JP6330865B2 - プリフォームの殺菌方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プリフォームの殺菌方法及び装置に関する。
従来、プリフォームを連続走行させながら、プリフォームに殺菌剤を塗布し、そのままプリフォームを加熱炉内に導入し、加熱炉内でプリフォームを容器に成形するための温度まで加熱し、この加熱によってプリフォームに塗布した殺菌剤の乾燥、活性化を同時に行なう殺菌方法が提案されている(特許文献1,2,3)。
また、プリフォームを予熱し、予熱したプリフォームに過酸化水素ミスト又はガスを吹き付け、さらにプリフォームを成形温度まで加熱し、成形温度に達したプリフォームを同じく連続走行するブロー成形型内でボトルに成形し、ブロー成形型からボトルを取り出し、その後、ボトルに飲料を充填して蓋で密封する飲料充填方法が提案されている(例えば、特許文献4、5参照)。
上記の先行技術において使用される殺菌剤は、過酸化水素水である。一方、過酸化水素を沸点が100℃未満の液体である溶媒に溶解した殺菌剤をポリエチレンテレフタレート(PET)製プリフォームやボトルに適用したり、過酸化水素濃度が25質量%のエタノールを含む殺菌剤を使用することも提案されている(特許文献6,7)。
特表2001−510104号公報 特開2008−183899号公報 特表2008−546605号公報 特開2013−35561号公報 特開2013−35562号公報 国際公開WO2013/0099789号公報 特開平7−315345号公報
上記のプリフォームを殺菌する従来技術は、ボトル成形前のプリフォームの段階で殺菌処理しようというものである。ここで殺菌処理するためにプリフォームに付着させた過酸化水素は、加熱炉内での加熱などにより分解又は揮散する。しかし、その一部はプリフォームに残留する。その後プリフォームはブロー成形されてボトルとなるが、この工程でさらに過酸化水素は低減されるものの、ボトル内面に残留する場合もある。さらに、飲料を充填する前にボトルを無菌水や無菌エアによりリンスすることも行われ、この工程により残留過酸化水素はさらに低減する。しかし、ボトル内に僅かに残留した過酸化水素の一部が、ボトルに充填された飲料に移行するおそれがある。このため、プリフォームを殺菌するに際してはプリフォームに残留する過酸化水素をできる限り低減する必要がある。
また、過酸化水素水にエタノールを加えて殺菌剤として使用することも提案されているが、プリフォーム殺菌において残留する過酸化水素を低減することについては不十分であった。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであって、プリフォーム殺菌において残留する過酸化水素を低減することができるプリフォームの殺菌方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明に係るプリフォームの殺菌方法は、少なくとも0.5質量%〜20質量%の過酸化水素と沸点が85℃以下の溶媒からなる殺菌剤をガス化させ、当該殺菌剤のガスをプリフォームに吹き付ける第1工程と前記プリフォームの口部の開口面に対向する方向からプリフォームの少なくとも口部の内外面に紫外線を含む光を照射する第2工程を更に備え、当該第2工程の後に前記第1工程を行うことを特徴とする。
また、本発明に係るプリフォームの殺菌方法において、前記殺菌剤のガスは、前記殺菌剤を気化部内に噴霧してガス化させ、前記殺菌剤のガスを前記気化部のノズルから前記プリフォームに向かって吹き付けると好適である。
また、本発明に係るプリフォームの殺菌方法において、一個又は複数個の前記ノズルを前記プリフォームの走行路に対向させ、前記ノズルから前記殺菌剤のガスを前記プリフォームに向かって吹き付けると好適である。
また、本発明に係るプリフォームの殺菌方法において、前記殺菌剤のガスを前記ノズル内で複数の流れに分け、一方の流れを前記プリフォームの口部に向かわせ、他方の流れを前記プリフォームの外面へと向かわせると好適である。
また、本発明に係るプリフォームの殺菌方法において、前記溶媒がエタノールであると好適である。
また、本発明に係るプリフォームの殺菌方法において、前記殺菌剤が前記エタノールを14質量%〜99質量%含む溶液であると好適である。
また、本発明に係るプリフォームの殺菌方法において、前記殺菌剤のガスを前記プリフォームに吹き付けた後、当該プリフォームにおける前記殺菌剤のガスの吹き付け部にエアを吹き付けると好適である。
また、本発明に係るプリフォームの殺菌方法において、前記エアがホットエアであると好適である。
また、本発明に係るプリフォームの殺菌方法において、前記紫外線を含む光がキセノンフラッシュランプにより照射される光であると好適である。
また、本発明に係るプリフォームの殺菌方法において、前記紫外線を含む光を前記プリフォームの前記口部に集中して照射すると好適である。
本発明に係るプリフォームの殺菌装置は、プリフォームの供給からボトルの成形に至るまで、前記プリフォームを走行させる走行手段と、当該走行手段において少なくとも過酸化水素成分を0.5質量%〜20質量%及び沸点が85℃以下の溶媒を含む殺菌剤のガスを前記プリフォームに向かって吹き付けるノズルと、プリフォームの口部の開口面に対向する方向から紫外線を含む光を前記プリフォームの少なくとも口部の内外面に照射するランプが設けられ、当該ランプの下流に前記ノズルが設けられたことを特徴とする。
