JP6445874B2 - 酸性ガス吸収剤、酸性ガス除去方法および酸性ガス除去装置 - Google Patents

酸性ガス吸収剤、酸性ガス除去方法および酸性ガス除去装置 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、酸性ガス吸収剤、酸性ガスの除去方法および酸性ガス除去装置に関する。
近年、地球の温暖化現象の一因として二酸化炭素(CO)濃度の上昇による温室効果が指摘され、地球規模で環境を守る国際的な対策が急務となっている。二酸化炭素の発生は産業活動によるところが大きく、その排出抑制への機運が高まっている。
二酸化炭素をはじめとする酸性ガスの濃度の上昇を抑制するための技術として、省エネルギー製品の開発、酸性ガスの資源としての利用や隔離貯留させる技術、酸性ガスを排出しない自然エネルギーや原子力エネルギーなどの代替エネルギーへの転換などがあり、その一つとして、排出する酸性ガスの分離回収技術が知られている。
現在までに研究されてきた酸性ガス分離技術としては、吸収法、吸着法、膜分離法、深冷法などがある。中でも吸収法は、ガスを大量にかつ効率的に処理するのに適しており、工場や発電所への適用が検討されている。
主に、化石燃料を使用する火力発電所などを対象にした方法として、化石燃料(石炭、石油、天然ガス等)を燃焼する際に発生する排ガスを、化学吸収剤と接触させ、燃焼排ガス中の二酸化炭素を除去して回収する方法、さらに回収された二酸化炭素を貯蔵する方法が知られている。また、化学吸収剤を用いて二酸化炭素以外に硫化水素(HS)等の酸性ガスを除去することが提案されている。
一般に、吸収法において使用される化学吸収剤としてモノエタノールアミン(MEA)に代表されるアルカノールアミン類が1930年代ころから開発されており、現在も使用されている。この方法は、経済的であり、また除去装置の大型化が容易である。
吸収法に使用されるアルカノールアミンとしては、2−アミノ−2−メチルプロパノールアミン、メチルアミノエタノール、エチルアミノエタノール、プロピルアミノエタノール、ジエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリエタノールアミンなどがある。
近年、酸性ガスの吸収剤として、アミン系化合物の中でも、特に構造的に立体障害を有するアルカノールアミンに対する研究が盛んに試みられている。立体障害を有するアルカノールアミンは、酸性ガスの選択度が非常に高く、また再生に要するエネルギーが少ないという長所を有している。
立体障害を有するアミン系化合物の反応速度は、その立体構造によって決定される反応の障害の程度に依存する。立体障害を有するアミン系化合物の反応速度は、例えばメチルエタノールアミン、ジエタノールアミンなどの2級アミンよりは低いものの、メチルジエタノールアミン等の第3級アミンよりは高い反応速度を有している。
しかしながら、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールアミンのように立体障害が大きいアミンは融点が比較的高く、二酸化炭素を吸収するとさらに凝固しやすいという課題がある。さらに吸収能力を高めるために他アミンと混合することが知られているが、室温で固体であるアミンを混合すると、さらに凝固しやすくなる。
また、これらの技術でも、酸性ガス吸収量や酸性ガス吸収速度などの酸性ガス吸収能力に関してはいまだ不十分であり、ガス吸収能力のさらなる向上が求められている。
特開2008−307519号公報 特許第2871334号公報 米国特許4112052号明細書 韓国公開特許第2005−0007477号 特開2008−136989号公報 特開平7−246315号公報 特許第3392609号公報 特開平10−249133号公報 特開平7−258664号公報 特開平8−252430号公報 特開平7−100334号公報
本発明が解決しようとする課題は、二酸化炭素等の酸性ガスの回収量(即ち、低温における酸性ガスの吸収量−高温における酸性ガスの脱離量)が高い酸性ガス吸収剤、特に高温時における酸性ガスの脱離が容易であり、さらに低温でも凝固しない、酸性ガス吸収剤、並びにこれを用いた酸性ガス除去装置および酸性ガス除去方法を提供することである。
本発明の実施形態の酸性ガス吸収剤は、下記の一般式(1)で表される第3級アルカノールアミンと、第1級アミンおよび第2級アミンからなる群から選ばれた反応促進剤とを含有すること、を特徴とするものである。
Figure 0006445874
(上記の一般式(1)において、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、置換または非置換の炭素数1〜4のアルキル基を、Rは炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を、表す。)
そして、本発明の実施形態の酸性ガスの除去方法は、酸性ガスを含有するガスと、上述の本発明の実施形態の酸性ガス吸収剤とを接触させて、前記の酸性ガスを含むガスから酸性ガスを除去すること、を特徴とするものである。
そして、本発明の実施形態の酸性ガス除去装置は、酸性ガスを含有するガスと上述の本発明の実施形態の酸性ガス吸収剤とを接触させ、この酸性ガス吸収剤に酸性ガスを吸収させることにより前記の酸性ガスを含有するガスから酸性ガスを除去する吸収器と、
この酸性ガスを吸収した酸性ガス吸収剤から酸性ガスを脱離させて、この酸性ガス吸収剤を再生する再生器とを有し、
前記の再生器で再生した前記の酸性ガス吸収剤を前記の吸収器にて再利用すること、を特徴とするものである。
実施形態の酸性ガス除去装置の概略図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
実施形態の酸性ガス吸収剤は、下記の一般式(1)で表される第3級アルカノールアミンと、第1級アミンおよび第2級アミンからなる群から選ばれた反応促進剤とを含有すること、を特徴とするものである。
Figure 0006445874
(上記の一般式(1)において、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、置換または非置換の炭素数1〜4のアルキル基を、Rは炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を、表す。)
<第3級アルカノールアミン>
従来より、アミン化合物が有する立体障害は、酸性ガス吸収時の生成物に対する影響が大きく、低反応熱を示す重炭酸イオンの生成に有利に働くことが知られている。例えば分岐構造を有するN−イソプロピルアミノエタノールは、二酸化炭素の吸収反応に対して低反応熱性を示すことが報告されている。しかしながら、例えば2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールアミンのように立体障害が大きいアミンは融点が比較的高く、CO吸収するとさらに凝固しやすいという課題がある。さらに吸収能力を高めるために他アミンを1種類以上混合することが知られているが、その際に室温で固体であるアミンを混合すると、混合した吸収液はさらに凝固しやすくなる。
