JP6439946B2 - プリフォームの殺菌方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プリフォームの殺菌方法及び装置に関する。
従来、プリフォームを連続走行させながら、プリフォームに殺菌剤を塗布し、そのままプリフォームを加熱炉内に導入し、加熱炉内でプリフォームを容器に成形するための温度まで加熱し、この加熱によってプリフォームに塗布した殺菌剤の乾燥、活性化を同時に行なう殺菌方法が提案されている(特許文献1,2,3)。
また、プリフォームを予熱し、予熱したプリフォームに過酸化水素のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付け、さらにプリフォームを成形温度まで加熱し、成形温度に達したプリフォームを同じく連続走行するブロー成形型内でボトルに成形し、ブロー成形型からボトルを取り出し、その後、ボトルに殺菌した飲料を充填して殺菌したキャップで密封する飲料充填方法が提案されている(例えば、特許文献4、5参照)。
上記の先行技術において使用される殺菌剤は、過酸化水素水である。一方、過酸化水素を沸点が100℃未満の液体である溶媒に溶解した殺菌剤をポリエチレンテレフタレート(PET)製プリフォームやボトルに適用したり、過酸化水素濃度が25質量%のエタノールを含む殺菌剤を使用することも提案されている(特許文献6,7)。
特表2001−510104号公報 特開2008−183899号公報 特表2008−546605号公報 特開2013−35561号公報 特開2013−35562号公報 国際公開WO2013/0099789号公報 特開平7−315345号公報
従来、ボトルの無菌充填機は、プリフォームをボトルに成形し、成形後のボトルを殺菌していたが、殺菌剤が多量に必要であり、装置も過大となることから、プリフォームの段階で殺菌する無菌充填機が広まりつつある。そこで、プリフォームの殺菌について上記の特許文献のような提案がなされており、特許文献1、2及び3による提案は、殺菌剤としての過酸化水素水をプリフォームに噴霧した後、そのまま、プリフォームを加熱する加熱炉に導入する方法である。
ここで、殺菌するためにプリフォームに付着させた過酸化水素水に含まれる過酸化水素は、加熱炉内での加熱により分解又は揮散する。しかし、その一部はプリフォームに残留する。その後プリフォームはブロー成形されてボトルとなるが、この工程でさらに低減されるものの、過酸化水素はボトル内面に残留する場合もある。さらに、飲料を充填する前にボトルを無菌水や無菌エアによりリンスすることも行われ、この工程により残留過酸化水素はさらに低減する。しかし、ボトル内に僅かに残留した過酸化水素の一部が、ボトルに充填された飲料に移行するおそれがある。このため、プリフォームを殺菌するに際しては、プリフォームに残留する過酸化水素をできる限り低減する必要がある。
また、プリフォーム表面に噴霧される過酸化水素水は、均一な塗膜を形成する必要がある。プリフォーム表面に噴霧された過酸化水素水が不均一な塗膜の場合、プリフォームが加熱炉内で加熱されたときに、過酸化水素水の気化熱の差により、プリフォームの部位に温度差を生じる。その結果、成形後のボトルに白化、歪、成形ムラ等の成形不良が発生するおそれがある。さらに、プリフォーム表面の過酸化水素の濃度が低い場合や、プリフォーム表面が部位により過酸化水素水により被覆されていない場合は、殺菌が不十分となるおそれがある。
特許文献6のように、過酸化水素水に水よりも沸点の低い溶媒を加えて殺菌剤として使用することも提案されているが、殺菌剤を噴霧した後に除去する工程があり、直接加熱炉に導入する方法に比べ、工程が増えるという欠点がある。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであって、プリフォーム殺菌において残留する過酸化水素を低減し、簡便で殺菌効果の高いプリフォームの殺菌方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明に係るプリフォームの殺菌方法は、0.5質量%〜30質量%の過酸化水素と沸点が85℃以下の溶媒からなる殺菌剤をガス化させ、当該殺菌剤のガスをプリフォームに吹き付ける第1工程と、前記殺菌剤のガスを吹き付けた前記プリフォームをボトルに成形するための温度に加熱する第2工程と、紫外線を含む光を前記プリフォームの口部の開口面に対向する方向から前記プリフォームの少なくとも口部の内外面に照射する第3工程を更に備え、当該第3工程の後に第1工程を行うことを特徴とする。
また、本発明に係るプリフォームの殺菌方法において、前記殺菌剤のガスは、前記殺菌剤を気化部内に噴霧してガス化させ、前記殺菌剤のガスを前記気化部のノズルから前記プリフォームに向かって吹き付けると好適である。
また、本発明に係るプリフォームの殺菌方法において、一個又は複数個の前記ノズルを前記プリフォームの走行路に対向させ、前記ノズルから前記殺菌剤のガスを前記プリフォームに向かって吹き付けると好適である。
また、本発明に係るプリフォームの殺菌方法において、前記殺菌剤のガスを前記ノズル内で複数の流れに分け、一方の流れを前記プリフォームの前記口部に向かわせ、他方の流れを前記プリフォームの外面へと向かわせると好適である。