また、本発明に係るプリフォームの殺菌装置において、エアを前記プリフォームに吹き付けるエアノズルが、前記ノズルに対して、前記走行手段における下流側に設けられると好適である。
また、本発明に係るプリフォームの殺菌装置において、前記ノズルは、前記殺菌剤を噴霧することによってガス化する気化部の先端部に配置されると好適である。
また、本発明に係るプリフォームの殺菌装置において、前記殺菌剤のガスを送る前記ノズルが複数の管路に分けられ、一方の管路の吐出口が前記プリフォームの開口に対峙させられ、他方の管路は前記プリフォームの外面へと伸ばされて、その吐出口が前記プリフォームの外面に対峙させられると好適である。
また、本発明に係るプリフォームの殺菌装置において、前記殺菌剤がエタノールを14質量%〜99質量%含む溶液であると好適である。
また、本発明に係るプリフォームの殺菌装置において、前記エアノズルが、前記エアを前記プリフォームの開口に向かって吹き出すスリット状の吹出口を有し、当該吹出口が前記プリフォームの走行方向に沿って伸びていると好適である。
また、本発明に係るプリフォームの殺菌装置において、前記紫外線を含む光を照射するランプがキセノンフラッシュランプであると好適である。
また、本発明に係るプリフォームの殺菌装置において、前記光を照射するランプのプリフォームの反対側に反射板を設けてなると好適である。
また、本発明に係るプリフォームの殺菌装置において、前記反射板が前記プリフォームの前記口部を覆うように設けてなると好適である。
本発明によれば、少なくとも30質量%以下の過酸化水素と沸点が85℃以下の溶媒からなる殺菌剤をガス化させ、当該殺菌剤のガスをプリフォームに吹き付ける第1工程を備えるプリフォームの殺菌方法であるから、30質量%以下という低い過酸化水素濃度の殺菌剤であっても、沸点が85℃以下という溶媒を使用することで、十分な殺菌力を得ることができ、プリフォームに残留する過酸化水素の量を低減し、結果としてプリフォームをブロー成形したボトルに残留する過酸化水素の量を低減することができる。
また本発明によれば、プリフォームの少なくとも口部に紫外線を含む光を照射する第2工程を更に備えることで、殺菌効果が高まるため、殺菌剤の過酸化水素濃度を下げることができる。その結果として、プリフォームの残留過酸化水素量を低減することができる。
また本発明によれば、プリフォームの口部に集中して紫外線を含む光を照射することで、最も殺菌しにくいプリフォームの口部を効率的に殺菌することができる。そのため、プリフォーム全体に吹き付ける殺菌剤の過酸化水素濃度と吹き付け量をさらに下げることができ、結果として、プリフォームの残留過酸化水素を低減することができる。
本発明に係るプリフォームの殺菌装置を組み込んだ無菌充填装置の一部であるボトル成形までの概略を示す平面図である。 本発明の実施の形態に係るプリフォームの殺菌方法を表し、(A)、(B)、(C)、(D)は各々プリフォームに対する殺菌剤ガス吹き付け工程、エア吹き付け工程、光照射工程、加熱工程を示す。 (E)、(F)、(G)、(H)は、各々プリフォームの成形工程、ボトル取り出し工程、内容物充填工程、密封工程を示す。 殺菌剤のガスを生成するためのガス生成器の一例を示す垂直断面図である。 本発明に係るプリフォームの殺菌装置に組み込まれる殺菌剤ガスの吹き付けノズルを示す垂直断面図である。 本発明に係るプリフォームの殺菌装置に組み込まれるエアノズルを示し、(A)はその平面図、(B)は垂直断面図である。 プリフォームにエアを吹き付ける工程の変形例を示す説明図である。 プリフォームにエアを吹き付ける工程の他の変形例を示す説明図である。 プリフォームにエアを吹き付ける工程の更に他の変形例を示す説明図である。 プリフォームを成形温度まで加熱する工程の変形例を示す説明図である。 プリフォームを成形温度まで加熱した後の工程の変形例を示す説明図である。
以下に本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
最初にプリフォームの殺菌からボトル成形までの工程及び装置を図1、図2及び図3により説明し、その次にプリフォームの殺菌方法及び装置の詳細について説明する。この実施の形態によれば、プリフォームを殺菌することで無菌化プリフォームを得ることができ、プリフォームを成形したボトルに残留する過酸化水素を低減することができる。
(方法及び装置の概要)
図1に示すように、プリフォーム供給装置11からプリフォーム1が供給され、プリフォームコンベア14によりプリフォーム1がチャンバー28aに搬送される。
プリフォーム1は殺菌剤ガス吹き付けホイール15に受け渡され、図2(A)に示すように、殺菌剤ガス吹き付けノズル6によりプリフォーム1に殺菌剤のガスGが吹き付けられる(第1の工程)。
その後、プリフォーム1はエア吹き付け及び光照射ホイール16に受け渡され、図2(B)に示すように、エアノズル37により、エアPが吹き付けられる。
さらに図2(C)に示すように、光照射装置30に備えられたランプ30aから発する紫外線を含む光Lがプリフォーム1に照射される(第2の工程)。
第2の工程であるプリフォーム1への光照射は、ランプ30aと並行にプリフォーム1を走行させても良いが、ランプ30aをプリフォーム1内に挿入しても良い。口部2aの殺菌が主な目的であるため、挿入距離は、グリッパ13と同じ水平位置まででも良いがプリフォーム1の底部まで挿入しても良い。挿入距離が短いと高速化しても装置がコンパクトになるメリットがある。
