JP6443590B1 - 半導体基板加工用粘着テープおよび半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明によれば、基材と、前記基材の一方の面に積層された粘着層とを備え、基板と、前記基板上に配置された複数の半導体素子と、前記複数の半導体素子を封止する封止部とを備える半導体封止連結体を厚さ方向に切断して複数の半導体封止体を得る際に、前記半導体封止連結体を、前記粘着層を介して前記基材に仮固定して用いられる半導体基板加工用粘着テープであって、前記粘着層は、前記半導体封止体を当該半導体基板加工用粘着テープから剥離させる際に、前記封止部との密着性を低下させるための剥離剤を含有し、前記封止部は、エポキシ基含有化合物を含有する封止材で構成され、前記エポキシ基含有化合物は、その分子構造中に2重結合を有しており、前記剥離剤は、シリコーン系オイルあるいはフッ素系界面活性剤であることを特徴とする半導体基板加工用粘着テープを提供することができる。

Description

本発明は、半導体基板加工用粘着テープおよび半導体装置の製造方法に関する。
近年の電子機器の高機能化とモバイル用途への拡大に対応して半導体装置の高密度化、高集積化の要求が強まり、ICパッケージの大容量高密度化が進んでいる。
この半導体装置として、半導体素子を基板上に実装してモジュール化した半導体装置が挙げられる。また、この半導体装置の製造方法として、例えば、以下のような方法が提案されている。
すなわち、まず、複数の半導体素子を基板上に載置し、その後、基板上に載置された半導体素子を覆うように封止材で構成された封止部で封止することで、半導体封止連結体(半導体基板)を得る。
次いで、得られた半導体封止連結体の封止部側に半導体基板加工用粘着テープを貼付し、半導体封止連結体の周囲をウエハリングで固定する。そして、この状態を維持しつつ、ダイシングブレードを用いて半導体封止連結体を、半導体封止連結体が備える各半導体素子に対応して厚さ方向に切断(ダイシング)して切断分離(個片化)する。この結果、半導体基板加工用粘着テープ上に複数の半導体封止体が形成される。これにより、複数の半導体封止体が半導体基板加工用粘着テープ上に一括して製造される。
次いで、半導体基板加工用粘着テープを面方向に拡張するエキスパンディング工程の後、個片化により得られた半導体封止体をピックアップする。その後、バンプが、半導体封止体が備える基板に予め形成された導体ポストを介して、半導体素子が備える電極に電気的に接続されるように、このバンプを基板の下面側に形成する。これにより、半導体装置を得る。
このような半導体装置の製造に用いられる半導体基板加工用粘着テープについて、近年、種々の検討がなされている(例えば、特許文献1参照)。
この半導体基板加工用粘着テープは、一般に、基材(フィルム基材)と、この基材上に形成された粘着層とを有する。この粘着層と封止部とが接触するように、半導体封止連結体が、半導体基板加工用粘着テープに固定される。また、半導体封止連結体のダイシング工程後に形成された半導体封止体を容易にピックアップすることができるように、粘着層は、通常、粘着性を有するベース樹脂および光硬化性樹脂等を含有する樹脂組成物で構成されている。そのため、ダイシング工程後、粘着層にエネルギーが付与されると、樹脂組成物が硬化して粘着層の粘着性が低下する。その後、粘着層から半導体封止体を剥離させることで、半導体封止体をピックアップする。
ここで、上述のように、半導体装置の製造方法では、ダイシング工程時には、半導体封止連結体が半導体基板加工用粘着テープにより強固に固定されることが求められる。さらに、ダイシング工程後にエネルギーを粘着層に付与した後には、半導体封止連結体を切断することにより得られた半導体封止体を半導体基板加工用粘着テープから容易に剥離し得ること、すなわち、半導体封止体を容易にピックアップし得ることが求められる。
しかしながら、半導体封止連結体が備える封止部の封止材と、半導体基板加工用粘着テープが備える粘着層を構成する樹脂組成物との組み合わせによっては、ダイシング工程後にエネルギーを粘着層に付与したとしても、封止部に対する粘着層の粘着性を充分に低下させることができない。このため、半導体基板加工用粘着テープからの半導体封止体のピックアップを、容易に実施することができないと言う問題があった。
特開2009−245989号公報
本発明の目的は、ダイシング工程において、半導体封止連結体を強固に固定した状態で、厚さ方向に切断して複数の半導体封止体を得ることができ、かつ、ダイシング工程の後に、エネルギーを粘着層に付与することで、半導体封止体を容易にピックアップすることができる半導体基板加工用粘着テープを提供することである。また、本発明の目的は、かかる半導体基板加工用粘着テープを用いた半導体装置の製造方法を提供することである。
このような目的は、下記(1)〜(11)に記載の本発明により達成される。
(1) 基材と、前記基材の一方の面に積層された粘着層とを備え、
基板と、前記基板上に配置された複数の半導体素子と、前記複数の半導体素子を封止する封止部とを備える半導体封止連結体を厚さ方向に切断して複数の半導体封止体を得る際に、前記半導体封止連結体を、前記封止部と前記粘着層とが接触した状態で、前記粘着層を介して前記基材に仮固定して用いられる半導体基板加工用粘着テープであって、
前記粘着層は、前記半導体封止体を当該半導体基板加工用粘着テープから剥離させる際に、前記封止部との密着性を低下させるための剥離剤を含有し、
前記封止部は、エポキシ基含有化合物を含有する封止材で構成され、
前記エポキシ基含有化合物は、その分子構造中に2重結合を有しており、
前記剥離剤は、シリコーン系オイルあるいはフッ素系界面活性剤であることを特徴とする半導体基板加工用粘着テープ。
(2) 前記剥離剤は、前記シリコーン系オイルであり、
前記シリコーン系オイルは、変性シリコーンオイルである上記(1)に記載の半導体基板加工用粘着テープ。
(3) 前記粘着層は、さらに、粘着性を有するベース樹脂を含有する上記(1)または(2)に記載の半導体基板加工用粘着テープ。
(4) 前記ベース樹脂のガラス転移点が−30℃以下である上記(3)に記載の半導体基板加工用粘着テープ。
(5) 前記ベース樹脂の重量平均分子量が30万以上180万以下である上記(3)または(4)に記載の半導体基板加工用粘着テープ。
(6) 前記粘着層は、さらに、エネルギーの付与により硬化する硬化性樹脂を含有する上記(3)ないし(5)のいずれかに記載の半導体基板加工用粘着テープ。
(7) 前記粘着層の表面のヘキサデカンに対する接触角が、前記エネルギーの付与前において、20°以上である上記(6)に記載の半導体基板加工用粘着テープ。
(8) 前記粘着層の表面のヘキサデカンに対する接触角が、前記エネルギーの付与後において、10°以上である上記(6)または(7)に記載の半導体基板加工用粘着テープ。
(9) 前記粘着層の厚さが1μm以上30μm以下である上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の半導体基板加工用粘着テープ。
(10) 前記エネルギーの付与前における前記粘着層と前記封止部との粘着力が、70cN/25mm以上1000cN/25mm未満であり、
前記エネルギーの付与後における前記粘着層と前記封止部との粘着力が、60cN/25mm以上90cN/25mm未満である上記(6)ないし(9)のいずれかに記載の半導体基板加工用粘着テープ。
(11) 上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の半導体基板加工用粘着テープを用いた半導体装置の製造方法であって、
前記基板上に載置された前記複数の半導体素子を覆うように前記封止部で封止することで、前記半導体封止連結体を得る半導体封止連結体形成工程と、
前記封止部と前記粘着層とが接触するように、前記半導体封止連結体に、前記半導体基板加工用粘着テープを貼付する貼付工程と、
前記半導体封止連結体を、該半導体封止連結体が備える前記各半導体素子に対応して厚さ方向にダイシングして個片化することで、前記半導体基板加工用粘着テープ上に前記複数の半導体封止体を形成するダイシング工程と、
前記粘着層にエネルギーを付与した後に、前記各半導体封止体を前記半導体基板加工用粘着テープから剥離する剥離工程と、
バンプが、前記各半導体封止体が備える前記基板に予め形成された導体ポストを介して、前記半導体素子が備える電極に電気的に接続されるように、前記バンプを前記基板の前記半導体素子の反対側に形成するバンプ接続工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
本発明によれば、封止部を構成する封止材が、その分子構造中に2重結合を有するエポキシ基含有化合物を含有しており、封止部の低応力性が向上している。このような封止部の低応力性に起因して、封止部と粘着層との密着性が向上する。その結果、ダイシング工程において、半導体封止連結体を半導体基板加工用粘着テープに強固に固定した状態で、半導体封止連結体をその厚さ方向に切断(ダイシング)して複数の半導体封止体を得ることができる。また、粘着層が所定の剥離剤を含有しており、これにより、ダイシング工程の後に、エネルギーを粘着層に付与した際に、その分子構造中に2重結合を有するエポキシ基含有化合物を含有する封止材で構成された封止部に対しても、粘着層の粘着性を確実に低下させることができる。そのため、半導体基板加工用粘着テープからの半導体封止体のピックアップを、容易に実施することができる。
したがって、かかる半導体用基板加工用粘着テープを用いた半導体装置の製造方法を適用して製造された半導体装置は、優れた信頼性を備える。
図1は、本発明の半導体基板加工用粘着テープを用いて製造された半導体装置の一例を示す縦断面図である。 図2は、図1に示す半導体装置を、本発明の半導体基板加工用粘着テープを用いて製造する方法を説明するための縦断面図である。 図3は、図1に示す半導体装置を、本発明の半導体基板加工用粘着テープを用いて製造する方法を説明するための縦断面図である。 図4は、本発明の半導体基板加工用粘着テープの実施形態を示す縦断面図である。 図5は、図4に示す半導体基板加工用粘着テープを製造する方法を説明するための縦断面図である。
以下、本発明の半導体基板加工用粘着テープおよび半導体装置の製造方法について詳細に説明する。
まず、本発明の半導体用基板加工用粘着テープを説明するのに先立って、本発明の半導体用基板加工用粘着テープを用いて製造された半導体装置、すなわち、本発明の半導体装置の製造方法を適用して製造された半導体装置について説明する。
<半導体装置>
図1は、本発明の半導体基板加工用粘着テープを用いて製造された半導体装置の一例を示す縦断面図である。なお、以下の説明では、図1中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図1に示す半導体装置20は、厚さ方向に貫通して配置された導体ポスト(図示せず)を備えるインターポーザー25(基板)と、インターポーザー25上に配置された半導体素子26と、半導体素子26を封止する封止材で構成される封止部27(モールド部)と、導体ポストに電気的に接続された配線23と、配線23に電気的に接続されたバンプ21と、配線23を被覆し、かつバンプ21を露出させるように設けられた被覆部22とを有している。
インターポーザー25は、半導体素子26を支持する基板であり、その平面視形状は、通常、正方形、長方形等の四角形とされる。このインターポーザー25には、その厚さ方向に貫通する複数の貫通孔(図示せず)が形成され、この貫通孔に対応して導体ポストが設けられている。
半導体素子26は、その下面側に電極パッドを有する。半導体素子26は、電極パッドが導体ポストに対応するように、インターポーザー25上に配置される。配置される半導体素子26の数は、特に限定されないが、本実施形態では、1つである。
かかる位置に半導体素子26が配置された状態で、封止材で構成される封止部27は、半導体素子26およびインターポーザー25の上面側を被覆するように形成されている。
インターポーザー25の貫通孔に対応して形成された導体ポストは、その上側の端部で、半導体素子26が備える電極パッドと電気的に接続される。
また、インターポーザー25の下面には、所定形状に形成された配線23が設けられ、配線23の一部が導体ポストの下側の端部と電気的に接続される。
さらに、配線23の下面には、球状体をなすバンプ21が電気的に接続されており、これにより、半導体素子26とバンプ21とが、電極パッド、導体ポストおよび配線23を介して電気的に接続される。また、バンプ21をその下側から露出させるための開口部221を備える被覆部22が配線23を被覆するようにインターポーザー25の下面側に設けられている。
なお、本実施形態では、半導体装置20は、半導体素子26を1つ備えるが、かかる構成に限定されない。例えば、半導体装置は、2つ以上の半導体素子26を備えていてもよいし、半導体素子26とは異なる電子部品をさらに備えていてもよい。
かかる構成の半導体装置は、例えば、本発明の半導体基板加工用粘着テープを用いた以下のような製造方法(本発明の半導体装置の製造方法)により製造される。
<半導体装置の製造方法>
図2、図3は、図1に示す半導体装置を、本発明の半導体基板加工用粘着テープを用いて製造する方法を説明するための縦断面図である。なお、以下の説明では、図2中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
[1]まず、図2(a)に示すような、平板状をなすシート材25’を用意した後、このシート材25’上に複数の半導体素子26を配置(載置)する(図2(b)参照。;配置工程)。
なお、このシート材25’(基板)は、予め形成された複数の貫通孔(図示せず)を備え、さらに、これら貫通孔に対応して埋設された導体ポスト(図示せず)を備える。この導体ポストは、半導体素子26をシート材25’上に配置させた際に、半導体素子26が備える電極パッド(端子)が対応する位置に形成されている。すなわち、シート材25’の貫通孔に対応して設けられた導体ポストの数は、シート材25’上に配置される複数の半導体素子26が備える電極パッドの総数と同じである。
また、シート材25’は、その厚さ方向に切断(ダイシング)して個片化することにより、半導体装置20が有するインターポーザー25(基板)となり、半導体素子26を支持する機能を発揮する。
このシート材25’は、半導体素子26を支持し得る程度の硬度を有していればよく、特に限定されないが、例えば、コア材で構成されるコア基板、ビルドアップ材で構成されるビルドアップ基板のようなリジット基板(硬性基板)またはフレキシブル基板(可撓性基板)の何れであってもよい。これらの中でも、特に、ビルドアップ基板であるのが好ましい。ビルドアップ基板は、特に、加工性に優れることから好ましく用いられる。
ビルドアップ基板は、特に限定されないが、例えば、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂と、硬化剤と、無機充填材とを含有する樹脂組成物等の硬化物を主材料として構成される。
なお、コア基板は、特に限定されないが、例えば、主として、シアネート樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂のような熱硬化性樹脂等で構成される。
さらに、フレキシブル基板は、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミドベンゾオキサゾール(PIBO)、液晶ポリマーのような熱可塑性樹脂等で構成される。
また、シート材25’上に半導体素子26を配置する際、半導体素子26は、シート材25’が備える導体ポストの位置に、それぞれ、半導体素子26が有する電極パッドが対応するように、シート材25’上に配置される。その結果、シート材25’上において所望する位置(形成すべき半導体装置20が備える半導体素子26が配置されるべき位置)に半導体素子26が配置される。
