〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る電源装置の一例を示している。
この電源装置2は、負荷4に系統電源6を給電する。負荷4はたとえば、コージェネレーションシステムの発電機など、系統電源6の停電時に動作させるべき負荷であればよい。系統電源6はたとえば、商用交流電源である。
この電源装置2には、系統電源6の停電時、負荷4に系統電源6に代えて給電する非常用電源8、給電切替部10および制御部12が備えられる。非常用電源8は、バッテリであってもよいし、バッテリを含む非常用の電源装置であってもよい。バッテリには一次電池を用いてもよいし、たとえば、系統電源6の給電により充電される二次電池を用いてもよいし、これらを含む電源回路であってもよい。
給電切替部10は、負荷4に対する給電をたとえば、系統電源6に代えて非常用電源8を切り替えるリレーなどのスイッチであればよい。
制御部12はたとえば、コンピュータなどの情報処理装置で構成すればよい。この制御部12では、基準時点t1から所定時間Tが経過し、かつ、負荷4の起動時、給電切替部10により負荷4に系統電源6に代えて非常用電源8を給電し、非常用電源8による負荷4の動作状態を判断する。この判断結果により、制御部12から表示情報が出力される。表示部14はこの表示情報を受けたとえば、可視情報を出力する。なお、基準時点t1は非常用電源8の設置時、その交換時、非常用電源8による負荷4の起動時、非常用電源8に含まれる電池の充電開始時、電池の充電終了時のいずれでもよい。
系統電源6の停電時、図2のAに示すように、制御部12が系統電源6の停電を検出し、給電切替部10を切り替え、非常用電源8を負荷4に給電する。これにより、負荷4は、系統電源6の停電時、非常用電源8によって動作させることができる。
非常用電源8が正常であるかの判断は、系統電源6の正常時、負荷4の起動時に行う。系統電源6が正常であって、負荷4の起動時、基準時点t1から所定時間Tが経過している場合には、図2のBに示すように、制御部12は、系統電源6に代えて非常用電源8を負荷4に給電し、非常用電源8による負荷4の動作状態を判断する。これにより、非常用電源8による負荷4の動作状態をチェックし、そのチェック結果である動作状態を表示部14に表示する。
図3のAは、負荷4に対する系統電源6または非常用電源8の給電制御の処理手順を示している。
制御部12は、負荷4の起動を監視し(S1)、起動中(S1のYES)、系統電源6の停電を監視する(S2)。系統電源6が停電していなければ(S2のNO)、負荷4に対し系統電源6を給電する(S3)。これに対し、系統電源6が停電していれば(S2のYES)、負荷4に対して非常用電源8を給電する(S4)。そして、S1において、負荷4を起動しなければ(S1のNO)、S2、S3、S4をスキップし、斯かる処理を終了する。
図3のBは、系統電源6の正常時における非常用電源8の動作チェックの処理手順を示している。この処理手順は、本発明の電源装置のチェックプログラムまたはそのチェック方法の一例である。
制御部12は、負荷4が起動時かを監視する(S11)。負荷4の起動時であれば(S11のYES)、基準時点t1から所定時間T以上が経過しているかを判断する(S12)。基準時点t1から所定時間T以上が経過していれば(S12のYES)、非常用電源8を負荷4に給電する(S13)。この非常用電源8の給電中、制御部12が動作状態を判定し(S14)、この動作状態を表示部14に表示する(S15)。
基準時点t1から所定時間T以上が経過していなければ(S12のNO)、系統電源6を給電する(S16)。つまり、S13、S14、S15をスキップし、通常動作を継続する。
そして、S11で負荷4の起動時でなければ(S11のNO)、S12ないしS16をスキップし、この処理を終了する。
以上述べた処理手順に代え、図4に示す処理手順を用いてもよい。
この処理手順では、制御部12は、負荷4が起動時かを監視し、まず系統電源6が停電かを判断する(S21)。系統電源6が停電していれば(S21のYES)、負荷の起動かを判断し(S22)、負荷の起動でなければ(S22のNO)、この処理を終了する。負荷の起動であれば(S22のYES)、系統電源6が停電中であるから、非常用電源8の給電を行う(S23)。
系統電源6が停電していなければ(S21のNO)、負荷4の起動かを判断する(S24)。負荷4の起動であれば(S24のYES)、基準時点t1から所定時間T以上が経過しているかを判断する(S25)。基準時点t1から所定時間T以上が経過していれば(S25のYES)、非常用電源8を給電する(S26)。この非常用電源8の給電中、制御部12が動作状態を判定し(S27)、この動作状態を表示部14に表示する(S28)。
基準時点t1から所定時間T以上が経過していなければ(S25のNO)、系統電源6を給電する(S29)。つまり、S26、S27、S28をスキップし、通常動作を継続する。
そして、S24で負荷4の起動時でなければ(S24のNO)、S25ないしS28をスキップし、この処理を終了する。
<第1の実施の形態の効果>
(1) 非常用電源8の動作チェックには、系統電源6の正常時における負荷4の起動時に、基準時点から所定時間が経過している場合を捉え、系統電源6に代えて非常用電源8を給電して負荷4の動作状態を判断する。このため、非常用電源8が正常か否かを負荷4の動作期間内で判断することができる。
(2) 非常用電源8が正常か否かを判断するために、負荷4の停止時に負荷4を起動する必要がないので、負荷4の無駄な起動や、停止時の不用意な起動を防止でき、停止中を常態する期間で負荷4を起動するためにユーザに不快感を与えるといった不都合を回避できる。
(3) 非常用電源8がたとえば、二次電池である場合、バッテリチェックのために無駄な放電を防止でき、バッテリの短寿命化を防止できる。
