JP6438782B2 - 蓄熱性シート及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、蓄熱性シート及びその製造方法に関するものであり、特に厚みを薄くしても大きな蓄熱密度を有する蓄熱性シート及びその製造方法に関するものである。
近年の住宅建築やビル建設においては、居住環境や作業環境を快適に維持するために多くのエネルギーが消費されている。一方、近年の建築工法においては、構造骨格で建造物の強度を確保するため、壁面や天井、或いは、取り付けられるボード建材の薄型軽量化が図られている。しかし、壁面や天井を薄型軽量化すると、これらの建材の熱容量が極めて小さくなることから室内温度に対する外部環境温度の影響が大きくなる。そのため、断熱材を多用しなければならず、また、空調エネルギーの使用量が多くなるという問題があった。
これに対して、室外の太陽熱や室内の連暖房エネルギーを顕熱又は潜熱として蓄えることのできる蓄熱材を使用し、蓄熱した熱量を徐々に放熱して快適な温度が長時間維持可能な蓄熱性ボード或いは蓄熱性シートの使用が提案されている。例えば、下記特許文献1においては、融点が5〜50℃の範囲の蓄熱材を内包するマイクロカプセルを固体媒体に塗工又は分散し、ボード1m当たりの融解熱量が60〜840kJ/mとする蓄熱性ボードが提案されている。また、下記特許文献2においては、融点が0〜40℃の範囲の蓄熱材を内包するマイクロカプセルを熱伝導率が0.01〜0.1kcal/m・hr・degのシート状支持体の片面に塗工した蓄熱性シートが提案されている。
特開2003−155789号公報 特開2003−306672号公報
ところで、これらの蓄熱性ボード或いは蓄熱性シートにおいては、長時間の放熱を維持するために蓄熱密度を大きくするために、マイクロカプセルの充填密度を大きくしなければならない。しかし、従来の蓄熱性ボード或いは蓄熱性シートにおいては、マイクロカプセルの充填密度に限界があった。そこで、蓄熱性ボード或いは蓄熱性シートの「表面からの放熱量」に相当する面蓄熱量(kJ/m)を大きくするために、シート或いはボードの厚みを十分に厚くしなければならなかった。
例えば、上記特許文献1の実施例1においては、面蓄熱量360kJ/mで厚さ8mmの蓄熱性ボードが記載されている。このように、実用的な蓄熱性ボードとしては8mmという厚みが必要となる。例えば、これを単位体積当たりの蓄熱密度に換算すると、45000kJ/m(本発明と比較するために単位を変更すると45J/cm)となる。この単位体積当たりの蓄熱密度45J/cmが現状では限界であった。従って、8mmという厚みを必要とし、これを薄くすると蓄熱性ボードとしての効果が低下するという問題があった。
また、上記特許文献2の実施例1においては、蓄熱量170kJ/mで厚さ4mmの蓄熱性シートが記載されている。このように、実用的な蓄熱性シートとしては4mmという厚みが必要となる。これを単位体積当たりの蓄熱密度に換算すると、42500kJ/m(本発明と比較するために単位を変更すると42.5J/cm)となる。この単位体積当たりの蓄熱密度42.5J/cmが現状では限界であった。従って、4mmという厚みを必要とし、これを薄くすると蓄熱性シートとしての効果が低下するという問題があった。更に、上記特許文献2においては、熱伝導率が0.01〜0.1kcal/m・hr・degという特殊なシート状支持体を必須の構成要件とする。このシート状支持体を使用することにより、厚さ4mmでも実用的な蓄熱性シートを構成している。
このように、従来提案されている蓄熱性ボード或いは蓄熱性シートにおいては、実用的な蓄熱性能を維持するために、ボード或いはシートの厚みを厚くしなければならないという問題があった。また、厚みを薄くするために熱伝導率の低い特殊なシートと組み合さなければならないという問題があった。これでは、近年の建築工法における壁面や天井の薄型軽量化に十分に対応することができない。また、建築業界においては、従来には存在しない厚みが3mmより薄く、且つ、実用的な蓄熱密度を有する蓄熱性シートへの要望が強かった。
そこで、本発明は、以上のようなことに対処して、長時間の放熱を維持する実用的な蓄熱密度を有すると共に、シートの厚みを薄くしても表面からの放熱量(単位面積当たりの放熱量)を十分に確保することのできる蓄熱性シート及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題の解決にあたり、本発明者らは、鋭意研究の結果、蓄熱量の大きな潜熱蓄熱物質を内包したマイクロカプセルを不織布などに充填してプレス圧縮し、或いは、必要によりこれらを複数枚積層してプレス圧縮することにより上記目的を達成できることを見出し本発明の完成に至った。
即ち、本発明に係る蓄熱性シートは、請求項1の記載によると、
潜熱蓄熱物質を樹脂で内包したマイクロカプセルを繊維構造体に担持したものを成形用中間体とし、当該成形用中間体を1枚又は2枚以上積層して加熱プレスすることにより、加熱プレス後の単位体積当たりの蓄熱密度が70J/cm以上である。
また、本発明は、請求項2の記載によると、請求項1に記載の蓄熱性シートにおいて、
前記加熱プレス後の蓄熱性シートの密度が0.5g/cm〜1.0g/cmの範囲内にあると共に、前記マイクロカプセルの充填密度は、0.4g/cm〜0.7g/cmの範囲内にあることを特徴とする。
また、本発明は、請求項3の記載によると、請求項1又は2に記載の蓄熱性シートにおいて、
前記マイクロカプセルは、ホルマリン縮合型樹脂からなる外皮膜を有すると共に、その粒子径は、0.5μm〜20μmの範囲内にあって、
当該マイクロカプセルの蓄熱量は、示差走査熱量測定により150J/g以上であることを特徴とする。
また、本発明は、請求項4の記載によると、請求項1〜3のいずれか1つに記載の蓄熱性シートにおいて、
JIS A1460建築用ボード類のホルムアルデヒド放散量の試験方法(デシケーター法)により測定したホルムアルデヒド放散量が0.3mg/L以下であることを特徴とする。
また、本発明は、請求項5の記載によると、請求項1〜3のいずれか1つに記載の蓄熱性シートにおいて、
前記マイクロカプセルから前記蓄熱物質が脱離する程度を所定の抽出方法により測定した蓄熱物質減少率が5%以下であることを特徴とする。
また、本発明に係る蓄熱性シートの製造方法は、請求項6の記載によると、
基材としての繊維構造体、及び、潜熱蓄熱物質を樹脂で内包したマイクロカプセルと固着用樹脂とを配合した処理液を準備する準備工程と、