また、本発明に係るプリフォームの殺菌方法において、前記溶媒がエタノールであると好適である。
また、本発明に係るプリフォームの殺菌方法において、前記殺菌剤が前記エタノールを14質量%〜99質量%含む溶液であると好適である。
また、本発明に係るプリフォームの殺菌方法において、前記紫外線を含む光がキセノンフラッシュランプにより照射される光であると好適である。
また、本発明に係るプリフォームの殺菌方法において、前記紫外線を含む光を前記プリフォームの前記口部に集中して照射すると好適である。
本発明に係るプリフォームの殺菌装置は、プリフォームの供給からボトルの成形に至るまで、前記プリフォームを走行させる走行手段と、当該走行手段において、0.5質量%〜30質量%の過酸化水素と沸点が85℃以下の溶媒からなる殺菌剤のガスを前記プリフォームに向かって吹き付けるノズルと、前記殺菌剤のガスが吹き付けられた前記プリフォームを加熱する加熱炉と、紫外線を含む光を前記プリフォームの口部の開口面に対向する方向から前記プリフォームの少なくとも口部の内外面に照射するランプが設けられ、当該ランプの下流に前記ノズルが設けられたことを特徴とする。
また、本発明に係るプリフォームの殺菌装置において、前記ノズルは、前記殺菌剤を噴霧することによってガス化する気化部の先端部に配置されると好適である。
また、本発明に係るプリフォームの殺菌装置において、前記殺菌剤のガスを送る前記ノズルが複数の管路に分けられ、一方の管路の吐出口が前記プリフォームの開口に対峙させられ、他方の管路は前記プリフォームの外面へと伸ばされて、その吐出口が前記プリフォームの外面に対峙させられると好適である。
また、本発明に係るプリフォームの殺菌装置において、前記殺菌剤がエタノールを14質量%〜99質量%含む溶液であると好適である。
また、本発明に係るプリフォームの殺菌装置において、前記紫外線を含む光を照射するランプがキセノンフラッシュランプであると好適である。
また、本発明に係るプリフォームの殺菌装置において、前記光を照射するランプのプリフォームの反対側に反射板を設けてなると好適である。
また、本発明に係るプリフォームの殺菌装置において、前記反射板が前記プリフォームの前記口部を覆うように設けてなると好適である。
本発明によれば、少なくとも30質量%以下の過酸化水素と沸点が85℃以下の溶媒からなる殺菌剤をガス化させ、当該殺菌剤のガスをプリフォームに吹き付ける第1工程を備えるプリフォームの殺菌方法であるから、30質量%以下という低い過酸化水素濃度の殺菌剤であっても、沸点が85℃以下の溶媒を使用することで、十分な殺菌力を得ることができ、プリフォームに残留する過酸化水素の量を低減し、結果としてプリフォームをブロー成形したボトルに残留する過酸化水素の量を低減することができる。
また本発明によれば、殺菌剤の付着したプリフォームをボトルに成形するための温度に加熱する第2工程を備えることから、殺菌剤の除去と活性化をプリフォームの加熱と同時に行うため、工程と装置を簡素化することができる。
また本発明によれば、プリフォームの少なくとも口部に紫外線を含む光を照射する第3工程を更に備えることで、殺菌効果が高まるため、殺菌剤の殺菌剤成分である過酸化水素の濃度を下げることができる。その結果として、プリフォームの残留過酸化水素量を低減することができる。
また本発明によれば、プリフォームの口部に集中して紫外線を含む光を照射することで、最も殺菌しにくいプリフォームの口部を効率的に殺菌することができる。そのため、プリフォーム全体に吹き付ける殺菌剤の過酸化水素の濃度と吹き付け量をさらに下げることができ、結果として、プリフォームの残留過酸化水素を一層低減することができる。
本発明の実施の形態に係るプリフォームの殺菌装置を組み込んだ無菌充填装置の一部であるボトル成形までの概略を示す平面図である。 本発明の実施の形態に係るプリフォームの殺菌方法を示し、(A)はプリフォームに対する殺菌剤ガス吹き付け工程を、(B)はプリフォームに対する光照射工程を、(C)はプリフォームの加熱工程を示す。 本発明の実施の形態に係るボトルの工程を示し、(D)はプリフォームのボトルへの成形工程を、(E)はボトル取出工程を、(F)はボトルへの内容物充填工程を、(G)はボトルの密封工程を示す。 本発明の実施の形態に係る殺菌剤のガスを生成するための殺菌剤ガス生成器を示す。 本発明に係るプリフォームの殺菌装置に組み込まれる殺菌剤ガス吹き付けノズルを示す。 本発明の実施の形態に係るプリフォームの加熱工程におけるプリフォーム内部のエアの流れを示す。
以下に本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
最初にプリフォームの殺菌からボトル成形までの工程及び装置を図1、図2及び図3により説明し、その次にプリフォームの殺菌方法及び装置の詳細について説明する。この実施の形態によれば、プリフォームを殺菌することで無菌化プリフォームを簡便に得ることができ、プリフォームを成形したボトルに残留する過酸化水素を低減することができる。
(方法及び装置の概要)