本発明者らが検討した結果、上記の一般式(1)で表される第3級アルカノールアミンと化合物と、第1級または第2級アミンを少なくとも1種とを含有した吸収液は、従来の立体障害が大きいアミン化合物より、低温でも凝固しないにも関わらず、酸性ガス(例えば、二酸化炭素(CO)、硫化水素(HS)、硫化カルボニル(COS)、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、塩化水素(HCl)に対して高い吸収性能を示すことを見出した。
すなわち、上記の一般式(1)で表される第3級アルカノールアミンは、置換または非置換の炭素数1〜4のアルキル基が2つ(RおよびR)が結合した炭素が窒素原子に結合すると共に、置換または非置換の炭素数1〜4のアルキル基が2つ(RおよびR)が窒素原子に直接結合している構造を有している。
、Rは、置換または非置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基等の分岐あるいは直鎖状のアルキル基が挙げられる。これらのアルキル基は、Si、O、N、S等のヘテロ原子を含有する基に置換されていてもよい。RまたはRの炭素数が5を超えると、上記の一般式(1)で表される第3級アルカノールアミンの疎水性が高くなり、溶媒に対する溶解性が低下して、酸性ガスとの反応性が低下するおそれがある。上記の構造の中でも、水などの溶媒に対する溶解性の観点から、メチル基またはエチル基が特に好ましい。
は、ヒドロキシアルキル基である。酸性ガスとの反応性を向上させる観点からは、炭素数が1〜4のヒドロキシアルキル基が好ましい。ヒドロキシアルキル基は、より好ましくは2−ヒドロキシメチル基である。
、Rは、置換または非置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基等の分岐あるいは直鎖状のアルキル基を用いることができ、これらのアルキル基は、Si、O、N、S等のヘテロ原子を含有する基に置換されていてもよい。RまたはR炭素数が5を超えると、一般式(1)で表される第3級アルカノールアミンの疎水性が高くなり、溶媒に対する溶解性が低下して、酸性ガスとの反応性が低下するおそれがある。上記の構造の中でも、水などの溶媒に対する溶解性や粘度の観点から、メチル基またはエチル基が好ましい。R、Rがアミノ基に結合していることにより、吸収液の凝固性を低減し、立体障害が大きいにも関わらず低温でも凝固せず、高い酸性ガス吸収性能を示す。
このように、上記一般式(1)化合物は、立体障害の大きい構造を有する3級アミンである。このため、上記一般式(1)の第3級アルカノールアミンと酸性ガス(二酸化炭素)との反応では重炭酸イオンが生成するため、反応熱も低減することができる。
上記の一般式(1)で表される第3級アルカノールアミンを、例えば水などの溶媒に溶解させることにより、酸性ガスの吸収能力の高い酸性ガス吸収剤を得ることができる。以下の実施態様では、酸性ガスが二酸化炭素である場合を例に説明するが、本発明の実施形態に係る酸性ガス吸収剤は、硫化水素等、その他の酸性ガスに関しても同様の効果を得ることができる。
また、第3級アルカノールアミンの構造にすることにより揮発性が抑えられるため、排気ガスを処理する過程で、大気中に放出されるアミン成分の量が低減された酸性ガス吸収剤とすることができる。実施形態による酸性ガス吸収剤は、析出が抑制されている。
一般式(1)で表わされる第3級アルカノールアミンとしては、例えば
2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−プロパノール、
2−(ジメチルアミノ)−2−エチル−1−プロパノール、
2−(ジメチルアミノ)−2−プロピル−1−プロパノール、
2−(ジメチルアミノ)−2−イソプロピル−1−プロパノール、
2−(ジメチルアミノ)−2−ブチル−1−プロパノール、
2−(ジメチルアミノ)−2−sec−ブチル−1−プロパノール、
2−(ジメチルアミノ)−2−tert−ブチル−1−プロパノール、
2−(N−メチル−N−エチルアミノ)−2−メチル−1−プロパノール、
2−(N−メチル−N−エチルアミノ)−2−エチル−1−プロパノール、
2−(N−メチル−N−エチルアミノ)−2−プロピル−1−プロパノール、
2−(N−メチル−N−エチルアミノ)−2−イソプロピル−1−プロパノール、
2−(N−メチル−N−エチルアミノ)−2−ブチル−1−プロパノール、
2−(N−メチル−N−エチルアミノ)−2−sec−ブチル−1−プロパノール、
2−(N−メチル−N−エチルアミノ)−2−tert−ブチル−1−プロパノール、
2−(ジエチルアミノ)−2−メチル−1−プロパノール、
2−(ジエチルアミノ)−2−エチル−1−プロパノール、
2−(ジエチルアミノ)−2−プロピル−1−プロパノール
2−(ジエチルアミノ)−2−イソプロピル−1−プロパノール、
2−(ジエチルアミノ)−2−ブチル−1−プロパノール、
2−(ジエチルアミノ)−2−sec−ブチル−1−プロパノール、
2−(ジエチルアミノ)−2−tert−ブチル−1−プロパノール、
2−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−2−メチル−1−プロパノール、
2−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−2−エチル−1−プロパノール、
2−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−2−プロピル−1−プロパノール、
2−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−2−イソプロピル−1−プロパノール、
2−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−2−ブチル−1−プロパノール、
2−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−2−sec−ブチル−1−プロパノール、
2−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−2−tert−ブチル−1−プロパノール、
2−(N−メチル−N−イソプロピルアミノ)−2−メチル−1−プロパノール、
2−(N−メチル−N−イソプロピルアミノ)−2−エチル−1−プロパノール、
2−(N−メチル−N−イソプロピルアミノ)−2−プロピル−1−プロパノール、
2−(N−メチル−N−イソプロピルアミノ)−2−イソプロピル−1−プロパノール、
2−(N−メチル−N−イソプロピルアミノ)−2−ブチル−1−プロパノール、
