第1の実施形態.
以下、図面を参照しつつ、本発明の第1実施の形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。この可変表示ゲームにおいて、遊技者は、遊技領域の中央付近に設けられた画像表示装置5による飾り図柄の可変表示に注目し、遊技領域の右側方に設けられた第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示をあまり見ることはない。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「1」、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄は通常開放ラウンド大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は短期開放ラウンド大当り図柄となり、「1」の数字を示す特別図柄は特殊開放ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(通常開放大当り遊技状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29.5秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。なお、通常開放大当り遊技状態は、第1特定遊技状態ともいう。通常開放大当り遊技状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第1ラウンド数(例えば「15」)となる。ラウンドの実行回数が「15」となる通常大当り遊技状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(短期開放大当り遊技状態)では、1ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる可変入賞動作が2回行われる。また、可変入賞動作の上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り遊技状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。また、短期開放大当り遊技状態では、ラウンドの実行回数が、通常開放大当り遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数(例えば「1」)となる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として特殊開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される特殊開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(特殊開放大当り遊技状態)では、短期開放大当り遊技状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が2回行われた後、大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態に一旦変化させてから、第2期間よりも長い第3期間(例えば29.1秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが実行される。その後、通開放大当り遊技状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が第1ラウンド数よりも1回少ない第3ラウンド数(例えば「14」)実行される。
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として導出された後には、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放大当り遊技状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が2回行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が繰り返し実行される。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行可能である。「滑り」や「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。なお、「滑り」の可変表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止表示させた後、所定数の飾り図柄について可変表示を再度実行することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。
「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、例えば予め定められた複数種類の擬似連チャンス目のうちいずれかを構成する飾り図柄が、所定表示結果として一旦は仮停止表示される。その後に、擬似連変動(再可変表示)が行われる。この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば4回や5回といった、1回〜3回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「滑り」や「擬似連」の他にも、例えば「発展チャンス目」や「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「発展チャンス目」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。これにより、発展チャンス目を構成する飾り図柄が仮停止表示されたときには、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることや、リーチ状態となった後に可変表示結果が「大当り」となることに対する期待感が高められる。
また、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始された後に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出では、「擬似連」の可変表示演出と同様に、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ組合せ(特殊組合せ)の飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出とは異なり、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの一部にて飾り図柄を再び変動させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。この実施の形態では、「ステップアップ表示」といった表示系予告などの予告演出が実行可能に設定されている。予告演出となる演出動作は、それが実行されるか否かによっては特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)に変化が生じないものであればよい。
「ステップアップ表示」の予告演出では、飾り図柄の可変表示中に、例えば画像表示装置5の表示領域にて、予め用意された複数種類の演出画像を所定の順番に従って切り換えて表示させる演出表示により、演出態様が複数段階に変化(ステップアップ)するような演出動作が行われることがある。なお、「ステップアップ表示」の予告演出では、予め用意された複数種類の演出画像のうちいずれか1つ(例えば所定の順番において最初に表示される演出画像など)が表示された後、演出画像が切り換えられることなく、予告演出における演出表示を終了させることがあるようにしてもよい。また、演出画像を切り換えて表示させる演出表示に代えて、あるいは、このような演出表示とともに、例えば演出用の可動部材を所定の順番に従って複数種類の動作態様で動作させる演出動作により、演出態様が複数段階に変化(ステップアップ)するような演出動作が行われるようにしてもよい。
こうしたステップアップが可能な予告演出は、1回の始動入賞(第1始動入賞口又は第2始動入賞口に1個の遊技球が進入したこと)に対応して実行される特別図柄や飾り図柄の可変表示中に実行される予告演出の一種であり、特に予告の態様(表示、音、ランプ、可動物等による演出内容)が複数段階に変化(ステップアップ)するステップアップ予告演出とも称される。一般的には変化する段階数(ステップ数)が多い程信頼度(可変表示結果が「大当り」となる可能性)が高くなる。また、ステップアップ予告演出におけるステップ数、あるいは、各ステップにおける演出態様に応じて、「確変大当り」となること、特定のリーチ演出が実行されること、「非確変大当り」から「確変大当り」へと昇格することのうち、少なくともいずれか1つを予告するものであってもよい。さらに変化する回数(ステップ数)によって予告する対象も変化するものでもよい。例えば第2ステップまで行くと「リーチ確定」、第3ステップまで行くと「スーパーリーチ確定」、第4ステップまで行くと「大当り確定」となるようなものでもよい。予告の態様の変化(ステップアップ)としては、異なるキャラクタ画像が順番に表示されるものであってもよいし、1つのキャラクタにおける形状や色等が変化することでステップアップするようなものであってもよい。すなわち、遊技者からみて予告する手段(表示、音、ランプ、可動物等)の状態が段階的に変化したと認識可能なものであればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄といった通常大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が停止表示される。通常大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「非確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り遊技状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、飾り図柄の可変表示結果として、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定飾り図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り遊技状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に可変表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。なお、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「5」の数字を示す特別図柄といった短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合や、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、スーパーリーチとなるリーチ演出が実行された後などに、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄(短期開放ラウンド大当り遊技状態に対応したチャンス目となる確定飾り図柄)が停止表示される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が短期開放ラウンド大当り図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「突確」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り遊技状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確変制御が行われればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて、小当り遊技状態に制御され、その終了後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「1」の数字を示す特別図柄といった特殊開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、スーパーリーチとなるリーチ演出が実行された後などに、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が特殊開放ラウンド大当り図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確見掛」(「突確見掛大当り」あるいは「見掛突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「突確見掛」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、特殊開放大当り遊技状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確変制御が行われればよい。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに通常大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる飾り図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定飾り図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、画像表示装置5の表示領域にて飾り図柄を可変表示させて通常図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、飾り図柄の可変表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。さらに、主基板11には、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(RandomAccess Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えばRAM102に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを定期的あるいは不定期に更新することで、各種の乱数値の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。可変表示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、小当り変動パターンと称される。大当り変動パターンと小当り変動パターンは、可変表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合に対応した当り変動パターンに含まれる。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域が設けられている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。また、演出制御用CPU120は、例えば予告演出といった所定演出の実行を開始するときなどに、対応する演出制御パターン(予告演出制御パターン)をセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。
演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域が設けられている。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する。特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図3は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図4は、始動入賞判定処理として、図3のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図4に示す始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えばRAM102に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えばRAM102に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU103は、例えばRAM102に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えばRAM102に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(ステップS208)。例えば、RAM102に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104やRAM102のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。CPU103は、ステップS209の処理を実行することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果や可変表示時間を含む可変表示態様の決定に用いられる乱数値のうち、一部または全部を示す数値データを抽出する。
こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、所定の第1特図保留記憶部に乱数値MR1、MR2を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部に乱数値MR1、MR2を示す数値データがセットされる。
第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
図4に示すステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、所定のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンド、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドのいずれかを送信するための設定を行う(ステップS212)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、所定のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。なお、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
ステップS212の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS213)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS213;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS213;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図3のステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS110の特別図柄通常処理やステップS111の変動パターン設定処理により、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や飾り図柄の可変表示態様を決定する処理を含んでいる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、RAM102に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM102に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、小当りフラグがオンである場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、大当りフラグと小当りフラグがともにオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、通常開放大当り遊技状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、短期開放大当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。一例として、可変表示結果が「小当り」となったときには、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図5は、特別図柄通常処理として、図3のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図5に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理では、RAM102に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、RAM102にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、RAM102にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかが決定できればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1、MR2示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、RAM102にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、変動特図指定バッファ値に対応する特図表示結果決定テーブルを選択してセットする(ステップS239)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合には、図6(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル130Aを使用テーブルにセットする。一方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合には、図6(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル130Bを使用テーブルにセットする。また、CPU103は、現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータを選択すればよい。
第1特図表示結果決定テーブル130Aは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果決定テーブル130Bは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