図1に示すように、プリフォーム供給装置11からプリフォーム1が供給され、プリフォーム供給コンベヤ14によりプリフォーム1が殺菌剤吹き付けチャンバー28a内に搬送される。
プリフォーム1は殺菌剤吹き付けホイール15に受け渡され、図2(B)に示すように、光照射装置30に備えられたランプ30aから発する紫外線を含む光がプリフォーム1に照射される(第3工程)。
第3工程であるプリフォーム1への光照射は、ランプ30aと並行にプリフォーム1を走行させても良いが、ランプ30aをプリフォーム1内に挿入しても良い。口部1aの殺菌が主な目的であるため、挿入距離は、グリッパ13と同じ水平位置まででも良いが、プリフォーム1の底部まで挿入しても良い。挿入距離が短いと高速化しても装置がコンパクトになるメリットがある。
光照射されたプリフォーム1は、図2(A)に示すように、殺菌剤ガス吹き付けノズル6によりプリフォーム1に殺菌剤のガスが吹き付けられる(第1工程)。
プリフォーム1への殺菌剤のガスの吹き付け(第1工程)は必須であるが、光の照射(第3工程)は任意である。しかし、第3工程は実施されることが望ましい。また、プリフォーム1へ殺菌剤のガスの吹き付け(第1工程)、プリフォーム1をボトル2に成形するための温度への加熱(第2工程)は、この順序でで行われるが、プリフォーム1への光照射(第3工程)はどの段階で行っても構わない。
すなわち、殺菌ガス吹き付けホイール15において、光照射装置30はノズル6の上流に設けることもできし、殺菌剤のガスを吹き付けた後にホイール16に光照射装置を設けても構わない。また、プリフォーム1を加熱した後に搬送されるホイール19に設けても構わない。さらに、これら3箇所のうち、複数箇所に設けても構わない。
殺菌剤のガスが吹き付けられたプリフォーム1は、加熱炉搬送ホイール17を経て、ホイール搬送時に把持されていたグリッパ13から解放され、加熱炉25に搬送される。
加熱炉25に入ったプリフォーム1は、図2(C)に示すように、赤外線ヒーター18aその他の加熱手段によって、後のブロー成形に適した温度まで加熱(第2工程)される。この温度は90℃から130℃程度である。プリフォーム1に吹き付けられた殺菌剤は加熱(第2工程)により活性化され、プリフォーム1の表面に付着している菌等が殺菌される。また、余剰の殺菌剤は加熱により揮散する。
なお、プリフォーム1の口部1aは、変形等を防止するため、70℃以下の温度に抑えられる。
また、プリフォーム1は図2(C)に示すように、口部1aに無端チェーン18に一定間隔で設けられたスピンドル29が挿入され、回転しながら加熱炉25内を搬送される。スピンドル29に代えてマンドレルをプリフォーム1に挿入することによって、プリフォーム1を倒立状態で回転させつつ搬送することも可能である。
加熱されたプリフォーム1は、スピンドル29から解放され、ブロー成形機12のホイール19のグリッパ13により把持され、ホイール19を経て、ブロー成形機12の成形ホイール20に搬送される。成形ホイール20に備えられた金型4により、図3(D)に示すように、ボトル2にブロー成形される。金型4及びブローノズル5は、成形ホイール20の回りに複数個配置され、成形ホイール20の回転とともに成形ホイール20の周りを一定速度で旋回する。加熱されたプリフォーム1が到来すると、金型4はプリフォーム1を挟み込む。ブローノズル5がプリフォーム1に接合され、ブローノズル5からプリフォーム1内に空気等の気体が吹きこまれることにより、金型4内でボトル2が成形される。図3(E)に示すように、成形されたボトル2はホイール21に備えられたグリッパ13により把持され、金型4から取り出される。
ボトル2は、ホイール21に設けられた検査装置27により外観検査が行われる。検査装置27は公知の装置であるからその詳細は省略する。
検査されたボトル2はホイール22により充填部に搬送される。
充填部は無菌化されたチャンバー内にあり、無菌化されたボトル2に無菌化された内容物を図3(F)に示すように、充填ノズル10により無菌雰囲気で充填し、図3(G)に示すように充填されたボトル2は、無菌化されたキャップ3により密封される。充填部は公知の装置であるからその詳細は省略する。
(方法及び装置の詳細)
本発明におけるプリフォーム1は試験管状の有底筒状体であり、図3(E)に示したボトル2におけると同様な口部1aをその成形当初に付与される。この口部1aにはプリフォーム1の成形と同時に雄ネジが形成される。プリフォーム1は射出成型、圧縮成形等によって成形される。プリフォーム1の材質はポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂からなり、これらの樹脂単体又は混合物であっても構わないし、リサイクルされた熱可塑性樹脂を含んでも構わない。また、バリア性を付与するために、エチレン−ビニルアルコール共重合体、メタキシリレンジアミンのような芳香族アミンをモノマーとするポリアミド等の熱可塑性樹脂を層として、又は混合物として含んでも構わない。
