JP6442265B2 - タイヤ、タイヤ成形用金型及びタイヤの製造方法 - Google Patents

タイヤ、タイヤ成形用金型及びタイヤの製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、タイヤ、タイヤ成形用金型及びタイヤの製造方法に関する。
従来、タイヤ成形用金型が具える、トレッド陸部にサイプを形成するためのブレード(以下、単に「ブレード」ともいう)には、一般にクロスベントと呼ばれる、空気抜き用の複数の貫通孔が設けられている。
このクロスベントは、タイヤを加硫成型する際に、タイヤの周方向溝及び横溝を形成する金型の凸部並びにブレードによって包囲された、トレッド陸部を形成する金型の凹部と、トレッド陸部となるゴムと、の間の閉空間に滞留する空気を、該クロスベントを介してベントホール(金型の凹部の一部に形成される)位置に送る役割を担っている。ベントホールに送られた空気は、そこから金型の外部に排出される(例えば、特許文献1)。
特開2011−104819号公報
一般に、上記のクロスベント及びベントホールをタイヤ成形用金型に設けることにより、加硫成型後のタイヤにおけるベアの発生を抑制することができる。一方で、ブレードに設けたクロスベントには、滞留した空気とともに未加硫ゴムも流れ込むため、加硫成型後のタイヤにおけるサイプの溝壁の、当該クロスベントに対応する位置には、クロスベントを介して成形されたゴムの突起が複数生じることになる。
かようなタイヤの加硫成型後の状態を観察すると、サイプの溝壁に成形された複数の突起の中には、該突起周辺にてトレッド陸部に割れや欠けが見受けられる場合があることが分かった。そのような割れや欠けは、タイヤ性能に直接影響しなくとも、少なくとも外観不良の原因となる場合がある。
そこで、本発明は、加硫成型後のトレッドの陸部における、割れや欠けが抑制されたタイヤを提供することを目的とする。
また、本発明は、加硫成型後のトレッドの陸部における割れや欠けが抑制されたタイヤを得ることができる、タイヤ成形用金型を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、加硫成型後のトレッドの陸部における割れや欠けが抑制されたタイヤを得ることができる、タイヤの製造方法を提供することを目的とする。
発明者らは、前記課題を解決する手段について鋭意究明したところ、トレッド陸部の割れや欠けの発生には特定の傾向、すなわち、周方向溝や横溝等の比較的体積の大きな溝に隣接するサイプ位置に、割れや欠けが発生し易い傾向があることを新規に知見し、さらに、後述の通り鋭意検討を重ねて本発明をなすに至った。
本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1)本発明のタイヤは、トレッドの踏面を、該トレッドの周方向に延びる少なくとも1本の周方向溝と、該周方向溝相互間及び/又は該周方向溝とトレッド接地端との間をつなぐ横溝と、によって複数の陸部を区画し、少なくとも1つの該陸部に、並列して延びる複数本のサイプを具えるタイヤであって、前記複数本のサイプのうち、前記横溝に隣接し且つ当該横溝に沿って延びるサイプ、又は、前記周方向溝に隣接し且つ当該周方向溝に沿って延びるサイプは、少なくとも前記陸部の隅部側のサイプ長さ方向半部に、サイプ形成用ブレードのクロスベントを介して成形される突起のない溝壁を有することを特徴とする。
本発明のタイヤによれば、加硫成型後のトレッドの陸部における、割れや欠けが抑制される。
(2)本発明のタイヤにおいて、前記横溝に隣接し且つ当該横溝に沿って延びるサイプ、又は、前記周方向溝に隣接し且つ当該周方向溝に沿って延びるサイプは、該サイプの長さ方向全体にわたって前記突起のない溝壁を有することが好ましい。この構成によれば、トレッドの陸部における、割れや欠けがより確実に抑制される。
(3)本発明のタイヤは、前記トレッドが発泡ゴムからなることが好ましい。上記(1)に記載の本発明の構成は、発泡ゴムを用いたタイヤにおいて、特に有利な効果を奏する。
