JP6444180B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

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Description

本発明は、冷蔵庫に関する。
従来、冷蔵庫の自動製氷装置で作られた氷を貯蔵する貯氷容器がある。貯氷容器は、扉に連動して貯氷容器が庫外に引き出される際に、貯氷容器の前方底部が下方に後方底部が上方に傾くようにして氷(貯蔵物)を取り出し易くする技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第4100023号公報
ところで、従来の冷蔵庫は、扉に連動した貯氷容器が扉を引き出した後に稼動し、且つ収納する際、再度動く。そのため、稼動頻度が高く、稼動部の耐久性向上のためにレール、ヒンジなどを設けるためにコストがかかる。また、貯氷容器の稼動角度の記載がない。
そこで、貯氷容器の稼動角度によっては、大きく稼動すると引き出し、収納時に容器内容物の氷が稼動時の慣性力で貯氷容器外へ飛び出す可能性がある。また、省エネ意識が高い近年、極力冷気が逃げないように扉の開け閉めをしたいニーズに対し、冷蔵庫は貯氷容器を全開にしないと稼動しないという課題があった。
本発明は上記実状に鑑み創案されたものであり、貯氷容器から氷ができた順に取り出せる使い勝手が良好な冷蔵庫の提供を目的とする。
前記課題を解決するため、第1の本発明の冷蔵庫は、給水タンクに入れられる水から自動製氷装置で氷が作られる製氷皿と、前記製氷皿内の氷を落下させて貯蔵する引き出し式の貯氷容器とを備え、前記貯氷容器の底面は、その水平面に対して手前から後方にかけて次第に高くなる5度以上5.5度以下の範囲内の傾斜角度を有している。
第2の本発明の冷蔵庫は、給水タンクに入れられる水から自動製氷装置で氷が作られる製氷皿と、前記製氷皿内の氷を落下させて貯蔵する引き出し式の貯氷容器とを備え、前記製氷皿にできた氷を前記貯氷容器内に落下させることができる最も前方の位置と最も後方の位置の少なくとも中間より後方側に前記製氷皿が配置され、前記貯氷容器の底面は、その水平面に対して手前から後方にかけて次第に高くなる5度以上5.5度以下の範囲内の傾斜角度を有している。
本発明によれば、貯氷容器から氷ができた順に取り出せる使い勝手が良好な冷蔵庫を実現できる。
本発明の実施形態に係る冷蔵庫の正面図。 冷蔵庫の庫内の構成を表す図1におけるX−X縦断面図。 冷蔵庫の庫内の構成を表す正面図。 図2のA部拡大図。 図3のB部の内部構成の拡大図。 第1のケースの貯氷容器の底面に前方から後方にかけて上方に2度の傾斜が有る貯氷容器(1)の断面図。 第2のケースの貯氷容器の底面に前方から後方にかけて上方に2度の傾斜が有り、該傾斜に反り返しが有る貯氷容器(2)の断面図。 第3のケースの貯氷容器の底面に前方から後方にかけて上方に2度の傾斜を有する傾斜面が曲面である貯氷容器(3)の断面図。 第4のケースの貯氷容器の底面に中央から前方にかけて上方に傾斜がある貯氷容器(4)の断面図。 第5のケースの貯氷容器の底面に中央から前方に溝がある貯氷容器(5)の断面図。 (a)は第6のケースの貯氷容器(6)を側方から見た透視図、(b)は第6のケースの貯氷容器(6)を前方から見た前面図、(c)は第6のケースの貯氷容器(6)の内部構成を斜め上方から見た模式図。 第7のケースの貯氷容器の底面に中央から前方に曲面がある貯氷容器(7)の断面図。 第8のケースの貯氷容器の底面に前方から後方にかけて上方に4度の傾斜を有する貯氷容器(8)の断面図。 各氷の座標より平均値と標準偏差を出した氷全体の位置平均のグラフを示す図。 古氷(白抜きで示す)と新氷(ハッチングで示す)の座標より平均値と標準偏差を出しt検定を行った氷の位置平均のグラフを示す図。 0%(前方)−19%、20−39%、40−59%、60−79%、80−100%(後方)の各範囲に古氷(白抜きで示す)と新氷(ハッチングで示す)がそれぞれ何個あったかを示す氷の位置分布のグラフを示す図。 氷を落とす位置を表わした貯氷容器と製氷皿を示す側面図。 (a)〜(e)は貯氷容器の底面の傾斜と、氷を落とす位置との関係の検証する際の手順を表わした貯氷容器を示す上面図。 氷の落下位置が前方のときの場面(c)の氷の落下位置を示す図。 氷の落下位置が前方のときの場面(d)の氷の落下位置を示す図。 氷の落下位置が前方のときの場面(e)の氷の落下位置を示す図。 氷の落下位置が前方のときの場面(d)に3度目に氷が落ちると予想される落下位置の範囲の氷の落下位置を示す図。 氷の落下位置が中方のときの場面(c)の氷の落下位置を示す図。 氷の落下位置が中方のときの場面(d)の氷の落下位置を示す図。 氷の落下位置が中方のときの場面(e)の氷の落下位置を示す図。 氷の落下位置が中方のときの場面(d)に3度目に氷が落ちると予想される落下位置の範囲の氷の落下位置を示す図。 氷の落下位置が後方のときの場面(c)の氷の落下位置を示す図。 氷の落下位置が後方のときの場面(d)の氷の落下位置を示す図。 氷の落下位置が後方のときの場面(e)の氷の落下位置を示す図。 の落下位置が後方のときの場面(d)に3度目に氷が落ちると予想される落下位置の範囲の氷の落下位置を示す図。 貯氷容器の底面の傾斜角度と貯氷容器内の貯氷の個数の変化を示すグラフ。