第1特図表示結果決定テーブル130Aでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される決定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる決定用データとなっている。第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの決定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。すなわち、第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、決定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aの設定例では、所定範囲の決定値(「30000」〜「30350」の範囲の値)が「小当り」の特図表示結果に割り当てられている。その一方で、第2特図表示結果決定テーブル130Bの設定例では、「小当り」の特図表示結果に決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合とで、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される割合を、異ならせることができる。
特に、第2特図を用いた特図ゲームでは特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短状態(低確高ベース状態)や確変状態(高確高ベース状態)といった、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な小当り遊技状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいても、第1特図表示結果決定テーブル130Aにおける設定とは異なる所定範囲の決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられるようにしてもよい。例えば、第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、第1特図表示結果決定テーブル130Aに比べて少ない決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられてもよい。こうして、時短状態や確変状態といった高ベース状態であるときには、通常状態や時短なし確変状態といった低ベース状態であるときよりも、小当り遊技状態に制御すると決定される割合が低くなるようにしてもよい。あるいは、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかにかかわらず、共通の特図表示結果決定テーブルを参照して、特図表示結果の決定を行うようにしてもよい。
図5に示すステップS239の処理に続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。
ステップS239では現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータが選択されていることから、ステップS240の処理では、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、異なる決定用データを用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定される。例えば、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が通常状態又は時短状態であるときには、第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて遊技状態が通常状態又は時短状態の場合に対応するテーブルデータが、通常決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。これに対して、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるときには、第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて遊技状態が確変状態の場合に対応するテーブルデータが、特別決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。
ステップS240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;Yes)、RAM102に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図7に示す大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。
大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、特図ゲームにおいて可変表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「確変」、「突確見掛」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
図7に示す大当り種別決定テーブル131の設定では、変動特図指定バッファ値が“1”であるか“2”であるかに応じて、「突確見掛」、「突確」の大当り種別に対する大当り種別判定用の乱数値MR2の割当てが異なっている。すなわち、変動特図指定バッファ値が“1”である場合には、大当り種別判定用の乱数値MR2−1のうち「82」が「突確見掛」の大当り種別に割り当てられ、「83」〜「100」の範囲の値が「突確」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図指定バッファ値が“2”である場合には、「突確見掛」、「突確」の大当り種別に対して大当り種別判定用の乱数値MR2が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別を「突確見掛」や「突確」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「突確」として短期開放大当り遊技状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な短期開放大当り遊技状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。
なお、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の決定値が、「突確見掛」や「突確」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない決定値が、「突確見掛」や「突確」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
図5に示すステップS243にてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、「非確変」、「確変」、「突確見掛」、「突確」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(ステップS244)。
ステップS244の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、可変表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えばRAM102に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「確変」であれば「1」とし、「突確見掛」であれば「2」とし、「突確」であれば「3」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合には(ステップS241;No)、その特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS246)。そして、「小当り」であると判定されたときには(ステップS246;Yes)、RAM102に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS247)。
ステップS246にて「小当り」ではないと判定された場合や(ステップS246;No)、ステップS245、S247の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS248)。一例として、ステップS246にて特図表示結果が「小当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS246にて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合には、特図表示結果を「小当り」とする旨の事前決定結果に対応して、小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち通常大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「突確見掛」とする決定結果に応じて、特殊開放大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「突確」とする決定結果に応じて、短期開放大当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS248にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS249)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図8は、変動パターン設定処理として、図3のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図8に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンであれば(ステップS261;Yes)、変動パターンを複数種別のいずれかに決定するための使用テーブルとして、所定の大当り変動パターン決定テーブルを選択してセットする(ステップS262)。また、例えばRAM102に記憶されている大当り種別バッファ値を読み取ることなどにより、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確見掛」、「突確」のいずれであるかを特定する(ステップS263)。
大当り変動パターン決定テーブルは、特図表示結果を「大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターンを、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン決定テーブルでは、大当り種別の決定結果が「非確変」や「確変」、「突確見掛」、「突確」のいずれであるかに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、複数種類の変動パターンのうちのいずれかに割り当てられている。
大当り変動パターン決定テーブルでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、各変動パターンに決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターンに割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「非確変」であるか「確変」であるかに応じて、各変動パターンに対する決定値の割当てが異なっている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。また、この実施の形態では、大当り種別が「非確変」又は「確変」に決定されている場合、スーパーリーチA及びスーパーリーチBのうち、スーパーリーチAとなるリーチ演出を実行する変動パターンが、スーパーリーチBとなるリーチ演出を実行する変動パターンよりも高い割合で決定されるように、各変動パターンに決定値が割り当てられている。これに対して、大当り種別が「突確見掛」又は「突確」に決定されている場合、スーパーリーチBとなるリーチ演出を実行する変動パターンが、スーパーリーチAとなるリーチ演出を実行する変動パターンよりも高い割合で決定されるように、各変動パターンに決定値が割り当てられている。
また、大当り変動パターン決定テーブルでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、異なる変動パターンに決定値が割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「非確変」又は「確変」である場合には、大当り種別が「突確見掛」や「突確」である場合に決定値が割り当てられている変動パターンに対して決定値が割り当てられていない。また、大当り種別が「突確見掛」である場合には、大当り種別が「非確変」又は「確変」や「突確」である場合に決定値が割り当てられている変動パターンに対して決定値が割り当てられている。さらに、大当り種別が「突確」である場合には、大当り種別が「非確変」又は「確変」や「突確見掛」である場合に決定値が割り当てられている変動パターンに対して決定値が割り当てられている。これにより、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」に応じて短期開放大当り遊技状態に制御される場合には、通常開放大当り遊技状態や特殊開放大当り遊技状態に制御される場合とは異なる変動パターンに決定することができる。また、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確見掛」に応じて短期開放大当り遊技状態に制御される場合には、通常開放大当り遊技状態や短期開放大当り遊技状態に制御される場合とは異なる変動パターンに決定することができる。
なお、大当り種別が「非確変」や「確変」、「突確見掛」、「突確」のいずれかに決定された場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、各変動パターンに対する決定値の割当てを異ならせるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。また、大当り種別が「非確変」や「確変」、「突確見掛」、「突確」のいずれかに決定された場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、異なる変動パターンに決定値が割り当てられるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、異なる変動パターンに決定することができる。
図8に示すステップS261にて大当りフラグがオフであるときには(ステップS261;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS264)。そして、小当りフラグがオンであれば(ステップS264;Yes)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、初所定の小当り変動パターン決定テーブルを選択してセットする(ステップS265)。
ステップS264にて小当りフラグがオフであるときには(ステップS264;No)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、所定のハズレ変動パターン決定テーブルを選択してセットする(ステップS266)。例えばRAM102に設けられた時短フラグがオンであるか否かを判定することなどにより、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短制御中であるか否かを特定する(ステップS267)。
ハズレ変動パターン決定テーブルは、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターンを、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
ハズレ変動パターン決定テーブルでは、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、各変動パターンに決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターンに割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。ハズレ変動パターン決定テーブルとでは、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、異なる変動パターンに決定値が割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、異なる変動パターンに決定することができる。また、ハズレ変動パターン決定テーブルでは、スーパーリーチA及びスーパーリーチBのうち、スーパーリーチAとなるリーチ演出を実行する変動パターンが、スーパーリーチBとなるリーチ演出を実行する変動パターンよりも高い割合で決定されるように、各変動パターンに決定値が割り当てられている。
図8に示すステップS263、S265、S268の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどに基づき、使用テーブルにセットされた変動パターン決定テーブルを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS269)。ここで、ステップS269の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン決定用となる共通の乱数値MR3を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。
大当りフラグがオンであるときには、大当り変動パターン決定テーブルを構成するテーブルデータのうちから、ステップS263の処理により特定された大当り種別に対応するテーブルデータを選択し、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターンを決定できればよい。こうして、CPU103は、特図表示結果を「大当り」にする決定結果に対応して予め複数用意された変動パターンのうちから、いずれかの変動パターンに決定できればよい。
小当りフラグがオンであるときには、小当り変動パターン決定テーブルを参照し、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターンを決定できればよい。こうして、CPU103は、特図表示結果を「小当り」にする決定結果に対応して予め用意された変動パターンに決定できればよい。
大当りフラグと小当りフラグがともにオフであるときには、ステップS269の処理にて変動パターンを決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定される。すなわち、ステップS269の処理には、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを決定する処理が含まれている。
ステップS269にて変動パターンを決定した後には、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS270)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。
ステップS270の処理を実行した後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS271)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS273の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS272)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、RAM102に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。
ここで、第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定するコマンドである。第2変動開始コマンドは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定するコマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定するコマンドである。遊技状態指定コマンドは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定するコマンドである。
ステップS272でのコマンド送信設定に基づいて、変動パターン設定処理が終了してから所定のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば可変表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。
その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS273)、変動パターン設定処理を終了する。
図9は、特別図柄変動処理として、図3のステップS112にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図9に示す特別図柄変動処理において、CPU103は、まず、RAM102に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1加算し(ステップS281)、特図変動時間を経過しているか否かを判定する(ステップS282)。そして、経過していると判定した場合には、図柄確定指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS283)。例えば、ステップS282の処理では、特図変動タイマ値によって示される経過時間が、ステップS270またはステップS286で設定された特図変動時間と同じである、または超えているか否かを判定する。また、例えば、ステップS283の処理では、図柄確定指定コマンドを送信するために予め用意された図柄確定指定コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データが、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納されればよい。その後、CPU103は、特図プロセスフラグの値を特別図柄停止処理に対応した値である“3”に更新する(ステップS284)。
