JP5908205B2 - 回転センサレス制御装置 - Google Patents

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本発明は、同期電動機の回転センサレス制御装置に関する。
同期電動機の制御装置において、小型軽量・低コスト化のため、レゾルバ・エンコーダ等の回転センサを用いない回転センサレス制御法が提案されている。回転センサレス制御法としては、高速域では誘起電圧を利用する方法、低速域では高周波を重畳する方法が一般的に利用されている。
特開2003−250293号公報 特開2001−339999号公報
前述の手法を用いることで通常の制御は可能であるが、自動車用・鉄道用制御システムにおいて空転時や産業用制御システムにおいて負荷急変等、過渡変化が生じた際には制御誤差が増加する。制御誤差とは位相角等の制御値が適正な範囲を超えることであり、位相角等の制御値が適正な範囲を超えると脱調してしまい制御不能になる。またこのような制御不能状態を防ぐためには、角速度推定手段で用いられているセンサレス制御ゲインを大きくして応答を高速化する必要があるが、センサレス制御ゲインが大き過ぎると制御が不安定になるという問題がある。
従って本発明の実施形態は、過渡変化が生じた場合でも制御不能に陥ることの無い回転センサレス制御装置を提供することを目的とする。
定常時に制御ゲインが大き過ぎることによって制御が不安定になることを抑制すると共に、過渡時に脱調の耐量を向上するという2点を両立するために、回転位相角誤差に応じてセンサレス制御ゲインを可変とする。
実施形態に係る回転センサレス制御装置は、直流電力と交流電力を相互に変換するインバータと、前記インバータから電力が供給され駆動される同期機と、前記同期機に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段によって得られる電流情報を用いて、前記同期機の回転位相角の誤差推定値に対応する軸誤差指標を推定する回転位相角誤差推定手段と、前記回転位相角誤差推定手段によって得られる軸誤差指標を入力として、センサレス制御ゲインを用いて前記軸誤差指標が零になるように角速度を推定する角速度推定手段と、前記角速度推定手段で推定された角速度を用いて回転位相角を推定する回転位相角推定手段と、前記回転位相角誤差推定手段によって得られる軸誤差指標を入力として、この軸誤差指標に応じて前記センサレス制御ゲインを変化させるゲイン可変手段とを備える。
実施形態が適用されるシステムの構成を示すブロック図。 永久磁石同期機の座標系及び各種位相角を示す図。 速度推定手段(PI制御)のブロック図。 速度推定手段(PID制御)のブロック図。 ゲイン可変手段(KpとKiが等しいゲインの場合)のブロック図。 ゲイン可変手段6のブロック図(KpとKiが異なるゲインの場合) ゲイン可変手段6(Kpが一定の場合)のブロック図。 ゲイン可変手段6(KpとKiの比が一定の場合)のブロック図。 ゲイン可変手段(Kpの二乗とKiの比が一定の場合)のブロック図。 ゲイン可変手段(回転位相角誤差Δθestにフィルタがある場合)のブロック図。 第1実施形態の可変方法を示す図。 第1実施形態の他の可変方法を示す図。 位相ずれと軸誤差指標Δθestの関係を示す図。 第1実施形態と等価な角速度推定手段のブロック図。 第1実施形態におけるゲイン可変手段と角速度推定手段のブロック図。 第2実施形態の可変方法を示す図。 第3実施形態の可変方法を示す図。 第4実施形態の可変方法を示す図。 第4実施形態の他の可変方法を示す図。 第5実施形態のゲイン可変手段の構成を示すブロック図。 第6実施形態の可変方法を示す図。
以下、実施形態に係る回転センサレス制御装置について、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
<構成>
図1は第1実施形態のシステム構成を示すブロック図である。
インバータ1は、インバータ1を駆動するためのゲート指令を入力とし、インバータ1に内蔵される主回路スイッチング素子のON/OFFを切替えることによって交流/直流電力を相互に変換する。インバータ1は、例えば加速時あるいは定速走行時、直流/交流電力変換を行い、減速時に回生電力を発生する場合は交流/直流電力変換を行う。モータ2はPMSM(永久磁石同期電動機)であって、各励磁相に流れる3相交流電流によって磁界が発生し、回転子との磁気的相互作用によりトルクを発生する。