(4)本発明のタイヤは、前記サイプが隣接し且つ該サイプが沿って延びる、横溝又は周方向溝部分の溝幅方向の断面積が24mm2以上であることが好ましい。上記(1)に記載の本発明の構成は、かかる断面積を有するタイヤにおいて、特に有利な効果を奏する。
(5)本発明のタイヤは、前記サイプが隣接し且つ該サイプが沿って延びる、横溝又は周方向溝部分の深さが8mm以上であることが好ましい。上記(1)に記載の本発明の構成は、かかる溝深さを有するタイヤにおいて、特に有利な効果を奏する。
(6)本発明のタイヤ成形用金型は、タイヤの加硫成型時に、前記タイヤのトレッド相当部分に周方向溝及び横溝をそれぞれ形成する、周方向凸部及び幅方向凸部を有し、これら周方向凸部及び幅方向凸部に包囲された凹部に、前記タイヤのトレッド相当部分に複数のサイプを形成する複数枚のブレードを並列に配置したタイヤ成形用金型であって、前記ブレードのうち、前記周方向凸部に隣接し且つ該周方向凸部に沿って延びるブレード又は、前記幅方向凸部に隣接し且つ該幅方向凸部に沿って延びるブレードは、少なくとも前記凹部の隅部側のブレード長さ方向半部にクロスベントがないことを特徴とする。
本発明のタイヤ成形用金型によれば、トレッドの陸部における割れや欠けが抑制されたタイヤを得ることができる。
(7)本発明のタイヤの製造方法は、上記(6)に記載のタイヤ成形用金型を用いて加硫成型することを特徴とする。
本発明により、加硫成型後のトレッドの陸部における、割れや欠けが抑制されたタイヤを提供することができる。また、かようなタイヤを得ることのできる、タイヤ成形用金型及びタイヤの製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るタイヤのトレッドの部分展開図である。 比較例タイヤのトレッドの部分展開図である。 (a)〜(e)は、トレッド陸部の割れ及び欠けを説明するための模式的な断面図である。 本発明の他の実施形態に係るタイヤのトレッドの部分展開図である。 本発明の一実施形態に係るタイヤ成形用金型を説明する図である。 比較例タイヤのタイヤ成形用金型を説明する図である。
以下、図面を参照しながら本発明のタイヤを、その実施形態を例示して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤのトレッドの、ショルダー陸部列Sの部分展開図である。ショルダー陸部列Sには、タイヤ周方向に延びる周方向溝1と、トレッド接地端TEと、これらをつなぐ横溝2とによって、複数の陸部10が区画され、各陸部10には並列して延びる複数本のサイプ5c、5e(以下、単に「サイプ5」ともいう)並びにサイプ6c、6e(以下、単に「サイプ6」ともいう)を具えている。
より具体的には、陸部10は、該陸部のタイヤ幅方向中央付近をタイヤ周方向にジグザグ状に縦断するサイプ4を境にして、トレッド接地端TE側には、横溝2に隣接し且つ該横溝2に沿って延び、サイプの両端が陸部10内で終端する2本のサイプ5eと、該サイプ5e間に配置され、サイプの一方端が接地端TEに開口し、他方端が陸部10内で終端する2本のサイプ5cと、を有している。また、サイプ4を境にして周方向溝1側には、横溝2に隣接し且つ該横溝2に沿って延び、サイプの一方端が周方向溝1に開口する2本のサイプ6eと、該サイプ6e間に配置されたサイプ6eと同一形状の3本のサイプ6cと、を有している。
なお、本発明でいう「サイプ」とは、開口幅が0.5mm〜1.5mm程度の切り込みを意味し、通常の溝のように常時開口するものではなく、トレッド接地面内において閉口する程度の極めて幅の狭い溝である。なお、トレッド接地面とは、適用リムに装着したタイヤに規定内圧を充填して平板上に垂直に置き、最大負荷能力に対応する負荷をタイヤに作用させたときに該平板と接触することになる、トレッドの表面領域をいう。