また、ステップS282で特図変動時間を経過していないと判定した場合には、CPU103は、プッシュボタン31Bからの操作検出信号が入力されているか否かを判定し(ステップS285)、入力されていると判定した場合には、スキップコマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS286)。例えば、ステップS286の処理では、スキップコマンドを送信するために予め用意されたスキップコマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データが、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納されればよい。また、入力されていないと判定した場合には、特別図柄変動処理を終了する。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示中に所定の条件が満たされると、満たされた条件に対応するスキップポイント以降の変動表示が実行される(以下、スキップポイントまでスキップするともいう)。具体的には、特別図柄の変動表示中にプッシュボタン31Bからの操作検出信号が入力されることを条件とし、条件が満たされた場合には、スキップポイントとして定められた表示結果が導出表示されるタイミングまでスキップする制御が行われる。なお、この実施の形態の例に限らず、スキップポイントは、変動パターンごとに異なるように定められていてもよいし、1つの変動パターンに対して複数設けられていてもよい。
ステップS286の処理に続いて、CPU103は、スキップ処理後の特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定し(ステップS287)、特別図柄変動処理を終了する。なお、ステップS287の処理では、例えば、特図変動タイマ値によって示される経過時間を特図変動時間として設定する。このように設定することで、直後にステップS282で特図変動時間が経過したと判定され、ステップS283で図柄確定指定コマンドを送信する設定が行われる。したがって、スキップ後すぐに特別図柄が導出表示される処理が実行される。
なお、ステップS287の処理では、経過時間に所定時間(例えば1秒)を加えた時間を特図変動時間として設定するようにしてもよい。この場合には、スキップ後に所定時間だけ特図ゲームが行われる。また、あらかじめ変動パターンごとにスキップ後の変動時間を定めておき、特図変動タイマ値によって示される経過時間にスキップ後の変動時間を加えた時間を特図変動時間として設定するようにしてもよい。また、特図変動時間を設定するのではなく、特図変動タイマ値を変更するようにしてもよい。例えば、特図変動時間が終了するタイミングにスキップさせる場合には、特図変動タイマ値を特図変動時間を示す値に変更する。また、例えば、所定のスキップポイントにスキップさせる場合には、特図変動タイマ値にスキップポイントに達する値を加える。
図10は、特別図柄停止処理として、図3のステップS113にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図10に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS291;Yes)、大当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS292)。例えば、ステップS292の処理では、大当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、RAM102に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。
ステップS292の処理に続いて、当り開始指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS293)。例えば、ステップS293の処理では、当り開始指定コマンドを送信するために予め用意された当り開始指定コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データが、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納されればよい。その後、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS294)。また、確変状態や時短状態を終了するための設定を行う(ステップS295)。例えば、ステップS295では、確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とする処理や、確変状態や時短状態における特図ゲームの実行回数をカウントするための特図変動回数カウンタをクリアする処理などが実行されればよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS296)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS291にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS291;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS297)。このとき、小当りフラグがオンであれば(ステップS297;No)、小当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS298)。例えば、ステップS298の処理では、小当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。
ステップS298の処理に続いて、ステップS293の処理と同様に、当り開始指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS299)。その後、小当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS300)。そして、特図プロセスフラグの値を小当り開放前処理に対応した値である“8”に更新する(ステップS301)。
また、ステップS297にて小当りフラグがオフである場合には(ステップS297;No)、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新する(ステップS302)。ステップS301、S302の処理のいずれかを実行した後には、確変状態や時短状態を終了させるか否かの判定を行う(ステップS303)。例えば、ステップS303の処理では、特図変動回数カウンタの値(特図変動回数カウント値)を、例えば1減算または1加算するなどして更新し、更新後の特図変動回数カウント値が所定の特別遊技状態終了判定値と合致するか否かの判定が行われる。このとき、特別遊技状態終了判定値と合致すれば、確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、確変状態や時短状態を終了して通常状態に制御すればよい。他方、特別遊技状態終了判定値と合致しなければ、確変フラグや時短フラグの状態を維持して、ステップS303の処理を終了すればよい。こうした確変状態や時短状態の終了判定を実行した後には、特別図柄停止処理が終了する。なお、特図変動回数カウント値に基づく終了判定は、時短状態である場合のみ行うようにして、確変状態については、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続されるようにしてもよい。あるいは、例えばRAM102に設けられたランダムカウンタから、確変状態終了判定用の乱数値を示す数値データを抽出し、予めROM101などに格納された確変状態終了決定テーブルを参照することにより、確変状態を終了するか否かの判定を行うようにしてもよい。
図11は、大当り開放前処理として、図3のステップS114にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す大当り開放前処理において、CPU103は、まず、大当り開始時フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS311)。ここで、大当り開始時フラグは、図3に示すステップS113の特別図柄停止処理にて、大当りフラグがオンであることに対応してオン状態にセットされる。ステップS311にて大当り開始時フラグがオンであれば(ステップS311;Yes)、大当り開始時演出の待機中であるか否かを判定する(ステップS312)。一例として、図3に示すステップS113の特別図柄停止処理では、特図プロセスフラグの値を“4”に更新するときに、大当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS312の処理では、遊技制御プロセスタイマ値が所定の待機時間経過判定値(例えば「0」など)と合致しないことに対応して、大当り開始時演出の待機中であると判定し、合致したことに対応して、大当り開始時演出の待機中ではないと判定すればよい。
ステップS312にて大当り開始時演出の待機中であれば(ステップS312;Yes)、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算するなどして更新した後(ステップS313)、大当り開放前処理を終了する。これに対して、ステップS312にて大当り開始時演出の待機中ではない場合には(ステップS312;No)、大当り開始時フラグをクリアするとともに(ステップS314)、大入賞口開放回数カウンタをクリアして(ステップS315)、RAM102に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出す(ステップS316)。
続いて、ステップS316にて読み出した大当り種別バッファ値に対応した開放制御パターンを設定する(ステップS317)。このときには、例えば (A)に示すように、大当り種別バッファ値が「0」又は「1」であれば、開放KP1の開放制御パターンを設定する。これに対して、大当り種別バッファ値が「2」であれば、開放KP2の開放制御パターンを設定する。また、大当り種別バッファ値が「3」であれば、開放KP3の開放制御パターンを設定する。
ステップS317の処理を実行した後には、次回のラウンドにて大入賞口を開放するまでの待機中(次回開放待機中)であるか否かを判定する(ステップS318)。一例として、ステップS318の処理では、遊技制御プロセスタイマ値が次回開放待機終了判定値と合致するか否かの判定を行い、合致しなければ次回開放待機中であると判定する一方で、合致すれば次回開放待機中ではないと判定すればよい。ステップS318にて次回開放待機中であれば(ステップS318;Yes)、ステップS313に進んで遊技制御プロセスタイマ値の更新を行う。なお、ステップS313にて更新される遊技制御プロセスタイマ値は、図10に示すステップS292にて大当り開始時待ち時間としてセットされた時間、または図3のステップS116の大当り開放後処理にて各ラウンド間のインターバル時間としてセットされた時間である。
ステップS318にて次回開放待機中ではないと判定された場合には(ステップS318;No)、ステップS317にて設定した開放制御パターンと大入賞口開放回数カウンタにおけるカウント値に対応して、大入賞口を開放するための設定を行う(ステップS319)。一例として、ステップS319の処理では、大入賞口開放時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御プロセスタイマにセットされることなどにより、特別可変入賞球装置7が形成する大入賞口を開放状態とする時間の上限である大入賞口開放時間が設定される。また、例えば所定のソレノイド回路を介して所定の大入賞口扉用ソレノイドに対するソレノイド駆動信号が出力開始とされることなどにより、大入賞口を開放状態とするための大入賞口扉用ソレノイドをオン状態とする設定が行われる。
このときには、例えば図12(B)に示すように、ステップS317にて開放KP1及び開放KP2のいずれかの開放制御パターンが設定された場合には、大入賞口開放回数カウンタにおけるカウント値が「1」〜「15」のいずれのときにおいても、大入賞口開放時間として29.5秒間に対応するタイマ初期値が、遊技制御プロセスタイマにセットされる。さらに、開放KP3の開放制御パターンが設定された場合には、大入賞口開放回数カウンタにおけるカウント値が「1」のときにおいてのみ、大入賞口開放時間として0.3秒間に対応するタイマ初期値が、遊技制御プロセスタイマにセットされる。なお、図12(B)に示す例では、開放KP3の開放制御パターンが設定された場合には、大入賞口開放回数カウンタにおけるカウント値が「1」のときにおいてのみ、大入賞口が開放されている。すなわち、突確の場合にはラウンド数が「1」となる例が示されている。しかしながら、図12(B)に示す例に限らず、開放KP3の開放制御パターンが設定された場合に、大入賞口開放回数カウンタにおけるカウント値が「2」以上のときにも、大入賞口が開放されるようにしてもよい。すなわち、突確の場合にラウンド数が「2」以上であってもよい。
そして、CPU103は、演出制御基板12に対して大入賞口開放中指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS320)。ステップS320の処理を実行した後には、大入賞口開放回数カウント値を1加算するなどして更新するとともに(ステップS321)、特図プロセスフラグの値を大当り開放中処理に対応した値である“5”に更新してから(ステップS322)、大入賞口開放前処理を終了する。
図13及び図14は、大当り開放中処理として、図3のステップS115にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図13及び図14に示す大当り開放中処理において、CPU103は、まず、例えばカウントスイッチ23がオンになったか否かを判定することなどにより、大入賞口への遊技球の入賞があったか否かを判定する(ステップS331)。ステップS331にて大入賞口への遊技球の入賞がなければ(ステップS331;No)、ステップS334の処理へと進む。
これに対して、ステップS331にて大入賞口への遊技球の入賞があれば(ステップS331;Yes)、CPU103は、入賞個数カウント値を1加算して更新する(ステップS332)。そして、CPU103は、更新後の入賞個数カウント値が所定数(例えば10個)になっているか否かを判定する(ステップS333)。入賞個数カウント値が所定数になっていなければ(ステップS333;No)、遊技制御プロセスタイマ値を1減算して更新した後(ステップS334)、ステップS317にて設定された開放制御パターンが、開放KP3の開放制御パターンであるか否かを判定する(ステップS335)。
ステップS335にて開放KP3の開放制御パターンでなければ(ステップS335;No)、CPU103は、ステップS317にて設定された開放制御パターンが、開放KP2の開放制御パターンであるか否かを判定する(ステップS336)。ステップS336にて開放KP2の開放制御パターンであると判定された場合には(ステップS336;Yes)、大入賞口開放回数カウント値が“1”であるか否かを判別する(ステップS337)。
ステップS336にて開放KP2の開放制御パターンでないと判定された場合、すなわち、ステップS317にて設定された開放制御パターンが開放KP1の開放制御パターンであると判定された場合や(ステップS336;No)、ステップS337にて大入賞口開放回数カウント値が“1”以外の数値であると判別された場合には(ステップS337;No)、例えば遊技制御プロセスタイマ値が29.5秒間に対応するタイマ値に合致したか否かなどに応じて、大入賞口を開放してから29.5秒間が経過したか否かを判定する(ステップS338)。このとき、29.5秒間が経過していなければ(ステップS338;No)、そのまま大入賞口開放中処理を終了する。
ステップS338にて大入賞口開放回数カウント値が“1”であると判別された場合には(ステップS337;Yes)、例えば遊技制御プロセスタイマ値が0.1秒間に対応するタイマ値に合致したか否かなどに応じて、大入賞口を最初に開放してからの経過時間が0.1秒間であるか否かを判別する(ステップS339)。このとき、経過時間が0.1秒間であれば(ステップS339;Yes)、例えば所定のソレノイド回路を介して所定の大入賞口扉用ソレノイドに対するソレノイド駆動信号を出力停止とすることなどにより、大入賞口を閉鎖状態とするための大入賞口扉用ソレノイドをオフ状態とする設定を行う(ステップS340)。
ステップS339にて大入賞口を最初に開放してからの経過時間が0.1秒間でないと判定された場合には(ステップS339;No)、例えば遊技制御プロセスタイマ値が0.2秒間に対応するタイマ値に合致したか否かなどに応じて、大入賞口を最初に開放してからの経過時間が0.2秒間であるか否か、すなわち、大入賞口を閉鎖してから0.1秒間が経過したか否かを判別する(ステップS341)。このとき、経過時間が0.2秒間であれば(ステップS341;Yes)、大入賞口を閉鎖してから0.1秒間が経過したとして、例えば所定のソレノイド回路を介して所定の大入賞口扉用ソレノイドに対するソレノイド駆動信号を出力開始とすることなどにより、大入賞口を開放状態とするための大入賞口扉用ソレノイドをオン状態とする設定を行う(ステップS342)。
ステップS341にて大入賞口を最初に開放してからの経過時間が0.2秒間でないと判定された場合には(ステップS341;No)、例えば遊技制御プロセスタイマ値が0.3秒間に対応するタイマ値に合致したか否かなどに応じて、大入賞口を最初に開放してからの経過時間が0.3秒間であるか否か、すなわち、大入賞口を再度開放してから0.1秒間が経過したか否かを判別する(ステップS343)。このとき、経過時間が0.3秒間であれば(ステップS343;Yes)、例えば所定のソレノイド回路を介して所定の大入賞口扉用ソレノイドに対するソレノイド駆動信号を出力停止とすることなどにより、大入賞口を閉鎖状態とするための大入賞口扉用ソレノイドをオフ状態とする設定を行う(ステップS344)。
ステップS343にて大入賞口を最初に開放してからの経過時間が0.3秒間でないと判定された場合には(ステップS343;No)、例えば遊技制御プロセスタイマ値が0.4秒間に対応するタイマ値に合致したか否かなどに応じて、大入賞口を最初に開放してからの経過時間が0.4秒間であるか否か、すなわち、大入賞口を閉鎖してから0.1秒間が経過したか否かを判別する(ステップS345)。このとき、経過時間が0.4秒間であれば(ステップS345;Yes)、大入賞口を閉鎖してから0.1秒間が経過したとして、例えば所定のソレノイド回路を介して所定の大入賞口扉用ソレノイドに対するソレノイド駆動信号を出力開始とすることなどにより、大入賞口を開放状態とするための大入賞口扉用ソレノイドをオン状態とする設定を行う(ステップS346)。
ステップS345にて大入賞口を最初に開放してからの経過時間が0.4秒間でないと判定された場合には(ステップS345;No)、例えば遊技制御プロセスタイマ値が29.5秒間に対応するタイマ値に合致したか否かなどに応じて、大入賞口を最初に開放してからの経過時間が29.5秒間であるか否か、すなわち、大入賞口を三度開放してから29.1秒間が経過したか否かを判別する(ステップS344)。このとき、経過時間が29.5秒間でなければ(ステップS344;No)、そのまま大当り開放中処理を終了する。
ステップS335にて開放KP3の開放制御パターンであると判定された場合には(ステップS335;Yes)、例えば遊技制御プロセスタイマ値が0.1秒間に対応するタイマ値に合致したか否かなどに応じて、大入賞口を開放してから0.1秒間が経過したか否かを判定する(図14のステップS348)。このとき、経過時間が0.1秒間であれば(ステップS348;Yes)、例えば所定のソレノイド回路を介して所定の大入賞口扉用ソレノイドに対するソレノイド駆動信号を出力停止とすることなどにより、大入賞口を閉鎖状態とするための大入賞口扉用ソレノイドをオフ状態とする設定を行う(ステップS349)。
ステップS348にて大入賞口を最初に開放してからの経過時間が0.1秒間でないと判定された場合には(ステップS348;No)、例えば遊技制御プロセスタイマ値が0.2秒間に対応するタイマ値に合致したか否かなどに応じて、大入賞口を最初に開放してからの経過時間が0.2秒間であるか否か、すなわち、大入賞口を閉鎖してから0.1秒間が経過したか否かを判別する(ステップS350)。このとき、経過時間が0.2秒間であれば(ステップS350;Yes)、大入賞口を閉鎖してから0.1秒間が経過したとして、例えば所定のソレノイド回路を介して所定の大入賞口扉用ソレノイドに対するソレノイド駆動信号を出力開始とすることなどにより、大入賞口を開放状態とするための大入賞口扉用ソレノイドをオン状態とする設定を行う(ステップS351)。
ステップS350にて大入賞口を最初に開放してからの経過時間が0.2秒間でないと判定された場合には(ステップS350;No)、例えば遊技制御プロセスタイマ値が0.3秒間に対応するタイマ値に合致したか否かなどに応じて、大入賞口を最初に開放してからの経過時間が0.3秒間であるか否か、すなわち、大入賞口を再度開放してから0.1秒間が経過したか否かを判別する(ステップS352)。このとき、経過時間が0.3秒間でなければ(ステップS352;No)、そのまま大当り開放中処理を終了する。
ステップS333にて更新後の入賞個数カウント値が所定数になっていると判定された場合や(ステップS333;Yes)、ステップS338やS347にて大入賞口を開放してから29.5秒間が経過したと判別された場合(ステップS339;Yes)、ステップS352にて大入賞口を開放してから0.3秒間が経過したと判別された場合には(ステップS352;Yes)、例えば所定のソレノイド回路を介して所定の大入賞口扉用ソレノイドに対するソレノイド駆動信号を出力停止とすることなどにより、大入賞口を閉鎖状態とするための大入賞口扉用ソレノイドをオフ状態とする設定を行うとともに(図13のステップS353)、入賞個数カウント値をクリアする(ステップS354)。
ステップS354の処理を実行した後には、演出制御基板12に対して大入賞口開放後指定コマンドを送信するための設定を行うとともに(ステップS355)、特図プロセスフラグの値を大入賞口開放後処理に対応した値である“6”に更新してから(ステップS356)、大当り開放中処理を終了する。
図15は、大当り終了処理として、図3のステップS117にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS371)。一例として、図3に示すステップS116の大入賞口開放後処理では、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS371の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算することなどにより更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS371にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS371;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