電流検出手段3は、PMSMに流れる3相交流電流のうち2相もしくは3相の電流応答値を検出する。図1では2相の電流応答 、i を検出する構成を示している。回転位相角誤差推定手段5は、前記電流検出手段3において検出され座標変換手段4を介して入力される電流応答値 γ 、i δ と、後述する電流制御手段9で決定される電圧指令値v γ 、v δ から、同期機の回転位相角とγδ軸回転座標系の回転位相角との位相ずれ(軸誤差)を推定する。以下では、この推定される位相ずれ(軸誤差)を軸誤差指標Δθestと定義する。
永久磁石同期機は図2に示すように、固定子はU、V、Wの3相巻線で構成され、回転子は永久磁石とその周りの鉄心で構成されるモデルで表される。
本願制御装置においては、永久磁石同期機の回転に同期して回転する座標系として、永久磁石の磁束の方向をd軸、d軸に直交する軸をq軸と定義する。また、U相巻線方向をα軸、これに直交する方向をβ軸と定義し、α軸方向を基準としてd軸方向までの角度を同期機の回転位相角θ(実際の値)と定義する。本願制御装置には回転位相角センサがなく、回転位相角θそのものを検出することができないため、制御装置において推定された位相角を代わりに使用する。従って図2に示すように、推定位相角をθestとし、これに対応する推定座標系をγ軸、δ軸と定義する。
位相ずれΔθはd軸とγ軸の実際のずれ角を示す未知の値である。軸誤差指標Δθestは演算手段(本願では回転位相角誤差推定手段5)により算出されるd軸とγ軸間の位相角誤差推定値あるいはそれに対応する値である。この軸誤差指標ΔθestはSinΔθなどのように零近傍で位相ずれに相当するものであれば良い。例えば、特許第3692085号ではVγとVγHとの偏差が、特許第3719910号では評価関数Hが、これに相当する。
回転位相角誤差推定手段5の推定方法の一例を以下に示す。
突極型PMSMのd−q軸上の電圧方程式は式(1)により表わすことができる。
Figure 0005908205
ここで、v、vはd−q軸電機子電圧、i、iはd−q軸電機子電流、Rは巻線抵抗、L、Lはd−q軸インダクタンス、ωはd−q軸回転子角速度、Φは磁石磁束係数、p(=d/dt)は微分演算子である。
式(1)の右辺第1項の行列の対角成分と逆対角成分のインダクタンスが同じになるように誘起電圧を拡張することで位置情報を誘起電圧成分に集中させて、軸誤差Δθ(上記軸誤差指標)を計算できるようにする。誘起電圧を拡張すると、式(1)の電圧方程式は式(2)で示される。
Figure 0005908205
式(2)をγ−δ座標に座標変換すると式(3)になる。
Figure 0005908205
ここで、vdc、vqcはγ−δ軸電機子電圧、idc、iqcγ−δは軸電機子電流である。
ただし、軸誤差Δθは過渡的な変化をしないものとしてp(Δθ)=0としている。
ここで、拡張した誘起電圧(拡張誘起電圧E0x)は式(4)である。
Figure 0005908205
式(3)より、軸誤差Δθは式(5)で示される。
Figure 0005908205
式(5)において、vdc、vqcは電圧指令値v γ 、v δ を用いる。idc、iqcは電流応答値i γ 、i δ を用いる。回転位相角誤差推定手段5は、この様な演算にて得られた軸誤差Δθを軸誤差指標θestとしてゲイン可変手段6及び角速度推定手段7に供給する。
ゲイン可変手段6は回転位相角誤差推定手段5によって推定された軸誤差指標Δθestに応じて角速度推定手段7で用いるセンサレス制御ゲインを決定する。(詳細は後述する。)角速度推定手段7は、前記回転位相角誤差推定手段5によって推定された軸誤差指標Δθestを入力として、ゲイン可変手段6によって決定されたセンサレス制御ゲインを用いて、例えばPI制御を行い、回転子の角速度ωestを演算する。
回転位相角推定手段8は角速度推定手段7によって推定された角速度ωestを積分して推定位相θestを出力する。座標変換手段は推定位相θestを用いて、三相固定座標系とγδ軸回転座標系の座標変換を行う。電流制御手段9は、前記電流検出手段3において検出された電流応答値iγ、iδと電流指令値iγref、iδrefを比較し、電圧指令値vγ、vδを決定する。
