な方法が知られており、一般的には潜像担持体の表面を帯電させ、帯電させた潜像担持体を露光して静電潜像を形成する。次いで、静電潜像にトナーを現像し、潜像担持体上にトナー像を形成する。さらに、像担持体として機能する中間転写体を介して、または直接的に潜像担持体上のトナー像を紙等の被転写材上に転写し、この転写されたトナー像を定着装置で加熱、加圧もしくはこれらの併用によって定着することにより、被転写材上に画像が形成された記録物が得られる。なお、トナー像転写後の潜像担持体や像担持体上に残ったトナーは、ブレード、ブラシ、ローラ等の既知の方法によりクリーニングされる。
画像が形成される被転写材に凹凸がある場合、トナーの転写過程において、凸部は中間転写体または潜像担持体上のトナーと接触するが、凹部の場合、中間転写体または潜像担持体上のトナーと被転写材の凹部間に空隙ができる。トナーに作用する転写電界は、空隙があると低下するため、凹部は凸部に較べて転写電界が低下する。このため、転写電界が低下する凹部は凸部に較べてトナーの転写性が低下し、画像に濃度のムラが発生しやすい。
エンボス紙や和紙などのように被転写材の凹凸が大きな場合に、被転写材の凹部の転写性を向上させるために、転写バイアスとして、直流成分に交流成分を重畳した交番電圧を用いる技術が知られている。特許文献1には、転写バイアスとして直流成分と交流成分とを重畳したものを用い、交流成分のピークツウピーク電圧が、直流成分の電圧の絶対値の6倍よりも大きな値になるようにする画像形成装置が記載されている。これにより、被転写材の凹部で十分な画像濃度を得ることができるとしている。また、特許文献2には、転写バイアスとして、非対称な交番電圧の波形を用いる画像形成装置が記載されている。これにより、低湿環境下でも凹部上での十分な画像濃度の確保と放電に起因する白点の抑制が可能となる。
転写バイアスとして、直流成分に交流成分を重畳した交番電圧を用いる場合、転写ニップにおいては、転写バイアスの交流成分の1周期が到来する毎に、交番電界の作用によりトナー粒子が1回往復移動する。特許文献1,2には、被転写材の凹部において、転写ニップ内をトナー粒子が往復する回数を増やす毎に、転写ニップ内を往復移動するトナー粒子の数が徐々に増加していくことが記載されている。転写ニップ内を往復移動するトナー粒子の数が増加すれば、被転写材の凹部で十分な画像濃度を確保することができる。
トナーが画像形成に消費されずに画像形成装置内に長時間留まっていると、様々なストレスによってトナー表面に付着している外添剤の埋もれや分離によって、トナーが劣化して付着力が増大し、現像性や転写性が低下し、画像品質が大幅に低下してしまう。
普通紙のように被転写材の凹凸が小さい場合、トナーが劣化せずに付着力が小さければ、凹凸の大きな場合ほど凹部の画像濃度は低下しない。しかし、トナーが劣化して付着力が増大すると、トナーを転写させるためにより大きな転写電界が必要となるため、特に転写電界が低下する凹部におけるトナーの転写性が低下し、凸部における転写性との差が大きくなり、画像濃度ムラが発生するという課題がある。
転写バイアスとして、特許文献1,2に記載されているような交番電界を用いる場合には、転写ニップ内でトナー粒子を何度も往復移動させている過程で、一部のトナー粒子が紙面方向に広がって、文字画像や線画像のエッジをぼかしてしまう(画像のにじみ)という課題がある。
特許文献3,4には、被転写材の凹凸が大きな場合に、転写バイアスとして交番電界を用い、トナーの劣化状態に応じて交番電界の周波数を変更する技術が記載されている。凹部の画像濃度の低下は改善されるが、画像のにじみに関しては改善の余地がある。
本発明は以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、画像のにじみが抑制され、トナーが劣化しても画像濃度ムラが生じない、高品質な画像を形成する画像形成装置を提供することである。
この課題を解決するため、トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体に接触して転写ニップを形成する転写部材と、前記像担持体と前記転写部材との間に電界を形成する電界形成手段と、トナーが劣化したか否かを判定するトナー劣化判定手段とを備える画像形成装置において、前記電界形成手段は、前記像担持体側から前記転写部材側に向かう静電気力をトナーに付与する直流電界を形成する直流電界形成手段と、前記像担持体側から前記転写部材側に向かう静電気力をトナーに付与する電界と前記転写部材側から前記像担持体側に向かう静電気力をトナーに付与する電界を交互に発生させる交番電界を形成する交番電界形成手段とを有し、前記トナー劣化判定手段によりトナーが劣化したと判定した場合は、前記電界形成手段は前記交番電界形成手段に設定され、前記トナー劣化判定手段によりトナーが劣化していないと判定した場合は、前記電界形成手段は前記直流電界形成手段に設定されることを特徴とする画像形成装置を提案する。