(4) 負荷4にたとえば、エンジンを用いた場合、定期的にエンジンを非常用電源8としてたとえば、バッテリにより起動するが、この起動とは別に、基準時点である確認タイミングが到来したとき、系統電源6の給電で最初の起動時、非常用電源8の設置時、その交換時に系統電源6に代えてバッテリを給電して起動することができる。
(5) このような定時の起動時を捉えてチェックタイミングとするので、停止時に突如エンジンが起動する場合などの不都合はなくバッテリチェックに定期起動に用いられる装置を兼用させて確認できるので、特別な装置や回路が不要である。
〔第2の実施の形態〕
図5は、第2の実施の形態に係るコージェネレーションシステムの一例を示している。図5において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
このコージェネレーションシステム(以下単に「システム」と称する)20は既述の電源装置2の一例である。
このシステム20には、分電盤22、発電ユニット24、ブラックアウトユニット26および貯湯ユニット28が備えられる。分電盤22は、系統電源6を発電ユニット24などに分電し給電する。発電ユニット24は、系統電源6またはブラックアウトユニット26からの給電により発電する。ブラックアウトユニット26は既述の非常用電源8の一例であり、系統電源6の停電時、非常用電源出力を生ずる。貯湯ユニット28は、発電ユニット24の排熱で加熱された湯を貯湯する。
分電盤22に接続された系統電源6にはたとえば、商用電源の単相3線式100〔V〕または200〔V〕などの交流を用いればよい。この系統電源6が接続された主幹回路30には、主幹ブレーカ32や電流センサー34が備えられ、過電流ブレーカ36を介して負荷38が接続されるとともに、コージェネ専用ブレーカ40を介して既述の負荷4の一例である発電ユニット24や、ブラックアウトユニット26が接続されている。
発電ユニット24には電力制御部(Power Conditioning Unit:以下、「PCU」と称する)42、エンジン制御部(Engine Control Unit:以下、「ECU」と称する)12−1、発電機44、余剰電力ヒータ46が備えられる。PCU42は発電ユニット24の発電、系統電源6の停電時の給電切替え、系統電源6の停電時に備えるバッテリチェックなど、発電機44の発電制御を含むエンジン制御を実行し、ECU12−1がこれらの制御を実行する。
系統電源6の正常時、PCU42には漏電リレー48およびフィルタ50を介して系統電源6が給電される。漏電リレー48は、主幹回路30の漏電を検知し、漏電時、系統電源6の給電を解除する。フィルタ50は交流入力に含まれるたとえば、高周波ノイズや歪波を除く。
PCU42には、昇圧回路52、ブリッジ回路54、系統連系リレー56、電源リレー58、モータインバータ回路60、ヒータ制御回路62が含まれる。系統連系リレー56は、発電時、主幹回路30側にブリッジ回路54を接続する。系統電源6が停電時、ブリッジ回路54が主幹回路30側から切り離される。ブリッジ回路54は直流を交流に変換する整流回路の一例であり、複数の整流素子をブリッジ接続して構成すればよい。発電機44にて発電した交流電力は、モータインバータ回路60にて直流に整流され、昇圧回路52で昇圧されて、このブリッジ回路54にて交流に整流し系統に供給される。
電源リレー58は既述の給電切替部10の一例である。この電源リレー58では系統電源6の給電により出力を生じ、一例として動作リレーを備えている。系統電源6の正常時、この動作リレーがON状態となり、系統電源6からPCU42に給電される。
モータインバータ回路60は、発電機44にインバータ出力を供給する。発電機44は既述の負荷4の一例であって、エンジン64の回転により駆動され、発電する。ヒータ制御回路60には余剰電力ヒータ46に余剰電力を供給する。バッテリチェック時、バッテリ66によりモータインバータ回路60を駆動し、このモータインバータ回路60の出力を発電機44に供給し、この発電機44をエンジン64のスターターとして使用する。つまり、エンジン64の起動後、発電機44が本来の機能である発電機として動作する。
ブラックアウトユニット26にはバッテリ66、充電回路68、連系リレー70、系統電圧検出部72、ブラックアウト制御部(以下「BCU」と称する)12−2などの複数の機能部が含まれる。
バッテリ66は二次電池の一例であり、非常用電源8の一例でもある。充電回路68は系統電源6の正常時、系統電源6の整流出力によりバッテリ66を充電する。連系リレー70は、系統側接点a、バッテリ側接点bおよび可動接点を備え、系統電源6の正常時、系統側接点aを閉じ、系統電源6の停電時、バッテリ側接点bを閉じる。系統電圧検出部72は、系統電源6の監視手段の一例であり、系統電圧の電圧値を検出し、その検出出力がBCU12−2に取り込まれる。
このBCU12−2はECU12−1、貯湯ユニット28、PCU42のそれぞれと連系動作を行う。
このブラックアウトユニット26には次のような機能が含まれる。
a)系統電源6の正常時、バッテリ66が充電状態となる。
b)系統電源6の停電時、バッテリ66の出力が発電ユニット24および貯湯ユニット28側に給電される。
c)前回のバッテリチェックなどの基準時点からの一定時間Tの経過後、たとえば、30日経過後、系統電源6が正常であって、発電機44の起動時、バッテリチェックのため、バッテリ66の出力が発電ユニット24に給電される。これにより、動作チェックが行われる。
系統電源6の正常時、バッテリ66には系統電源6の整流出力が加えられる。系統電源6の系統電圧は系統電圧検出部72によって検出される。この系統電圧は整流回路の一例であるダイオード76によって整流され、この整流出力が基板電源78および充電回路68に加えられる。充電回路68の出力は充電リレー80を介してバッテリ66に供給される。充電リレー80は充電時にON状態となる。