前記繊維構造体に前記処理液を含浸・固着して前記マイクロカプセルを当該繊維構造体に担持することにより成形用中間体を作製する担持工程と、
前記成形用中間体を1枚又は2枚以上積層して加熱プレスすることにより蓄熱性シートを作製するプレス工程とからなり、
前記準備工程において、前記繊維構造体の密度が0.05g/cm〜0.3g/cmの範囲内にあり、前記マイクロカプセルの粒子径が0.5μm〜20μmの範囲内にあり、且つ、前記処理液における前記マイクロカプセルと前記固着用樹脂との固形分重量比が1:1〜10:1の範囲内にあって、
前記担持工程において、前記マイクロカプセルを担持した後の蓄熱性シートに対する当該マイクロカプセルの充填密度が0.4g/cm〜0.7g/cmの範囲内にあって、
前記プレス工程において、加熱プレスの際のプレスによる圧縮率が30%〜70%の範囲内にあることにより、
前記プレス工程後の蓄熱性シートの密度が0.5g/cm〜1.0g/cmの範囲内であり、単位体積当たりの蓄熱密度が70J/cm以上である。
上記請求項1の構成によれば、本発明に係る蓄熱性シートは、潜熱蓄熱物質を樹脂で内包したマイクロカプセルを繊維構造体に担持して構成されている。潜熱蓄熱物質を使用することにより、一般の顕熱蓄熱物質を使用するよりも大きな蓄熱密度を持つ蓄熱性シートを構成することができる。また、加熱プレスすることにより、単位体積当たりの蓄熱密度を70J/cm以上とすることができる。このことにより、長時間の放熱を維持する実用的な蓄熱密度を有すると共に、シートの厚みを薄くしても表面からの放熱量(単位面積当たりの放熱量)を十分に確保することのできる蓄熱性シートを構成することができる。
また、上記請求項2の構成によれば、加熱プレス後の蓄熱性シートの密度は、0.5g/cm〜1.0g/cmの範囲内にある。また、加熱プレス後のマイクロカプセルの充填密度は、0.4g/cm〜0.7g/cmの範囲内にある。このことにより、蓄熱性シートにマイクロカプセルを高密度で担持される。よって、上記請求項2に記載の構成においても、請求項1と同様の作用効果をより具体的に達成することができる。
また、上記請求項3の構成によれば、蓄熱性シートに担持するマイクロカプセルの外皮膜には、ホルマリン縮合型樹脂を採用してもよい。このことにより、マイクロカプセルから蓄熱物質が脱離することがない。また、マイクロカプセルの粒子径は、0.5μm〜20μmの範囲内としてもよい。このことにより、蓄熱性シートにマイクロカプセルを高密度で担持することができる。更に、マイクロカプセルの蓄熱量は、示差走査熱量測定により150J/g以上としてもよい。このことにより、マイクロカプセルの蓄熱密度が大きくなり、長期に亘って安定した放熱を維持することができる。よって、上記請求項3に記載の構成においても、請求項1又は2と同様の作用効果をより一層達成することができる。
また、上記請求項4の構成によれば、本発明に係る蓄熱性シートは、JIS A1460のデシケーター法により測定したホルムアルデヒド放散量が0.3mg/L以下であることが好ましい。このことにより、蓄熱性シートを屋内用建材として使用した際にも快適な環境を提供することができる。よって、上記請求項4に記載の構成においても、請求項1〜3と同様の作用効果をより一層達成することができる。
また、上記請求項5の構成によれば、本発明に係る蓄熱性シートは、所定の抽出方法により測定した蓄熱物質減少率が5%以下であることが好ましい。このことにより、マイクロカプセルから蓄熱物質が脱離することなく、大きな蓄熱密度を長期に亘って維持することができる。よって、上記請求項5に記載の構成においても、請求項1〜3と同様の作用効果をより一層達成することができる。
また、上記請求項6の構成によれば、本発明に係る蓄熱性シートの製造方法は、準備工程と担持工程とプレス工程とからなる。準備工程においては、基材としての繊維構造体、及び、潜熱蓄熱物質を樹脂で内包したマイクロカプセルと固着用樹脂とを配合した処理液を準備する。この工程では、繊維構造体の密度を0.05g/cm〜0.3g/cmの範囲内とする。また、マイクロカプセルの粒子径を0.5μm〜20μmの範囲内とする。更に、処理液におけるマイクロカプセルと固着用樹脂との固形分重量比が1:1〜10:1の範囲内とする。これらのことにより、続く担持工程において蓄熱性シートにマイクロカプセルを高密度で担持することができる。
また、担持工程においては、繊維構造体に処理液を含浸・固着して蓄熱性マイクロカプセルを繊維構造体に担持することにより成形用中間体を作製する。この工程では、マイクロカプセルを担持した後の蓄熱性シートに対する当該マイクロカプセルの充填密度が0.4g/cm〜0.7g/cmの範囲内とする。このことにより、蓄熱性シートにマイクロカプセルを更に高密度で担持することができる。
また、プレス工程においては、担持工程で作製した成形用中間体を1枚又は2枚以上積層して加熱プレスして蓄熱性シートを作製する。この工程では、加熱プレスの際のプレスによる圧縮率を30%〜70%の範囲内とする。このことにより、蓄熱性シートにマイクロカプセルを更に高密度で担持することができる。
このようにして作製した蓄熱性シートにおいては、その密度が0.5g/cm〜1.0g/cmの範囲内であり、単位体積当たりの蓄熱密度が70J/cm以上である。このことにより、長時間の放熱を維持する実用的な蓄熱密度を有すると共に、シートの厚みを薄くしても表面からの放熱量(単位面積当たりの放熱量)を十分に確保することのできる蓄熱性シート及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施形態により説明する。なお、本発明は、以下の実施形態にのみ限定されるものではない。まず、本発明において、蓄熱性シートとは、潜熱蓄熱物質(後述する)を内包したマイクロカプセル(以下「蓄熱性マイクロカプセル」という)を繊維構造体に担持して構成される単一シートを加熱プレスして成形される蓄熱性シート、及び、この単一シートを成形用中間体として複数枚積層したものを加熱プレスして成形される積層体からなる蓄熱性シートの両方をいうものとする。また、本発明に係る蓄熱性シートの製造方法とは、準備工程、担持工程及びプレス工程からなり、単一シートからなる蓄熱性シート、又は、積層体からなる蓄熱性シートのいずれをも製造する方法をいうものとする。以下、本発明に係る蓄熱性シートをその製造方法の各工程に従って説明する。
≪準備工程≫
準備工程においては、まず、蓄熱性シートの基材としての繊維構造体を準備する。ここで、繊維構造体とは、単一種類又は複数種類の繊維を主構成要素とする構造体であって、その形態は特に制限されるものではないが、一定の表面積を有するシート状或いは板状であることが好ましい。例えば、織物、編物、不織布、繊維ウェブ、繊維塊などの繊維の集合体が挙げられる。