なお、半導体素子26は、シート材25’上に固定されていても固定されていなくてもよいが、エポキシ系接着剤等の接着剤(アンダーフィル材)により固定されているのが好ましい。これにより、次工程[2]において、半導体素子26を封止部27で封止する際に、半導体素子26の位置ずれが生じてしまうのを効果的に防止することができる。
[2]次に、シート材25’の上面側、すなわち複数の半導体素子26が配置されている側の面を、シート材25’と半導体素子26とを覆うように封止部27を形成する(図2(c)参照。;封止部形成工程)。
これにより、シート材25’(基板)上に配置された複数の半導体素子26がシート材25’の上面側において、封止材で構成された封止部27により封止された半導体封止連結体270(半導体基板)が得られる。
封止部27を形成する方法としては、特に限定されないが、例えば、顆粒状のエポキシ樹脂組成物のような熱硬化性樹脂組成物を封止材として用意し、この熱硬化性樹脂組成物を溶融させた状態で、シート材25’、半導体素子26を覆うようにシート材25’の上面に供給した後、溶融状態とした熱硬化性樹脂組成物を圧縮成形する方法が挙げられる。かかる方法によれば、半導体素子26をシート材25’上において容易かつ高密度に封止部27で封止することができる。
なお、前記工程[1]および本工程[2]により、複数の半導体素子を基板上に載置し、その後、基板上に載置された半導体素子を覆うように封止材で構成された封止部で封止することで、半導体封止連結体を得る半導体封止連結体形成工程が構成される。
ここで、封止材の構成材料について具体的に説明する。封止材は、熱硬化性樹脂組成物(例えば、顆粒状のエポキシ樹脂組成物)であり、その分子構造中に2重結合を有するエポキシ基含有化合物を含有している。具体的に、顆粒状のエポキシ樹脂組成物は、その構成材料として、エポキシ樹脂と、このエポキシ樹脂とは異なり、その分子構造中に2重結合を有するエポキシ基含有化合物を含有する。これにより、封止部27の低応力性、高耐湿性および速硬化性の向上を図ることができる。
エポキシ樹脂としては、例えば、1分子内にエポキシ基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般であり、その分子量および分子構造は特に限定されない。具体的には、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂等の結晶性エポキシ樹脂;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;フェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレン骨格含有ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂等のフェノールアラルキル型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂等の3官能型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、テルペン変性フェノール型エポキシ樹脂等の変性フェノール型エポキシ樹脂;トリアジン核含有エポキシ樹脂等の複素環含有エポキシ樹脂等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、エポキシ樹脂組成物は、その構成材料として、上述したエポキシ樹脂とは異なるエポキシ基含有化合物を含有している。
このエポキシ基含有化合物は、その分子構造中に2重結合を有し、1分子内にエポキシ基を1個以上有する化合物である。このようなエポキシ基含有化合物としては、例えば、エポキシ基含有ポリブタジエン(エポキシ化ポリブタジエン)、エポキシ基含有スチレン−ブタジエンブロックコポリマー、エポキシ基含有アクリル樹脂、エポキシ基含有シランカップリング剤等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、オレフィン2重結合(エチレン結合)を有するエポキシ基含有化合物が好ましく、エポキシ基含有ポリブタジエンであることがより好ましい。これにより、封止部27の低応力性、高耐湿性および速硬化性の向上を確実に図ることができる。
なお、このエポキシ基含有ポリブタジエンは、例えば、下記一般式(1)で表される。
Figure 0006443590
[前記一般式(1)中、mおよびnは、それぞれ独立して、2以上の整数を表す。]
また、前記一般式(1)中、mおよびnは、それぞれ独立して、2以上の整数であれば良いが、mが4〜11、m+nが16〜43であることが好ましく、mが8〜11、m+nが35〜43であることがより好ましい。
さらに、エポキシ樹脂組成物は、その構成材料として、硬化剤を含有しているのが好ましい。
硬化剤は、エポキシ樹脂と反応して硬化させることができればよく、特に限定されない。硬化剤としては、例えば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の炭素数2〜20の直鎖脂肪族ジアミン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、パラキシレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジシクロヘキサン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルメタン、1,5−ジアミノナフタレン、メタキシレンジアミン、パラキシレンジアミン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン、ジシアノジアミド等のアミノ類;アニリン変性レゾール樹脂やジメチルエーテルレゾール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;フェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂、ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂等のフェノールアラルキル樹脂;ナフタレン骨格やアントラセン骨格のような縮合多環構造を有するフェノール樹脂;ポリパラオキシスチレン等のポリオキシスチレン;ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)等の脂環族酸無水物、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)等の芳香族酸無水物等を含む酸無水物等;ポリサルファイド、チオエステル、チオエーテル等のポリメルカプタン化合物;イソシアネートプレポリマー、ブロック化イソシアネート等のイソシアネート化合物;カルボン酸含有ポリエステル樹脂等の有機酸類が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、エポキシ樹脂組成物は、その構成材料として、無機充填材を含有していてもよい。
無機充填材としては、特に限定されず、例えば、溶融破砕シリカ、溶融球状シリカ、結晶シリカ、2次凝集シリカ等のシリカ;アルミナ;チタンホワイト;水酸化アルミニウム;タルク;クレー;マイカ;ガラス繊維等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特に溶融球状シリカが好ましい。また、粒子形状は限りなく真球状であることが好ましい。
また、エポキシ樹脂組成物は、その構成材料として、硬化促進剤を含有しているのが好ましい。
硬化促進剤としては、特に限定されず、例えば、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等のジアザビシクロアルケン及びその誘導体;トリブチルアミン、ベンジルジメチルアミン等のアミン系化合物;2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物;トリフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン等の有機ホスフィン類;テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラ安息香酸ボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラナフトイックアシッドボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラナフトイルオキシボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラナフチルオキシボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート;ベンゾキノンをアダクトしたトリフェニルホスフィン等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、エポキシ樹脂組成物は、上記の構成材料の他に、必要に応じて、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のカップリング剤;カーボンブラック等の着色剤;天然ワックス、合成ワックス、高級脂肪酸もしくはその金属塩類、パラフィン、酸化ポリエチレン等の離型剤;シリコーンオイル、シリコーンゴム等の低応力剤;ハイドロタルサイト等のイオン捕捉剤;水酸化アルミニウム等の難燃剤;酸化防止剤等の各種添加剤を含有していてもよい。
[3]次に、基材4と、基材4に積層された粘着層2とを有する半導体基板加工用粘着テープ100(以下、単に「粘着テープ100」ということもある。)を用意する。それから、図2(d)に示すように、半導体封止連結体270を反転させて、半導体封止連結体270の封止材で構成される封止部27側と、粘着テープ100の粘着層2側とを対向させた状態にして、粘着テープ100に、半導体封止連結体270(半導体基板)を積層(貼付)する(貼付工程)。すなわち、封止部27と粘着層2を接触させるように、粘着テープ100に、半導体封止連結体270を貼付する。
この半導体封止連結体270への粘着テープ100の貼付は、例えば、図示しないダイサーテーブルの上に、粘着テープ100を設置し、半導体封止連結体270の封止部27側の面を、粘着層2の上に置き、軽く押圧することにより行うことができる。なお、粘着テープ100に半導体封止連結体270を予め貼着した後に、ダイサーテーブルに設置しても良い。
ここで、半導体封止連結体270に貼付する粘着テープ100(ダイシングテープ)は、粘着層2を介して基材4により半導体封止連結体270を支持する機能とともに、粘着層2にエネルギーを付与することで、粘着層2の半導体封止連結体270に対する粘着性が低下する機能を有する。
[4]次に、粘着テープ100が貼付された半導体封止連結体270を、例えば、ウエハリング等を用いて固定する。その後、ダイシングブレード(ダイシングソー)を用いて、半導体封止連結体270が備える半導体素子26毎に対応して、半導体封止連結体270を厚さ方向に切断(ダイシング)して、凹部62を形成する(切断工程(ダイシング工程);図2(e)参照)。すなわち、半導体封止連結体270において、形成すべき半導体装置20毎に対応する部分(位置)がダイシングされ、その位置に凹部62が形成される。
これにより、半導体封止連結体270が、半導体素子26毎に対応して個片化され、その結果、粘着テープ100上に複数の半導体封止体290が貼付された状態で形成される。
このように、粘着テープ100上に複数の半導体封止体290が一括して形成されることから、この半導体封止体290から後工程を経ることで得られる、半導体装置20の生産性の向上が図られる。
なお、この際、半導体封止連結体270の切断時に生じる切削屑(粉塵)が飛散するのを防止すること、さらには、半導体封止連結体270(半導体素子26)が不必要に加熱されるのを抑制することを目的に、半導体封止連結体270には切削水を供給しつつ、半導体封止連結体270が切断される。
また、この際、粘着テープ100は、緩衝作用を有しており、半導体封止連結体270を切断する際の割れ、欠け等を防止する機能を発揮する。
さらに、ブレードを用いた半導体封止連結体270の切断は、本実施形態では、図2(e)に示すように、基材4の厚さ方向に、基材4の途中に到達するまで実施される。これにより、半導体封止連結体270の個片化、すなわち、半導体封止体290の形成を確実に実施することができる。
[5]次に、粘着テープ100が備える粘着層2にエネルギーを付与することで、粘着層2の半導体封止体290に対する粘着性を低下させる。
これにより、次工程[6]において、粘着層2と半導体封止体290との間で剥離が生じる状態とする。
粘着層2にエネルギーを付与する方法としては、特に限定されないが、例えば、粘着層2にエネルギー線を照射する方法、粘着層2を加熱する方法等が挙げられる。これらの中でも、粘着層2にエネルギー線を照射する方法が好ましく、特に、粘着層2にエネルギー線を粘着テープ100の基材4側から照射する方法が好ましい。
かかる方法は、半導体素子26が不要な熱履歴を経る必要がなく、また、粘着層2に対して比較的簡単に効率よくエネルギーを付与することができるので、エネルギーを付与する方法として好適に用いられる。
また、エネルギー線としては、例えば、紫外線、電子線、イオンビームのような粒子線等が挙げられ、これらのエネルギー線を2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、特に、紫外線を用いるのが好ましい。紫外線によれば、粘着層2の半導体装置20に対する粘着性を効率よく低下させることができる。
[6]次に、半導体封止体290から粘着テープ100を剥離する。
この粘着テープ100の剥離は、例えば、粘着テープ100を図示しないエキスパンド装置で放射状に伸ばして、個片化により得られた半導体封止体290を一定の間隔に開く(エキスパンディング工程;図2(f)参照。)。その後、この半導体封止体290を、ニードル等を用いて突き上げた状態とし、この状態で、真空コレットまたはエアピンセットによる吸着等によりピックアップする(ピックアップ工程;図3(a)参照。)。これにより、粘着テープ100が備える粘着層2と、半導体封止体290が備える封止材で構成される封止部27との間で剥離が生じる。
この本工程[6]における、半導体封止体290のピックアップの際に、粘着テープ100として本発明の半導体用基板加工用粘着テープを用いることで、以下に示すような効果を発揮し得る。すなわち、前述したように、封止部27を構成する封止材は、その分子構造中に2重結合を有するエポキシ基含有化合物を含有しており、封止部27の低応力性が向上している。このような封止部27の低応力性に起因して、封止部27と粘着層2との密着性が向上する。一方、粘着層2には、後述するように、シリコーン系オイルあるいはフッ素系界面活性剤である剥離剤(撥油剤)が含まれている。そのため、前記工程[5]における、粘着層2に対するエネルギーの付与により、粘着テープ100の半導体封止体290に対する粘着性、すなわち、半導体封止体290が備える封止部27と、粘着テープ100が備える粘着層2との密着性を確実に低下させることができる。その結果、本工程[6]において、半導体封止体290から粘着テープ100を、封止部27に汚染および糊残りが生じることなく容易に剥離させることができるが、その詳細な説明は後に行うこととする。
なお、前記工程[5]および本工程[6]により、粘着層にエネルギーを付与した後に、半導体封止体から半導体基板加工用粘着テープを剥離する剥離工程が構成される。