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明は、冷蔵庫における自動製氷装置において、できた氷から順に取り出せるように構成したものである。
<<実施形態1>>
図1は、本発明に係る実施形態の冷蔵庫の正面図であり、図2は、冷蔵庫の庫内の構成を表す図1におけるX−X縦断面図である。
実施形態の冷蔵庫1は、上方から、冷蔵室2,製氷室3,上段冷凍室4,下段冷凍室5,野菜室6とを備えて構成されている。なお、以下では、製氷室3と上段冷凍室4と下段冷凍室5を総称して冷凍室60と呼ぶことがある。
冷蔵室2は、前方側に左右に分割され観音開きで手前側に開く冷蔵室扉2a,2bを備えている。また、製氷室3,上段冷凍室4,下段冷凍室5,野菜室6は、それぞれ引き出し式の製氷室扉3a,上段冷凍室扉4a,下段冷凍室扉5a,野菜室扉6aを備えている。
なお、以下では、冷蔵室扉2a,2b,製氷室扉3a,上段冷凍室扉4a,下段冷凍室扉5a,野菜室扉6aを単に扉2a,2b,3a,4a,5a,6aと称する。
また、冷蔵庫1は、扉2a,2b,3a,4a,5a,6aの各扉の開閉状態をそれぞれ検知する扉センサ(図示せず)と、扉開放状態と判定された状態が所定時間、例えば、1分間以上継続された場合に、使用者にブザー音で報知するアラーム(図示せず),冷蔵室2や野菜室6、冷凍室60の温度設定をする温度設定器(図示せず)等を備えている。
図2に示すように、冷蔵庫1の庫外と庫内は、発泡断熱材(発泡ポリウレタン)を発泡して充填することにより形成される断熱箱体10により隔てられている。冷蔵庫1の断熱箱体10は複数の熱伝導率が低い真空断熱材25を、断熱性能向上のために実装している。
庫内は、冷蔵温度の冷蔵室2と、冷凍温度の上段冷凍室4及び製氷室3(図1参照)とが、断熱仕切壁28により隔てられている。また、冷凍温度の下段冷凍室5と、野菜の冷蔵温度の野菜室6とが、断熱仕切壁29により隔てられている。
扉2a,2bの庫内側には、飲み物、小物などを収納する複数の扉ポケット32(図2参照)が備えられている。また、冷蔵室2内は複数の棚36により鉛直方向に複数の貯蔵スペースに区画されている。
上段冷凍室4,下段冷凍室5及び野菜室6は、それぞれの室の前方に備えられる扉4a,5a,6aと一体に、収納容器4b,5b,6bがそれぞれ設けられている。収納容器4b,5b,6bは、扉4a,5a,6aの図示しない取手部に手を掛けて手前側に引き出せるようになっている。図1に示す製氷室3も同様に、扉3aと一体に貯氷容器3b(図2参照)が設けられ、貯氷容器3bは、扉3aの図示しない取手部に手を掛けて手前側に引き出せるようになっている。
<冷蔵庫1の冷却構造>
図3は、冷蔵庫の庫内の構成を表す正面図であり、冷気ダクトや吹き出し口の配置などを示す図である。図4は図2のA部拡大図である。図5は図3のB部の内部構成の拡大図である。
図2に示すように、冷却器7は下段冷凍室5の略背部に備えられた冷却器収納室8内に設けられている。冷却器7の上方に設けられた庫内送風機9により冷却器7と熱交換して冷却された空気(以下、冷却器7で冷却されてできた低温の空気を冷気と称す)が冷蔵室送風ダクト11を介して、冷蔵室2へ送られる。
また、冷気は、図3、図4に示す上段冷凍室送風ダクト12,下段冷凍室5の送風ダクトである冷気ダクト13及び図示しない製氷室送風ダクトを介して、上段冷凍室4,下段冷凍室5,製氷室3へ送られる。
また、冷気は、野菜室送風ダクト16b(図3参照)を介して、野菜室6へ送られる。冷蔵室2、冷凍室60、野菜室6の各室への送風は、それぞれ冷蔵室ダンパ20、冷凍室ダンパ50、および野菜室ダンパ40の開閉により制御されている。
本冷蔵庫1では、野菜室ダンパ40(図2参照)が下段冷凍室5と野菜室6の断熱仕切壁29より下方であって、野菜室6の後部(背部)に配置されている。そのため、野菜室6の熱で冷凍温度の影響を抑えて野菜室ダンパ40の凍結防止効果が得られる。また、野菜室6近くに、冷気を開閉制御する野菜室ダンパ40が設けられているので、野菜室6の冷気制御がきめ細かに行えるため、保湿効果が高くなる。
また、野菜室送風ダクト16bは冷凍温度帯の領域に配置されており、その終端に野菜室ダンパ40が配置される。そのため、野菜室送風ダクト16bは冷凍室60の冷熱により低温に維持された状態となるので、温度変化による結露や氷結の発生を防止することができる。ちなみに、図3の破線、図2に示すように、冷蔵室2,製氷室3,上段冷凍室4,下段冷凍室5,野菜室6の各送風ダクトは、冷蔵庫1の各室の背面側に設けられている。
風路は前後に分割されており、手前側風路が野菜室送風ダクト16b、奥側風路が冷蔵室戻りダクト16aとなっている。
具体的には、冷蔵室ダンパ20,野菜室ダンパ40が開状態、冷凍室ダンパ50が閉状態のときには、冷気は、冷却器収納室8の上部で冷蔵室2側と野菜室6側に風路が分岐して、一方は冷蔵室送風ダクト11を経て多段に設けられた吹き出し口2c(図2参照)から冷蔵室2へ送られる。他方は、野菜室送風ダクト16bを経て野菜室6背面右側上部に設けられた野菜室吹き出し口6c(図3参照)から野菜室6に流入して野菜室6を冷却する。