ここで、繊維構造体に使用される繊維の種類は、特に制限されるものではなく、一般の衣料あるいは産業資材として使用される有機繊維、無機繊維又は金属繊維などのいずれでもよい。例えば、有機繊維には、綿繊維、麻繊維、羊毛繊維、絹繊維などの天然繊維、ビスコースレーヨン繊維、キュプラ繊維、ポリノジック繊維、テンセル繊維、キチン繊維、アルギン繊維などの再生繊維、アセテート繊維、プロミックス繊維などの半合成繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、フッ素繊維、PPS繊維、PBZ繊維などの合成繊維などがある。また、無機繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、活性炭素繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、ロックファイバーなどがある。
なお、本発明における繊維構造体の形態としては、蓄熱性マイクロカプセルを担持するための空隙が大きく、且つ、担持工程での作業性を考慮して不織布を使用することが好ましい。また、不織布を構成する繊維としては、比較的比重が軽く強度のある合成繊維を使用することが好ましい。例えば、ポリエステル不織布、ナイロン不織布などが挙げられる。なお、不織布を形成する方法は、特に限定するものではなく、紡糸直結型不織布の製法であるスパンボンド法、メルトブローン法、フラッシュ紡糸法、エレクトロスピニング法などであってもよく、又は、乾式不織布の製法であるニードルパンチ法、ケミカルボンド法、サーマルボンド法、水流交絡法、ステッチボンド法、スチームジェット法などであってもよい。
また、不織布を使用する場合には、その密度は、特に限定するものではないが、蓄熱性マイクロカプセルを高密度で担持できる不織布であることが好ましい。例えば、密度が0.05g/cm〜0.3g/cmの範囲内、好ましくは0.1g/cm〜0.2g/cmの範囲内にある不織布を挙げることができる。また、担持工程(後述する)において含浸・固着などの操作性の観点から、ある程度薄い不織布であることが好ましい。例えば、厚みが3mm以下、好ましく1.5mm以下、更に好ましくは1mm以下である不織布を挙げることができる。このような不織布において、目付が200g/m以下、好ましくは150g/m以下、更に好ましくは80g/m以下である不織布を採用することが最も好ましい。
次に、準備工程においては、潜熱蓄熱物質を樹脂で内包した蓄熱性マイクロカプセルと、この蓄熱性マイクロカプセルを繊維構造体に固着するための固着用樹脂とを配合した処理液を準備する。ここで、蓄熱性マイクロカプセルとは、その外皮膜を樹脂で形成し、内部に潜熱蓄熱物質を内包したものをいう。蓄熱性マイクロカプセルの外皮膜を形成する樹脂の種類は、特に限定するものではないが、それらの例については後述する。
本発明においては、多くの蓄熱物質の中から潜熱蓄熱物質を使用する。潜熱蓄熱物質を使用することにより一般の顕熱蓄熱物質を使用するよりも大きな蓄熱密度を持つ蓄熱性シートを構成することができる。
ここで、潜熱蓄熱物質とは、その融点(相転移温度)で相転移して蓄熱と放熱を繰り返すことができる物質をいい、目的とする温度範囲にその融点があるものを使用することが好ましい。
また、潜熱蓄熱物質の中でも特に大きな潜熱をもつ物質を使用することが好ましく、これらの物質としては、例えば、パラフィン、ワックス、脂肪酸、ポリアルキレングリコール、或いは、ポリアルキレングリコールのエーテル類などを挙げることができる。中でも、パラフィン、ワックスなどは融点の異なる多くの物質が市販されており、目的とする温度範囲の潜熱蓄熱物質を容易に得ることができる。
これらの潜熱蓄熱物質は、一般に−30℃〜200℃で使用されるものが多く、更に、−10℃〜100℃で使用されるものが更に多い。これらの物質としては、例えば、n−テトラデカン(C1430):融点5.9℃、潜熱量333.9J/g、n−オクタデカン(C1838):融点28.2℃、潜熱量243.6J/g、n−エイコサン(C2042):融点36.8℃、潜熱量247.3J/gなどがある。
本実施形態においては、潜熱蓄熱物質の相転移温度は任意に設定することができる。例えば、建築資材として壁材、天井材と併用して使用する蓄熱性シートの場合には、相転移温度が0℃〜40℃の範囲内にあることが好ましく、また、15℃〜30℃の範囲内にあることがより好ましい。
次に、蓄熱性マイクロカプセルを調整する方法について説明する。蓄熱性マイクロカプセルを調整する方法は、外皮膜を形成する樹脂の種類、及び、外皮膜を形成する方法の組合せにより様々である。本実施形態においては、外皮膜を形成する樹脂としてホルマリン縮合型樹脂を採用することが好ましい。なお、本発明においては、「ホルムアルデヒド」を「ホルマリン」と称することもある。また、外皮膜を形成する方法としては、例えば、一般的なインサイチュ(in situ)法、界面重合法、液中硬化被覆法、コアセルベーション法などに限らずどのような方法を採用してもよいが、本実施形態においては、ホルマリン縮合型樹脂の初期縮合物を使用したインサイチュ法を採用することが好ましい。
このインサイチュ方法とは、互いに混じり合わない2相のどちらか一方の相にモノマーと触媒を溶解しておくとモノマーは界面で重合反応を起こして,芯物質の表面に均一な膜を形成するという方法である。本実施形態においては、モノマーではなくホルマリン縮合型樹脂の初期縮合物を使用することにより、安価であり、且つ、水系で界面縮合反応を進行させることができる。従って、蓄熱性マイクロカプセルの製造が容易であり、また、蓄熱性マイクロカプセル分散液として製造することができる。
ここで、ホルマリン縮合型樹脂とは、アミノ基を含む化合物とホルムアルデヒドとの縮合反応により得られる樹脂をいう。例えば、メラミンホルマリン樹脂、尿素ホルマリン樹脂、アニリンホルマリン樹脂などを挙げることができる。
ここで、本実施形態に係る蓄熱性マイクロカプセルの製造方法について説明する。ここでは、内包される潜熱蓄熱物質としてn−オクタデカン(C1838)を、また、外皮膜を形成するホルマリン縮合型樹脂としてメラミンホルマリン樹脂を例にして説明するが、本発明はこれらの方法に限定されるものではない。