系統電源6の停電時、連系リレー70は系統側接点aからバッテリ側接点bに切り替えられ、バッテリ66が放電状態となる。バッテリ66の出力はヒューズ82を介して昇圧回路84に加えられる。この昇圧回路84の出力はブリッジ回路86から連系リレー70のバッテリ側接点b側より貯湯ユニット28に出力されるとともに、コンセントリレー88を介して非常用コンセント90に出力される。コンセントリレー88は、ブリッジ回路86の出力時、非常用コンセント90側に閉じられる。
そして、このブラックアウトユニット26には操作スイッチ98が備えられている。この操作スイッチ98は系統電源6の停電時に操作する。この操作に基づき、バッテリ66の出力によりエンジン64の始動などが実行される。
<制御系統120>
図6は、システム20の制御系統120を示している。この制御系統120は既述の制御部12の一例であり、コンピュータによって構成される。この制御系統120にはECU12−1、BCU12−2、貯湯制御部12−3、PCU42およびリモコン装置102の制御機能部が含まれる。
ECU12−1は発電ユニット24の発電、系統電源6の停電時の給電切替え、系統電源6の停電時に備えるバッテリチェックなどの制御を行う。これらの制御はコンピュータによって実行される。
ECU12−1にはプロセッサ92−1、メモリ部94−1、システム通信部74−1、クランク回転数未検出カウンター96−1、入出力(I/O)部104−1が含まれる。
入出力(I/O)部104−1にはモータインバータ回路60およびクランクセンサー96−2が接続されている。
プロセッサ92−1はメモリ部94−1にあるOS(Operating System)を用いて各種プログラムを実行し、発電ユニット24の発電、系統電源6の停電時の給電切替え、系統電源6の停電時に備えるバッテリチェックなどに必要な情報処理や制御を行う。
メモリ部94−1は記録部の一例であり、OSのほか、停電時の給電切替え、系統電源6の停電時に備えるバッテリチェックなどに必要なデータを格納する。このメモリ部94−1には不揮発性のメモリやRAM(Random-Access Memory)などを備えればよい。
システム通信部74−1は、PCU42のシステム通信部74−2、BCU12−2側のシステム通信部74−3、貯湯制御部12−3、リモコン装置102のシステム通信部74−4と連系し、データの送受信を行う。この送信データまたは受信データには後述のバッテリチェック要請、バッテリ起動完了、バッテリ供給要請などを表すデータが含まれる。
クランク回転数未検出カウンター96−1はクランクの未回転を表す検出回数を検知する。クランクセンサー96−2はエンジン64のクランク回転を検出する。モータインバータ回路60は、発電機44のドライバである。
PCU42には、プロセッサ92−2、メモリ部94−2、システム通信部74−2、PCU回転数未検出カウンター96−3、ヒータ制御回路62、系統連系リレー56、ブリッジ回路54、昇圧回路52、電源リレー58、入出力(I/O)部104−2が含まれる。メモリ部94−2は記録部の一例であり、OSのほかプログラムや制御情報、履歴情報などの各種の情報を記録する。
PCU回転数未検出カウンター96−3はPCU42の出力によりエンジン64の回転数の未検出状態をカウントする。電源リレー58に含まれる既述の動作リレーの接点出力がプロセッサ92−2に取り込まれる。ヒータ制御回路62は、余剰電力ヒータ46を制御する。
図7は、制御系統120におけるBCU12−2、リモコン装置102の構成例を示している。
BCU12−2はブラックアウトユニット26の制御を実行する。BCU12−2にはプロセッサ92−3、メモリ部94−3、システム通信部74−3、I/O部104−3、系統電圧検出部72、BCUチェックタイマー96−4、連系リレー70が含まれる。I/O部104−3には操作スイッチ98、表示部14−1が接続されている。
プロセッサ92−3はメモリ部94−3にあるOSを用いて各種プログラムを実行し、ブラックアウトユニット26に必要な情報処理や制御を行う。
メモリ部94−3は記録部の一例であり、OSのほか、停電時の給電切替え、系統電源6の停電時に備えるバッテリチェックなどに必要なデータを格納する。このメモリ部94−3には不揮発性のメモリやRAMなどを備えればよい。
システム通信部74−3は、他のユニットのシステム通信部74−1、74−2、74−4や貯湯ユニット28とのデータの授受を行う。系統電圧検出部72にはたとえば、電圧計が用いられ、系統電圧情報がプロセッサ92−3に取り込まれる。
BCUチェックタイマー96−4は、基準時点としてたとえば、バッテリチェックの時点から時間を計時する。この時間計時により、プロセッサ92−3が基準時点からの所定時間Tがたとえば、T=30〔日〕の到達時点を検出する。
操作スイッチ98は、系統電源6の停電時、操作に基づき、バッテリ66の出力によりエンジン64を始動させる。
表示部14−1はたとえば、LED(Light Emitting Diode)によるアラームや、LCD(Liquid Crystal Display)により制御状態を表示する。
貯湯制御部12−3は貯湯ユニット28などの制御を実行する。
リモコン装置102は、プロセッサ92−4、メモリ部94−4、システム通信部74−4、I/O部104−4、操作スイッチ106、表示部14−2、音入出力部110が含まれる。操作スイッチ106は通常動作の開始などに用いられる。メモリ部94−4は記録部の一例であり、他のメモリ部94−1、94−2、94−3と同様に各種の制御情報や履歴情報を格納する。表示部14−2は、通常動作における表示のほか、バッテリチェックのアラーム表示などの表示に用いられる。音入出力部110はマイクロフォンやスピーカなどが備えられ、ユーザ音声、動作音や警告音の入出力に用いられる。