座標変換手段10は、γδ軸回転座標系から三相固定座標系への座標変換を行う。三角波PWM変調手段11は、同期機を駆動するための電圧指令値(変調率指令値)を、三角波PWMによって変調し、インバータ1の各相スイッチング素子のON/OFF指令であるゲート信号を出力する。
以下、ゲイン可変手段6について詳細を述べる。
ゲイン可変手段6で変化させるセンサレス制御ゲインは、角速度推定手段7で用いられるゲインである。角速度推定手段7が、PI制御器であった場合、図3のような構成となり、センサレス制御ゲインはKp、Kiとなる。あるいはPID制御器であった場合には図4のような構成となり、センサレス制御ゲインはKp、Ki、Kdとなる。以下ではPI制御である図3の構成に従って、センサレス制御ゲインはKp、Kiとする。
ゲイン可変手段6の一構成例を図5に示す。図5は、複数のセンサレス制御ゲインを軸誤差指標Δθestに応じて変化させる。図5の複数のセンサレス制御ゲインの可変方法は同じである。また、図6に示すように、それぞれで可変方法を変更しても良い。この制御ゲイン可変方法は、モータ駆動システムの特性に応じて決定される。制御ゲイン可変方法は、図7のKpのように、複数ある中で軸誤差指標Δθestによらず一定にするものがあっても良い。または図8のように、KpとKiをそれぞれの設定値Kpset、Kisetから同じ比で可変しても良い。これによって、KpとKiの比を一定に保つことができる。
また制御ゲイン可変方法は、図9のように、Kiの変化率をKpの変化率の二乗にしても良い。これにより、推定系の時定数のみを変更することが可能となる。これは、PI制御を用いた速度推定系では一般的に、Kp=2/Td Ki=Kp/2と設定することで時定数Tdの制御系になるためである。更に図10のように、軸誤差指標Δθestにフィルタを入れた値に応じてセンサレス制御ゲインを変化させても良い。
次に、ゲイン可変手段6におけるセンサレス制御ゲインの変化方法について説明する。基本的な考え方としては、過渡変化が生じた際に大きくしたいので、軸誤差指標Δθestが零から離れるほど大きくなるように設定するのが良いと考えられる。例えば、図11のような可変方法が考えられる。あるいは、図12のように非線形にしても良い。尚、本実施形態ではPMSMについて記載したが、同期機であれば同様の効果が得られる。
<作用>
本実施形態では、軸誤差指標Δθestが零になるように制御を行っており、それによって軸ずれΔθが無くなるようにしている。ここで、ゲイン可変手段6で入力となる軸誤差指標Δθestは通常、図13に示すように変曲点を持ち、変曲点以上になると脱調が生じる可能性が高い。軸誤差指標Δθestは運転中、定常状態では零近傍を推移し、空転、再粘着あるいは滑走等の過渡変化が生じると、プラス方向あるいはマイナス方向に推移し、脱調の危険性が高くなる。図11のようにセンサレス制御ゲインを可変にすれば、軸ずれΔθが小さい定常状態では軸誤差指標Δθestも小さいため、センサレス制御ゲインは小さくなり、軸ずれΔθが大きい過渡変化時には軸誤差指標Δθestが大きくなるため、センサレス制御ゲインもそれに比例して大きくなる。
<効果>
軸ずれΔθが小さい定常状態ではセンサレス制御ゲインが小さくなるため、大き過ぎるゲインによって不安定になる現象は生じない。一方、過渡変化が生じた際には軸誤差指標Δθestが増加し、それに従ってセンサレス制御ゲインも大きくなるため、零に収束しようとする働きが強まり、脱調を抑制することが出来る。
なお、例えば図14のように角速度推定手段を構成し、角速度推定手段の入力である軸誤差指標Δθestを変化させることでも同様の効果が得られるが、これは図15と完全に等価であり、これは本実施形態(図3、図5、図11を組み合わせた構成)に他ならないため、本発明に該当する。同様に後述の実施例でも角速度推定手段の入力である軸誤差指標Δθestを変化させることで等価な手段を実現できるが、それらも本発明に該当する。
(第2実施形態)
<構成>
第2実施形態のシステム構成は、第1実施形態と基本的には同じであるが、センサレス制御ゲインの変化方法(特性)のみが異なる。第2実施形態では図16のように、零近傍では軸誤差指標Δθestによらずセンサレス制御ゲインが一定となるように設定する。
<作用>
