JP6442167B2 - グロメットアッセンブリ - Google Patents

Description

本発明は、グロメットアッセンブリに関するもので、自動車等のパネルを貫通させてワイヤーハーネスを組み付ける際に使用されるグロメットアッセンブリに関するものである。

グロメットアッセンブリとしては、図４に示すように、ワイヤーハーネス１００との固定部１０１からボデーパネルシール部１０２までをゴムで一体成形し、その内面に樹脂インナー１０３を配設し、その樹脂インナーパネルを介してパネルに固定するものがある。

このようなグロメットアッセンブリでは、それらを一体成形されるが、Ａ部においては、アンダーカットとなるため、ワイヤーハーネスの軸芯方向とは垂直な方向に型抜きをすることになる。これは、グロメット成形性が低下し、ワイヤーハーネス全体の生産性低下に繋がるばかりでなく、パネルシール面に型パーティングラインが発生し、パネルシール性の低下を招く虞がある。

本発明は、上記のような実情に鑑みて成されたもので、生産性が向上し、かつシール性が確保できるグロメットアッセンブリを提供することを目的とする。

上記した目的を達成するため、本発明に係るグロメットアッセンブリ（１）〜（５）は、次のことを特徴としている。
（１） ワイヤーハーネスをパネルに組み付けるためのグロメットアッセンブリであって、
前記ワイヤーハーネスが融着されたグロメットと、前記グロメットの周面に嵌着され且つ前記パネルに固定されるブラケットであって前記パネルへの固定態様が異なる複数種類のブラケットと、前記ブラケットの周縁に嵌着されるパッキンと、を備え、
前記グロメット、前記複数種類のブラケット、及び、前記パッキンは、
それぞれ別に形成されると共に、前記パネルへの固定態様に基づいて選択された前記複数種類のブラケットのうちの１つと、前記グロメット及び前記パッキンと、を互いに組み付け可能であるように構成されたこと。

（２） 上記（１）に記載のグロメットアッセンブリにおいて、
前記グロメット及び前記ブラケットは、前記グロメットが前記ブラケットに対して前記ワイヤーハーネスの軸方向における一方向き及び他方向きの双方において相対移動しないように組み付けられること。
（３） 上記（１）又は（２）に記載のグロメットアッセンブリにおいて、
前記ブラケットは、前記パネルのパネル孔に係止可能な爪と、前記爪に対応するブラケットの部位に設けられた挿通孔と、を有し、前記爪と前記パネル孔との係合によって前記ブラケットを前記パネルに固定する固定態様に対応したタイプのものであること。
（４） 上記（１）又は（２）に記載のグロメットアッセンブリにおいて、
前記ブラケットは、ネジ孔を有し、前記パネルへのネジ止めによって前記ブラケットを前記パネルに固定する固定態様に対応したタイプのものであること。
（５） 上記（１）又は（２）に記載のグロメットアッセンブリにおいて、
前記グロメットは、その周面に、径方向外側に突出する一対のフランジ部の間に挟まれた環状の係止溝を有し、
前記ブラケットは、中心に前記グロメットを挿通するグロメット挿通孔が形成された円板状の主部と、前記主部の上面に突出すると共に前記グロメット挿通孔を画成する小径環状リブと、前記主部の周縁と前記小径環状リブとの間の前記主部の上面に突出する大径環状リブと、を備え、
前記パッキンは、中心に孔が形成された円板状部分と、前記円板状部分の下面周縁に形成され径方向内側に開口する環状凹部を画成するフランジ部と、を備え、
前記グロメットの前記環状の係止溝に前記ブラケットの前記小径環状リブが嵌着され、前記ブラケットの前記大径環状リブに前記パッキンの前記孔が嵌合され、前記ブラケットの前記主部の周縁に前記パッキンの前記環状凹部が嵌着されたこと。

上記（１）〜（５）の構成のグロメットアッセンブリによれば、それぞれの部品をそれぞれ別に形成したので、パッキンをモールドグロメットと別成形したことにより、型開き方向をワイヤーハーネスに左右されず、複雑な型を使用する必要がなくなり、製作が容易になる。また、型パーティングラインが生じなくなる。また、モールド量を最小にできる。
また、グロメットをモールドグロメットと別成形したことにより、型開き方向をワイヤーハーネスに左右されず、自由な形状が確保できる。

