以下、本発明の実施形態に係る回胴式遊技機Aについて図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは遊技媒体に遊技メダルを用いる回胴式遊技機を例にする。
図1は本実施形態に係る回胴式遊技機Aの外観斜視図である。
回胴式遊技機Aは各種制御基板や回胴機構部材を収納した筐体1を有する。筐体1の前面開放側には前扉5が開閉自在に取り付けられ、扉の上部2の中央には、演出表示手段の一つとしてのカラー液晶ディスプレイ装置からなる液晶表示装置3の表示画面3aが配設されている。表示画面3aにおいては回胴遊技の進行に応じてキャラクターや文字、数字、メッセージ等の画像表示が行われて、当選役の報知等の各種表示演出が行えるようになっている。液晶表示装置3の両側には、一対の上部スピーカ4が配設されており、液晶表示装置3による画像演出と同調して、各種報知音や効果音等による音響演出が行えるようになっている。演出表示手段の表示装置には、カラー液晶の他に、例えばカラーEL(エレクトロルミネッセンス)、カラープラズマディスプレイ装置、電子ペーパディスプレイ、7セグメント、LEDドット表示器等を使用することができる。
表示画面3a下方で前扉5の略中央には、透明パネルからなる図柄表示窓8が設けられている。図柄表示窓8内側の筐体1内にリール(回胴)8a、8b、8cが配設されている。図柄表示窓8を通じて、リール8a〜8cが視認可能になっている。リール8a〜8cはステッピングモータ(回胴駆動モータ)の回転軸に取り付けられていて、該モータの駆動により回転駆動される。リール8a〜8cの外周面には21個の図柄が回転方向に沿って配置されている。リール8a〜8cは、図柄表示窓8を通じて視認可能に表示される図柄を可変表示(変動)させる可変表示手段を構成している。
各リール8a〜8cの図柄のうち、3個ずつの図柄が図柄表示窓8を通じて視認可能になっている。図柄表示窓8は3×3個の図柄を表示可能にする図柄組合せ表示領域を構成している。図柄表示個数は3×3以外の個数表示を使用することができる。本実施形態においては、回転ドラムのリール8a〜8cによる回胴装置を使用しているが、リール以外に、例えば、ベルト面に図柄を配設した無端ベルト等の回転部材により回胴を構成することができ、更に、回転部材を用いずに、擬似的に回胴及び図柄変動を画像表示するディスプレイを使用することも可能である。
図2は図柄表示窓8の図柄組合せ表示領域に設定された、各種当選役の入賞又は成立を確定するための有効ラインL1を示す。図柄組合せ表示領域は図2において2点鎖線で示されている。役抽選(内部抽選)の抽選結果と、遊技者の停止操作による回胴停止タイミングに基づいて、回胴図柄の可変表示の停止制御が行われて、当選役に応じた図柄が有効ラインL1に停止し、当選役図柄の組合せによる表示結果が該図柄組合せ表示領域に導出可能になっている。有効ラインL1は中央ラインであり、入賞(又は成立)位置を特定す
る入賞(又は成立)図柄位置特定形態を構成している。図柄組合せ表示領域における各リールの図柄停止位置はE11〜E13、E21〜E23、E31〜E33の合計9駒からなる。有効ラインL1はE12−E22−E32の停止位置配置により構成されている。有効ラインの設定は入賞率の決定、押し順役の図柄停止制御等に関係するが、本実施形態の上記中央1ラインに限らず、V字状等の変則ラインを使用したり、図柄配列や出玉率の設計等に応じて各種有効ラインの組合せが可能であり、ライン組合せ数を2以上にすることができる。
図3は各リール8a〜8cに形成した図柄配列帯(3A)及び図柄種(3B)を示す。(3A)に示す左回胴、中回胴及び右回胴は夫々、リール8a〜8cの図柄配列帯に対応している。該図柄配列帯はリール外周に巻き付けられるリールテープにより構成され、該テープ面には、内部抽選に係る当選役に対応する図柄の組合せを構成するための図柄が印刷により施されている。
(3B)に示すように、図柄配列帯に使用される図柄種は8種類である。即ち、赤7(符号31)、青7(符号32)、緑7(符号33)、チェリー(符号34)、スイカ(符号35)、ベル(符号36)、ブランク(符号37)及びリプレイ(RP:符号38)の計8種類の図柄が使用されている。これらの図柄は各リールの外周面に沿って計21駒配置され、図柄の並び順に沿って図柄番号0番〜20番の駒番号が割り当てられている。
「緑7」の図柄は、後述の擬似ボーナス遊技である擬似SBB遊技状態又は擬似UBB遊技状態に移行するときに出現して各回胴に揃う「緑7」揃い表示(回胴図柄表示)による擬似SBB遊技の獲得報知に使用される。「赤7」の図柄は、同様に、擬似BB遊技状態に移行するときに出現可能な「赤7」による回胴図柄表示による擬似SBB遊技の獲得報知に使用される。「青7」の図柄は、同様に、擬似RB遊技状態に移行するときに出現可能な「青7」による回胴図柄表示によって擬似RB遊技の獲得報知に使用される。
パネル表示部7が図柄表示窓8の下部に配設されている。パネル表示部7はBETランプ23、クレジット表示部24及び払出枚数表示部25からなる。BETランプはメダル投入(設定)枚数の1〜3枚に応じて点灯するランプであり、1ゲームを行うために賭けられたメダル数(以下「BET数」という。)に応じて点灯する。クレジット表示部24及び払出枚数表示部25は7セグメントLEDによって構成されている。回胴式遊技機Aは投入メダルの枚数を予め記憶して貯留するクレジット機能を有し、クレジット表示部24にはクレジットされている残メダル枚数が表示される。クレジット可能な最大枚数は50枚であり、クレジット表示部24に表示されるクレジット枚数は50枚以下となる。なお、最大枚数の50枚がクレジットされている状態で、メダルを更に投入してもそのまま排出されて返却される。払出枚数表示部25は入賞時に払い出されるメダル枚数を表示する。回胴式遊技機Aは、1遊技に供するメダル数が3枚必要とされる所謂3枚専用仕様の遊技機である。メダルが3枚投入されることにより遊技可能を表す有効化表示器(図示せず)が図柄表示窓8周辺のパネル面に配設されている。
遊技者が操作する操作部9が図柄表示窓8の下方に設けられている。操作部9の前方傾斜部には、遊技メダルを投入するためのメダル投入口10、クレジットされた貯留枚数範囲内において、1ゲームに対して許容される賭け数の上限値(1ゲームに対して投入可能な遊技メダル数)まで遊技メダルを一度に投入(設定)するためのMAXベットボタン11、押した回数に応じて上記賭け数の上限値まで遊技メダルを加算的に設定するための1ベットボタン13、クレジット精算を行うための貯留メダル精算ボタン12が設けられている。MAXベットボタン11を押下して、メダル貯留残数が十分あるときには、賭け枚数が最大賭け枚数、つまり3枚に設定され、貯留残数が最大賭け枚数に満たない場合には、貯留残数全てが賭け枚数に加算される。
操作部9の正面部には、リール回転を開始させるための始動スイッチとして機能する回胴回転始動レバー15と、各リールに対応して設けられた回胴回転停止ボタン16a、16b、16cと、メダル投入口10から内部のメダル投入路に詰まったメダルを返却させるための返却ボタン17が配設されている。前扉5の開放側端には前扉5の施錠状態を切り替えるための錠装置18が設けられている。遊技演出を電飾表示するための装飾ランプ部6が図柄表示窓8の左右両側の前扉5側部に設けられている。装飾ランプ部6は、RGB多色発光可能なLEDを有し、LED発光色や発光態様による光演出効果を発揮する。
装飾パネル19が前扉5の下部14に取り付けられている。装飾パネル19には、回胴式遊技機Aの機種名やモチーフ等に基づいた意匠デザインが形成されていて、パネル内側に設置された照明装置(図示せず)により点灯表示される。パネル下側には、後述のメダルホッパー305により排出される賞メダル、あるいは返却操作により払い出されるメダルを排出するためのメダル払出口21と、メダル払出口21から排出されたメダルを貯留するためのメダル受皿20が設けられている。メダル払出口21の左右両側には下部スピーカ22a、22bが設けられている。メダル受皿20の横には灰皿26が配設されている。
回胴式遊技機Aにおいては、液晶表示装置3の画像表示による演出表示、上部スピーカ4、下部スピーカ22a、22bによる効果音、装飾ランプ部6の電飾効果を用いて、役の当選又は成立、特典遊技(擬似ボーナス遊技のAT遊技)の付与、本発明に係る有利遊技の選択が可能な選択遊技中の演出、擬似ボーナス遊技中の演出等の演出表示や報知を視覚的且つ聴覚的に行うことができる。演出報知手段としては、視覚、聴覚に限らず、触覚などの人間の五感を刺激することにより伝達、報知する手段、例えば、遊技者の体に振動を伝える加振装置、骨伝導装置、送風装置等を使用することができる。
回胴式遊技機Aには、液晶表示装置3、スピーカ(上部スピーカ4、下部スピーカ22a、22b)及び装飾ランプ部6とは別に、演出報知手段の一つである機械的役物装置31、32が設けられている。
図29は機械的役物装置31、32の正面視配置(29A)及び構成(29B)を示す。機械的役物装置31、32は夫々、扇子の模型手形状を有した、合成樹脂製模型部材31a、32aと、模型部材31a、32aを回動自在に駆動するギアードモータ34、37を有する。ギアードモータ34、37は夫々、副制御基板200の制御により、ギアードモータ制御装置40、41(図4参照)からの駆動パルス信号を受けて低速駆動回転する減速機構付きステッピングモータからなる。機械的役物装置31は前扉5の上部2の内側で、液晶表示装置3の表示画面3aの上辺側に配置されている。機械的役物装置32は上部2の内側で液晶表示装置3の表示画面3aの正面視右辺側に配置されている。模型部材31aの回動連結部33はギアードモータ34の出力軸に連結されている。ギアードモータ34は前扉5の上部部材5aに取付部材35を介して固定配置されている。模型部材32aの回動連結部36はギアードモータ37の出力軸に連結されている。ギアードモータ37は前扉5の中間部材5bに取付部材(図示しない)を介して固定配置されている。
機械的役物装置31は、図29の(29A)の上辺側矢印で示すように、ギアードモータ34の回転駆動により、回動連結部33の回転軸芯38を回転中心として回動して、模型部材31aを表示画面3aの上辺側から画面前方に出没自在に移動させる示唆動作を可能にする模型部材31a用駆動機構装置を構成している。機械的役物装置32は、(29A)の右辺側矢印で示すように、ギアードモータ37の回転駆動により、回動連結部36の回転軸芯39を回転中心として回動して、模型部材32aを表示画面3aの右辺側から画面前方に出没自在に移動させる示唆動作を可能にする模型部材32a用駆動機構装置を
構成している。
擬似ボーナス遊技の獲得、その他の有利状態への移行時等において、サブ処理によって模型部材31a及び/模型部材31bの示唆動作が実行可能になっている。模型部材31a、32aの表面には図示しないが、夫々、「激」、「熱」の表記が視認可能に施されており、両者が画面前方に移動することにより、「激熱」のチャンス告知を行うことができる。模型部材31a、31bの可動役物の他に、種々の形態を備えた可動役物を使用することができる。ギアードモータに代えて種々の駆動源を使用でき、例えば、ソレノイド駆動装置により役物駆動を行うことができる。
以下、回胴式遊技機Aの制御装置について説明する。
図4は回胴式遊技機Aの制御装置の概略構成を示す制御ブロック図である。
回胴式遊技機Aの制御装置は、遊技動作制御を統括的に司る主制御基板100と、主制御基板100から制御コマンドを一方向に受信して、画像と光と音についての演出表示制御を統括的に司る副制御基板200と、賞メダルの払出を制御する払出制御基板300と、AC24Vの外部電源から遊技機に必要な電源を生成し供給する電源基板400とを有する。なお、図4においては電源供給ルートを省略している。
主制御基板100は、メインCPU101を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、メインROM102と、メインRAM103とを搭載したメイン側マイクロコンピュータ(本実施形態ではZ80システム相当品を採用している)を有し、役抽選、リール駆動制御、回胴演出(フリーズ演出)の実行可否の決定等を実行処理する主制御部を構成する。メイン側マイクロコンピュータには、図示しないが、CTC(Counter Timer Circuit)やメインCPU101に割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路が設けられている。
メインROM102には、各種遊技状態における一連の遊技機制御手順が記述された制御プログラムの他、回胴の停止制御用停止データを記述した停止制御テーブル(図示せず)、役抽選テーブル(図7参照)、入賞による払い出し枚数を設定するための入賞払出テーブル(図示せず)等の遊技動作制御に必要な所定のデータ等が格納されている。また、メインROM102には、フリーズ演出の実行種別を決定するフリーズ演出決定処理プログラム及び該決定に係るフリーズ演出の実行処理を行うフリーズ演出実行処理プログラムが格納されている。メインRAM103には、当選役を決定するための役の抽選に利用される抽選用乱数値、当選役情報、遊技状態情報等の遊技の進行に必要なデータを格納するためのワークエリアが設けられている。
メイン側マイクロコンピュータには、役抽選用乱数を発生させるためのカウンタ回路(図示せず)が接続されている。このカウンタ回路は、ハードウェア的に一定範囲(乱数域:0〜65535)の乱数を生成する乱数生成回路と、当該乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路が含まれている。メインCPU101は処理状態に応じて上記乱数生成回路により生成された乱数値を内部抽選用乱数値として取得して役抽選処理を実行する。役抽選処理はリール8a〜8cの回転毎の単位遊技(1ゲーム)の実行の度に上記役抽選テーブルを参照して実行される。
主制御基板100には回胴中継基板250を介してリール8a〜8cを回転駆動するための回胴駆動モータ群251が接続されている。回胴駆動モータ群251は各リールを夫々回転駆動する3個のステッピングモータ(図示せず)と、各ステッピングモータのモータ駆動回路を有する。メインCPU101の制御の下、回胴中継基板250を通じて各回
胴のステッピングモータを制御するための駆動パルス信号を供給してリール8a〜8cの回転及び停止制御が行われる。