これに対して、ステップS371にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS371;Yes)、RAM102に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出す(ステップS372)。続いて、ステップS372にて読み出した大当り種別バッファ値が「通常」の大当り種別に対応した「0」であるか否かを判定する(ステップS373)。このとき、大当り種別バッファ値が「0」であれば(ステップS373;Yes)、時短状態への制御を開始するための設定を行う(ステップS374)。一例として、ステップS374の処理では、時短フラグがオン状態にセットされるとともに、時短状態にて実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(例えば「100」)が、特図変動回数カウンタにセットされればよい。
ステップS373にて大当り種別バッファ値が「0」以外である場合には(ステップS373;No)、確変状態への制御を開始するための設定を行う(ステップS375)。一例として、ステップS375の処理では、確変フラグがオン状態にセットされるとともに、確変状態にて実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値が、特図変動回数カウンタにセットされればよい。
ステップS374、S375の処理のいずれかを実行した後には、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新してから(ステップS376)、大当り終了処理を終了する。
図16は、小当り開放前処理として、図3のステップS118にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す小当り開放前処理において、CPU103は、まず、小当り開始時フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS381)。ここで、小当り開始時フラグは、図3に示すステップS113の特別図柄停止処理にて、小当りフラグがオンであることに対応してオン状態にセットされる。ステップS381にて小当り開始時フラグがオンであれば(ステップS381;Yes)、小当り開始時演出の待機中であるか否かを判定する(ステップS382)。一例として、図3に示すステップS113の特別図柄停止処理では、特図プロセスフラグの値を“8”に更新するときに、小当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS382の処理では、遊技制御プロセスタイマ値が所定の待機時間経過判定値(例えば「0」など)と合致しないことに対応して、小当り開始時演出の待機中であると判定し、合致したことに対応して、小当り開始時演出の待機中ではないと判定すればよい。
ステップS382にて小当り開始時演出の待機中であれば(ステップS382;Yes)、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算するなどして更新した後(ステップS383)、小当り開放前処理を終了する。これに対して、ステップS382にて小当り開始時演出の待機中ではない場合には(ステップS382;No)、小当り開始時フラグをクリアする(ステップS384)。
ステップS384の処理を実行した後には、大入賞口を開放するための設定を行う(ステップS385)。一例として、ステップS385の処理では、大入賞口開放時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御プロセスタイマにセットされることなどにより、特別可変入賞球装置7が形成する大入賞口を開放状態とする時間の上限である大入賞口開放時間が設定される。また、例えば所定のソレノイド回路を介して所定の大入賞口扉用ソレノイドに対するソレノイド駆動信号が出力開始とされることなどにより、大入賞口を開放状態とするための大入賞口扉用ソレノイドをオン状態とする設定が行われる。
そして、CPU103は、演出制御基板12に対して大入賞口開放中指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS386)。ステップS386の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を大当り開放中処理に対応した値である“9”に更新してから(ステップS387)、大入賞口開放前処理を終了する。
図17は、小当り開放中処理として、図3のステップS119にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す小当り開放中処理において、CPU103は、まず、遊技制御プロセスタイマ値を1減算して更新した後(ステップS391)、例えば遊技制御プロセスタイマ値が0.1秒間に対応するタイマ値に合致したか否かなどに応じて、大入賞口を開放してから0.1秒間が経過したか否かを判定する(ステップS392)。このとき、経過時間が0.1秒間であれば(ステップS392;Yes)、例えば所定のソレノイド回路を介して所定の大入賞口扉用ソレノイドに対するソレノイド駆動信号を出力停止とすることなどにより、大入賞口を閉鎖状態とするための大入賞口扉用ソレノイドをオフ状態とする設定を行う(ステップS393)。
ステップS392にて大入賞口を最初に開放してからの経過時間が0.1秒間でないと判定された場合には(ステップS392;No)、例えば遊技制御プロセスタイマ値が0.2秒間に対応するタイマ値に合致したか否かなどに応じて、大入賞口を最初に開放してからの経過時間が0.2秒間であるか否か、すなわち、大入賞口を閉鎖してから0.1秒間が経過したか否かを判別する(ステップS394)。このとき、経過時間が0.2秒間であれば(ステップS394;Yes)、大入賞口を閉鎖してから0.1秒間が経過したとして、例えば所定のソレノイド回路を介して所定の大入賞口扉用ソレノイドに対するソレノイド駆動信号を出力開始とすることなどにより、大入賞口を開放状態とするための大入賞口扉用ソレノイドをオン状態とする設定を行う(ステップS395)。
ステップS394にて大入賞口を最初に開放してからの経過時間が0.2秒間でないと判定された場合には(ステップS394;No)、例えば遊技制御プロセスタイマ値が0.3秒間に対応するタイマ値に合致したか否かなどに応じて、大入賞口を最初に開放してからの経過時間が0.3秒間であるか否か、すなわち、大入賞口を再度開放してから0.1秒間が経過したか否かを判別する(ステップS396)。このとき、経過時間が0.3秒間でなければ(ステップS396;No)、そのまま小当り開放中処理を終了する。
ステップS396にて大入賞口を開放してから0.3秒間が経過したと判別された場合には(ステップS396;Yes)、例えば所定のソレノイド回路を介して所定の大入賞口扉用ソレノイドに対するソレノイド駆動信号を出力停止とすることなどにより、大入賞口を閉鎖状態とするための大入賞口扉用ソレノイドをオフ状態とする設定を行う(ステップS397)。
ステップS397の処理を実行した後には、演出制御基板12に対して大入賞口開放後指定コマンドを送信するための設定を行うとともに(ステップS398)、特図プロセスフラグの値を小当り開放後処理に対応した値である“6”に更新してから(ステップS399)、小当り開放中処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図18は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、例えばRAM122などに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S178の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定指定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、確定飾り図柄を停止表示させるとともにその当り開始指定コマンドに応じた示唆演出パターンを選択し、演出プロセスフラグの値を示唆演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の示唆演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この示唆演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、示唆演出パターンから各種の制御データを読み出し、各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば制御データから示唆演出の終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される大入賞口開放中指定コマンドを受信したことなどに対応して、示唆演出を終了させる。示唆演出を終了させたときに、当り開始指定コマンドによって大当り遊技状態の開始が指定されていれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“7”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドによって小当り遊技状態の開始が指定されていれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“6”に更新する。
ステップS176の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS177の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“8”に更新する。
ステップS178のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“8”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。
図19は、可変表示開始設定処理として、図18のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS521)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS521;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS522;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS523)。一例として、ステップS523の処理では、まず、RAM122に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、RAM122に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、RAM122に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。なお、ステップS523の処理では、変動図柄予告を実行中である場合に対応して、所定のチャンス目図柄となる非リーチ組合せの確定飾り図柄を決定すればよい。
ステップS522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、RAM122に設けられたランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、RAM122に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS521;No)、予め定められた特定組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS526)。
この実施の形態では、特図表示結果が「ハズレ」でない場合に、予め定められた特定組合せを構成する最終停止図柄が確定飾り図柄の組合せに決定される。この実施の形態において、特定組合せは、例えば、画像表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち、「左」および「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rに「7」の英数字を示す飾り図柄が停止表示され、「中」の飾り図柄表示エリア5Cに「対決」の文字を示す飾り図柄が停止表示される組合せである(図28(C),(D)参照)。なお、上述の特定組合せは一例にすぎず、予め定められた任意の組合せであってもよい。また、「大当り(例えば、通常開放大当り遊技状態に制御される)」と「小当りまたは突確(例えば、短期開放大当り遊技状態に制御される)」とで特定組合せの構成が異なるようにしてもよい。
ステップS523、S524、S526の処理のいずれかを実行した後には、可変表示中における演出の実行設定を行う(ステップS530)。一例として、ステップS530の処理では、所定の変動中予告演出を実行するための設定が行われてもよい。変動中予告演出は、開始条件が成立した特図ゲームに対応して実行される飾り図柄の可変表示中に、その可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告する予告演出であればよい。
変動中予告演出としては、例えば可変表示の開始時や実行中における所定のタイミングにて、スピーカ8L、8Rから所定の効果音(例えばアラーム音やチャイム音、サイレン音など)が出力されるような態様の演出や、遊技効果ランプ9などに含まれるフラッシュランプが光るような態様の演出のうち、一部または全部を含む所定態様の演出を実行することにより、可変表示結果が「大当り」となることを直ちに告知(確定的に報知)する一発告知態様の演出が実行されてもよい。あるいは、変動中予告演出として、可変表示結果が「大当り」となることに対応した特別な演出画像(プレミアム画像)を表示する演出が実行されてもよい。
他の一例として、ステップS530の処理では、可変表示結果が「大当り」となる可能性などにはかかわらず、例えば賑やかしのために所定態様の演出を実行するための設定が行われてもよい。より具体的には、遊技効果ランプ9に含まれる所定のランプが光るような態様の演出や、ミニキャラとなる所定の演出画像を表示する演出といった、所定態様の演出を実行できればよい。
その後、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS530)。このとき、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
ステップS530の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS531)。続いて、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS532)。このときには、例えばステップS530にて使用パターンとして決定された特図変動時演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS534)、可変表示開始設定処理を終了する。
図20は、図18に示すステップS172の可変表示中処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す可変表示中処理において、演出制御用CPU101は、まず、例えば主基板11から伝送されるスキップコマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS561)。このとき、スキップコマンドの受信があれば(ステップS561;Y)、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスタイマ値を所定のスキップ用の値(例えば、スキップ後すぐに表示結果を導出表示する場合には0、スキップ後に所定期間可変表示を行う場合には所定期間を示す値)に更新する(ステップS562)。また、スキップコマンドの受信がなければ(ステップS561;N)、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)する(ステップS563)。このように、演出制御用CPU101がステップS561〜S562の処理を実行することによって、飾り図柄の変動中に遊技者によるプッシュボタン31Bの操作が検出されたときに、可変表示のスキップポイント(この実施の形態では、表示結果が導出表示されるタイミング)以降の処理に切り替えて実行する制御を行うことができる。
ステップS562またはステップS563の処理に続いて、演出制御用CPU101は、更新後の演出制御プロセスタイマ値を演出制御パターンにて示される演出制御プロセスタイマ判定値と比較して、いずれかのタイマ判定値と合致したか否かの判定を行う(ステップS564)。そして、いずれのタイマ判定値とも合致しなければ(ステップS564;No)、可変表示中処理を終了する。
ステップS564にてタイマ判定値と合致した場合には(ステップS564;Yes)、そのタイマ判定値と対応付けて演出制御パターンに格納された演出制御実行データ(例えば、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、可動部材制御データの一部又は全部)又は終了コードを読み出す(ステップS565)。ここで、ステップS564の処理で演出制御パターンにて示される複数のタイマ判定値が演出制御プロセスタイマ値と合致した場合には、合致した各々のタイマ判定値と対応付けて格納されている複数の演出制御実行データを、ステップS565の処理にて読み出すようにすればよい。そして、ステップS565にて終了コードが読み出されたか否かの判定を行う(ステップS566)。このとき、終了コードではないと判定されれば(ステップS566;No)、ステップS565にて読み出された演出制御実行データに従った演出動作の制御を実行してから(ステップS567)、可変表示中処理を終了する。例えば、ステップS567の処理では、表示制御データが指定する表示制御指令をVDPに対して伝送させること、音声制御データが指定する音声データに応じた指令を音声出力基板13に対して伝送させること、ランプ制御データが指定する信号出力をランプ制御基板14に対して行うことのうち、一部又は全部が順次に又は並行して(1つの動作のみであれば単独で)行われればよい。
ステップS566にて終了コードであると判定された場合には(ステップS566;Yes)、例えば所定のタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定することなどにより、当り開始指定コマンド受信待ち時間の設定を行う(ステップS568)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS569)、可変表示中処理を終了する。なお、主基板11から演出制御基板12に対して図柄確定指定コマンドが送信される場合には、ステップS566にて終了コードであると判定されたときに、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア5L、5C、5Rにて例えば飾り図柄の揺れ変動表示を行うように仮停止表示させ、図18に示すステップS173の特図当り待ち処理にて図柄確定指定コマンドを受信したことに応答して、飾り図柄を完全停止(最終停止)させればよい。
図21は、図18のステップS173にて実行される特図当り待ち処理の一例を示すフローチャートである。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、まず、主基板11から伝送される当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS5701)。このとき、当り開始指定コマンドの受信があれば(ステップS5701;Y)、受信した当り開始指定コマンドに応じて、示唆演出制御パターンを選択する(ステップS5702)。この実施の形態では、大当りまたは小当りの場合には、特別図柄が導出表示された後に大当りの種別などを示唆する示唆演出が行われる。示唆演出制御パターンは、示唆演出を実行するための演出制御パターンである。
ステップS5702の処理を実行した後には、例えば選択した示唆演出制御パターンに対応して、RAM122に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS5703)。続いて、画像表示装置5における示唆演出を開始させるための設定を行う(ステップS5704)。このときには、例えばステップS5703にて使用パターンとして決定された示唆演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の画面上にて示唆演出を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を示唆演出処理に対応した値である“4”に更新し(ステップS5705)、特図当り待ち処理を終了する。
また、当り開始指定コマンドの受信がなければ(ステップS5701;N)、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS5706)。そして、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたと判定したときには(ステップS5706;Y)、演出制御用CPU120は、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し(ステップS5707)、特図当り待ち処理を終了する。また、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしていないと判定したときには(ステップS5706;N)、演出制御用CPU120は、飾り図柄の可変表示を実行するための設定を行い(ステップS5708)、特図当り待ち処理を終了する。なお、図21に例示する特図当り待ち処理では、当り開始指定コマンドに応じて示唆演出制御パターンが選択されているが、これに限らず、予め変動パターンごとに示唆演出を実行するか否かや演出態様を予め定めておくようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は、変動パターンに基づいて、示唆演出を実行するか否かと、実行する場合の演出態様(示唆演出制御パターン)とを決定する。
図22は、図18のステップS174にて実行される示唆演出処理の一例を示すフローチャートである。この示唆演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、主基板11から伝送される大入賞口開放中指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS5711)。このとき、大入賞口開放中指定コマンドの受信がなければ(ステップS5711;N)、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)する(ステップS5712)。次いで、演出制御用CPU101は、更新後の演出制御プロセスタイマ値を示唆演出制御パターンにて示される演出制御プロセスタイマ判定値と比較して、いずれかのタイマ判定値と合致したか否かの判定を行う(ステップS5713)。そして、いずれのタイマ判定値とも合致しなければ(ステップS5713;N)、示唆演出処理を終了する。