[7]次に、図3(b)に示すように、半導体封止体290のインターポーザー25側に、配線23を形成する(配線形成工程)。すなわち、インターポーザー25の半導体素子26とは反対の面側(下面側)に、導体ポストに電気的に接続するように、所定形状にパターニングされた配線23を形成する(配線形成工程)。
この配線23を形成する方法としては、特に限定されず、例えば、I:電解メッキ法、無電解メッキ法のようなメッキ法を用いて配線23を形成する方法、II:導電性材料を含有する液状材料を半導体封止体290のインターポーザー25側の面に供給し乾燥・固化することにより配線23を形成する方法等が挙げられる。これらの中でも、Iの方法が好ましく、特に電解メッキ法を用いて配線23を形成するのが好ましい。電解メッキ法によれば、導体ポストに対して、優れた密着性を発揮する配線23を容易かつ確実に形成することができる。
なお、本工程[7]における、配線23の形成は、形成する半導体装置の構成によっては、省略することもできる。
[8]次に、図3(c)に示すように、半導体封止体290のインターポーザー25側、すなわちインターポーザー25の半導体素子26とは反対の面側(下面側)に、配線23の一部が露出するように、開口部221を備える被覆部22を形成する(被覆部形成工程)。
なお、この開口部221は、次工程[9]において、バンプ21を形成する位置に対応するように形成される。
このような、被覆層は、通常、主としてNiで構成される下層上に、主としてAuで構成される上層を積層した積層体で構成され、例えば、無電解メッキ法を用いて形成される。
また、本工程[8]における、被覆部22の形成は、形成する半導体装置の構成によっては、省略することもできる。
[9]次に、図3(d)に示すように、開口部221から露出する配線23に電気的に接続するようにバンプ21を形成する(バンプ接続工程)。
これにより、導体ポストと配線23とを介して、半導体素子26が備える電極に電気的に接続されたバンプ21がインターポーザー25の下面側に形成される。
ここで、導体ポストと配線23とを介した、前記電極とバンプ21との電気的な接続を、上記の通り、配線23を介在させて行う構成とすることにより、バンプ21を、インターポーザー25の面方向において、導体ポストとは異なる位置に配置することができる。換言すれば、バンプ21と導体ポストとの中心部が重ならないように、これらを配置することができる。したがって、得られる半導体装置20における下面の所望の位置にバンプ21を形成することができる。
このバンプ21を配線23に接合する方法としては、特に限定されないが、例えば、バンプ21と配線23との間に、粘性を有するフラックスを介在させることにより行われる。
また、バンプ21の構成材料としては、例えば、半田、銀ろう、銅ろう、燐銅ろうのようなろう材等が挙げられる。
以上のような工程を経ることで、半導体装置20が製造される。
このような半導体装置20の製造方法によれば、前記工程[2]において得られた1つの半導体封止連結体270から、前記工程[3]、[4]を経ることで、複数の半導体封止体290を粘着テープ100上に一括して製造することができ、前記工程[5]〜[9]を繰り返して実施することで、1つの半導体封止連結体270から複数の半導体装置20を製造することができるため、半導体封止連結体270から得られる半導体装置20の生産性の向上が図られる。
以下、このような半導体装置20の製造方法に用いられる半導体基板加工用粘着テープ100(本発明の半導体基板加工用粘着テープ)について説明する。
<半導体基板加工用粘着テープ>
図4は、本発明の半導体基板加工用粘着テープの実施形態を示す縦断面図である。なお、以下の説明では、図4中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
半導体基板加工用粘着テープ100は、図4に示すように基材4と、この基材4の上面(一方の面)に積層された粘着層2とを備え、インターポーザー25上に配置された複数の半導体素子26がその分子構造中に2重結合を有するエポキシ基含有化合物を含有する封止材で構成される封止部27により封止された半導体封止連結体270を厚さ方向に切断して複数の半導体封止体290を得る際に、この半導体封止連結体270を、粘着層2を介して基材4に仮固定して用いられる。粘着層2は、半導体封止体290を粘着テープ100から剥離させる際に、半導体封止体290と粘着テープ100との密着性(すなわち封止部27と粘着層2との密着性)を低下させるための剥離剤を含有し、この剥離剤が、シリコーン系オイルあるいはフッ素系界面活性剤であることを特徴とする。
このように、粘着テープ100が備える粘着層2には、所定の剥離剤(撥油剤)が含まれている。そのため、前記工程[5]における、粘着層2に対するエネルギーの付与により、粘着テープ100の半導体封止体290に対する粘着性、すなわち、半導体封止体290が備える封止部27と、粘着テープ100が備える粘着層2との密着性を確実に低下させることができる。その結果、前記工程[6]において、半導体封止体290をピックアップする際に、半導体封止体290から粘着テープ100を、封止部27に汚染および糊残りが生じることなく容易に剥離させることができる。
以下、このような粘着テープ100(ダイシングテープ)が有する、基材4および粘着層2について詳述する。
なお、粘着テープ100は、粘着層2にエネルギーを付与することで、粘着層2の半導体封止連結体270(封止部27)に対する粘着性が低下する機能を有する。このような粘着層2にエネルギーを付与する方法としては、粘着層2にエネルギー線を照射する方法および粘着層2を加熱する方法等が挙げられる。これらの中でも、半導体素子26が不要な熱履歴を経る必要がないことから、粘着層2にエネルギー線を照射する方法が好適に用いられる。そのため、以下では、粘着層2について、エネルギー線の照射により前記粘着性が低下する場合を代表に説明する。
<基材4>
基材4は、本実施形態では、上面側に位置する切込層41と、この切込層41の下面に積層された拡張層42とを有する積層体により構成され、この基材4上に設けられた粘着層2を支持する機能を有している。
このように、基材4を、切込層41と拡張層42(エキスパンド層)とを備える積層体とすることで、前記工程[4]において、ダイシングブレードにより基材4を切断する際に、切削屑が発生するのを低減することができ、かつ、前記工程[6]において、エキスパンド装置を用いて粘着テープ100をエキスパンドする際に、エキスパンド性に優れた基材4を提供することができる。
そのため、以下では、基材4が切込層41と拡張層42とを備える積層体で構成される場合を代表に説明する。
<<切込層41>>
切込層41は、切込層41と拡張層42とを備える積層体において、前記工程[4]の際に、ダイシングブレードにより、厚さ方向にその途中まで切り込まれる層である。
そして、この切込層41は、この切り込みの際に、切削屑の発生が低減されていることが求められる。
すなわち、前記工程(ダイシング工程)[4]において、半導体封止連結体270を切削する際、ダイシングブレードと粘着テープ100との間には摩擦熱が発生する。そのため、ダイシングブレードとの接触部は、高温に晒され、基材4が溶融状態となる。したがって、溶融した樹脂がダイシングブレード表面にまとわりついて目つまりを起こし正常なダイシングが阻害されたり、溶融し軟らかくなった基材4がダイシングブレードの回転に引っ張られ伸長したりすることにより、前記工程[4]において基材ヒゲが発生する一因であると考えられる。そのため、ダイシングブレードにより切り込まれる切込層41としては、その溶融粘度を高くして、ダイシング時に摩擦熱が発生した状況下でもダイシングブレードに樹脂がまとわりつくことがなく、切削屑の発生が著しく低下されていることが求められる。
また、切込層41は、前記工程[6]において、エキスパンド装置を用いて放射状にエキスパンドされることから、基材4の面方向に対するエキスパンド性(拡張性)を有することが求められる。
以上のことから、切込層41は、溶融粘度が高く、かつ、拡張性を有する樹脂材料を含有することが好ましい。これにより、前記工程[4]におけるダイシング時に、摩擦熱が発生したとしても、ダイシングブレードに樹脂がまとわりつくのを的確に抑制または防止することができる。このため、切削屑の発生を著しく低下させることができるとともに、切込層41が常温で比較的柔軟となる。したがって、前記工程[6]において、エキスパンド装置で放射状に粘着テープ100をエキスパンドした際に、切込層41のエキスパンド性を向上させることができる。
また、溶融粘度が高く、かつ、拡張性を有する樹脂材料としては、例えば、アイオノマー樹脂、EMMA(エチレン−メタクリル酸共重合体)、EMA(エチレン−アクリル酸メチル共重合体)、EEA(エチレン−エチルアクリル酸共重合体)などのエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体およびEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、アイオノマー樹脂が好ましい。これにより、ダイシングブレードを切込層41に切り込ませる際に、切削屑ひいては基材ヒゲの発生を的確に抑制または防止することができる。また、エキスパンド装置で放射状に粘着テープ100をエキスパンドした際に、切込層41のエキスパンド性を向上させることができるとともに、切込層41の可視光の透過性をより向上させることができる。
なお、本明細書中において、アイオノマー樹脂とは、エチレンおよび(メタ)アクリル酸を重合体の構成成分とする2元共重合体や、エチレン、(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸エステルを重合体の構成成分とする3元共重合体を、金属イオンで架橋した樹脂であり、これらのうちの1種または2種を組み合わせて用いることができる。
また、前記金属イオンとしては、例えば、カリウムイオン(K)、ナトリウムイオン(Na)、リチウムイオン(Li)、マグネシウムイオン(Mg++)、亜鉛イオン(Zn++)等が挙げられる。これらの中でも、前記金属イオンとしては、亜鉛イオン(Zn++)であることが好ましい。これにより、アイオノマー樹脂における架橋構造が安定化されるため、ダイシング屑を出難くすることができ、また、耐水性が高いことから、ダイシング時の切削水によって、切込層41が膨張するのを的確に抑制することができる。
さらに、エチレンおよび(メタ)アクリル酸を重合体の構成成分とする2元共重合体、もしくは、エチレン、(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸エステルを重合体の構成成分とする3元共重合体のカルボキシル基における陽イオン(金属イオン)による中和度は、好ましくは40mol%以上75mol%以下である。なお、アイオノマー樹脂は、合成することにより得てもよいが、市販品を用いることもできる。
また、アイオノマー樹脂は、前述した樹脂のうち、エチレン、(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸アルキルエステルを重合体の構成成分とする3元共重合体を、金属イオンで架橋した樹脂であることが好ましい。すなわち、アイオノマー樹脂として、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを重合体の構成成分として含有することが好ましい。これにより、切込層41に適度な柔軟性および優れた加工性を付与することができる。さらに、切込層41の可視光の透過性をより向上させることができる。
さらに、アイオノマー樹脂の融点は80℃以上であることが好ましい。これにより切込層41の耐熱性の向上が図られる。なお、アイオノマー樹脂の融点の上限値は特に限定されないが、実質的には100℃程度である。
また、アイオノマー樹脂は、JIS K 7210「熱可塑性プラスチックの流れ試験方法」に示される試験方法における試験温度190℃、試験荷重21.18Nでのメルトフローレート(MFR)が3g/10min以下であることが好ましい。これにより、切込層41の溶融粘度を高くすることができ、その結果として、粘着テープ100の切込層41における切削屑の発生を的確に抑制することができる。なお、アイオノマー樹脂のMFRの下限値は、特に限定されないが、実質的には0.8g/10minである。
さらに、切込層41は、アイオノマー樹脂を含む場合、アイオノマー樹脂とは異なる他の樹脂材料を含有してもよい。
かかる樹脂材料としては、特に限定されず、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレンのようなポリエチレン、ランダム共重合ポリプロピレン、ブロック共重合ポリプロピレン、ホモポリプロピレンのようなポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、等のポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル(ランダム、交互)共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体等のオレフィン系共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトンのようなポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、セルロース系樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリプロピレン系熱可塑性エラストマーのようなオレフィン系熱可塑性エラストマー、アクリル樹脂、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリビニルイソプレン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂や、これらの熱可塑性樹脂の混合物が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、切込層41は、前記樹脂材料の他に、酸化防止剤等の添加剤、フィラー等を含有していてもよい。
切込層41のアイオノマー樹脂の含有率は、60重量%以上100重量%以下であることが好ましく、80重量%以上100重量%以下であることがより好ましい。前記下限値以上であることにより、上述した切込層41としての機能を確実に発揮させることができる。
このような切込層41は、JIS K 7127に準拠して測定される80℃における破断伸度が50%以上350%以下であることが好ましく、100%以上200%以下であることがより好ましい。80℃における破断伸度が前記範囲内である切込層41を、溶融粘度が高く、ダイシングブレードにより切り込む際に、切削屑の発生が低減されている層と言うことができる。
さらに、切込層41は、IPC TM−650 2.4.19に準拠して測定される引張り弾性率が70MPa以上400MPa以下であることが好ましく、100MPa以上300MPa以下であることがより好ましい。引張り弾性率が前記範囲内である切込層41は、拡張性に優れ、粘着テープ100をエキスパンド装置により放射状に伸ばす際の切込層41における破断の発生が低減されている層である。
また、切込層41の厚さは、ダイシングブレードによる切込層41への切り込みの深さ(以下、「切込み量」ともいう。)よりも厚いことが好ましい。具体的には、切込層41の厚さは、好ましくは10μm以上140μm以下、より好ましくは20μm以上120μm以下である。これにより、前記工程[4]において、半導体封止連結体270を切削する際に、基材4の途中まで切削するが、この時、切込層41を単独で切削することができるため、この切削により生じる切削屑の低減が図られる。この場合、切込層41の厚さは、粘着テープ100全体の厚さに対して、好ましくは60%以上90%以下、より好ましくは60%以上80%以下の厚さに設定される。