第1実施形態と同様に、定常状態ではセンサレス制御ゲインが小さく、過渡状態ではセンサレス制御ゲインが大きくなる。第1実施形態と異なるのは軸誤差指標Δθestが小さい定常状態において、センサレス制御ゲインが一定となることである。
<効果>
定常状態でセンサレス制御ゲインが一定となるため、ノイズの影響を受けにくい、制御が不安定になりにくい、という効果が得られる。
(第3実施形態)
<構成>
第3実施形態のシステム構成も第1実施形態と基本的には同じであるが、センサレス制御ゲインの変化方法のみが異なる。第3実施形態では、図17のようにセンサレス制御ゲインがある閾値以上ではその閾値で一定とする。すなわち、センサレス制御ゲインが所定値Kth以上になった場合、センサレス制御ゲインは所定値Kthで維持される。
<作用>
第1及び第2実施形態と同様に、定常状態ではセンサレス制御ゲインが小さく、過渡状態ではセンサレス制御ゲインが大きくなる。第1実施形態と異なるのは、過渡変化で軸誤差指標Δθestが大きくなりすぎた場合でも、センサレス制御ゲインがある閾値以上にはならないことである。
<効果>
大き過ぎるゲインによって制御が不安定になるのを防ぐことができ、また演算がオーバーフローするのを防ぐことができる、という効果が得られる。
(第4実施形態)
<構成>
第4実施形態のシステム構成も第1実施形態と基本的には同じであるが、センサレス制御ゲインの変化方法のみが異なる。第4実施形態では、図18のようにプラス側とマイナス側でセンサレス制御ゲインの可変方法を変える。すなわち、軸誤差指標Δθestに対応して変化するセンサレス制御ゲインの変化特性を、軸誤差指標Δθestが正の場合と負の場合とで異なる特性とする。特に図18において、(1)零近傍で一定とする範囲、(2)可変時の変化率(線形でなくても同様)、(3)センサレス制御ゲインを一定とする閾値を、それぞれプラス側とマイナス側で変化させる。また図19のようにプラス側(またはマイナス側)のみを可変にしても良い。
<作用>
第1〜第3実施形態と同様に、定常状態ではセンサレス制御ゲインが小さく、過渡状態ではセンサレス制御ゲインが大きくなる。第1〜第3実施形態と異なるのは、プラス側とマイナス側でセンサレス制御ゲインの変化方法が異なるため、過渡変化時に変化の方向によって特性が変わることである。(1)零近傍で一定とする範囲を変化させれば、センサレス制御ゲインが変化し始める軸誤差指標Δθestの値が変わり、即ち過渡変化状態であると判断する軸誤差指標の値が変わる。(2)可変時の変化率を変化させれば、過渡変化時の軸誤差指標Δθest変化に対するセンサレス制御ゲインの応答が変わり、即ち過渡変化と判断してからのセンサレス制御ゲインの変化率が変わる。(3)センサレス制御ゲインを一定とする閾値を変化させれば、センサレス制御ゲインの最大値が変わる。
<効果>
例えば、空転時と再粘着時で特性が異なる場合、あるいは負荷急変が生じる方向が一定の場合等、その特性に応じて可変方法を変えることで、安定した制御を実現できる。
(第5実施形態)
<構成>
第5実施形態のシステム構成も実施形態1と基本的には同じであるが、ゲイン可変手段6の構成のみが異なる。第5実施形態では、図20のように軸誤差指標だけでなく、トルクと角速度にも応じてセンサレス制御ゲインを変化させる。このトルクは、トルク指令、トルク計算値、トルクセンサ値、あるいは電流指令値、電流センサ値等の値である。また角速度は、角速度推定値あるいは角速度センサ値等の値である。図20ではトルクと角速度に応じて、可変ゲインの参照テーブルを変更するという構成であるが、トルクと角速度を元に可変ゲインを決定するものであれば、どのような構成でも良い。
<作用>
第1〜第4実施形態と同様に、定常状態ではセンサレス制御ゲインが小さく、過渡状態ではセンサレス制御ゲインが大きくなる。第1〜第4実施形態と異なるのは、トルクと角速度によって、軸誤差指標Δθestに応じたセンサレス制御ゲインが異なり、それによって、過渡変化時の応答特性も異なる。
<効果>
トルクと角速度によって、定常状態での軸誤差指標の出方は異なる。例えば、誘起電圧を利用して軸誤差指標を演算する場合には、角速度が大きいほど誘起電圧が大きいため、軸誤差指標に含まれるノイズは相対的に小さくなる。また、トルクが大きいほど誘起電圧も大きくなるため、軸誤差指標に含まれるノイズは相対的に小さくなる。また、トルク・角速度の正負によって、軸誤差指標の定常点の正負は異なる。これは、零に収束するように制御していても加速・減速している場合には完全には零に収束しないためである。