まず、メラミン粉末に所定量のホルムアルデヒド水溶液(ホルマリン水溶液)と水を加え、pHを弱アルカリ性に調整した後、液温を70℃前後に加熱してメラミンホルマリン初期縮合物の水溶液を得る。次に、スチレン無水マレイン酸共重合体のナトリウム塩などの乳化剤を含有した水溶液のpHを酸性に調整し、n−オクタデカンを添加しながら激しく撹拌する。このようにして、水中にn−オクタデカンの粒子が乳化した乳化液を得る。
次に、この乳化液に上記メラミンホルマリン初期縮合物の水溶液を添加し、液温を70℃前後に加熱しながら撹拌を続けた後、pHをアルカリ性に調整してn−オクタデカンを内包した蓄熱性マイクロカプセル分散液を得る。この蓄熱性マイクロカプセル分散液中の固形分量は、投入するn−オクタデカンの量とメラミンホルマリン初期縮合物の量により任意に設定することができる。
また、得られた蓄熱性マイクロカプセルの粒子径は特に限定するものではないが、本実施形態においては、0.5μm〜20μmの範囲内にあることが好ましい。更に、1μm〜10μmの範囲内にあることがより好ましい。蓄熱性マイクロカプセルの粒子径が0.5μm〜20μmの範囲内にあることにより、蓄熱性マイクロカプセルを高密度で不織布に担持することができ、より実用的な蓄熱性シートを得ることができる。
また、本発明においては、蓄熱量の大きな潜熱蓄熱物質を上記マイクロカプセルに内包したものであることから、当該マイクロカプセル(紛体状態)の蓄熱量は、示差走査熱量測定(DSC)により150J/g以上であることが好ましい。マイクロカプセルの蓄熱量が150J/g以上であることにより、高い蓄熱密度を有する蓄熱性シートを得ることができる。
次に、蓄熱性マイクロカプセルを繊維構造体に固着するための固着用樹脂について説明する。本実施形態においては、空隙の大きな繊維構造体に蓄熱性マイクロカプセルを高密度で担持することが好ましい。また、担持した蓄熱性マイクロカプセルが繊維構造体から脱落しないように、固着用樹脂で固着することが好ましい。
ここで、固着用樹脂の種類は、特に限定するものではなく、溶剤系樹脂、水分散系樹脂或いは水系樹脂のいずれであってもよい。また、蓄熱性マイクロカプセルの外皮膜を形成する樹脂の種類、積層体作製の要否、作製する蓄熱性シートの使用目的などにより適宜選定すればよい。これらの固着用樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル樹脂などを挙げることができる。
なお、本実施形態においては、作業性及び作業環境の観点から水分散系アクリル樹脂を使用することが好ましい。ここで、水分散系アクリル樹脂とは、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどのモノマーを重合した重合物、これらの共重合物、或いはこれらとスチレン、ブタジエンなどのモノマーとの共重合物、又は、これらの重合物、共重合物の配合物を水中に乳化したエマルションをいう。例えば、樹脂成分が30重量%〜50重量%のアクリル樹脂エマルションを使用するようにしてもよい。
次に、蓄熱性マイクロカプセルと固着用樹脂とを配合して処理液を準備する。本実施形態においては、固着用樹脂としてアクリル樹脂エマルションを使用し、これに蓄熱性マイクロカプセルの水分散液(例えば、固形分30重量%〜50重量%)又は紛体を混合して処理液を準備する。ここで、蓄熱性マイクロカプセルに対するアクリル樹脂エマルションの混合量は、蓄熱性マイクロカプセルとアクリル樹脂との固形分重量比1:1〜10:1であることが好ましく、また、2:1〜7:1であることがより好ましい。蓄熱性マイクロカプセルに対するアクリル樹脂の混合量が上記固形分重量比であることにより、担持できる蓄熱物質の量が多くなって蓄熱効果が十分に発揮できる。また、担持した蓄熱性シートの固着が確実なものとなり、蓄熱性シートの機械的強度が確保できる。
一方、蓄熱性マイクロカプセルとアクリル樹脂とを混合した処理液には、アクリル樹脂の架橋剤及び触媒、或いは柔軟剤、撥水剤、防炎剤などの各種機能性成分を配合するようにしてもよい。この場合、各種機能性成分の種類と配合量は、アクリル樹脂による蓄熱性マイクロカプセルの固着を阻害しない範囲で使用することが好ましい。
≪担持工程≫
次に、担持工程においては、繊維構造体に処理液を含浸・固着して蓄熱性マイクロカプセルを繊維構造体に担持する。この蓄熱性マイクロカプセルを担持した繊維構造体は、単一シートからなる成形用中間体を構成する。
以下、繊維構造体として不織布を例に説明する。まず、蓄熱性マイクロカプセルと固着用樹脂とを混合した処理液を不織布に含浸(塗工も含む)する。次に、含浸した蓄熱性マイクロカプセルを不織布に固着する。含浸には、一般的な含浸装置を使用することができる。また、塗工には、各種コーティング装置を使用することができる。本実施形態においては、不織布に高密度で蓄熱性マイクロカプセルを担持するために、パッダーなどの含浸装置を使用して不織布の内部にまで処理液を含浸することが好ましい。
また、処理液を含浸した後の不織布は、乾燥機或いは乾燥炉などで乾燥し、必要により固着用樹脂を固着するための熱処理などを行うようにしてもよい。なお、処理液を含浸・固着した不織布は成形用中間体として使用するので、固着用樹脂が熱可塑性樹脂ではなく熱硬化性樹脂の場合には完全硬化させることなく、半硬化状態にしておくことが好ましい。固着用樹脂を半硬化状態にしておくことにより、後述するプレス工程における圧縮が均一なものとなり、蓄熱性マイクロカプセルが破損することなく良好な蓄熱性シートを得ることができる。また、固着用樹脂を半硬化状態にしておくことにより、後述するプレス工程において成形用中間体を積層する場合にも、他の接着成分を塗布することなく加熱プレスのみで強固な積層体を成形することができる。
≪プレス工程≫
次に、プレス工程においては、担持工程で作成した成形用中間体を加熱プレスすることにより蓄熱性シートを成形する。また、積層体からなる蓄熱性シートを成形する場合には、複数枚の成形用中間体を積層して加熱プレスする。ここで、蓄熱性マイクロカプセルを担持した成形用中間体の固着用樹脂として熱可塑性樹脂を使用している場合には、加熱プレスにより樹脂が流動して圧縮が均一なものとなり、蓄熱性マイクロカプセルが破損することなく良好な蓄熱性シートを得ることができる。一方、成形用中間体の固着用樹脂として熱硬化性樹脂を使用している場合には、上述のように、含浸した固着用樹脂が半硬化状態にあることにより、加熱プレスにより樹脂が流動硬化して圧縮が均一なものとなり、蓄熱性マイクロカプセルが破損することなく良好な蓄熱性シートを得ることができる。このように、積層体からなる蓄熱性シートを成形する場合には、他の接着成分を塗布することなく、加熱プレスのみで強固な積層体を成形することができる。