<BCU12−2の制御>
図8は、BCUの処理手順の一例を示している。系統電源6の正常時の動作である。この場合、系統電源6からの給電(POWER ON)により、ブラックアウトユニット26の通電開始時の入出力などの初期化を行う(S101)。
この初期化を契機に他のユニットとのデータ交換としてデータ送受信を実行する(S102)。常に、系統電源6が正常か停電かを監視する(S103)。この停電監視には系統電圧検出部72が用いられ、その検出電圧により停電発生状態を判断する。系統電源6の停電発生であれば(S103のYES)、ブラックアウトユニット26の停電時処理を行う(S104)。つまり、停電発生時に対応した、ブラックアウトユニット26の給電動作を行う。この処理の後、S102に戻る。
停電発生でなければ(S103のNO)、基準時点からの所定時間として一定時間たとえば、30〔日〕が経過したかを判断する(S105)。つまり、前回のバッテリ起動から一定時間としてたとえば、30〔日〕以上経過したか判定する。基準時点から30〔日〕が経過していなければ(S105のNO)、S102に戻る。
基準時点から30〔日〕が経過していれば(S105のYES)、送信データにバッテリチェック要請を付加するとともに、バッテリチェック要請を記憶する(S106)。つまり、前回のバッテリチェック時点から30〔日〕が経過していれば、PCU42に対する送信データにバッテリチェックをすべきことを表す情報を搭載する。
受信データにバッテリチェック要請を記憶したかを判断する(S107)。つまり、受信データにバッテリの供給要請が記載されているかを判定する。受信データにバッテリチェック要請の記憶があれば(S107のYES)、バッテリ供給回路を確立させる(S108)。これにより、バッテリチェックモードに移行する。この場合、バッテリチェック要請があれば、昇圧回路84を動作状態とし、バッテリ供給回路M6、M2、M3(図13)を確立させ、バッテリを用いた電源供給を行う。
S107において、受信データにバッテリチェック要請の記憶がなければ(S107のNO)、受信データにバッテリ起動完了の記憶があるかを判断する(S109)。つまり、受信データにバッテリ起動完了が含まれているかを判定する。受信データにバッテリ起動完了の記憶がなければ(S109のNO)、S102に戻り、S102以下の処理を継続する。
受信データにバッテリ起動完了の記憶があれば(S109のYES)、バッテリ電源供給回路を停止させる(S110)。起動完了の場合は、バッテリ供給を停止する。このバッテリ供給停止時点で昇圧回路84の動作を停止させる。この停止を基準時点とし、既述の一定時間である経過日数のリセットを行う(S111)。つまり、記録している経過日数を初期化する。送信データのバッテリチェック要請の消去を行う(S112)。つまり、PCU42に対し送信するデータのバッテリチェック要請情報を消去する。そして、S102に戻り、S102以下の処理を継続する。
<ECU12−1およびPCU42の制御>
図9は、ECU12−1およびPCU42の処理手順の一例を示している。
PCU通電開始時、入出力などの初期化を行う(S201)。この初期化の後、他のユニットとのデータ交換としてデータ送受信を行う(S202)。
PCU管理処理を実行する(S203)。この処理では、PCU42の常時行う処理を実行し、この処理にはたとえば、何時発電を行うかなどの発電管理、ECU12−1やその他ユニットのシステム管理、異常報知管理などが含まれる。
発電タイミングの判断を行う(S204)。つまり、発電を行うタイミングかの判断を行う。発電タイミングでなければ(S204のNO)、発電中であるか判断する(S205)。発電中であれば(S205のYES)、発電停止処理を実行し(S206)、S202に戻る。また、発電中でなければ(S205のNO)、同様にS202に戻る。この場合、発電停止処理の時点で電源リレー58の動作リレー接点をON状態とする。
S204で、発電タイミングであれば(S204のYES)、発電中であるかを判断する(S207)。発電中であれば(S207のYES)、受信データに『バッテリチェック要請』があるかを判定する(S208)。受信データに『バッテリチェック要請』があれば(S208のYES)、S202に戻る。受信データに『バッテリチェック要請』がなければ(S208のNO)、『バッテリ起動完了』が認識されたと判断し、送信データから『バッテリ起動完了』を消去し(S209)、同様にS202に戻る。
S207において、発電中でなければ(S207のNO)、エンジンが停止中か判断する(S210)。エンジンが停止中であれば(S210のYES)、エンジン起動に失敗しているかを判断する(S211)。エンジン起動に失敗していれば(S211のYES)S202に戻った後、PCU管理で異常報知などを行う。
そして、エンジン起動に失敗した場合(S211のNO)には、バッテリによる起動に失敗しているかを判断する(S212)。バッテリ起動に失敗していれば(S212のYES)、エンジン駆動開始に移行する(S213)。つまり、通常起動に移る。この場合、エラー状態はPCU管理にて異常報知などを行う。
S212でバッテリ起動が失敗していなければ(S212のNO)、受信データに『バッテリチェック要請』が含まれているかを判定する(S214)。受信データに『バッテリチェック要請』が含まれていなければ(S214のNO)、エンジンの駆動開始(S213)を行う。
受信データに『バッテリチェック要請』が含まれていれば(S214のYES)、送信データに『バッテリ供給要請』が含まれているかを判定する(S215)。送信データに『バッテリ供給要請』が含まれていれば(S215のYES)、エンジンの駆動開始(S213)を行う。この時点で電源リレー58に内蔵されている動作リレー接点がOFF状態に移行する。そして、送信データに『バッテリ供給要請』が含まれていなければ(S215のNO)、送信データに『バッテリ供給要請』を付加してBCU12−2にバッテリ供給を要請し(S216)、S202に戻る。