殺菌剤のガスGのプリフォーム1への吹き付け(A)(第1の工程)は必須であるが、エアPの吹き付け(B)及び光Lの照射(C)(第2の工程)は任意である。しかし、いずれの工程も実施されることが望ましい。また、プリフォーム1への殺菌剤のガスGの吹き付け、エアPの吹き付けはこの順序で行われるが、光照射(C)はどの段階で行ってもかまわない。
すなわち、殺菌ガス吹き付けホイール15において、光照射装置30はノズル6の上流又は下流に設けることもできし、エアノズル37の下流に設けても構わない。さらに、これら3箇所のうち、複数箇所に設けても構わない。また、殺菌剤のガスGの吹き付け(A)、エアPの吹き付け(B)、光Lの照射(C)を単一のホイールで行っても良いし、各々別個のホイールで行ってもかまわない。
殺菌処理が完了したプリフォーム1は加熱炉搬送ホイール17から、これまでホイール搬送時に把持されていたグリッパ13から解放され、加熱炉25に搬送される。
加熱炉25に入ったプリフォーム1は、図2(D)に示すように、赤外線ヒータ18aその他の加熱手段によって、後のブロー成形に適した温度まで加熱される。この温度は90℃から130℃程度である。
なお、プリフォーム1の口部2aは、変形等を防止するため70℃以下の温度に抑えられる。
また、プリフォーム1は図2(D)に示すように、口部2aにスピンドル29が挿入され、回転しながら、加熱炉25内を搬送される。スピンドル29に代えてマンドレルをプリフォーム1に挿入することによって、プリフォーム1を倒立状態で回転させつつ搬送することも可能である。
加熱されたプリフォーム1は、スピンドル29から解放され、ブロー成形機12のホイール19のグリッパ13により把持され、ホイール19を経て、ブロー成形機の成形ホイール20に搬送される。成形ホイール20に備えられた金型4により、図3(E)に示すように、ボトル2にブロー成形される。金型4及びブローノズル5は、成形ホイール20の回りに複数個配置され、ホイール20の回転とともにホイール20の周りを一定速度で旋回する。加熱されたプリフォーム1が到来すると、金型4はプリフォーム1を挟み込む。ブローノズル5がプリフォーム1内に挿入され、ブローノズル5からプリフォーム1内に空気等の気体が吹きこまれることにより、金型4内でボトル2が成形される。図3(F)に示すように、成形されたボトル2はホイール21に備えられたグリッパ13により把持され、金型4から取り出される。
ボトル2は、ホイール21に設けられた検査装置27により外観検査が行われる。検査装置27は公知の装置であるからその詳細は省略する。
検査されたボトル2はホイール22により充填部に搬送される。
充填部は無菌化されたチャンバー内にあり、無菌化されたボトル2に無菌化された内容物を図3(G)に示すように、充填ノズル10により無菌雰囲気で充填し、図3(H)に示すように充填されたボトル2は、無菌化されたキャップ3により密封される。充填部は公知の装置であるからその詳細は省略する。
(方法及び装置の詳細)
本発明におけるプリフォーム1は試験管状の有底筒状体であり、図3(H)に示したボトル2におけると同様な口部2aをその成形当初に付与される。この口部2aにはプリフォーム1の成形と同時に雄ネジが形成される。プリフォーム1は射出成型、圧縮成形等によって成形される。プリフォーム1の材質はポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂からなり、これらの樹脂単体又は混合物であってもかまわないし、リサイクルされた熱可塑性樹脂を含んでもかまわない。また、バリア性を付与するために、エチレンービニルアルコール共重合体、メタキシリレンジアミンのような芳香族アミンをモノマーとするポリアミド等の熱可塑性樹脂を層として、又は混合物として含んでも構わない。
殺菌剤は少なくとも30質量%以下の過酸化水素と沸点が85℃以下の溶媒からなる。過酸化水素が30質量%を超えると、ボトル成形後の残留過酸化水素量が過大となる。これまで、殺菌剤としては35質量%の過酸化水素を含む過酸化水素水が多用されてきた。沸点が85℃以下の溶媒を殺菌剤の構成成分として含むことで、殺菌剤をガス化させた後の凝結温度が低下し、また凝結ミストがより細かくなることから、殺菌剤のガスGによるプリフォーム1の表面の殺菌及び凝結したミストによる殺菌効果が上がるため、過酸化水素の含有量を少なくしても十分な殺菌効果が得られる。
殺菌剤は少なくとも30質量%以下の過酸化水素と沸点が85℃以下の溶媒からなることから、これまでの過酸化水素と水のみからなる殺菌剤と比べ、殺菌剤のガスGがプリフォーム1に吹き付けられた後、プリフォーム1の表面に形成された殺菌剤のミストである液滴の接触角が小さく、同じ重量の液滴であっても、被覆面積が大きくなるため、前記液滴中の過酸化水素が分解した場合に、より大きな殺菌効果を発揮することも想定される。
殺菌剤の過酸化水素含有量は0.5質量%〜30質量%が、より好適である。0.5質量%未満では殺菌力が不足する場合があり、30質量%以下とすることで、より過酸化水素残留量を低減することができる。さらに、過酸化水素の含有量は20質量%以下が好ましい。沸点が85℃以下の溶媒の種類や量にもよるが、過酸化水素の残留量をさらに低減することができる。