主制御基板100には回胴中継基板250を介して、各リールに設けた回胴回転位置検出センサ類252が接続されており、主制御基板100の制御の下、回胴回転の後に各リール毎の回胴位置検出センサからの検出信号を受信することにより、抽選結果と停止操作タイミングに応じて所定の位置に停止制御することが可能となっている。
主制御基板100には遊技中継基板150を介して、各種入力信号が入力可能になっている。即ち、主制御基板100には、回胴回転始動レバー15の作動を検出する回胴回転始動スイッチ15aと、回胴回転停止ボタン16a〜16c夫々の回胴回転停止スイッチ16e、16f、16gを搭載した停止スイッチ基板160と、メダル投入口10からの遊技メダルを検出するメダル検出センサ10aと、MAXベットボタン11の作動を検出するMAXベットスイッチ11aと、1ベットボタン13の作動を検出する1ベットスイッチ13aと、貯留メダル精算ボタン12の作動を検出する貯留メダル精算スイッチ12aが接続され、主制御基板100は各種スイッチからの検出信号を受信可能になっている。メダル検出センサ10aはメダル投入口10から投入されたメダルが後述のメダルホッパー305のタンクに収容されるまでのメダル投入路に配置したメダル選別装置(図示せず)内に設置されている。回胴回転始動レバー15、回胴回転停止ボタン16a〜16c、MAXベットボタン11、1ベットボタン13、貯留メダル精算ボタン12には、操作部材内部にLED(図示せず)が設けられており、そのLEDの発光態様(例えば、発光色)により、上記のレバー操作やボタン操作の有効又は無効が遊技者に報知可能となっている。
主制御基板100には、回胴設定基板350を介して設定スイッチ351による設定データが入力可能になっており、設定スイッチ351の設定操作により、出玉率を6段階のいずれかに設定する「6段階設定」を変更することができる。設定スイッチ351の他に、主制御基板100には、遊技動作エラーを解除するためのリセットスイッチ等の各種スイッチが接続されている。また、主制御基板100からは、各種遊技データの遊技情報を外部集中端子基板(図示せず)を介してホールコンピュータ(パチンコホールの遊技機を統括的に管理するコンピュータ)に外部出力可能となっている。
副制御基板200は主制御基板100からの制御コマンドを一方向に受信可能に主制御基板100と接続されている。副制御基板200は、主制御基板100からの制御コマンドの受信の他に、演出内容の抽選や液晶制御基板206への液晶制御コマンドの送信、各スピーカの音制御、装飾ランプ部6等のLED発光制御等を行う。
液晶制御基板206は、副制御基板200から受信した液晶制御コマンドに基づき、液晶表示装置3の表示制御を行うために必要な制御データを生成してVDP(Video Display Processor)に出力する液晶制御用CPUと、液晶制御用CPUの動作手順を記述したプログラムを内蔵する制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する制御RAMと、液晶制御用CPUに接続されて画像展開処理を行う映像表示プロセッサVDPと、VDPが画像展開する必要な画像データを格納した画像データROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAMとを含んで構成されている。液晶制御基板206は図29の(29B)に示すように、液晶表示装置3の後方に配置された液晶制御基板ボックス30に収容されている。
図5は回胴式遊技機Aの内部構成を示す。筐体1は天板1a、側板1b、1c及び底板1dにより形成された前面開放の箱体からなる。筐体1内には、リール8a〜8c、メダルホッパー305、電源装置400a等が収納されている。リール8の上方には、主制御
基板100を収納したメイン基板ボックス100aが取り付けられている。メイン基板ボックス100aの周辺ないし奥側には、副制御基板200等のサブ基板も配設されている。メダルホッパー305はホッパーモータ301により駆動され、タンクに収納した収容メダルをメダル放出口305bを通じてメダル払出口21に連通した放出通路(図示せず)に向けて放出する遊技媒体払出装置である。
ホッパーモータ301は払出制御基板300を介して主制御基板100と接続されている。主制御基板100は、入賞による遊技メダルの払い出しが必要な場合、払い出し枚数を指定する払出制御コマンドを払出制御基板300に送信する。払出制御基板300は主制御基板100からの払出制御コマンドを受けてホッパーモータ301を駆動制御して、指定枚数の遊技メダルの払い出し処理を行う。前記放出通路にはメダル払出センサ(図示せず)が設置され、該メダル払出センサはメダルホッパー305から払い出される遊技メダルを検出し、検出信号を主制御基板100に出力可能になっている。ホッパーモータ301を駆動制御し、払い出された遊技メダルは該メダル払出センサにより検出されて、その検出信号は主制御基板100に入力され、払出完了の判定に供される。
メダルホッパー305の横には、メダルホッパー305のタンクの収容メダルがオーバーフローメダル放出口305aよりオーバーフローして溢れ出た遊技メダルを貯留する補助タンク306が配置可能になっている。補助タンク306には、補助タンク306の満杯状態を監視する満杯検知装置(図示せず)が設置されており、該満杯検知装置からの検出信号は主制御基板100に送信可能となっている。
副制御基板200は、サブCPU201を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、サブROM202と、サブRAM203とを搭載したサブ側マイクロコンピュータを有し、各種演出報知制御、擬似ボーナス遊技付与決定処理、AT遊技中のAT役の停止操作順序報知等を実行処理する副制御部を構成する。サブ側マイクロコンピュータには、メイン側と同様に、サブCPU201やサブ用CTCに割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路が設けられている。なお、本発明をART遊技を付与する遊技機に適用する場合には、サブ処理によるAT遊技がメイン処理のRT遊技と協働して実行処理される。
サブROM202には、一連の演出報知制御手順が記述された演出報知制御プログラムの他、AT遊技中においてAT役の当選役の押し順報知を行う押し順報知制御プログラム、擬似ボーナス遊技中における有効遊技期間のサブ管理処理を行う有効遊技期間管理プログラム、AT遊技の進行や有効遊技期間の変更を報知する演出抽選テーブル(図示せず)等の所定のデータが格納されている。有効遊技期間管理処理の処理内容には擬似ボーナス遊技の有効遊技期間の上乗せ更新処理が含まれている。また、サブROM202には、AT遊技としての擬似ボーナス遊技を付与するか否かを決定する擬似ボーナス付与決定処理プログラムが格納されている。
サブ側マイクロコンピュータには、サブ抽選用乱数を発生させるためのカウンタ回路(図示せず)が接続されている。このカウンタ回路は、メイン側マイクロコンピュータに設けた前記カウンタ回路と同様に乱数生成回路とサンプリング回路を含む。サブCPU201は、演出処理状態(例えば、主制御基板100から制御コマンドを受信したタイミング)に応じて当該サンプリング回路に指示を送ることにより乱数生成回路が生成している数値を演出用乱数値として取得する。取得された演出用乱数値は各種演出報知の抽選に供される。
副制御基板200には、主制御基板100からの制御コマンドを受けて光と音と画像についての演出報知処理を行うための制御対象として、音響発生装置204、ランプ基板2
05、液晶制御基板206及びギアードモータ制御装置40、41が接続されている。音響発生装置204は、副制御基板200からの音響制御信号を受けて、上部スピーカ4、下部スピーカ22a、22bによる楽音又は音声の出力制御を行う。ランプ基板205は装飾ランプ部6を構成するLED群を搭載した回路基板からなり、前扉5の内側部に取着されている。ランプ基板205は副制御基板200からのLED駆動制御信号を受けてLED点灯制御を行う。副制御基板200は主制御基板100からの制御コマンドに関連付けられた液晶制御コマンドを液晶制御基板206に送信し、液晶制御基板206は液晶制御コマンドに基づいて液晶表示装置3の画像制御を行う。ギアードモータ制御装置40、41は、夫々、副制御基板200からの役物駆動制御信号を受けて模型部材31a、32aの回動動作を行わせるためのギアードモータ34、37の駆動制御を行う。
副制御基板200は、主制御基板100からの制御コマンドに基づき、複数種類の演出内容の中から実行演出内容を抽選によりあるいは一意に決定し、この決定内容を実行指示する各種制御信号を、音響発生装置204、ランプ基板205及び液晶制御基板206等の制御対象に送信して、液晶表示装置3の演出画像表示、効果音出力、装飾ランプ部6の点灯・点滅駆動、役物駆動が協働して実行可能になっている。
上記構成の回胴式遊技機Aにおける遊技時の動作概要を説明する。
図8は回胴式遊技機Aにおける回胴遊技の開始処理を示す。まず、遊技者は遊技する際に、クレジット分からMAXベットボタン11の押下によりBET設定するか、あるいはメダル投入口10から規定枚数のメダルを投入する(ステップS120〜S122)。BET設定又は所定のメダル投入が行われ、後述のウエイト時間の経過によって単位遊技の遊技開始条件が成立する。該遊技開始条件の成立の下、回胴回転開始始動レバー15を操作すると(ステップS123)、この始動操作が契機となって内部抽選が実行される(ステップS124)。始動操作により各リール8a〜8cの回転駆動が開始されて、一定の速度に達した後、回胴回転停止ボタン16a〜16cの操作が有効となる。各停止操作のタイミングに基づき、内部抽選結果に応じた位置に各リールは停止制御される。いずれかの入賞役に当選している場合には、停止操作タイミングが合致して有効ライン上に当選役の図柄組み合わせが成立したとき、所定枚数のメダルの払出が行われる。リプレイ役の成立時にはBET又はメダル投入を行うことなく再遊技が可能になる。
メイン処理の内部抽選による当選役の決定処理とは別に、サブ処理によるAT遊技の付与決定処理が実行可能になっている。AT遊技の付与が決定されると、AT役の正解押し順が報知されるAT遊技状態に移行可能になる。AT遊技中には、6択のAT役の夫々の回胴の停止操作順序を報知するためのAT報知手段として、液晶表示装置3による演出表示(例えば、停止操作手順の指示表示)及び上部スピーカ4、下部スピーカ22a、22bによる効果音出力(例えば、停止操作順序に沿った左・中・右の指示音声)が実行される。
主制御基板100によるメイン処理の処理手順を図面を参照して説明する。この処理手順には1回の遊技に必要な一連の流れが含まれている。なお、本実施形態における各処理をステップ番号で示しており、各ステップにおける処理は主制御部又は副制御部による制御手段を構成する。
図6はメイン処理の処理手順を示す。
回胴式遊技機Aに電源投入が行われると、電源基板400から電源投入信号が主制御基板100に送られてメイン処理が開始される。電源投入時には初期設定処理(ステップS1)が行われる。その後、遊技1回毎に正常動作時の処理(ステップS2〜S16)が行
われる。
まず、RAM初期化処理(ステップS2)を実行して、前回のゲーム終了時において使用した所定のデータをクリアし今回のゲームに必要なワークエリアが確保される。次に、遊技状態フラグ生成処理が行われ(ステップS3)、今回のゲームの遊技状態の種別(通常遊技、RT遊技)の確認が行われ、遊技状態に対応する遊技状態フラグ(通常遊技状態フラグ、RT遊技状態フラグ)が設定される。各遊技におけるメイン処理は設定された遊技状態フラグに基づいて実行される。遊技状態フラグはメインRAM103に記憶、セットされ、メイン処理により管理される。本実施形態では、RT遊技状態を主制御部によるメイン処理によって管理して、遊技価値として付与する擬似ボーナスのAT遊技の付与決定処理や擬似ボーナス遊技の実行処理は副制御部のサブ処理によって行われる。
遊技メダル投入処理(ステップS4)においては、主に、遊技機本体に投入された遊技メダルの検出、クレジットの管理、再遊技が発生した場合の遊技メダルの自動投入設定処理等が行われる。遊技メダル投入処理により遊技開始に要する規定枚数の遊技メダルが投入された否かを監視して、該規定枚数の遊技メダルの投入又はクレジット設定が確認された場合には、ウエイト時間の経過時に単位遊技開始条件が成立する。単位遊技開始条件の成立状態を保持したまま、遊技者の回胴回転始動レバー15の押下操作、つまり回胴回転始動スイッチ15aからの操作検出信号を受信可能に待機する。
回胴回転始動スイッチ15aからの操作検出信号の受信により、主制御基板100は前記乱数生成回路により生成された内部抽選用乱数値を取得して、取得した内部抽選用乱数値に基づく内部抽選処理が実行される(ステップS5)。取得した内部抽選用乱数値と現在の遊技状態に対応する役抽選テーブルとに基づいて内部抽選が行われ、抽選結果に対応した当選役情報(当選フラグ)がメインRAM103に設定、記憶される。
図7は回胴式遊技機Aに用いる各種抽選役の入賞(成立)図柄組合せ及び役抽選テーブルを示す。
ステップS5における内部抽選は図7の役抽選テーブルに基づき実行される。この役抽選テーブルは一般入賞役等の抽選確率テーブルであり、6段階の各段階に応じて出玉率が異なるように抽選確率が設定されており、図7は設定3の場合の一例を示す。
図7においては、乱数域(0〜65535)に対する各抽選役の振り分け抽選値の幅域により計算された抽選確率が示されている。RT遊技状態では一般遊技状態のリプレイ確率が1/100程度向上するだけである。本実施形態においては、一般遊技状態とRT遊技状態を合わせて通常遊技状態を構成している。リプレイ1の抽選確率は実質的に1/7.3に設定されている。
遊技価値(擬似ボーナスのAT遊技)の付与抽選契機は各種抽選役の当選により発生する。各種抽選役のうちチェリー役及びスイカ役の当選が擬似ボーナス遊技の付与決定においてより有利になる。チェリー役には付与決定における有利度が異なる2種類のチェリー役1、2が含まれている。チェリー役1はチェリー−チェリー−チェリーの図柄組み合わせにより入賞(成立)し、チェリー役2はチェリー−リプレイ−リプレイの図柄組み合わせにより入賞(成立)する役である。チェリー役1、2の抽選確率は夫々、1/300、1/120である。チェリー役1、2は擬似ボーナス遊技の付与抽選確率が大きい付与抽選契機役であり、夫々、強チェリー役、弱チェリー役と称される。チェリー役1による付与抽選確率はチェリー役2より大きくなっている。