本発明によれば、トナー劣化判定手段の判定結果に基づいて、電界形成手段として直流電界形成手段または交番電界形成手段に設定することによって、トナーが劣化していない場合は画像にじみが生じず、トナーが劣化した場合でも劣化していない場合と同様に画像ムラが生じず、高画質な画像が得られる。
本発明に係る画像形成装置の全体構成を説明するための概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成ユニットの概略構成を示す図である。 トナー劣化判定手段と、その制御の構成を示すブロック図である。 電界形成手段により直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加した時の電圧の時間変化を示した図である。 トナー劣化判定手段によるトナー劣化判定処理の一形態を示すフローチャートである。 トナー劣化判定手段によるトナー劣化判定処理の別な形態を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に従って説明する。尚、本実施形態は一つの例を示すものであり、構成やプロセス条件が変わっても本発明の効果が変わらないことを複数の画像形成装置や種々の画像形成環境で確認している。
図1は、カラー画像形成装置(以下、単に「プリンタ」と呼ぶ)の一例を示す概略図である。このプリンタは、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色の色成分画像を被転写材となる記録用紙P上で重ね合わせて画像を形成する画像形成装置である。
本実施形態では、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色にそれぞれ対応する画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kが、トナー像を担持する像担持体であり中間転写体を構成する中間転写ベルト50の移動方向に並列配置されている。感光体ドラム11,12,13,14は、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kに設けられ、潜像が形成される潜像担持体を構成する。感光体ドラム11,12,13,14は、外径60mmの有機感光体であり、その表面上に形成される各色トナー像は、これらの感光体ドラムに下方から当接する中間転写ベルト50へ順次転写される。中間転写ベルト50へ転写されたトナー像は、給紙部となる用紙カセット101から給紙ローラ100を経て給紙された記録用紙P上に転写される。
具体的には、用紙カセット101から給紙された記録用紙Pは、中間転写ベルト50と、この中間転写ベルト50に接触して二次転写ニップ部を形成する転写部材となる二次転写ローラ80との間に矢印Fの方向から所定のタイミングで搬送される。中間転写ベルト50上に形成されたフルカラートナー像は、二次転写ローラ80と、このローラに対して中間転写ベルト50を介して対向配置された対向部材となる二次転写部対向ローラ73との間に形成された二次転写ニップ部で記録用紙P上に一括転写される。フルカラートナー像が転写された記録用紙Pは、定着装置91へ搬送され、定着装置91において加熱・加圧されて画像定着がなされて、機外へと排出される。
各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは全て同じ構成であるため、以下では画像形成ユニット1Yのみを代表して説明する。図2は、本実施形態で用いた画像形成ユニット1Yの概略構成を示す図である。画像形成ユニット1Yは、感光体ドラム11と、感光体ドラム11の表面を例えば帯電ローラ21aによって帯電する帯電装置21と、感光体ドラム11上の潜像をトナー像化する画像形成手段としての現像装置31と、中間転写ベルト50上にトナー像を転写するための一次転写手段となる一次転写ローラ61と、感光体ドラム11の表面に残存したトナーをクリーニングする感光体クリーニング装置41とを備えている。現像装置31よりも感光体ドラム11の回転方向R1の下流側には、感光体ドラム11上に現像されたトナー像の画像濃度を計測する画像濃度センサ121が配置されている。画像形成ユニット1M,1C,1Kにも感光体ドラム12〜14上に現像されたトナー像の画像濃度を計測する画像濃度センサ122〜124が配置されている。