沸点が85℃以下の溶媒とはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトン等である。これらの1種又は2種以上を混合してもかまわない。過酸化水素及び沸点が85℃以下の溶媒以外の殺菌剤の成分は水であり、これらを混合したときに、組成物が均一になる必要がある。沸点が85℃以下の溶媒は、特にエチルアルコールが安全性の観点から好適である。
殺菌剤としては過酸化水素成分を0.5質量%〜30質量%及びエチルアルコールを14質量%〜99質量%含む溶液が最適である。エチルアルコールが14質量%未満では、過酸化水素の残留値を十分低減できない。
殺菌剤は、図4に示すように、殺菌剤ガス生成器7によりガス化される。殺菌剤ガス生成器7は、殺菌剤を滴状にして供給する二流体スプレーノズルである殺菌剤供給部8と、この殺菌剤供給部8から供給された殺菌剤を過酸化水素の分解温度以下に加熱して気化させる気化部9とを備える。殺菌剤供給部8は、殺菌剤供給路8a及び圧縮空気供給路8bからそれぞれ殺菌剤と圧縮空気を導入して殺菌剤を気化部9内に噴霧するようになっている。気化部9は内外壁間にヒータ9aを挟み込んだパイプであり、このパイプ内に吹き込まれた殺菌剤を加熱し気化させる。気化した殺菌剤のガスは、殺菌剤ガス吹き付けノズル6から気化部9外に噴出する。ヒータ9aに換えて誘電加熱により気化部9を加熱してもかまわない。
殺菌剤供給部8の運転条件としては、例えば圧縮空気の圧力は0.05MPa〜0.6MPaの範囲で調整され、殺菌剤は重力落下であっても圧力を加えてもかまわない。また、気化部9の内表面は140℃から450℃に加熱されることで噴霧された殺菌剤が気化する。
吹き付けられる殺菌剤のガスGは、図2(A)に示すように殺菌剤ガス吹き付けノズル6からプリフォーム1に吹き付けられる(第1工程)。
殺菌剤のガスGは殺菌剤ガス吹き付けノズル6からプリフォーム1に向かって吹き付けられるが、図5に示すように、殺菌剤のガスGは、殺菌剤ガス吹き付けノズル6内で二手に分かれて流れ、その一方がノズル6aからプリフォーム1の内部に向かって吹き付けられ、他方がプリフォーム1の外面に向かってノズル6bに設けられた殺菌剤ガス吹き付け口24から吹き付けられてもかまわない。殺菌剤のガスGは、殺菌剤ガス吹き付けノズル6から出た後、ガス状態のままで、若しくは殺菌剤のガスGが凝結したミストとなって又はそれらの混合物となって、プリフォーム1の内部に流入し、あるいはプリフォーム1の外面に吹き付けられる。
なお、殺菌剤ガス吹き付けノズル6、ノズル6a,6bには、これらの途中から、無菌エアであるホットエアを供給することにより、ノズル6a、6bでの過酸化水素水の結露を防止するようにしてもよい。また、電気リボンヒータをノズル6a,6b等に巻きつけて結露を防止してもよい。
また、プリフォーム1の内部に向かって噴出する殺菌剤のガスGの流れの回りは、傘状部材23で覆われる。プリフォーム1内に流入した殺菌剤のガスGやミストはプリフォーム1の口部2aから溢れ出るが、この溢れ出た殺菌剤のガスG等の流れは傘状部材23に衝突し、傘状部材23の内面に設けられた環状溝23aに案内されて、プリフォーム1の外面へと向かって流れを変え、プリフォーム1の外面に吹き付けられようにしても構わない。
このように殺菌剤のガスG、ミスト又はこれらの混合物がプリフォーム1の内外面に吹き付けられることにより、プリフォーム1の表面に付着した微生物が殺菌され、あるいは傷付けられる。
なお、図2(A)に示したプリフォーム1への殺菌剤のガスGの吹き付けの直前に、プリフォーム1に熱風を吹き付ける等して、プリフォーム1を予備加熱してもよい。この予備加熱によりプリフォーム1の殺菌効果をさらに高めることができる。
また、殺菌剤ガス吹き付けノズル6は一個のみならず、複数個をプリフォーム1の走行路に沿って配置し、これら殺菌剤ガス吹き付けノズル6から殺菌剤のガスGをプリフォーム1に向かって吹き付けるようにしてもよい。
殺菌剤のガスが吹き付けられたれたプリフォーム1は、図2(B)に示すように、グリッパ13により把持され、搬送されつつエアノズル37によってエアPが吹き付けられても構わない。
エアPの吹き付けにより、プリフォーム1の表面に付着した過酸化水素が活性化され、プリフォーム1内外面の微生物が殺菌される。また、エアPの吹き付けによって、プリフォーム1に付着した殺菌剤は、プリフォーム1の表面から速やかに除去される。プリフォーム1に付着した殺菌剤は、加熱炉25内に入る以前にエアPの吹き付けによりプリフォーム1から除去されているため、過酸化水素によるブロー成形機12内のシール部材等各種機器の損傷は防止されることはない。また、プリフォーム1の殺菌剤の付着に起因するボトルの白化、歪、成形ムラ等成形不良の発生が防止される。
エアPは常温でもかまわないが、加熱されてホットエアPとすることで、過酸化水素の分解が促進され、殺菌効果が高まり、過酸化水素の残留も低減する。エアPの加熱はプリフォームに吹き付けられる温度が40℃から140℃とすることが望ましい。40℃未満では加熱による効果が少なく、70℃を超えるとプリフォーム1の口部2aの変形などの不都合を生じるため、40℃から70℃が好適である。
図2(B)に示すように、エアPはエアノズル37の主体をなす箱状のマニホールド37bに形成したスリット状のエア吹出口37aから吹き出すようになっている。
さらに、図6(A)に示すように、エアノズル37は、ホイール16の円弧に倣って湾曲する箱状のマニホールド37bを有し、このマニホールド37bの底面にスリット状のエア吹出口37aを有する。エアノズル37は、エア吹出口37aがホイール16におけるプリフォーム1の走行路に沿って伸びるようにホイール16に配置される。また、図6(B)に示すように、マニホールド37bには、ブロア32と、除菌フィルタ33と、電熱器34とが連結される。ブロア32から取り込まれた外気が除菌フィルタ33により除菌され、電熱器34により加熱され、ホットエアPとなってエアノズル37内に送られる。