図3、図5に示すように、冷蔵室2の冷却を終えた後は、冷蔵室2背面右側下部に備えられた冷蔵室戻り口2dから冷蔵室戻りダクト16aを介して冷却器7の右側に設けられた冷蔵室戻り吐出口18aから冷却器収納室8に流入する。
そして、野菜室6の冷却を終えた後は、図2に示すように、断熱仕切壁29の下部前方に設けられた、野菜室戻り口6dから、野菜室戻りダクト18を介して、冷却器7の左側に設けられた野菜室戻り吐出口18aから冷却器収納室8に流入する。
図3では、冷凍室ダンパ50(図2参照)が省略されているが、冷凍室ダンパ50が開状態のとき、冷却器7で熱交換された冷気が、庫内送風機9により、図示しない製氷室送風ダクトや上段冷凍室送風ダクト12を経て吹き出し口3c,4cからそれぞれ製氷室3,上段冷凍室4へ送風される。また、図2に示すように、冷却器7で熱交換された冷気は、冷気ダクト13を経て吹き出し口5cから下段冷凍室5へ送風される。
一般に、周囲温度に対して低温の冷気は、気体分子の密度差から、上方から下方に向かう下降流を形成する。そのため、冷気は貯蔵室2の上方により多く供給することで、庫内を良好に冷却できる。図4に示すように、冷凍室ダンパ50を庫内送風機9の上方に設置することで、庫内送風機9からの送風をスムーズに、冷凍温度帯室の冷凍室60の上段に位置する製氷室3や上段冷凍室4に上部から送風できる構成である。
図5に示すように、冷蔵室2からの戻り冷気は、冷却器収納室8の側方に備えられた冷蔵室戻りダクト16aを通って、冷却器収納室8に流入する。
野菜室6からの戻り冷気は、野菜室戻り口6d(図2参照)から断熱仕切壁29の中に設けられた野菜室戻りダクト18に流入する。そして、図4に示すように、野菜室戻りダクト18に流入した野菜室6からの戻り冷気は、野菜室戻りダクト18を通って、図5に示す冷却器収納室8の下部前方に設けられる冷却器7の左側の野菜室戻り吐出口18aから、冷却器収納室8に流入する。
一方、図4に示すように、冷凍室60を冷却した冷気は、冷却器収納室8と冷凍室60を仕切る仕切板54の下部に備えられる冷凍室戻り口17を介して冷却器収納室8に流入する。
<冷却器収納室8近傍の構造>
冷却器収納室8の下方には、図4、図5に示すように、除霜ヒータ22が備えられている。除霜ヒータ22は、ガラス管ヒータであり、ガラス管の外周にはアルミニウム製の放熱フィン22aが備えられている。除霜ヒータ22の上方には、除霜水が除霜ヒータ22に滴下することを防止するために、上部カバー53が設けられている。
冷却器7及びその周辺の冷却器収納室8の壁に付着した霜が除霜ヒータ22の除霜により融解することで生じた除霜水は、冷却器収納室8の下部に備えられた樋23に流入した後に、排水管27を介して後記する機械室19に配された蒸発皿21に達する。蒸発皿21上の除霜水は、圧縮機24および機械室19内に配設される図示しない凝縮器の発熱により蒸発する。
<製氷動作>
次に、製氷の動作について説明する。
図3に示す給水タンクTに水を入れセットすることにより自動製氷機Iで氷が製氷皿idに自動的にできる。
氷は、製氷皿idから離氷する前に検氷レバー3da(図6参照)により貯氷容器3b内の氷の量を検出し、製氷皿idから離氷可能か否か検出する。詳細には、製氷皿idからの離氷に際して、検氷レバー3daを図示しないモータにより下方に向けて回動する。そして、貯氷容器3b内に氷を入れるスペースが無い場合には、検氷レバー3daが所定範囲を回動できる。
一方、氷が貯氷容器3b内に入っており、氷を貯氷容器3b内に落下させることが困難な場合には、検氷レバー3daが貯氷容器3b内の氷に当接して下方に回動できず、トルクが急上昇し、モータに流れる電流が増加する。従って、検氷レバー3daを回動させるトルクの上昇により、貯氷容器3b内に氷があり、製氷皿id(図6参照)内の自動製氷機Iで作った氷を落下させることができないことを検知できる。
こうして、貯氷容器3b内に氷を貯めるスペース(空間)があるか否か、貯氷容器3b内のスペース(空間)を、検氷レバー3daを回動させて調べる。離氷可能と判断した場合は、氷を製氷皿idから離脱し、貯氷容器3b内に氷を落とす。
<貯氷容器3bの底面3btの傾斜と、古い氷(先に取り出す氷)と新しい氷(後に取り出す氷)との位置の検証>
使用者が貯氷容器3b内の氷をできた順番に取り出せる、換言すれば古い氷を新しい氷より先に取り出せる構成を明らかにする検討を行った。検討に際しては、貯氷容器3bの底面3btの傾斜に着目した。
そこで、貯氷容器3bの底面3btの傾斜と、古い氷(先に取り出す氷)と新しい氷(後に取り出す氷)との位置の検証を、以下の第1の実験と第2の実験とで行った。
<第1の実験:貯氷容器3bの底面3btの状態と古い氷と新しい氷の位置の検証>
第1の実験として、貯氷容器3bの底面3btの状態と古い氷と新しい氷の位置の検証を行った。
以下、貯氷容器3bの底面の傾斜と、古い氷(先に取り出す氷)と新しい氷(後に取り出す氷)との位置との関係について説明する。
次の図6〜図13の8つのケースについて実験(検討)を行った。