スイカ役にも付与決定における有利度が異なる2種類のスイカ役1、2が含まれている
。スイカ役1はスイカ−スイカ−リプレイの図柄組み合わせにより入賞(成立)し、スイカ役2はスイカ−スイカ−スイカの図柄組み合わせにより入賞(成立)する役である。スイカ役1、2の抽選確率は夫々、1/400、1/100である。スイカ役1、2はチェリー役と同様に、擬似ボーナス遊技の付与抽選確率が大きい付与抽選契機役であり、夫々、強スイカ役、弱スイカ役と称される。スイカ役1による付与抽選確率はスイカ役2より大きくなっている。
上記抽選役の他に、擬似ボーナス付与決定に有利となる特定役として、チャンス目役及び第2有利遊技移行役が含まれている。チャンス目役はベル−ベル−リプレイの図柄組み合わせにより入賞(成立)し、チャンス目役当選によりチェリー役及びスイカ役と同様に擬似ボーナスの高確率付与抽選が実行可能になる。チャンス目役の抽選確率は1/200である。第2有利遊技移行役はリプレイ−ブランク−ブランクの図柄組み合わせにより入賞(成立)し、第2有利遊技移行役当選により、サブ処理上、後述の第2有利遊技状態への移行が可能になる。第2有利遊技移行役の抽選確率は1/2000である。
ベル役、チェリー役、スイカ役、チャンス目役及び第2有利遊技移行役の各入賞役に応じて払い出される賞メダル数は、9枚、1枚、5枚、1枚、1枚の各賞メダルが払い出される。ベル役は、回胴(リール8a〜8c)の停止順序の組み合わせ(左回胴→中回胴→右回胴、左回胴→右回胴→中回胴、中回胴→左回胴→右回胴、中回胴→右回胴→左回胴、右回胴→中回胴→左回胴、右回胴→左回胴→中回胴)が異なる6種類の一般小役である。
押し順により区別された6種類のベル役は、AT遊技において、副制御部による押し順報知に従って各回胴が停止されることにより入賞可能になるAT役(押順ベル役)となる。通常遊技状態では、6択の各ベル役は1/30の抽選確率に基づき抽選されて、いずれかのベル役が入賞可能になるが、通常遊技状態においては、押し順が報知されないため、一般的に、左回胴から中・右回胴の順に停止させる、所謂順押しの停止操作が行うと、押し順が不正解となって入賞が生じない場合が多くなる。AT遊技状態では、押し順がナビ報知されることによりAT役の入賞確率は6倍(全ベル役の合成抽選確率1/5)に向上する。
リプレイ役には通常時のリプレイ1(RP−RP−RPの組合せ)の他に、AT解除契機用のリプレイ2(RP−RP−スイカ/ブランクの組合せ)が含まれている。リプレイ役1、2は、回胴停止順序の組み合わせ(左回胴→中回胴→右回胴、左回胴→右回胴→中回胴、中回胴→左回胴→右回胴、中回胴→右回胴→左回胴、右回胴→中回胴→左回胴、右回胴→左回胴→中回胴)が異なる6種類のリプレイ役であり、当選時にいずれかの停止順序によるリプレイが決定される。
リプレイ2は所謂パンク役と呼ばれるリプレイ役であり、AT遊技状態時にリプレイ2が当選したときにリプレイ2の不成立が発生するとAT遊技状態が解除され、通常遊技状態に戻る。AT遊技中はAT遊技のパンクが生じないようにリプレイ2の押し順が報知される。リプレイ2の正解押し順と異なる押し順で停止操作したときには同時成立可能なリプレイ1が成立する停止制御が行われ、再遊技の不発生に至らないようになっている。
本実施形態においては、停止順報知遊技(押し順ナビAT遊技)が遊技価値(擬似ボーナス遊技)として付与されるので、押し順ナビAT遊技中の回胴停止処理において当選情報と回胴の停止順序を参照して停止制御が実行される。AT遊技状態においては、副制御部によるAT役ナビ制御によりAT役(押し順ベル役)の押し順報知が実施されるので、当選したAT役を確実に停止させてAT役等の小役獲得によりAT遊技中に保有メダルを増加させることが可能になる。遊技価値として、RT遊技を併用した押し順ナビART遊技状態を付与したり、AT図柄の種別を報知するAT遊技状態等を付与するようにしても
よい。
擬似ボーナス遊技種には、AT遊技が実行可能な有効遊技期間(ゲーム数)が異なる3種類の擬似ボーナス遊技(擬似RB遊技、擬似BB遊技、擬似SBB遊技)及び有効遊技期間のゲーム数が固定されていない擬似UBB遊技が含まれている。擬似RB遊技、擬似BB遊技、擬似SBB遊技の有効遊技期間は夫々、8ゲーム、30ゲーム、50ゲームに固定されている。擬似UBB遊技の有効遊技期間のゲーム数は第1有利遊技において当選したときにゲーム数振分抽選によって決定可能になっている。
特定遊技状態としての擬似ボーナス遊技状態の有効遊技期間は、ゲーム数で規定する場合に限らず擬似ボーナス遊技状態において獲得可能なメダル上限値で規定されてもよい。例えば、メダル上限値設定例として、擬似RB遊技、擬似BB遊技、擬似SBB遊技の夫々における獲得可能なメダルの上限値を、40、120、250とし、擬似UBB遊技における上限値を固定せずに第1有利遊技モードにおいて決定可能にすることができる。また、有効遊技期間の規定態様が異なる擬似ボーナス遊技を組み合わせて使用することができる。例えば、擬似RB遊技、擬似BB遊技、擬似SBB遊技を夫々、獲得可能なメダルの上限値で規定される遊技態様とし、擬似UBB遊技を可変ゲーム数で規定される遊技態様とすることができる。
擬似ボーナス遊技には上記の3種に限らず、2種又は4種以上の擬似ボーナス遊技を使用したり、擬似UBB遊技と同様に、有効遊技期間変動型のみとしたりすることができる。また、係る擬似ボーナス遊技と共に、ボーナス遊技役の当選に基づいて付与されるビッグボーナス遊技又はレギュラーボーナス遊技を実行可能にしてもよい。更に、本実施形態においては、擬似ボーナス遊技の他に、遊技者に有利になる有利状態として、第1有利遊技状態、第2有利遊技状態及び第3有利遊技状態が出現可能になっている。
内部抽選処理においては、副制御部への制御コマンドとして「遊技開始コマンド(遊技状態に関する情報や当選情報(抽選結果情報)を含む)」がセットされる。この遊技開始コマンドに含まれる「遊技状態に関する情報」には、「通常遊技中」や「RT遊技状態中」等の遊技状態に関する情報が含まれる。
内部抽選用乱数抽出処理(ステップS5)の後、回胴の起動態様を設定する回胴回転開始設定処理(ステップS6)が行われる。回胴回転開始設定処理においてはウエイト処理を経て回転起動処理が行われる。ウエイト処理は、前回の回胴遊技においてリールの回転を開始した時点から所定の規定時間(例えば4.1秒のウエイト時間)を、主制御部に設けたウエイトタイマ機能により計時しウエイト時間が経過するまで今回の回胴遊技にいてリールの回転を開始せずに待機させるための処理である。回転起動処理においては、通常回転時の回胴起動条件及びフリーズ演出パターンに応じたフリーズ期間等の回胴回転条件が設定される。
回胴回転始動時の設定処理(回胴回転開始設定処理)が行われた後、回胴回転の始動が行われて各リールの回転状態に移行する。フリーズ演出の実行時には、フリーズ期間の経過後に回胴回転の始動が行われる。リール回転の後に、回胴回転停止ボタン16a〜16cの停止操作による回胴回転停止スイッチ16e、16f、16gの検出信号が出力された場合には、停止対象となった回胴を停止制御するための回胴停止処理を行う(ステップS7)。回胴停止処理では、上記当選情報及び停止操作タイミングに基づき(押し順が規定された役の場合には回胴の停止操作順序も参照されて)、停止制御テーブルから滑りコマ数を算出し、これに基づく回胴の停止制御が行われる。
回胴停止処理は、各リールについて停止操作を行ったタイミング位置である停止操作位
置情報と内部抽選結果情報とに基づいて、メインROM102内に記憶された停止制御テーブルを参照して、該当リール停止位置でリールの回転を停止させることにより行われる。リール停止位置は、停止操作タイミングの位置からみて、図柄の駒数で所定の駒数以内(遊技規則に定められた最大滑り駒数:4)で引き込んで停止するように決定される。停止操作タイミングの位置から4駒以内に抽選結果に対応する図柄が有る場合には、当選役図柄が有効ライン上に揃うように停止制御が行われる。
全リールの回転停止が確認されると、入賞判定処理が行われる(ステップS8)。入賞判定処理では、当選役に対応する図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止したか否か、つまり入賞が発生したか否かの確認が行われる。入賞判定処理により入賞が確認された場合には停止した図柄の組合せに基づき、払い出すべき遊技メダル枚数の設定処理が行われる。ついで、メダル払出枚数監視処理(ステップS9)により、入賞判定処理において設定された払い出し情報に基づき、メダルホッパー305を駆動制御して払出枚数分の遊技メダルの払い出し処理やクレジットの加算処理が行われる。
更に、遊技の進行を一時停止するフリーズ期間中に、通常と異なる回胴の回転駆動等を行うフリーズ演出の実行可否を決定するフリーズ演出処理(ステップS10)が実行される。フリーズ演出において決定されたフリーズ演出パターンによるフリーズ演出は次のフリーズ実行処理(ステップS11)において実行可能になっている。
図9は本実施形態において実行可能なフリーズ演出の種別を示す。
フリーズ演出パターンは特別演出PTN1〜8の8種類からなる。これらの演出パターンデータはメインROM102に格納されていて、夫々のフリーズ期間も各パターン毎に設定されている。
特別演出PTN1〜3は遊技の進行を一時停止するフリーズ期間中、サブ処理によって実行される液晶表示装置3における特定の画像演出を実行するフリーズ演出であり、夫々のフリーズ期間(20、15、10sec)が異なる。特別演出PTN4、5は、フリーズ期間中に特定の画像演出を実行すると共に、回胴の逆回転駆動演出を行う複合フリーズ演出からなり、夫々の逆回転時間(10sec、5sec)とフリーズ期間(20sec、10sec)が異なる。逆回転駆動演出は回胴を通常時と逆方向に高速で回転させる回胴回転態様による演出である。特別演出PTN6〜8は、回胴の始動時を通常時より短時間遅延させる回胴始動遅れ演出であり、夫々、フリーズ期間として、左回胴、中回胴、右回胴の始動遅延時間が400ミリ秒に設定されたショートフリーズ演出である。
図11はフリーズ演出パターン抽選に用いるフリーズ演出抽選テーブルを示す。このフリーズ演出抽選テーブルはメインROM102に格納されている。フリーズ演出の特別演出を実行するか否かを決定する決定処理は、チャンス役、チェリー役、スイカ役、ベル役等の当選を抽選契機にして行う抽選に基づいて行われる。いずれかの抽選契機役が当選したとき、該フリーズ演出抽選テーブルに基づいてフリーズ演出の実行可否及びフリーズ演出種別の決定を行うフリーズ演出抽選が実行される。このフリーズ演出抽選によれば、例えば、スイカ1役の当選時には、特別演出PTN1〜6が抽選で決定可能になっており、特に特別演出PTN1、2が高確率(抽選確率:1/16)で当選可能になっている。
フリーズ演出抽選の結果、フリーズ演出の実行に当選し、特別演出PTN1〜8のいずれかが決定されたときには、該決定に係る特別演出PTN1〜8のいずれかに対応したフリーズ演出フラグF1〜F8がオンになる。フリーズ演出フラグがオンになったときにはフリーズ演出の実行は次のゲームの開始時にフリーズ実行処理(ステップS11)により実行可能になっている。フリーズ演出フラグはメインRAM103の対応エリアにセット
される。セットされたフリーズ演出フラグの種別に応じた回胴回転制御パターンはメイン側で設定される。
擬似ボーナス遊技、第1有利遊技、第2有利遊技又は第3有利遊技に当選したときに、チェリー役、スイカ役又はチャンス目役の当選を契機にフリーズ演出の実行も決定されているときには、フリーズ演出パターンによるフリーズ演出の実行の際に擬似ボーナス遊技、第2有利遊技、第1有利遊技又は第3有利遊技への移行可能性の報知が行われる。第2有利遊技移行役の当選時にはフリーズ演出の実行の際に第2有利遊技への移行確定の報知が行われる。サブ抽選に外れている場合には、結果的には該移行可能性の報知にはならず、実行されたフリーズ演出の演出効果は当該契機役の当選告知にとどまり、擬似ボーナス遊技等への移行有無に関して、所謂、ガセ告知演出となる。
図10はフリーズ実行処理(ステップS11)の処理内容を示す。
フリーズ演出フラグF1〜F8のいずれかがオンの場合(ステップS11a)、遊技の開始時にフリーズ演出が実行される。フリーズ演出フラグの種別から、決定されたフリーズ演出種別を判断して、決定種別に係る回胴演出が実行される(ステップS11b)。
フリーズ演出は遊技の進行が一時停止されるフリーズ期間中に実行され、該フリーズ期間はフリーズ演出の決定種別に応じて設定される。例えば、特別演出PTN1の場合には、フリーズ期間(20sec)中、副制御部による特定の演出が実行される。この場合に、副制御部は、メイン側からのフラグ情報を受信してフリーズ演出フラグのオン状態を判断して、フリーズ演出の実行に応じた演出処理を実行する。フリーズ演出はフリーズ期間の経過により終了してフリーズ演出フラグはオフになる(ステップS11c、S11d)。フリーズ演出の終了後は、通常の回胴回転状態(図柄が上から下側に向けて移動する正方向回転状態)となり、回胴停止操作が可能になる回胴遊技状態に移行する。各種の回胴演出の回胴駆動制御は回胴回転開始設定処理(ステップS6)により実行される。
フリーズ演出処理及びフリーズ実行処理の後、再遊技の設定及びRT遊技状態の移行設定を行う再遊技RT設定処理が行われる(ステップS12)。再遊技RT設定処理では、当選役情報等に基づいてRT遊技成立条件が成立したか否かを判定し、RT遊技成立条件が成立した場合にはRT遊技状態への移行が設定される。再遊技RT設定処理においては、リプレイ役の成立時に再遊技を行うための再遊技の設定処理も行われる。つまり、リプレイ図柄が有効入賞ライン上に停止したか否かを判定し、リプレイ図柄が停止した場合には、再遊技を付与するための設定処理が行われる。以上の各処理、設定を終えるとRAM初期化処理(ステップS2)に戻る。