プレス工程においては、まず、成形用中間体を一定寸法に裁断する。この裁断した成形用中間体を1枚或いは複数枚積み重ね、鏡面板の間に挟んで加熱プレスする。このとき、加熱プレス装置は、特に限定するものではないが、一般の積層板の製造に使用される多段式プレス装置などを使用することが好ましい。多段式プレス装置に挿入した成形用中間体は、固着用樹脂が完全硬化して均一な性形態となるまで、又は複数枚の成形用中間体が相互に接着するまで加熱とプレス(加圧)を同時に行うようにする。
このとき、プレス圧を制御すると共に、プレス間隔を設定するためのスペーサーを使用して圧縮率、及びプレス後の蓄熱性シートの密度を制御することが好ましい。本実施形態においては、プレスによる圧縮率が30%〜70%の範囲内、好ましくは45%〜55%の範囲内とすることが好ましい。また、プレス後の蓄熱性シートの密度は、0.5g/cm〜1.0g/cmの範囲内にあることが好ましい。
本実施形態においては、マイクロカプセル担持前の繊維構造体の密度が小さく、プレス前の成形用中間体の内部には多くの蓄熱性マイクロカプセルが担持されている。従って、圧縮率を30%〜70%の範囲内として、プレス後の蓄熱性シートの密度を0.5g/cm〜1.0g/cmの範囲内に制御することにより、担持された蓄熱性マイクロカプセルを破壊することなく、充填密度を更に向上させることができる。
一方、加熱温度は、使用する固着用樹脂の種類と均一な温度制御とを考慮して適宜設定すればよい。なお、本実施形態においては、固着用樹脂としてアクリル樹脂を使用していることから、110℃〜180℃の範囲内で行った。
このようにして、1枚或いは複数枚の成形用中間体を加熱プレスして蓄熱性マイクロカプセルを担持した蓄熱性シートを得る。本実施形態において得られた蓄熱性シートにおいては、蓄熱性マイクロカプセルの充填密度が0.4g/cm〜0.7g/cmの範囲内
にあることが好ましい。このことにより、担持した蓄熱物質の量が多くなって蓄熱効果が十分に発揮できる。よって、この蓄熱性シートの単位体積当たりの蓄熱密度が70J/cm以上となり、シートの厚みを薄くしても表面からの放熱量(面放熱量)を十分に確保できるようになる。
ここで、「面放熱量」について説明する。蓄熱性シートの性能としては、「表面からの放熱量」が重要な要素となる。すなわち、単位面積当たりの蓄熱量(J/cm)を大きくして、表面からの放熱が長時間持続する必要がある。そこで、従来の蓄熱性シートは、蓄熱密度に限界があり、蓄熱性シートの厚みを厚くして総蓄熱量を大きくして長時間の放熱を維持していた。そこで、本発明においては、単位体積当たりの蓄熱密度(J/cm)を大きくして、厚みを薄くしても表面からの放熱が長時間持続することができる。
従来の蓄熱性ボード或いは蓄熱性シートにおいては、上述のように、上記特許文献1の実施例1においては、実用的な蓄熱密度を確保するために、8mmという厚みが必要であった。これを単位体積当たりの蓄熱密度で表すと、45J/cmとなり、8mmより薄くすると長時間の放熱を維持することができない。
これに対して、本発明に係る蓄熱性シートは、密度の小さな不織布に蓄熱性マイクロカプセルを高密度で担持した成形用中間体を更に加熱プレスして圧縮している。その結果、この蓄熱性シートの単位体積当たりの蓄熱密度が70J/cm以上となり、上記特許文献1の実施例1の45J/cmに比べ、1.5倍以上の蓄熱密度を有している。
また、上述のように、建築業界においては厚みが3mmより薄く、且つ、実用的な蓄熱密度を有する蓄熱性シートへの要望が強い。そこで、本発明に係る蓄熱性シートは、プレス成型後の厚みを3mm以下とすることが好ましい。本発明に係る蓄熱性シートは、厚みを3mmとした場合にも面発熱量が21J/cm(210kJ/m)以上となり、長時間の放熱を維持する実用的な蓄熱密度を有すると共に、シートの厚みが薄く現在の建築工法に対応して広い用途に適用することができる。
ここで、これまで説明した単一シートからなる蓄熱性シート、及び、積層体からなる蓄熱性シートの他の性能について説明する。本実施形態に係る蓄熱性シートは、潜熱蓄熱物質をメラミンホルマリン樹脂の外皮膜で内包した蓄熱性マイクロカプセルを担持する。従って、外皮膜を形成するメラミンホルマリン樹脂からのホルムアルデヒドの放散、及び、蓄熱性マイクロカプセルに内容された潜熱蓄熱物質の溶出が懸念される。
そこで、本実施形態においては、JIS A1460建築用ボード類のホルムアルデヒド放散量の試験方法(デシケーター法)により測定したホルムアルデヒド放散量が0.3mg/L以下であることが好ましい。ホルムアルデヒド放散量が0.3mg/L以下であれば、建築資材の分野においても住宅の内装材として広く利用され得る。
また、本実施形態においては、抽出による蓄熱物質減少率を独自の方法(後述する)で測定し、その値が5%以下であることが好ましい。抽出による蓄熱物質減少率が5%以下であれば、蓄熱性シートの使用中に潜熱蓄熱物質が溶出することなく、建築資材の分野においても長期間安定して蓄熱性能を発揮することができる。
以下、実施例により本実施形態をより具体的に説明する。まず、本実施例1は、単一シートからなる蓄熱性シートを作製するものである。
≪準備工程≫
A.繊維構造体の準備
蓄熱性シートの基布として、密度0.1g/cmのポリエステル不織布(目付120g/m、厚み1.2mm)を準備した。
B.蓄熱性マイクロカプセルの製造
本実施例1においては、蓄熱性マイクロカプセルを構成する潜熱蓄熱物質として、n−オクタデカン(融点28.2℃)を使用し、また、外皮膜を構成する樹脂としてメラミンホルマリン樹脂を使用した。
まず、pH4〜5に調整した10重量%スチレン無水マレイン酸共重合体のナトリウム塩水溶液100gをホモミキサーで激しく撹拌しながら、n−オクタデカン80gを徐々に添加してn−オクタデカンを水中に乳化した。この乳化液を別容器に写し、メラミンホルマリン初期縮合物(上述の方法で調整したもの)を添加し、80℃で3時間反応させて蓄熱性マイクロカプセルの水分散液(固形分40重量%)を得た。本実施例1においては、この水分散液をそのまま使用した。
なお、得られた蓄熱性マイクロカプセルの平均粒子径は、5μmであった。また、この水分散液を乾燥して得られた蓄熱性マイクロカプセル(紛体)の蓄熱量は、示差走査熱量測定(DSC)により170J/gであった。
C.処理液の準備