ステップS5713にてタイマ判定値と合致した場合には(ステップS5713;Y)、そのタイマ判定値と対応付けて示唆演出制御パターンに格納された演出制御実行データ(例えば、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、可動部材制御データの一部又は全部)又は終了コードを読み出す(ステップS5714)。ここで、ステップS5713の処理で示唆演出制御パターンにて示される複数のタイマ判定値が演出制御プロセスタイマ値と合致した場合には、合致した各々のタイマ判定値と対応付けて格納されている複数の演出制御実行データを、ステップS5714の処理にて読み出すようにすればよい。そして、ステップS5714にて終了コードが読み出されたか否かの判定を行う(ステップS5715)。このとき、終了コードではないと判定されれば(ステップS5715;No)、ステップS5714にて読み出された演出制御実行データに従った演出動作の制御を実行してから(ステップS5719)、示唆演出処理を終了する。例えば、ステップS5719の処理では、表示制御データが指定する表示制御指令をVDPに対して伝送させること、音声制御データが指定する音声データに応じた指令を音声出力基板13に対して伝送させること、ランプ制御データが指定する信号出力をランプ制御基板14に対して行うことのうち、一部又は全部が順次に又は並行して(1つの動作のみであれば単独で)行われればよい。
ステップS5711にて大入賞口開放中指定コマンドの受信があると判定した場合(ステップS5711;Y)、またはステップS5715にて終了コードであると判定された場合には(ステップS5715;Y)、演出制御用CPU101は、当り開始指定コマンドによって大当り遊技状態の開始が指定されているか否かを判定する(ステップS5716)。そして、当り開始指定コマンドによって大当り遊技状態の開始が指定されていると判定した場合には、演出制御用CPU101は、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“7”に更新し(ステップS5717)、示唆演出処理を終了する。また、当り開始指定コマンドによって大当り遊技状態の開始が指定されていない(すなわち、小当り遊技状態の開始が指定されている)と判定した場合には、演出制御用CPU101は、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“5”に更新し(ステップS5718)、示唆演出処理を終了する。
図23は、図18のステップS175にて実行される小当り中演出処理の一例を示すフローチャートである。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、主基板11から伝送される当り終了指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS581)。このとき、当り終了指定コマンドの受信があれば(ステップS581;Yes)、小当り中演出を終了させるための設定を行い(ステップS582)、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出処理に対応した“6”に更新してから(ステップS583)、小当り制御中演出処理を終了する。一例として、ステップS582の処理では、表示制御部123に対して所定の表示制御指令を供給することや、所定の効果音信号を音声制御基板13に対して伝送すること、所定の電飾信号をランプ制御基板14に対して伝送することなどにより、小当り中演出を終了する。
ステップS581にて当り終了指定コマンドの受信がない場合には(ステップS581;No)、小当り中演出を実行するための設定を行う(ステップS584)。一例として、ステップS584の処理では、演出制御プロセスタイマ値に応じて演出制御パターンから読み出した制御データに従い、表示制御指令を表示制御部123に供給すること、効果音信号を音声制御基板13に対して伝送すること、電飾信号をランプ制御基板14に対して伝送することなどにより、小当り中演出を実行させる。こうしたステップS584の処理を実行した後に、小当り中演出処理を終了する。
図24は、図18のステップS177にて実行される大当り中演出処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、当り終了指定コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップS601)。そして、当り終了指定コマンドを受信していると判定すると(ステップS602;Y)、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値を大当り終了演出処理に対応した値である“8”に更新してから(ステップS605)、大当り中演出処理を終了する。一方、大当り終了指定コマンドを受信していないと判定すると(ステップS601;No)、演出制御用CPU120は、最終ラウンドであるか否かを判定する(ステップS602)。
演出制御用CPU120は、ステップS602において、最終ラウンドでないと判定すると(ステップS602;N)、ラウンド数に応じた大当り中演出実行設定を行う(ステップS604)。一方、最終ラウンドであると判定すると(ステップS602;Y)、演出制御用CPU120は、大入賞口開放後通知コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップS603)。そして、演出制御用CPU120は、大入賞口開放後通知コマンドを受信していないと判定すると(ステップS603;N)、ステップS604に処理を移行し、その後、大当り中演出処理を終了する。また、大入賞口開放後通知コマンドを受信していると判定すると(ステップS603;Y)、ステップS605に処理を移行し、その後、大当り中演出処理を終了する。このように、最終ラウンドであって、かつ大入賞口開放後通知コマンドを受信している場合には、大当り終了演出処理に移行させることで、何らかの問題により大当り終了指定コマンドを受信できなくても、大当り終了演出処理に移行させることができる。
次に、画像表示装置における演出動作を説明する。図25〜図27は、画像表示装置における演出動作を説明するためのタイミングチャートである。この実施の形態では、大当りまたは小当りの場合に、確定特別図柄が停止表示された後に示唆演出が実行される。なお、この実施の形態では、図5のステップS240にて特図表示結果を「ハズレ」にすると決定された場合には、確定特別図柄が停止表示された後に示唆演出を実行しないが、特図表示結果が「ハズレ」であっても示唆演出を実行するようにしてもよい。
図25を参照して、示唆演出が実行される演出動作のタイミングチャートについて説明する。まず、図5のステップS240にて特図表示結果を「ハズレ」にすると決定された場合には、図25(A)に示すように、ハズレ図柄が確定特別図柄として停止表示されるタイミングで、所定の確定飾り図柄が停止表示される。
また、図5のステップS240にて特図表示結果を「大当り」にすると決定され、ステップS244にて大当り種別を「非確変」又は「確変」にすると決定された場合には、図25(B)に示すように、通常開放ラウンド大当り図柄「3」又は「7」が確定特別図柄として停止表示されるタイミングで、特定組合せを構成する確定飾り図柄が停止表示される。そして、確定飾り図柄が停止表示されると、大当りの種別を示唆する示唆演出が実行される。その後、示唆演出が終了すると、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29.5秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口が開放状態とされる。
また、図5のステップS240にて特図表示結果を「大当り」にすると決定されステップS244にて大当り種別を「突確」にすると決定された場合、または図5のステップS240にて特図表示結果を「小当り」にすると決定された場合には、図25(C)に示すように、短縮開放ラウンド大当り図柄「5」または小当り図柄「2」が確定特別図柄として停止表示されるタイミングで、特定組合せを構成する確定飾り図柄が停止表示される。そして、確定飾り図柄が停止表示されると、大当りであるか否か(例えば、大当りと小当りとのいずれであるか)や、大当りの種別を示唆する示唆演出が実行される。その後、示唆演出が終了すると、特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に第2期間(例えば0.1秒間)変化させる可変入賞動作が2回行われる。なお、大当り種別が「突確見掛」である場合には、その後、さらに特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29.1秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口が開放状態とされる。また、大当り種別が「突確」(または「小当り」)の場合には、「非確変」または「確変」の場合と異なり、ラウンド表示をしなくてもよい。なお、示唆演出が実行される期間(ファンファーレ期間)は、全ての当り(小当りを含む)で同じ長さであってもよいし、当りの種類(例えば大当りか小当りか)や、同じ当りの種類でも図柄の違い(例えば、図柄として小当りAと小当りBとがあり、いずれの小当り図柄かによって)、遊技状態(低確状態小当りか高確状態小当りか)に応じて違う長さであってもよい。
図26は、リーチ演出および示唆演出が実行される演出動作を説明するためのタイミングチャートである。図26を参照して、リーチ演出および示唆演出が実行される演出動作のタイミングチャートについて説明する。
図5のステップS240にて特図表示結果を「大当り」にすると決定され、ステップS244にて大当り種別を「非確変」又は「確変」にすると決定され、図8のステップS269にてリーチ演出を実行する変動パターンが決定された場合には、図26(A)に示すように、飾り図柄の変動表示中にリーチ演出が実行され、通常開放ラウンド大当り図柄「3」又は「7」が確定特別図柄として停止表示されるタイミングで、特定組合せを構成する確定飾り図柄が停止表示される。そして、確定飾り図柄が停止表示されると、大当りの種別を示唆する示唆演出が実行される。その後、示唆演出が終了すると、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29.5秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口が開放状態とされる。
また、図5のステップS240にて特図表示結果を「大当り」にすると決定されステップS244にて大当り種別を「突確」にすると決定された場合、または図5のステップS240にて特図表示結果を「小当り」にすると決定された場合に、図8のステップS269にてリーチ演出を実行する変動パターンが決定された場合には、図26(B)に示すように、飾り図柄の変動表示中にリーチ演出が実行され、短縮開放ラウンド大当り図柄「5」または小当り図柄「2」が確定特別図柄として停止表示されるタイミングで、特定組合せを構成する確定飾り図柄が停止表示される。そして、確定飾り図柄が停止表示されると、大当りであるか否かや、大当りの種別を示唆する示唆演出が実行される。その後、示唆演出が終了すると、特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に第2期間(例えば0.1秒間)変化させる可変入賞動作が2回行われる。なお、大当り種別が「突確見掛」である場合には、その後、さらに特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29.1秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口が開放状態とされる。また、大当り種別が「突確」(または「小当り」)の場合には、「非確変」または「確変」の場合と異なり、ラウンド表示をしなくてもよい。なお、図26に示す例では、飾り図柄の変動表示中にリーチ演出が実行されているが、必ずしも実行されていなくてもよい。また、リーチ演出と示唆演出とが連続的に(例えば、一繋がりの演出に見えるように)実行してもよい。
次に、スキップ処理が行われる場合の演出動作を説明する。図27は、スキップ処理が実行される演出動作を説明するためのタイミングチャートである。
図27(A)は、図5のステップS240にて特図表示結果を「ハズレ」にすると決定され、図8のステップS269にてリーチ演出を実行する変動パターンが決定された場合を示すタイミングチャートである。図27(A)に示すように、特図ゲーム開始時から特図ゲーム終了時までが、プッシュボタン31Bによる操作を受け付け可能な操作受付期間と定められ、特図ゲーム終了時がスキップ先と定められている。したがって、リーチ演出が実行される前の期間に操作が行われると、リーチ演出が実行されることなく、ハズレ図柄が確定特別図柄として停止表示されるタイミングにスキップし、所定の確定飾り図柄が停止表示される。なお、この実施の形態では、特別図柄が変動している期間がそのまま操作受付期間に定められているが、これに限らず、特別図柄が変動している期間のうちの一部期間が操作受付期間に定められていてもよい。
図27(B)は、図5のステップS240にて特図表示結果を「大当り」にすると決定され、ステップS244にて大当り種別を「非確変」又は「確変」にすると決定され、図8のステップS269にてリーチ演出を実行する変動パターンが決定された場合を示すタイミングチャートである。図27(B)に示すように、特図ゲーム開始時から特図ゲーム終了時までが、プッシュボタン31Bによる操作を受け付け可能な操作受付期間と定められ、特図ゲーム終了時がスキップ先と定められている。そのため、リーチ演出が実行される前の期間に操作が行われると、リーチ演出が実行されることなく、通常開放ラウンド大当り図柄「3」又は「7」が確定特別図柄として停止表示されるタイミングにスキップし、特定組合せを構成する確定飾り図柄が停止表示される。しかし、確定飾り図柄が停止表示された後に、大当りの種別を示唆する示唆演出が実行される。したがって、リーチ演出をスキップした場合にも、その後に大当りの種別を示唆する示唆演出が実行されるため、期待感を十分に煽ることができ、スキップすることで遊技興趣が低下してしまうことを回避することができる。
図27(C)は、図5のステップS240にて特図表示結果を「大当り」にすると決定されステップS244にて大当り種別を「突確」にすると決定された場合、または図5のステップS240にて特図表示結果を「小当り」にすると決定された場合に、図8のステップS269にてリーチ演出を実行する変動パターンが決定された場合を示すタイミングチャートである。図27(C)に示すように、特図ゲーム開始時から特図ゲーム終了時までが、プッシュボタン31Bによる操作を受け付け可能な操作受付期間と定められ、特図ゲーム終了時がスキップ先と定められている。そのため、リーチ演出が実行される前の期間に操作が行われると、リーチ演出が実行されることなく、短縮開放ラウンド大当り図柄「5」又は小当り図柄「2」が確定特別図柄として停止表示されるタイミングにスキップし、特定組合せを構成する確定飾り図柄が停止表示される。しかし、確定飾り図柄が停止表示された後に、大当りであるか否かや、大当りの種別を示唆する示唆演出が実行される。したがって、リーチ演出をスキップした場合にも、その後に大当りあるか否かや大当りの種別を示唆する示唆演出が実行されるため、期待感を十分に煽ることができ、スキップすることで遊技興趣が低下してしまうことを回避することができる。
次に、画像表示装置における演出動作の具体例を説明する。図28は、スキップ処理および示唆演出の際に画像表示装置5に表示される画面例を示す説明図である。図28に示す例では、図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動が行われ(図28(A))、予告演出としてUFOの画像が表示される制御が行われる(図28(B))。そして、図柄表示エリア5L、5Rに「7」の英数字を示す飾り図柄が揺れ変動表示を行うように仮停止表示され、図柄表示エリア5Cに「対決」の文字を示す飾り図柄が揺れ変動表示を行うように仮停止表示された後に(図28(C))、特定組合せを構成する確定飾り図柄として停止表示される制御が行われる(図28(D))。なお、図28(B)に示されるUFOの画像に含まれる「SU5」の文字は、演出態様が複数段階に変化(ステップアップ)するステップアップ予告演出における第5段階目の表示であることを示している。こうしたステップアップ予告演出は、変化する段階数(ステップ数)が多いほど程信頼度(可変表示結果が「大当り」となる可能性)が高くなる。
図28(A),(B)に示すタイミングは、例えば、図27(B)または図27(C)に示される飾り図柄の変動表示期間のうちのリーチ演出が開始されるまでの期間に含まれる。また、図28(C)に示す飾り図柄が揺れ変動表示を行うように仮停止表示されるタイミングは、例えば、図27(B)または図27(C)に示される飾り図柄の変動表示期間のうちのリーチ演出が実行されている期間に含まれる。また、図28(D)に示す特定組合せを構成する確定飾り図柄として停止表示されるタイミングは、例えば、図27(B)または図27(C)に示される特図ゲーム終了(スキップ先)のタイミングに相当する。したがって、図28(A)〜(C)に示されるタイミングは、操作受付期間内であって、操作が行われた場合には、スキップ先である図28(D)のタイミングまでスキップする。なお、図28(D)のタイミングで、確定飾り図柄とともに、確定特別図柄が停止表示される。
図28(D)に示すように特定組合せを構成する確定飾り図柄が停止表示されると、画像表示装置5においてキャラクタが他のキャラクタと戦う示唆演出が実行される(図28(E)〜(G)または(H))。これらの示唆演出は、図27(B)または図27(C)に示される示唆演出に相当する。示唆演出は、例えば大当り(または小当り)である場合に、特定組合せを構成する確定飾り図柄が停止表示された後に実行され、大当り種別や、大当りであるか否かを示唆する。例えば、示唆演出後に通常開放大当り遊技状態に制御される非確変大当りまたは確変大当りと、示唆演出後に短期開放大当り遊技状態に制御される突確大当りまたは小当りとのいずれであるかを示唆する場合には、図28(E),(F),(G)に示すように他のキャラクタに勝利する演出が行われることで通常開放大当り遊技状態に制御されることを示唆し、図28(E),(F),(H)に示すように他のキャラクタに敗北する演出が行われることで短期開放大当り遊技状態に制御されることを示唆する。
また、例えば、非確変大当りと確変大当りとのいずれの大当り種別であるかを示唆する場合には、図28(E),(F),(G)に示すように他のキャラクタに勝利する演出が行われることで確変大当りであることを示唆し、図28(E),(F),(H)に示すように他のキャラクタに敗北する演出が行われることで非確変大当りであることを示唆する。
また、例えば、大当り遊技状態が終了した後に高確率状態に制御される突確と、大当り遊技状態が終了した後に通常状態に制御される小当りとのいずれであるかを示唆する場合には、図28(E),(F),(G)に示すように他のキャラクタに勝利する演出が行われることで突確であることを示唆し、図28(E),(F),(H)に示すように他のキャラクタに敗北する演出が行われることで小当りであることを示唆する。
上述の例に限らず、示唆演出は、大当り(または小当り)である場合に、いずれの大当り種別であるかを示唆することができる。また、示唆演出において、確定的に結果を示すようにしてもよいし、あくまでも結果を示唆するようにしてもよい。すなわち、図28(E),(F),(G)に示すように他のキャラクタに勝利する演出を行うことで、通常開放大当り遊技状態に制御されることが確定したことを報知するようにしてもよいし、通常開放大当り遊技状態に制御される可能性を示唆するようにしてもよい。
次に、この実施の形態の変形例を説明する。図29は、飾り図柄の変動表示が示唆演出終了時まで行われる演出動作のタイミングチャートである。
図29に示す例では、図27に示す例と異なり、図5のステップS240にて特図表示結果が「大当り」または「小当り」にすると決定されている場合には、飾り図柄の変動表示は、確定特別図柄が停止表示されるタイミング過ぎても継続し、示唆演出が終了するタイミングで終了する。例えば、「大当り」または「小当り」にすると決定されている場合に選択される変動パターンに対して、特図変動時間より長い変動時間を予め設定しておくことによって実現できる。このように、確定特別図柄が停止表示されるタイミングをまたいで飾り図柄の変動表示が行われることによって、停止表示前のリーチ演出と停止表示後の示唆演出とで演出の連続性を高めることができる。なお、図29に示す例では、確定特別図柄が停止表示されるタイミングでリーチ演出が終了し、示唆演出の実行が開始されているが、リーチ演出と示唆演出とがまとめられた1つの演出を実行するようにしてもよい。
以上説明したように、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1によれば、以下の効果を奏することができる。
この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動表示中に遊技者による操作が検出されると、表示結果を導出表示するタイミングまでスキップを指示する情報(本例ではスキップコマンド)を送信する。そして、演出制御用CPU120は、スキップを指示する情報にもとづいて、飾り図柄を停止表示する。また、演出制御用CPU120は、大当りまたは小当りである場合には、特定組合せを構成する飾り図柄を停止表示した後に、大当り種別を示唆する示唆演出を実行する。そのようにすることで、制御負担を増加させることなく変動時間を短縮する制御を行うことができるとともに、短縮した後の期間で示唆演出を実行するため、変動時間を短縮することで遊技興趣が低下してしまうことを回避することができる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用CPU120は、特定組合せを構成する飾り図柄を停止表示した後から、大入賞口が開放されるまでの間に示唆演出を実行する。そのようにすることで、遊技者を示唆演出に注目させることができる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用CPU120は、特別変動時間が経過するタイミングでは飾り図柄の停止表示を行わず、示唆演出が終了するタイミングで飾り図柄の停止表示を行うように制御することができる。そのようにすることで、特別図柄が導出表示される前後をまたいで飾り図柄の変動表示が行われるため、導出表示前の演出と導出表示後の示唆演出との連続性を高め、演出に一体感を持たせることができる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用CPU120は、特別変動時間に達するタイミングで飾り図柄の停止表示を行うように制御する。そのようにすることで、特別図柄が導出表示されるタイミングと飾り図柄が導出表示されるタイミングとを同期させ、飾り図柄が導出表示された後に示唆演出を実行するため、遊技者を示唆演出に注目させることができる。
第2の実施形態.