S210でエンジン停止中でなければ(S210のNO)、エンジンが正常に起動したか確認する(S217)。エンジンが正常起動していれば(S217のYES)、受信データに『バッテリチェック要請』があるかを判断する(S218)。受信データに『バッテリチェック要請』があれば(S218のYES)、送信データに『バッテリ供給要請』の消去、『バッテリ起動完了』の記憶を行い(S219)、エンジン駆動から発電への移行処理を行う(S220)。この時点で電源リレー58の動作リレー接点をOFF状態に切り替える。
S218において、受信データに『バッテリチェック要請』がなければ(S218のNO)、S219をスキップし、S220の処理を行う。つまり、S218〜S220では、発電に移行する前に、受信データに『バッテリチェック要請』が記載されているかにより、バッテリ起動であるのか判定し、バッテリ起動であった場合、送信するデータの『バッテリ供給要請』を消去し、『バッテリ起動完了』を搭載する。バッテリチェック時には、昇圧回路84が動作状態となり、バッテリ供給回路M6、M2、M3(図13)を確立し、バッテリを用いた電源供給が行われる。
S217において、エンジン正常起動でなければ(S217のNO)、エンジン駆動停止を行う(S221)。つまり、起動に失敗すれば、エンジン駆動を停止させる。この時点で電源リレー58の動作リレー接点をON状態とする。
エンジン駆動停止の後、受信データに『バッテリチェック要請』が含まれているかを判断する(S222)。受信データに『バッテリチェック要請』が含まれていれば(S222のYES)、バッテリ起動に失敗していることを記録(S223)、送信データの『バッテリ供給要請』の消去、『バッテリ起動完了』の記録を行い(S224)、S202に戻る。
また、S222で受信データに『バッテリチェック要請』が含まれていなければ(S222のNO)、エンジンの起動に失敗したことを記録し(S225)、S202に戻る。
<動作タイミング>
図10は、BCU12−2、PCU42の各部動作として、AおよびBはBCU12−2側の動作、C〜FがPCU42側の動作を示している。
図10のAに示すように、バッテリ66のチェック後の時点t1(つまり、基準時点)から所定時間T(たとえば、T=30〔日〕)が経過した時点t2でバッテリチェック要請信号A1が発せられる。この場合、バッテリチェック要請信号A1は、時点t2で立ち上がり、Hレベルを維持し、時点t3で降下するパルスとなっている。
このバッテリチェック要請信号A1が発せられている状態で、図10のEに示す発電要請信号E2が立ち上がれば、図10のDに示すように、バッテリ供給要請信号D1が立ち上がる。このバッテリ供給要請信号D1は、図10のFのエンジン起動が終了(F2の降下)すると、時点t3の到来前に降下するパルスである。このバッテリ供給要請信号D1が発せられると、図10のBに示すように、バッテリ供給要請信号D1の前縁に同期してバッテリ66の給電が開始され、図10のCに示すように、バッテリ供給要請信号D1の降下に同期してバッテリ起動完了信号C1が立ち上がる。このバッテリ起動完了信号C1が立ち上がると、図10のBに示すように、バッテリ66の給電が解除される。
バッテリ66の給電が解除されると、図10のAに示すように、バッテリチェック要請信号A1が立ち下がる。これにより、図10のCに示すように、バッテリ起動完了信号C1が降下する。
また、図10のEに示すように、発電要請信号E1が立ち上がると、図10のFに示すように、エンジン起動信号F1が生じる。このエンジン起動信号F1によりエンジン起動が成功すれば、図10のGに示すように、エンジン起動信号F1の後縁に同期し、発電G1が開始される。図10のEに示すように、発電要請信号E1が解除されると、図10のGに示すように、この発電G1が解除される。
そして、図10のEに示すように、発電要請信号E2が立ち上がると、そのタイミングにバッテリチェック要請信号A1が立ち上がっていれば、図10のDに示すように、バッテリ供給要請信号D1が立ち上がるとともに、図10のFに示すように、バッテリ66によるエンジン起動信号F2により、エンジン起動が実行される。
この場合、エンジン起動信号F2が解除されると、図10のDに示すように、バッテリ供給要請信号D1が解除されるとともに、図10のGに示すように、バッテリ供給要請信号D1の後縁に同期して発電G2が開始される。そして、図10のEに示すように、発電要請信号E2が解除されると、図10のGに示すように、発電G2が解除される。
<系統電源6の正常時の動作モード>
系統電源6の正常時には、図11に示すように、系統電源6の給電により、エンジン64を起動し、発電機44が発電する。この場合、バッテリ66は、系統電源6の給電に基づき充電される。負荷38には系統電源6が給電される。そして、連系リレー70の系統側接点aが閉じられるので、貯湯ユニット28は系統電源6から給電される。図11において、太線により活性状態部を示している。
この動作モードでは、電源リレー58に内蔵の動作リレーの接点がON状態となり、系統電源6がモータインバータ回路60などに供給される。この場合、昇圧回路84の動作が解除状態となり、バッテリ66からの出力を停止させる。M1、M2、M3は系統電源6に基づく給電回路を示している。
なお、エンジン64の起動後、電源リレー58に内蔵された動作リレーの接点はOFF状態となるとともに、昇圧回路84の動作も停止される。このような停止状態は、系統電源6の正常時、停電時、バッテリチェック時のいずれの場合も電源リレー58、昇圧回路84の動作が停止状態となる。
<系統電源6の停電時のバッテリ起動モード>