殺菌剤は少なくとも30質量%以下の過酸化水素と沸点が85℃以下の溶媒からなる。過酸化水素が30質量%を超えると、ボトル成形後の残留過酸化水素量が過大となる。これまで、殺菌剤としては35質量%の過酸化水素を含む過酸化水素水が多用されてきた。沸点が85℃以下の溶媒を殺菌剤の構成成分として含むことで、殺菌剤をガス化させた後の凝結温度が低下し、また凝結ミストがより細かくなることから、殺菌剤のガスによるプリフォーム1の表面の殺菌及び凝結したミストによる殺菌効果が上がるため、過酸化水素の含有量を少なくしても十分な殺菌効果が得られる。
殺菌剤は少なくとも30質量%以下の過酸化水素と沸点が85℃以下の溶媒からなることから、これまでの過酸化水素と水のみからなる殺菌剤と比べ、殺菌剤のガスがプリフォーム1に吹き付けられた後、プリフォーム1の表面に形成された殺菌剤のミストである液滴の接触角が小さく、同じ重量の液滴であっても、被覆面積が大きくなるため、前記液滴中の過酸化水素が分解した場合に、より大きな殺菌効果を発揮することも想定される。
また、殺菌剤をガス化させたときに沸点が85℃以下の溶媒の一部が揮散し、プリフォーム1の表面に形成された殺菌剤のミストにおける過酸化水素の濃度は、ガス化する前の殺菌剤の過酸化水素の濃度より高まるために殺菌効果が向上することも想定される。
殺菌剤の過酸化水素含有量は、0.5質量%〜30質量%が好適である。0.5質量%未満では殺菌力が不足する場合があり、30質量%以下とすることで、より過酸化水素残留量を低減することができる。さらに、過酸化水素の含有量は20質量%以下がより好ましく、沸点が85℃以下の溶媒の種類や量にもよるが、過酸化水素の残留量をさらに低減することができる。
沸点が85℃以下の溶媒とはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトン等である。これらの1種又は2種以上を混合してもかまわない。過酸化水素及び沸点が85℃以下の溶媒以外の殺菌剤の成分は水であり、これらを混合したときに組成物が均一になる必要がある。沸点が85℃以下の溶媒は、特にエチルアルコールが安全性の観点から好適である。
殺菌剤としては過酸化水素成分を0.5質量%〜30質量%及びエチルアルコールを14質量%〜99質量%含む溶液が最適である。エチルアルコールが14質量%未満では、過酸化水素の残留値を十分に低減できない。
殺菌剤は、図4に示すように、殺菌剤ガス生成器7によりガス化される。殺菌剤ガス生成器7は、殺菌剤を滴状にして供給する二流体スプレーノズルである殺菌剤供給部8と、この殺菌剤供給部8から供給された殺菌剤を過酸化水素の分解温度以下に加熱して気化させる気化部9とを備える。殺菌剤供給部8は、殺菌剤供給路8a及び圧縮空気供給路8bからそれぞれ殺菌剤と圧縮空気を導入して殺菌剤を気化部9内に噴霧するようになっている。気化部9は内外壁間にヒーター9aを挟み込んだパイプであり、このパイプ内に吹き込まれた殺菌剤を加熱し気化させる。気化した殺菌剤のガスは、殺菌剤ガス吹き付けノズル6から気化部9外に噴出する。ヒーター9aに換えて誘電加熱により気化部9を加熱しても構わない。
殺菌剤供給部8の運転条件としては、例えば圧縮空気の圧力は0.05MPa〜0.6MPaの範囲で調整され、殺菌剤は重力落下であっても圧力を加えてもかまわない。また、気化部9の内表面は140℃から450℃に加熱されることで噴霧された殺菌剤が気化する。
吹き付けられる殺菌剤のガスは、図2(A)に示すように殺菌剤ガス吹き付けノズル6からプリフォーム1に吹き付けられる(第1工程)。
殺菌剤のガスは殺菌剤ガス吹き付けノズル6からプリフォーム1に向かって吹き付けられるが、図5に示すように、殺菌剤のガスは、殺菌剤ガス吹き付けノズル6内で二手に分かれて流れ、その一方がノズル6aからプリフォーム1の内部に向かって吹き付けられ、他方がプリフォーム1の外面に向かってノズル6bに設けられた殺菌剤ガス吹き付け口24から吹き付けられても構わない。殺菌剤のガスは、殺菌剤ガス吹き付けノズル6から出た後、ガス状態のままで、若しくは殺菌剤のガスが凝結したミストとなって、又はそれらの混合物となって、プリフォーム1の内部に流入し、あるいはプリフォーム1の外面に吹き付けられる。
なお、殺菌剤ガス吹き付けノズル6、ノズル6a,6bには、これらの途中から、無菌ホットエアを供給することにより、ノズル6a、6bでの過酸化水素水の結露を防止するようにしてもよい。また、電気リボンヒーターをノズル6a,6b等に巻きつけて結露を防止してもよい。
また、プリフォーム1の内部に向かって吹き付けられる殺菌剤のガスの流れの周囲は、傘状部材23で覆われる。プリフォーム1内に流入した殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物はプリフォーム1の口部1aから溢れ出るが、この溢れ出た殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物の流れは傘状部材23に衝突し、傘状部材23の内面に設けられた環状溝23aに案内されて、プリフォーム1の外面へと向かって流れを変え、プリフォーム1の外面に沿って流れるようにしても構わない。
このように、殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物がプリフォーム1の内外面に吹き付けられることにより、プリフォーム1の表面に付着した菌等が殺菌され、あるいは傷付けられる。