ここで、「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA YEAR BOOK、欧州ではETRTO STANDARDS MANUAL、米国ではTRA YEAR BOOK等に記載されている、適用サイズにおける標準リム(ETRTOのSTANDARDS MANUALではMeasuring Rim、TRAのYEAR BOOKではDesign Rim)を指す。また、「規定内圧」とは、上記のJATMA YEAR BOOK等に記載されている、適用サイズ・プレーティングにおける最大負荷能力に対応する空気圧をいい、「最大負荷能力」とは、上記規格でタイヤに負荷されることが許容される最大の質量をいう。
また、周方向溝1の反対側には、図示しない任意の他の陸部が存在している。本実施形態では、図1に例示する横溝2のタイヤ幅方向に対する傾斜角度は0°であるが、傾斜していてもよい。
さらに、本実施形態では、トレッドの踏面におけるサイプ形状はジグザグ状であるが、本発明のサイプ形状はこれに限定されることはなく、直線状、波状等の他の形状とすることもできる。
ここにおいて、本実施形態のタイヤでは、陸部10のサイプのうち、横溝2に隣接し且つ該横溝2に沿って延びるサイプ、又は、周方向溝1に隣接し且つ該周方向溝1に沿って延びるサイプ(本実施形態では、横溝2に隣接し且つ当該横溝2に沿って延びているサイプ5e、6e)は、少なくとも陸部10の隅部側のサイプ長さ方向半部Fcに、サイプ形成用ブレードのクロスベントh(図3(a)参照)を介して成形される突起b(図3(e)参照)のない溝壁を有する。
なお、本発明でいう「横溝2又は周方向溝1に隣接するサイプ」について、「横溝2に隣接するサイプ」とは、各陸部10において、サイプと一方の横溝2との間の最短距離dが最も小さいサイプ(図1の例では、サイプ6e)をいう。
同様に「周方向溝1に隣接するサイプ」とは、図示はしない(本実施形態では、具えない)が、各陸部10において、サイプと一方の周方向溝1との間の最短距離dが最も小さいサイプをいう。
また、本発明において、「横溝2又は周方向溝1に沿って延びる」とは、各溝1、2に対し、全体として30°以下の角度で傾斜して延びていることを意味する。
ここで、上記の本発明の構成とする理由を以下に説明する。
図3(a)は、タイヤを加硫成型する際の、タイヤ成形用金型M(以下、単に「金型M」ともいう)内における、トレッドとなるゴムGと金型Mとを模式的に示した部分断面図である。ここでは、便宜上、図2に示した比較例タイヤを、横溝22に対して垂直な面(図中のA−A線に沿う面)で切断した際の断面を示している。
この比較例タイヤは、横溝22に隣接し且つ該横溝22に沿って延びるサイプ25e、26eの、少なくとも陸部20の隅部側のサイプ長さ方向半部Fcに、サイプ形成用ブレードのクロスベントhを介して成形される突起b(図3(c)以下参照)を有する点において、図1に示す本発明の実施形態とは異なる。図示するように、金型Mは、横溝22を形成する幅方向の凸部M22と、横溝22に隣接するサイプ26eを形成するブレードM26eと、サイプ26eに隣り合うサイプ26cを形成するブレードM26cと、これらの間に陸部20を形成する凹部Mdと、を有する。
タイヤを加硫成型するにあたっては、金型Mが、タイヤ径方向内側(図中のY方向)に移動してトレッドの陸部となるゴムGに喰い込む。このとき、ブレードM26c、M26eと比較して体積の大きい幅方向凸部M22がゴムGに喰い込むと、該凸部M22の体積に相当する量のゴムが、凸部M22の両側(図3(a)には片側のみ示している)に流れる。すなわち、図3(a)中のX方向にゴムが移動し、凸部M22と、凸部M22に隣接するブレードM26eとの間のゴムg1の量が増加する。
図3(b)は、加硫成型を開始してから約10秒後の同断面図である。このように、金型の凸部M22がトレッドの陸部となるゴムGに完全に喰い込むと、凸部M22によって押し退けられたゴムがブレードM26eの方へと流れることによって、凸部M22とブレードM26eとの間の空間のゴムg1の量が急増する。さらに、約20秒後の同断面図を示す図3(c)では、凸部M22とブレードM26e間のゴムg1が、ブレードM26eに設けられたクロスベントhを介して、ブレードM26e、M26c間のゴムg2に合流している。