更に、上記（１）〜（５）の構成のグロメットアッセンブリによれば、ブラケットを入れ換え、ボデーパネル穴径、固定方法（樹脂ロック固定、ネジ止め固定等）に対応できるようになる。

本発明に係るグロメットアッセンブリのグロメットとパッキンとブラケットとを示した分解斜視図である。 それらを組付けた状態の断面斜視図である。 本発明に係るグロメットアッセンブリの構成要素である、グロメット、パッキンおよびブラケットを組付けた状態を示す断面図である。 従来のグロメットアセンブリを示した断面図である。

以下、本発明に係るグロメットアッセンブリの一実施の形態を、図面を参照しながら説明する。

グロメットアッセンブリは、ワイヤーハーネス１を融着したゴム，エラストマー等のモールドグロメット１０と、当該グロメットを保持するブラケット２０と、パッキン３０とを備え、ワイヤーハーネス１は、グロメット１０，ブラケット２０を介して車両等のパネル４０に保持され、パッキン３０によってブラケット２０とパネル４０との間がシールされる。

グロメット１０は、樹脂によって成形されている。このグロメット１０は、小径フランジ部１１と大径フランジ部１２を備え、それらのフランジ部１１，１２間に環状の係止溝１３が形成されている。そして、筒状端部１４から小径フランジ部１１の上端外周縁までは、円錐状斜面１５によって形成されている。また、大径フランジ部１２の下面には、筒状端部１６が突設されている。

ブラケット２０は、硬質樹脂によって成形されている。このブラケット２０は、主部２１が円板状に形成され、中心にグロメット１０を挿通するグロメット挿通孔２２が形成されている。主部２１の上面には、グロメット挿通孔２２を画成する小径環状リブ２３と、その環状リブの外周に同芯状に中径環状リブ２４および大径環状リブ２５とが形成されている。主部２１の下面には、周方向３か所等間隔にこの爪２６が形成されている。爪２６に対応する主部２１には、挿通孔２７が形成されており、爪２６は、挿通孔２７を介して上型の一部が挿入されて型形成される。

パッキン３０は、ゴム、軟質の樹脂等によって形成され、中心に上記ブラケット２０の大径環状リブ２５に嵌合する孔３１が形成され、下面周縁にフランジ部３２が形成され、このフランジ部３２によって内方に開口する環状凹部３３が形成されている。

このように構成された各部材は、以下のようにて組付けられる。
図２に示すように、ブラケット２０の周縁にパッキン３０の環状凹部３３を嵌着する。ブラケット２０のグロメット挿通孔２２にグロメット１０の筒状端部１４を先頭にしてグロメット１０を挿入する。すると、グロメット１０の筒状端部１４、円錐状斜面１５、次いで小径フランジ部１１が圧縮されてブラケット２０のグロメット挿通孔２２を通過し、ブラケット２０の小径環状リブ２３がグロメット１０の係止溝１３に嵌合する。

このようにしてブラケット２０に取付けられたグロメット１０は、その係止溝１３にブラケット２０の周縁が圧入して、グロメット１０とブラケット２０との間のシールが図られる。

次いで、図３に示すように、グロメット１０を車体等のパネル４０のパネル孔４１に挿入し、ブラケット２０の爪２６をパネル孔４１縁に係合させることによって、グロメット１０をパネル４０に取付ける。この状態においては、パッキン３０がパネル４０のパネル孔４１の周縁に当接し、ブラケット２０とパネル４０との間のシールが図られる。

また、ブラケット２０がネジ孔を有するタイプのものであり、パネル４０側にも対応部位にネジ孔を有することで、両者のネジ孔にネジを締結することにより、両者がネジ止めされるとうにしても良い。
このように、本発明によれば、いろいろなタイプのブラケット２０をグロメットに組み込むことができる。

〈まとめ〉
ここで、上述した本発明に係るグロメットアッセンブリの特徴をそれぞれ以下ｉ項〜iii項に簡潔に纏めて列記する。
［ｉ］ワイヤーハーネス（１）が融着されたグロメット（１０）と、当該グロメットの周面に嵌着されるブラケット（２０）と、当該ブラケットの周縁に嵌着されるパッキン（３０）とをそれぞれ別に形成し、前記ブラケットを入れ換え可能にしたことを特徴とするグロメットアッセンブリ。
［ii］前記ブラケット（２０）に、パネル（４０）のパネル孔（４１）に係止させる爪（２６）を備え、当該爪に対応するブラケットの部位に挿通孔（２７）を形成した樹脂ロック固定タイプのものであることを特徴とする上記ｉに記載のグロメットアッセンブリ。
［iii］前記ブラケット（２０）がネジ孔を有し、パネル（４０）のネジ孔にネジ止めされるネジ止めタイプのものであることを特徴とする上記ｉに記載のグロメットアッセンブリ。