エアノズル37に供給するエアは、ブロア32からのエアではなく、より推進力の高い圧縮空気を無菌フィルタで除菌したものであっても良い。また、ブロー成形機12内でブロー成形に使用する高圧エアを回収し、リユースしても良い。
図6(B)に示すように、エアノズル37のマニホールド37b内に供給されたエアPは、エア吹出口37aから噴き出し、エア吹出口37aの下を、口部2aを上に向けて走行するプリフォーム1に吹き付けられ、その一部がプリフォーム1の内部に流入し、他部がプリフォーム1の外面に沿って流れる。
図7に示すように、筒状のエア吹出ノズル38から無菌化されたエアPをプリフォーム1に向かって吹き付けるようにしてもよい。また、エア吹出ノズル38の近傍に吸引管39を配置し、エア吹出ノズル38からエアPをプリフォーム1内に吹き込んだ際にプリフォーム1外に排出される塵埃等の異物を吸引管39で吸引するようにしてもよい。このように吸引管39で異物を回収することで、他のプリフォーム1や後に成形されるボトル2内に異物が混入するのを防止することができる。
また、図8に示すように、エア吹出ノズル38を上向きに配置し、プリフォーム1を倒立状態とし、エア吹出ノズル38から下向きになったプリフォーム1の口部2a内に無菌化されたエアPを吹き込むようにしてもよい。これにより、プリフォーム1内の異物はエア吹出ノズル38から吹き込まれるエアPの風圧によるほか、異物の自重によりプリフォーム1外に落下することになる。
また、エアPの供給は、図9に示すエアノズル40により行ってもよい。このエアノズル40は図5に示した殺菌剤ガス吹き付けノズル6と同様な構成を有する。図9中、ノズル40a、40bは、エアPを送るための分岐した複数のノズルを示す。複数のノズル40a,40bのうち、一つのノズル40aの吹出口がプリフォーム1の口部2aの開口に対峙させられる。エアPはノズル40aの吹出口からプリフォーム1に向かって吹き出し、プリフォーム1内部に流入する。これにより、プリフォーム1の内面に付着した過酸化水素が活性化され、余剰の過酸化水素が除去される。
傘状部材41は、ノズル40aの吹出口の回りを覆う部材である。傘状部材41の下面には、略半円形断面の環状溝41aが形成される。ノズル40aの吹出口からプリフォーム1内に入ったエアPは、プリフォーム1内に充満した後、プリフォーム1の口部2aから溢れ出るが、この溢れ出たエアPは、傘状部材41の下面と環状溝41aとによってプリフォーム1の外面へと案内され、プリフォーム1の外面に沿って流れる。これにより、ノズル40aから出たエアPはプリフォーム1の外面にも吹き付けられる。
また、他のノズル40bがプリフォーム1の外面に倣うように略U字状に伸ばされ、その吹出口42がプリフォーム1の外面に対峙させられる。エアPは、ノズル40bの吹出口42からもプリフォーム1の外面に向かって吹き出し、プリフォーム1の外面に接触する。これにより、ノズル40bからのエアPとプリフォーム1の口部2aから溢れ出たエアPとが合わさって、プリフォーム1の外面に付着した過酸化水素が活性化され、余剰の過酸化水素が除去される。
上記エアPの吹き付けが完了した後に、図2(C)のようにプリフォーム1に紫外線を含む光Lが照射されることもある(第2工程)。当該工程は殺菌剤のガスGの吹き付け前、又は後でああっても構わない。ここで、紫外線を含む光Lの代わりに、プリフォーム1の少なくとも口部に電子線を照射しても構わない。
前記紫外線とは、100nm〜380nmの波長を有する電磁波の1種である。光Lはこの波長のいずれかを含むが、特にUV−Cと称せられる100nm〜280nmの波長が殺菌には効果的である。さらに、最も殺菌効果を有するのは253.7nmの波長であり、これを含むことが最適である。
100nm〜380nmの紫外線を発する光照射装置30は、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、キセノンフラッシュランプ等を有するものである。特に、内部にキセノンガスを封入したキセノンフラッシュランプから発する光(波長:100〜950nm)の殺菌効果が高いため、当該ランプを有する照射装置であることが最適である。
光による殺菌効果は光の単位面積当たりの照射量と照射時間に比例する。しかし、キセノンフラッシュランプによる光は低圧水銀ランプや高圧水銀ランプにより発する光に比べ、殺菌効果が高いために、短時間の照射で十分であることから、プリフォーム1の温度上昇を避けることができる。
図2(C)に示す反射板31は、ランプ30aから発する光Lを効率的にプリフォーム1に照射する目的がある。したがって、ランプ30aのプリフォーム1に対して反対側に設けられる。反射板31は平面でも、曲面でもいずれの形状の複数の面の組み合わせでもかまわない。反射板は光Lを反射することができればどのようなものも構わない。例えば、樹脂や金属からなり、その表面を平滑にしたものであったり、さらに平滑にするために、コーティング、金属などのメッキ、金属や金属酸化物などの蒸着加工を行ったり、これらを組み合わせたものであってもかまわない。