第1のケースは、図6に示す貯氷容器3bの底面3btが前方から後方にかけて上方に2度の傾斜角がある貯氷容器3bである。これを貯氷容器(1)とする。図6は、第1のケースの貯氷容器の底面に前方から後方にかけて上方に2度の傾斜がある貯氷容器(1)の断面図である。
第2のケースは、図7に示す貯氷容器3bの底面3btが前方から後方にかけて上方に2度の傾斜があり、該傾斜に反り返し3boが有る貯氷容器3bである。これを貯氷容器(2)とする。 図7は、第2のケースの貯氷容器の底面に前方から後方にかけて上方に2度の傾斜があり、該傾斜に反り返しが有る貯氷容器(2)の断面図である。
第3のケースは、図8に示す貯氷容器3bの底面3btが前方から後方にかけて上方に2度の傾斜を有する傾斜面が曲面である貯氷容器3bである。これを貯氷容器(3)とする。図8は、第3のケースの貯氷容器の底面に前方から後方にかけて上方に2度の傾斜を有する傾斜面が曲面である貯氷容器(3)の断面図である。
第4のケースは、図9に示す貯氷容器3bの底面3btが中央から前方にかけて上方に傾斜がある貯氷容器3bである。これを貯氷容器(4)とする。図9は、第4のケースの貯氷容器の底面に中央から前方にかけて上方に傾斜がある貯氷容器(4)の断面図である。
第5のケースは、図10に示す貯氷容器3bの底面3btが中央から前方に溝3bmがある貯氷容器3bである。これを貯氷容器(5)とする。図10は、第5のケースの貯氷容器の底面に中央から前方に溝がある貯氷容器(5)の断面図である。
第6のケースは、図11に示す貯氷容器3bの底面3btが前方から後方にかけて上方に2度の傾斜があるとともに、右から左へ傾斜がある貯氷容器3bである。これを貯氷容器(6)とする。図11は、第6のケースの貯氷容器の底面に前方から後方にかけて上方に2度の傾斜があるとともに、右から左へ傾斜がある貯氷容器(6)の図である。図11(a)は、第6のケースの貯氷容器(6)を側方から見た透視図であり、図11(b)は、第6のケースの貯氷容器(6)を前方から見た前面図であり、図11(c)は、第6のケースの貯氷容器(6)の内部構成を斜め上方から見た模式図である。
第7のケースは、図12に示す貯氷容器3bの底面3btが中央から前方に曲面がある貯氷容器3bである。これを貯氷容器(7)とする。図12は、第7のケースの貯氷容器の底面に中央から前方に曲面がある貯氷容器(7)の断面図である。
第8のケースは、図13に示す貯氷容器3bの底面3btが前方から後方にかけて上方に4度の傾斜がある貯氷容器3bである。これを、貯氷容器(8)とする。図13は、第8のケースの貯氷容器の底面に前方から後方にかけて上方に4度の傾斜を有する貯氷容器(8)の断面図である。
第1のケース〜第8のケースにおいて、貯氷容器3bの底面3btの状態と古い氷と新しい氷の位置との関係の検証を行った。
以下、各貯氷容器3bをケースを表わす括弧付きの番号で示す。
図6〜図13に示すように、製氷皿idを貯氷容器3b後方の上部に配置する。まず、製氷皿idにおいて透明な水で製氷した氷(先に取り出す氷)を、製氷皿idを上下反転させて捩じって離氷させ落下させる。透明な水で製氷した氷を透明氷と称する。
そして、そのまま、貯氷容器3bの扉3bdを、前後方向(図6〜図13の矢印α)に移動させ開閉する。
次に、透明氷(先に取り出す氷)を残したまま、別に青色に着色した水で製氷した氷(後に取り出す氷)を、製氷皿idを上下反転させて捩じって離氷させ落下させる。その状態で、貯氷容器3bの扉3bdを、前後方向(図6〜図13の矢印α)に移動させて開閉する。
このときの貯氷容器3b内の氷の配置を、図6から図13の第1〜第8のケースの貯氷容器(1)〜(8)で比較した。
比較方法は、貯氷容器3b内の氷の配置を最前方を0%、最後方を100%の座標に置き換え、図14〜図16に結果を示す。
図14に、各氷の座標より平均値と標準偏差を出した氷全体の位置平均のグラフを示す。
図14より全体的に氷が前方によっているのは、図7の貯氷容器3bの底面3btが前方から後方かけて上方に2度の傾斜が有り、該傾斜に反り返し3boが有る貯氷容器(2)と、図13の貯氷容器3bの底面3btが前方から後方にかけて上方に4度の傾斜がある貯氷容器(8)である。
図15に、透明氷(以下古氷と示す)(白抜きで示す)と青い氷(以下新氷)(ハッチングで示す)の座標より平均値と標準偏差を出しt検定を行った氷の位置平均のグラフを示す。t検定で、逆転の可能性が1%未満(p<0.01)のものは、*印で示す。
図15より古氷が新氷よりも前にあるのは、図7の貯氷容器3bの底面3btが前方から後方にかけて上方に2度の傾斜が有り、該傾斜に反り返し3boが有る貯氷容器(2)と、図8の貯氷容器3bの底面3btが前方から後方にかけて上方に2度の傾斜を有する傾斜面が曲面である貯氷容器(3)と、図13の貯氷容器3bの底面3btが前方から後方にかけて上方に4度の傾斜がある貯氷容器(8)である。貯氷容器(2)、(3)、(8)は、古氷が新氷よりも前に有り、t検定で逆転の可能性が1%未満(p<0.01)の結果であった。
図16に、0%(最前方)−19%、20−39%、40−59%、60−79%、80−100%(最後方)の各範囲に古氷(白抜きで示す)と新氷(ハッチングで示す)がそれぞれ何個あったかを示す氷の位置分布のグラフを示す。