帯電装置21は、ローラ形状の導電性弾性体から構成される帯電ローラ21aに対して直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加する構成となっている。帯電装置21は、帯電ローラ21aと感光体ドラム11との間で直接放電を起こすことで感光体ドラム11を所定の極性、例えば、マイナス極性に帯電させるものである。次いで、感光体ドラム11の帯電面には、図示しない画像書き込み手段から出射された光変調されたレーザ光L1が照射される。これによって、感光体ドラム11の表面に静電潜像を形成する。即ち、レーザ光が照射され感光体表面部分の電位の絶対値が低下した部分が静電潜像(画像部)となり、レーザ光が照射されず電位の絶対値が高く保たれた部分が地肌部となる。
一次転写ローラ61は、導電性のスポンジ層を有する弾性ローラであり、中間転写ベルト50の裏面から感光体ドラム11に対して押し当てられるように配置されている。この一次転写ローラ61には一次転写バイアスとして定電流制御されたバイアスが印加されている。一次転写ローラ61の外形は16mmで、芯金径は10mmである。スポンジ層の抵抗Rは約3E7Ωである。この値は、接地された外径30mmの金属ローラを10Nで押し当てた状態で、一次転写ローラ61の芯金に電圧を1000V印加したときに流れる電流Iからオームの法則(R=V/I)を使って算出した。
感光体クリーニング装置41は、クリーニングブレード41aと、クリーニングブラシ41bを備えている。クリーニングブレード41aは、感光体ドラム11の回転方向に対してカウンタ方向から感光体ドラム11の表面と当接した状態で感光体ドラム11の表面をクリーニングする。クリーニングブラシ41bは感光体ドラム11の表面と逆方向に回転しながら接触した状態で感光体ドラム11の表面をクリーニングする。
現像装置31は、収容容器31cと、現像剤担持体としての現像スリーブ31aと、攪拌部材としての2つのスクリュー部材31bとを備えている。収容容器31cはYトナーとキャリアを有する2成分現像剤を収容している。現像スリーブ31aは、この収容容器31c内に配置され、収容容器31cの開口部を介して感光体ドラム11と対向配置されている。スクリュー部材31bは、収容容器31c内に配置され、現像剤を攪拌しながら搬送する。スクリュー部材31bは、現像スリーブ側となる現像剤の供給側と、図示しない補給トナー装置の供給を受ける側にそれぞれ配置され、収容容器31cに図示しない軸受け部材によって回転自在に支持されている。
上記4組の画像形成ユニットの感光体ドラム11,12,13,14は、不図示の感光体ドラムの駆動装置によって図中矢印R1方向に回転駆動される。また、ブラック用の感光体ドラム14と、カラー用の感光体ドラム11,12,13とを独立に回転駆動できるようにしても良い。これにより、例えば、モノクロ画像を形成する時には、ブラック用の感光体ドラム14のみを回転駆動し、またカラー画像を形成する時には4つの感光体ドラム11,12,13,14を同時に回転駆動させることができるようになる。中間転写ベルト50を有する中間転写ユニットは、モノクロ画像を形成する時に、カラー用の感光体ドラム11,12,13から中間転写ベルト50を離間するように部分的に揺動可能に構成されている。
中間転写ベルト50の厚さは40μm〜200μm、好ましくは60μm程度である。中間転写ベルト50は、体積抵抗率が1E6Ωcm〜1E12Ωcm、好ましくは約1E9Ωcm(三菱化学製ハイレスターUP MCP HT450印加電圧100V測定値)の、無端状カーボン分散ポリイミド樹脂で構成される。中間転写ベルト50は、二次転写部対向ローラ73および支持ローラ71,72などの複数の支持ローラに掛け回されている。中間転写ベルト50は、支持ローラ72が駆動モータ76によって回転駆動されることにより、図中矢印方向に無端移動するように構成されている。
二次転写部対向ローラ73は導電性のNBR系ゴム層(一次転写ローラ61と同じ測定方法で約4E7Ω)からなり、その外形は約24mmで、芯金径は16mmである。また、支持ローラ72に対向する位置には、中間転写ベルト50のトナー画像の濃度を検出する画像濃度検出手段である画像濃度センサ75が配置されている。中間転写ベルト50上に転写されたトナー像が支持ローラ72上を通過した時に、画像濃度センサ75でトナー像の画像濃度が計測される。