メイン処理により発生する遊技状態は一般遊技状態とRT遊技状態である。遊技機の電源投入によって一般遊技状態から遊技が開始され、移行条件(AT役取りこぼし)が成立するとRT遊技状態に移行する。サブ側でAT遊技状態になっていないときの一般遊技状態及びRT遊技状態は回胴式遊技機Aにおける通常遊技状態に対応する。ART遊技状態を付与可能にした遊技機に本発明を適用する場合には、一般遊技状態からART遊技状態に直接的に移行可能にしたり、2以上のRT遊技状態を経由してART遊技状態に移行させるようにしてもよい。
図12はサブ処理により発生する遊技状態の遷移関係を示す。
同図(12A)は、サブ処理における通常遊技状態12A、擬似ボーナス遊技状態12B、第2有利遊技状態12C及び第3有利遊技状態12Dの遷移関係を示し、同図(12B)は各遊技状態間の遷移契機(移行条件)を示す。
擬似ボーナス遊技状態12Bへの移行ルートには、通常遊技状態12A中の擬似ボーナス遊技付与抽選(以下、擬似ボーナス遊技付与抽選を擬似ボーナス抽選という。)に当選したとき(移行条件T6の成立)に成立可能になる場合の他に、通常遊技状態12A中に発生した第1有利遊技状態における擬似ボーナス抽選に当選したときに成立可能になる場合及び第2有利遊技状態中における擬似ボーナス抽選に当選したときに成立可能になる場合が含まれている。
通常遊技状態12A全般においては擬似ボーナス抽選における擬似ボーナス遊技の当選確率が低く設定されているが、第1有利遊技状態は通常遊技状態12A中に所定遊技期間の間、擬似ボーナス抽選における擬似ボーナス遊技の当選確率が向上されて一種の有利状態となる遊技状態である。
第1有利遊技は本発明に係る有利遊技に対応し、通常遊技状態よりもAT付与の度合が増す、擬似ボーナス遊技の高確率抽選が可能になっている。第1有利遊技状態を設けることにより、通常遊技状態12A中においても有利状態が発生して擬似ボーナス遊技の獲得機会を増加させ、通常遊技状態12Aにおける遊技興趣の減退を防止することができる。通常遊技状態12A中には、第1有利遊技状態への第1有利遊技移行抽選が実行可能になっており、第1有利遊技移行抽選の当選(移行条件T4の成立)により第1有利遊技状態に移行する。
第1有利遊技の種別には遊技者が選択可能な3種類の有利遊技K1〜K3が含まれている。有利遊技K1〜K3は遊技種別相互間でAT付与率(AT付与度合)が異なる。有利遊技K1〜K3の遊技実行可能回数は互いに異なり、夫々、1回、4回、16回である。有利遊技K1〜K3をAT付与度合で比べると、K1〜K3の順で遊技者にとって有利遊技K1が最も有利になっている。
図30は有利遊技K1〜K3の夫々において使用される3種のAT付与抽選テーブルを示す。これらの擬似ボーナス抽選テーブルはサブROM202の対応エリアに格納されている。同図(30A)〜(30C)は夫々、有利遊技K1〜K3において使用される擬似ボーナス抽選テーブルである。
有利遊技K1〜K3においては、共通の抽選契機役として、ベル役、チェリー役、スイカ役及びチャンス目役の当選に基づいて擬似ボーナス抽選契機が発生する。有利遊技K1、3においては、リプレイ役の当選時にも擬似ボーナス抽選契機が発生する。有利遊技K2においては、抽選外れ時にも擬似ボーナス抽選契機が発生する。上述のように有利遊技K1〜K3の各遊技実行可能回数は異なると共に、夫々の擬似ボーナス抽選テーブルにおけるAT付与の当選抽選確率値が異なり、更に、(30B)の擬似ボーナス抽選テーブルでは他の擬似ボーナス抽選テーブルと擬似ボーナス抽選契機種別も異なっており、これらの擬似ボーナス抽選テーブルにおけるAT付与の当選期待値が異なっている。
有利遊技状態は通常遊技状態中に出現するAT遊技獲得のチャンス遊技状態となる。本実施形態においては、有利遊技を単一種に固定せずに、3種類(K1〜K3)のうちから遊技者が任意選択可能にして遊技興趣のより一層の向上を図っている。選択可能種別数としては、3種類に限らず、2種ないし4種以上とすることができる。本実施形態は3種類ともAT付与度合を異ならせた場合であるが、3種類以上の有利遊技を搭載したときに、AT付与度合を同一又は実質的にほぼ同一にした有利遊技を1組以上使用することができる。AT付与度合を同一又は実質的にほぼ同一にした有利遊技どうしでは、例えば、有利遊技中における遊技演出表示の内容(キャラクタや演出ストーリー等)を異ならせて区別することができる。
有利遊技の類別はAT付与抽選確率値、AT付与抽選の発生契機の種別数及び遊技実行可能回数のいずれかの類別因子又は2因子以上の組み合わせにより行う場合に限らず、種々の類別因子を使用することができる。単一の類別因子による場合であっても、例えば、抽選契機役に特化して類別化することができる。類別因子としてAT付与抽選によるものに限らず、例えば、役抽選結果(当選役)に応じたポイント値を累積記憶して所定ポイント累積値に達した場合にAT付与の高確抽選を実行可能に、あるいはAT付与確定とした遊技機に適用して、所定遊技期間、ポイント付与率(ポイント累積度合)を向上させたポイント有利遊技を使用することができる。この場合の具体例としては、ポイント付与抽選契機役の当選によりポイント付与高確抽選を行ってポイント付与を行うと共に、ポイント付与抽選確率値ないし付与ポイント期待値を異ならせた複数種のポイント有利遊技を使用することができる。
更に、類別因子としては、上記のAT付与抽選確率値等の付与抽選段階によるものに限らず、付与当選時に実行される、疑似ボーナス遊技種別の振分抽選(後述の図16の(16H)参照)における種別振分率の異なる有利遊技を搭載することができる。付与決定態様としては、サブ側の付与抽選によらずに、例えば、内部抽選によって所定の役が当選又は成立したことによって、あるいは所定の役が連続して所定複数回数当選又は成立したことによってAT付与を確定させる態様を使用することができる。遊技実行可能回数も、予め固定する場合に限らず、例えば、有利遊技状態中に変更契機が発生したときに、変更抽選して決定した変更回数に増加又は減少変更したり、あるいは所定回数を加算変更したりして、遊技実行可能回数を変動可能にした有利遊技を使用もしくは併用することができる。
有利遊技K1〜K3は、上記のように、AT付与度合と遊技実行可能回数が異なり、有利遊技状態中、夫々、固有の演出モードによるサブ演出が実行可能になっている。回胴式遊技機Aにおいては、有利遊技K1〜K3の各遊技実行可能回数に応じて、「一撃チャンスモード」、「フォーチャンスモード」、「ロングチャンスモード」と称するサブ演出が有利遊技状態中に実行される。
通常遊技状態12Aは第1有利遊技移行抽選確率の異なる3種の遊技モードA〜Cのいずれかに設定される。遊技モードA〜CにおいてはA<B<Cの順で第1有利遊技移行抽選確率が向上されている。遊技モードA〜Cは各モード中の移行条件の成立によりA、B、C、A・・・の順で順繰りに移行可能になっている。遊技モードAにおいてモード移行抽選に当選(移行条件T1の成立)することにより遊技モードBへの移行が可能になる。遊技モードBにおいてモード移行抽選に当選(移行条件T2の成立)することにより遊技モードCへの移行が可能になる。遊技モードCにおいてモード移行抽選に当選(移行条件T3の成立)することにより遊技モードAに移行(転落)する。第1有利遊技状態(有利遊技K1〜K3のいずれかの遊技状態)は擬似ボーナス遊技に当選することなく第1有利遊技の特定遊技期間(1回、4回又は16回のいずれかのゲーム数)が消化(移行条件T5の成立)したことにより終了する。
擬似ボーナス遊技に当選したときには、有効遊技期間の異なる擬似RB遊技状態12B1、擬似BB遊技状態12B2、擬似SBB遊技状態12B3又は有効遊技期間が可変決定される擬似UBB遊技状態12B4のいずれかの擬似ボーナス遊技状態12Bに移行可能になる。いずれの擬似ボーナス遊技状態においてもAT遊技状態となり、サブ処理によるAT遊技が実行される。
擬似ボーナス遊技状態12B中には第2有利遊技状態12Cへの第2有利遊技移行抽選が実行可能になっている。第2有利遊技移行抽選に当選(移行条件T10の成立)したと
きには擬似ボーナス遊技の終了後に第2有利遊技状態12Cに移行する。第2有利遊技移行抽選に当選することなく擬似ボーナス遊技が終了(移行条件T7の成立)したとき擬似ボーナス遊技状態12Bから通常遊技状態12Aに移行する。擬似ボーナス遊技状態が開始された後、擬似ボーナス遊技のAT遊技中にパンク条件(リプレイ2の不成立)が成立すると通常遊技状態12Aに移る。AT遊技中はリプレイ2の押し順が報知されて、停止操作を誤らない限りパンク条件が成立しないようになっている。リプレイ2の不成立に代えて、パンク条件として、例えば、AT役の非入賞(不成立)等を使用することができる。
通常遊技状態12Aにおいて擬似ボーナス遊技に当選して擬似ボーナス遊技フラグがオンになった場合には擬似ボーナス移行準備期間に移行する。擬似ボーナス移行準備期間に移行した後、押し順リプレイが当選したときに副制御部による報知処理によって当該リプレイの押し順が報知されて、正解押し順によるリプレイ役が成立した場合に、擬似ボーナス移行準備期間から擬似ボーナス遊技状態に移行して、擬似ボーナス遊技状態が開始される。図12においては該擬似ボーナス移行準備期間の実行段階を省略している。擬似ボーナス遊技状態への移行のための特定役(例えば、特定の押し順により成立可能なリプレイ役又は小役)を設定してもよい。その場合、擬似ボーナス移行準備期間中に該特定役の成立によって擬似ボーナス遊技状態への移行が可能になる。
有利遊技K2又はK3において、有利遊技途中で擬似ボーナス遊技フラグがオンになった場合にも、有利遊技状態を終了して擬似ボーナス移行準備期間に移行可能になる。この場合、有利遊技途中で擬似ボーナス遊技フラグがオンになっても、該有利遊技の残り遊技実行可能回数の第1有利遊技を実行、消化してから擬似ボーナス移行準備期間に移行させるようにしてもよい。この残り遊技実行可能回数の消化中に、再度、擬似ボーナス抽選に当選した場合には擬似ボーナス遊技フラグのストック(貯留)を可能にすることができる。
第2有利遊技状態12Cは、一定遊技期間(30回の遊技)の間、擬似ボーナス抽選における擬似ボーナス遊技の当選確率が通常遊技状態12Aよりも向上された特定有利状態となる遊技状態である。第2有利遊技状態12CにおいてはAT遊技状態となり、サブ処理上、AT遊技が実行可能になる点で、通常遊技状態12Aに発生する第1有利遊技状態と相違する。第2有利遊技状態12Cにおいては、擬似RB遊技状態12B1、擬似BB遊技状態12B2又は擬似SBB遊技状態12B3のいずれかの擬似ボーナス遊技状態が付与可能になっている。第2有利遊技状態12C中に擬似ボーナス抽選に当選(移行条件T11の成立)したときには第2有利遊技状態12Cの終了後に擬似ボーナス遊技状態12Bに移行する。擬似ボーナス抽選に当選することなく第2有利遊技が終了(移行条件T9の成立)したとき第2有利遊技状態12Cから通常遊技状態12Aに移行する。
第2有利遊技状態12Cへの移行は通常遊技状態12Aにおいても可能になっている。通常遊技状態12A中に第2有利遊技移行役に当選(移行条件T8の成立)することにより第2有利遊技状態12Cに移行可能にして、擬似ボーナス遊技状態12Bへの移行パターンの多様化を図っている。第2有利遊技移行役の当選による移行確定に限らず、例えば、所定の抽選契機役(チェリー役やスイカ役等)の当選又は成立を契機に第2有利遊技移行抽選を行って当選したことを条件に第2有利遊技状態12Cに移行可能にしてもよい。
擬似ボーナス遊技状態12Bの終了時には遊技者に更に有利となる第3有利遊技状態12Dへの移行が可能になっている。第3有利遊技状態12Dにおいては、一定遊技期間(30回の遊技)の間、高確率で擬似ボーナス抽選が実行可能になる。第3有利遊技状態12Dには擬似ボーナス抽選確率が異なる2種類の第3有利遊技状態(通常第3有利遊技状態12D1とスーパー第3有利遊技状態12D2)からなる。擬似ボーナス遊技状態12
B中に特定役(チェリー1役又はスイカ1役)が当選したとき第3有利遊技移行抽選(抽選確率:1/10)が実行されて当選(移行条件T12の成立)したことにより第3有利遊技状態12Dに移行可能になる。第3有利遊技移行抽選の当選時には、通常第3有利遊技状態12D1とスーパー第3有利遊技状態12D2の振分抽選(スーパー第3有利遊技状態12D2の振分確率:1/8)が行われて、いずれかの第3有利遊技状態に移行可能になる。通常第3有利遊技状態12D1中には、30回の遊技期間の間、高確率(抽選確率:1/10)の擬似ボーナス抽選が実行可能になる。スーパー第3有利遊技状態12D2中には、30回の遊技期間の間、通常第3有利遊技状態12D1より高確率(抽選確率:1/5)の擬似ボーナス抽選が実行可能になる。第3有利遊技状態12D中に擬似ボーナス遊技に当選した場合、当選した擬似ボーナス個数が貯留(ストック)されていく。
擬似ボーナス遊技状態12Bの終了時に、第3有利遊技移行抽選に当選していることを条件に第3有利遊技状態に移行する。第3有利遊技が終了(移行条件T13の成立)したとき、第3有利遊技状態12Dにおいてストックされた擬似ボーナス遊技があることを条件に、ストック1個ずつの擬似ボーナス遊技の実行が可能になる。第2有利遊技状態への移行が決定している場合にはストック分の擬似ボーナス遊技を優先実行した後に第2有利遊技状態への移行が行われる。後述するように、第2有利遊技状態は擬似ボーナス抽選の抽選確率が異なる3種の遊技区間で構成されている。第3有利遊技は極めて低確率で移行可能になるプレミアム的な遊技状態であり、且つ役抽選結果に関係なく第3有利遊技中の毎ゲーム、高確率の擬似ボーナス抽選が実行可能となっている点で第2有利遊技と相違する。ストック分の擬似ボーナス遊技の実行中にも第3有利遊技移行抽選が行われる。
第2有利遊技状態においても第3有利遊技と同様に擬似ボーナス遊技のストックを可能にしてもよい。第3有利遊技移行抽選を擬似ボーナス遊技状態12B中に行っているが、最初の擬似ボーナス遊技の当選時に第3有利遊技移行抽選を行って、擬似ボーナス遊技状態への移行段階で予め第3有利遊技移行可否を決定するようにしてもよい。また、擬似ボーナス遊技の最終ゲーム時にのみ、役抽選に関係なく低確率(例えば、1/300の抽選確率)の第3有利遊技移行抽選を行うようにしてもよい。なお、回胴式遊技機Aにおいては、各種擬似ボーナス遊技状態、第2有利遊技状態及び第3有利遊技状態における出玉率は2以上に設計されており、通常遊技状態における非AT遊技の第1有利遊技状態の出玉率は1未満に設計されている。
図13、図14、図19〜図28は副制御部による特定有利状態付与決定処理、遊技モード決定処理、第1有利遊技決定処理、擬似ボーナス遊技処理等に関連したサブ処理内容を示す。各サブ処理はメイン処理の内部抽選結果及び遊技状態情報を参照して実行される。