以下、図面を参照しつつ、本発明の第2実施の形態を説明する。なお、上記第1実施の形態に係るパチンコ遊技機1と同様の構成及び処理については、その説明を省略する。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1は、特図表示結果が「大当り」または「小当り」にすると決定されている場合であっても、示唆演出を実行しないように制御することができる。図30は、第2実施の形態における可変表示開始設定処理を示すフローチャートである。図30に示す可変表示開始設定処理は、第1実施の形態と比べて、例えば、ステップS521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときの処理が異なる。
具体的には、ステップS521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS521;No)、演出制御用CPU120は、示唆演出を実行するか否かと実行する場合の態様とを含む示唆演出に関する設定を行う(ステップS525A)。そして、ステップS525Aにて示唆演出を実行すると設定した場合には(ステップS525B;Y)、演出制御用CPU120は、予め定められた特定組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS526)。
また、ステップS525Aにて示唆演出を実行しないと設定した場合には(ステップS525B;N)、演出制御用CPU120は、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合、または、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これら以外の場合であるかを判定する(ステップS527A)。「突確」または「小当り」であると判定されたときにも(ステップS527A;Yes)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS527B)。
ステップS527Aにて「突確」または「小当り」以外の「非確変」または「確変」であると判定されたときには(ステップS527A;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS527C)。一例として、ステップS527Cの処理では、まず、RAM122のランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかや、大当り中における昇格演出の有無などに応じて、異なる飾り図柄を確定飾り図柄とする決定が行われるようにしてもよい。
具体的な一例として、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。また、大当り種別が「確変」である場合には、複数種類の通常図柄または確変図柄のうちからいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せまたは確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。このとき、非確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において確変状態に制御される旨の報知が行われず、大当り遊技状態に対応して実行される大当り中昇格演出などにより確変状態に制御される旨が報知されればよい。他方、確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において、あるいは再抽選演出を実行することなく、確変状態に制御される旨の報知が行われる。
図31は、示唆演出が実行されない場合の演出動作を説明するためのタイミングチャートである。まず、図5のステップS240にて特図表示結果を「ハズレ」にすると決定され、図8のステップS269にてリーチ演出を実行する変動パターンが決定された場合には、図31(A)に示すように、リーチ演出が実行されてから、ハズレ図柄が確定特別図柄として停止表示されるタイミングで、所定の確定飾り図柄が停止表示される。
また、図5のステップS240にて特図表示結果を「大当り」にすると決定され、ステップS244にて大当り種別を「非確変」又は「確変」にすると決定され、図8のステップS269にてリーチ演出を実行する変動パターンが決定された場合には、図31(B)に示すように、リーチ演出が実行されてから、通常開放ラウンド大当り図柄「3」又は「7」が確定特別図柄として停止表示されるタイミングで、所定の大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。そして、大当りを報知する画面表示とファンファーレとが行われる。その後、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29.5秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口が開放状態とされる。
また、図5のステップS240にて特図表示結果を「大当り」にすると決定されステップS244にて大当り種別を「突確」にすると決定された場合、または図5のステップS240にて特図表示結果を「小当り」にすると決定された場合に、図8のステップS269にてリーチ演出を実行する変動パターンが決定された場合には、図31(C)に示すように、リーチ演出が実行されてから、短縮開放ラウンド大当り図柄「5」又は小当り図柄「2」が確定特別図柄として停止表示されるタイミングで、所定の確定飾り図柄が停止表示される。そして、特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に第2期間(例えば0.1秒間)変化させる可変入賞動作が2回行われる。なお、大当り種別が「突確見掛」である場合には、その後、さらに特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29.1秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口が開放状態とされる。
また、この実施の形態におけるパチンコ遊技機1は、画像表示装置5などにおける演出態様が異なる複数の演出モードを備えている。図32は、演出モードの移行例を説明するための図である。この実施の形態では、図32(B)に示すように、モードA、モードJ、モードK、モードNという、4つの演出モードが設けられている。これらの演出モードは、図32(A)に示すように、大当り遊技状態又は小当り遊技状態が終了したときや、飾り図柄の可変表示が開始されるときなどに、現在の演出モードや大当り種別等に応じて切り替わる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の演出モードが設けられてもよい。
図32(A)、(B)に示すように、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」である場合には、通常開放大当り遊技状態の終了後にモードKの演出モードとなる。すなわち、モードKの演出モード中は第1確変状態(高確高ベース状態)である。モードKの演出モードでは、例えば「確変中」といった高確率遊技状態であることを報知する演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させること、及び/又は、画像表示装置5の表示画面における背景画像や飾り図柄の表示態様を他の演出モードにおける表示態様とは異なるものとすることなどにより、高確率遊技状態であることを遊技者が認識できるようにしてもよい。可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」である場合には、通常開放大当り遊技状態の終了後にモードJの演出モードとなる。すなわち、モードJの演出モード中は時短状態(低確高ベース状態)である。モードJの演出モードでは、例えば「時短中」といった時短状態であることを報知する演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させること、及び/又は、画像表示装置5の表示画面における背景画像や飾り図柄の表示態様を他の演出モードにおける表示態様とは異なるものとすることなどにより、時短状態であることを遊技者が認識できるようにしてもよい。
可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」又は「突然時短」である場合には、短期開放大当り遊技状態の終了後にモードAの演出モードとなる。また、可変表示結果が「小当り」である場合には、小当り遊技状態の終了後にモードAの演出モードとなる。但し、後述するように、モードNにおいて小当り遊技状態に制御されるときの遊技履歴が所定条件(前回小当りによるモードA移行から30変動以下)を満たしている場合には、モードAにモード移行しない。このように、モードAの演出モード中は、「突確」の大当り種別に基づき第2確変状態(高確低ベース状態)となっていることもあれば、「突然時短」の大当り種別に基づき通常状態(低確低ベース状態)となっていることがある。また、「小当り」の可変表示結果に基づき通常状態(低確低ベース状態)、時短状態(低確高ベース状態)、第1確変状態(高確高ベース状態)、第2確変状態(高確低ベース状態)のいずれかとなることもある。
モードAの演出モードである場合には、例えば確変状態といった確変制御が行われる所定の特別遊技状態に制御されているときと制御されていないときとで共通の演出が実行され、その特別遊技状態(確変状態)に制御されているか否かが特定不能となる。
飾り図柄の可変表示が開始されるときに、モードAの演出モードであれば、当該モードAにモード移行してからの飾り図柄の可変表示回数(「変動回数」ともいう)が所定数(例えば20)以上となっているか否かの判定が実行され、所定数以上となっていると判定された場合には、モードAからモードNにモード移行される。但し、モードAにおいて高確状態の場合には、当該モードAにモード移行してからの特別図柄の変動回数が所定数以上となっていると判定された場合であっても、モードNにモード移行されない。即ち、高確状態である場合には、モードAの演出モードが維持されやすくなっている。
モードNは、モードAやモードJから移行する演出モードであり、モードNの演出モード中は基本的には通常遊技(低確低ベース状態)である。ただし、モードAからモード移行された場合には、低確高ベース状態である場合もある。パチンコ遊技機1の初期設定状態では、演出モードはモードNとなる。モードJの演出モードであるときに可変表示結果が「大当り」とならずに時短状態が終了すれば、モードNの演出モードとなる。
図33は、ROM102に記憶される大当り種別決定テーブル231の構成例を示している。大当り種別決定テーブル231は、可変表示結果を「大当り」とする旨の判定がなされて大当り遊技状態に制御することが決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、飾り図柄の可変表示態様を「非確変」、「確変」、「突然時短」、「突確」といった複数種類の大当り種別のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル231では、RAM102に設けられた変動特図指定バッファの値(変動特図指定バッファ値)が「1」であるか「2」であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2−1と比較される数値(決定値)が、「非確変」、「確変」、「突然時短」、「突確」の大当り種別に割り当てられている。ここで、変動特図指定バッファ値は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが実行されるときに「1」となり、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行されるときに「2」となる。
大当り種別決定テーブル231において、複数種類の大当り種別に割り当てられた決定値を示すテーブルデータは、通常開放大当り遊技状態に制御するか短期開放大当り遊技状態に制御するかの決定結果や、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御するか否かの決定結果に対応した決定用データとなっている。例えば、「非確変」又は「確変」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、通常開放大当り遊技状態に制御するとの決定結果に対応する一方で、「突然時短」又は「突確」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、短期開放大当り遊技状態に制御するとの決定結果に対応している。また、「非確変」又は「突然時短」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、確変状態に制御しないとの決定結果に対応する一方で、「確変」又は「突確」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、確変状態に制御するとの決定結果を示している。大当り種別決定テーブル131は、RAM102に設けられた大当り種別バッファの値(大当り種別バッファ値)を、決定された大当り種別に対応する値(例えば「0」〜「3」のいずれか)に設定するためのテーブルデータ(設定用データ)を含んでいてもよい。
図33に示す大当り種別決定テーブル231では、変動特図指定バッファ値が「1」であるか「2」であるかに応じて、各大当り種別に対する決定値の割当てが異なっている。例えば、「非確変」の大当り種別に対しては、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に「1」〜「15」の範囲の決定値が割り当てられる一方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に「1」〜「35」の範囲の決定値が割り当てられる。「確変」の大当り種別に対しては、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に「16」〜「40」の範囲の決定値が割り当てられる一方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に「36」〜「95」の範囲の決定値が割り当てられる。「突然時短」の大当り種別に対しては、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に「41」〜「60」の範囲の決定値が割り当てられる一方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合には決定値が割り当てられていない。「突確」の大当り種別に対しては、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に「61」〜「100」の範囲の決定値が割り当てられる一方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に「96」〜「100」の範囲の決定値が割り当てられている。
図33に示す設定例では、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定したときには、大当り種別を「突然時短」として短期開放大当り遊技状態に制御した後に遊技状態を通常状態にすると決定されることがない。また、第2開始条件の成立に基づき大当り遊技状態に制御すると決定したときには、第1開始条件の成立時よりも低い決定割合で、大当り種別を「突確」として短期開放大当り遊技状態に制御した後に遊技状態を第2確変状態にすると決定される。これにより、第1確変状態や時短状態にて第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなっているときに、大当り種別が「突然時短」となり賞球がほとんど得られずに通常状態に制御されてしまうことや、大当り種別が「突確」となり賞球がほとんど得られずに第2確変状態に制御されてしまうことを防止して、遊技興趣の減退を抑制することができる。
図34は、ROM102に記憶される当り変動パターン決定テーブル137の構成例を示している。この実施の形態では、当り変動パターンとして、図34(A)に示す通常開放大当り時変動パターン決定テーブと、図34(B)に示す短期開放大当り時変動パターン決定テーブル137Bと、図34(C)に示す低確状態小当り時変動パターン決定テーブル137Cと、図34(D)に示す高確状態小当り時変動パターン決定テーブル137Dと、が予め用意されている。
図34(A)に示す通常開放大当り変動パターン決定テーブル137Aは、可変表示結果を「大当り」にし、大当り種別を「非確変」と「確変」とのいずれかにすると決定(事前決定)されたときに、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づき、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。通常開放大当り変動パターン決定テーブル137Aでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、可変表示結果を「大当り」とする場合に対応した複数の変動パターンPC1−1、PC1−2及びPC1−3に割り当てられている。