2−(N−メチル−N−イソプロピルアミノ)−2−sec−ブチル−1−プロパノール、
2−(N−メチル−N−イソプロピルアミノ)−2−tert−ブチル−1−プロパノール、
2−(N−エチル−N−プロピルアミノ)−2−メチル−1−プロパノール、
2−(N−エチル−N−プロピルアミノ)−2−エチル−1−プロパノール、
2−(N−エチル−N−プロピルアミノ)−2−プロピル−1−プロパノール、
2−(N−エチル−N−プロピルアミノ)−2−イソプロピル−1−プロパノール、
2−(N−エチル−N−プロピルアミノ)−2−ブチル−1−プロパノール、
2−(N−エチル−N−プロピルアミノ)−2−sec−ブチル−1−プロパノール、
2−(N−エチル−N−プロピルアミノ)−2−tert−ブチル−1−プロパノール、
2−(N−エチル−N−イソプロピルアミノ)−2−メチル−1−プロパノール、
2−(N−エチル−N−イソプロピルアミノ)−2−エチル−1−プロパノール、
2−(N−エチル−N−イソプロピルアミノ)−2−プロピル−1−プロパノール、
2−(N−エチル−N−イソプロピルアミノ)−2−イソプロピル−1−プロパノール、
2−(N−エチル−N−イソプロピルアミノ)−2−ブチル−1−プロパノール、
2−(N−エチル−N−イソプロピルアミノ)−2−sec−ブチル−1−プロパノール、
2−(N−エチル−N−イソプロピルアミノ)−2−tert−ブチル−1−プロパノール、
2−(N−プロピル−N−プロピルアミノ)−2−メチル−1−プロパノール、
2−(N−プロピル−N−プロピルアミノ)−2−エチル−1−プロパノール、
2−(N−プロピル−N−プロピルアミノ)−2−プロピル−1−プロパノール、
2−(N−プロピル−N−プロピルアミノ)−2−イソプロピル−1−プロパノール、
2−(N−プロピル−N−プロピルアミノ)−2−ブチル−1−プロパノール、
2−(N−プロピル−N−プロピルアミノ)−2−sec−ブチル−1−プロパノール、
2−(N−プロピル−N−プロピルアミノ)−2−tert−ブチル−1−プロパノール、
2−(N−プロピル−N−イソプロピルアミノ)−2−メチル−1−プロパノール、
2−(N−プロピル−N−イソプロピルアミノ)−2−エチル−1−プロパノール、
2−(N−プロピル−N−イソプロピルアミノ)−2−プロピル−1−プロパノール、
2−(N−プロピル−N−イソプロピルアミノ)−2−イソプロピル−1−プロパノール、
2−(N−プロピル−N−イソプロピルアミノ)−2−ブチル−1−プロパノール、
2−(N−プロピル−N−イソプロピルアミノ)−2−sec−ブチル−1−プロパノール、
2−(N−プロピル−N−イソプロピルアミノ)−2−tert−ブチル−1−プロパノール、
2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−ブタノール、
2−(ジメチルアミノ)−2−エチル−1−ブタノール、
2−(ジメチルアミノ)−2−プロピル−1−ブタノール、
2−(ジメチルアミノ)−2−イソプロピル−1−ブタノール、
2−(ジメチルアミノ)−2−ブチル−1−ブタノール、
2−(ジメチルアミノ)−2−sec−ブチル−1−ブタノール、
2−(ジメチルアミノ)−2−tert−ブチル−1−ブタノール、
2−(N−メチル−N−エチルアミノ)−2−メチル−1−ブタノール、
2−(N−メチル−N−エチルアミノ)−2−エチル−1−ブタノール、
2−(N−メチル−N−エチルアミノ)−2−プロピル−1−ブタノール、
2−(N−メチル−N−エチルアミノ)−2−イソプロピル−1−ブタノール、
2−(N−メチル−N−エチルアミノ)−2−ブチル−1−ブタノール、
2−(N−メチル−N−エチルアミノ)−2−sec−ブチル−1−ブタノール、
2−(N−メチル−N−エチルアミノ)−2−tert−ブチル−1−ブタノール、
2−(ジエチルアミノ)−2−メチル−1−ブタノール、
2−(ジエチルアミノ)−2−エチル−1−ブタノール、
2−(ジエチルアミノ)−2−プロピル−1−ブタノール
2−(ジエチルアミノ)−2−イソプロピル−1−ブタノール、
2−(ジエチルアミノ)−2−ブチル−1−ブタノール、
2−(ジエチルアミノ)−2−sec−ブチル−ブタノール、
2−(ジエチルアミノ)−2−tert−ブチル−1−ブタノール、
などを挙げることができる。
なお、第3級アルカノールアミンとしては、上記の群より選択された1種の化合物を用いることができる。または第3級アルカノールアミンとしては、上記の群より選択された2種以上の化合物を混合したものを用いることも可能である。
酸性ガス吸収剤に含まれる第3級アルカノールアミンの含有量は、20〜55質量%であることが好ましい(酸性ガス吸収剤の全量を100質量%とする)。一般に、アミン成分の濃度が高い方が単位容量当たりの酸性ガス(特に、二酸化炭素)の吸収量、脱離量が多く、また酸性ガスの吸収速度、脱離速度が速いため、エネルギー消費の面やプラント設備の大きさ、処理効率の面においては好ましい。しかし、吸収液中のアミン成分の濃度が高すぎると、吸収液に含まれる水が、酸性ガス吸収に対する活性剤としての機能を十分に発揮できなくなる。また、吸収液中のアミン成分の濃度が高すぎると、吸収液の粘度が上昇するなどの欠点が無視できなくなる。第3級アルカノールアミンの含有量が55質量%以下の場合、吸収液の粘度の上昇や、活性剤としての水の機能低下などの現象は見られない。また、第3級アルカノールアミンの含有量を20質量%以上とすることで、十分な酸性ガスの吸収量、吸収速度を得ることができ、優れた処理効率を得ることができる。
第3級アルカノールアミンの含有量が20〜55質量%の範囲にある酸性ガス吸収剤は、酸性ガス回収用(特に、二酸化炭素)として用いた場合、酸性ガス吸収量および酸性ガス吸収速度が高いだけでなく、酸性ガス脱離量および酸性ガス脱離速度も高い。このため、二酸化炭素の回収を効率的に行える点で有利である。3級アルカノールアミンの含有量は、より好ましくは30〜50質量%である。
<反応促進剤>
本発明の実施形態の酸性ガス吸収剤は、第1級アミンおよび第2級アミンからなる群から選ばれた反応促進剤とさらに含有する。
このような反応促進剤の好ましい具体例としては、例えば、下記の一般式(2)で表されるヘテロ環状アミン化合物を挙げることができる。
Figure 0006445874
上記の一般式(2)において、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を、Rはヘテロ環を形成している炭素原子に結合した炭素数1〜4のアルキル基を、表す。pは1〜3の整数を、qは1〜4の整数を、rは0〜12の整数を、表す。但し、rが2〜3のとき、窒素原子同士が直接結合している場合はない。また、Rの炭素数1〜4のアルキル基の水素原子の一部、およびRの炭素数1〜4のアルキル基の水素原子の一部は、それぞれ水酸基、アミノ基で置換されていてもよい。
反応促進剤としてのその他のアミン化合物としては、1級あるいは2級のアルカノールアミンが好ましく、例えば