図13及び図14は通常遊技状態中に副制御部により実行される特定有利状態付与決定処理を示す。
特定有利状態付与決定処理において、擬似ボーナス遊技及び第2有利遊技の有利状態の付与決定が行われる。擬似ボーナス遊技及び第2有利遊技の付与は夫々の付与抽選により決定される。各付与抽選による付与決定により擬似ボーナス遊技付与の擬似ボーナス遊技フラグ、第2有利遊技付与の第2有利遊技フラグがオンになり、夫々、サブRAM203の対応エリアにセットされる。
既に擬似ボーナス遊技に当選して擬似ボーナス遊技フラグがサブRAM203の対応エリアにセットされている場合又は第2有利遊技の移行確定役(第2有利遊技移行役)の当選により第2有利遊技フラグがセットされている場合(ステップS160)を除き、1回の遊技が実行される毎に、第2有利遊技付与確定処理(ステップS161〜S164)又
は擬似ボーナス抽選処理(ステップS161、S165〜S169)がサブ処理により実行される。
メイン側からの当選フラグ情報を取得して第2有利遊技移行役の当選有無が判断されて、当選したときには第2有利遊技フラグがサブRAM203にセットされる(ステップS162、S163)と共に、通常遊技時の第2有利遊技条件の決定処理が行われる(ステップS164)。第2有利遊技条件決定処理において、第2有利遊技状態中に実行されるAT遊技実行回数値の「30」がサブRAM203の対応エリアにセットされる(ステップS171)。
図15は第2有利遊技状態中に使用可能な4種類の擬似ボーナス抽選テーブルを示す。これらの擬似ボーナス抽選テーブルは擬似ボーナス抽選の当選期待値が異なる第2有利遊技中抽選テーブルからなる。回胴式遊技機Aにおいては、第2有利遊技状態は擬似ボーナス遊技から移行可能になっており、第2有利遊技における擬似ボーナス遊技の当選によって擬似ボーナス遊技を連続して発生させる、所謂、連チャンの発生機能を具備するものであるから、以下、係る擬似ボーナス抽選テーブルにおける当選期待値の大小を継続率(第2有利遊技継続率とも表記する場合がある。)と称する。図15の(15A)〜(15D)は夫々、(15A)〜(15D)の順に継続率が大きい擬似ボーナス抽選テーブルになっている。第2有利遊技への移行決定時にはいずれかの擬似ボーナス抽選テーブルが使用抽選テーブルとして第2有利遊技継続率抽選により決定される(ステップS172)。第2有利遊技継続率抽選により当選して決定されたいずれかの抽選テーブル種別は当選継続率データとしてサブRAM203の対応エリアに記憶、セットされる(ステップS173)。
第2有利遊技状態の有効遊技期間は全体として30ゲーム(nゲーム数をnGと略す場合もある。)からなる。この有効遊技期間は3種類の遊技区間a、b、cから構成されている。遊技区間a、b、cは夫々、最初のゲームから7ゲーム目までの7Gの区間、8ゲーム目から26ゲーム目までの19Gの区間、27ゲーム目から最終ゲーム目までの4Gの区間である。(15A)〜(15D)の各擬似ボーナス抽選テーブルは遊技区間a、b、cに応じて擬似ボーナス抽選確率(当選確率)が異なる区間別の抽選確率値分布を有する。例えば、(15A)の擬似ボーナス抽選テーブルにおいて、強チェリーの当選時における擬似ボーナス当選確率は、遊技区間a、b、cに応じて(第2有利遊技の遊技進行に伴って)夫々、50、75、100%と向上している。特に、遊技区間cにおいてはいずれの擬似ボーナス抽選テーブルにおいても、チェリー役、スイカ役及びチャンス目役の当選により擬似ボーナス遊技の100%当選となり、これらの当選役は擬似ボーナス確定役となっている。第2有利遊技状態中の30ゲームの間、通常遊技状態時より高確率の擬似ボーナス抽選が実行可能になっている。
図16の(16A)〜(16D)は(15A)〜(15D)の各擬似ボーナス抽選テーブルにおける遊技区間毎の当選期待値を示す。(15A)〜(15D)の各擬似ボーナス抽選テーブルにおいて擬似ボーナス抽選における擬似ボーナス遊技の当選期待値は約50、約60、約70、約90%であり、(15D)の擬似ボーナス抽選テーブルが最も有利な抽選テーブルとなっている。例えば、(15A)と(15D)の各擬似ボーナス抽選テーブルにおいて、強スイカの当選時における擬似ボーナス当選確率を比較すると、(15D)の場合、(15A)の25%から50%に大きくなっている。図17の(17A)は通常遊技状態で使用される擬似ボーナス抽選テーブルを示す。通常遊技状態における擬似ボーナス遊技の当選確率の合成確率値が約1/470であることに対し、第2有利遊技状態においてはいずれの擬似ボーナス抽選テーブルに基づいても擬似ボーナス遊技の当選確率が格段に向上されている。
擬似ボーナス抽選は通常遊技及び第2有利遊技のいずれにおいても、リプレイ役、弱チェリー役(チェリー2役)、強チェリー役(チェリー1役)、弱スイカ役(スイカ2役)、強スイカ役(スイカ1役)又はチャンス目役の当選を契機に実行可能になっている。第2有利遊技移行役は当選により第2有利遊技の付与が確定するので、擬似ボーナス抽選契機役から除外されている。第2有利遊技と通常遊技における当選確率を擬似ボーナス抽選契機役で比較してみると、例えば、強チェリー役の場合、通常遊技のときには当選確率が25%であることに対し、第2有利遊技では当選確率が通常遊技の倍以上の50%又はそれ以上に高くなっている。また、弱チェリー役の場合には、通常遊技のときに当選確率が1%であることに対し、第2有利遊技では当選確率が10%又はそれ以上に通常遊技時より格段に高くなっている。
遊技区間別に擬似ボーナス遊技の当選期待値を比較すると、各擬似ボーナス抽選テーブルにおいて遊技区間b、c、aの順に該当選期待値が向上されている。
図16の(16E)及び(16F)は、夫々、第2有利遊技状態、通常遊技状態において擬似ボーナス抽選に当選したときの擬似ボーナス遊技種別の振分率を示す。通常遊技状態において擬似ボーナス抽選に当選しても、より有利な擬似SBB遊技を獲得できる割合(振分率:5%)は低いが、第2有利遊技状態の遊技区間a又はbにおいては擬似SBB遊技の振分率を、夫々、70%、10%に向上させている。即ち、第2有利遊技状態において図15の擬似ボーナス抽選テーブルに基づく擬似ボーナス抽選を行うことにより、遊技区間別に擬似ボーナス遊技の獲得期待度及び獲得種別の振分割合が変動して、擬似ボーナス遊技の獲得パターンを画一化することなくバリエーションに富んだ付与態様によって多様化することができ、遊技興趣の向上に寄与することができる。通常遊技時における第2有利遊技の付与決定態様として、第2有利遊技移行役の当選による付与確定態様に限らず、所定の付与抽選契機役の当選を契機に第2有利遊技付与抽選を行って当選したことを条件に第2有利遊技の付与を決定する抽選決定態様を使用することができる。
第2有利遊技移行役の当選有無が判断されて、当選していないときには、通常遊技時における擬似ボーナス抽選の抽選契機が発生したか否かが判断される(ステップS162、S165)。擬似ボーナス抽選の抽選契機役が当選して抽選契機が発生したときには、図17の(17A)の擬似ボーナス抽選テーブルに基づく擬似ボーナス抽選が実行される(ステップS165、S166)。上述のように、この擬似ボーナス抽選テーブルに基づく擬似ボーナス抽選の当選期待値は第2有利遊技状態における当選期待値より格段に低くなっている。(17A)の擬似ボーナス抽選テーブルに基づく擬似ボーナス抽選に当選したときには、擬似ボーナス遊技フラグがオンになってサブRAM203にセットされる(ステップS166〜S168)。通常遊技時にも擬似ボーナス遊技の種別を決定する擬似ボーナス遊技種別抽選が実行される。擬似ボーナス遊技種別抽選は図16の(16F)の振分率に基づく振分抽選により実行されて、擬似SBB遊技、擬似BB遊技又は擬似RB遊技のいずれかが付与擬似ボーナス遊技として決定される。ついで、当選擬似ボーナス遊技に応じた遊技条件の決定処理が実行される(ステップS169)。
遊技条件決定処理において、付与擬似ボーナス遊技の種別に応じて擬似ボーナス遊技状態の有効遊技期間のゲーム数(8、30、50のいずれか)がサブRAM203の対応エリアにセットされる(ステップS170)。擬似ボーナス遊技の付与決定後、前記擬似ボーナス移行準備期間を経て擬似ボーナス遊技状態が開始される。擬似ボーナス遊技状態の有効遊技期間は上記ゲーム数で規定される場合に限らず、他の規定手段、例えば、擬似ボーナス遊技中に獲得可能なメダル上限枚数あるいはAT役獲得回数等により規定するようにしてもよい。
図19は副制御部におけるサブ処理上の遊技モードA〜Cの決定処理を示す。遊技モー
ドA〜Cの各遊技モードにおいて第1有利遊技への移行抽選の期待値が異なる遊技状態となっている。遊技機の電源投入による遊技開始時には遊技モードAが初期設定される。即ち、遊技モードAセットのための第1有利遊技モードAフラグがオンになり、サブRAM203の対応エリアにセットされる(ステップS200、S210)。遊技開始以降は遊技実行毎にモード移行抽選が実行可能になる(ステップS201)。
図18の(18A)〜(18C)は遊技モードA〜Cの各モードにおける第1有利遊技への移行抽選(第1有利遊技移行抽選)に使用される抽選テーブルを示す。この第1有利遊技移行抽選テーブルはサブROM202に格納されている。第1有利遊技移行抽選の抽選契機はリプレイ役、ベル役、チェリー役、スイカ役及びチャンス目役の当選に基づいて発生する。各抽選テーブルにおいて、強チェリー役及び強スイカ役の当選を契機に実行される第1有利遊技移行抽選の第1有利遊技移行当選確率が高くなっている。遊技モードA〜Cの各モードにおける第1有利遊技移行抽選の第1有利遊技移行当選期待値は遊技モードA、B、Cの順で向上されている。例えば、強チェリー役当選時の第1有利遊技移行当選確率をこれらの抽選テーブルで比較すると、(18C)の抽選テーブルの場合に100%であることに対して、(18A)及び(18B)の抽選テーブルにおいては30%、50%と低くなっている。
図18の(18D)〜(18F)は各遊技モードにおいて用いるモード切換抽選用抽選テーブルを示す。このモード切換抽選テーブルはサブROM202に格納されている。モード切換抽選の抽選契機はリプレイ役、ベル役、チェリー役、スイカ役及びチャンス目役の当選に基づいて発生する。各抽選テーブルにおいて、強チェリー役及び強スイカ役の当選を契機に実行されるモード切換抽選のモード切換当選確率が高くなっている。遊技モードA〜Cの各モードにおけるモード切換抽選の切換期待値は遊技モードA、B、Cの順で高くなっており、例えば、ベル役当選時のモード切換当選確率をこれらの抽選テーブルで比較すると、(18F)の抽選テーブルの場合に10%であることに対して、(18D)及び(18E)の抽選テーブルにおいては4%と低くなっている。遊技モードAから遊技モードB又は遊技モードBから遊技モードCの移行(モード昇格)と比べて遊技モードCから遊技モードAに移行(転落)しやすくなっている。即ち、遊技モードCは他の遊技モードと比べてモード滞在率を低くすることによって第1有利遊技移行当選確率の向上との均衡を図り、擬似ボーナス発生による出玉率の過度の上昇を抑制している。モード切換抽選契機役が第1有利遊技移行抽選契機役と一致しており、第1有利遊技への移行とモード切換が同時に成立可能になっている。モード切換抽選及び第1有利遊技移行抽選の契機役及び抽選確率の各設定状況に応じて通常遊技状態における擬似ボーナス遊技の発生度合いを調整することができる。
擬似ボーナス遊技に当選することなく第2有利遊技が終了したときには特定モード移行フラグがオンになる(図27のステップS362参照)。特定モード移行フラグのオン時には、第1有利遊技への移行確率が最も高い第1有利遊技モードCへの移行率が高くなり、第2有利遊技が終了しても、再度、擬似ボーナス遊技への移行可能性を高めて、継続遊技の促進を図っている。
第2有利遊技の終了時でない場合には特定モード移行フラグがオンになっていないので、通常遊技状態におけるモード移行抽選が実行可能になっている(ステップS201〜S204)。当選役情報に基づき、リプレイ役、ベル役、チェリー役、スイカ役又はチャンス目役のいずれかのモード切換抽選契機役に当選したか否かが判断される(ステップS203)。モード切換抽選契機役の当選に基づいてモード切換抽選契機が発生したときにはモード移行抽選が実行される(ステップS204)。モード移行抽選は現在、設定されている遊技モードフラグを参照して、それに対応した(18D)〜(18F)のいずれかの抽選テーブルに基づいて実行される。モード移行抽選に当選したときには、現行の遊技モ
ードから次の順番の遊技モードへの移行が決定する。現行の遊技モードフラグがオフされると共に新規の遊技モードフラグがサブRAM203の対応エリアにおいてオンになる(ステップS205、S206)。
特定モード移行フラグがオンになっているときには、第2有利遊技終了後の1回の遊技においてのみ遊技モードA〜Cの振分抽選が実行される(ステップS202、S207)。この振分抽選は高確率で遊技モードCへの振分が可能なモード移行抽選である。振分抽選テーブル(図示せず)はサブROM202に格納されており、遊技モードA〜Cが夫々、2/16、3/16、11/16の振分抽選確率により振分可能となっている。振分抽選(ステップS207)により当選した遊技モードの種別に応じた遊技モードフラグがサブRAM203にセットされ、遊技モードフラグの更新が行われ(ステップS208)、特定モード移行フラグはオフにされる(ステップS209)。
図20は通常遊技状態において実行される第1有利遊技決定処理を示す。
この第1有利遊技決定処理は通常遊技状態における1回の遊技毎に実行可能であり(ステップS222、S223)、擬似ボーナス遊技、第2有利遊技及び第3有利遊技の有利状態フラグがオンになっているときには擬似ボーナス遊技状態への移行前段階あるいは各有利状態の実行状態であるので第1有利遊技決定処理は実行されない(ステップS220)。
通常遊技状態において1回の遊技が実行されると、現在、設定されている遊技モードフラグに応じた、図18の(18A)〜(18C)のいずれかの第1有利遊技移行抽選テーブル及び当該遊技における当選役情報に基づいて、第1有利遊技への移行可否を決定する第1有利遊技移行抽選が実行される(ステップS223)。第1有利遊技移行抽選の当選により第1有利遊技フラグがオンになる(ステップS224、S225)。第1有利遊技フラグのオンにより第1有利遊技に移行するので、第1有利遊技フラグのオン状態では第1有利遊技移行抽選が実行されない(ステップS221)。