またトルクと角速度によって、過渡変化時の特性も異なる。例えば、トルクが大きい場合には空転時の加速度が大きくなる。
以上から、トルクと角速度に応じて、センサレス制御ゲインの可変方法を変更することで、各状況に適した制御を行うことが可能になり、より安定した制御が実現できる。
(第6実施形態)
<構成>
第6実施形態のシステム構成も実施形態1と基本的には同じであるが、センサレス制御ゲインの変化方法のみが異なる。第6実施形態では、図21のように軸誤差指標Δθestが零のとき制御ゲインは最小ではなく、軸誤差指標Δθestが零から少しずれた位置に制御ゲインの最小点を設けている。図21ではプラス側に最小点を設けたが、トルク・角速度の状態によってはマイナス側に最小点を設ける。
<作用>
実施形態1〜5と同様に、定常状態ではセンサレス制御ゲインが小さく、過渡状態ではセンサレス制御ゲインが大きくなる。実施形態1と異なるのは、制御が収束する点が少しずれることである。
<効果>
第5実施形態に記載したように、加速・減速している場合には零に収束するように制御していても完全には零に収束しないため、制御が収束する点が少しずれる。その点に合わせるようにセンサレス制御ゲインの変化方法を合わせ、制御が不安定になることを防ぐ。
以上の説明はこの発明の実施の形態であって、この発明の装置及び方法を限定するものではなく、様々な変形例を容易に実施することができるものである。例えば、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を構成できる。
1…インバータ、2…PMSM、3…電流検出手段、4…座標変換手段(UVW→γδ)、5…回転位相角誤差推定手段、6…ゲイン可変手段、7…角速度推定手段、8…回転位相角推定手段、9…電流制御手段、10…座標変換手段(γδ→UVW)、11…三角波PWM変調手段。

Claims (5)

  1. 直流電力と交流電力を相互に変換し、同期機を駆動するインバータと、
    前記同期機に流れる2相又は3相の電流を検出する電流検出手段と、
    前記電流検出手段によって得られる前記2相又は3相の電流値を含む演算により、前記同期機の回転位相角と推定される回転位相角との位相ずれを推定する回転位相角誤差推定手段と、
    前記回転位相角誤差推定手段によって推定される前記位相ずれを入力として、センサレス制御ゲインを用いて前記位相ずれが零になるように角速度を推定する角速度推定手段と、
    前記角速度推定手段で推定された角速度を用いて回転位相角を推定する回転位相角推定手段と、
    前記回転位相角誤差推定手段によって推定される前記位相ずれを入力として、この位相ずれの絶対値が大きくなるほど前記センサレス制御ゲインを大きく変化させるゲイン可変手段と、
    を備えた同期機の回転センサレス制御装置。
  2. 前記ゲイン可変手段は前記位相ずれが零近傍の場合には、前記センサレス制御ゲインを一定とすることを特徴とする請求項記載の回転センサレス制御装置。
  3. 前記ゲイン可変手段は前記センサレス制御ゲインが所定値まで大きくなると、前記の絶対値がより大きくなっても前記センサレス制御ゲイン前記所定値で一定とすることを特徴とする請求項記載の回転センサレス制御装置。
  4. 前記ゲイン可変手段は前記位相ずれに対応して変化する前記センサレス制御ゲインの変化特性を、前記位相ずれが正の場合と負の場合とで異なる特性とすることを特徴とする請求項記載の回転センサレス制御装置。
  5. インバータにより駆動される同期機に流れる2相又は3相の電流値を含む演算により、前記同期機の回転位相角と推定される回転位相角との位相ずれを推定し、
    前記推定された位相ずれを入力として、センサレス制御ゲインを用いて前記位相ずれが零になるように前記同期機の角速度を推定し、
    前記推定された角速度を用いて回転位相角を推定し、
    前記推定された位相ずれを入力として、この位相ずれの絶対値が大きくなるほど前記センサレス制御ゲインを大きく変化させることを具備する同期機の回転センサレス制御方法。
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