ここで、変動パターンPC1−1は、リーチ演出を実行することなく、特図ゲームが終了するタイミングで、確定飾り図柄を停止表示するものである。変動パターンPC1−2は、ノーマルリーチとなるリーチ演出を実行した後に、特図ゲームが終了するタイミングで、確定飾り図柄を停止表示するものである。変動パターンPC1−3は、スーパーリーチとなるリーチ演出を実行した後、特図ゲームが終了するタイミングで、確定飾り図柄を停止表示するものである。
図34(B)に示す短期開放大当り変動パターン決定テーブル137Bは、可変表示結果を「大当り」にし、大当り種別を「突確」と「突然時短」とのいずれかにすると決定(事前決定)されたときに、大当り種別が「突確」と「突然時短」とのいずれであるかに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づき、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。短期開放大当り変動パターン決定テーブル137Bでは、大当り種別が「突確」と「突然時短」とのいずれであるかに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、可変表示結果を「大当り」とする場合に対応した複数の変動パターンPC1−1、PC1−2、及びPC1−3に割り当てられている。
図34(C)に示す低確状態小当り時変動パターン決定テーブル137Cは、可変表示結果を「小当り」にすると決定(事前決定)された場合において、確変状態に制御されていない(低確状態に制御されている)ときに、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づき、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。図34(D)に示す高確状態小当り時変動パターン決定テーブル137Dは、可変表示結果を「小当り」にすると決定(事前決定)された場合において、確変状態(高確状態)に制御されているときに、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づき、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。図34(C)に示す低確状態小当り時変動パターン決定テーブル137Cと、図34(D)に示す高確状態小当り時変動パターン決定テーブル137Dと、は、可変表示結果を「小当り」にすると決定(事前決定)されたときに、確変状態に制御されているか否かに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、可変表示結果を「大当り」とする場合に対応した複数の変動パターンPC1−1、PC1−2、及びPC1−3に割り当てられている。
図35は、示唆演出実行決定テーブルの構成例を示す説明図である。図30に示される可変表示開始設定処理のステップS525Aにおいて、演出制御用CPU120は、図35に示される示唆演出実行決定テーブルを参照し、大当りの場合には大当り種別、小当りの場合には小当り時の遊技状態にもとづいて、テーブルに示される割合で示唆演出を実行するか否かを決定する。なお、図35に示す例に限らず、例えば、内部状態が低確状態であるか高確状態であるかによって示唆演出の実行割合が異なるのは、小当り以外の当り(すなわち大当り)であってもよい。また、移行する遊技状態によって示唆演出の実行割合が異なるものは、突確と小当りとだけでなく、確変大当りと非確変大当りとであっても、非確変大当りと突確とであってもよい。
このように、この実施の形態では、大当り時の大当り種別または小当り時の遊技状態に基づいて、特別図柄が導出表示される前にリーチ演出が実行される割合と実行される場合のリーチ演出の態様とが異なる。また、この実施の形態では、大当り時の大当り種別または小当り時の遊技状態に基づいて、特別図柄が導出表示された後に示唆演出が実行される割合が異なる。例えば、通常開放大当り時の方が短期開放大当り時よりも示唆演出が実行される割合が高い。また、突確の場合の方が小当りの場合よりも示唆演出が実行される割合が高い。また、小当り時には、遊技状態が高確状態の場合の方が低確状態の場合よりも示唆演出が実行される割合が高い。したがって、遊技者に対して示唆演出が終了するまで期待感を持たせることができる。
なお、上述の例に限らず、図34に示す変動パターン決定テーブルにおいて、変動パターンごとに示唆演出を実行するか否かが予め定められていてもよい。この場合には、可変表示開始設定処理のステップS525Aにおいて、演出制御用CPU120は、変動パターンに基づいて示唆演出を実行するか否かを決定する。また、リーチ演出と示唆演出との両方を実行することが可能であるが、いずれか一方にのみしか実行できないようにしてもよい。この場合、大当り種別または小当り時の遊技状態に基づいて、リーチ演出のみが実行される割合と、示唆演出のみが実行される割合とが異なるようにしてもよい。また、リーチ演出と示唆演出とは、同じ態様の演出であってもよい。
以上説明したように、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1によれば、以下の効果を奏することができる。
この実施の形態によれば、リーチ演出が実行される割合と示唆演出が実行される割合とは、遊技状態によって異なる。したがって、遊技者に対して示唆演出が終了するまで期待感を持たせることができる。ここで、遊技状態の違いとは、例えば、内部的に高確状態または低確状態であるか以外にも、確変のリミッター回数の違いや出玉率の設定などの違いであってもよい。
また、この実施の形態によれば、リーチ演出が実行される割合と示唆演出が実行される割合とは、大当り遊技状態が終了した後に制御される遊技状態(例えば高確率状態)によって異なる(例えば突確と小当り)。したがって、遊技者に対して示唆演出が終了するまで期待感を持たせることができる。
また、この実施の形態によれば、リーチ演出が実行される割合と示唆演出が実行される割合とは、通常開放大当りであるか短期開放大当りであるかによって異なる。したがって、遊技者に対して示唆演出が終了するまで期待感を持たせることができる。
図36は、図30のステップS529にて実行される第1モード移行設定処理の一例を示すフローチャートである。図36に示すモード移行設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば遊技状態バッファの記憶内容などから、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、時短状態、第1確変状態及び第2確変状態のいずれであるかを特定する(ステップS621)。また、例えばRAM122に設けられた演出モードバッファの記憶内容などから、現在の演出モードがモードA、モードJ、モードK、モードNのいずれであるかを特定する(ステップS622)。ここで、演出モードバッファは、現在の演出モードと対応付けられた格納値が設定されることなどにより、現在の演出モードを特定可能に記憶できるものであればよい。
ステップS622の処理に続いて、ステップS622にて特定された演出モードがモードJであるか否かを判定する(ステップS630)。ここで、図32に示すように、モードJの演出モードは、「非確変」の大当り種別に基づく大当り遊技状態の終了後に時短状態(低確高ベース状態)となったことに対応して制御される演出モードである。したがって、演出モードがモードJである場合には(ステップS630;Yes)、ステップS621にて特定された遊技状態に基づき、時短状態が終了したか否かを判定する(ステップS631)。このとき、時短状態が終了していれば(ステップS631;Yes)、演出モードをモードNに移行させるモード移行を実行する旨の決定がなされる(ステップS632)。そして、第1モード移行設定処理を終了する。一方、ステップS631にて時短状態が終了していなければ(ステップS631;No)、第1モード移行設定処理を終了する。
ステップS630にて演出モードがモードJではないと判定された場合には(ステップS630;No)、演出モードがモードKであるか否かを判定する(ステップS640)。ここで、図32に示すように、モードKの演出モードは、「確変」の大当り種別に基づく大当り遊技状態の終了後に第1確変状態となったことに対応して制御される演出モードである。そして、次に可変表示結果が「大当り」とするまで第1確変状態(高確高ベース状態)に継続して制御される場合には、飾り図柄の可変表示を開始する際にモード移行を行う必要がない。したがって、演出モードがモードKである場合には(ステップS640;Yes)、第1モード移行設定処理を終了する。なお、可変表示結果が「大当り」となる以前に第1確変状態が終了することもあるように設定された場合には、ステップS621にて特定された遊技状態に基づき、第1確変状態が終了したか否かの判定を行い、終了していればモードNの演出モードに移行させるモード移行を実行すればよい。
ステップS640にてモードKの演出モードではないと判定された場合には(ステップS640;No)、演出モードがモードNであるか否かを判定する(ステップS650)。演出モードがモードNであると判定された場合(ステップS650;Yes)、第1モード移行設定処理を終了する。
ステップS650にてモードNの演出モードではないと判定された場合は(ステップS650;No)、演出モードはモードAである。このとき、ステップS660にて図37に示す遊技履歴テーブルを参照して当該モードAにおける変動回数(即ち最新履歴番号の変動回数)を読み出し、当該変動回数が20以上であるか否かを判定する。
遊技履歴テーブルでは、「履歴番号」に対応づけて、大当り、小当り、並びに、大当り及び小当りを伴わないモード移行のいずれのイベントが発生したのかを示す「内容」と、当該「内容」に示されるイベント終了後における演出モードを示す「演出モード」と、当該演出モードにおける飾り図柄の変動回数である「変動回数」とが管理される。ここで「履歴番号」は、大当り、小当り、並びに大当り及び小当りを伴わないモード移行(図中では「モード移行」として示される)のいずれかのイベントが発生する毎に更新され、更新後の「履歴番号」に対応づけて、当該発生したイベントが「内容」として記憶される。また、当該イベントの発生に伴い第1モード移行設定処理及び第2モード移行設定処理において決定された演出モードが「演出モード」として記憶される。「変動回数」は、例えば主基板11から伝送される飾り図柄停止コマンドを受信したことなどに基づいて更新される。
図36のステップS660で当該モードAにおける変動回数が20以上ではないと判定された場合(ステップS660;No)、第1モード移行設定処理を終了する。ステップS660で当該モードAにおける変動回数が20以上であると判定された場合(ステップS660;Yes)、ステップS661で、遊技状態が高確状態であるか否かを判定する。このとき、高確状態でなければ(ステップS661;No)、演出モードをモードNに移行させるモード移行を実行する旨の決定がなされる(ステップS662)。そして、第1モード移行設定処理を終了する。一方、ステップS661にて高確状態であれば(ステップS661;Yes)、第1モード移行設定処理を終了する。このようにモードAに突入してから20変動に達すると、モードAからモードNへのモード移行が実行されるが、高確状態のときはモードAからモードNへのモード移行は行われず、モードAが継続されることになる。
ここでステップS632及びS662にて決定されるモードNへのモード移行は、小当り及び大当りを契機としないモード移行である。当該モード移行に伴い、前述した遊技履歴テーブルの履歴番号が更新され、当該更新後の履歴番号に対応づけて「内容」としてモード移行が記憶され、「演出モード」としてモードNが記憶されることになる。
図38及び図39は、図18のステップS175及びS177の処理内にて実行される第2モード移行設定処理の一例を示すフローチャートである。第2モード移行設定処理は、可変表示結果が「大当り」や「小当り」となったことを契機に演出モードを移行させるための処理である。図38に示す第2モード移行設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば可変表示結果通知コマンドのEXTデータを読み取ることなどにより、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「確変」であるか否かを判定する(ステップS721)。
このとき、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「確変」であれば(ステップS721;Yes)、大当り遊技状態終了後に、モードKに移行させるモード移行を実行する旨の決定がなされる(ステップS722)。その後、第2モード移行設定処理を終了する。
可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「確変」でなければ(ステップS721;No)、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「非確変」であるか否かを判定する(ステップS723)。
このとき、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「非確変」であれば(ステップS723;Yes)、大当り遊技状態終了後に、演出モードをモードJに移行させるモード移行を実行する旨の決定がなされる(ステップS724)。その後、第2モード移行設定処理を終了する。
ステップS723にて、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「非確変」でないと判定された場合(ステップS723;No)、例えば可変表示結果通知コマンドのEXTデータを読み取ることなどにより、可変表示結果を特定する。ここでは、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「突確」または「突然時短」であること、あるいは、可変表示結果が「小当り」であることが特定される。
そして、ステップS725で特定した可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「突確」または「突然時短」のいずれかであるか否かを判定する。このとき可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「突確」または「突然時短」のいずれかであれば(ステップS725;Yes)、大当り遊技状態終了後に、演出モードをモードAに移行させるモード移行を実行する旨の決定がなされる(ステップS726)。その後、第2モード移行設定処理を終了する。
ステップS725にて、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「突確」及び「突然時短」のいずれでもないと判定された場合(ステップS723;No)、可変表示結果が「小当り」であることが特定される。このように、ステップS721、S723、S725で、確変、非確変、突確、突然時短、及び小当りを特定したときには、前述した遊技履歴テーブルの履歴番号を更新して、当該更新後の履歴番号に対応づけて「内容」として、特定したイベント(確変、非確変、突確、突然時短、又は小当り)を記憶する。
可変表示結果が「小当り」であることが特定されると、ステップS750にて、当該小当り前の演出モードがモードNであるか否かを判定する。この際、演出制御用CPU120は、RAMに記憶している遊技履歴テーブルを参照して、小当り前の演出モードを特定可能である。このとき当該小当り前の演出モードがモードNではない(ステップS750;No)と判定された場合には、小当り遊技状態終了後に、演出モードをモードAに移行させるモード移行を実行する旨の決定がなされる(ステップS760)。その後、第2モード移行設定処理を終了する。
ステップS750にて、当該小当り前の演出モードがモードNであると判定された場合(ステップS750;Yes)、演出制御用CPU120は、遊技履歴テーブルを参照して、モードNとなる前の演出モード(モードNが連続している場合には、モードNが連続する前の演出モード)が、小当りを契機とするモードAであるか否かを判定する(ステップS751)。このとき、モードNとなる前の演出モードが、小当りを契機とするモードAではないと判定された場合には(ステップS751;No)、第2モード移行設定処理を終了する。
ステップS751にて、モードNとなる前の演出モードが、小当りを契機とするモードAであると判定された場合には(ステップS751;YES)、小当りを契機とするモードAへのモード移行からの変動回数が合計で31以上となっているか否かを判定する(ステップS752)。このとき、小当りを契機とするモードAへのモード移行からの変動回数が合計で31以上となっていないと判定された場合には(ステップS752;No)、第2モード移行設定処理を終了する。
ステップS752にて、小当りを契機とするモードAへのモード移行からの変動回数が合計で31以上と判定された場合には(ステップS752;Yes)、小当り遊技状態終了後に、演出モードをモードAに移行させるモード移行を実行する旨の決定がなされる(ステップS760)。その後、第2モード移行設定処理を終了する。このように、小当り遊技状態に制御されるときの遊技履歴に応じて演出モードをモードAに移行させるか否かを決定するようにしている。