系統電源6の停電時には、図12に示すように、バッテリ66から発電ユニット24側に給電される。これにより、エンジン64がバッテリ66の給電に基づいて起動され、発電機44が発電する。そして、系統電源6の停電により、連系リレー70のバッテリ側接点bが閉じられるので、貯湯ユニット28はバッテリ66から給電され、発電が行われると発電電力が給電される。図12において、太線により活性状態部を示している。
この動作モードでは、電源リレー58に内蔵された動作リレーの接点がOFF状態となる。この場合、昇圧回路84は駆動状態となり、バッテリ66からの出力が貯湯ユニット28に供給される。この場合、M4、M5、M2、M3はバッテリ66に基づく給電回路を示している。
<系統電源6の正常時のバッテリチェックモード>
系統電源6の正常時であって、バッテリチェックモードでは、図13に示すように、電源リレー58で系統電源6からの給電が解除されるとともに、バッテリ66から発電ユニット24側に給電される。これにより、エンジン64がバッテリ66の給電に基づいて起動され、発電機44が発電する。そして、この場合、系統電源6の停電時と異なり、連系リレー70の系統側接点aが閉じられるので、貯湯ユニット28は系統電源6から給電される。M6、M2、M3はバッテリ66に基づく給電回路を示している。図13において、太線により活性状態部を示している。
<エンジン起動制御>
図14は、エンジン起動制御の処理手順を示している。このエンジン起動制御には、系統電源の正常時のバッテリチェック処理が含まれる。
このエンジン起動制御では、クランクセンサー96−1やPCU42による回転数が未検出であるため、各カウンターをリセットする(S301)。
BCUチェックタイマー96−4のタイマー値が所定時間たとえば、30〔日〕未満であるかを判定する(S302)。
タイマー値<30〔日〕であれば(S302のYES)、系統電源6によるモータインバータ駆動により発電機44をスターターとして使用する(S303)。クランクセンサー96−1がエンジン回転数を検出したかを判定する(S304)。この場合、クランクセンサー96−1は、エンジン64のシャフトから回転数を検出し、検出回転数をECU12−1で演算する。このエンジン回転数を検出していれば(S304のYES)、エンジン回転数制御を行う(S305)。
エンジン回転数を検出していなければ(S304のNO)、クランク回転数未検出カウンター96−2の計数値を+1だけインクリメントする(S306)。クランク回転数未検出カウンター96−2の計数値が所定値たとえば、9以上であるかを判断する(S307)。クランク回転数未検出カウンター96−2の計数値が、計数値≧9であれば(S307のYES)、表示部14に点火不良アラームを出力する(S308)。
クランク回転数未検出カウンター96−2の計数値が、計数値≧9でなければ(S307のNO)、S303に戻り、S303〜S304の処理を実行する。
S302において、タイマー値<30〔日〕でなければ(S302のNO)、バッテリ66によるモータインバータ回路60の駆動により発電機44をスターターとして使用する(S309)。PCU42がエンジン回転数を検出したかを判定する(S310)。この場合、PCU42がスタータージェネレーターとして機能するモータインバータ回路60の検出電流によりエンジン回転数を演算する。PCU42がエンジン回転数を検出していれば(S310のYES)、BCUチェックタイマー96−4をリセットし(S311)、S304に遷移する。この場合、S304以下の処理を実行する。
PCU42がエンジン回転数を検出していなければ(S310のNO)、PCU回転数未検出カウンター96−3の計数値を+1だけインクリメントする(S312)。PCU回転数未検出カウンター96−3の計数値が所定値たとえば、6以上であるかを判断する(S313)。PCU回転数未検出カウンター96−3の計数値が、計数値≧6であれば(S313のYES)、バッテリ性能低下を表すアラーム表示の出力、BCUチェックタイマー96−4のリセットを行う(S314)。そして、クランク回転数未検出カウンター96−3を+6だけインクリメントし(S315)、S303に遷移する。この場合、S303以下の処理を実行する。
S313において、PCU回転数未検出カウンター96−3の計数値が、計数値≧6でなければ(S313のNO)、S309に戻り、S309以下の処理を実行する。
<発電ユニット24>
発電ユニット24には、図15に示すように、燃料ガスGを燃料とするエンジン64が備えられ、このエンジン64の回転軸から発電機44に回転力が付与される。これにより、発電機44が発電する。エンジン64には複数の点火プラグ103が備えられ、各点火プラグ103にはイグニションコイル105が取り付けられている。その他、図15において既述の機能部と同一部分には同一符号を付し、その説明を割愛する。
<電源リレー58>
電源リレー58には図16に示すように、整流部112、スタータ始動リレー回路114が含まれる。
整流部112は、系統電源6からの交流を整流する。この整流部112がスタータ始動リレー回路114の電源を構成する。つまり、整流部112は、系統電源6の正常時、整流出力を生じ、系統電源6の停電時、その整流出力が解除される。
スタータ始動リレー回路114には既述の電源リレー58が備えられ、この電源リレー58には励磁コイル580、接点581、582が備えられ、励磁コイル580には駆動トランジスタ116が接続されている。この駆動トランジスタ116が導通すると、励磁コイル580が励磁され、接点581、582が閉じる。これにより、系統電源6の正常時、発電機44側に系統電源6に基づく駆動出力が与えられる。系統電源6の停電時、発電機44側に系統電源6に基づく駆動出力が解除される。
<バッテリチェックのアラーム表示など>