なお、切込層41は、その表面に、粘着層2に含まれる構成材料と反応性を有する、ヒドロキシル基、アミノ基のような官能基が露出していることが好ましい。
また、切込層41は、異なる前記樹脂材料で構成される層を複数積層した積層体(多層体)で構成されていてもよい。さらに、前記樹脂材料をドライブレンドしたブレンドフィルムで構成されていてもよい。
<<拡張層42>>
拡張層42は、切込層41と拡張層42とを備える積層体において、前記工程[4]の際に、ダイシングブレードにより切り込まれることなく、前記工程[6]において、エキスパンド装置を用いて放射状にエキスパンドされる層である。
そのため、拡張層42は、基材4の面方向に対するエキスパンド性(拡張性)に優れることが求められることから、拡張層42は、拡張性を有する樹脂材料が好ましく用いられる。
このような拡張性を有する樹脂材料としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレンのようなポリエチレン系樹脂、EMMA(エチレン−メタクリル酸共重合体)、EMA(エチレン−アクリル酸メチル共重合体)、EEA(エチレン−エチルアクリル酸共重合体)などのエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)、およびオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー等の各種エラストマー等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ポリエチレン系樹脂であることが好ましい。これにより、エキスパンド装置で放射状に粘着テープ100をエキスパンドした際に、拡張層42のエキスパンド性をより向上させることができる。
なお、本明細書中において、低密度ポリエチレンとは、密度が0.880g/cm以上0.940g/cm未満のポリエチレンのことを言う。かかる低密度ポリエチレンは、その密度が前記範囲内であればよいが、中でも、0.910g/cm以上0.930g/cm以下であることが特に好ましい。なお、かかる範囲内の密度を有する低密度ポリエチレンとは、エチレンモノマーを高圧法により重合して得られる、長鎖分岐(分岐鎖長は特に限定されない)を有するポリエチレン、いわゆる「低密度ポリエチレン」や「超低密度ポリエチレン」と称されるポリエチレン、およびエチレンと炭素数が3〜8のα−オレフィンモノマーとを低圧法により重合して得られる「直鎖状低密度ポリエチレン」(この場合の短鎖分岐の長さは炭素数1〜6)と称されるポリエチレン、さらには上記密度範囲に包含される「エチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー」の総称として定義される。
なお、低密度ポリエチレンの密度は、JIS K 7112に準拠して測定し得る。
また、低密度ポリエチレンの融点は、90℃以上140℃以下であることが好ましく、110℃以上130℃以下であることがより好ましい。低密度ポリエチレンの融点が、かかる範囲内であることにより、拡張層42を優れた耐熱性を備え、かつ、常温における剛性を低くすることが可能であることから、より優れたエキスパンド性を備える拡張層42を提供することができる。
ここで、切込層41に好ましく含まれるアイオノマー樹脂は、エチレンおよび(メタ)アクリル酸を重合体の構成成分とする2元共重合体や、エチレン、(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸エステルを重合体の構成成分とする3元共重合体を、金属イオンで架橋した樹脂であり、モノマー成分としてエチレンを含む。
また、前記拡張層42に好ましく含まれる低密度ポリエチレンは、モノマー成分がエチレンである。
このように、切込層41がアイオノマー樹脂を含み、拡張層42が低密度ポリエチレンを含む場合、切込層41および拡張層42は、ともにエチレンをモノマー成分として含むこととなる。そのため、粘着テープ100において、切込層41と拡張層42との間での分子間相互作用の効果により、切込層41と拡張層42との間の密着性が向上することから、これらの間で、層間剥離が生じるのを的確に抑制または防止することができる。
さらに、拡張層42は、低密度ポリエチレンを含む場合、低密度ポリエチレンとは異なる他の樹脂材料を含有してもよい。
かかる樹脂材料としては、特に限定されず、例えば、直鎖状ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレンのようなポリエチレン、ランダム共重合ポリプロピレン、ブロック共重合ポリプロピレン、ホモポリプロピレンのようなポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、等のポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、亜鉛イオン架橋体、ナトリウムイオン架橋体のようなアイオノマー、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル(ランダム、交互)共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体等のオレフィン系共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトンのようなポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、セルロース系樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリプロピレン系熱可塑性エラストマーのようなオレフィン系熱可塑性エラストマー、アクリル樹脂、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリビニルイソプレン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂や、これらの熱可塑性樹脂の混合物が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、拡張層42は、前記樹脂材料の他に、酸化防止剤等の添加剤、フィラー等を含有していてもよい。
さらに、拡張層42は、帯電防止剤を含有することが好ましい。これにより、前記工程(貼付(テープマウント)工程)[3]、前記工程(ダイシング工程)[4]および、前記工程(ピックアップ工程)[6]における、半導体装置20が備える半導体素子26での静電気の発生が的確に抑制または防止される。
この帯電防止剤としては、特に限定されないが、例えば、界面活性剤、永久帯電防止高分子(IDP)、金属材料、金属酸化物材料および炭素系材料等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらのうち界面活性剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤等が挙げられる。
永久帯電防止高分子(IDP)としては、例えば、ポリエステルアミド系列、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステルアミド、ポリウレタン系列等の全てのIDPを用いることができる。
また、金属材料としては、金、銀、銅または銀コート銅、ニッケル等が挙げられ、これらの金属粉が好ましく用いられる。
金属酸化物材料としては、インジウムティンオキサイド(ITO)、インジウムオキサイド(IO)、アンチモンティンオキサイド(ATO)、インジウムジンクオキサイド(IZO)、酸化スズ(SnO)等が挙げられ、これらの金属酸化物粉が好ましく用いられる。
さらに、炭素系材料としては、カーボンブラック、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブのようなカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、CNナノチューブ、CNナノファイバー、BCNナノチューブ、BCNナノファイバー、グラフェン等が挙げられる。
これらの中でも、帯電防止剤としては、界面活性剤、永久帯電防止高分子(IDP)、金属酸化物材料およびカーボンブラックのうちの少なくとも1種であることが好ましい。これらの帯電防止剤は、抵抗率の温度依存性が小さいことから、半導体封止連結体270をダイシングする際に、基材4が加熱されたとしても、拡張層42の表面抵抗値の変化量を小さくすることができる。
拡張層42に帯電防止剤が含まれる場合、拡張層42における帯電防止剤の含有率は5重量%以上40重量%以下であることが好ましく、15重量%以上30重量%以下であることがより好ましい。帯電防止剤の含有量が前記下限値未満であると、帯電防止剤の種類によっては、拡張層42に帯電防止性能を十分に付与できないおそれがある。また、帯電防止剤の含有量が前記上限値を超えると、さらなる帯電防止機能の付与が得難いばかりか、コストの増加にも影響し得る。
さらに、拡張層42中における低密度ポリエチレンの含有率は、40重量%以上100重量%以下であることが好ましく、60重量%以上100重量%以下であることがより好ましい。前記下限値以上であることにより、上述した拡張層42としての機能を確実に発揮させることができる。また、切込層41との密着性に優れた拡張層42を提供することができる。
また、拡張層42は、IPC TM−650 2.4.19に準拠して測定される引張り弾性率が30MPa以上300MPa以下であることが好ましく、100MPa以上200MPa以下であることがより好ましい。引張り弾性率が前記範囲内である拡張層42は、拡張性に優れ、粘着テープ100をエキスパンド装置により放射状に伸ばす際の拡張層42における破断の発生が低減されている層である。
さらに、拡張層42の厚さは、7μm以上95μm以下であることが好ましく、15μm以上80μm以下であることがより好ましい。これにより、前記工程[6]において、粘着テープ100を引き延ばした際に、拡張層42において破断が生じない程度の強度を拡張層42に確実に付与することができる。この場合、拡張層42の厚さは、粘着テープ100全体の厚さに対して、好ましくは40%以上95%以下、より好ましくは60%以上80%以下に設定される。
なお、拡張層42は、異なる前記樹脂材料で構成される層を複数積層した積層体(多層体)で構成されていてもよい。
以上のような構成をなす基材4は、JIS K 7361−1に規定された方法に準拠して測定された、D65標準光源における全光線透過率が85%以上98%以下となっているのが好ましく、90%以上98%以下となっているのがより好ましく、95%以上98%以下となっているのがさらに好ましい。これにより、優れた透光性を有する粘着テープ100を提供することができる。そのため、前記工程[4]の半導体封止連結体270の個片化により形成された半導体封止体290について、欠陥品が発生した場合であっても、その欠陥品を、前記工程[6]以降に移行するのを的確に防止することができる。
また、この基材4の厚さは、例えば、20μm以上220μm以下であるのが好ましく、40μm以上200μm以下であるのがより好ましい。基材4の厚さがこの範囲内であると、半導体封止連結体270をダイシングする際の半導体封止連結体270への衝撃を保護(緩和)して、半導体封止連結体270のダイシングを、優れた作業性により実施することができる。
なお、基材4は、本実施形態で説明したような、切込層41と拡張層42との積層体である場合に限定されず、例えば、切込層41および拡張層42のうちのいずれか一方が省略された単層体であってもよい。
<粘着層>
粘着層2は、前記工程[4]において、半導体封止連結体270をダイシングする際に、半導体封止連結体270を粘着して支持する機能を有している。また、この粘着層2は、前述したように、エネルギーの付与により半導体封止連結体270の封止部27への粘着性が確実に低下する。これにより、前記工程[6]において、半導体封止体290を、粘着層2すなわち粘着テープ100から容易に剥離させることができ、封止部27に汚染および糊残りが生じることを防止することができる。
特に、本発明では、粘着層2は、シリコーン系オイルあるいはフッ素系界面活性剤である剥離剤を含有している。これにより、粘着層2は、前記工程[6]において、半導体封止体290を粘着テープ100から剥離させる際に、半導体封止体290と粘着テープ100との間の密着性(封止部27と粘着層2と密着性)を低下させる機能をより顕著に発揮し得る。
かかる機能を備える粘着層2は、(1)粘着性を有するベース樹脂と、(2)粘着層2を硬化させる硬化性樹脂と、(5)前記工程[6]において、半導体封止体290と粘着テープ100との間の密着性を低下させるための剥離剤と、を主材料として含有する樹脂組成物で構成される。
以下、樹脂組成物に含まれる各成分について、順次、詳述する。
(1)ベース樹脂
ベース樹脂は、粘着性を有し、粘着層2へのエネルギー線の照射前に、半導体封止連結体270に対する粘着性を粘着層2に付与して、粘着テープ100に半導体封止連結体270を強固に固定するために、樹脂組成物中に含まれる。
このようなベース樹脂としては、アクリル系樹脂(粘着剤)、シリコーン系樹脂(粘着剤)、ポリエステル系樹脂(粘着剤)、ポリ酢酸ビニル系樹脂(粘着剤)、ポリビニルエーテル系樹脂(粘着剤)、スチレン系エラストマー樹脂(粘着剤)、ポリイソプレン系樹脂(粘着剤)、ポリイソブチレン系樹脂(粘着剤)またはウレタン系樹脂(粘着剤)のような粘着層成分として用いられる公知のベース樹脂が挙げられる。これらの中でも、アクリル系樹脂を用いることが好ましい。アクリル系樹脂は、耐熱性に優れ、また、比較的容易かつ安価に入手できることから、ベース樹脂として好ましく用いられる。
アクリル系樹脂のベースポリマーは、(メタ)アクリル酸エステルをモノマー主成分とするポリマー(ホモポリマーまたはコポリマー)である。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシルのような(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルのような(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸フェニルのような(メタ)アクリル酸アリールエステル等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルのうちの少なくとも1種を(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして含有することが好ましい。これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、特に、耐熱性に優れ、また、比較的容易かつ安価に入手できる。
アクリル系樹脂は、凝集力、耐熱性等の改質等を目的として、必要に応じて、ポリマーを構成するモノマー成分として、上述した(メタ)アクリル酸エステルの他に、共重合性モノマーを含むことができる。