図21及び図22は第1有利遊技の種別決定処理を示す。
第1有利遊技フラグのオンになると、第1有利遊技モード(有利遊技K1〜K3)の遊技者による選択処理が実行可能になっている。次の遊技のためのベット入力と回胴始動操作が行われ、第1有利遊技フラグがオンしている場合に、遊技開始の段階より、サブ側によるガイダンス演出報知処理が開始される(ステップS420、S421)。係るガイダンス演出報知では、第1有利遊技モードのモード選択を促す第1有利遊技種別の選択操作表示画面(モード選択指示画面)が液晶表示装置3の表示画面3aに表示され、且つ音声による選択指示メッセージ(「チャンスモードを選択してください。レバーを叩くと決定されます。」)が報知される。ガイダンス演出報知処理は回胴始動操作が行われる前の段階で、例えば、ベット入力を契機に開始するようにしてもよい。
第1有利遊技モードの選択遊技における選択操作を単位遊技の遊技開始条件の成立には関わらずに実行可能にすることにより、前回の遊技終了から速やかに選択遊技状態に突入(移行)させて意外性に富んだ選択遊技状況を出現させることができる。例えば、フリーズ演出抽選によりいずれかのフリーズ演出又は特定のフリーズ演出に当選したことを契機に第1有利遊技フラグがオンして、第1有利遊技に移行可能にして、当該当選に係るフリーズ演出の実行時(フリーズ期間中)に選択遊技を実行可能にすることができる。これにより、第1有利遊技開始前ないし第1有利遊技移行確定時におけるフリーズ演出を前回の遊技終了から速やかに実行し、且つ選択遊技状態に突入させて、よりインパクトのある選択遊技状況を出現させ、遊技興趣の増大に寄与することができる。特定のフリーズ演出と
しては、例えば、フリーズ期間が比較的長い特別演出PTN1〜3の一部又は全部を使用することができる。なお、フリーズ期間内で選択操作が不実行となったことにより、後述の第1有利遊技モードの自動設定が行われる。
図33の(33A)はモード選択指示画面の一例を示す。この例はモード選択指示画面の初期画面表示である。初期画面表示では、「ロングチャンスモード」(有利遊技K3)、「フォーチャンスモード」(有利遊技K2)及び「一撃チャンスモード」(有利遊技K1)の順で、MAXベットボタン11の押下操作により切り替えて選択指示可能になっている。MAXベットボタン11を押下操作する度に、最前のモード表示がK3→K2→K1→K3→・・・とスクロールして切り替えられ、回胴回転始動レバー15のオン操作により最前のモード表示に係る有利遊技が選択モードとして確定される。最前のモード表示の切替回数XはサブRAM203に更新記憶される。
モード選択指示画面の表示開始とと共に、第1有利遊技種別選択操作の有効時間を計時するためのタイマ計時が開始される(ステップS422、S423)。係るタイマ計時はサブCPU201が有する限時タイマ機能により実行される。限時タイマ機能において該有効時間は予め12秒にセットされている。有効時間の制限下で、遊技者が、MAXベットボタン11による選択操作と回胴回転始動レバー15によるモード確定操作を行う選択遊技が実行可能になっている。有効時間内でMAXベットボタン11の押下による選択操作が行われると、該押下操作回数データがサブRAM203の対応記憶エリアに更新記憶される(ステップS424、S425)。ついで、回胴回転始動レバー15操作によるモード種別確定操作の有無が判断される(ステップS426)。有効時間の消化中にはサブ処理により残り5秒のカウントダウン表示が表示画面3aにおいて行われる。上記の12秒に限定されず、有効時間を12秒以上に長くしたり、あるいは12秒以下に短くしたりすることができる。なお、フリーズ演出当選を契機に第1有利遊技に移行可能にして、第1有利遊技開始前ないし第1有利遊技移行確定時におけるフリーズ演出を実行する際に該選択遊技を実行可能にすることができる。
回胴回転始動レバー15がオン操作された場合、その時点で選択されている第1有利遊技モードが判別され、該判別に係る第1有利遊技モードに対応する第1有利遊技種別フラグ(K1フラグ、K2フラグ及びK3フラグのいずれか)がサブRAM203の対応記憶エリアに記憶、セットされる(ステップS426、S427)。第1有利遊技モード判別は、MAXベットボタン11の押下回数による変動因子をNp(0又は自然数)としたとき、最前のモード表示の切替回数X(≧0)が3Np、3Np+1、3Np+2の回数パターンに応じて、有利遊技K3、K2、K1と判別される。初期画面表示の状態でMAXベットボタン11による選択押下をせずに回胴回転始動レバー15をオン操作したときには、初期画面表示における最前のモード表示による有利遊技K3の選択が確定される。
第1有利遊技モードの選択決定態様には、MAXベットボタン11による選択操作と回胴回転始動レバー15によるモード確定操作の組み合わせによる態様に限らず種々の態様を使用することができる。例えば、選択操作と確定操作の組み合わせを使用せずに、有利遊技K1〜K3の夫々に対応して回胴回転停止ボタン16a〜16cを押下して、各ボタンに対応した第1有利遊技モードの選択確定のボタン指示入力を可能にすることができる。回胴遊技に使用するボタンスイッチやレバースイッチ等の入力手段を兼用せずに、第1有利遊技モードの選択ないし確定操作専用の入力スイッチを設けてもよい。
第1有利遊技種別フラグがセットされると、第1有利遊技モードの種別確定表示が行われると共に、第1有利遊技フラグはオフになる(ステップS428)。この場合、タイマ計時の有効時間内で第1有利遊技モードの種別確定が実行されたので、該タイマ計時はオフにされる(ステップS429)。
図33の(33B)は表示画面3aに表示される種別確定表示の一例を示す。この例は有利遊技K2の「フォーチャンスモード」が選択された場合である。
有効時間分のタイマ計時が行われてタイムアップするまでに、選択操作の有無に関係なく回胴回転始動レバー15によるモード確定操作が行われなかった場合には、遊技者による選択指示がなかったものと判断される(ステップS430)。選択指示がなかったものと判断した場合には、第1有利遊技モードのうちAT付与度合の最も大きい有利遊技K1の「一撃チャンスモード」が自動設定可能になっている。この自動設定は、有利遊技K1に対応するK1フラグをサブRAM203にセットすることにより実行される(ステップS431)。同時に、自動設定に係る有利遊技K1の確定表示が行われると共に、第1有利遊技フラグはオフになる(ステップS432)。図33の(33C)は自動設定に係る有利遊技K1確定表示の画面表示例を示す。第1有利遊技の種別決定処理は第1有利遊技種別フラグ(K1フラグ、K2フラグ及びK3フラグのいずれか)のセット及び第1有利遊技フラグのオフにより終了する。
上述のように、本実施形態においては、遊技者が所望の有利遊技を任意選択し得る遊技者参加型の選択遊技が実行可能になっている。例えば、比較的長い遊技期間の間、有利遊技を楽しみたいと考える場合に「ロングチャンスモード」(有利遊技K3)を、また、1ゲームで決着をしたいと望む場合に「一撃チャンスモード」(有利遊技K1)を、更に、それらのいずれでもなく中間の4ゲーム実行可能な「フォーチャンスモード」(有利遊技K2)を、普通に選択・確定操作することにより所望の有利遊技として選択指示することができる。係る選択遊技の導入に伴い、有効時間内で発生する何らかの不実行要因により、MAXベットボタン11による選択操作あるいは回胴回転始動レバー15の確定操作が行われなかった不実行事態に対処すべく、AT付与度合の最も大きい有利遊技K1が自動設定可能になっている。即ち、本実施形態においては、該不実行事態が発生しても、AT付与度合の最も大きい有利遊技K1を付与可能にすることによって、遊技者にとって極端に不利益とならずに済むので、選択操作の積極的な実行を誘引して遊技者参加型の選択遊技を円滑に実行可能にして遊技興趣の向上を図ることができる。
特に、不実行要因には、例えば、遊技者がモード選択指示画面に初めて遭遇した初見の場合に不慣れなために操作時期を見過ごしてしまったり、誤って操作し忘れたりしたときなど不可抗力的な場合も含まれることが想定され得る。このような不可抗力的な場合も含めた不実行事態に対処するに際しては、仮に、AT付与度合の最も小さい有利遊技K3を付与するとしたならば、当然ながら他の有利遊技と比べて、AT遊技への移行割合が小さくなって、AT遊技の不付与を生じ易くなる。このようなAT不付与結果は、遊技者側からみれば、該選択操作の不実行に起因して一種のペナルティを受けたような不信感や無用の失望感を抱かせるおそれがあり、有利遊技の選択遊技を導入した意義自体が薄れてしまう。そこで、本実施形態においては、第1有利遊技モードのうちAT付与度合の最も大きい有利遊技K1の「一撃チャンスモード」を遊技機側で自動設定可能にすることによって、上記不可抗力的な場合も含めて、遊技者参加型選択遊技の導入により不必要に遊技者の遊技意欲を阻害する状況の生ずる割合が意図的に低減され得るように対処して該選択遊技の円滑遂行の実現を図っている。
遊技意欲を阻害する状況の生ずる割合を意図的に低減する観点からいえば、少なくともAT付与度合の最も小さい有利遊技K3以外の有利遊技を付与することによって不実行事態への対処が可能である。即ち、該自動設定により付与する有利遊技をAT付与度合が2番目に大きい有利遊技K2とすることができる。あるいは、有利遊技K3よりAT付与度合の大きい有利遊技K2と有利遊技K3とを振分抽選して付与することができる。この振分抽選では、有利遊技K2、K3の振分率を均等とする場合に限らず、例えば、有利遊技
K2と有利遊技K3の振分率を3:1として、有利遊技K2が付与されやすくしてもよい。
選択遊技の遊技態様として、モード確定操作を必要としない遊技態様を採用することができる。例えば、前述した回胴回転停止ボタン16a〜16cによるボタン指示入力態様において、モード選択指示可能時間が経過した時点でモード選択のボタン指示入力が行われなかったときには自動設定を実行可能にすることができる。
上記種別決定処理により有利遊技種別が決定された後に、該決定に係る有利遊技の第1有利遊技が実行される。
図23は有利遊技K1〜K3のいずれかにおける第1有利遊技処理を示す。図30は有利遊技K1〜K3の夫々において使用される3種類の擬似ボーナス抽選テーブルを示す。
第1有利遊技処理は第1有利遊技種別フラグ(K1フラグ、K2フラグ及びK3フラグのいずれか)のオン状態において実行される(ステップS230)。K1フラグ、K2フラグ及びK3フラグのオン状態に応じて、夫々、1回、4回、16回の第1有利遊技が実行可能になる。K1フラグ、K2フラグ及びK3フラグのオン状態に応じて、夫々、図30の(30A)〜(30C)の擬似ボーナス抽選テーブルによる擬似ボーナス抽選処理が実行される。
第1有利遊技の1回の遊技実行により、メイン側における内部抽選結果の役当選情報を取得して、第1有利遊技種別フラグに対応した擬似ボーナス抽選テーブルを参照して、有利遊技種別に応じた擬似ボーナス抽選契機が発生したか否かが判断される(ステップS231、S232)。擬似ボーナス抽選契機の発生により、第1有利遊技種別に応じた擬似ボーナス抽選テーブルに基づいて、擬似ボーナス抽選が実行される(ステップS233)。
擬似ボーナス遊技に当選が発生した場合には、擬似ボーナス遊技種別の振分抽選が実行されて当選疑似ボーナスの種別が決定される。この振分抽選は図16の(16H)の振分抽選テーブルに基づいて実行される。(16H)の振分抽選テーブルにおいては、擬似ボーナス遊技SBB、BB、RB及びUBBの振分抽選が可能で、擬似ボーナス遊技BBの振分割合が最も大きくなっている。(16H)の振分抽選テーブルは、サブROM202に格納されていて、選択肢にUBBが加えられ、且つSBBやBBの振分率を大きくするなどして通常遊技時の(15F)より有利になっている。
該振分抽選により決定された擬似ボーナス遊技のいずれかに応じた擬似ボーナス遊技フラグがオンになる(ステップS234)。擬似ボーナス遊技フラグはサブRAM203にセットされる(ステップS235)。擬似ボーナス遊技フラグのオン処理(ステップS235)においては、擬似ボーナス遊技UBBに当選している場合に、UBBの実行可能ゲーム数の振分抽選が実行されて該ゲーム数が決定される。このゲーム数振分抽選は図16の(16I)の振分抽選テーブルに基づいて実行される。(16I)の振分抽選テーブルにおいては、30、50、100、200ゲームの振分抽選が可能になっている。(16I)の振分抽選テーブルはサブROM202に格納されていて、通常遊技時の場合と比較して、SBBとBB相当ないしそれ以上のゲーム数が振分け可能にして有利になっている。
前記遊技条件決定処理(ステップS170)と同様に、AT遊技の有効遊技期間のゲーム回数値、つまり付与擬似ボーナス遊技(SBB、BB、RB)の種別に対応したゲーム回数値、あるいはUBB付与に振分抽選により決定されたゲーム数回数値(30、50、
100、200ゲームのいずれか)がサブRAM203の対応エリアにセットされる。擬似ボーナス遊技フラグがオンになると、第1有利遊技種別フラグはオフになり(ステップS236)、第1有利遊技は終了する。
第1有利遊技の1回の実行毎に、サブRAM203に設けた第1有利遊技回数カウンタ用のメモリエリアに第1有利遊技回数が1加算される(ステップS237)。第1有利遊技回数カウンタのカウント値が有利遊技種別に対応した遊技実行可能回数(1、4又は16)に達するまで第1有利遊技実行が継続され、第1有利遊技回数カウンタのカウント値が該遊技実行可能回数に達した場合に第1有利遊技種別フラグをオフになり第1有利遊技は終了する(ステップS238、S239)。第1有利遊技種別フラグをオフにしたときには第1有利遊技回数カウンタのクリア処理が実行される。
なお、第1有利遊技を2回以上のAT遊技状態で構成するときなどにおいては、第1有利遊技中に擬似ボーナスに当選しても、擬似ボーナスフラグを保留しながら第1有利遊技期間を終了するまで継続可能にすることができる。また、第1有利遊技中、擬似ボーナス遊技フラグをストック可能にして、擬似ボーナス遊技フラグがオンのときにも擬似ボーナス抽選を実行可能にすることができる。
複数回のゲーム実行が可能な有利遊技K2、K3においては、毎ゲームで擬似ボーナス抽選契機の発生有無を判断して擬似ボーナス抽選処理を行うが、遊技実行可能回数の消化の間、特定の遊技時期にのみ、例えば、1ゲーム目、3ゲーム目、最終ゲームで擬似ボーナス抽選処理を実行可能にすることができる。