図17は、リモコン装置102の表示部14−2の表示態様を示している。リモコン装置102の表示部14−2には図17のAに示すように、画面表示部14−21、インジケータ14−22が備えられている。画面表示部14−21はたとえば、LCD表示部で構成すればよい。この画面表示部14−21には動作状態などを表す情報が表示される。インジケータ14−22は複数のLED表示素子で構成され、この表示態様には発電表示、予約表示、燃焼表示などが含まれる。
発電時には図17のBに示すように、画面表示部14−21には発電時の動作状態が表示され、インジケータ14−22には点灯により発電が表示されている。
バッテリチェックにおいて、異常がある場合には図17のCに示すように、アラーム表示が行われる。このアラーム表示では画面表示部14−21の中央部にアラーム122を表示し、このアラーム122の抜き部分に異常状態を表すメッセージ124が表示される。このようなアラーム表示により、ユーザや管理者は異常状況を視認することができる。
<第2の実施の形態の機能および効果>
(1) システム20は、非常用電源としてバッテリ66を備え、このバッテリ66を用いることにより、系統電源6の停電時に発電機44を用いてエンジン64を起動する起動機能を備える。
(2) 発電機44を駆動するエンジン64は、系統電源6またはバッテリ66のいずれを用いても起動可能である。エンジン64を系統電源6で所定期間だけ起動した後、その起動時間内で、バッテリ66の起動に基づき、エンジン64の正常動作が可能か、系統電源6の停電時にバッテリ66による起動が可能かのチェックを行う。
(3) バッテリ66の自然放電や性能低下などによるバッテリ起動不可となる前に、バッテリチェックを定期的に行うので、システム20の動作の信頼性を維持できる。
(4) バッテリ66のチェックをバッテリ66によるエンジン64の起動チェックによって行うので、系統電源6の停電時の動作を想定してチェックできる。このため、バッテリ電圧でのチェックに比較し、バッテリ66の余裕度などのチェックを行うことができ、チェックの信頼性を高めることができる。
(5) 系統電源6が正常時にバッテリ66のチェックを行い、消耗した分を系統電源6の正常時に充電できるので、実際の使用可能状態より早く寿命が短くなる不都合はなく、実際の使用可能期間よりも短い使用期間を判断する不都合を回避できる。
(6) 定期的にバッテリ起動を行い、その起動状態により確認するが、エンジン64の起動時にバッテリ66のチェックを行うので、停止中などの不必要なときにエンジン64を起動するなどのユーザに対して違和感を生じさせることがない。
(7) バッテリ66のチェックをエンジン64の起動時に合わせて行うので、バッテリチェックの確認タイミングをユーザが意識することなく、自動的に行い、システム20の安定した信頼性の高い動作を維持できる。
(8) バッテリ起動は既存の回路を利用するので、特別な装置や回路を必要としないので、バッテリチェックのための装備を簡略化できる。
(9) 発電機44は、分散型発電機として系統電源6を使用して起動するので、系統電源6の停電時、バッテリ66の出力によりエンジン発電機として起動する。これにより、バッテリ性能を実際の回路を用いてチェックすることができる。
(10) バッテリ66の性能チェックを実際の回路を用いることにより、実駆動により行えるので、動作させるエンジン64などの対象物、使用環境、検出手段のばらつきによりあらかじめ余裕度を持った判断値を取る必要がなく、チェック誤差を抑制できる。このため、安全性を見込んだバッテリ66の寿命判断を回避でき、寿命が到来していないバッテリを頻繁に交換しなければならないという不都合を回避できる。
(11) そして、発電機44の起動時、系統電源6を使用するが、その起動時、系統電源6に代えてバッテリ66による給電を行う。つまり、バッテリチェックのインターバル時間が設けられ、基準時点から一定時間たとえば、30〔日〕が経過したチェック時期に達した後、次の発電機44の起動時にバッテリ66を電源に用いてエンジン64を起動させる。エンジン64がクランキングできれば、バッテリ66が正常と判断し、そうでなければ、バッテリ66の性能低下と判断する。後者の場合、表示部14に表示し、また、たとえば、リモコン装置102の表示部14−2にアラーム表示を行えばよい。
(12) バッテリ66のチェックでは、系統電源6の停電時を想定し、実際の起動時と同じ制御を行うので、チェック精度が高い。しかも、バッテリ66だけでなく、実際の制御系統120がエンジン64の起動などの動作により、エンジン起動などの機能が正常か否かを確認できる。
(13) バッテリ66からの給電でエンジン64が起動したかで正常か否かを判断する。エンジン64が起動しなかった場合、たとえば、9回のリトライを行い、バッテリ電圧での起動のリトライは6回までとする。そして、後の3回のリトライを行い、このリトライを系統電源6で行う。このリトライ結果の比較により、系統電源6では起動できるが、バッテリ66では起動できなければ、バッテリ66が異常であると判断すればよい。系統電源6でも起動できなければ、バッテリ66の異常も含めて、エンジン64やスターターに用いる発電機44に異常があることが推測される。
(14) たとえば、リモコン装置102の表示部14−2の表示がバッテリセルフチェックアラームとなった場合、システム20としては致命的であるので、この状態を簡単に解除できないようにすればよい。この場合、アラーム表示はシステム20として重大なアラームを告知しているので、その報知内容はリモコン装置102の表示解除を禁止する。
