JP6439588B2 - モータ制御装置 - Google Patents
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Description
そこで、トルクに変換される方向の電流(q軸電流)と磁束を変化させる方向の電流(d軸電流)との関係によって制御されるベクトル制御で駆動する3相交流モータでは、モータの磁束を弱める側にd軸電流(弱め界磁電流)を流すことで、モータの逆起電力を小さく抑え、モータがさらに高速で回転できるようにする弱め界磁制御を採用している。
倒立型移動体においても、このような弱め界磁制御を採用して、モータがさらに高速で回転できるようにすることを検討している。
一方で、バッテリはその残量や出力する電流値によって出力電圧が変動するため、逆起電力と釣り合う回転数がその都度変動し、期待通りの弱め界磁制御の効果を得ることが困難である。例えば、上述のテーブルを使用する方法では、その都度成り行きで回転数を上げることはできるが、どの回転数までならば弱め界磁が可能であるのかを適切に認識することができず、最大限の出力を取り出せないことがあった。
まず、本実施の形態に係るモータ制御装置10の構成について、モータ制御装置10が組み込まれた二輪倒立型移動体1のシステム構成に基づいて説明する。
図1は、本実施の形態に係る二輪倒立型移動体1の概略システム構成を示すブロック図である。倒立型移動体1の全体的な構成や動作については、例えば、特許文献1、特開2015−066964号公報などを参照されたい。
倒立型移動体1は、モータ制御装置10、バッテリ20、インバータ30、モータ40、回転計50などを備えている。
インバータ30は、バッテリ20から供給される電流から、上記指令値に基づいた駆動電流を生成してモータ40に供給する。
回転計50は、モータ40の回転数、出力トルクなどを計測して、その情報をモータ制御装置10に出力する。
そして、本実施の形態に係るモータ制御装置10は、バッテリ20の残量、温度及び劣化度から、バッテリの開放端電圧及び内部抵抗を算出し、開放端電圧及び内部抵抗毎に用意したTNマップを参照して、d軸電流を決定する。
特許文献1にも記載されているように、バッテリの供給電圧Vinと供給電流Iとの関係は、バッテリの開放端電圧Vb、内部抵抗Rbを用いて、式(1)のように表すことができる。
Vin = Vb − RB × I ・・・式(1)
図2は、本実施の形態に係る開放端電圧VBの特性を示す図である。横軸はバッテリの残容量比率(RSOC、Relative State of Charge)を示し、縦軸は開放端電圧Vbを示す。バッテリ開放端電圧特性テーブルは、記憶部12に記憶されている。
図3は、本実施の形態に係る内部抵抗Rbの特性を示す図である。横軸はバッテリの残容量比率を示し、縦軸は内部抵抗Rbを示す。バッテリ内部抵抗特性テーブルも、記憶部12に記憶されている。
図4は、本実施の形態に係るTNマップの一例である。開放端電圧が高く、内部抵抗が低い場合、例えば、バッテリが満充電に近い、温度が高い、劣化していない場合におけるTNマップである。横軸は回転数rpmを、縦軸はトルクNmを示す。このTNマップはモータの回転数とトルクとd軸電流との関係を規定している。TNマップも記憶部12に記憶されている。
このように、内部抵抗値を考慮することで、モータの出力変化によるインバータ電圧の変動を内包したマップ又はテーブルを作成することができる。
なお、TNマップを開放端電圧の何V毎、又は、内部抵抗の何mΩ毎に用意するかは、二輪倒立型移動体1の動作などに応じて適切に判断すればよい。例えば、モータ出力の低下が懸念されるバッテリの残量少、温度低のような状況、すなわち、開放端電圧が低く、内部抵抗が高いような状況に対してはTNマップを多く用意し、そうではない、開放端電圧が高く、内部抵抗が低いような通常の状況に対しては、TNマップを少なく用意しても良い。
また、TNマップは、バッテリの残量毎、温度毎又は劣化度毎に用意しても良い。
まず、二輪倒立型移動体1のジャイロセンサ(図示せず)からの情報などに基づいて、トルク、回転数に関する指令値を生成する(ステップS10)。
また、モータの回転数及び出力トルク、バッテリの残量、温度及び劣化度を検出する(ステップS20)。検出したモータの回転数及び出力トルクの現在値は、上記指令値との差分を取って、例えば、動作の急激な変更を抑制するのに用いる。
なお、ステップS10及びステップS20の動作の順番は逆でも良い。
次に、ステップS30で算出した開放端電圧、内部抵抗に対応するTNマップを選択する(ステップS40)。
そして、トルク、回転数が出力可能範囲内のとき(ステップS50のYes)は、ステップS10で生成した指令値のトルク、回転数が、ステップS40で選択したTNマップの弱め界磁領域内であるか判断する(ステップS70)。
そして、モータ制御装置10は、ステップS10で生成した指令値のトルク、回転数、及び、ステップS80で算出したd軸電流値により、モータの制御を開始する(ステップS90)。
また、ステップS10で生成した指令値のトルク、回転数が、ステップS40で選択したTNマップの弱め界磁領域内にないとき(ステップS70のNo)は、モータ制御装置10は、当該トルク、回転数により、モータの制御を開始する(ステップS90)。すなわち、弱め界磁制御は行わず、d軸電流値も0Aである。
また、モータの指令値や現在値から検出する現在の状況と、出力可能範囲とを認識することで、適切な危険回避動作、例えば、警告動作や倒立ゲインを上げて車両のピッチ角を起す動作などを採ることができる。
10 モータ制御装置
11 入力部
12 記憶部
13 制御部
20 バッテリ
30 インバータ
40 モータ
50 回転計
Claims (1)
- 弱め界磁制御を行うモータ制御装置であって、
トルク‐回転数マップに基づきd軸電流を決定する手段を備え、
前記マップをバッテリの開放端電圧及び内部抵抗に基づいて複数備え、
前記開放端電圧が低く、前記内部抵抗が高いような状況に対しては前記マップを多く用意し、前記開放端電圧が高く、前記内部抵抗が低いような状況に対しては、前記マップを少なく用意する
モータ制御装置。
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JP2015108717A JP6439588B2 (ja) | 2015-05-28 | 2015-05-28 | モータ制御装置 |
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JP2015108717A JP6439588B2 (ja) | 2015-05-28 | 2015-05-28 | モータ制御装置 |
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Family Applications (1)
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JP2015108717A Active JP6439588B2 (ja) | 2015-05-28 | 2015-05-28 | モータ制御装置 |
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