二次転写部対向ローラ73には、転写バイアス用の電源110が接続されている。この電界形成手段である電源110は、直流電界形成手段である直流電源110Aと交番電界形成手段である交流電源110Bとで構成されている。二次転写部対向ローラ73に電圧を印加することで、この二次転写部対向ローラ73と二次転写ローラ80の間に電位差が生じ、トナー像が中間転写ベルト50から記録用紙P側へ向かう電圧が生じるため、トナー像を記録用紙Pに転写させることができる。直流電界により、トナー像は中間転写ベルト50から記録用紙P側へ向かう静電気力を受ける。交番電界では、中間転写ベルト50から記録用紙P側へ向かう静電気力をトナー像に付与する電界と記録用紙P側から中間転写ベルト50側へ向かう静電気力をトナー像に付与する電界が交互に発生される。二次転写ローラ80は導電性のNBR系ゴム層(一次転写ローラ61と同じ測定方法で1E6Ω以下)からなり、その外形は約24mmで、芯金径は14mmである。
ここで、本実施形態における電位差とは、(二次転写部対向ローラ73の電位)−(二次転写ローラ80の電位)として規定する。ちなみに、転写バイアス用の電源110を二次転写ローラ80に接続して転写バイアスを印加してトナー像を記録用紙Pへ転写する形態でもよい。また、転写バイアス用の電源110のうち、一方を二次転写部対向ローラ73に、他方を二次転写ローラ80に接続するような構成でもよい。例えば、直流電源110Aを二次転写部対向ローラ73に、交流電源110Bを二次転写ローラ80に接続しても良いし、その逆でも良い。また、本実施形態において交番電圧の波形は正弦波を用いているが、矩形波、三角波または台形波であっても良い。また、Dutyが50%でない波形を用いることも可能である。
次に、本実施形態を用いて本発明者らが行った研究結果について添付図面を参照しながら説明する。
本実施形態において使用する現像剤として、粒径平均が6.8μmの一般的な不定形トナー(ポリエステル系)と、平均粒径55μmの樹脂キャリアを使用した。評価に使用する凹凸の小さな記録用紙Pとしては、Classic Whiteを用いた。
まず、転写バイアスとして電源110により直流電圧(−2.0KV)を印加し、ベタ画像とライン画像および文字画像が混在した画像を出力した。得られた画像は、ベタ画像の濃度ムラも、ライン画像および文字画像のにじみも無い良好な画像だった。
次に、記録用紙Pにおける画像の占める面積の割合である画像面積率が5%以下の低画像面積率の画像を上記の転写条件で連続出力した。その後、ベタ画像とライン画像および文字画像が混在した画像を出力すると、ライン画像および文字画像ににじみは無いが、ベタ画像では濃度ムラが生じた。
この画像濃度ムラの原因は以下のように考えられる。低画像面積率の画像を連続出力すると、現像部でトナーが消費されずに画像形成装置内で様々なストレスを受けるため、トナー表面に添加された外添剤がトナー内部に埋もれたり、分離したりしてトナーが劣化する。トナー表面が添加剤で被覆されている場合は、中間転写ベルト50は添加剤と接触するが、添加剤の粒径は非常に小さいので、トナーと中間転写ベルト50の接触面積は小さい。トナーが劣化した場合は、中間転写ベルト50はトナー表面と接触するが、トナーの粒径は添加剤に較べて十分大きいので、トナーと中間転写ベルト50の接触面積は大きい。粉体と接触面間の付着力は、接触面積が大きいほど増大するため、劣化したトナーと中間転写ベルト50間の付着力は、劣化していないトナーと中間転写ベルト50間の付着力よりも大きくなる。トナーが劣化して付着力が増大すると、中間転写ベルト50からトナーが分離しにくくなり、転写性が悪化する。記録用紙Pの凹部は空隙のために凸部よりも転写電界が小さくなるために、特に凹部での転写性が悪化し、画像濃度が低下して、凸部の画像濃度との差が生じて、画像濃度ムラが発生したと考えられる。
次に、ベタ画像を連続出力して劣化したトナーを消費した後、現像部のトナーを劣化していないトナーに入れ替え、転写バイアスとして電源110により直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加して、画像を出力した。