(15) 既述のバッテリセルフチェックアラームとなった場合には、たとえば、操作スイッチ98の長押しにより、アラーム解除が可能である。バッテリ66の充電動作中であれば、操作スイッチ98の押下によりバッテリセルフチェックより充電が優先して行えるようにすればよい。また、バッテリチェック要請が操作スイッチ98のON中に凍結防止動作要請があれば、起動電力は系統側に戻して余剰電力ヒータ46の制御を行えばよい。また、チェックOKかチェックNGを受信したら充電を行い、満充電を保つようにする。バッテリ66が取り付けられたとき、つまりバッテリ66が無しの状態から有りの設定になった後、バッテリ66の充電を行えばよい。
<バッテリ66の充電>
上記実施形態において、系統電源6=AC100〔V〕を用いてバッテリ66を充電する。この充電には定電圧定電流制御充電方式を用いればよい。メンテナンスの際、バッテリ66の交換後、操作スイッチ98の一定時間の長押したとえば、10〔秒〕の長押しで、一定時間たとえば、3〔分〕後に充電動作を開始する。バッテリ電圧または充電電流を測定すれば、充電回路68の動作確認が可能である。
<バッテリ66の充電条件>
バッテリ66はたとえば、以下の充電条件が成立している際に、充電可能とする。
a 系統電源6が停電していない。
b バッテリ66の有無判断で、バッテリ66が有りと判断されている。
c 発電機44がバックアップ発電をしていない。
<バッテリ66の充電開始条件>
バッテリ66はたとえば、以下の全ての充電開始条件が成立している際に、充電を開始する。
d バッテリ66の充電終了後、一定時間以上の経過たとえば、24〔時間〕以上が経過し、バッテリ電圧が連続して1〔秒〕以上、所定電圧たとえば、12〔V〕以下(BHV=Low)となっている。つまり、充放電を頻繁に繰り返すと、バッテリ寿命が短くなるので、これを防止するため、一定時間たとえば、24〔時間〕以上のインターバルを設定する。
e バッテリ66が有りと判断された直後である。
f バッテリセルフチェックを行った直後である。
<バッテリ66の充電動作>
充電動作では、充電リレー80をONし、定電流定電圧制御充電方式で充電を行う。
電流制限および電圧制御はハードウェアにて行い、充電電流はたとえば、1.5〔A〕、充電電圧はたとえば、13.7〔V〕に設定する。この場合、基板消費電流含むものとする。
この充電は、次の充電停止条件が成立した際に充電リレー80をOFFし、バッテリ66の充電を終了する。
g 充電開始から、24〔時間〕が経過している。
h 一定時間たとえば、1〔秒〕以上の停電が発生した。
i バッテリ66が無しの設定になった。
j 表示部14にアラームが発生した。
<バッテリ66のセルフチェック>
バッテリセルフチェックでは、バッテリ66が正常であることを自動的に確認する。つまり、バッテリ66からエンジン64を始動し、エンジン64が始動できれば、バッテリ66が正常と判断する。
バッテリチェックは一定期間たとえば、月に1回の自動チェックを実施する。
バッテリ66の電圧でエンジン64を起動できるかを判断する。
バッテリ66の起動はたとえば、6回のリトライ、その後3回のリトライは系統電源6で起動する。
バッテリ66の充電動作中であれば、バッテリセルフチェックよりバッテリ66の充電を優先させる。
<システム20の運転継続動作>
エンジン運転中、系統電源6に停電が発生した場合には自動的に運転を継続し、非常用コンセント90にたとえば、AC100〔V〕を出力する。この場合、一定時間たとえば、1〔秒〕以内の瞬停に反応しないように設定する。つまり、貯湯ユニット28のリセットを回避し、系統電源6の停電後の一定時間たとえば、250〔m秒〕以内に貯湯ユニット28に交流出力として既述のAC100Vを供給する。そして、系統電源6の停電後の一定時間後、たとえば、20〔秒〕程度の後、非常用コンセント90を使用可能とすればよい。
<系統電源6の停電時の動作>
運転中に一定時間たとえば、26〔m秒〕以上の停電が発生すれば、ブリッジ回路86を動作させ、所定の交流出力を生成させる。
この場合、系統連系リレー70により、系統電源6側からBCU出力側に貯湯ユニット28の接続を切替える。
他のユニットへ、ブラックアウト動作中であることを通知し、ECU12−1は、エンジン制御をブラックアウト動作用に切替える。アイドリング(たとえば、一定時間約20〔秒〕)が終了し、余剰電力ヒータ46に一定出力を供給した時点で、PCU42からBCU12−2にエンジン64の起動準備ができたことを伝える。
非常用コンセントリレー88をONし、非常用コンセント90にAC100〔V〕を出力する。この場合、以下の場合に瞬停判断を行い、ブラックアウト動作を行わない。
k 停電開始から一定時間たとえば、126〔m秒〕以内に復電すれば、AC出力を停止する。
l 停電開始から一定時間たとえば、1〔秒〕以内に復電すれば、AC出力を停止し、連系リレー70を系統電源6側に切り替える。
停電時のその他の動作として図示しないが給気ファンの動作を開始する。
〔他の実施の形態〕
(1) 上記実施の形態では、コージェネレーションシステムを例示したが、これに限定されない。非常用電源を備える電源装置であればよく、本発明は各種の電源装置に適用可能である。
(2) 上記実施の形態では、非常用電源の一例として発電機44の起動用バッテリを例示し、その性能チェックおよびその制御を例示したがこれに限定されない。非常用電源装置や、二次電池、一次電池のいずれでもよく、これらの性能チェックを通常の起動時に合わせてチェックすることが可能である。
(3) 上記実施の形態では、システム20にバッテリ66および制御系統120を内蔵しているが、これに限定されない。制御系統120は電源装置の一例であるシステム20に接続され、システム20の外部から制御する構成であってもよい。
以上説明したように、本発明の技術の最も好ましい実施の形態等について説明した。本発明は、上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、または発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。