図2(C)に示すように、光Lの照射は口部2aに限定されず、プリフォーム1のいずれの箇所に対して行ってもかまわない。光Lの照射により、照射された箇所の殺菌が促進される。
しかし、口部2aは加熱により変形すると、図2(H)に示すような内容物を充填した製品の無菌性が損なわれるために、エアPをホットエアとした場合に外面への吹き付け量を少なくしたり、ブロー成形のための加熱炉25での加熱温度を下げている。そのために口部2aの殺菌が不十分な場合がある。したがって、光Lの照射を口部2aに集中することで、口部2aの殺菌を効果的に行うことができるため、口部2aの殺菌不良を防ぐことができる。
この場合、図2(C)に示す光照射装置30のように、ランプ30aを口部2aの上部に設置し、当該ランプ30aを囲むように反射板31を設けることが特に好適である。このような装置とすることで、口部2aの内外面に、光Lを効率的に照射することができる。
次にプリフォーム1は加熱炉搬送ホイール17により、加熱炉に搬送され、図2(D)に示すように、プリフォーム1は、赤外線ヒータ18aその他の加熱手段によって、後のブロー成形に適した温度まで加熱される。図2(D)に示すように、スピンドル29がプリフォーム1の口部2aに挿入されることによって、正立状態(又は倒立状態)で吊下げられた状態でスピンドル29と共に回転しつつ、無端チェーン18により加熱炉25に入る。無端チェーン18にはスピンドル29が一定間隔に取り付けられ、スピンドル29は回転可能で、無端チェーンはプーリ26a及び26bにより回転する。この加熱により、プリフォーム1に残留した過酸化水素が分解し、さらに殺菌が促進されることもある。また、このことにより過酸化水素の残留が低減されることもある。
図10に示すように、プリフォーム1は、その口部2a内にスピンドル29の下部が挿入された際に、弾性体29bの弾性変形によってスピンドル29に支持される。そして、傘状部材29aが設けられた場合は、同時にプリフォーム1の口部2aが傘状部材29aにより覆われる。
この場合は、プリフォーム1の口部2aの内面とスピンドル29の下部との間からプリフォーム1の口部2aの外面と傘状部材29aとの間にかけて、隙間が形成されることから、赤外線ヒータ18aからの熱によって加熱されたプリフォーム1内のエアはホットエアとなって上記隙間をプリフォーム1内からプリフォーム1外へと流れ、その間にプリフォーム1の口部2aを加熱する。
プリフォーム1の口部2aは、後にボトル2の状態でキャップ3により密封された時にボトル2の密封性が損なわれないよう、プリフォーム1の段階で加えられる熱で変形しないよう配慮されなければならない。
上記隙間を流れるホットエアは、口部2aを加熱するが、口部2aが変形しない70℃程度以下の温度までしか加熱しない。口部2aの加熱により、口部2aに残留した微量の過酸化水素が活性化され、口部2aが適度に殺菌されることもある。
また、図11に示すように、加熱されたプリフォーム1は、スピンドル29から解放され、グリッパ13に受け渡され、口部2a側から無菌エアQを吹き付けられつつ、図3(E)に示すブロー成形型である金型4へと搬送されることもある。この無菌エアQの吹き付けにより、プリフォーム1は無菌性を維持しつつ金型4に供給される。
上記無菌エアQはホットエアであってもよい。ホットエアの吹き付けにより、プリフォーム1の温度低下が防止される。
また、図11に示すように、プリフォーム1の加熱が終わってプリフォーム1が金型4へと向かう箇所には、プリフォーム1の走行路を囲むように覆い43がトンネル状に設けられることもある。このトンネル状の覆い43におけるプリフォーム1の口部2aをその上方から覆う天井部分は、傾斜面を有する屋根状に形成される。また、天井部分には、無菌エアQをプリフォーム1の口部2aの方に向かって吹き出すノズル43aが、パイプの列状に又はスリット状に設けられる。これにより、無菌エアQがプリフォーム1へと効率的に供給され、プリフォーム1はチャンバー28b内にあって無菌性を保持しつつ走行する。成形機が無菌化されたチャンバー内に設けられた場合、トンネル状の覆い43は不要になる。
加熱されたプリフォーム1は、図3(E)に示すように、金型4内でボトル2にブロー成形される。ブロー成形型である金型4は、プリフォーム1の走行速度と同じ速度で連続的に走行しつつ、型締め状態とされ、金型4内でプリフォーム1に対するブロー成形が行われた後に型開き状態とされる。プリフォーム1が金型4内に装着され、ブローノズル5の中心孔から延伸ロッド(図示せず)がプリフォーム1内に挿入されると同時に、ブローエアがプリフォーム1の内側に吹きこまれる。当該ブローエアは除菌フィルターなどにより菌が除去された無菌エアでなければならない。延伸ロッドとブローエアによりプリフォーム1は金型4の形状に膨張し、ボトル2となる。ボトル2はグリッパ13に把持され、ホイール21により検査装置27に搬送される。
検査装置27は、図示しないが、例えば成形されたボトル2の口部2aの天面が平滑か否かを検査する光源及びカメラを具備したものとすることができる。
検査されたボトル2は、不合格の場合は図示しない排斥装置によって搬送路から排除され、合格品のみがホイール22へと搬送される。
検査に合格したボトル2はホイール22により充填装置に搬送される。