このような共重合性モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシルのようなヒドロキシル基含有モノマー、(メタ)アクリル酸グリシジルのようなエポキシ基含有モノマー、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸のようなカルボキシル基含有モノマー、無水マレイン酸、無水イタコン酸のような酸無水物基含有モノマー、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドのようなアミド系モノマー、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルのようなアミノ基含有モノマー、(メタ)アクリロニトリルのようなシアノ基含有モノマー、エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、イソブチレンのようなオレフィン系モノマー、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンのようなスチレン系モノマー、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル系モノマー、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルのようなビニルエーテル系モノマー、塩化ビニル、塩化ビニリデンのようなハロゲン原子含有モノマー、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルのようなアルコキシ基含有モノマー、N−ビニル−2−ピロリドン、N−メチルビニルピロリドン、N−ビニルピリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾール、N−ビニルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、N−(メタ)アクリロイルモルホリン等の窒素原子含有環を有するモノマー等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これら共重合性モノマーの含有量は、アクリル系樹脂を構成する全モノマー成分に対して、40重量%以下であることが好ましく、10重量%以下であることがより好ましい。
また、共重合性モノマーは、アクリル系樹脂を構成するポリマーにおける主鎖の末端に含まれていてもよいし、その主鎖中に含まれていてもよく、さらには、主鎖の末端と主鎖中との双方に含まれていてもよい。
さらに、共重合性モノマーには、ポリマー同士の架橋等を目的として、多官能性モノマーが含まれていてもよい。
多官能性モノマーとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルジ(メタ)アクリレート、ヘキシルジ(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、エチレン−酢酸ビニルコポリマーおよび酢酸ビニルポリマー等も、共重合性モノマー成分として用いることができる。
なお、このようなアクリル系樹脂(ポリマー)は、単一のモノマー成分または2種以上のモノマー成分の混合物を重合させることにより生成させることができる。また、これらモノマー成分の重合は、例えば、溶液重合方法、乳化重合方法、塊状重合方法、懸濁重合方法等の重合方法を用いて実施することができる。
以上、説明したモノマー成分を重合することにより得られるアクリル系樹脂としては、炭素−炭素二重結合を、側鎖、主鎖中または主鎖の末端に有しているアクリル系樹脂(「二重結合導入型アクリル系樹脂」と言うこともある。)であることが好ましい。アクリル系樹脂が二重結合導入型アクリル系樹脂である場合には、後述する硬化性樹脂の添加を省略したとしても、得られる粘着層2に、上述した粘着層2としての機能を発揮させることができる。
このような二重結合導入型アクリル系樹脂としては、アクリル系樹脂を構成するポリマー内の側鎖のうち、1/100以上の側鎖のそれぞれに、炭素−炭素二重結合を1個有している二重結合導入型アクリル系樹脂(「二重結合側鎖導入型アクリル系樹脂」と言うこともある。)であることが好ましい。このように、炭素−炭素二重結合を、アクリル系樹脂の側鎖に導入することは、分子設計の点からも有利である。なお、この二重結合側鎖導入型アクリル系樹脂は、主鎖中や、主鎖の末端にも、炭素−炭素二重結合を有していてもよい。
このような二重結合導入型アクリル系樹脂の合成方法(すなわち、アクリル系樹脂に炭素−炭素二重結合を導入する方法)としては、特に限定されず、例えば、次のような方法が挙げられる。まず、共重合性モノマーとして官能基を有するモノマーを用いて共重合して、官能基を含有するアクリル系樹脂(「官能基含有アクリル系樹脂」と言うこともある。)を合成する。その後、官能基含有アクリル系樹脂中の官能基と反応し得る官能基と、炭素−炭素二重結合とを有する化合物(「炭素−炭素二重結合含有反応性化合物」と言うこともある。)を、官能基含有アクリル系樹脂に、炭素−炭素二重結合のエネルギー線硬化性(エネルギー線重合性)を維持した状態で、縮合反応または付加反応させる。これにより、二重結合導入型アクリル系樹脂を合成することができる。
なお、アクリル系樹脂に炭素−炭素二重結合を、全側鎖のうちの1/100以上の側鎖に導入する際の制御手段としては、例えば、官能基含有アクリル系樹脂に縮合反応または付加反応させる化合物である炭素−炭素二重結合含有反応性化合物の含有量を適宜調節することにより行う方法等が挙げられる。
また、官能基含有アクリル系樹脂に炭素−炭素二重結合含有反応性化合物を縮合反応または付加反応させる際には、触媒を用いることにより、前記反応を効果的に進行させることができる。このような触媒としては、特に制限されないが、ジラウリン酸ジブチルスズのようなスズ系触媒が好ましく用いられる。このスズ系触媒の含有量としては、特に制限されないが、例えば、官能基含有アクリル系樹脂100重量部に対して0.05重量部以上1重量部以下であることが好ましい。
また、官能基含有アクリル系樹脂における官能基Aおよび炭素−炭素二重結合含有反応性化合物における官能基Bとしては、例えば、カルボキシル基、酸無水物基、ヒドロキシル基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基、アジリジン基等が挙げられる。さらに、官能基含有アクリル系樹脂における官能基Aと、炭素−炭素二重結合含有反応性化合物における官能基Bとの組み合わせとしては、例えば、カルボン酸基(カルボキシル基)とエポキシ基との組み合わせ、カルボン酸基とアジリジル基との組み合わせ、ヒドロキシル基とイソシアネート基との組み合わせ、ヒドロキシル基とカルボキシル基との組み合わせ等の各種の組み合わせが挙げられ、これらの中でも、ヒドロキシル基とイソシアネート基との組み合わせであることが好ましい。これにより、これら官能基A、B同士の反応追跡を容易に行うことができる。
さらに、これらの官能基A、Bの組み合わせにおいて、何れの官能基が、官能基含有アクリル系樹脂の官能基Aまたは炭素−炭素二重結合含有反応性化合物の官能基Bとなっていてもよいが、例えば、ヒドロキシル基とイソシアネート基との組み合わせの場合、ヒドロキシル基が、官能基含有アクリル系樹脂における官能基Aとなっており、イソシアネート基が、炭素−炭素二重結合含有反応性化合物における官能基Bとなっていることが好ましい。
この場合、官能基含有アクリル系樹脂を構成する官能基Aを有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸のようなカルボキシル基を有するもの、無水マレイン酸、無水イタコン酸のような酸無水物基を有するもの、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、ビニルアルコール、アリルアルコール、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、プロピレングリコールモノビニルエーテル、ジプロピレングリコールモノビニルエーテルのようなヒドロキシル基を有するもの、(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテルのようなエポキシ基を有するもの等が挙げられる。
また、官能基Bを有する炭素−炭素二重結合含有反応性化合物としては、イソシアネート基を有する例として、例えば、(メタ)アクリロイルイソシアネート、(メタ)アクリロイルオキシメチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルイソシアネート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルイソシアネート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルイソシアネート、m−プロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等が挙げられ、エポキシ基を有する例として、(メタ)アクリル酸グリシジル等が挙げられる。
なお、アクリル系樹脂は、ヒドロキシル基やカルボキシル基(特に、ヒドロキシル基)のような、架橋剤や光重合開始剤に対して反応性を有する官能基(反応性官能基)を有していることが好ましい。これにより、架橋剤や光重合開始剤がポリマー成分であるアクリル樹脂に連結するため、粘着層2からこれら架橋剤や光重合開始剤が漏出することを的確に抑制または防止することができる。その結果、前記工程[5]におけるエネルギー線照射時に、粘着層2の半導体封止連結体270に対する粘着性がより確実に低下される。
また、このようなベース樹脂は、そのガラス転移点が−20℃以下であることが好ましく、−50℃未満であることがより好ましい。ここで、本発明では、粘着層2へエネルギー線を照射した後に、前記工程[6]において、半導体封止体290を粘着テープ100から剥離させる際に、半導体封止体290と粘着テープ100との間の密着性を低下させるために、粘着層2に所定の剥離剤を含有している。このように粘着層2に剥離剤を含有していたとしても、ベース樹脂のガラス転移点が前記上限値を有することにより、粘着層2へのエネルギー線の照射前において、粘着層2に優れた粘着性を発揮させることができる。そのため、前記工程[4]において、半導体封止連結体270をダイシングする際に、半導体封止連結体270を粘着テープ100により確実に固定することができる。
さらに、ベース樹脂の重量平均分子量は、好ましくは30万以上180万以下に設定され、より好ましくは40万以上160万以下に設定され、さらに好ましくは50万以上120万以下に設定される。ベース樹脂の重量平均分子量を前記範囲内に設定することにより、粘着層2へのエネルギー線の照射前において、粘着層2中に、剥離剤が含まれていたとしても、粘着層2に優れた粘着性を発揮させることができる。さらに、前記工程[4]において、半導体封止連結体270をダイシングする際に、半導体封止連結体270等が汚染されるのを的確に抑制または防止することができる。
(2)硬化性樹脂
硬化性樹脂は、例えば、エネルギー線の照射により硬化する硬化性を備える。この硬化によってベース樹脂が硬化性樹脂の架橋構造に取り込まれた結果、粘着層2の粘着力(粘着性)が低下する。
さらに、本発明では、粘着層2に所定の剥離剤が含まれ、ベース樹脂が硬化性樹脂の硬化によって硬化性樹脂の架橋構造に取り込まれることに起因して、粘着層2の表面に剥離剤が漏出する。かかる観点からも、粘着層2の粘着力の低下が図られる。
このような硬化性樹脂としては、例えば、紫外線、電子線等のエネルギー線の照射によって三次元架橋可能な重合性炭素−炭素二重結合を、官能基として少なくとも2個以上分子内に有する低分子量化合物が用いられる。具体的には、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレートのような(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル化物、エステルアクリレートオリゴマー、2−プロペニル−ジ−3−ブテニルシアヌレート等の炭素−炭素二重結合含有基を有しているシアヌレート系化合物、トリス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、2−ヒドロキシエチルビス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ビス(2−アクリロキシエチル)2−[(5−アクリロキシヘキシル)−オキシ]エチルイソシアヌレート、トリス(1,3−ジアクリロキシ−2−プロピル−オキシカルボニルアミノ−n−ヘキシル)イソシアヌレート、トリス(1−アクリロキシエチル−3−メタクリロキシ−2−プロピル−オキシカルボニルアミノ−n−ヘキシル)イソシアヌレート、トリス(4−アクリロキシ−n−ブチル)イソシアヌレートのような炭素−炭素二重結合含有基を有しているイソシアヌレート系化合物、市販のオリゴエステルアクリレート、芳香族系、脂肪族系等のウレタンアクリレート等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、官能基数が6官能以上であるオリゴマーが含まれることが好ましく、官能基数が15官能以上であるオリゴマーが含まれることがより好ましい。これにより、エネルギー線の照射により硬化性樹脂をより確実に硬化させることができる。また、このような硬化性樹脂は、ウレタンアクリレートであることが好ましい。これにより、粘着層2に適度な柔軟性を付与することができるため、ピックアップ時の糊割れを抑制できるという効果が得られる。
なお、このウレタンアクリレートは、特に限定されないが、例えば、ポリエステル型またはポリエーテル型等のポリオール化合物と、多価イソシアナート化合物(例えば、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、1,3−キシリレンジイソシアナート、1,4−キシリレンジイソシアナート、ジフェニルメタン4,4−ジイソシアナート等)を反応させて得られる末端イソシアナートウレタンプレポリマーに、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等)を反応させて得られる。
また、硬化性樹脂には、特に限定されないが、重量平均分子量の異なる2つ以上の硬化性樹脂が混合されているのが好ましい。このような硬化性樹脂を利用すれば、エネルギー線照射による樹脂の架橋度を容易に制御することができ、前記工程[6]における半導体封止体290(半導体素子26)のピックアップ性を向上させた粘着テープ100を提供することができる。また、このような硬化性樹脂として、例えば、第1の硬化性樹脂と、第1の硬化性樹脂よりも重量平均分子量が大きい第2の硬化性樹脂との混合物等が用いられてもよい。
硬化性樹脂を、第1の硬化性樹脂と、第2の硬化性樹脂との混合物とする場合、第1の硬化性樹脂の重量平均分子量は、100〜1000程度であることが好ましく、200〜500程度であることがより好ましい。また、第2の硬化性樹脂の重量平均分子量は、1000〜30000程度であることが好ましく、1000〜10000程度であることがより好ましく、2000〜5000程度であることがさらに好ましい。さらに、第1の硬化性樹脂の官能基数は、1〜5官能基であることが好ましく、第2の硬化性樹脂の官能基数は、6官能基以上であることが好ましい。かかる関係を満足することにより、前記効果をより顕著に発揮させることができる。
硬化性樹脂は、ベース樹脂100重量部に対して5重量部以上500重量部以下で配合されることが好ましく、10重量部以上300重量部以下で配合されることがより好ましく、20重量部以上200重量部以下で配合されることがさらに好ましい。上記のように硬化性樹脂の配合量を調整することによって、前記工程[6]における半導体封止体290(半導体素子26)のピックアップ性に優れた粘着テープ100を提供することができる。
なお、この硬化性樹脂の樹脂組成物中への添加は、前述したアクリル系樹脂として、二重結合導入型アクリル系樹脂を用いた場合、すなわち、炭素−炭素二重結合を、側鎖、主鎖中または主鎖の末端に有しているアクリル系樹脂を用いた場合には、省略するようにしてもよい。これは、アクリル系樹脂が二重結合導入型アクリル系樹脂である場合には、エネルギー線の照射により、二重結合導入型アクリル系樹脂が備える炭素−炭素二重結合の機能によって、粘着層2が硬化し、これにより、粘着層2の粘着力が低下することによる。