なお、図2(A)に示したプリフォーム1への殺菌剤のガスの吹き付けの直前に、プリフォーム1に熱風を吹き付ける等して、プリフォーム1を予備加熱してもよい。この予備加熱によりプリフォーム1の殺菌効果をさらに高めることができる。
また、殺菌剤ガス吹き付けノズル6は一個のみならず、複数個をプリフォーム1の走行路に沿って配置し、これら殺菌剤ガス吹き付けノズル6から殺菌剤のガスをプリフォーム1に向かって吹き付けるようにしてもよい。
プリフォーム1への殺菌剤のガスの吹き付け前に、図2(B)に示すように、少なくともプリフォーム1の口部1aに紫外線を含む光が照射されることもある(第3工程)。当該工程は殺菌剤のガスの吹き付け後であっても構わない。ここで、紫外線を含む光の代わりに、プリフォーム1の少なくとも口部に電子線を照射しても構わない。
紫外線とは、100nm〜380nmの波長を有する電磁波の1種である。光はこの波長のいずれかを含むが、特にUV−Cと称せられる100nm〜280nmの波長が殺菌には効果的である。さらに、最も殺菌効果を有するのは253.7nmの波長であり、これを含むことが最適である。
100nm〜380nmの紫外線を発する光照射装置30は、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、キセノンフラッシュランプ等を有するものである。特に、内部にキセノンガスを封入したキセノンフラッシュランプから発する光(波長:100〜950nm)の殺菌効果が高いため、当該ランプを有する光照射装置30であることが最適である。
光による殺菌効果は光の単位面積当たりの照射量と照射時間に比例する。しかし、キセノンフラッシュランプによる光は低圧水銀ランプや高圧水銀ランプにより発する光に比べ、殺菌効果が高いために、短時間の照射で十分であることから、プリフォーム1の温度上昇を避けることができる。
図2(B)に示す反射板31は、ランプ30aから発する光を効率的にプリフォーム1に照射する目的がある。したがって、ランプ30aのプリフォーム1に対して反対側に設けられる。反射板31は平面でも、曲面でもいずれの形状の複数の面の組み合わせでもかまわない。反射板31は光を反射することができればどのようなものも構わない。例えば、樹脂や金属からなり、その表面を平滑にしたものであったり、さらに平滑にするために、コーティング、金属などのメッキ、金属や金属酸化物などの蒸着加工を行ったり、これらを組み合わせたものであっても構わない。
図2(B)に示すように、光の照射は口部1aに限定されず、プリフォーム1のいずれの箇所に対して行ってもかまわない。光の照射により、照射された箇所の殺菌が促進される。
しかし、口部1aは加熱により変形すると、図3(G)に示すような内容物を充填した製品の無菌性が損なわれるために、ブロー成形のための加熱炉25での加熱温度を下げている。そのために口部1aの殺菌が不十分な場合がある。そこで、光の照射を口部1aに集中することにより、口部1aの殺菌効果を高め、口部1aの殺菌不良を防ぐことができる。
この場合、図2(B)に示す光照射装置30のように、ランプ30aを口部1aの上部に設置し、当該ランプ30aを囲むように反射板31を設けることが特に好適である。このような装置とすることで、口部1aの内外面に、光を効率的に照射することができる。
次にプリフォーム1は加熱炉搬送ホイール17から、加熱炉に搬送され、図2(C)に示すように、プリフォーム1は、赤外線ヒーター18aその他の加熱手段によって、後のブロー成形に適した温度まで加熱される。図2(C)に示すように、スピンドル29がプリフォーム1の口部1aに挿入されることによって、プリフォーム1は正立状態(又は倒立状態)で吊下げられた状態でスピンドル29と共に回転しつつ、無端チェーン18により加熱炉25に入る。無端チェーン18にはスピンドル29が一定間隔に取り付けられ、スピンドル29は回転可能で、無端チェーン18はプーリ26a及び26bにより回転する。この加熱により、プリフォーム1に付着した殺菌剤の成分である過酸化水素が分解し、プリフォーム1の表面に付着した菌等が殺菌される。また、余剰の過酸化水素及び他の殺菌剤の成分は加熱により揮散する。
赤外線ヒーター18aは赤外線を放射するハロゲンランプが好ましい。ハロゲンランプは赤外線ヒーター18aとして、プリフォーム1の軸方向に対して垂直に複数本を並列に設けられる。ハロゲンランプから放射される近赤外線、赤外線、遠赤外線によりプリフォーム1は加熱される。複数本設けられるハロゲンランプは加熱温度が制御され、プリフォーム1の軸方向の加熱温度について、温度差が設けられても構わない。また、プリフォーム1の移動方向に並列してハロゲンランプのユニットが複数設けられる。ユニット数は任意に定められる。これらのハロゲンランプユニットの加熱も、加熱温度が制御され、プリフォーム1の加熱序盤は高温に、加熱終盤は低温に設定されても構わない。