図3は、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加した時の電圧の時間変化を示す図である。Voffは、印加電圧による二次転写ローラ80に対する二次転写部対向ローラ73の電位差の時間平均値を表す。ここでは、接地されている二次転写ローラ80の電位は0Vであるため、Voffは、電源110から二次転写部対向ローラ73に印加される直流成分と同じ値を示す。Vppは印加電圧のピーク間電圧を示している。また、トナーが中間転写ベルト50から記録用紙Pへと転写する方向の電圧のピーク値をVt、トナーが記録用紙Pから中間転写ベルト50へ戻る方向の電圧のピーク値をVrとする。トナーが記録用紙Pから中間転写ベルト50へ戻る電界を形成するために一定値以上のVrが必要であり、Voffに対して十分に大きなVppを重畳させる必要がある。さらに、記録用紙Pの凹部で放電が発生せず、凸部の画像濃度が低下しないようにVoffとVppを調整する必要がある。
また、直流電圧に交流電圧を重畳した転写バイアスによって転写した場合に、交流電圧による周期的な画像ムラが発生しない条件がある。交流電圧の周波数をf[Hz]、中間転写ベルト50の線速をv[mm/s]、二次転写部の転写ニップ幅をd[mm]とする。画像が転写ニップ部を通過する時間はニップ幅を線速で割った値d/v[s]であり、交番電圧の周期が1/f[s]とすると、ニップ通過時間中に印加される交番電圧の周期回数はd×f/vとなる。周期的な画像ムラが発生しない条件は、この周期回数が4回以上となるように周波数を設定することである。よって、交番電圧の周波数fの条件としては以下の(式1)のようになる。
f≧(4/d)×v・・・(式1)
本実施形態では、転写バイアスとして、Voff=−1.0kV、Vpp=5.0kVに設定した。また、中間転写ベルト50の線速vの設定値を282mm/sに、交流電圧の周波数fを500Hzに設定した。トナーが劣化していない場合に、本転写条件でベタ画像とライン画像および文字画像が混在した画像を出力すると、ベタ画像に濃度ムラは無いが、ライン画像および文字画像ににじみが生じた。
次に、画像面積率が5%以下の低画像面積率の画像を上記の転写条件で連続出力した後に、ベタ画像とライン画像および文字画像が混在した画像を出力した。前記のように、トナー劣化時に転写バイアスとして直流電圧を印加した場合は、ベタ画像に濃度ムラが発生した。だが、トナーが劣化したときに上記の転写条件の交番電圧を印加すると、トナーが劣化していない場合よりもライン画像および文字画像のにじみは小さくなり、ベタ画像の濃度ムラは生じず、トナー劣化時に直流電圧を印加した場合よりも良好な画像が得られた。
以上のように、凹凸の小さな記録用紙に対して、転写バイアスとして直流電圧を印加した場合は、トナーが劣化していなければ画像の濃度ムラやにじみは発生しないが、トナーが劣化していると画像濃度ムラが発生する。一方、凹凸の小さな記録用紙に対して、転写バイアスとして直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加した場合は、直流電圧のみの場合に比べて画像のにじみは発生しやすいが、トナーが劣化しても画像濃度ムラが発生しない。
本発明者らは、このような検討結果から、トナー劣化の判定基準に基づいて転写ニップに形成する転写電界を直流電界または交番電界に設定する方法を発案した。それは、トナー劣化の判定基準に則してトナーが劣化していない判定された場合には、転写電界として直流電界を印加し、トナー劣化の判定基準に則してトナーが劣化していると判定された場合には、転写電界として交番電界を印加する方法である。この方法により、画像のにじみが極力抑制されるとともに、トナーが劣化しても濃度ムラの無い画像が得られる。転写電界を形成する際には、転写電源の電圧を制御する方法と電流を制御する方法があるが、どちらの方法を用いても良い。
図4を用いて、トナー劣化の判定基準に則した制御を行うための構成について説明する。
電源110、画像濃度センサ75、画像濃度センサ121〜124および駆動モータ76は、トナーが劣化したか否かを判定するトナー劣化判定手段120に信号線を介して接続されている。トナー劣化判定手段120は所謂コンピュータ回路で構成されていて、ここに画像濃度センサ75や画像濃度センサ121〜124で測定したトナー濃度が入力されると、トナー劣化判定手段120は入力されたトナー濃度からトナーの劣化状態を判定する。また、トナー劣化判定手段120は、その判定結果に基づいて電源110を制御して、二次転写ニップ中で直流電界を形成するか、交番電界を形成するかを選択する。つまり、トナー劣化判定手段120は、トナーが劣化していないと判定した場合には電源110を制御して直流電界を形成する。一方、トナー劣化判定手段120は、トナーが劣化していると判定した場合には電源110を制御して交番電界を形成する。トナー劣化判定手段120には、予め判定用の閾値が設定されている。