有利遊技において擬似ボーナス遊技フラグがオンになった場合には、通常遊技時と同様に、擬似ボーナス移行準備期間を経て擬似ボーナス遊技状態に移行可能になる。なお、擬似ボーナス移行準備期間中においては、該準備期間中に抽選外れが発生した場合に、当該当選に係る擬似ボーナス種別のSBB(又はUBB)、BB、RBの夫々に応じて、「緑7」、「赤7」又は「青7」の図柄が有効ラインL1に揃う7揃い停止表示が可能になる。7揃い停止表示可能時には副制御部において7揃い停止を促す「赤を狙え!」等の報知可否の抽選が抽選確率1/3で実行され、擬似ボーナス遊技フラグに応じた直接的報知が実行される。
本発明においては、例えば、第1有利遊技モード間で、遊技実行可能回数で規定されない第1有利遊技進行態様の異なる複数種の第1有利遊技モードを使用することができる。
図31の(31A)〜(31C)は夫々、第1有利遊技進行態様の異なる3種類の有利遊技H1〜H3において使用される擬似ボーナス抽選テーブルを示す。
有利遊技H1〜H3は。前述の有利遊技K1〜K3と同様に、AT付与度合が異なる。有利遊技H1〜H3は、夫々異なる第1有利遊技進行態様を備えている。有利遊技H1の場合、有利遊技K1と同様に、1回の遊技実行で終了する。有利遊技H2の場合、有利遊技状態でリプレイが1回当選(成立)することにより終了する。有利遊技H3の場合、有利遊技状態でメダル獲得(払出)枚数が27以上に達したことにより終了する。有利遊技H3においては、AT役の押し順報知処理と同様に、ベル役当選時には該ベル役の成立に必要な当選押し順の報知が行われる。有利遊技H1〜H3はAT付与度合(AT遊技獲得の期待値)で比較すると、H1<H2<H3の順で有利遊技H3が最も大きくなっている。
図31の実施例において、有利遊技H1〜H3の選択遊技が図21及び図22で示した選択遊技処理と同様にして実行される。遊技者は、一回の遊技のみでAT付与有無を決定
する一撃遊技モード、リプレイ発生まで継続すリプレイ終了遊技モード又はメダル27枚以上の払出を受けるまで継続するメダル払出終了遊技モードのいずれかを勘案しながら該選択遊技を楽しむことができる。この場合においても、種別選択の不実行事態が生じたときには、AT遊技獲得の期待値が最も高く、他の有利遊技よりも遊技者に有利な有利遊技H3を自動設定するようになっている。
上記図31の実施例によれば、遊技進行態様の異なる複数種の第1有利遊技モード(H1〜H3)を遊技者が任意選択可能にして該選択に応じてバリエーションに富んだ擬似ボーナス遊技状態の付与態様を出現させて遊技興趣の向上を図ることができる。しかも、選択操作の不実行事態が生じても、図21及び図22により示した自動設定処理と同様にして、該不実行事態に対処すべくAT付与上有利な有利遊技H3を自動設定可能にすることによって、遊技者にとって極端に不利益とならずに済み、遊技者参加型の選択遊技を円滑に実行可能にして遊技興趣の向上に寄与することができる。
本発明においては、例えば、第1有利遊技モード間で、付与し得る擬似ボーナス内容の異なる複数種の第1有利遊技モードを使用することができる。
図32は別の実施例に係る有利遊技における擬似ボーナス付与決定処理を示す。この実施例は、遊技実行可能回数と擬似ボーナス抽選契機の発生態様が異なる有利遊技G1、G2の2種類を選択可能にした場合である。有利遊技G2では、3ゲームの実行が可能で、例えば、図30の(30B)と同様の抽選テーブルを用いて擬似ボーナス抽選が実行可能で、当選したときには固定の有効遊技期間として、擬似ボーナス遊技状態中に実行されるAT遊技により獲得可能なメダル獲得上限値の「120」が獲得可能になる。一方、有利遊技G1では、12ゲームの実行が可能で、例えば、図30の(30C)と同様の抽選テーブルを用いて擬似ボーナス抽選が実行可能となると共に、図31の(31D)のメダル獲得上限値の振分抽選テーブルに基づくメダル獲得上限値の振分抽選が実行可能になる。(30H)の振分抽選テーブルはサブROM202に格納されていて、4種類のメダル獲得上限値(60、120、200、300)が夫々、振分率(5/32、14/32、12/32、1/32)により決定可能になっている。有利遊技G1とG2を擬似ボーナス遊技おけるメダル獲得上限値の期待値により比較すると、後者の期待値が高い有利遊技G1は有利遊技G2より有利になっている。
図32の擬似ボーナス付与決定処理では、有利遊技G1又はG2において擬似ボーナス抽選に当選したときのメダル獲得上限値の決定処理を示し、その他の処理は前述の第1有利遊技処理と同様に実行される。
擬似ボーナス抽選に当選したときに、有利遊技G2が選択されている場合、メダル獲得上限値の「120」が振分抽選を行うことなくサブRAM203の対応エリアにセットされる(ステップS450、S453)。有利遊技G1が選択されている場合には、(30H)の振分抽選テーブルに基づいて振分抽選が実行される(ステップS450、S451)。該振分抽選により決定されたメダル獲得上限値がサブRAM203にセットされる(ステップS452)。
図32の実施例において、有利遊技G1又はG2の選択遊技が図21及び図22で示した選択遊技処理と同様にして実行される。遊技者はメダル獲得上限値が120枚に固定された擬似ボーナスの獲得あるいは最大300枚の擬似ボーナスの獲得を目指すか否かを志向して該選択遊技を楽しむことができる。この場合においても、種別選択の不実行事態が生じたときには、メダル獲得上限値の期待値が高く、有利遊技G2よりも遊技者に有利な有利遊技G1を自動設定するようになっている。
図32の実施例によれば、付与し得る擬似ボーナス内容の異なる複数種の第1有利遊技モード(G1、G2)を遊技者が任意選択可能にして該選択に応じてバリエーションに富んだ擬似ボーナス遊技状態の付与態様を出現させて遊技興趣の向上を図ることができる。しかも、選択操作の不実行事態が生じても、図21及び図22により示した自動設定処理と同様にして、該不実行事態に対処すべくAT付与上有利な有利遊技G1を自動設定可能にすることによって、遊技者にとって極端に不利益とならずに済み、遊技者参加型の選択遊技を円滑に実行可能にして遊技興趣の向上に寄与することができる。
回胴式遊技機Aにおいては、擬似ボーナス遊技の付与決定が擬似ボーナス抽選時の役抽選結果に依存するので、長期間に亘って擬似ボーナス遊技が付与されない事態が稀に生じ、係る事態の発生を回避すべく擬似ボーナス遊技の付与に関する支援機能を具備している。この支援機能は擬似ボーナス遊技及び第2有利遊技が発生しない遊技回数の累積値が所定値(N1、N2、N3、N4、N5)に達することを条件に擬似ボーナス抽選に関係なく擬似ボーナス遊技、第2有利遊技又は第3有利遊技を付与可能にする有利状態付与機能である。以下に、該支援機能の処理内容の概要を説明する。
通常遊技の遊技実行により、サブRAM203に設けた通常遊技回数カウンタ用メモリエリアに遊技回数1が加算される。通常遊技回数カウンタのカウント値Ngが第1の所定値N1(=800)に達したか否かが判断される。カウント値Ngは通常遊技の累積回数に相当する。擬似ボーナス遊技フラグ及び、擬似ボーナス遊技以外の有利状態フラグがオンしていないときにカウント値Ngが第1の所定値N1に達した場合には(Ng=N1)、役抽選結果に関係なく第2有利遊技フラグがオンになり第2有利遊技付与が確定する。第2有利遊技フラグはサブRAM203にセットされる。このとき確定付与される第2有利遊技は継続率の最も低い第2有利遊技であり、該継続率に対応する図15の(15A)の擬似ボーナス抽選テーブルが使用抽選テーブルとしてサブRAMにセットされる。
所定値N1到達により付与された第2有利遊技を実行しても擬似ボーナス遊技の獲得に至らなかったときには、遊技回数の累積が継続してカウント値Ngが第2の所定値N2(=1200)に達したか否かが判断され、擬似ボーナス遊技フラグ及び、擬似ボーナス遊技以外の有利状態フラグがオンしていないときにカウント値Ngが第2の所定値N2に達した場合には(Ng=N2)、役抽選結果に関係なく第2有利遊技フラグがオンになり第2有利遊技付与が確定する。第2有利遊技フラグはサブRAM203にセットされる。このとき確定付与される第2有利遊技は所定値N1到達により付与された第2有利遊技より継続率の大きい第2有利遊技であり、該継続率に対応する図15の(15B)の擬似ボーナス抽選テーブルが使用抽選テーブルとしてサブRAMにセットされる。
所定値N2到達により付与された第2有利遊技を実行しても擬似ボーナス遊技の獲得に至らなかったときには、遊技回数の累積が継続してカウント値Ngが第3の所定値N3(=1400)に達したか否かが判断され、擬似ボーナス遊技フラグ及び、擬似ボーナス遊技以外の有利状態フラグがオンしていないときにカウント値Ngが第3の所定値N3に達した場合には(Ng=N3)、役抽選結果に関係なく第2有利遊技フラグがオンになり第2有利遊技付与が確定する。このとき確定付与される第2有利遊技は所定値N2到達により付与された第2有利遊技より継続率の大きい第2有利遊技であり、該継続率に対応する図15の(15C)の擬似ボーナス抽選テーブルが使用抽選テーブルとしてサブRAMにセットされる。
所定値N3到達により付与された第2有利遊技を実行しても擬似ボーナス遊技の獲得に至らなかったときには、遊技回数の累積が継続してカウント値Ngが第4の所定値N4(=1600)に達したか否かが判断され、カウント値Ngが第4の所定値N4に達した場合には(Ng=N4)、役抽選結果に関係なく通常第3有利遊技フラグがオンになり通常
第3有利遊技付与が確定する。通常第3有利遊技フラグはサブRAM203の対応エリアにセットされる。
所定値N4到達により付与された通常第3有利遊技を実行しても擬似ボーナス遊技の獲得に至らなかったときには、遊技回数の累積が継続してカウント値Ngが第5の所定値N5(=1800)に達したか否かが判断され、カウント値Ngが第5の所定値N5に達した場合には(Ng=N5)、役抽選結果に関係なくスーパー第3有利遊技フラグがオンになりスーパー第3有利遊技付与が確定する。更に、擬似ボーナス遊技フラグもオンになり擬似ボーナス遊技付与が確定する。この場合には、付与された擬似ボーナス遊技状態に移行して擬似ボーナス遊技を終了した後、スーパー第3有利遊技の実行が可能になる。スーパー第3有利遊技フラグ及び擬似ボーナス遊技フラグは夫々、サブRAM203の対応エリアにセットされる。この擬似ボーナス遊技フラグのオンによって通常遊技回数カウンタのカウント値はリセットされる。通常遊技中の擬似ボーナス遊技の当選又はAT遊技又は第3有利遊技中の擬似ボーナス遊技の当選によっても擬似ボーナス遊技フラグのオンによって通常遊技回数カウンタのカウント値はリセットされる。
図24〜図26は副制御部によって実行される擬似ボーナス遊技処理を示す。 擬似ボーナス遊技のAT遊技中におけるAT役の停止操作順序(押し順)の報知処理、AT遊技の有効遊技期間の上乗せ更新処理は副制御部によるサブ処理によって実行される。
AT遊技状態の開始フラグのオンにより、擬似ボーナス遊技のAT遊技が開始され、メダル投入又はクレジット設定の投入、リール回転始動操作により1回の回胴遊技が実行される毎に(ステップS300)、第2有利遊技の付与可否を決定する第2有利遊技付与決定処理及び第3有利遊技の付与可否を決定する第3有利遊技付与決定処理が実行可能になっている(ステップS301〜S310)。なお、擬似ボーナス遊技の開始により当該開始フラグはオフになる。
図16の(16G)は擬似ボーナス遊技中に使用される第2有利遊技の付与決定用抽選テーブルを示す。この第2有利遊技抽選テーブルはサブROM202に格納されている。メイン側から当選役情報を受信して第2有利遊技付与抽選(第2有利遊技抽選という。)の第2有利遊技抽選契機がリプレイ役、ベル役、チェリー役、スイカ役及びチャンス目役の当選に基づいて発生する。第2有利遊技抽選契機役のうち、チェリー1役、スイカ1役及びチャンス目役による第2有利遊技当選確率が夫々、25、15、10%であり、他の第2有利遊技抽選契機役より高くなっている。
第2有利遊技抽選契機が発生した場合には第2有利遊技抽選が(16G)の抽選テーブルに基づいて実行される(ステップS301、S303)。第2有利遊技抽選に当選した第2有利遊技当選のときには第2有利遊技フラグがサブRAM203にセットされる(ステップS304、S305)。このとき、第2有利遊技の第2有利遊技継続率の更新処理(ステップS306)が実行される。第2有利遊技フラグが一旦オンになると次回以降の遊技において第2有利遊技抽選は実行されない(ステップS302)。なお、一の擬似ボーナス遊技において1以上の第2有利遊技フラグがサブRAM203にストック可能にしてもよい。
第2有利遊技を経由して発生した擬似ボーナス遊技の場合(ステップS173参照)には既に第2有利遊技継続率データがサブRAM203に設定済みであるので、第2有利遊技継続率の昇格抽選が実行される(ステップS323、S324)。第2有利遊技継続率データがサブRAM203にセットされていない場合には、ステップS172と同様に、第2有利遊技継続率データ、図15の(15A)〜(15D)の擬似ボーナス抽選テーブルが使用抽選テーブルとして第2有利遊技継続率抽選により決定される(ステップS32
7)。第2有利遊技継続率抽選により当選して決定されたいずれかの抽選テーブル種別は当選継続率データとしてサブRAM203の対応エリアに記憶、セットされる(ステップS328)。
第2有利遊技継続率の昇格抽選(ステップS324)においては1/10の確率で昇格可否が決定される。昇格抽選に当選すると、(15A)〜(15D)の擬似ボーナス抽選テーブルにおいて優位順を一つ上昇させた擬似ボーナス抽選テーブルの使用が継続率データに書き換えられて、第2有利遊技継続率の更新が行われる(ステップS325、S326)。例えば、(15A)の擬似ボーナス抽選テーブルが使用抽選テーブルとしてセットされているときに昇格当選すると、次の優位順の(15B)の擬似ボーナス抽選テーブルが使用抽選テーブルとしてセット更新される。なお、既に最も有利な第2有利遊技継続率がセットされている場合にはそのまま維持可能になっている。
第2有利遊技付与決定処理の後、第3有利遊技の付与可否を決定する第3有利遊技付与決定処理が実行される(ステップS307〜S310)。この第3有利遊技付与決定処理において、第3有利遊技付与抽選は毎ゲーム実行可能であり、抽選確率1/200で第3有利遊技付与可否が抽選される(ステップS308)。第3有利遊技付与抽選を所定の抽選契機役の当選に基づいて実行可能にすることができる。