このようにして、比較例タイヤでは、横溝22に隣接するサイプ26eの、少なくとも陸部20の隅部側のサイプ長さ方向半部Fcに、該サイプ26eを形成するブレードM26eのクロスベントhを介して成形された突起bを有するため、図3(d)に示す加硫終了時には、凸部M22とブレードM26eとの間で加硫されるはずのゴムg1が、ブレードM26eのクロスベントhを介して、ブレードM26e、M26c間で加硫されるゴムg2の一部、より具体的にはゴムg2のトレッド陸部のエッジ部分にて加硫されることになる。
ゴムg1は、タイヤの加硫がある程度進行した段階で、隣のゴムg2に合流することになるため、ゴムg1、g2間ではゴム界面で接着不良を起こし、図3(e)に示すように、加硫後に金型Mをタイヤから引き抜く際、突起bとブレードM26eとの接触によって、該突起b周辺の接着不良箇所にて、トレッドゴムが割れたり欠けたりする場合がある。
このように、比較的体積の大きい横溝22に隣接し、且つ当該溝22に沿って延びるサイプ26eの、陸部の隅部側のサイプ長さ方向半部Fcでは、上記のようなクロスベントを介したゴム流れが生じやすく、その結果、サイプの溝壁に成形された突起b周辺にてゴムの割れや欠けによる故障が生じやすい。サイプが周方向溝21に沿って延びる場合も同様である。
発明者らは、上記のような新規の知見により、本発明に至った。かかる本発明のタイヤでは、陸部の隅部側のサイプ長さ方向半部Fcに突起部bを有しないため、上述したような、ゴムの割れや欠けを抑制することができる。
また、本発明の他の実施形態に係るタイヤにおいて、横溝2に隣接し且つ当該横溝2に沿って延びるサイプ6eは、サイプ6eの長さ方向全体にわたって突起bのない溝壁を有することが好ましい。この構成によれば、トレッド陸部10における、割れや欠けがより確実に抑制されたタイヤを提供することができる。なお、周方向溝1に隣接し且つ該周方向溝1に沿って延びるサイプにおいても同様である。
また、トレッドゴムに発泡ゴムを用いたタイヤにおいて、本発明の構成を適用することが好ましい。これは、発泡ゴムを用いがタイヤでは、加硫成型時に、金型がトレッドゴムに喰い込むことによって生じるゴムの移動に加えて、トレッドゴム自体の発泡によるゴム流れが生じ、ブレードのクロスベントhを介したゴムの移動がより顕著になるからである。
また、サイプ5e、6eが隣接し且つ該サイプ5e、6eが沿って延びる、横溝2部分の溝幅方向の断面積が24mm2以上であるタイヤにおいて、本発明の構成を適用することにより、トレッドの陸部における割れや欠けに対してより顕著な抑制効果を得ることができる。サイプが隣接し且つ該サイプが沿って延びる、周方向溝1部分を有する場合においても同様である。
なお、上記の「横溝2部分」とは、横溝2のうち、隣接するサイプのタイヤ幅方向幅に対応する部分いう。同様に、「周方向溝1部分」とは、周方向溝1のうち、隣接するサイプのタイヤ周方向長さに対応する部分をいう。
さらに、サイプ5e、6eが隣接し、且つ該サイプ5e、6eが沿って延びる横溝2の深さが8mm以上であるタイヤにおいて、本発明の構成を適用することにより、トレッド陸部における割れや欠けに対してより顕著な抑制効果を得ることができる。横溝2の溝幅方向の断面積が24mm2以上又は深さが8mm以上の場合、加硫成型時に、金型がトレッドゴムに喰い込むことによって移動するゴム量が多く、クロスベントhを介したゴムの移動がより顕著になるからである。なお、溝幅方向の断面積が溝の長さ方向に変化する場合は、その平均をもって溝幅方向の断面積とし、周方向溝1、横溝2の深さが変化する場合は、その平均をもって当該周方向溝1、横溝2の深さとする。
図4には、本発明の他の実施形態に係るタイヤのトレッドの、タイヤ半部の部分展開図を示す。本実施形態において、図1の実施形態と同様の構成は、同様の参照符号を付してその説明を省略する。