図16より、比較的古氷(白抜き)と新氷(ハッチング)が混ざっていないものは、図6の貯氷容器3bの底面3btが前方から後方にかけて上方に2度の傾斜が有る貯氷容器(1)と、図8の貯氷容器3bの底面3btが前方から後方にかけて上方に2度の傾斜を有する傾斜面が曲面である貯氷容器(3)と、図13の貯氷容器3bの底面3btが前方から後方にかけて上方に4度の傾斜がある貯氷容器(8)である。
古氷(白抜き)より新氷(ハッチング)が前方にあるのは、貯氷容器(3)、(8)であり、貯氷容器(8)の方が、貯氷容器(3)よりも古氷(白抜き)がより前方にあることが確認された。
以上の図14、図15、図16の結果より、氷が前方にあり(図14参照)、かつ古氷が新氷よりも前にあり(図15参照)、氷の混ざりにくい(図16参照)のは、図13の貯氷容器3bの底面3btが前方から後方にかけて上方に4度の傾斜がある貯氷容器(8)であることが明らかになった。
<第2の実験:貯氷容器3bの底面3btの傾斜と、氷を落とす位置との関係の検証>
次に、「新氷を落とす位置が後にある程、古氷が新氷の前に落ちやすく、傾斜が大きいほど落下後に氷の移動が少ないため、氷が混ざりにくく古氷が新氷よりも先に取り出せる」という考えに基づき、貯氷容器3bの底面3btの傾斜と、氷を落とす位置に着目し、実験を行った。
氷を落とす位置を前方、中方、後方に設定し、貯氷容器3bの底面3btの傾斜角度は、水平面に対して、0度から、手前から後方にかけて上方に10度上がるまでの各1度毎の11種類の傾斜を評価した。
<装置と条件>
室温は19℃に設定した。
氷は、古氷を透明に着色し、新氷を青色に着色し、ともに12個ずつ製氷した。製氷皿idに水を入れ、冷凍室60で凍らせて製氷を行った。
氷は、製氷皿idを回転させ、捩じって落下させた。
貯氷容器3bの底面3btの傾斜角度は、傾斜が0度から10度まで1度毎に傾斜板で傾斜を設定した。
図17は、氷を落とす位置を表わした貯氷容器と製氷皿を示す側面図である。
図17に示すように、不図示の落下装置で氷を落とす位置は、製氷皿idの後端縁id1が貯氷容器3bの後壁外面3b3から略113mm手前に配置される(従来の落下位置の)場合を前方とする。また、製氷皿idの後端縁id1が貯氷容器3bの後壁外面3b3から略73mm手前に配置される場合を中方とする。また、製氷皿idの後端縁id1が貯氷容器3bの後壁外面3b3から略7mm後方に配置される場合を後方とする。
検証は、貯氷容器3bの底面3btの傾斜を0度から10度まで1度毎に変化させる。そして、それぞれの角度において、氷の落下位置が上記の前方、中方、後方の計33条件で行った。
図18(a)〜(e)は、貯氷容器の底面の傾斜と、氷を落とす位置との関係の検証する際の手順を表わした貯氷容器を示す上面図である。
<手順>
1.傾斜板を貯氷容器3b内に設置し、氷が溶けないように貯氷容器3b内を充分冷やした。
2.透明氷(古氷)の製氷皿idを不図示の落下装置に取り付けた後、貯氷容器3bに取り付け製氷皿idを回転させて氷を落下させた(図18(a)参照)。これを、場面(a)とする。
3.透明氷(古氷)の落下位置が動かないように静かに貯氷容器3bを後方に押して閉め、貯氷容器3b内を充分冷やした。貯氷容器3bを5回開閉し(平均速度開は414.0mm/s、平均速度閉は478.4mm/s)、透明氷(古氷)の移動位置を記録した(図18(b)参照)。これを、場面(b)とする。
4.青氷(新氷)を落下させ、透明氷(古氷)と青氷(新氷)の位置を記録した(図18(c)参照)。これを、場面(c)とする。
5.青氷(新氷)、透明氷(古氷)が動かないように静かに貯氷容器3bを閉め、貯氷容器3b内を充分冷やした。貯氷容器3bを5回開閉し(平均速度開は414.0mm/s、平均速度閉は478.4mm/s)、透明氷(古氷)と青氷(新氷)の移動位置を記録した(図18(d)参照)。これを、場面(d)とする。
6.貯氷容器3bを静かに閉めた後、1回開け(平均速度開は414.0mm/s)記録した(図18(e)参照)。これを、場面(e)とする。
以上の青氷(新氷)、透明氷(古氷)が落下や移動した場面を分け、場面(a)から場面(e)と称す(図18(a)〜図18(e)参照)。
<読み取り方法>
貯氷容器3bの底面3btの手前側の壁面からの寸法s(図18(a)参照)をとる。手前側の壁面3b1での寸法sは0mmであり、後方側の壁面3b2での寸法sは340mmである。そのため、座標値が大きいほど青氷(新氷)、透明氷(古氷)が後にあることを示す。青氷(新氷)、透明氷(古氷)の略中心の座標位置を取得した。
<解析方法>
場面(a)から場面(e)ごとに、3回の試行における古氷(透明氷)と新氷(青氷)の落下位置の平均値と標準偏差を算出した。その際、最小よりの2つの値と、最大よりの2つの値を外れ値として除外した。
場面(c)から場面(e)は、古氷(透明氷)と新氷(青氷)の落下位置で、対応のないt検定を行った。
また、場面(d)の後、貯氷容器3bが手前側に引き出されず、3度面に氷が落ちた場合を考え、3度目に氷が落ちると予想される落下位置の範囲として、場面(a)の0度の氷の落下位置の平均値±標準偏差の範囲を定義した。