本実施例1においては、蓄熱性マイクロカプセルの固着用樹脂として、アクリル樹脂エマルション(リケンレヂンA−103N、三木理研工業株式会社製、固形分40重量%)を準備した。次に、上記蓄熱性マイクロカプセルの水分散液(固形分40重量%)を85.7重量部と、アクリル樹脂エマルション(固形分40重量%)を14.3重量部とを混合して処理液を調整した。この処理液中の蓄熱性マイクロカプセルとアクリル樹脂との固形分重量比は、6:1であった。
≪担持工程≫
D.成形用中間体の作製
成形用中間体の作製には、パッダーと絞りロールを備えた含浸装置、及び、エアーフロート式熱風乾燥器を使用した。まず、ポリエステル不織布を連続走行させながらパッダーで処理液を含浸し、続いて絞りロールで絞液した。ポリエステル不織布に対する処理液の付与量は、833%owf(on the weight of fiber)であった。次に、このポリエステル不織布をエアーフロート式熱風乾燥器で連続走行させながら乾燥し、成形用中間体を得た。乾燥条件は、120℃で5分とした。得られた成形用中間体に含浸したアクリル樹脂は、完全硬化させることなく、半硬化状態にあった。なお、蓄熱性マイクロカプセルを担持した後(乾燥後)の成形用中間体の目付は、520g/mであった。このことから、本実施例1に係る蓄熱性シートには、固形分にして343g/mの蓄熱性マイクロカプセルと、57g/mのアクリル樹脂とが担持されたことになる。
≪プレス工程≫
E.蓄熱性シートの作製
蓄熱性シートの作製には、一般の積層板の製造に使用される多段式プレス装置を使用した。まず、上記担持工程で得られた成形用中間体を一定寸法に裁断した。次に、この裁断した成形用中間体1枚を鏡面板の間に挟んで加熱プレスした。このとき、150℃の加熱と0.5kg/mの加圧(プレス)を同時に行った。プレス工程の処理時間は、6分とした。なお、本実施例1においては、プレスによる圧縮率を制御するために厚み7mmのスペーサーを使用した。
プレス工程前後の蓄熱性シートの目付は、520g/mであり、固形分にして343g/mの蓄熱性マイクロカプセルが担持されていることから、蓄熱性シートの目付に対する蓄熱性マイクロカプセルの比率は、66重量%であった。また、成形後(プレス後)の蓄熱性シートの厚みは、0.7mmであることから、成形後(プレス後)の蓄熱性シートの密度は、0.74g/cmとなる。これらのことから、本実施例1に係る蓄熱性シートに対する蓄熱性マイクロカプセルの充填密度は、0.49g/cmとなる。これらの測定値を表1に示す。なお、表1において、蓄熱性マイクロカプセルをMCで示す。
一方、比較例1の蓄熱性シートを作製した。比較例1においては、実施例1と同様のポリエステル不織布(目付120g/m、厚み1.2mm)に対して、実施例1と同様の担持工程で作製した成形用中間体をプレス工程による圧縮を経ることなく、そのまま蓄熱性シートとした。従って、比較例1に係る蓄熱性シートの目付は、520g/mであり、固形分にして343g/mの蓄熱性マイクロカプセルが担持されている点は、上記実施例1に係る蓄熱性シートと同様である。一方、比較例1においてはプレス工程による圧縮を経ることがないので、蓄熱性シートの厚みは、1.2mmである。このことから、蓄熱性シートの密度は、0.43g/cmとなり、蓄熱性シートに対する蓄熱性マイクロカプセルの充填密度は、0.28g/cmとなる。これらの測定値を表1に示す。
≪性能評価≫
F.蓄熱性シートの評価
本実施例1及び比較例1で得られた蓄熱性シートの一部を試験片とし、DSC(示差走査熱量測定)により単位重量当たりの蓄熱量(J/g)を求め、厚み及び密度から単位体積当たりの蓄熱量(J/cm)を算出した。また、蓄熱性シートからのホルムアルデヒド放散量(mg/L)、及び、抽出による蓄熱物質減少率(%)を求めた。ホルムアルデヒド放散量は、JIS A1460建築用ボード類のホルムアルデヒド放散量の試験方法(デシケーター法)に準拠して測定した。一方、抽出による蓄熱物質減少率は、本出願の出願人による自社試験法により測定した。
蓄熱物質減少率の自社試験法は、次のようにして行う。まず、5gの蓄熱性シートを20gのn−ヘキサンに浸漬する。浸漬温度は25℃、浸漬時間は30分とする。抽出後の抽出液(n−ヘキサン)に溶出した蓄熱物質(n−オクタデカン)の量をガスクロマトグラフィー装置により分析し、蓄熱性シートの表面積(m)から溶出した蓄熱物質の抽出量(g/m)を算出した。この抽出量と試験片(蓄熱性シート)に含まれていた蓄熱物質の量(g/m)から、抽出による蓄熱物質減少率(%)を算出した。
本実施例1及び比較例1で得られた蓄熱性シートにおける、単位体積当たりの蓄熱量(J/cm)、ホルムアルデヒド放散量(mg/L)、及び、抽出による蓄熱物質減少率(%)の値を表2に示す。
表2の結果から、本実施例1に係る蓄熱性シートは、単位体積当たりの蓄熱密度が大きな値を示している。このことから、本実施例1に係る蓄熱性シートは、長時間の放熱を維持する実用的な蓄熱密度を有すると共に、シートの厚みを薄くしても表面からの放熱量(面放熱量)を十分に確保できることが分かる。これに対して、比較例1に係る蓄熱性シートは、単位体積当たりの蓄熱密度が小さく、シートを圧縮していないので実用的な性能を得ることができない。
また、本実施例1に係る蓄熱性シートにおいては、比較例1に比べ蓄熱性シートからのホルムアルデヒド放散量、及び、抽出による蓄熱物質減少率の値が小さく良好である。このことは、プレス工程で加熱プレスしたことにより、蓄熱性マイクロカプセルの外皮膜を形成するメラミンホルマリン樹脂の硬化反応が起こり、蓄熱性シートからのホルムアルデヒド放散量、及び、抽出による蓄熱物質減少率の値が減少したものと思われる。
本実施例2は、積層体からなる蓄熱性シートを作製するものである。なお、本実施例2においては、担持工程で作製した成形用中間体を2枚積重ねて加熱プレスすることにより、積層体からなる蓄熱性シートを作製した。
≪準備工程≫
A.繊維構造体の準備
本実施例2においては、蓄熱性シートの基布として、密度0.1g/cmのポリエステル不織布(目付60g/m、厚み0.6mm)を準備した。なお、本実施例2で使用するポリエステル不織布は、上記実施例1の不織布に比べ厚みが1/2のものである。
B.蓄熱性マイクロカプセルの製造
本実施例2においては、蓄熱性マイクロカプセルの製造は上記実施例1と同様であり、ここでは説明を省略する。なお、本実施例2においても、得られた蓄熱性マイクロカプセルの水分散液(固形分40重量%)をそのまま使用した。また、得られた蓄熱性マイクロカプセルの平均粒子径は5μmであり、蓄熱量は、示差走査熱量測定(DSC)により170J/gであった。
C.処理液の準備
本実施例2においては、処理液の準備は、上記実施例1と同様であり、ここでは説明を省略する。なお、処理液中の蓄熱性マイクロカプセルとアクリル樹脂との固形分重量比は、6:1であった。