図4に示す実施形態は、図1に記載されたショルダー陸部列Sを有するとともに、周方向溝41を介して、ショルダー陸部列Sとは形状の異なるセンター陸部列Cをさらに有している。センター陸部列Cには、タイヤ赤道に沿って延びる周方向溝(図4上、右側の周方向溝)41と、ショルダー陸部列S側の周方向溝41と、これらをつなぐタイヤ幅方向に傾斜して延びる横溝42と、によって複数の陸部40が区画され、各陸部40には並列して延びる複数本のサイプ7(横溝42に隣接するサイプ7eと、該サイプ7eと並列して配置されるサイプ7c)を具える。また、各陸部40の、周方向溝41と横溝42とにより形成される陸部の角部には、陸部40中央側から先端に向かってテーパーが付与されている。
上述のとおり、本実施形態のタイヤでは、陸部40のサイプのうち、横溝42に隣接し且つ該横溝42に沿って延びるサイプ、又は、周方向溝41に隣接し且つ該周方向溝41に沿って延びるサイプ7e(本実施形態では、横溝2に隣接し且つ当該横溝2に沿って延びている)は、少なくとも陸部40の隅部側のサイプ長さ方向半部Fcに、サイプ形成用ブレードのクロスベントh(図3(a)参照)を介して成形される突起b(図3(e)参照)のない溝壁を有する。なお、図4における突起bの記載は、本実施形態において該突起bが配置された位置を示す目的で記載したものであり、実際の突起bが、図示された形状であることを意味しない。
図1に示した実施形態と同様に、図4に示す実施形態において、トレッドの踏面におけるサイプ形状はジグザグ状であるが、本発明のサイプ形状はこれに限定されることはなく、直線状、波状等の他の形状とすることもできる。
また、本発明に係るタイヤ成形用金型を模式的に示した図5を参照して、本発明に係るタイヤ成形用金型は、タイヤの加硫成型時に、タイヤのトレッド相当部分に周方向溝及び横溝をそれぞれ形成する、周方向凸部M51及び幅方向凸部M52を有し、これら周方向凸部M51及び幅方向凸部M52に包囲された凹部Mdに、タイヤのトレッド相当部分に複数のサイプを形成する複数枚のブレードM56c、M56eを並列に配置したタイヤ成形用金型であって、ブレードM56c、M56eのうち、周方向凸部M51に隣接し且つ該周方向凸部M51に沿って延びるブレード、又は、幅方向凸部M52に隣接し且つ該幅方向凸部M52に沿って延びるブレード(本実施形態では、幅方向凸部M52に隣接し且つ幅方向凸部M52に沿って延びるブレードM56e)は、少なくとも前記凹部Mdの隅部側のブレード長さ方向半部Fcにクロスベントhがない。
かようなタイヤ成形用金型を用いることにより、タイヤのトレッド陸部に、欠けや割れが生じるのを抑制することができる。
周方向溝を形成する周方向凸部M51、及び/又は、横溝を形成する幅方向凸部M52の溝幅方向の断面積が24mm2以上であるタイヤ成形用金型、又は、該周方向凸部M51及び/又は周方向凸部M52の高さが8mm以上であるタイヤ成形用金型、において本発明の構成を適用することにより、トレッド陸部における割れや欠けに対する抑制効果がより顕著になる。
さらに、本発明に係るタイヤを製造するにあっては、上記のタイヤ成形用金型を用いて加硫成型することができる。かような方法により製造したタイヤでは、トレッド陸部に欠けや割れによる故障の発生を抑制することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれだけに限定されるものではない。
発明例タイヤ及び比較例タイヤ(ともに、タイヤサイズは195/80R15)を表1に示す仕様のもと試作し、トレッド陸部における割れ又は欠けの発生の有無を評価した。
各供試タイヤは、一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカスを骨格として、該カーカスのタイヤ径方向外側に、タイヤ周方向に対して傾斜する向きに延びるコードを有する少なくとも1層のプライからなる傾斜ベルトと、タイヤ周方向に沿って延びるコードを有する少なくとも1層のプライからなる周方向ベルトと、トレッドと、を具えるタイヤである。
発明例1は、図1に示すショルダー陸部列Sを具えたトレッドパターンを有する。すなわち、タイヤ周方向に延びる周方向溝1と、トレッド接地端TEと、これらをつなぐ横溝2と、によって複数の陸部10が区画され、各陸部10には、横溝2に沿って並列して延びる複数本のサイプを具える。