赤外線ヒーター18aから放射された赤外線等によりプリフォーム1は加熱されるが、プリフォーム1に吸収されずに、プリフォーム1の後方に到達する赤外線等は加熱に寄与しない。そこで、プリフォーム1の後方にリフレクターを設けることにより、プリフォーム1の後方に到達する赤外線等を反射させて、プリフォーム1の加熱を効率的に行うことができる。リフレクターは、金属に金、銀又はアルミニウムなどを蒸着又はメッキしたものが用いられる。赤外線等を反射できればどのようなものでも構わない。リフレクターは平面でも曲面でも、平面と曲面を組み合わせても構わない。リフレクターはプリフォーム1の後方だけでなく、赤外線ヒーター18aの後方にも設けて、赤外線ヒーター18aの後方に放射される赤外線等を反射させても構わない。
図6に示すように、プリフォーム1は、その口部1a内にスピンドル29の下部が挿入された際に、弾性体29bの弾性変形によってスピンドル29に支持される。そして、傘状部材29aが設けられた場合は、同時にプリフォーム1の口部2aが傘状部材29aにより覆われる。
この場合は、プリフォーム1の口部1aの内面とスピンドル29の下部との間から、プリフォーム1の口部1aの外面と傘状部材29aとの間にかけて、隙間が形成されることから、赤外線ヒーター18aからの熱によって加熱されたプリフォーム1内の気化した殺菌剤の成分である過酸化水素を含むエアは、ホットエアとなって上記隙間をプリフォーム1内からプリフォーム1外へと流れ、その間にプリフォーム1の口部1aを加熱すると共に、過酸化水素が口部1aの外面を殺菌する。
プリフォーム1の口部1aは、後にボトル2の状態でキャップ3により密封された時にボトル2の密封性が損なわれないよう、プリフォーム1の段階で加えられる熱で変形しないように配慮されなければならない。上記隙間を流れるホットエアは、口部1aを加熱するが、口部1aの温度は70℃程度以下とする。口部1aは70℃以上となると変形するからである。
加熱されたプリフォーム1は、スピンドル29から解放され、ホイール19のグリッパ13に受け渡され、口部1a側から無菌エアを吹き付けられつつ、図3(D)に示すブロー成形型である金型4へと搬送されることもある。この無菌エアの吹き付けにより、プリフォーム1は無菌性を維持しつつ金型4に供給される。無菌エアは加熱されることで、プリフォーム1の温度を低下させることなく、金型4に供給することもできる。
また、ホイール19で図2(B)に示すように紫外線を含む光を照射しても構わない。
加熱されたプリフォーム1は、図3(D)に示すように、金型4内でボトル2にブロー成形される。ブロー成形型である金型4は、プリフォーム1の走行速度と同じ速度で連続的に走行しつつ、型締め状態とされ、金型4内でプリフォーム1に対するブロー成形が行われた後に型開き状態とされる。プリフォーム1が金型4内に装着され、ブローノズル5の中心孔から延伸ロッド(図示せず)がプリフォーム1内に挿入されると同時に、ブローエアがプリフォーム1の内側に吹きこまれる。当該ブローエアは除菌フィルターなどにより菌が除去された無菌エアでなければならない。延伸ロッドとブローエアによりプリフォーム1は金型4の形状に膨張し、ボトル2となる。ボトル2はグリッパ13に把持され、ホイール21により検査装置27に搬送される。
検査装置27は、図示しないが、例えば成形されたボトル2の口部1aの天面が平滑か否かを検査する光源及びカメラを具備したものとすることができる。
検査されたボトル2は、不合格の場合は図示しない排斥装置によって搬送路から排除され、合格品のみがホイール22へと搬送される。
検査に合格したボトル2はホイール22により充填装置に搬送される。
図1に示すように、ホイール15,16の回りは、殺菌剤吹き付けチャンバー28aにより遮蔽されている。この殺菌剤吹き付けチャンバー28aには、殺菌剤吹き付けチャンバー28a内のエアを濾過するフィルタ33と、ブロア32とからなる排気手段が連結される。これにより、殺菌剤ガス吹き付けノズル6から吹き付けられた殺菌剤のガスの余剰分は、この排気手段のフィルタ33により除去され、殺菌剤吹き付けチャンバー28a外に排出される。したがって、殺菌剤の過酸化水素が隣接する加熱炉25やブロー成形機12内へ流入しないようにすることができる。殺菌剤吹き付けチャンバー28a内の圧力は大気圧よりも低い圧力になるように、殺菌剤吹き付けチャンバー28a内に対する給排気の量を調整することが望ましい。
また、図1に示すように、加熱炉25は加熱部チャンバー28bで、ブロー成形機12は成形部チャンバー28cで遮蔽されている。加熱部チャンバー28b及び成形部チャンバー28c内は、稼働前に殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が吹き付けられ、その後無菌ホットエアがさらに吹き付けられることにより殺菌される。稼働時には、無菌エアを加熱部チャンバー28b及び成形部チャンバー28c内に給気して、加熱部チャンバー28b及び成形部チャンバー28c内の圧力を陽圧になるように調整することで、加熱部チャンバー28b及び成形部チャンバー28c内の無菌性を維持する。無菌エアは、ブロアによるエアを除菌フィルタなどを通して無菌化することで得られる。