モノエタノールアミン、
2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、
2−アミノ−2−メチル−1,3−ジプロパノール、
ジエタノールアミン、
2−メチルアミノエタノール、
2−エチルアミノエタノール、
2−プロピルアミノエタノール、
n−ブチルアミノエタノール、
2−(イソプロピルアミノ)エタノール、
3−エチルアミノプロパノール等が挙げられる。
ここで、アルカノールアミンとは、1分子中に、アミノ基と水酸基を有する化合物を意味する。
これらの中でも、アルカノールアミン類としては、第3級アミンと酸性ガスとの反応性をより向上させる観点から、モノエタノールアミン、2−メチルアミノエタノールおよび2−エチルアミノエタノールからなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
特に、ヘテロ環状アミン化合物(2)としては、例えば
アゼチジン、
2−メチルアゼチジン、
2−エチルアゼチジン、
2−アゼチジルメタノール、
2−(2−アミノエチル)アゼチジン、
ピロリジン、
2−メチルピロリジン、
2−エチルピロリジン、
2−ピロリジルメタノール、
2−(2−アミノエチル)ピロリジン、
ピペリジン、
2−メチルピペリジン、
2−エチルピペリジン、
3−メチルピペリジン、
3−エチルピペリジン、
2−ピペリジンメタノール、
2−ピペリジンエタノール、
3−ピペリジンメタノール、
3−ピペリジンエタノール、
4−ピペリジンメタノール、
4−ピペリジンエタノール、
2−(2−アミノエチル)ピロリジン、
ヘキサヒドロ−1H−アゼピン、
ピペラジン、ピぺラジン誘導体
などを挙げることができる。
第3級アルカノールアミンを、第1級または第2級アミンと混合して用いることで、第3級アルカノールアミン単位モル当たりの酸性ガス吸収量や、酸性ガス吸収剤の単位体積当たりの酸性ガス吸収量および酸性ガス吸収速度をより一層向上させることができる。また、第3級アルカノールアミンを、第1級または第2級アミンと混合して用いることで、酸性ガス吸収後に酸性ガスを分離するエネルギー(酸性ガス脱離エネルギー)も低下し、酸性ガス吸収剤を再生させる際のエネルギーを低減することができる。
これらの中でも、特にピペラジンおよびピぺラジン誘導体は、酸性ガス吸収剤の二酸化炭素吸収量および吸収速度向上の観点から望ましい。ピペラジンおよびピペラジン誘導体は第2級アミン化合物であり、一般に、第2級アミノ基の窒素原子が二酸化炭素と結合し、カルバメートイオンを形成することで、反応初期段階における吸収速度の向上に寄与する。さらに第2級アミノ基の窒素原子は、これに結合した二酸化炭素を重炭酸イオン(HCO−)に転換する役割を担っており、反応後半段階の速度向上に寄与する。
ピぺラジン誘導体としては、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、2,6−ジメチルピペラジン、1−メチルピペラジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジンのうちの少なくとも1種類であることがより好ましい。
酸性ガス吸収剤に含まれる反応促進剤の含有量は、1〜10質量%であることが好ましい(酸性ガス吸収剤の全量を100質量%とする)。酸性ガス吸収剤に含まれる反応促進剤の含有量が1質量%未満であると、二酸化炭素吸収速度を向上させる効果を十分に得られないおそれがある。酸性ガス吸収剤に含まれる反応促進剤の含有量が10質量%を超えると、吸収剤の粘度が過度に高くなり、かえって反応性が低下するおそれがある。
<他の成分(任意成分等)>
本発明の実施形態による酸性ガス吸収剤は、一般式(1)で表される第3級アルカノールアミンと、第1級アミンおよび第2級アミンからなる群から選ばれた反応促進剤とを含むものであって、例えば水等の溶媒と、必要に応じて各種の補助材料等と混合したうえで、例えば酸性ガス吸収方法ないし酸性ガス吸収装置の酸性ガス吸収剤として好適なものである。ここで、補助材料の具体例には、例えば、酸化防止剤、pH調整剤、消泡剤、防食剤等が包含される。
溶媒として水を用いる時、その含有量は、好ましくは35〜79質量%、特に好ましくは40〜70質量%、である(酸性ガス吸収剤の全量を100質量%とする)。水の含有量がこの範囲内である場合、酸性ガス吸収速度の向上、および吸収液の粘度が小さくなる点で好ましい。
酸化防止剤の好ましい具体例としては、例えばジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、エリソルビン酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、フェノール系酸化防止剤、メルカプトイミダゾール類およびメルカプトベンズイミダゾール類を挙げることができる。酸化防止剤を用いる場合、その含有量は、好ましくは0.01〜10質量%、特に好ましくは0.1〜3質量%、である(酸性ガス吸収剤の全量を100質量%とする)。酸化防止剤は、酸性ガス吸収剤の劣化を防止し、耐久性を向上させることができる。
pH調整剤の好ましい具体例としては、例えばクエン酸、グルコン酸、水酸化ナトリウムおよび炭酸水素ナトリウムを挙げることができる。pH調整剤を用いる場合、その含有量は、好ましくは0.1 〜10質量%、特に好ましくは0.1〜3質量%、である(酸性ガス吸収剤の全量を100質量%とする)。
消泡剤の好ましい具体例としては、例えばシリコーン系消泡剤および有機系消泡剤を挙げることができる。消泡剤を用いる場合、その含有量は、好ましくは0.0001〜0.1質量%、特に好ましくは0.001〜0.01質量%、である(酸性ガス吸収剤の全量を100質量%とする)。消泡剤は、酸性ガス吸収剤の泡立ちを防止し、酸性ガスの吸収効率や離脱効率の低下を抑制し、酸性ガス吸収剤の流動性ないし循環効率の低下等を防止することができる。
防食剤の好ましい具体例としては、例えば亜硝酸塩系防食剤、クロム酸塩系防食剤、ホスホン酸塩系防食剤、トリアゾール系防食剤、金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸塩および金属酸化物を挙げることができる。防食剤を用いる場合、その含有量は、好ましくは0.0001〜1質量%、特に好ましくは0.001〜0.1質量%、である(酸性ガス吸収剤の全量を100質量%とする)。このような防食剤は、プラント設備の腐蝕を防止し、耐久性を向上させることができる。
<酸性ガスの除去方法>
本発明の実施形態による酸性ガスの除去方法は、酸性ガスを含有するガスと、上述の実施形態による酸性ガス吸収剤とを接触させて、前記の酸性ガスを含むガスから酸性ガスを除去すること、を特徴とするものである。
本発明の実施形態による酸性ガスの除去方法は、上述の本発明の実施形態による酸性ガス吸収剤へ対して酸性ガスを吸収させる工程(吸収工程)、およびこの酸性ガスを吸収した上述の本発明の実施形態による酸性ガス吸収剤から酸性ガスを脱離させる工程を、基本的な構成とする。