図1に示すように、ホイール15,16の回りは、チャンバー28aで囲まれている。このチャンバー28aには、チャンバー28a内のエアを濾過するフィルタ36と、ブロア35とからなる排気手段が連結される。これにより、殺菌剤ガス吹き付けノズル6から吹き付けられた殺菌剤のガスの余剰分は、この排気手段のフィルタ36により除去され、チャンバー28a外に排出される。したがって、殺菌剤の過酸化水素が隣接する加熱炉25やブロー成形機12内へ流入しないようにすることができる。チャンバー28a内の圧力は大気圧よりも低い陰圧になるように、チャンバー28a内に対する給排気の量を調整することが望ましい。
また、図1に示すように、加熱炉25及びブロー成形機12はチャンバー28bで囲まれている。チャンバー28b内は、無菌化したエアを給気することにより、陽圧になるように調整することが望ましい。無菌化したエアは、ブロアによるエアを除菌フィルタなどを通して無菌化することで得られる。
また、図1に示すように、ホイール22はチャンバー28cにより囲まれている。チャンバー28cにも無菌エアを給気することが望ましい。チャンバー28c内の圧力は、次工程である内容物の充填を行う充填部への無菌エア給気圧力とチャンバー28b内の圧力との間に調整することが望ましい。
チャンバー28b及び28cを無菌エアの給気により陽圧に維持することにより、稼働前に行うチャンバー内の無菌化操作による無菌状態を維持して、外部からの菌の流入を防止することができる。稼働前に行う無菌化操作とは、例えば、10mg/L以下の過酸化水素ガスでチャンバー28a、28b、28c内をガス殺菌しても良い。また、プリフォーム1やボトル2が接触する部位に紫外線を含む光を照射しても良い。或いは、金型4やブローノズル5、グリッパ13など、プリフォーム1やボトル2等が接触する箇所をエタノールや過酸化水素を1質量%含有している薬剤を噴霧しても良い。
以下、本発明を実施例により説明する。
(操作方法)
ポリエチレンテレフタレート製の500mlボトル用の、重量が20gであるプリフォーム1を使用した。当該プリフォーム1の内面の口部、胴の中央部、底部の各3箇所、計9箇所に103、104、105、個のB.atrophaeus芽胞を付着させた後に、自然乾燥させ、菌付プリフォーム1とした。
次に図2(C)に示すようなランプ30a及び当該ランプ30aをドーム状に囲む反射板31を装備した光照射装置30により、プリフォーム1の口部2aの内外面に集中して光Lを照射した。ランプは(株)エコノス・ジャパンのキセノンランプ(アーク長500mm)を使用し、約0.2秒/回のパルス波を連続6回照射した(第2工程)。
次に図2(A)に示すような殺菌剤ガス吹き付けノズル6により、菌付プリフォーム1に殺菌剤のガスGを吹き付けた。殺菌剤のガスGは、図4に示すような殺菌剤ガス生成器7に0.5MPaの圧縮空気と殺菌剤を10〜60ml/min.供給し、気化部9の表面温度を300℃とすることで生成した。プリフォーム1への殺菌剤のガスGの吹き付けを行った(第1工程)。
さらに、図2(B)に示すようなエアノズル37によりエア吹出口37aから600L/minの風量を約1.2秒間プリフォーム1に吹き付けた。このときエアPを70℃に加熱することも行った。
次にプリフォーム1を図2(D)に示すように、加熱炉25にてプリフォーム1の胴部の外面温度が120℃となるよう加熱した。さらに、図3(E)に示すようにプリフォーム1を金型4により500mlのボトルとなるように成形した。
(殺菌効果の測定方法)
成形後のボトルの内部にSCDブイヨン培地を無菌雰囲気で100ml充填し、無菌化キャップにより密封した後、振ることで、培養液をボトル内面全域に接触させて、35℃で1週間培養し、混濁した場合は殺菌できておらず、混濁しない場合は殺菌されたとした。
(ボトルの残留過酸化水素の測定方法)
成形したボトルに純水500mlを充填し、密封した。その後、(株)千代田製作所製
SUPER ORITECTOR MODEL5により、充填した純水中の過酸化水素の濃度を測定した。
(実施例、比較例及び結果)
表1に、操作方法に記載した操作と同様の操作を実施した実施例及び比較例を示した。実施例及び比較例の殺菌剤の組成、エアの加温の有無及び紫外線を含む光照射の有無という操作条件、及び殺菌効果とボトルの残留過酸化水素を示す。
Figure 0006330865
ただし、表中の「○」は殺菌効果の測定において、すべて殺菌された場合を示す。
上記の実施例によれば、過酸化水素が30質量%以下で沸点が85℃以下であるエタノールを溶媒として含む殺菌剤を使用することで、プリフォーム1を殺菌するこができ、プリフォーム1を成形したボトル2の残留過酸化水素を低減することができる。過酸化水素の含有量が30質量%を超えると、エタノールを含む場合であっても、殺菌はできるが残留過酸化水素が多くなる。過酸化水素の含有量が30質量%以下であっても、エタノールを含まない場合は殺菌が不十分である。また、過酸化水素含有量が5質量%以下でエタノールを含み、且つ常温エア吹き付けの条件は、プリフォーム1を殺菌することができ、プリフォーム1を成形したボトル2の残留過酸化水素を低減することができる。
本発明は以上説明したように構成されるが、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨内において種々変更可能である。
1…プリフォーム
2…ボトル
6…殺菌剤ガス吹き付けノズル
6a,6b…ノズル
9…気化部
23…傘状部材
24…ガス吹出口
37…エアノズル
37a…エア吹出口
G…ガス
P…エア
L…光

Claims (19)