加熱部チャンバー28b内は赤外線ヒーター18aによって加熱されるために、上昇気流が発生する。この上昇気流と同一の方向に無菌エアを流す方が、上方から下方に無菌エアを流すよりも、加熱部チャンバー28b内で乱流を生じることなくスムーズに無菌エアを流すことができる。したがって、無菌エアは加熱部チャンバー28bの下部から上部に吹き込む。下部から吹き込まれた無菌エアは赤外線ヒーター18a及びリフレクターの外側及び内側を上部に向かって流れていく。
加熱部チャンバー28b内を下部から上部に流れる無菌エアは、プリフォーム1から揮発した殺菌剤の成分を含む。加熱部チャンバー28b内の圧力を適正に保持することと殺菌剤の成分を排気するために、加熱部チャンバー28bの上部に排気装置が設けられる。排気装置はエアを濾過するフィルタとブロワからなる。殺菌剤の成分である過酸化水素はフィルタにより分解されて排気される。
充填部及び密封部を遮蔽する充填部チャンバーも稼働前に殺菌され、無菌エアでチャンバー内が陽圧に保たれることにより、チャンバー内の無菌性が維持される。陽圧に保持される圧力は、充填部チャンバーを最高圧として、成形部チャンバー28c、加熱部チャンバー28bと上流に行くに従い、低く設定される。例えば、充填部チャンバー内の圧力は30Pa〜150Paであり、成形部チャンバー28c内の圧力は20Pa〜30Pa、加熱部チャンバー28b内の圧力は0Pa〜20Paに設定される。また、密封部の下流である製品が排出される無菌製品をコンベヤに載置して無菌充填機外に排出する出口チャンバーは0Pa〜20Paに設定される。
各チャンバーを陽圧に保持するために、各チャンバーに無菌エア供給装置が設けられるが、すべてのチャンバーに設ける必要はない。例えば、充填部チャンバーから成形部チャンバー28cに流入する無菌エアにより、成形部チャンバー28c内を陽圧に保持しても構わない。また、適正な圧力にチャンバー内の圧力を保持するために、各チャンバーに排気装置を設けても構わない。これもすべてのチャンバーに設けなくても構わない。例えば、加熱部チャンバー28bに設けた排気装置により、成形部チャンバー28c内を適正な圧力に保持しても構わない。
成形部チャンバー28cの無菌性を確保するために稼働前に、成形部チャンバー28cの内部を殺菌するが、殺菌剤による検査機材の劣化を防止するために、検査機材であるカメラやランプ等を密閉化しても構わない。
以下、本発明を実施例により説明する。
(操作方法)
ポリエチレンテレフタレート製の500mlボトル用の、重量が20gであるプリフォーム1を使用した。当該プリフォーム1の内面の口部、胴の中央部、底部の各3箇所、計9箇所に103、104、105、個のB.atrophaeus芽胞を付着させた後に、自然乾燥させ、菌付プリフォーム1とした。
次に図2(B)に示すようなキセノンフラッシュランプ30a及びランプ30aをドーム状に囲む反射板31を装備した光照射装置30により、プリフォーム1の口部1aの内外面に集中して光を照射した。ランプは(株)エコノス・ジャパンのキセノンランプ(アーク長500mm)を使用し、約0.2秒/回のパルス波を連続6回照射した(第3工程)。
次に図2(A)に示すような殺菌剤ガス吹き付けノズル6により、菌付プリフォーム1に殺菌剤のガスを2秒間吹き付けた(第1工程)。殺菌剤のガスは、図4に示すような殺菌剤ガス生成器7に0.5MPaの圧縮空気と殺菌剤を10ml/min.供給し、気化部9の表面温度を300℃とすることで生成した。
次にプリフォーム1を図2(C)に示すように、加熱炉25にてプリフォーム1の胴部の外面温度が120℃となるよう加熱(第2工程)した。さらに、図3(D)に示すようにプリフォーム1を金型4により500mlのボトル2となるように成形した。
(殺菌効果の測定方法)
成形後のボトル2の内部にSCDブイヨン培地を無菌雰囲気で100ml充填し、殺菌したキャップによりボトル2を密封した。密封したボトル2を振ることで、培養液をボトル2内面全域に接触させて、35℃で1週間培養し、混濁した場合は殺菌できておらず、混濁しない場合は殺菌されたとした。
(ボトルの残留過酸化水素の測定方法)
成形したボトル2に純水500mlを充填し、密封した。その後、(株)千代田製作所製SUPER ORITECTOR MODEL5により、充填した純水中の過酸化水素の濃度を測定した。
(実施例、比較例及び結果)
表1に、操作方法に記載した操作と同様の操作を実施した実施例及び比較例を示した。実施例及び比較例の殺菌剤の組成、紫外線を含む光照射の有無という操作条件、及び殺菌効果とボトルの残留過酸化水素を示す。
Figure 0006439946
ただし、表中の「○」は殺菌効果の測定において、すべて殺菌された場合を示す。
上記の実施例によれば、過酸化水素が30質量%以下で沸点が85℃以下であるエタノールを溶媒として含む殺菌剤を使用することで、プリフォーム1を殺菌することができ、プリフォーム1を成形したボトル2の残留過酸化水素を低減することができる。過酸化水素の含有量が30質量%を超えると、エタノールを含む場合であっても、殺菌はできるが残留過酸化水素が多くなる。過酸化水素の含有量が30質量%以下であっても、エタノールを含まない場合は殺菌が不十分である。また、過酸化水素含有量が5質量%以下でもエタノールを含む場合はプリフォーム1を殺菌することができ、プリフォーム1を成形したボトル2の残留過酸化水素を低減することができる。