即ち、本発明の実施形態による酸性ガスの除去方法の基本的な構成は、酸性ガス吸収剤に、酸性ガスを含有するガス(例えば、排ガス等)を接触させて、酸性ガス吸収剤に、酸性ガスを吸収させる工程(酸性ガス吸収工程)と、上記の酸性ガス吸収工程で得られた、酸性ガスが吸収された酸性ガス吸収剤を加熱して、酸性ガスを脱離して、除去する工程(酸性ガス分離工程)とを含む。
酸性ガスを含むガスを、上記の酸性ガス吸収剤を含む水溶液に接触させる方法は、特に限定されないが、例えば、酸性ガス吸収剤中に酸性ガスを含むガスをバブリングさせて、吸収剤に酸性ガスを吸収させる方法、酸性ガスを含むガス気流中に酸性ガス吸収剤を霧状に降らす方法(噴霧ないしスプレー方式)、あるいは磁製や高分子製や金属網製の充填材の入った吸収器内で酸性ガスを含むガスと酸性ガス吸収剤とを向流接触させる方法などによって行うことができる。
酸性ガスを含むガスを水溶液に吸収させる時の酸性ガス吸収剤の温度は、通常、室温から60℃以下で行うことができる。好ましくは50℃以下、より好ましくは20〜45℃程度で行うことができる。低温度で行うほど、酸性ガスの吸収量は増加するが、処理温度の下限値は、プロセス上のガス温度や熱回収目標等によって決定することができる、酸性ガス吸収時の圧力は、処理ガス中の圧力によって異なり、ほぼ大気圧からより高い圧力でも行われる。吸収性能を高めるためより高い圧力まで加圧することもできるが、圧縮のために要するエネルギー消費を抑えるため大気圧下あるいは処理ガスの圧力下で行うのが好ましい。
酸性ガス吸収工程において、上述した実施形態に係る第3級アルカノールアミンを20〜55質量%および反応促進剤を1〜10質量%含む酸性ガス吸収剤の、二酸化炭素吸収時(40℃)における二酸化炭素吸収量は、吸収剤中に含まれるアミン1mol当り0.3〜0.8mol程度である。
ここで、酸性ガス飽和吸収量は、酸性ガス吸収剤中の二酸化炭素量を赤外線式ガス濃度測定装置で測定した値である。
酸性ガスを吸収した酸性ガス吸収剤から酸性ガスを分離し、純粋なあるいは高濃度の酸性ガスを回収する方法としては、蒸留と同様に酸性ガス吸収剤を加熱して釜で泡立てて脱離する方法、棚段器、スプレー器、磁製や高分子製の充填材や金属網製の充填材の入った再生器内で液界面を広げて加熱する方法などが挙げられる。これにより、カルバミン酸アニオンや重炭酸イオンから酸性ガスが遊離して放出される。
酸性ガス分離時の酸性ガス吸収剤の温度は、通常、70℃以上で行われ、好ましくは80℃以上、より好ましくは90〜130℃程度、で行うことができる。温度が高いほど、脱離量は増加するが、温度を上げると吸収液の加熱に要するエネルギーが増すため、その温度はプロセス上のガス温度や熱回収目標等によって決定することができる。酸性ガス脱離時の圧力は、通常大気圧以上で行われる。脱離性能を高めるためより大気圧より低い圧力まで減圧することもできるが、減圧のために要するエネルギー消費を抑えるため大気圧以上で行うのが好ましい。
上述した実施形態に係る第3級アルカノールアミンを20〜55質量%および反応促進剤を1〜10質量%含む酸性ガス吸収剤の酸性ガス脱離時(120℃)における酸性ガス脱離量は、吸収剤中に含まれるアミン1mol当り0.3〜0.70mol程度である。
酸性ガスを分離した後の酸性ガス吸収剤は、再び酸性ガス吸収工程に送られ循環使用(リサイクル)することができる。また、酸性ガス吸収の際に生じた熱は、一般的には水溶液のリサイクル過程において再生器に注入される水溶液の予熱のために熱交換器で熱交換されて冷却される。
このようにして回収された酸性ガスの純度は、通常、95〜99体積%程度と極めて純度が高いものである。この純粋な酸性ガスあるいは高濃度の酸性ガスは、化学品、あるいは高分子物質の合成原料、食品冷凍用の冷剤等として用いることができる。その他、回収した二酸化炭素を、現在技術開発されつつある地下等へ隔離貯蔵することも可能である。
上述した工程のうち、酸性ガス吸収剤から酸性ガスを分離して酸性ガス吸収剤を再生する工程が、最も多量のエネルギーを消費する部分であり、この工程で、全体工程の約50〜80%程度のエネルギーが消費されることがある。従って、酸性ガス吸収剤の再生工程における消費エネルギーを低減することにより、酸性ガスの吸収分離工程のコストを低減できる。このため、排気ガスからの酸性ガス除去を、経済的に有利に行うことができる。
本実施形態によれば、上記の実施形態の酸性ガス吸収剤を用いることで、高温時における酸性ガス脱離が容易で大きな酸性ガス回収量を得ることができ、酸性ガス脱離(再生工程)のために必要なエネルギーを低減することができる。このため、酸性ガスの吸収分離工程を、経済的に有利な条件で行うことができる。
<酸性ガス除去装置>
本発明の実施形態による酸性ガス除去装置は、酸性ガスを含有するガスと前述した特定の本発明の実施形態による酸性ガス吸収剤とを接触させ、この酸性ガス吸収剤に酸性ガスを吸収させることにより前記の酸性ガスを含有するガスから酸性ガスを除去する吸収器と、この酸性ガスを吸収した酸性ガス吸収剤から酸性ガスを脱離させて、この酸性ガス吸収剤を再生する再生器と、を有し、前記の再生器で再生した前記の酸性ガス吸収剤を前記の吸収器にて再利用する酸性ガス除去装置であること、を特徴とするものである。
図1は、実施形態の酸性ガス除去装置の概略図である。
この酸性ガス除去装置は、酸性ガスを含むガス(例えば、排気ガス)と酸性ガス吸収剤とを接触させ、この排気ガスから酸性ガスを吸収させて除去する吸収器2と、酸性ガスを吸収した酸性ガス吸収剤から酸性ガスを分離し、酸性ガス吸収剤を再生する再生器3と、を備えている。以下、酸性ガスが二酸化炭素である場合を例に説明する。
図1に示すように、火力発電所等から排出される燃焼排ガス等の、二酸化炭素を含む排気ガスが、ガス供給口101を通って吸収器2下部へ導かれる。この排気ガスは、吸収器2に押し込められ、吸収器2上部の酸性ガス吸収剤供給口102から供給されて吸収器2内部に収容されている酸性ガス吸収剤と接触する。酸性ガス吸収剤としては、上述した実施形態に係る酸性ガス吸収剤を使用する。
酸性ガス吸収剤のpH値は、少なくとも9以上に調整すればよい。酸性ガス吸収剤のpH値は、排気ガス中に含まれる有害ガスの種類、濃度、流量等によって、適宜最適条件を選択することがよい。また、この酸性ガス吸収剤には、上記のアミン系化合物、および水などの溶媒の他に、二酸化炭素の吸収性能を向上させる含窒素化合物、酸化防止剤、pH調整剤等、その他化合物を任意の割合で含有していてもよい。
このように、排気ガスが酸性ガス吸収剤と接触することで、この排気ガス中の二酸化炭素が酸性ガス吸収剤に吸収され除去される。二酸化炭素が除去された後の排気ガスは、ガス排出口103から吸収器2外部に排出される。