  1. 少なくとも0.5質量%〜20質量%の過酸化水素と沸点が85℃以下の溶媒からなる殺菌剤をガス化させ、当該殺菌剤のガスをプリフォームに吹き付ける第1工程と前記プリフォームの口部の開口面に対向する方向からプリフォームの少なくとも口部の内外面に紫外線を含む光を照射する第2工程を更に備え、当該第2工程の後に前記第1工程を行うことを特徴とするプリフォームの殺菌方法。
  2. 請求項1に記載のプリフォームの殺菌方法において、
    前記殺菌剤のガスは、前記殺菌剤を気化部内に噴霧してガス化させ、前記殺菌剤のガスを前記気化部のノズルから前記プリフォームに向かって吹き付けることを特徴とするプリフォームの殺菌方法。
  3. 請求項2に記載のプリフォームの殺菌方法において、
    一個又は複数個の前記ノズルを前記プリフォームの走行路に対向させ、前記ノズルから前記殺菌剤のガスを前記プリフォームに向かって吹き付けることを特徴とするプリフォームの殺菌方法。
  4. 請求項2又は請求項3に記載のプリフォームの殺菌方法において、
    前記殺菌剤のガスを前記ノズル内で複数の流れに分け、一方の流れを前記プリフォームの口部に向かわせ、他方の流れを前記プリフォームの外面へと向かわせることを特徴とするプリフォームの殺菌方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに1項に記載のプリフォームの殺菌方法において、
    前記溶媒がエタノールであることを特徴とするプリフォームの殺菌方法。
  6. 請求項5に記載のプリフォームの殺菌方法において、
    前記殺菌剤が前記エタノールを14質量%〜99質量%含む溶液であることを特徴とするプリフォームの殺菌方法。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のプリフォームの殺菌方法において、
    前記殺菌剤のガスを前記プリフォームに吹き付けた後、当該プリフォームにおける前記殺菌剤のガスの吹き付け部にエアを吹き付けることを特徴とするプリフォームの殺菌方法。
  8. 請求項7に記載のプリフォームの殺菌方法において、
    前記エアがホットエアであることを特徴とするプリフォームの殺菌方法。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のプリフォームの殺菌方法において
    前記紫外線を含む光がキセノンフラッシュランプにより照射される光であることを特徴とするプリフォームの殺菌方法。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のプリフォームの殺菌方法において、
    前記紫外線を含む光を前記プリフォームの前記口部に集中して照射することを特徴とするプリフォームの殺菌方法。
  11. プリフォームの供給からボトルの成形に至るまで、前記プリフォームを走行させる走行手段と、当該走行手段において少なくとも過酸化水素成分を0.5質量%〜20質量%及び沸点が85℃以下の溶媒を含む殺菌剤のガスを前記プリフォームに向かって吹き付けるノズルと、プリフォームの口部の開口面に対向する方向から紫外線を含む光を前記プリフォームの少なくとも口部の内外面に照射するランプが設けられ、当該ランプの下流に前記ノズルが設けられたことを特徴とするプリフォームの殺菌装置。
  12. 請求項11に記載のプリフォームの殺菌装置において、
    エアを前記プリフォームに吹き付けるエアノズルが、前記ノズルに対して、前記走行手段における下流側に設けられたことを特徴とするプリフォームの殺菌装置。
  13. 請求項11又は請求項12に記載のプリフォームの殺菌装置において、
    前記ノズルは、前記殺菌剤を噴霧することによってガス化する気化部の先端部に配置されたことを特徴とするプリフォームの殺菌装置。
  14. 請求項11乃至請求項13のいずれか1項に記載のプリフォームの殺菌装置において、
    前記殺菌剤のガスを送る前記ノズルが複数の管路に分けられ、一方の管路の吐出口が前記プリフォームの開口に対峙させられ、他方の管路は前記プリフォームの外面へと伸ばされて、その吐出口が前記プリフォームの外面に対峙させられたことを特徴とするプリフォームの殺菌装置。
  15. 請求項11乃至請求項14のいずれか1項に記載のプリフォームの殺菌装置において、
    前記殺菌剤がエタノールを14質量%〜99質量%含む溶液であることを特徴とするプリフォームの殺菌装置。
  16. 請求項12に記載のプリフォームの殺菌装置において、
    前記エアノズルが、前記エアを前記プリフォームの開口に向かって吹き出すスリット状の吹出口を有し、当該吹出口が前記プリフォームの走行方向に沿って伸びていることを特徴とするプリフォームの殺菌装置。
  17. 請求項11乃至請求項16のいずれか1項に記載のプリフォームの殺菌装置において、
    前記紫外線を含む光を照射するランプがキセノンフラッシュランプであることを特徴とするプリフォームの殺菌装置。
  18. 請求項11乃至請求項17のいずれか1項に記載のプリフォームの殺菌装置において、
    前記光を照射する前記ランプの前記プリフォームの反対側に反射板を設けてなることを特徴とするプリフォームの殺菌装置。
  19. 請求項18に記載のプリフォームの殺菌装置において、
    前記反射板が前記プリフォームの前記口部を覆うように設けてなることを特徴とするプリフォームの殺菌装置。
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