場面(a)の0度の氷の落下位置と、場面(d)における新氷(青氷)の落下位置で対応のないt検定を行った。
<結果>
以下の図19〜図30は、横軸を傾斜角度(度)、縦軸(mm)を氷の位置とし、傾斜角度ごとの氷の位置の平均値と標準偏差を表わしたものである。図上の白丸が古氷(透明氷)(始めに落とした氷)の平均値、白抜きバーは標準偏差である。また、図上の黒丸が新氷(青氷)(後に落とした氷)の平均値、ハッチバーは標準偏差である。
図19〜図22は、それぞれ氷の落下位置が前方のときの場面(c)、場面(d)、場面(e)、および場面(d)に3度目に氷が落ちると予想される落下位置の範囲の氷の落下位置を示す図である。
図23〜図26は、それぞれ氷の落下位置が中方のときの場面(c)、場面(d)、場面(e)、および場面(d)に3度目に氷が落ちると予想される落下位置の範囲の氷の落下位置を示す図である。
図27〜図30は、それぞれ氷の落下位置が後方のときの場面(c)、場面(d)、場面(e)、および場面(d)に3度目に氷が落ちると予想される落下位置の範囲の氷の落下位置を示す図である。
図22、図26、図30には、3度目に落ちると予想される範囲(場面(a)の0度の氷の落下位置の平均値±標準偏差)を破線で囲んで示した。
また、場面(c)から場面(e)では、新氷(青氷)と古氷(透明氷)の落下位置の平均値のt検定において、有意水準0.01%未満であったところに、**マークを付し、有意水準0.01%以上0.05%未満であったところに、*マークを付した。
氷の落下位置は、前方(図19〜図22)、中方(図23〜図26)、後方(図27〜図30)で、場面(c)から場面(e)ごとと、場面(d)に3度目に氷が落ちると予想される落下位置の範囲を加えた図22、図26、図30で示した。
場面(d)に3度目に氷が落ちると予想される落下位置の範囲を加えた図22、図26、図30については、場面(a)の0度の氷の落下位置と、場面(d)における新氷(青氷)の落下位置でのt検定の結果において、有意水準0.01%未満であったところに**マーク、有意水準0.01%以上0.05%未満であったところに*マークを帯の上部に記した。
<考察>
はじめに、場面(c)から場面(e)から、「古い氷が新しくできた氷よりも先に取り出せるか」を考察する。
古氷(透明氷)と新氷(青氷)の落下位置のt検定の結果において、新氷の落下位置と古氷の落下位置に有意差があり、かつ古氷の位置の平均値と標準偏差の幅より手前であったとき、古氷と新氷が分離していると判断することができる。
<図18(c)の場面(c)の場合>
・落下位置が前方のとき
図19より、傾斜角度が4〜10度では、古氷が新氷より手前にある。t検定の結果より傾斜角度5、6度のとき有意水準0.05%未満、8〜10度のとき有意水準0.01%未満で有意に古氷が新氷(より手前にあり、古氷と新氷とが分離していると言える。
・落下位置が中方のとき
図23より、傾斜角度が4〜10度で古氷が新氷より手前にある。t検定の結果より傾斜角度5〜10度のとき有意水準0.01%未満で有意に古氷が新氷より手前にあり、古氷と新氷とが分離していると言える。
・落下位置が後方のとき
図27より、傾斜角度が4〜10度で古氷が新氷より手前にある。t検定の結果より傾斜角度4〜10度のとき有意水準0.01%未満で有意に古氷が新氷より手前にあり、古氷と新氷とが分離していると言える。
<図18(d)の場面(d)の場合>
・落下位置が前方のとき
図20より、傾斜角度が5〜10度では、古氷が新氷より手前にある。t検定の結果より傾斜角度6、8、10度のとき有意水準0.01%未満で有意に古氷が新氷より手前にあり、古氷と新氷とが分離していると言える。
・落下位置が中方のとき
図24より、傾斜角度が5〜10度で古氷が新氷より手前にある。t検定の結果より傾斜角度6〜10度のとき有意水準0.01%未満で有意に古氷が新氷より手前にあり、古氷と新氷とが分離していると言える。
・落下位置が後方のとき
図28より、傾斜角度が4〜10度で古氷が新氷より手前にある。t検定の結果より傾斜角度4〜6、8〜10度のとき有意水準0.01%未満で有意に古氷が新氷より手前にあり、古氷と新氷とが分離していると言える。
<図18(e)の場面(e)の場合>
・落下位置が前方のとき
図21より、傾斜角度が4〜10度では、古氷が新氷より手前にある。t検定の結果より傾斜角度8、10度のとき有意水準0.01%未満で有意に古氷が新氷より手前にあり、古氷と新氷とが分離していると言える。
・落下位置が中方のとき
図25より、傾斜角度が5〜10度で古氷が新氷より手前にある。t検定の結果より傾斜角度5度のとき有意水準0.05%未満であり、傾斜角度6〜10度のとき有意水準0.01%未満で有意に古氷が新氷より手前にあり、古氷と新氷とが分離していると言える。
・落下位置が後方のとき
図29より、傾斜角度が4〜10度で古氷が新氷より手前にある。t検定の結果より傾斜角度4〜10度のとき有意水準0.01%未満で有意に古氷が新氷より手前にあり、古氷と新氷とが分離していると言える。
<図18の場面(c)、場面(d)、場面(e)の結果の考察>