二酸化炭素を吸収した酸性ガス吸収剤は、熱交換器4に送液され、加熱された後、再生器3に送液される。再生器3内部に送液された酸性ガス吸収剤は、再生器3の上部から下部に移動し、この間に、酸性ガス吸収剤中の二酸化炭素が脱離し、酸性ガス吸収剤が再生する。
再生器3で再生した酸性ガス吸収剤は、熱交換器4、吸収液冷却器5に送液され、酸性ガス吸収剤供給口102から吸収器2に戻される。
一方、酸性ガス吸収剤から分離された二酸化炭素は、再生器3上部から再生器3外部に排出される。
再生器3から排出された二酸化炭素を含むガスは、還流冷却器7で冷却された後、還流ドラム6において、二酸化炭素を伴う水蒸気やアミンが凝縮した液体成分と分離され、回収二酸化炭素ライン108により二酸化炭素回収工程に導かれる。一方、二酸化炭素が分離された還流水は、再生器3に送液される。
本実施形態の酸性ガス除去装置によれば、二酸化炭素の吸収特性および脱離特性に優れた酸性ガス吸収剤を用いることで、効率の高い二酸化炭素の吸収除去を行うことが可能となる。
以下、本発明について実施例、比較例を参照してさらに詳細な説明を行うが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−プロパノール(DMAMP)を40質量%、ピペラジン(PZ)を3質量%となるように水に溶解させ、50mlの水溶液(以下、吸収液と示す。)とした。この吸収液を試験管に充填して40℃に加熱し、二酸化炭素10体積%、窒素(N)ガス90体積%含む混合ガスを流速500mL/minで3時間通気して、試験管出口でのガス中の二酸化炭素濃度を赤外線式ガス濃度測定装置(株式会社島津製作所製、商品名「CGT−7000」)を用いて測定し、吸収性能を評価した。試験管内のアミン水溶液へのガス導入口には、1/8インチのテフロン(登録商標)チューブ(内径:1.59mm、外径:3.17mm)を用いて行った。
また、吸収液50mLを試験管に充填して120℃に加熱し、二酸化炭素10体積%、窒素ガス90体積%含む混合ガスを流速100mL/minで1時間通気し、試験管内の二酸化炭素分圧が約10kPaとなるよう試験管内圧力を調整し、二酸化炭素濃度を赤外線式ガス濃度測定装置を用いて測定し、吸収性能を評価した。
その結果、40℃での吸収液の二酸化炭素吸収量は、吸収液中のアミノ化合物1mol当り0.60molであった。120℃での吸収液の二酸化炭素吸収量は、アミノ化合物1mol当り0.10molであり、40℃と120℃の差とする二酸化炭素回収量は0.50molであった。二酸化炭素吸収速度は0.030mol/L/minであった。
凝固性は、二酸化炭素吸収前および前記40℃でCO吸収させた吸収液20mlをそれぞれガラスバイアル瓶に入れ、庫内温度が5〜8℃程度の冷蔵庫に12時間設置することで目視で確認した。
その結果、二酸化炭素吸収前および40℃で二酸化炭素吸収させた吸収液共に凝固しなかった。
<実施例2>
2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−プロパノールを40質量%、ピペラジンを5質量%となるよう水に溶解させた以外は、実施例1と同様にして吸収液(水溶液)を調製し、実施例1と同様の装置を用い、同一条件下で二酸化炭素吸収量、二酸化炭素吸収速度、および凝固性を測定した。
吸収液中のアミノ化合物1mol当り、40℃での二酸化炭素吸収量は0.65molであり、120℃での吸収液の二酸化炭素吸収量は、アミノ化合物1mol当り0.14molであり、40℃と120℃の差とする二酸化炭素回収量は0.51molであった。二酸化炭素吸収速度は0.036mol/L/minであった。
また、二酸化炭素吸収前および40℃で二酸化炭素吸収させた吸収液共に凝固しなかった。
<実施例3>
2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−プロパノールを40質量%、ピペラジンを15質量%となるよう水に溶解させた以外は、実施例1と同様にして吸収液(水溶液)を調製し、実施例1と同様の装置を用い、同一条件下で二酸化炭素吸収量、二酸化炭素吸収速度、および凝固性を測定した。
吸収液中のアミノ化合物1mol当り、40℃での二酸化炭素吸収量は0.70molであり、120℃での吸収液の二酸化炭素吸収量は、アミノ化合物1mol当り0.23molであり、40℃と120℃の差とする二酸化炭素回収量は0.47molであった。二酸化炭素吸収速度は0.040mol/L/minであった。
また、二酸化炭素吸収前および40℃で二酸化炭素吸収させた吸収液共に凝固した。
<実施例4>
2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−プロパノールを30質量%、ピペラジンを5質量%となるよう水に溶解させた以外は、実施例1と同様にして吸収液(水溶液)を調製し、実施例1と同様の装置を用い、同一条件下で二酸化炭素吸収量、二酸化炭素吸収速度、および凝固性を測定した。
吸収液中のアミノ化合物1mol当り、40℃での二酸化炭素吸収量は0.80molであり、120℃での吸収液の二酸化炭素吸収量は、アミノ化合物1mol当り0.20molであり、40℃と120℃の差とする二酸化炭素回収量は0.60molであった。二酸化炭素吸収速度は0.036mol/L/minであった。
また、二酸化炭素吸収前および40℃で二酸化炭素吸収させた吸収液共に凝固しなかった。
<実施例5>
2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−プロパノールを60質量%、ピペラジンを5質量%となるよう水に溶解させた以外は、実施例1と同様にして吸収液を調製し、実施例1と同様の装置を用い、同一条件下で二酸化炭素吸収量、二酸化炭素吸収速度、および凝固性を測定した。
吸収液中のアミノ化合物1mol当り、40℃での二酸化炭素吸収量は0.44molであり、120℃での吸収液の二酸化炭素吸収量は、アミノ化合物1mol当り0.10molであり、40℃と120℃の差とする二酸化炭素回収量は0.34molであった。CO吸収速度は0.034mol/L/minであった。
また、CO吸収前の吸収液は凝固し、40℃で二酸化炭素吸収させた吸収液は凝固しなかった。
<実施例6>
2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−プロパノールを15質量%、ピペラジンを5質量%となるよう水に溶解させた以外は、実施例1と同様にして吸収液(水溶液)を調製し、実施例1と同様の装置を用い、同一条件下で二酸化炭素吸収量、二酸化炭素吸収速度、および凝固性を測定した。
吸収液中のアミノ化合物1mol当り、40℃での二酸化炭素吸収量は0.85molであり、120℃での吸収液の二酸化炭素吸収量は、アミノ化合物1mol当り0.30molであり、40℃と120℃の差とする二酸化炭素回収量は0.55molであった。二酸化炭素吸収速度は0.033mol/L/minであった。
また、二酸化炭素吸収前および40℃で二酸化炭素吸収させた吸収液共に凝固しなかった。