トナー劣化の判定としては、トナーが劣化すると予測される条件を満たすかどうかを判定する方法、または画像形成装置内に設置されたトナー劣化判定手段を用いる方法が挙げられる。トナーが劣化すると予測されるのは、トナーが画像形成に消費されずに画像形成装置内で長時間ストレスを受ける場合である。具体的には、トナーが劣化すると予測される条件は、前記したように画像面積率が所定の値よりも低い画像の出力が所定時間以上連続した場合、または所定枚数以上連続した場合である。
しかし、実際には、低画像面積率の画像の連続出力枚数が所定枚数未満だが、高画像面積率の画像の出力を挟んで何度も低画像面積率の画像が連続出力される場合など、様々な画像出力状況があり、トナー劣化の予測は困難である。このため、画像形成装置内にトナー劣化判定手段120を設け、その検出情報に基づいてトナーの劣化を判定する方法が好ましい。トナー劣化判定手段120としては、公知の特許文献で示された様々な例を適用することができる。例えば、以下の文献1〜5では、感光体上に転写率測定用の基準パターンの画像を現像し、一次転写における転写率を各種センサによって測定し、転写率の変化からトナーの劣化を検知している。また、トナーが劣化すると、トナーの現像能力が低下して感光体上の画像濃度が低下するため、現像バイアスを上げて画像濃度を確保するが、現像バイアスの上限まで上げても画像濃度を確保できない場合に、劣化したトナーを強制的に現像して排出する場合がある。
(文献1)特開2007−304316号公報
(文献2)特開2004−240369号号公報
(文献3)特開平06−003913号公報
(文献4)特開平08−227201号公報
(文献5)特開2006−251409号公報
そこで、先ず、本実施形態において一次転写における転写率の検出結果からトナーの劣化を判定する方法について説明する。
図5は、転写率によってトナーの劣化を判定し、転写バイアスを直流電圧または交流電圧に設定する制御のフローチャートである。この制御はトナー劣化判定手段120によって行われる。
図5で、トナー劣化判定手段120は、周知のプロセスコントロール制御の最後に続けて、帯電装置21〜24の電源を制御して帯電出力をオンし(S1)、画像書き込み手段により設定した画像濃度に対応する光量で画像パターンを各感光体ドラム11〜14上に書き込み(S2)、現像装置31〜34により現像する(S3)。
次いで、トナー劣化判定手段120は、一次転写ローラ61〜64により画像パターンを中間転写ベルト50に転写し(S4)、転写画像の画像濃度Aを画像濃度センサ75で計測する(S5)。次いで、トナー劣化判定手段120は、計測された画像濃度Aが所定の画像濃度下限値(閾値)以上であるか否かを判断する(S6)。この条件を満たしている場合には(S6、Y)、トナー劣化判定手段120は、転写率が低下しておらずトナーは劣化していないと判断し、転写バイアスを直流電圧に設定し(S7)、プロセス制御を終了する。一方、この条件を満たしておらず画像濃度Aが所定の画像濃度下限値(閾値)未満の場合は(S6、N)、トナー劣化判定手段120は、転写率が低下しておりトナーが劣化していると判断し、転写バイアスを交番電圧に設定し(S8)、プロセス制御を終了する。
次に、本実施形態において感光体ドラム上の画像濃度からトナーの劣化を判定する方法について説明する。図6は、この場合の制御のフローチャートであって、この制御はトナー劣化判定手段120によって行われる。
図6で、トナー劣化判定手段120は、周知のプロセスコントロール制御の最後に続けて、帯電装置21〜24の電源を制御して帯電出力をオンし(S11)、画像書き込み手段により設定した画像濃度に対応する光量で画像パターンを各感光体ドラム11〜14上に書き込み(S12)、現像装置31〜34により現像バイアスVで現像する(S13)。
次いで、トナー劣化判定手段120は、現像画像の画像濃度Bを画像濃度検出手段である画像濃度センサ121〜124により計測する(S14)。次いで、S15では、計測された画像濃度Bが設定画像濃度(閾値)以下であるか否かを判断する。この条件を満たしておらず画像濃度Bが閾値より大きい場合には(S15、N)、トナー劣化判定手段120は、トナーは劣化していないと判断し、転写バイアスを直流電圧に設定し(S7)、この制御を終了する。一方、この条件を満たしていて画像濃度Bが閾値以下である場合には(S15、Y)、トナー劣化判定手段120は、現像バイアスVを設定した増加バイアスΔVだけ上げる(S16)。