図18の場面(c)、場面(d)、場面(e)の結果より、前方では8度付近、中方では5〜6度付近、後方では4度付近から10度までで、古氷が手前、新氷が奥に位置し、かつ古氷と新氷とが混ざらずに分離すると考えられる。従って、落下位置が後方になるほど少ない傾斜角度で古氷が手前、新氷が奥に位置し、かつ古氷と新氷とが混ざらずに分離していると言える。
また、図18の場面(c)において、古氷が手前、新氷が奥に位置し、かつ古氷と新氷とが混ざらずに分離していると、貯氷容器3bの開閉による氷の移動を想定した図18の場面(d)、新氷を落下させ5回開閉後に取り出すことを想定して1回だけ手前に引き出した図18の場面(e)においても、新氷と古氷の位置は近づくが古氷は手前、新氷が奥に位置し、古氷が新氷よりも取り出し易くなると考えられる。
<「3度目に落した氷が2度目に落した氷よりも奥に落ちるか」の考察>
次に、図22、図26、図30から、図18の場面(d)+3度目に氷が落ちると予想される範囲より、「3度目に落した氷が2度目に落した氷よるも奥に落ちるか」について考察する。
・落下位置が前方のとき
図22より、図18の場面(d)+3度目に氷が落ちると予想される範囲より、t検定の結果、傾斜角度が5度のとき有意水準0.05%未満で、かつ、6、8〜10度のとき有意水準0.01%未満で、予想される3度目に落下する氷が新氷より有意に奥にあると言える。
・落下位置が中方のとき
図26より、図18の場面(d)+3度目に氷が落ちると予想される範囲より、t検定の結果、傾斜角度が7度のとき有意水準0.05%未満で、かつ、4〜6、8〜10度のとき有意水準0.01%未満で、予想される3度目に落下する氷が新氷より有意に奥にあると言える。
・落下位置が後方のとき
図30より、図18の場面(d)+3度目に氷が落ちると予想される範囲より、t検定の結果、傾斜角度が4〜10度のとき有意水準0.01%未満で、予想される3度目に落下する氷が新氷より有意に奥にあると言える。
・以上の図22、図26、図30の図18の場面(d)+3度目に氷が落ちると予想される範囲より、前方では5度、中方、後方では4〜10度のとき、3度目に落とした氷が2度目に落とした氷よりも奥に落下するようになると考えられる。
<貯氷容器3bの底面3btの傾斜角度と貯氷容器3b内の貯氷の個数>
図31は、貯氷容器の底面の傾斜角度と貯氷容器内の貯氷の個数の変化を示すグラフである。
図31では、貯氷容器3bの底面3btの傾斜角度0度で何個の氷が入るかを実際に求めた。そして、貯氷容器3bの底面3btの傾斜角度に従って貯氷容器3bの容積をそれぞれ算出し、底面3btの傾斜角度毎の貯氷容器3bの容積に応じて何個の氷が入るかを算出したものである。
図31より、底面3btに1度の傾斜を付けると貯氷個数が約9個減少することが分る。
<結論>
1.氷の落下位置を後方に移動させることにより、古氷が新氷より手前にあるようにする場合、必要な貯氷容器3bの底面3btの傾斜角度が小さくできる。そのため、製氷皿idにできた氷を貯氷容器3b内に落下させることができる最も後方の位置に配置するとよい。製氷皿idにできた氷を貯氷容器3b内に落下させることができる最も後方の位置とは、製氷皿idにできた氷を貯氷容器3b内に落下させる場合、氷が貯氷容器3b外に落ちない製氷皿idの最も後方の位置を意味する。
または、製氷皿idにできた氷を貯氷容器3b内に落下させることができる最も前方の位置と最も後方の位置の少なくとも中間より後方側に製氷皿idを配置するとよい。製氷皿idにできた氷を貯氷容器3b内に落下させることができる最も前方の位置とは、製氷皿idにできた氷を貯氷容器3b内に落下させる場合、氷が貯氷容器3b外に落ちない製氷皿idの最も前方の位置を意味する。
さらに、望ましくは、製氷皿idにできた氷を貯氷容器3b内に落下させることができる最も前方の位置と最も後方の位置の距離の後方側1/3内に製氷皿idを配置するとよい。さらに、望ましくは、製氷皿idにできた氷を貯氷容器3b内に落下させることができる最も前方の位置と最も後方の位置の距離の後方側1/4内に製氷皿idを配置するとよい。
2.今回の検証により、前方(図17の製氷皿idの後端縁id1が貯氷容器3bの後壁外面3b3から略113mm手前の位置に配置)で氷を落下させる場合、貯氷容器3bの底面3btの後方にかけて上方に傾斜角度8度以上10度以下で、古氷が新氷より先に取り出せる有意な効果が得られる(図22参照)。なお、傾斜角度7.5度以上10度以下で同様なほぼ好ましい結果が得られると考えられる。
3.また、中方(図17の製氷皿idの後端縁id1が貯氷容器3bの後壁外面3b3から略73mm手前の位置に配置)で氷を落下させる場合、貯氷容器3bの底面3btの後方にかけて上方に傾斜角度5度もしくは6度以上10度以下で、古氷が新氷より先に取り出せる有意な効果が得られる(図26参照)。なお、傾斜角度4度以上10度以下で同様なほぼ好ましい結果が得られると考えられる。
4.また、後方(図17の製氷皿idの後端縁id1が貯氷容器3bの後壁外面3b3から略7mm後方の位置に配置)で氷を落下させる場合、貯氷容器3bの底面3btの後方にかけて上方に傾斜角度4以上10度以下で、古氷が新氷より先に取り出せる有意な効果が得られる(図30参照)。なお、傾斜角度3度以上10度以下で同様なほぼ好ましい結果が得られると考えられる。