≪担持工程≫
D.成形用中間体の作製
成形用中間体の作製には、上記実施例1と同様にパッダーと絞りロールを備えた含浸装置、及び、エアーフロート式熱風乾燥器を使用した。まず、ポリエステル不織布を連続走行させながらパッダーで処理液を含浸し、続いて絞りロールで絞液した。ポリエステル不織布に対する処理液の付与量は、833%owf(on the weight of fiber)であった。次に、このポリエステル不織布をエアーフロート式熱風乾燥器で連続走行させながら乾燥し、成形用中間体を得た。乾燥条件は、120℃で5分とした。得られた成形用中間体に含浸したアクリル樹脂は、完全硬化させることなく、半硬化状態にあった。なお、蓄熱性マイクロカプセルを担持した後(乾燥後)の成形用中間体の目付は、260g/mであった。このことから、本実施例2に係る蓄熱性シートには、固形分にして171.5g/mの蓄熱性マイクロカプセルと、28.5g/mのアクリル樹脂とが担持されたことになる。
≪プレス工程≫
E.蓄熱性シートの作製
蓄熱性シートの作製には、上記実施例1と同様に一般の積層板の製造に使用される多段式プレス装置を使用した。なお、上記担持工程で作製した成形用中間体に含浸したアクリル樹脂は、完全硬化させることなく、半硬化状態にあった。従って、本実施例2のプレス工程においては、他の接着成分を塗布することなく加熱プレスのみで各成形用中間体を相互に接着して積層体を成形した。
次に、成形用中間体を一定寸法に裁断した。この裁断した成形用中間体を2枚積み重ね、鏡面板の間に挟んで加熱プレスした。このとき、150℃の加熱と0.5kg/mの加圧(プレス)を同時に行った。プレス工程の処理時間は、6分とした。なお、本実施例2においては、プレスによる圧縮率を制御するために厚み7mmのスペーサーを使用した。
2枚の成形用中間体を積み重ねたことにより、成形後(積層後)の蓄熱性シートの目付は、520g/mであり、固形分にして343g/mの蓄熱性マイクロカプセルが担持されていることから、蓄熱性シートの目付に対する蓄熱性マイクロカプセルの比率は、66重量%であった。また、成形後(プレス後)の蓄熱性シートの厚みは、0.7mmであることから、成形後(プレス後)の蓄熱性シートの密度は、0.74g/cmとなる。これらのことから、本実施例1に係る蓄熱性シートに対する蓄熱性マイクロカプセルの充填密度は、0.49g/cmとなる。これらの測定値を表3に示す。なお、表3において、蓄熱性マイクロカプセルをMCで示す。
≪性能評価≫
F.蓄熱性シートの評価
本実施例2に係る蓄熱性シートの性能評価は、上記実施例1と同様にして行った。本実施例2で得られた蓄熱性シートにおける、単位体積当たりの蓄熱密度(J/cm)、ホルムアルデヒド放散量(mg/L)、及び、抽出による蓄熱物質減少率(%)の値を表4に示す。
表4の結果から、本実施例2に係る蓄熱性シートは、プレス工程において成形用中間体を2枚積層して加熱プレスしたことにより単位体積当たりの蓄熱密度が大きな値を示している。このことから、本実施例2に係る蓄熱性シートは、長時間の放熱を維持する実用的な蓄熱密度を有すると共に、シートの厚みを薄くしても表面からの放熱量(面放熱量)を十分に確保できることが分かる。また、本実施例2に係る蓄熱性シートにおいては、プレス工程で加熱プレスしたことにより、ホルムアルデヒド放散量、及び、抽出による蓄熱物質減少率が小さな値を示している。
本実施例3は、上記実施例2と同様に積層体からなる蓄熱性シートを作製するものである。なお、本実施例3においては、上記実施例1で製造した蓄熱性マイクロカプセルの水分散液をスプレー乾燥機で乾熱処理して得られた蓄熱性マイクロカプセル紛体を使用した。
≪準備工程≫
A.繊維構造体の準備
本実施例3においては、蓄熱性シートの基布として上記実施例2と同様の密度0.1g/cmのポリエステル不織布(目付60g/m、厚み0.6mm)を準備した。
B.蓄熱性マイクロカプセルの製造
本実施例3においては、上記実施例1で製造した蓄熱性マイクロカプセルの水分散液をスプレー乾燥機で乾熱処理して蓄熱性マイクロカプセル紛体を得た。このとき、スプレー乾燥機の入口温度は200℃とし、出口温度は100℃であった。このようにしてスプレー乾燥して得られた蓄熱性マイクロカプセル(紛体)の蓄熱量は、上記実施例1及び実施例2と同様に示差走査熱量測定(DSC)により170J/gであった。この蓄熱性マイクロカプセルは、スプレー乾燥によりメラミンホルマリン樹脂からなる外皮膜がより強靭なものとなり、ホルムアルデヒド放散量、及び、抽出による蓄熱物質減少率の向上が図られる。
C.処理液の準備
本実施例3においては、蓄熱性マイクロカプセルの固着用樹脂として、上記実施例1と同様のアクリル樹脂エマルション(固形分40重量%)を準備した。次に、上記蓄熱性マイクロカプセル紛体を34.3重量部と、アクリル樹脂エマルション(固形分40重量%)を14.3重量部と、水を51.4重量部とを混合して処理液を調整した。この処理液中の蓄熱性マイクロカプセルとアクリル樹脂との混合量は上記実施例1と同様であり、これらの固形分重量比は、6:1であった。
≪担持工程≫
D.成形用中間体の作製
担持工程における、成形用中間体の作製は、上記実施例2と同様であり、ここでは説明を省略する。
≪プレス工程≫
E.蓄熱性シートの作製
プレス工程における、蓄熱性シートの作製は、上記実施例2のプレス工程と同様の装置及び条件で行ったものであり、ここでは説明を省略する。
本実施例3においては、蓄熱性マイクロカプセル紛体を使用したこと以外、上記実施例2と同様であり、成形後(積層後)の蓄熱性シートの目付は、520g/mであり、固形分にして343g/mの蓄熱性マイクロカプセルが担持されていることから、蓄熱性シートの目付に対する蓄熱性マイクロカプセルの比率は、66重量%であった。また、成形後(プレス後)の蓄熱性シートの厚みは、0.7mmであることから、成形後(プレス後)の蓄熱性シートの密度は、0.74g/cmとなる。これらのことから、本実施例3に係る蓄熱性シートに対する蓄熱性マイクロカプセルの充填密度は、0.49g/cmとなる。これらの測定値を表5に示す。なお、表5において、蓄熱性マイクロカプセルをMCで示す。
≪性能評価≫
F.蓄熱性シートの評価
本実施例3に係る蓄熱性シートの性能評価は、上記実施例1と同様にして行った。本実施例3で得られた蓄熱性シートにおける、単位体積当たりの蓄熱密度(J/cm)、ホルムアルデヒド放散量(mg/L)、及び、抽出による蓄熱物質減少率(%)の値を表6に示す。