(3)光重合開始剤
また、粘着層2は、エネルギー線の照射により半導体封止連結体270に対する粘着性が低下するものであるが、エネルギー線として紫外線等を用いる場合には、硬化性樹脂には、硬化性樹脂の重合開始を容易とするために光重合開始剤を含有することが好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α’−ジメチルアセトフェノン、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ミヒラーズケトン、アセトフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)−フェニル]−2−モルホリノプロパン−1、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジル、ベンゾイン、ジベンジル、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン、2−ナフタレンスルホニルクロリド、1−フェノン−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、4,4'−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、o−アクリルオキシベンゾフェノン、p−アクリルオキシベンゾフェノン、o−メタクリルオキシベンゾフェノン、p−メタクリルオキシベンゾフェノン、p−(メタ)アクリルオキシエトキシベンゾフェノン、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリラート、1,2−エタンジオールモノ(メタ)アクリラート、1,8−オクタンジオールモノ(メタ)アクリラートのようなアクリラートのベンゾフェノン−4−カルボン酸エステル、チオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジクロロチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン、アゾビスイソブチロニトリル、β−クロールアンスラキノン、カンファーキノン、ハロゲン化ケトン、アシルホスフィノキシド、アシルホスフォナート、ポリビニルベンゾフェノン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−エチルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、これらの中でも、ベンゾフェノン誘導体およびアルキルフェノン誘導体であることが好ましい。これらの化合物は、分子中に反応性官能基として水酸基を備え、この反応性官能基を介して、ベース樹脂や硬化性樹脂に連結することができ、光重合開始剤としての機能をより確実に発揮させることができる。
光重合開始剤は、ベース樹脂100重量部に対して0.1重量部以上50重量部以下で配合されることが好ましく、0.5重量部以上10重量部以下で配合されることがより好ましい。上記のように光重合開始剤の配合量を調整することによって、好適なピックアップ性を有する粘着テープ100を提供することができる。
(4)架橋剤
さらに、硬化性樹脂には、架橋剤が含まれていてもよい。架橋剤が含まれることで、硬化性樹脂の硬化性の向上が図られる。
架橋剤としては、特に限定されないが、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、尿素樹脂系架橋剤、メチロール系架橋剤、キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤、多価金属キレート系架橋剤、酸無水物系架橋剤、ポリアミン系架橋剤、カルボキシル基含有ポリマー系架橋剤等が挙げられる。これらの中でもイソシアネート系架橋剤が好ましい。
イソシアネート系架橋剤としては、特に限定されないが、例えば、多価イソシアネートのポリイソシアネート化合物およびポリイソシアネート化合物の三量体、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られる末端イソシアネート化合物の三量体または末端イソシアネートウレタンプレポリマーをフェノール、オキシム類等で封鎖したブロック化ポリイソシアネート化合物等が挙げられる。
また、多価イソシアネートとして、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’−〔2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン〕ジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも2,4−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートおよびヘキサメチレンジイソシアネートから成る群より選択される少なくとも1種の多価イソシアネートが好ましい。
架橋剤は、ベース樹脂100重量部に対して0.01重量部以上50重量部以下で配合されることが好ましく、5重量部以上50重量部以下で配合されることがより好ましい。上記のように架橋剤の配合量を調整することによって、好適なピックアップ性を有する粘着テープ100を提供することができる。
(5)剥離剤
さらに、粘着層2を構成する樹脂組成物には、本発明では、シリコーン系オイルあるいはフッ素系界面活性剤である剥離剤が含まれている。そのため、粘着層2に対するエネルギー線の照射により、半導体封止体290と粘着テープ100との間の密着性を低下させることができる。
ここで、かかる剥離剤が粘着層2に含まれることによる効果について詳述する。前記工程[5]において、粘着層2にエネルギーを付与することに起因する硬化性樹脂の硬化により、粘着層2の表面に剥離剤が漏出されることとなる。このような粘着層2の表面における剥離剤の漏出により、封止部27と粘着層2との界面における、これらの構成材料同士間での相互作用が低下する。その結果、半導体封止体290と粘着テープ100との間の密着性が確実に低下する。したがって、前記工程[6]において、半導体封止体290から粘着テープ100を、封止部27に汚染および糊残りが生じることなく、容易に剥離させることができるようになる。
前述したように、封止部27を構成する封止材が、エポキシ樹脂とは異なるエポキシ基含有化合物として、その分子構造中に2重結合を有するエポキシ基含有化合物を含有している。このため、封止部27と粘着層2との界面における、封止部27の構成材料と粘着層2の構成材料との相互作用は、高くなる傾向を示す。このように、その分子構造中に2重結合を有するエポキシ基含有化合物を含有する封止材で構成される封止部27に対しても、上記の通り、粘着層2に所定の剥離剤が含まれることで、前記工程[5]における粘着層2に対するエネルギーの付与後において、半導体封止体290と粘着テープ100との間の密着性(粘着層2における封止部27に対する粘着力)を確実に低下させることができる。
このような効果は、その分子構造中に2重結合を有するエポキシ基含有化合物を含有する封止材で構成された封止部27に対しての、エネルギー付与前後の粘着層2の粘着力によって、確認することができる。具体的には、エネルギーの付与前における粘着層2と封止部27との粘着力は、70cN/25mm以上1000cN/25mm未満であることが好ましく、200cN/25mm以上1000cN/25mm未満であることがより好ましい。一方、エネルギーの付与後における粘着層2と封止部27との粘着力は、60cN/25mm以上90cN/25mm未満であることが好ましく、5cN/25mm以上60cN/25mm未満であることがより好ましい。これらの粘着力の測定方法は、実施例で詳述する。
また、エネルギー付与前後の粘着層2の粘着力が次の関係を満たしていることが好ましい。すなわち、エネルギーの付与前における粘着層2と封止部27との粘着力をAとし、エネルギーの付与後における粘着層2と封止部27との粘着力をBとしたとき、A−Bが、110cN/25mm〜940cN/25mmの範囲であることが好ましく、140cN/25mm〜920cN/25mmの範囲であることがより好ましい。
剥離剤(撥油性材料)は、シリコーン系オイルあるいはフッ素系界面活性剤の他に、その機能(すなわち、粘着層2の表面に漏出することで、封止部27と粘着層2との界面において、これらの構成材料同士での相互作用を低下させ得ること)を制限しない範囲で、その他の材料を含んでいてもよい。例えば、剥離剤は、フッ素系材料、フッ素原子を備えるカップリング剤、等のうちの1種または2種以上を含むことができる。
これらのうちフッ素系材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)のようなフッ素系有機材料、フッ化チタン酸カリウム、ケイフッ化カリウム、フッ化ジルコン酸のようなフッ素系無機材料等が挙げられる。
また、フッ素原子を備えるカップリング剤としては、例えば、トリデカフルオロ−1,トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
さらに、フッ素系界面活性剤は、ペルフルオロアルキルスルホン酸(CF(CFSOH;nは、1以上の整数)、ペルフルオロアルキルカルボン酸(CF(CFCOOH;nは、1以上の整数)、または、フッ素テロマーアルコール(F(CF)nCHCHOH;nは、1以上の整数)であることが好ましい。
また、シリコーン系オイルは、ジメチルシリコーンオイル(ポリシロキサン)、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の直鎖状シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル等の変性シリコーンオイル等であることが好ましい。
これらの中でも、フッ素系界面活性剤としては、ペルフルオロアルキルスルホン酸であることが好ましい。さらに、シリコーン系オイルとしては、変性シリコーンオイルであることが好ましい。
剥離剤としてシリコーン系オイル(特に、変性シリコーンオイル)を用いることにより、エネルギー線の照射により硬化性樹脂が硬化することで、ベース樹脂が硬化性樹脂の架橋構造に取り込まれた結果、粘着層2の粘着力が低下した際に、この架橋構造からシリコーン系オイルが染み出すようになる。その結果、粘着層2の表面に剥離剤が漏出し、これに起因して、半導体封止体290と粘着テープ100との間の密着性がより確実に低下する。
また、剥離剤としてフッ素系界面活性剤を用いることにより、エネルギー線の照射前において、粘着層2による粘着力を優れた粘着強度で維持しつつ、エネルギー線の照射後には、この粘着力を確実に低下させることができる。そのため、エネルギー線の照射前では、半導体封止体290と粘着テープ100とを優れた密着力で固定し、これに対して、エネルギー線の照射後では、半導体封止体290と粘着テープ100との間の密着性を確実に低下させることができる。
また、粘着層2中、すなわち樹脂組成物中における、剥離剤の含有量は、剥離剤の種類によっても若干異なるが、例えば、0.01重量%以上1.0重量%以下であることが好ましく、0.05重量%以上0.5重量%以下であることがより好ましい。剥離剤の含有量が前記下限値未満であると、剥離剤の種類によっては、硬化性樹脂を硬化させた際に、粘着層2の表面に十分量の剥離剤を漏出させることができず、半導体封止体290と粘着テープ100との間の密着力を低下させることが困難となるおそれがある。また、剥離剤の含有量が前記上限値を超えると、剥離剤の種類によっては、エネルギーの付与前後における粘着層2の機能(具体的には、エネルギー線の照射前には、封止部27に粘着し、エネルギー線の照射の後には、封止部27から剥離し得る粘着層2としての機能)が、著しく低下するおそれがある。
(6)その他の成分
さらに、粘着層2を構成する樹脂組成物には、上述した各成分(1)〜(5)の他に他の成分として、粘着付与剤、老化防止剤、粘着調整剤、充填材、着色剤、難燃剤、軟化剤、酸化防止剤、可塑剤、界面活性剤等のうちの少なくとも1種が含まれていてもよい。
なお、これらのうち粘着付与剤としては、特に限定されないが、例えば、ロジン樹脂、テルペン樹脂、クマロン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような粘着層2は、その表面のヘキサデカンに対する接触角Aが、エネルギーの付与前において、20°以上であることが好ましく、20°以上50°以下であることがより好ましく、25°以上40°以下であることがさらに好ましい。粘着層2における前記接触角をかかる範囲内に設定することにより、粘着層2に含まれるベース樹脂の種類によっても若干異なるが、前記工程[4]時において、半導体封止連結体270を粘着テープ100に確実に固定することができる。
また、粘着層2は、その表面のヘキサデカンに対する接触角Bが、エネルギーの付与後において、10°以上であることが好ましく、10°以上45°以下であることがより好ましく、20°以上30°以下であることがさらに好ましい。粘着層2における前記接触角をかかる範囲内に設定することにより、粘着層2に含まれるベース樹脂の種類によっても若干異なるが、半導体封止体290に対する粘着層2の粘着力を好適に低下させることができるため、前記工程[6]において、半導体封止体290を容易にピックアップすることが可能となる。
また、接触角A、Bが、それぞれ、前記範囲内である場合、(接触角A−接触角B)が、1°以上10°以下であることが好ましく、3°以上7°以下であることがより好ましい。これにより、前記効果をより顕著に発揮させることができる。
さらに、この粘着層2は、エネルギーの付与前において、粘着層2のタック力が25℃において150kPa以上400kPa以下となっているのが好ましく、250kPa以上400kPa以下となっているのがより好ましい。粘着層2のエネルギーの付与前における25℃のタック力が前記範囲内であることにより、前記工程[4]時において、その分子構造中に2重結合を有するエポキシ基含有化合物を含有しない封止材で構成された封止部を備える半導体封止連結体を確実に固定することができる程度の粘着力を粘着層2が有していると言うことができる。
さらに、この粘着層2は、エネルギーの付与後において、粘着層2のタック力が25℃において0kPa以上150kPa以下となっているのが好ましく、0kPa以上100kPa以下となっているのがより好ましい。粘着層2のエネルギーの付与後における25℃のタック力が前記範囲内であることにより、前記工程[6]において、その分子構造中に2重結合を有するエポキシ基含有化合物を含有しない封止材で構成された封止部を備える半導体封止体を容易にピックアップすることができる程度の粘着力を粘着層2が有していると言うことができる。
なお、粘着層2のタック力の測定は、JIS Z 0237に準拠して、例えば、株式会社レスカのタッキング試験機TAC−IIにより、設定した加圧値までプローブを押し込み、設定した時間が経過するまで加圧値を保持するようにコントロールし続けるConstant Loadを用いて、粘着テープ100の粘着層2を上にし、上側より直径5.0mmのSUS304製のプローブを接触させることにより実施する。その際、プローブを測定試料に接触させる時のスピードを10mm/secとし、接触荷重を200gfとし、接触時間を1秒とする。その後、プローブを10mm/secの剥離速度で上方に引き剥がし、引き剥がす際に要する力をタック力として測定する。また、25℃におけるタック力は、プローブ温度を25℃とし、プレート温度を25℃とすることで測定する。