<実施例7>
2−(エチルメチルアミノ)−2−メチル−1−プロパノール(EMAMP)を40質量%、ピペラジンを5質量%となるよう水に溶解させた以外は、実施例1と同様にして吸収液(水溶液)を調製し、実施例1と同様の装置を用い、同一条件下で二酸化炭素吸収量、二酸化炭素吸収速度、および凝固性を測定した。
吸収液中のアミノ化合物1mol当り、40℃での二酸化炭素吸収量は0.50molであり、120℃での吸収液の二酸化炭素吸収量は、アミノ化合物1mol当り0.08molであり、40℃と120℃の差とする二酸化炭素回収量は0.42molであった。二酸化炭素吸収速度は0.035mol/L/minであった。
また、二酸化炭素吸収前および40℃で二酸化炭素吸収させた吸収液共に凝固しなかった。
<実施例8>
2−(ジメチルアミノ)−2−エチル−1−プロパノール(DMAEP)を40質量%、ピペラジンを5質量%となるよう水に溶解させた以外は、実施例1と同様にして吸収液(水溶液)を調製し、実施例1と同様の装置を用い、同一条件下で二酸化炭素吸収量、二酸化炭素吸収速度、および凝固性を測定した。
吸収液中のアミノ化合物1mol当り、40℃での二酸化炭素吸収量は0.59molであり、120℃での吸収液の二酸化炭素吸収量は、アミノ化合物1mol当り0.12molであり、40℃と120℃の差とする二酸化炭素回収量は0.47molであった。二酸化炭素吸収速度は0.033mol/L/minであった。
また、二酸化炭素吸収前および40℃で二酸化炭素吸収させた吸収液共に凝固しなかった。
<実施例9>
2−(ジエチルアミノ)−2−メチル−1−プロパノール(DEAMP)を40質量%、ピペラジンを5質量%となるよう水に溶解させた以外は、実施例1と同様にして吸収液(水溶液)を調製し、実施例1と同様の装置を用い、同一条件下で二酸化炭素吸収量、二酸化炭素吸収速度、および凝固性を測定した。
吸収液中のアミノ化合物1mol当り、40℃での二酸化炭素吸収量は0.45molであり、120℃での吸収液の二酸化炭素吸収量は、アミノ化合物1mol当り0.05molであり、40℃と120℃の差とする二酸化炭素回収量は0.40molであった。二酸化炭素吸収速度は0.030mol/L/minであった。
また、二酸化炭素吸収前および40℃で二酸化炭素吸収させた吸収液共に凝固しなかった。
<実施例10>
2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−プロパノールを40質量%、1−メチルピペラジン(1MPZ)を5質量%となるよう水に溶解させた以外は、実施例1と同様にして吸収液(水溶液)を調製し、実施例1と同様の装置を用い、同一条件下で二酸化炭素吸収量、二酸化炭素吸収速度、および凝固性を測定した。
吸収液中のアミノ化合物1mol当り、40℃での二酸化炭素吸収量は0.45molであり、120℃での吸収液の二酸化炭素吸収量は、アミノ化合物1mol当り0.08molであり、40℃と120℃の差とする二酸化炭素回収量は0.37molであった。二酸化炭素吸収速度は0.028mol/L/minであった。
また、二酸化炭素吸収前および40℃で二酸化炭素吸収させた吸収液共に凝固しなかった。
<実施例11>
2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−プロパノールを40質量%、2−メチルピペラジン(2MPZ)を5質量%となるよう水に溶解させた以外は、実施例1と同様にして吸収液(水溶液)を調製し、実施例1と同様の装置を用い、同一条件下で二酸化炭素吸収量、二酸化炭素吸収速度、および凝固性を測定した。
吸収液中のアミノ化合物1mol当り、40℃での二酸化炭素吸収量は0.50molであり、120℃での吸収液の二酸化炭素吸収量は、アミノ化合物1mol当り0.08molであり、40℃と120℃の差とする二酸化炭素回収量は0.42molであった。二酸化炭素吸収速度は0.029mol/L/minであった。
また、二酸化炭素吸収前および40℃で二酸化炭素吸収させた吸収液共に凝固しなかった。
<実施例12>
2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−プロパノールを40質量%、2,5−ジメチルピペラジン(25DMPZ)を5質量%となるよう水に溶解させた以外は、実施例1と同様にして吸収液(水溶液)を調製し、実施例1と同様の装置を用い、同一条件下で二酸化炭素吸収量、二酸化炭素吸収速度、および凝固性を測定した。
吸収液中のアミノ化合物1mol当り、40℃での二酸化炭素吸収量は0.40molであり、120℃での吸収液の二酸化炭素吸収量は、アミノ化合物1mol当り0.07molであり、40℃と120℃の差とする二酸化炭素回収量は0.33molであった。二酸化炭素吸収速度は0.025mol/L/minであった。
また、二酸化炭素吸収前および40℃で二酸化炭素吸収させた吸収液共に凝固しなかった。
<実施例13>
2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−プロパノールを40質量%、2,6−ジメチルピペラジン(26DMPZ)を5質量%となるよう水に溶解させた以外は、実施例1と同様にして吸収液(水溶液)を調製し、実施例1と同様の装置を用い、同一条件下で二酸化炭素吸収量、二酸化炭素吸収速度、および凝固性を測定した。
吸収液中のアミノ化合物1mol当り、40℃での二酸化炭素吸収量は0.39molであり、120℃での吸収液の二酸化炭素吸収量は、アミノ化合物1mol当り0.07molであり、40℃と120℃の差とする二酸化炭素回収量は0.32molであった。二酸化炭素吸収速度は0.023mol/L/minであった。
また、二酸化炭素吸収前および40℃で二酸化炭素吸収させた吸収液共に凝固しなかった。
<実施例14>
2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−プロパノールを40質量%、モノエタノールアミン(MEA)を5質量%となるよう水に溶解させた以外は、実施例1と同様にして吸収液(水溶液)を調製し、実施例1と同様の装置を用い、同一条件下で二酸化炭素吸収量、二酸化炭素吸収速度、および凝固性を測定した。
吸収液中のアミノ化合物1mol当り、40℃での二酸化炭素吸収量は0.60molであり、120℃での吸収液の二酸化炭素吸収量は、アミノ化合物1mol当り0.15molであり、40℃と120℃の差とする二酸化炭素回収量は0.45molであった。二酸化炭素吸収速度は0.036mol/L/minであった。
また、二酸化炭素吸収前および40℃で二酸化炭素吸収させた吸収液共に凝固しなかった。
<実施例15>
2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−プロパノールを40質量%、2−メチルアミノエタノール(MAE)を5質量%となるよう水に溶解させた以外は、実施例1と同様にして吸収液(水溶液)を調製し、実施例1と同様の装置を用い、同一条件下で二酸化炭素吸収量、二酸化炭素吸収速度、および凝固性を測定した。