第3有利遊技付与抽選に当選した第3有利遊技当選が発生すると、第3有利遊技の種別が決定されて、決定種別に応じて通常第3有利遊技又はスーパー第3有利遊技のいずれかの第3有利遊技フラグがサブRAM203にセットされる(ステップS309、S310)。いずれかの第3有利遊技フラグが一旦オンになると次回以降の遊技において第3有利遊技付与抽選は実行されない(ステップS307)。
上記の第2有利遊技付与決定処理及び第3有利遊技付与決定処理の各実行処理と共に、擬似ボーナス遊技の遊技管理処理(ステップS311〜S315)が実行可能になっている。この遊技管理処理は第2有利遊技付与決定処理及び第3有利遊技付与決定処理と並行処理可能である。擬似ボーナス遊技の遊技が1回実行されると、擬似ボーナス遊技における有効遊技期間の遊技回数の更新処理が実行される(ステップS311)。遊技回数更新処理は遊技管理処理から分離して並行処理可能である。
なお、擬似ボーナス遊技の有効遊技期間をメダル獲得数で管理する場合には、サブRAM203に獲得メダル数カウンタ用メモリエリアを設けておき、係る遊技管理処理により、擬似ボーナス遊技の遊技実行毎に、メイン側から入賞判定処理(ステップS8)の判定結果を参照して、メダル払出役が成立したときには入賞により獲得した獲得メダル数データを該獲得メダル数カウンタに累積記憶する累積記憶処理が行われる。
擬似ボーナス遊技の付与決定段階において、擬似ボーナス遊技の種別に応じた有効遊技期間の遊技回数値(例えば、SBBのときは50)がサブRAM203に設けた遊技回数カウンタ用のメモリエリアにセットされているが、遊技回数更新処理の上乗せ抽選により遊技回数の上乗せ更新が可能になっている。
図17の(17B)は該上乗せ抽選に使用される上乗せ抽選テーブルを示す。上乗せ抽選契機は、リプレイ役、ベル役、チェリー役、スイカ役、チャンス目役及びベル役の当選に基づいて発生する。上乗せ抽選により上乗せ可能な遊技回数値は5〜200回の9種類である。上乗せ抽選契機のうち、チェリー役、スイカ役及びチャンス目役の当選における上乗せ期待値が大きくなっている。例えば、チェリー役の当選時において、上乗せ回数値「20」が1446/65536の割付確率で割付可能になっている。(17B)の上乗せ抽選テーブルに基づく遊技回数の上乗せ抽選を実行して上乗せ当選したときは(ステッ
プS316、S317)、上乗せ分がサブRAM203の遊技回数カウンタに上乗せされ、遊技回数値が更新される(ステップS318)。遊技回数更新処理の後、擬似ボーナス遊技の1回実行に応じて、遊技回数カウンタのカウント値から1減算される(ステップS312)。
更に、遊技管理処理において、擬似ボーナス遊技の実行による遊技回数の進捗状況に基づいて実行される。即ち、遊技回数カウンタのカウント値が0か否かが判断され(ステップS313)、該カウント値が0で残存遊技回数が無くなったときには擬似ボーナス遊技は終了し、擬似ボーナス遊技フラグがオフになる(ステップS313、S314)。また、擬似ボーナス遊技中にATパンクが発生したときにはその時点で終了する(ステップS315)。
本実施形態では、擬似ボーナス遊技状態(UBB、SBB、BB、RB)によりゲーム数によって有効遊技期間が規定される特典遊技状態を使用しているが、本発明に係る特典遊技には、所定の小役(押し順ベルなど)のナビ回数、メダルの払い出し枚数、メダルの獲得数あるいは所定時間の経過等により有効遊技期間が規定される特典遊技を適用もしくは適宜、組み合わせて使用することができる。
擬似ボーナス遊技が終了したときには第3有利遊技フラグがオンか否かが判断される(ステップS319)。擬似ボーナス遊技中に第3有利遊技の付与決定が生じている場合(ステップS310)、あるいは、第5の所定値N5への到達に基づいてスーパー第3有利遊技フラグがオンになっている場合、第3有利遊技状態に移行する(ステップS320)。第3有利遊技フラグがオフのときには第2有利遊技フラグがオンか否かが判断される(ステップS321)。擬似ボーナス遊技中に第2有利遊技の付与決定が生じている場合(ステップS305)、第2有利遊技状態に移行する(ステップS322)。第3有利遊技及び第2有利遊技への移行がない場合は各種使用データをリセットして通常遊技状態に移行する。
図27は副制御部によって実行される第2有利遊技処理を示す。
第2有利遊技の遊技が実行されると、サブRAM203に設けた第2有利遊技回数カウンタ用メモリエリアに1回の遊技実行回数値が加算される(ステップS350、S351)。第2有利遊技は擬似ボーナス遊技と同様にAT遊技の実行可能状態となる。ついで、第2有利遊技中に擬似ボーナス抽選契機が発生したか否かが当選役情報に基づいて判断される(ステップS352)。リプレイ役、チェリー役、スイカ役又はチャンス目役が当選したときには第2有利遊技中の擬似ボーナス抽選契機が発生する。第2有利遊技中の擬似ボーナス抽選は、設定されている第2有利遊技継続率及び遊技区間に応じた擬似ボーナス抽選テーブル(図15参照)に基づいて実行される(ステップS354)。例えば、期待度60%の第2有利遊技継続率が設定され、遊技回数が8回目のとき(第2有利遊技回数カウンタのカウント値が8)には、(15B)の擬似ボーナス抽選テーブルのうち遊技区間bの抽選テーブルに基づいて擬似ボーナス抽選が実行される。
擬似ボーナス抽選に当選したときには擬似ボーナス遊技フラグがオンになりサブRAM203にセットされる(ステップS355、S356)。擬似ボーナス遊技フラグが一旦オンになると、以降の遊技においては擬似ボーナス抽選は実行されない(ステップS353)。
第2有利遊技の進行により、第2有利遊技回数カウンタのカウント値が第2有利遊技の有効遊技期間の30Gに達したか否かが判断される(ステップS357)。カウント値が30に達したことを条件に第2有利遊技が終了する。第2有利遊技の終了により第2有利
遊技フラグがオフになる(ステップS358)。ついで、擬似ボーナス遊技フラグがオンになっているか否かが判断される(ステップS359)。第2有利遊技中に擬似ボーナス遊技に当選したときには第2有利遊技状態から擬似ボーナス遊技状態に移行可能になる(ステップS360)。これにより、擬似ボーナス遊技状態と第2有利遊技状態、更に第2有利遊技状態から擬似ボーナス遊技状態に遷移し、また、その遷移が繰り返し実行可能になり、大量メダル獲得への期待感を増大して遊技興趣の向上を図ることができる。擬似ボーナス遊技状態に移行したとき、図24〜図26により示した擬似ボーナス遊技処理が実行される。第2有利遊技中にATパンクが発生したときにはその時点で終了する(ステップS361)。ATパンク時あるいは、擬似ボーナス遊技状態に移行することなく、第2有利遊技が終了したとき、遊技者に有利な特定モード移行フラグがサブRAM203にセットされる(ステップS362)。
回胴式遊技機Aにおいては、通常遊技状態において擬似ボーナス遊技に当選したことに基づいて擬似ボーナス遊技状態12Bに移行可能になると共に、擬似ボーナス遊技中の第2有利遊技抽選に当選したことに基づいて通常遊技状態より高確率で且つ擬似ボーナス抽選確率が異なる遊技区間a、b、cを含む第2有利遊技状態12Cに移行可能にすることができる。また、第2有利遊技状態12Cにおいて擬似ボーナス遊技に当選したことに基づいて擬似ボーナス遊技状態12Bに移行することができる。従って、擬似ボーナス遊技状態12Bへの移行態様として、通常遊技状態及び第2有利遊技状態12Cからの移行が含まれ、しかも、第2有利遊技状態12Cにおける擬似ボーナス抽選確率が異なる各遊技区間a〜cによって、擬似ボーナス遊技状態12Bを変化に富んだ付与態様により付与可能にして遊技興趣の向上を図ることができる。
副制御部により実行される第3有利遊技処理の概要を以下に説明する。
通常第3有利遊技及びスーパー第3有利遊技は高確率擬似ボーナス抽選の抽選確率が相違するだけで互いに遊技処理は共通するので、両方をまとめて第3有利遊技処理により説明する。
第3有利遊技も擬似ボーナス遊技と同様にAT遊技が第3有利遊技有効遊技期間(30G)の間、実行可能になっている。第3有利遊技の遊技の実行毎に高確率の擬似ボーナス抽選が実行される。擬似ボーナス抽選は通常第3有利遊技のとき抽選確率(1/10)で、また、スーパー第3有利遊技のとき抽選確率(1/5)で実行される。擬似ボーナス抽選に当選したときには擬似ボーナス遊技フラグがオンになる。第3有利遊技の場合には、擬似ボーナス遊技のストックが可能であり、当選した分の個数がサブRAM203にセットされていく。
第3有利遊技の実行により、サブRAM203に設けた第3有利遊技回数カウンタ用メモリエリアに1づつ加算され、第3有利遊技回数カウンタのカウント値が第3有利遊技の有効遊技期間の30Gに達したか否かが判断される。カウント値が30に達したことを条件に第3有利遊技が終了する。第3有利遊技の終了により第3有利遊技フラグがオフになる。第3有利遊技の終了後、第3有利遊技中に擬似ボーナス遊技に当選したときには第3有利遊技状態から擬似ボーナス遊技状態に移行可能になる。このとき、擬似ボーナス遊技のストック数に関係なく、最小の第2有利遊技継続率がサブRAM203に記憶、セットされる。この場合、最小の第2有利遊技継続率に初期設定されるが、擬似ボーナス遊技に移行したときには、擬似ボーナス遊技中に第2有利遊技継続率の昇格抽選(ステップS324参照)が可能になっているので、より有利な継続率への更新を生じさせることができる。
本実施形態においては、第2有利遊技の付与により擬似ボーナス遊技状態と第2有利遊
技状態が交互に発生する有利状態の付与態様に加え、上記第3有利遊技処理を行うことにより、擬似ボーナス遊技状態中の擬似ボーナス遊技のストックが可能になり、有利状態の付与態様をより一層多様化でき、遊技興趣の増大に寄与することができる。なお、本発明は、擬似ボーナス遊技状態中にあって擬似ボーナス遊技のストックが可能になる特定遊技期間として遊技実行可能回数(上記第3有利遊技の場合、30回)が共通に設定され、且つ、擬似ボーナス抽選の抽選契機の発生態様が異なる複数種の第3有利遊技に適用可能であり、第3有利遊技の種別を前記第1有利遊技の選択遊技と同様の選択遊技を実行可能にして任意選択可能にすることができる。
次に、副制御部の制御下において実行される報知演出制御を説明する。
図28は副制御部により実行される演出報知処理の概要を示す。
本実施形態においては、主に液晶表示装置3の表示画面3a上の画像表示により当選図柄や役種の告知、役獲得時の祝福演出等が行われる。この画像演出に加え、あるいは別個に機械的役物装置31、32の役物動作演出による報知演出、上部スピーカ4、下部スピーカ22a、22bによる効果音、装飾ランプ部6の電飾効果を用いて各種音、光演出が実行される。
副制御部による演出報知処理は、遊技状態に応じた画像・音・光の演出報知が行われる。副制御部は主制御部からの制御コマンドを受けて遊技状態を判別し、通常遊技時には通常遊技演出報知処理を実行する(ステップS400、S402)。通常遊技演出報知処理では、主に、内部抽選の結果に関連した遊技情報、例えば、各種の役、リプレイあるいは外れの当選又は当選蓋然性の告知などが行われる。通常遊技演出報知処理には、擬似ボーナス遊技、第2有利遊技等の有利状態の付与決定・付与抽選結果、第1有利遊技移行時の有利遊技の任意選択に係るガイダンス演出報知処理及び第1有利遊技モード移行契機の発生・モード状況を報知する報知処理が含まれている。更に、通常遊技演出報知処理には、メイン処理のフリーズ演出の実行に関連して実行される報知演出が含まれている。
通常遊技演出報知処理には、有利遊技K1〜K3の第1有利遊技におけるモード進行報知が含まれている。該モード進行報知には、有利遊技K1〜K3における抽選契機の発生報知や当選擬似ボーナスの種別報知等が含まれている。
図30の(30D)は有利遊技K1〜K3の夫々において、疑似ボーナス抽選契機が発生して疑似ボーナス抽選に不当選となったときに実行可能なボーナス獲得の蓋然性を報知する、所謂ガセ告知の実行可否抽選の当選確率を示す。共通の疑似ボーナス抽選契機役(ベル役やチェリー役等)で比べると、有利遊技K3の場合、他の有利遊技より高い確率でガセ告知が出現可能になっている。従って、有利遊技K3は実行遊技回数も多く、ガセ告知の頻度ないし発生率が高くなるため、ガセ告知を多く見たくない心理が働くようにしており、次回の選択遊技においては遊技者が有利遊技K3を選択回避するように意図的に該頻度等を高めている。ガセ告知例は例えば、「当たり10%」の表示により、ボーナス当選の発生可能性を画像表示して行われる。ガセ表示パターンは表示の都度、複数の表示パターン群から選択実施される。勿論、疑似ボーナス抽選当選時には、いずれの有利遊技中においても高確率でボーナス当選告知が実行可能になっている。
AT遊技中の場合には、擬似ボーナス遊技等のAT遊技の進行演出、有効遊技期間の上乗せ有無、有効遊技期間の更新報知、獲得メダル枚数の累積表示等のAT遊技演出報知処理が実行される(ステップS401、S403)。
副制御基板200は、AT遊技演出報知処理(ステップS402)において、当選役種
別を取得して当選役に応じた演出処理を行う。当選役がAT役である場合には、サブROM202に記憶した当選役押し順報知演出選択テーブルに基づいて当選役種別に応じた押し順報知演出が選択される。例えば、押し順が中回胴→左回胴→右回胴のベル役に当選したときは、その停止操作手順に沿った右・左・中の指示音声が、最初のリール停止前に「みぎ」、次のリール停止前に「ひだり」、更に最後のリール停止前に「なか」といった音声出力順序で、画像表示と共に報知される。AT遊技演出報知処理は停止操作順報知遊技における停止操作順序の報知制御を行う報知制御手段を構成する。当選AT図柄の種別を報知するAT遊技を付与する場合にも、当選AT役の種別を報知する当選役報知制御手段を演出制御基板200に設けることにより当選役報知を行うことができる。サブ演出に用いる告知演出手段として、機械的役物装置31、32による役物演出手段、液晶表示装置3により特定のプレミアム的画像演出を行う画像演出手段、及び回胴演出によりフリーズ演出を行う回胴演出手段の3種類が使用される。
本発明は、上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。