次に、トナー劣化判定手段120は、このΔVだけ上げた現像バイアスVが現像バイアスの上限値として設定した電圧以上であるか否かを判断する(S17)。この条件を満たしていない場合には(S17、N)、ステップS12に戻り、再度画像パターンの現像(S13)および画像濃度センサ121〜124による画像濃度Bの計測(S14)を実施する。この条件を満たしている場合には(S17、Y)、トナーが劣化していると判断し、転写バイアスを交番電圧に設定し(S18)、この制御を終了する。
以上の制御フローは、既存のプロセスコントロール制御の後に行っているが、出力状況等を考慮して既存のプロセスコントロール制御とは異なるタイミングで実施しても良い。
11,12,13,14 感光体ドラム(潜像担持体)
31,32,33,34 現像装置(画像形成手段)
50 中間転写ベルト(像担持体)
61,62,63,64 一次転写ローラ(一次転写手段)
80 二次転写ローラ(転写部材)
110 電源(電界形成手段)
110A 直流電源(直流電界形成手段)
110B 交流電源(交番電界形成手段)
120 トナー劣化判定手段
特開2012−063746号公報 特開2013−127592号公報 特開2012−053337号公報 特開2012−237974号公報

Claims (4)

  1. トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体に接触して転写ニップを形成する転写部材と、前記像担持体と前記転写部材との間に電界を形成する電界形成手段と、トナーが劣化したか否かを判定するトナー劣化判定手段とを備える画像形成装置において、
    前記電界形成手段は、前記像担持体側から前記転写部材側に向かう静電気力をトナーに付与する直流電界を形成する直流電界形成手段と、前記像担持体側から前記転写部材側に向かう静電気力をトナーに付与する電界と前記転写部材側から前記像担持体側に向かう静電気力をトナーに付与する電界を交互に発生させる交番電界を形成する交番電界形成手段とを有し、
    前記トナー劣化判定手段によりトナーが劣化したと判定した場合は、前記電界形成手段は前記交番電界形成手段に設定され、前記トナー劣化判定手段によりトナーが劣化していないと判定した場合は、前記電界形成手段は前記直流電界形成手段に設定されることを特徴とする画像形成装置。
  2. 潜像が形成される潜像担持体と、前記潜像担持体上の潜像をトナー像化する画像形成手段と、前記潜像担持体上のトナー像を前記像担持体に転写する一次転写手段と、前記像担持体上のトナー像の画像濃度を検出する画像濃度検出手段とを備え、
    前記トナー劣化判定手段は、前記画像濃度検出手段による前記一次転写手段の転写率の検出結果からトナーの劣化を判定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 潜像が形成される潜像担持体と、前記潜像担持体上の潜像をトナー像化する画像形成手段と、前記潜像担持体上に現像されたトナー像の画像濃度を計測する画像濃度検出手段とを備え、
    前記画像濃度検出手段の検出結果が所定の閾値より大きいときに、前記トナー劣化判定手段はトナーが劣化していないと判定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. トナー像を像担持体で担持し、前記像担持体に転写部材を接触させて転写ニップを形成し、前記転写ニップに、前記像担持体側から前記転写部材側に向かう静電気力をトナーに付与する直流電界、または前記像担持体側から前記転写部材側に向かう静電気力をトナーに付与する電界と前記転写部材側から前記像担持体側に向かう静電気力をトナーに付与する電界を交互に発生させる交番電界を形成し、トナー劣化判定手段によりトナーが劣化したか否かを判定する画像形成方法において、
    前記トナー劣化判定手段によりトナーが劣化したと判定した場合は、電界形成手段は前記交番電界形成手段に設定され、前記トナー劣化判定手段によりトナーが劣化していないと判定した場合は、前記電界形成手段は前記直流電界形成手段に設定されることを特徴とする画像形成方法。
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