吸収液中のアミノ化合物1mol当り、40℃での二酸化炭素吸収量は0.51molであり、120℃での吸収液の二酸化炭素吸収量は、アミノ化合物1mol当り0.11molであり、40℃と120℃の差とする二酸化炭素回収量は0.40molであった。二酸化炭素吸収速度は0.032mol/L/minであった。
また、二酸化炭素吸収前および40℃で二酸化炭素吸収させた吸収液共に凝固しなかった。
<実施例16>
2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−プロパノールを40質量%、2−エチルアミノエタノール(EAE)を5質量%となるよう水に溶解させた以外は、実施例1と同様にして吸収液(水溶液)を調製し、実施例1と同様の装置を用い、同一条件下で二酸化炭素吸収量、二酸化炭素吸収速度、および凝固性を測定した。
吸収液中のアミノ化合物1mol当り、40℃での二酸化炭素吸収量は0.46molであり、120℃での吸収液の二酸化炭素吸収量は、アミノ化合物1mol当り0.10molであり、40℃と120℃の差とする二酸化炭素回収量は0.36molであった。二酸化炭素吸収速度は0.029mol/L/minであった。
また、二酸化炭素吸収前および40℃で二酸化炭素吸収させた吸収液共に凝固しなかった。
<比較例1>
2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールを40質量%、ピペラジンを5質量%となるよう水に溶解させた以外は、実施例1と同様にして吸収液を調製し、実施例1と同様の装置を用い、同一条件下で二酸化炭素吸収量、二酸化炭素吸収速度、および凝固性を測定した。
吸収液中のアミノ化合物1mol当り、40℃での二酸化炭素吸収量は0.55molであり、120℃での吸収液の二酸化炭素吸収量は、アミノ化合物1mol当り0.08molであり、40℃と120℃の差とするCO回収量は0.47molであった。二酸化炭素吸収速度は0.036mol/L/minであった。
また、二酸化炭素吸収前の吸収液は凝固しなかったが、40℃で二酸化炭素吸収させた吸収液は冷蔵庫だけでなく室温(20℃程度)でも凝固した。
<比較例2>
2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−プロパノールを40質量%となるよう水に溶解させた以外は、実施例1と同様にして吸収液を調製し、実施例1と同様の装置を用い、同一条件下で二酸化炭素吸収量、二酸化炭素吸収速度、および凝固性を測定した。
吸収液中のアミノ化合物1mol当り、40℃での二酸化炭素吸収量は0.18molであり、120℃での吸収液のCO吸収量は、アミノ化合物1mol当り0.03molであり、40℃と120℃の差とする二酸化炭素回収量は0.15molであった。二酸化炭素吸収速度は0.015mol/L/minであった。
また、二酸化炭素吸収前および40℃で二酸化炭素吸収させた吸収液共に凝固しなかった。
表1に、実施例1〜16および比較例1〜2について、吸収液中アミン化合物および反応促進剤の含有量と共に、40℃での二酸化炭素吸収量、120℃での二酸化炭素吸収量、二酸化炭素回収量、および凝固性の測定結果を示す。
なお、表1中CO回収量は、吸収液に含まれるアミン化合物1mol当りの吸収量および回収量をモル数で示しただけでなく、1Lの吸収液から回収できる二酸化炭素量としてNL(ノルマルリッター)でも示した。
Figure 0006445874
表1から明らかなように、実施例1、2、4、7〜16の吸収液では、二酸化炭素回収量、および二酸化炭素吸収速度共に大きく、二酸化炭素吸収性能に優れていた。また、二酸化炭素吸収前後で冷却しても凝固しなかった。
一方、比較例1の吸収液では、二酸化炭素回収量、および二酸化炭素吸収速度共に大きかったが、二酸化炭素吸収後では、冷却せずに室温でも凝固した。
また、実施例3の吸収液のように反応促進剤濃度を大きくすると、二酸化炭素回収量、および二酸化炭素吸収速度共に大きかったが、二酸化炭素吸収前および後では冷却すると凝固した。
また、実施例5の吸収液のようにDMAPM濃度を大きくすると、二酸化炭素回収量、および二酸化炭素吸収速度共に大きかったが、二酸化炭素吸収前では冷却すると凝固した。
また、実施例6の吸収液のようにDMAPM濃度を小さくすると、二酸化炭素回収量が小さくなった。
また、比較例2の吸収液のようにヘテロ環状アミン化合物を添加しないと、二酸化炭素回収量および二酸化炭素吸収速度共に小さくなった。
以上述べた少なくともひとつの実施形態によれば、二酸化炭素等の酸性ガスの回収量が高く、さらに低温でも凝固しない、酸性ガス吸収剤、並びにこれを用いた酸性ガス除去装置および酸性ガス除去方法を提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…酸性ガス除去装置、2…吸収器、3…再生器、4…ガス供給口、5…酸性ガス吸収剤供給口、6…ガス排出口、7…熱交換器、8…加熱器、9…ポンプ、10…吸収液冷却器、11…還流ドラム、12…還流冷却器、13…回収二酸化炭素ライン、14…還流水ポンプ

Claims (3)

  1. 2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−プロパノール、2−(エチルメチルアミノ)−2−メチル−1−プロパノール、2−(ジメチルアミノ)−2−エチル−1−プロパノールおよび2−(ジエチルアミノ)−2−メチル−1−プロパノールからなる群より選ばれる少なくとも一種の第3級アルカノールアミンと、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジンおよび2,6−ジメチルピペラジンからなる群より選ばれる少なくとも一種の反応促進剤とを含有してなり、前記の第3級アルカノールアミンの含有量が20〜55質量%であり、前記の反応促進剤の含有量が1〜10質量%であることを特徴とする、酸性ガス吸収剤。
  2. 酸性ガスを含有するガスと、請求項1に記載の酸性ガス吸収剤とを接触させて、前記の酸性ガスを含むガスから酸性ガスを除去することを特徴とする、酸性ガスの除去方法。
  3. 酸性ガスを含有するガスと、請求項1に記載の酸性ガス吸収剤とを接触させ、この酸性ガス吸収剤に酸性ガスを吸収させることにより前記の酸性ガスを含有するガスから酸性ガスを除去する吸収器と、
    この酸性ガスを吸収した酸性ガス吸収剤から酸性ガスを脱離させて、この酸性ガス吸収剤を再生する再生器とを有し、
    前記の再生器で再生した前記の酸性ガス吸収剤を前記の吸収器にて再利用することを特徴とする、酸性ガス除去装置。
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