本発明に係るグロメットアッセンブリ（ｉ）によれば、それぞれの部品をそれぞれ別に形成したので、パッキンをモールドグロメットと別成形したことにより、型開き方向をワイヤーハーネスに左右されず、複雑な型を使用する必要がなくなり、製作が容易になる。また、型パーティングラインが生じなくなる。また、モールド量を最小にできる。
また、グロメットをモールドグロメットと別成形したことにより、型開き方向をワイヤーハーネスに左右されず、自由な形状が確保できる。

グロメットアッセンブリ（ii）および（iii）によれば、ブラケットを入れ換え、ボデーパネル穴径、固定方法（樹脂ロック固定、ネジ止め固定等）に対応できるようになる。

１ ワイヤーハーネス
１０ グロメット
１１ 小径フランジ
１２ 大径フランジ
１３ 係止溝
１４ 筒状端部
１５ 円錐状斜面
１６ 縦溝
２０ ブラケット
２１ 主部
２２ グロメット挿通孔
２３ 小径環状ジブ
２４ 中径環状リブ
２５ 大径環状リブ
２６ 爪
２７ 挿通孔
３０ パッキン
３１ 孔
３２ フランジ部
３３ 環状凹部
４０ パネル
４１ パネル孔

Claims (5)

1. ワイヤーハーネスをパネルに組み付けるためのグロメットアッセンブリであって、
   前記ワイヤーハーネスが融着されたグロメットと、前記グロメットの周面に嵌着され且つ前記パネルに固定されるブラケットであって前記パネルへの固定態様が異なる複数種類のブラケットと、前記ブラケットの周縁に嵌着されるパッキンと、を備え、
   前記グロメット、前記複数種類のブラケット、及び、前記パッキンは、
   それぞれ別に形成されると共に、前記パネルへの固定態様に基づいて選択された前記複数種類のブラケットのうちの１つと、前記グロメット及び前記パッキンと、を互いに組み付け可能であるように構成された、
   グロメットアッセンブリ。
2. 前記グロメット及び前記ブラケットは、前記グロメットが前記ブラケットに対して前記ワイヤーハーネスの軸方向における一方向き及び他方向きの双方において相対移動しないように組み付けられる、請求項１に記載のグロメットアッセンブリ。
3. 前記ブラケットは、前記パネルのパネル孔に係止可能な爪と、前記爪に対応するブラケットの部位に設けられた挿通孔と、を有し、前記爪と前記パネル孔との係合によって前記ブラケットを前記パネルに固定する固定態様に対応したタイプのものである、請求項１又は請求項２に記載のグロメットアッセンブリ。
4. 前記ブラケットは、ネジ孔を有し、前記パネルへのネジ止めによって前記ブラケットを前記パネルに固定する固定態様に対応したタイプのものである、請求項１又は請求項２に記載のグロメットアッセンブリ。
5. 前記グロメットは、その周面に、径方向外側に突出する一対のフランジ部の間に挟まれた環状の係止溝を有し、
   前記ブラケットは、中心に前記グロメットを挿通するグロメット挿通孔が形成された円板状の主部と、前記主部の上面に突出すると共に前記グロメット挿通孔を画成する小径環状リブと、前記主部の周縁と前記小径環状リブとの間の前記主部の上面に突出する大径環状リブと、を備え、
   前記パッキンは、中心に孔が形成された円板状部分と、前記円板状部分の下面周縁に形成され径方向内側に開口する環状凹部を画成するフランジ部と、を備え、
   前記グロメットの前記環状の係止溝に前記ブラケットの前記小径環状リブが嵌着され、前記ブラケットの前記大径環状リブに前記パッキンの前記孔が嵌合され、前記ブラケットの前記主部の周縁に前記パッキンの前記環状凹部が嵌着された、
   請求項１又は請求項２に記載のグロメットアッセンブリ。

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