本発明は以上説明したように構成されるが、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨内において種々変更可能である。
1…プリフォーム
2…ボトル
6…殺菌剤ガス吹き付けノズル
6a,6b…ノズル
7…殺菌剤ガス生成器
25…加熱炉
28b…加熱部チャンバー
30…光照射装置

Claims (15)

  1. 0.5質量%〜30質量%の過酸化水素と沸点が85℃以下の溶媒からなる殺菌剤をガス化させ、当該殺菌剤のガスをプリフォームに吹き付ける第1工程と、
    前記殺菌剤のガスを吹き付けた前記プリフォームをボトルに成形するための温度に加熱する第2工程と、前記プリフォームの口部の開口面に対向する方向からプリフォームの少なくとも口部の内外面に紫外線を含む光を照射する第3工程を更に備える、当該第3工程の後に第1工程を行うことを特徴とするプリフォームの殺菌方法。
  2. 請求項1に記載のプリフォームの殺菌方法において、
    前記殺菌剤のガスは、前記殺菌剤を気化部内に噴霧してガス化させ、前記殺菌剤のガスを前記気化部のノズルから前記プリフォームに向かって吹き付けることを特徴とするプリフォームの殺菌方法。
  3. 請求項2に記載のプリフォームの殺菌方法において、
    一個又は複数個の前記ノズルを前記プリフォームの走行路に対向させ、前記ノズルから前記殺菌剤のガスを前記プリフォームに向かって吹き付けることを特徴とするプリフォームの殺菌方法。
  4. 請求項2又は請求項3に記載のプリフォームの殺菌方法において、
    前記殺菌剤のガスを前記ノズル内で複数の流れに分け、一方の流れを前記プリフォームの前記口部に向かわせ、他方の流れを前記プリフォームの外面へと向かわせることを特徴とするプリフォームの殺菌方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のプリフォームの殺菌方法において、
    前記溶媒がエタノールであることを特徴とするプリフォームの殺菌方法。
  6. 請求項5に記載のプリフォームの殺菌方法において、
    前記殺菌剤が前記エタノールを14質量%〜99質量%含む溶液であることを特徴とするプリフォームの殺菌方法。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のプリフォームの殺菌方法において、
    前記紫外線を含む光がキセノンフラッシュランプにより照射される光であることを特徴とするプリフォームの殺菌方法。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のプリフォームの殺菌方法において、
    前記紫外線を含む光を前記プリフォームの前記口部に集中して照射することを特徴とするプリフォームの殺菌方法。
  9. プリフォームの供給からボトルの成形に至るまで、前記プリフォームを走行させる走行手段と、
    当該走行手段において、0.5質量%〜30質量%の過酸化水素と沸点が85℃以下の溶媒からなる殺菌剤のガスを前記プリフォームに向かって吹き付けるノズルと、
    前記殺菌剤のガスが吹き付けられた前記プリフォームを加熱する加熱炉と、紫外線を含む光を前記プリフォームの口部の開口面に対向する方向から前記プリフォームの少なくとも口部の内外面に照射するランプが設けられ、当該ランプの下流に前記ノズルが設けられたことを特徴とするプリフォームの殺菌装置。
  10. 請求項9に記載のプリフォームの殺菌装置において、
    前記ノズルは、前記殺菌剤を噴霧することによってガス化する気化部の先端部に配置されたことを特徴とするプリフォームの殺菌装置。
  11. 請求項9又は請求項10に記載のプリフォームの殺菌装置において、
    前記殺菌剤のガスを送る前記ノズルが複数の管路に分けられ、一方の管路の吐出口が前記プリフォームの開口に対峙させられ、他方の管路は前記プリフォームの外面へと伸ばされて、その吐出口が前記プリフォームの外面に対峙させられたことを特徴とするプリフォームの殺菌装置。
  12. 請求項9乃至請求項11のいずれか1項に記載のプリフォームの殺菌装置において、
    前記殺菌剤がエタノールを14質量%〜99質量%含む溶液であることを特徴とするプリフォームの殺菌装置。
  13. 請求項9乃至請求項12のいずれか1項に記載のプリフォームの殺菌装置において、
    前記紫外線を含む光を照射するランプがキセノンフラッシュランプであることを特徴とするプリフォームの殺菌装置。
  14. 請求項9乃至請求項13のいずれか1項に記載のプリフォームの殺菌装置において、
    前記光を照射するランプのプリフォームの反対側に反射板を設けてなることを特徴とするプリフォームの殺菌装置。
  15. 請求項14に記載のプリフォームの殺菌装置において、
    前記反射板が前記プリフォームの前記口部を覆うように設けてなることを特徴とするプリフォームの殺菌装置。
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