さらに、粘着層2の厚さは、特に限定されないが、例えば、1μm以上30μm以下であるのが好ましく、5μm以上30μm以下であるのがより好ましく、10μm以上25μm以下であるのがさらに好ましい。粘着層2の厚さをかかる範囲内とすることで、粘着層2は、粘着層2へのエネルギー付与前には、良好な粘着力を発揮するとともに、粘着層2へのエネルギー付与後には、粘着層2と半導体封止連結体270との間において、良好な剥離性を発揮する。また、粘着層2の厚さがかかる範囲内であれば、基材4のD65標準光源における全光線透過率を85%以上98%以下とすることで、確実に優れた透光性を備える粘着テープ100を提供することができる。
なお、粘着層2は、異なる前記樹脂組成物で構成される層を複数積層した積層体(多層体)で構成されるものであってもよい。
次に、かかる構成の半導体基板加工用粘着テープ100は、例えば、以下のようにして製造することができる。
<半導体基板加工用粘着テープの製造方法>
図5は、図4に示す半導体基板加工用粘着テープを製造する方法を説明するための縦断面図である。なお、以下の説明では、図5中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
[1B]まず、切込層41と拡張層42とがこの順で積層された基材4を用意する(図5(a)参照。)。
かかる構成の基材4は、特に限定されないが、例えば、インフレーション共押出し法、Tダイ共押出し法のような押出成形法や、カレンダー法、インフレーション押出し法、Tダイ押出し法、環状ダイ押出し法のような押出成形法、湿式キャスティング法で得られたフィルムのラミネーション法等の一般的な成形方法を用いて製造することができる。これらの中でも、Tダイ共押出し法が好ましい。これにより、粘着テープ100が備える各層を優れた厚さ精度で形成することができる。
以下、Tダイ共押出し法(Tダイスを使用した押出法)について説明する。
まず、切込層41および拡張層42を構成する樹脂成分を、それぞれ個別に、ドライブレンドまたは溶融混練し、これにより、各層41、42を形成するための形成用樹脂組成物を得る。そして、各層41、42の形成用樹脂組成物をスクリュー式押出機に供給し、180〜240℃に調整された多層Tダイからフィルム状に押出し、その後、これを10〜50℃に調整された冷却ロールに通しながら冷却して巻き取ることで、基材4を得る。あるいは、各層41、42の形成用樹脂組成物を、一旦ペレットとして取得した後、上記のように押出成形することで、基材4を得るようにしてもよい。形成される各層41、42の厚さは、押出機のスクリュー回転数を調整することで、調整し得る。
なお、上述した冷却ロールに通しながら冷却してフィルムを巻き取る工程では、エキスパンド時にフィルムが破れない程度の強度を確保し、実質的に無延伸で巻き取りを行うことが好ましい。これにより、優れた透光性を有する基材4を提供することができる。なお、実質的に無延伸とは、積極的な延伸を行わないことをいい、無延伸、あるいは、ダイシング時の基材4の反りに影響を与えない程度の僅少の延伸を含む。通常、フィルムの巻き取りの際に、たるみの生じない程度の引っ張りであればよい。
また、ラミネーション法を用いて切込層41を製造する場合、切込層41は、無延伸で用いることができるし、さらに、必要に応じて一軸または二軸の延伸処理が施されてもよい。また、切込層41の表面(下面)には、切込層41と拡張層42との密着性を向上させることを目的に、コロナ処理、クロム酸処理、マット処理、オゾン暴露処理、火炎暴露処理、高圧電撃暴露処理、イオン化放射線処理、プライマー処理、アンカーコート処理のような表面処理が施されていてもよい。
また、ラミネーション法を用いて拡張層42を製造する場合、拡張層42は、切込層41上に、拡張層42の構成材料である樹脂組成物を溶融した材料を、熱ラミネート後に冷却して拡張層42を形成することにより得ることができる。
[2B]次に、得られた基材4(切込層41)の上面に粘着層2を形成する(図5(b)参照。)。
基材4の表面(上面)には、基材4と粘着層2との密着性を向上させることを目的に、コロナ処理、クロム酸処理、マット処理、オゾン暴露処理、火炎暴露処理、高圧電撃暴露処理、イオン化放射線処理、プライマー処理、アンカーコート処理のような表面処理が施されていてもよい。
また、粘着層2は、基材4上に、粘着層2の構成材料である樹脂組成物を溶剤に溶解してワニス状にした液状材料を、塗布または散布した後、溶剤を揮発させて粘着層2を形成することにより得ることができる。
なお、溶剤としては、特に限定されないが、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、トルエン、酢酸エチル、ジメチルホルムアルデヒド等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、基材4上への液状材料の塗布または散布は、例えば、ダイコート、カーテンダイコート、グラビアコート、コンマコート、バーコートおよびリップコート等の方法を用いて行うことができる。
[3B]次に、基材4上に形成された粘着層2に対して、中心側と外周側とが分離されるように、粘着層2の厚さ方向に基材4を残存させて円環状に粘着層2の一部を除去することにより、粘着層2を中心部122と外周部121とを備えるようにする(図5(c)参照。)。
粘着層2の一部を円環状に除去する方法としては、例えば、除去すべき領域を取り囲むように打ち抜いた後、この打ち抜かれた領域に位置する粘着層2を除去する方法が挙げられる。
また、除去すべき領域に対する打ち抜きは、例えば、ロール状金型を用いる方法や、プレス金型を用いる方法を用いて行うことができる。中でも、連続的に粘着テープ100を製造することができるロール状金型を用いる方法が好ましい。
なお、本工程では、粘着層2の一部をリング状(円形状)に打ち抜いて中心部122と外周部121とを形成したが、粘着層2の一部を打ち抜く形状は、前述した半導体装置の製造方法において、粘着層2の中心部122をウエハリングで固定できる形状となっていれば如何なる形状であってもよい。具体的には、打ち抜く形状としては、例えば、上述した円形状の他、楕円状、俵型状のような長円状や、四角形状、五角形状のような多角形状等が挙げられる。
[4B]次に、基材4上に形成された粘着層2に対して、セパレーター1を積層することにより、粘着層2がセパレーター1で被覆された粘着テープ100を得る(図5(d)参照。)。
粘着層2にセパレーター1を積層する方法としては、特に制限されないが、例えば、ロールを用いたラミネート方法、プレスを用いたラミネート方法を用いることができる。これらの中でも、連続的に生産できるという生産性の観点から、ロールを用いたラミネート方法が好ましい。
なお、セパレーター1としては、特に限定されないが、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタラートフィルム等が挙げられる。
また、セパレーター1は、粘着テープ100の使用時に剥がされるために、セパレーター1の表面が離型処理されてもよい。離型処理としては離型剤をセパレーター1表面にコーティングする処理や、セパレーター1表面に細かい凹凸をつける処理等が挙げられる。なお、離型剤としては、シリコーン系離型剤、アルキッド系離型剤、フッ素系離型剤等を用いることができる。
以上のような工程を経て、セパレーター1で被覆された粘着テープ100を形成することができる。
なお、本実施形態で製造されたセパレーター1で被覆された粘着テープ100は、前述した粘着テープ100を用いた半導体装置の製造方法において、粘着テープ100をセパレーター1から剥離した後に使用される。
また、セパレーター1が被覆する粘着層2から、このセパレーター1を剥がす際には、粘着層2の面に対してセパレーター1を90°以上180°以下の角度で剥離を行うことが好ましい。セパレーター1を剥離する角度を前記範囲とすることで、粘着層2とセパレーター1との界面以外での剥離を確実に防止することができる。
なお、本実施形態では、半導体装置20を、クワッド・フラット・パッケージ(QFP)に適用し、かかる構成の半導体装置20を、粘着テープ100を用いて製造する場合について説明したが、かかる場合に限定されず、各種の形態の半導体パッケージの製造に、粘着テープ100を適用することができる。例えば、デュアル・インライン・パッケージ(DIP)、プラスチック・リード付きチップ・キャリヤ(PLCC)、ロー・プロファイル・クワッド・フラット・パッケージ(LQFP)、スモール・アウトライン・パッケージ(SOP)、スモール・アウトライン・Jリード・パッケージ(SOJ)、薄型スモール・アウトライン・パッケージ(TSOP)、薄型クワッド・フラット・パッケージ(TQFP)、テープ・キャリア・パッケージ(TCP)、ボール・グリッド・アレイ(BGA)、チップ・サイズ・パッケージ(CSP)、マトリクス・アレイ・パッケージ・ボール・グリッド・アレイ(MAPBGA)、チップ・スタックド・チップ・サイズ・パッケージ等のメモリやロジック系素子の製造に、粘着テープ100を適用することができる。
以上、本発明の半導体基板加工用粘着テープおよび半導体装置の製造方法について説明したが、本発明は、これらに限定されない。
例えば、本発明の半導体基板加工用粘着テープが備える各層には、同様の機能を発揮し得る、任意の成分が添加されていてもよく、あるいは、基材中の切込層41、拡張層42の各層が複数で積層されていてもよい。
また、本発明の半導体基板加工用粘着テープが備える各層の構成は、同様の機能を発揮し得る任意の構成と置換することができ、あるいは、任意の構成の層、例えば、帯電防止層等を付加することもできる。
また、前記実施形態では、本発明の半導体基板加工用粘着テープで、半導体封止連結体(半導体基板)を固定し、この半導体封止連結体をダイシングすることで得られた対象物としての半導体封止体を、この半導体基板加工用粘着テープからピックアップする場合について説明したが、これに限定されない。例えば、複数の半導体素子が作り込まれた半導体ウエハ(半導体基板)を固定し、この半導体ウエハをダイシングすることで得られた対象物としての半導体素子を、この半導体基板加工用粘着テープからピックアップすることもできる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
なお、本発明はこれらの実施例の記載に何ら限定されない。
1.原材料の準備
まず、実施例のダイシングフィルム用基材フィルムの作製に使用した原料は以下の通りである。
<基材4の原料>
アイオノマー樹脂「ハイミラン1855」(三井デュポンポリケミカル社製;金属原子Zn、MFR1.0 融点86℃)
低密度ポリエチレンLDPE「F222」(宇部丸善ポリエチレン社製;融点110℃)
帯電防止剤「ペレスタット212」(三洋化成工業社製;ポリエーテル/ポリオレフィンブロックポリマー)
<粘着層2の原料>
各実施例の粘着層には、下記原料を使用した。
<ベース樹脂>
アクリル共重合体1〜5は、それぞれ、ブチルアクリレート(BA)、アクリル酸(AA)、メチルメタクリレート(MA)および2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)のうちの少なくとも2種を混合し、常法によりトルエン溶媒中にて溶液重合させて得た。
なお、アクリル共重合体1〜5に、少なくとも2種混合するMA、BA、2EHAおよびAAの混合比は、それぞれ、以下に示す通りとした。
アクリル共重合体1(BA/AA=90/10)
アクリル共重合体2(BA/AA=95/5)
アクリル共重合体3(MA/BA/2EHA/AA=15/45/35/5)
アクリル共重合体4(MA/2EHA/AA=10/85/5)
アクリル共重合体5(MA/2EHA/AA=12/85/3)
また、アクリル共重合体1〜5におけるガラス転移点および重量平均分子量は、それぞれ、以下に示す通りであった。
アクリル共重合体1(ガラス転移点:−38℃、重量平均分子量:60万)
アクリル共重合体2(ガラス転移点:−45℃、重量平均分子量:80万)
アクリル共重合体3(ガラス転移点:−42℃、重量平均分子量:60万)
アクリル共重合体4(ガラス転移点:−50℃、重量平均分子量:80万)
アクリル共重合体5(ガラス転移点:−53℃、重量平均分子量:80万)
<UV硬化樹脂>
ウレタンアクリレート1(新中村化学工業社製、品名:UA−33H):20重量部
<架橋剤>
ポリイソシアネート化合物(商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン工業株社製)
<光開始剤>
ベンゾフェノン系光開始剤(商品名「イルガキュア651」、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
<剥離剤>
シリコーン系オイル(「BYK−302」、ビックケミージャパン社製)
フッ素系界面活性剤(「RS−75」)、DIC社製
2.半導体基板加工用粘着テープの作製
(実施例1)
<基材4の作成>
切込層形成用樹脂として、アイオノマー樹脂「ハイミラン1855」を用いた。
また、低密度ポリエチレンLDPE「F222」80.0質量%と、帯電防止剤「ペレスタット212」20.0質量%をドライブレンドし、拡張層形成用樹脂組成物を得た。
そして、得られた切込層形成用樹脂および拡張層形成用樹脂組成物を、200℃に調整された、それぞれの押出機に供給し、切込層/拡張層の順序になるように、200℃の2層ダイスから押出し、20℃に設定された冷却ロールにて冷却固化して、実質的に無延伸の状態で巻き取ることで、2層構造をなす基材4を得た。
なお、得られた基材4における、切込層41の厚さは100μm、拡張層42の厚さは50μmであり、基材4の全体としての厚さは150μmであった。
<粘着テープ100(ダイシングフィルム)の作成>
以上のようにして作製した基材4の切込層41上に粘着層2を設けることで粘着テープ100を得た。具体的には、粘着層2の原料としてのベース樹脂(アクリル共重合体1)50質量%、UV硬化樹脂43質量%、架橋剤3質量%、光開始剤3質量%および剥離剤1質量%を使用し、酢酸エチルに溶解混合して混合物を得た。その後、乾燥後の厚さが20μmになるように基材4の切込層上に、混合物をバーコート塗工した後、80℃で10分間乾燥することにより、実施例1の粘着テープ100を得た。
(実施例2〜6、比較例1)
表1に記載のように原材料の種類を変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜5および比較例1の基材4および粘着テープ100を作製した。
3.評価
<エネルギー付与前の25℃におけるタック力>
エネルギー付与前の25℃における粘着層のタック力は、次のようにして評価した。
すなわち、まず、実施例1〜6および比較例1の粘着テープ100について、それぞれ、JIS Z 0237に準拠して、株式会社レスカのタッキング試験機TAC−IIを用いて、粘着層を上にし、上側より直径5.0mmのSUS304製のプローブを接触させ、その際のプローブを粘着層に接触させる時のスピードを10mm/secとし、接触荷重を200gfとし、接触時間を1秒とし、プローブ温度およびプレート温度を25℃とした。その後、プローブを10mm/secの剥離速度で上方に引き剥がし、引き剥がす際に要する力をタック力として測定した。そして、得られたタック力に応じて、下記に示す評価基準に基づいて、25℃におけるタック力を評価した。その評価結果を表1に示す。
[評価基準]
タック力が250kPa以上400kPa以下である :A
タック力が150kPa以上250kPa未満である :B
タック力が150kPa未満、または400kPa超である :C
<エネルギー付与後の25℃におけるタック力>
エネルギー付与後の25℃における粘着層のタック力は、次のようにして評価した。