表6の結果から、本実施例3に係る蓄熱性シートは、プレス工程において成形用中間体を2枚積層して加熱プレスしたことにより単位体積当たりの蓄熱密度が大きな値を示している。このことから、本実施例3に係る蓄熱性シートは、長時間の放熱を維持する実用的な蓄熱密度を有すると共に、シートの厚みを薄くしても表面からの放熱量(面放熱量)を十分に確保できることが分かる。また、本実施例3に係る蓄熱性シートにおいては、蓄熱性マイクロカプセルを乾熱処理したことにより、上記実施例2に比較してホルムアルデヒド放散量、及び、抽出による蓄熱物質減少率の値が更に減少している。
以上説明したことにより、本発明においては、長時間の放熱を維持する実用的な蓄熱密度を有すると共に、シートの厚みを薄くしても表面からの放熱量(単位面積当たりの蓄熱放熱量)を十分に確保することのできる蓄熱性シート及びその製造方法を提供することができる。
本発明に係る蓄熱性シートは、高い蓄熱密度を有することから薄くして使用することができ、より広い用途の建築資材に使用することができる。また、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドの放散量が少なく、建築資材の分野においても住宅の内装材として広く利用され得る。更に、本発明に係る蓄熱性シートは、建築資材に限らず多くの産業で広く利用することができる。
本発明においては、ホルマリン縮合型樹脂を外皮膜とする蓄熱性マイクロカプセルを使用した場合でも、従来存在しなかった第2種ホルムアルデヒド発散建築材料或いは第3種ホルムアルデヒド発散建築材料として建築内装仕上げ材への利用可能性を有している。
なお、本発明の実施にあたり、上記実施形態に限らず次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)上記各実施例においては、蓄熱性マイクロカプセルを構成する潜熱蓄熱物質としてn−オクタデカン(融点28.2℃)を使用し、また、外皮膜を構成する樹脂としてメラミンホルマリン樹脂を使用したが、これに限るものではなく、他の潜熱蓄熱物質を使用してもよく、また、他のホルマリン縮合型樹脂を使用して蓄熱性マイクロカプセルを構成するようにしてもよい。
(2)上記各実施例においては、不織布に蓄熱性マイクロカプセルを固定する固着用樹脂としてアクリル樹脂を使用するものであるが、これに限るものではなく、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂などを使用するようにしてもよい。
(3)上記各実施例においては、繊維構造体としてポリエステル不織布を使用するものであるが、これに限るものではなく、ポリエステル以外の不織布、又は、密度が小さいものであれば不織布以外の織物、編物、繊維ウェブ、繊維塊などの繊維集合体を使用するようにしてもよい。
(4)上記各実施例においては、蓄熱性マイクロカプセルと固着用樹脂の固形分比率を6:1とするものであるが、これに限るものではなく、蓄熱性マイクロカプセルの担持量と固着強度を考慮して他の比率で使用するようにしてもよい。
(5)上記実施例2及び実施例3においては、2枚の成形用中間体を積み重ねて積層体からなる蓄熱性シートを作製するものであるが、これに限るものではなく、3枚或いはそれ以上の成形用中間体を積み重ねて積層体からなる蓄熱性シートを作製するようにしてもよい。
(6)上記各実施例においては、プレス工程において鏡面板の間に挟んで平面状態で加熱プレスするものであるが、これに限るものではなく、立体成型を用いて加熱プレスすることにより立体的な蓄熱性シートを作製するようにしてもよい。

Claims (6)

  1. 潜熱蓄熱物質を樹脂で内包したマイクロカプセルを繊維構造体に担持したものを成形用中間体とし、当該成形用中間体を1枚又は2枚以上積層して加熱プレスすることにより、加熱プレス後の単位体積当たりの蓄熱密度が70J/cm以上である蓄熱性シート。
  2. 前記加熱プレス後の蓄熱性シートの密度が0.5g/cm〜1.0g/cmの範囲内にあると共に、前記マイクロカプセルの充填密度は、0.4g/cm〜0.7g/cmの範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の蓄熱性シート。
  3. 前記マイクロカプセルは、ホルマリン縮合型樹脂からなる外皮膜を有すると共に、その粒子径は、0.5μm〜20μmの範囲内にあって、
    当該マイクロカプセルの蓄熱量は、示差走査熱量測定により150J/g以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の蓄熱性シート。
  4. JIS A1460建築用ボード類のホルムアルデヒド放散量の試験方法(デシケーター法)により測定したホルムアルデヒド放散量が0.3mg/L以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の蓄熱性シート。
  5. 前記マイクロカプセルから前記蓄熱物質が脱離する程度を所定の抽出方法により測定した蓄熱物質減少率が5%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の蓄熱性シート。
  6. 基材としての繊維構造体、及び、潜熱蓄熱物質を樹脂で内包したマイクロカプセルと固着用樹脂とを配合した処理液を準備する準備工程と、
    前記繊維構造体に前記処理液を含浸・固着して前記マイクロカプセルを当該繊維構造体に担持することにより成形用中間体を作製する担持工程と、
    前記成形用中間体を1枚又は2枚以上積層して加熱プレスすることにより蓄熱性シートを作製するプレス工程とからなり、
    前記準備工程において、前記繊維構造体の密度が0.05g/cm〜0.3g/cmの範囲内にあり、前記マイクロカプセルの粒子径が0.5μm〜20μmの範囲内にあり、且つ、前記処理液における前記マイクロカプセルと前記固着用樹脂との固形分重量比が1:1〜10:1の範囲内にあって、
    前記担持工程において、前記マイクロカプセルを担持した後の蓄熱性シートに対する当該マイクロカプセルの充填密度が0.4g/cm〜0.7g/cmの範囲内にあって、
    前記プレス工程において、加熱プレスの際のプレスによる圧縮率が30%〜70%の範囲内にあることにより、
    前記プレス工程後の蓄熱性シートの密度が0.5g/cm〜1.0g/cmの範囲内であり、単位体積当たりの蓄熱密度が70J/cm以上である蓄熱性シートの製造方法。
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