発明例2〜4及び比較例1〜3の諸元は表1に示す通りである。
なお、表1中の各部位の深さや幅等は、図6に示す符号と一致している。
Figure 0006442265
(割れ、欠け及びベアの有無)
表1に示す諸元のタイヤを試作し、加硫成型後の各タイヤについて、図6に示す4つのクロスベント位置ha〜hd周辺における、割れ又は欠けの数、及び、ベア数を数えた。
なお、本実施例では、各諸元のタイヤをそれぞれ10本ずつ試作し、各タイヤにおける割れ又は欠けの数、及び、ベア数のそれぞれの平均値を求めて評価した。結果を、表2に示した。
Figure 0006442265
発明例タイヤでは、トレッド陸部の割れ又は欠け、及び、ベアの発生数が、比較例タイヤに比し抑制されることが分かった。
1、21、41 周方向溝
2、22、42 横溝
4、5、6、7、24 サイプ
5e、6e、7e、25e、26e 横溝又は周方向溝に隣接し且つ当該溝に沿って延びるサイプ
5c、6c、7c、25c、26c 横溝又は周方向溝に隣接し且つ当該溝に沿って延びるサイプ間に配置されたサイプ
10、20、40 陸部
Fc 横溝又は周方向溝に隣接し且つ当該溝に沿って延びるサイプにおける、少なくとも陸部の隅部側のサイプ長さ方向半部
M26e 横溝に隣接し且つ該横溝に沿って延びるサイプを形成するブレード
M56e 横溝又は周方向溝に隣接し且つ該横溝に沿って延びるサイプ56eを形成するブレード
M56c 横溝又は周方向溝に隣接し且つ当該溝に沿って延びるサイプ間に配置されたサイプを形成するブレード
M26c 横溝又は周方向溝に隣接し且つ当該溝に沿って延びるサイプ間に配置されたサイプを形成するブレード
TE トレッド接地端
b 突起、突起位置
h クロスベント
VHt ベントホール跡

Claims (6)

  1. トレッドの踏面を、該トレッドの周方向に延びる少なくとも1本の周方向溝と、該周方向溝相互間及び/又は該周方向溝とトレッド接地端との間をつなぐ横溝と、によって複数の陸部を区画し、少なくとも1つの該陸部に、並列して延びる複数本のサイプを具えるタイヤであって、
    前記複数本のサイプのうち、前記横溝に隣接し且つ当該横溝に沿って延び、又は、前記周方向溝に隣接し且つ当該周方向溝に沿って延びる、第一サイプは、該第一サイプの長さ方向全体にわたってサイプ形成用ブレードのクロスベントを介して成形される突起のない溝壁を有し、
    前記複数本のサイプのうち、前記第一サイプに隣接し且つ前記第一サイプに沿って延びる第二サイプは、サイプ形成用ブレードのクロスベントを介して成形される突起を備えた溝壁を有することを特徴とするタイヤ。
  2. 前記トレッドが発泡ゴムからなる、請求項に記載のタイヤ。
  3. 前記第一サイプが隣接し且つ該第一サイプが沿って延びる、横溝又は周方向溝部分の溝幅方向の断面積が24mm2以上である、請求項1又は2に記載のタイヤ。
  4. 前記第一サイプが隣接し且つ該第一サイプが沿って延びる、横溝又は周方向溝部分の深さが8mm以上である、請求項1又は2に記載のタイヤ。
  5. タイヤの加硫成型時に、タイヤのトレッド相当部分に周方向溝及び横溝をそれぞれ形成する、周方向凸部及び幅方向凸部を有し、これら周方向凸部及び幅方向凸部に包囲された凹部に、前記タイヤのトレッド相当部分に複数のサイプを形成する複数枚のブレードを並列に配置したタイヤ成形用金型であって、
    前記ブレードのうち、前記周方向凸部に隣接し且つ該周方向凸部に沿って延び、又は、前記幅方向凸部に隣接し且つ該幅方向凸部に沿って延びる、第一ブレードは、該第一ブレードの長さ方向全体にわたって、クロスベントを備えず、
    前記ブレードのうち、第一ブレードに隣接し且つ該第一ブレードに沿って延びる第二ブレードは、クロスベントを備えることを特徴とする、タイヤ成形用金型。
  6. 請求項に記載のタイヤ成形用金型を用いて加硫成型することを特徴とする、タイヤの製造方法。
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