すなわち、まず、実施例1〜5および比較例1、2の粘着テープ100について、それぞれ、JIS Z 0237に準拠して、株式会社レスカのタッキング試験機TAC−IIを用いて、粘着層を上にし、上側より直径5.0mmのSUS304製のプローブを接触させ、その際のプローブを粘着層に接触させる時のスピードを10mm/secとし、接触荷重を200gfとし、接触時間を1秒とし、プローブ温度およびプレート温度を25℃とした。その後、粘着テープの裏面側から、紫外線を照射した(照射時間:20秒間、照射強度:500mJ/cm)後に、プローブを10mm/secの剥離速度で上方に引き剥がし、引き剥がす際に要する力をタック力として測定した。そして、得られたタック力に応じて、下記に示す評価基準に基づいて、25℃におけるタック力を評価した。その評価結果を表1に示す。
[評価基準]
タック力が0kPa以上50kPa未満である :A
タック力が50kPa以上150kPa以下である :B
タック力が150kPa超である :C
<エネルギー付与前の接触角>
エネルギー付与前のヘキサデカンに対する粘着層の接触角は、次のようにして測定した。
すなわち、まず、実施例1〜6および比較例1の粘着テープ100について、それぞれ、粘着層2にヘキサデカンを供給し、エネルギー付与前のヘキサデカンに対する粘着層の接触角を求めた。その測定結果を表1に示す。
<エネルギー付与後の接触角>
エネルギー付与後のヘキサデカンに対する粘着層の接触角は、次のようにして測定した。
すなわち、まず、実施例1〜6および比較例1の粘着テープ100について、それぞれ、粘着テープの裏面側から、紫外線を照射した(照射時間:20秒間、照射強度:500mJ/cm)後に、粘着層2にヘキサデカンを供給し、エネルギー付与前のヘキサデカンに対する粘着層の接触角を求めた。その測定結果を表1に示す。
<テープマウント特性>
テープマウント特性は、次のようにして評価した。
すなわち、まず、実施例1〜6および比較例1の粘着テープ100に、後述するエネルギー付与前の粘着力において詳述する、ガラスエポキシ製ダミー基板1(60mm×15mm×1.2mm厚)を貼付し、粘着テープ100が備える粘着層2とダミー基板との間にかみ込まれた気泡の発生の有無を目視にて観察を行い、観察された気泡の数に応じて、下記に示す評価基準に基づいて、テープマウント特性を評価した。その評価結果を表1に示す。
[評価基準]
粘着層とダミー基板との間に気泡の発生が認められない :A
粘着層とダミー基板との間に気泡の発生が若干認められる :B
タック性の不足に起因して、粘着層とダミー基板との間に
明らかな気泡の発生が認められる :C
<エネルギー付与前の粘着力>
エネルギー付与前の粘着力は、次のようにして測定した。
すなわち、まず、実施例1〜6および比較例1の粘着テープ100を、その幅が25mmとなるように調整して、これらを、エポキシ化ポリブタジエンを含有するガラスエポキシ製ダミー基板1(60mm×15mm×1.2mm厚)、および、エポキシ化ポリブタジエンを含有しないガラスエポキシ製ダミー基板2(60mm×15mm×1.2mm厚)にそれぞれ2kgローラー一往復で貼付した。その後、JIS Z 0237に準拠して、粘着テープ100の一端を持ち、25℃において180°の方向に300mm/分の速度で引き剥がしたときに測定されるピール強度を粘着力として測定した。
なお、ガラスエポキシ製ダミー基板1およびガラスエポキシ製ダミー基板2は、それぞれ、以下のようにして製造された。
すなわち、エポキシ樹脂1としてビフェニル型エポキシ樹脂(三菱化学社製、YX4000K、融点105℃、エポキシ当量185)4.13重量%;フェノール樹脂1としてビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂(明和化成社製、MEH7851SS、軟化点65℃、水酸基当量203)4.54重量%;トリフェニルホスフィン0.13重量%;溶融球状シリカ(平均粒径30μm)90.00重量%;エポキシ化ポリブタジエン化合物1(新日本石油化学社製、E−1800−6.5、数平均分子量1800、粘度(25℃)350Pa・s)0.50重量%;γ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン0.20重量%;カルナバワックス0.20重量%;カーボンブラック0.30重量%をミキサーで混合した後、表面温度が90℃と45℃の2本ロールを用いて混練し、冷却後粉砕してエポキシ樹脂組成物とした。そして、トランスファー成形機を用い、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間2分で60mm×15mm×0.56mm厚のビスマレイミド・トリアジン樹脂/ガラスクロス基板上に封止部を成形し、175℃、2時間で後硬化することでガラスエポキシ製ダミー基板1を得た。
また、エポキシ樹脂1としてビフェニル型エポキシ樹脂(三菱化学社製、YX4000K、融点105℃、エポキシ当量185)4.37重量%;フェノール樹脂1としてビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂(明和化成社製、MEH7851SS、軟化点65℃、水酸基当量203)4.80重量%;トリフェニルホスフィン0.13重量%;溶融球状シリカ(平均粒径30μm)90.00重量%;γ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン0.20重量%;カルナバワックス0.20重量%;カーボンブラック0.30重量%をミキサーで混合した後、表面温度が90℃と45℃の2本ロールを用いて混練し、冷却後粉砕してエポキシ樹脂組成物とした。そして、トランスファー成形機を用いて、前記ガラスエポキシ製ダミー基板1と同様の条件とすることで、ガラスエポキシ製ダミー基板2を得た。
そして、得られた粘着力に応じて、下記に示す評価基準に基づいて、エネルギー付与前における粘着力を評価した。その評価結果を表1に示す。
[評価基準]
エネルギー付与前における
粘着力が200cN/25mm以上1000cN/25mm未満である :A
粘着力が70cN/25mm以上200cN/25mm未満である :B
粘着力が70cN/25mm未満、または1000cN/25mm以上である:C
<エネルギー付与後の粘着力>
エネルギー付与後の粘着力は、次のようにして評価した。
すなわち、まず、実施例1〜6および比較例1の粘着テープ100に、エポキシ化ポリブタジエンを含有する前記ガラスエポキシ製ダミー基板1(60mm×15mm×1.2mm厚)、および、エポキシ化ポリブタジエンを含有しない前記ガラスエポキシ製ダミー基板2(60mm×15mm×1.2mm厚)をそれぞれ貼付した。その後、下記条件でダイシングを実施し、細分化されたダミー基板を、粘着テープの裏面側から、紫外線を照射した(照射時間:20秒間、照射強度:500mJ/cm)。それから、細分化されたダミー基板を、真空コレットを用いてピックアップし、ピックアップする際に要する力を粘着力として測定した。
そして、得られた粘着力に応じて、下記に示す評価基準に基づいて、エネルギー付与後における粘着力を評価した。その評価結果を表1に示す。
[評価基準]
エネルギー付与後における
粘着力が5cN/25mm以上60cN/25mm未満である :A
粘着力が60cN/25mm以上90cN/25mm未満である :B
粘着力が90cN/25mm以上である :C
<裏面汚染および糊残り特性>
裏面汚染および糊残り特性は、次のようにして評価した。
すなわち、まず、実施例1〜6および比較例1の粘着テープ100に、エポキシ化ポリブタジエンを含有する前記ガラスエポキシ製ダミー基板1(60mm×15mm×1.2mm厚)、および、エポキシ化ポリブタジエンを含有しない前記ガラスエポキシ製ダミー基板2(60mm×15mm×1.2mm厚)をそれぞれ貼付し、その後、下記条件でダイシングを実施し、細分化されたダミー基板を、粘着テープの裏面側から、紫外線を照射した(照射時間:20秒間、照射強度:500mJ/cm)。その後、真空コレットを用いて細分化されたダミー基板50個をピックアップし、ピックアップされたダミー基板の裏面汚染および糊残りの有無を目視にて観察を行い、裏面汚染または糊残りが観察されたダミー基板の数に応じて、下記に示す評価基準に基づいて、裏面汚染および糊残り特性を評価した。その評価結果を表1に示す。
[評価基準]
裏面汚染または糊残りが観察されたダミー基板の数が0/50 :A
裏面汚染または糊残りが観察されたダミー基板の数が1〜3/50 :B
裏面汚染または糊残りが観察されたダミー基板の数が4/50以上 :C
[ダイシング条件]
ダイシング装置:「DAD−3350」(商品名、DISCO社製)
ダイシングブレード:「P08−SDC220」(商品名、DISCO社製)
ブレード回転数:30000rpm
カット速度:100mm/sec
切込み:ダイシングフィルム表面から100μm(切込層に対する切込み量は80μm)
カットサイズ:5mm×5mm
ブレードクーラー:2L/min
<切削屑特性>
切削屑特性は、次のようにして評価した。
すなわち、まず、実施例1〜6および比較例1の粘着テープ100に、前記ガラスエポキシ製ダミー基板1(60mm×15mm×1.2mm厚)を貼り付け、下記条件でダイシングを実施し、カットラインの観察を行い、カットラインから出てくる長さ100μm以上の切削屑の数をカウントすることで、下記に示す評価基準に基づいて、切削屑特性を評価した。その評価結果を表1に示す。
[評価基準]
切削屑の数が0〜5本 :A
切削屑の数が6〜10本 :B
切削屑の数が11本以上 :C
[ダイシング条件]
ダイシング装置:「DAD−3350」(商品名、DISCO社製)
ダイシングブレード:「P08−SDC220」(商品名、DISCO社製)
ブレード回転数:20000rpm
カット速度:125mm/sec
切込み:ダイシングフィルム表面から100μm(切込層に対する切込み量は80μm)
カットサイズ:10mm×10mm
ブレードクーラー:2L/min
Figure 0006443590
表1に示すように、実施例1〜6の粘着テープ100では、粘着層2に剥離剤を含有することに起因して、エポキシ化ポリブタジエンを含有する封止材で構成された封止部についても、エネルギーの付与により、粘着テープ100の封止材に対する粘着力を低下させ得ることが判った。
これに対して、比較例1の粘着テープでは、粘着層2に剥離剤を含有しておらず、これにより、エポキシ化ポリブタジエンを含有する封止材については、エネルギーの付与により、粘着テープ100の封止材に対する粘着力を低下させることができなかった。
本発明によれば、基材と、前記基材の一方の面に積層された粘着層とを備え、基板と、前記基板上に配置された複数の半導体素子と、前記複数の半導体素子を封止する封止部とを備える半導体封止連結体を厚さ方向に切断して複数の半導体封止体を得る際に、前記半導体封止連結体を、前記粘着層を介して前記基材に仮固定して用いられる半導体基板加工用粘着テープであって、前記粘着層は、前記半導体封止体を当該半導体基板加工用粘着テープから剥離させる際に、前記封止部との密着性を低下させるための剥離剤を含有し、前記封止部は、エポキシ基含有化合物を含有する封止材で構成され、前記エポキシ基含有化合物は、その分子構造中に2重結合を有しており、前記剥離剤は、シリコーン系オイルあるいはフッ素系界面活性剤であることを特徴とする半導体基板加工用粘着テープを提供することができる。かかる粘着テープを適用して製造された半導体装置は、優れた信頼性を備える。したがって、本発明は、産業上の利用可能性を有する。
1 セパレーター
2 粘着層
4 基材
20 半導体装置
21 バンプ
22 被覆部
23 配線
25 インターポーザー
25’ シート材
26 半導体素子
27 封止部
41 切込層
42 拡張層
62 凹部
100 半導体基板加工用粘着テープ(粘着テープ)
121 外周部
122 中心部
221 開口部
270 半導体封止連結体
290 半導体封止体

Claims (11)

  1. 基材と、前記基材の一方の面に積層された粘着層とを備え、
    基板と、前記基板上に配置された複数の半導体素子と、前記複数の半導体素子を封止する封止部とを備える半導体封止連結体を厚さ方向に切断して複数の半導体封止体を得る際に、前記半導体封止連結体を、前記封止部と前記粘着層とが接触した状態で、前記粘着層を介して前記基材に仮固定して用いられる半導体基板加工用粘着テープであって、
    前記粘着層は、前記半導体封止体を当該半導体基板加工用粘着テープから剥離させる際に、前記封止部との密着性を低下させるための剥離剤を含有し、
    前記封止部は、エポキシ基含有化合物を含有する封止材で構成され、
    前記エポキシ基含有化合物は、その分子構造中に2重結合を有しており、
    前記剥離剤は、シリコーン系オイルあるいはフッ素系界面活性剤であることを特徴とする半導体基板加工用粘着テープ。
  2. 前記剥離剤は、前記シリコーン系オイルであり、
    前記シリコーン系オイルは、変性シリコーンオイルである請求項1に記載の半導体基板加工用粘着テープ。
  3. 前記粘着層は、さらに、粘着性を有するベース樹脂を含有する請求項1または2に記載の半導体基板加工用粘着テープ。
  4. 前記ベース樹脂のガラス転移点が−30℃以下である請求項3に記載の半導体基板加工用粘着テープ。
  5. 前記ベース樹脂の重量平均分子量が30万以上180万以下である請求項3または4に記載の半導体基板加工用粘着テープ。
  6. 前記粘着層は、さらに、エネルギーの付与により硬化する硬化性樹脂を含有する請求項3ないし5のいずれか1項に記載の半導体基板加工用粘着テープ。
  7. 前記粘着層の表面のヘキサデカンに対する接触角が、前記エネルギーの付与前において、20°以上である請求項6に記載の半導体基板加工用粘着テープ。
  8. 前記粘着層の表面のヘキサデカンに対する接触角が、前記エネルギーの付与後において、10°以上である請求項6または7に記載の半導体基板加工用粘着テープ。
  9. 前記粘着層の厚さが1μm以上30μm以下である請求項1ないし8のいずれか1項に記載の半導体基板加工用粘着テープ。
  10. 前記エネルギーの付与前における前記粘着層と前記封止部との粘着力が、70cN/25mm以上1000cN/25mm未満であり、
    前記エネルギーの付与後における前記粘着層と前記封止部との粘着力が、60cN/25mm以上90cN/25mm未満である請求項6ないし9のいずれか1項に記載の半導体基板加工用粘着テープ。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の半導体基板加工用粘着テープを用いた半導体装置の製造方法であって、
    前記基板上に載置された前記複数の半導体素子を覆うように前記封止部で封止することで、前記半導体封止連結体を得る半導体封止連結体形成工程と、
    前記封止部と前記粘着層とが接触するように、前記半導体封止連結体に、前記半導体基板加工用粘着テープを貼付する貼付工程と、
    前記半導体封止連結体を、該半導体封止連結体が備える前記各半導体素子に対応して厚さ方向にダイシングして個片化することで、前記半導体基板加工用粘着テープ上に前記複数の半導体封止体を形成するダイシング工程と、
    前記粘着層にエネルギーを付与した後に、前記各半導体封止体を前記半導体基板加工用粘着テープから剥離する剥離工程と、
    バンプが、前記各半導体封止体が備える前記基板に予め形成された導体ポストを介して、前記半導体素子が備える電極に電気的に接続されるように、前記バンプを前記基板の前記半導体素子の反対側に形成するバンプ接続工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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