5.貯氷容器3b内の貯氷個数を考慮すると、古氷が新氷より先に取り出せるには、貯氷容器3bの底面3btが後方にかけて上方に傾斜角度4度プラス・マイナス1.5度が好ましい。さらに好ましくは、傾斜角度4度プラス・マイナス1度がよい。
以上を総合的に勘案すると、製氷皿id内の氷を貯氷容器3b内に落下させる位置を考慮せず貯氷容器3b内の貯氷個数を考慮すると、古氷が新氷より先に取り出せるには、貯氷容器3bの底面3btが後方にかけて上方に傾斜角度4度プラス・マイナス1.5度が好ましい。さらに好ましくは、傾斜角度4度プラス・マイナス1度が好ましい。
上記構成によれば、扉3aと連動して貯氷容器3bを引き出す際に製氷された氷が容器の冷蔵庫正面側に移動し、製氷された順に氷を取り出すことが出来る。製氷された氷が手前に集まることで、製氷順に氷が取り出すことができ、氷の取り出しやすさが向上する。
また、古い氷の上に新しい氷が堆積しにくくなるので、長く滞留し昇華により小さくなってしまう氷ができにくくなる。
また、製氷順に氷が取り出されるので、製氷された氷が貯氷容器内に滞留する時間が短くなるもしくは均一化するので、冷気に含まれる悪臭を吸着しにくくなり、美味しい氷として消費できるようになる。そのため、まずい氷が無くなり、まずい氷を食したり、捨ててしまうことがなくなる。
また、古い氷から順番に消費されるので、衛生面が向上する。
従って、冷蔵庫1の製氷機能が向上し、貯氷容器から氷ができた順に取り出せる使い勝手が良好な冷蔵庫1を実現できる。
<<その他の実施形態>>
1.前記実施形態では、貯氷容器3bの底面3btを平面の場合を例示したが、傾斜角の曲率を有する面としてもよい。
2.前記実施形態では、貯氷容器3bの底面3btの全体に傾斜を付ける例を示したが、一部を平面として他部を所定の傾斜角度の傾斜面としてもよい。また、一部を平面として他部を所定の傾斜角度を有する曲面で形成してもよい。また、一部を所定の傾斜角度の傾斜面として、他部を所定の傾斜角度の曲面で形成してもよい。
3.なお、前記実施形態はそれぞれ独立して説明したが、実施形態で説明した各構成を適宜組み合わせて構成してもよい。
4.なお、本発明は前記した実施形態に限定されるものでなく、様々な実施形態が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分り易く説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。例えば、説明した構成の一部を含むものであってもよい。
1 冷蔵庫
3b 貯氷容器
3b3 後壁外面
I 自動製氷機(自動製氷装置)
id 製氷皿
id1 後端縁
T 給水タンク

Claims (5)

  1. 給水タンクに入れられる水から自動製氷装置で氷が作られる製氷皿と、
    前記製氷皿内の氷を落下させて貯蔵する引き出し式の貯氷容器とを備え、
    前記貯氷容器の底面は、その水平面に対して手前から後方にかけて次第に高くなる5度以上5.5度以下の範囲内の傾斜角度を有する
    ことを特徴とする冷蔵庫。
  2. 給水タンクに入れられる水から自動製氷装置で氷が作られる製氷皿と、
    前記製氷皿内の氷を落下させて貯蔵する引き出し式の貯氷容器とを備え、
    前記製氷皿は、その後端縁が前記貯氷容器の後壁外面から略113mm手前に位置するように配置される場合、
    前記貯氷容器の底面は、該貯氷容器の下面に対して手前から後方にかけて次第に高くなる7.5度以上10度以下の範囲内の傾斜角度を有する面である
    ことを特徴とする冷蔵庫。
  3. 給水タンクに入れられる水から自動製氷装置で氷が作られる製氷皿と、
    前記製氷皿内の氷を落下させて貯蔵する引き出し式の貯氷容器とを備え、
    前記製氷皿は、その後端縁が前記貯氷容器の後壁外面から略73mm手前に位置するように配置される場合、
    前記貯氷容器の底面は、該貯氷容器の下面に対して手前から後方にかけて次第に高くなる度以上10度以下の範囲内の傾斜角度を有する面である
    ことを特徴とする冷蔵庫。
  4. 給水タンクに入れられる水から自動製氷装置で氷が作られる製氷皿と、
    前記製氷皿内の氷を落下させて貯蔵する引き出し式の貯氷容器とを備え、
    前記製氷皿は、その後端縁が前記貯氷容器の後壁外面から略7mm後方に位置するように配置される場合、
    前記貯氷容器の底面は、該貯氷容器の下面に対して手前から後方にかけて次第に高くなる度以上10度以下の範囲内の傾斜角度を有する面である
    ことを特徴とする冷蔵庫。
  5. 給水タンクに入れられる水から自動製氷装置で氷が作られる製氷皿と、
    前記製氷皿内の氷を落下させて貯蔵する引き出し式の貯氷容器とを備え、
    前記製氷皿にできた氷を前記貯氷容器内に落下させることができる最も前方の位置と最も後方の位置の少なくとも中間より後方側に前記製氷皿が配置され、
    前記貯氷容器の底面は、その水平面に対して手前から後方にかけて次第に高くなる5度以上5.5度以下の範囲内の傾斜角度を有する
    ことを特徴とする冷蔵庫。
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