第2モード移行設定処理において、ステップS722、S724、S726、S760で演出モードのモード移行が決定されると、移行先となる演出モードが遊技履歴テーブルの「演出モード」に記憶される。そして、大当り遊技状態又は小当り遊技状態終了後は、移行した演出モードに対応する演出制御パターンテーブルや予告演出制御パターンが選択されることになる。即ち、大当り遊技状態又は小当り遊技状態終了後の変動に伴う第1モード移行設定処理で、移行した演出モードに対応する演出制御パターンテーブルや予告演出制御パターンが選択されることになる。
以上説明したように、この実施の形態では、小当り遊技状態に制御されるときの遊技履歴に応じて演出モードをモードAに移行させるか否かを決定するようにしている。ここで、遊技履歴に応じたパチンコ遊技機1の作用について具体例を挙げて説明する。
図37(A)の遊技履歴テーブル及び図40(A)の説明図を参照する。小当り1が発生し(履歴番号3)、この小当り1の発生に伴い演出モードがモードAに移行している。そして、このモードAにおいて変動回数が20以上となったことに基づいて、モードNへの移行が行われている(履歴番号4)。そして、モードNに移行してから15変動目に小当り2が発生し、再度演出モードがモードAに移行している(履歴番号5)。この例では、小当り2が発生したときに、小当り2が発生する前の演出モードがモードNである(履歴4)。そしてモードNとなる前の演出モードが小当りを契機とするモードAである(履歴3)。しかしながら、当該モードAに移行してからの合計変動回数が31以上(35変動)であるため、小当り2の発生に伴い、再度モードAに移行されている。
次に図37(B)の遊技履歴テーブル及び図40(B)の説明図を参照する。小当り1が発生し(履歴番号3)、この小当り1の発生に伴い演出モードがモードAに移行している。そして、このモードAにおいて変動回数が20以上となったことに基づいて、モードNへの移行が行われている(履歴番号4)。そして、モードNに移行してから8変動目に小当り2が発生しているが、演出モードはモードNのままとなっている(履歴番号5)。この例では、小当り2が発生したときに、小当り2が発生する前の演出モードがモードNである(履歴4)。そしてモードNとなる前の演出モードが小当りを契機とするモードAである(履歴3)。さらに、当該モードAに移行してからの合計変動回数が30以下(28変動)であるため、小当り2が発生しても、モードAへの移行は行われない。
次に図37(C)の遊技履歴テーブル及び図40(C)の説明図を参照する。この例では小当り2の時点までは上記図37(B)及び図40(B)の例と同一の履歴である。本例では、小当り3が発生したときに、小当り3が発生する前の演出モードがモードNである(履歴5)。そして履歴4、5においてモードNが連続しているため、連続するモードNの前の演出モードは、小当りを契機とするモードAとなる(履歴3)。当該モードAに移行してからの合計変動回数が31以上(38変動)であるため、小当り2からの間隔が短いにもかかわらず、再度モードAに移行されている(履歴6)。
前述したように、本実施形態では小当りが発生する確率を突確大当りが発生する確率よりも高く設定しておくことで、遊技中におけるモードAへの移行を容易にし、遊技者に高確状態となったことへの期待を抱かせる機会を多く提供して遊技に対する興味を向上させることができる。しかしながら、実際には高確状態でないにもかかわらず、頻繁にモードAにモード移行することが、かえって遊技者の興味を低下させることにもなりかねない。本実施形態では、小当りが発生した際に遊技履歴テーブルを参照し、小当りを契機とするモードAにモード移行してから31変動以上である場合には、モードAに移行しなようにしている。即ち、小当りを契機とするモードAを抜けてモードNとなった直後に小当りが発生し、モードAに再度移行することを防止しており、これにより遊技者の興味の低下を抑止している。このように、本実施形態のパチンコ遊技機1によれば、遊技履歴に応じてモードAへのモード移行を行うか否かを決定しており、モードAによる演出効果を高めるようにしている。また、頻繁なモードAへのモード移行を抑止するために、小当り確率を変動させる等の制御が不要であるため、制御負担を増大させずに演出効果を高めることができる。
次に図41を用いて、小当が発生したときに画像表示装置5に表示される画面の一例について説明する。前述した図40(A)の例において、小当り2に係る小当り遊技状態となるとき、画像表示装置5の図柄表示エリア5L、5C、5Rには、2回開放チャンス目として例えば飾り図柄「1,3,5」が表示され(D02)、モードAへのモード移行が行われる。このとき画像表示装置5には、「モードA突入」という文字と共に、女の子のキャラが表示され(D03)、その後に飾り図柄の変動が開始されることになる(D04)。ここでD03の画像表示演出は、モードAへのモード移行に対応するモード移行演出制御パターンに基づいて実行されるものであり、例えばS175の小当り制御中演出処理(大当りが発生したときにはS177の大当り制御中演出処理)の一部として実行されるようにしても良く、S178のエンディング演出処理の一部として実行されるようにしても良い。
一方、前述した図40(B)の例において、小当り2に係る小当り遊技状態となるとき、画像表示装置5の図柄表示エリア5L、5C、5Rには、2回開放チャンス目として例えば飾り図柄「1,3,5」が表示されるが(D12)、モードAへのモード移行は行われない。従って、D03に示すような画像表示演出は実行されず、またモードAに移行しない旨の報知も行われずに、飾り図柄の変動が開始されることになる(D13)。このようにモードAに移行しない場合には、移行しない旨の報知等を行わずに次変動を開始することで、モードAに移行しないことに対する遊技者の落胆を防止するようにしている。
なお、2ラウンド大当り図柄や小当り図柄となる飾り図柄が、本実施形態のように2回開放チャンス目ではなく、所定のリーチハズレ組合せとなる飾り図柄である場合、遊技者は、モードAに移行せずに次変動が開始されることで単なるリーチハズレであると認識し、モードAに移行しないことに対する落胆を抱きにくい。
第3の実施形態.
以下、図面を参照しつつ、本発明の第3実施の形態を詳細に説明する。なお、上記第1及び第2実施の形態に係るパチンコ遊技機1と同様の構成及び処理については、その説明を省略する。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1は、画像表示装置5などにおける演出態様が異なる複数の演出モードを備えている。図42は、演出モードの移行例を説明するための図である。この実施の形態では、図42(B)に示すように、モードA、モードB、モードJ、モードK、モードNという、5つの演出モードが設けられている。これらの演出モードは、図42(A)に示すように、大当り遊技状態又は小当り遊技状態が終了したときや、飾り図柄の可変表示が開始されるときなどに、現在の演出モードや大当り種別等に応じて切り替わる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の演出モードが設けられてもよい。
図42(A)、(B)に示すように、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」である場合には、通常開放大当り遊技状態の終了後にモードKの演出モードとなる。すなわち、モードKの演出モード中は第1確変状態(高確高ベース状態)である。モードKの演出モードでは、例えば「確変中」といった高確率遊技状態であることを報知する演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させること、及び/又は、画像表示装置5の表示画面における背景画像や飾り図柄の表示態様を他の演出モードにおける表示態様とは異なるものとすることなどにより、高確率遊技状態であることを遊技者が認識できるようにしてもよい。可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」である場合には、通常開放大当り遊技状態の終了後にモードJの演出モードとなる。すなわち、モードJの演出モード中は時短状態(低確高ベース状態)である。モードJの演出モードでは、例えば「時短中」といった時短状態であることを報知する演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させること、及び/又は、画像表示装置5の表示画面における背景画像や飾り図柄の表示態様を他の演出モードにおける表示態様とは異なるものとすることなどにより、時短状態であることを遊技者が認識できるようにしてもよい。
可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」又は「突然時短」である場合には、短期開放大当り遊技状態の終了後にモードAまたはモードBの演出モードとなる。また、可変表示結果が「小当り」である場合には、小当り遊技状態の終了後にモードAまたはモードBの演出モードとなる。このように、モードAやモードBの演出モード中は、「突確」の大当り種別に基づき第2確変状態(高確低ベース状態)となっていることもあれば、「突然時短」の大当り種別に基づき通常状態(低確低ベース状態)となっていることがある。また、「小当り」の可変表示結果に基づき通常状態(低確低ベース状態)、時短状態(低確高ベース状態)、第1確変状態(高確高ベース状態)、第2確変状態(高確低ベース状態)のいずれかとなることもある。
モードA、モードBの演出モードのいずれかである場合には、例えば確変状態といった確変制御が行われる所定の特別遊技状態に制御されているときと制御されていないときとで共通の演出が実行され、その特別遊技状態(確変状態)に制御されているか否かが特定不能となる。
可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となった場合は、大当り遊技状態の終了後の遊技状態が第2確変状態となるが、この場合は、モードBよりもモードAに移行されやすくなっている。また、確変状態において、可変表示結果が「小当り」となった場合も、大当り遊技状態の終了後の遊技状態が確変状態となるが、この場合も、モードBよりもモードAに移行されやすくなっている。即ち、モードAとモードBは、共に確変状態であるか否かを特定できない演出モードであるが、モードAである場合の方が、モードBである場合よりも確変状態である割合が高くなる。これにより、モードAであるかモードBであるかに応じて、現在の遊技状態が確変状態であるか否かを示唆することができる。具体的には、モードAであれば確変状態である可能性が高いことを示唆でき、モードBであれば確変状態(高確状態)である可能性が低いことを示唆できる。
飾り図柄の可変表示が開始されるときに、モードA、モードBのいずれかであれば、演出モードを他のモードに移行して変更するモード移行を実行するか否かの判定が行われる。モードAの演出モードであるときには、モードBまたはモードNにモード移行するか否かの判定が実行され、モード移行すると判定された場合には、モードBまたはモードNに演出モードが変更される。モードBの演出モードであるときには、モードNにモード移行するか否かの判定が実行され、モード移行すると判定された場合には、モードNに演出モードが変更される。モードAやモードBにおける演出モードを移行するか否かの判定は、低確状態である場合の方が高確状態である場合よりもモード移行すると判定されやすくなっている。即ち、高確状態である場合には、モードAやモードBの演出モードが維持されやすくなっている。このようにモード移行の判定を行うことにより、演出モードがモードA、モードB、モードNのいずれかである場合には、モードA、モードB、モードNの順番で高確状態である可能性が高くなる。
モードNは、モードA、モードBやモードJから移行する演出モードであり、モードNの演出モード中は基本的には通常遊技(低確低ベース状態)である。ただし、モードAやモードBからモード移行された場合には、高確高ベース状態、高確低ベース状態、低確高ベース状態である場合もある。パチンコ遊技機1の初期設定状態では、演出モードはモードNとなる。モードJの演出モードであるときに可変表示結果が「大当り」とならずに時短状態が終了すれば、モードNの演出モードとなる。
モードAやモードBの演出モードであるときに、モードNの演出モードに移行すると判定された場合には、モードNに移行してから所定期間が経過するまでの間に可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となった場合は、所定期間が経過してから可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となった場合に比べて、モードBよりもモードAに移行されやすい示唆率向上状態となる。示唆率向上状態において、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」又は「突然時短」となった場合や、可変表示結果が「小当り」である場合には(モードAまたはモードBに移行する場合には)、現在の遊技状態を把握しやすくなるというメリットを遊技者に与えることができる。なお、示唆率向上状態においては、示唆率向上状態でないときと背景の色を異ならせるなどにより、示唆率向上状態であることを認識できるようにすればよい。
高確状態であることを示唆するモードAやモードBから、高確状態である可能性が低いモードNの演出モードに移行されたときは、遊技者が遊技をやめる契機となりやすい。この実施の形態では、モードAまたはモードBからモードNに移行したときに、示唆率向上状態となるようにしたことで、遊技者に遊技を継続させやすくすることができる。
図43は、ROMに記憶されるモード移行決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、モード移行決定テーブルとして、図43(A)〜(D)に示すモード移行決定テーブル167A〜167D、167G、167Hが予め用意されている。モード移行決定テーブル167A〜167D、167G、167Hは、飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、演出モードを複数種類のいずれかに変更するモード移行を実行するか否かや、実行する場合に移行される演出モードなどを、所定の演出モード移行決定用の乱数値に基づいて、決定するために参照されるテーブルである。
各モード移行決定テーブル167A〜167D、167G、167Hでは、所定の演出モード移行決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、移行なし、モードA、モードB、モードNといった、モード移行により移行される演出モードとなる移行先演出モードの決定結果に割り当てられている。なお、移行先演出モードが移行なしである場合には、モード移行が実行されない。
図43(A)に示すモード移行決定テーブル167Aは、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「突確」となった場合や、確変状態において可変表示が「小当り」となった場合に、短期開放大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了後に、モードA、モードBのいずれの演出モードに移行させるかを、示唆率向上状態であるか否か(示唆率向上フラグがオン状態であるか否か)などに基づいて決定するためのテーブルである。モード移行決定テーブル167Aの設定では、移行先の演出モードとして、モードBよりもモードAに決定されやすくなっている。また、示唆率向上状態である場合(示唆率向上フラグがオン状態である場合)には、示唆率向上状態でない場合(示唆率向上フラグがオフ状態である場合)に比べて、モードBよりもモードAに決定されやすくなっている。
可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「突確」となった場合や、確変状態において可変表示が「小当り」となった場合には、短期開放大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了後の遊技状態は確変状態となる。従って、上記のような設定により、モードAである場合の確変状態である割合を高くすることができる。また、示唆率向上状態である場合にモードAに移行した場合には、さらに確変状態である割合が高くなる。
また、同じ示唆率向上状態である場合でも、示唆率向上状態となってからの変動回数に応じて、移行先の演出モードとしてモードAに決定される割合が異なっている。具体的には、同じ示唆率向上状態であっても、示唆率向上状態となってからの変動回数が10回以下の場合、11回以上の場合に比べて、モードBよりもモードAに決定されやすくなっている。このようにすることで、示唆率向上状態となってからのどの段階で演出モードが移行されたかによって、確変状態である可能性が異なるので、遊技の興趣が向上する。
図43(B)に示すモード移行決定テーブル167Bは、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「突然時短」となった場合や、低確状態において可変表示が「小当り」となった場合に、短期開放大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了後に、モードA、モードBのいずれの演出モードに移行させるかを、示唆率向上状態であるか否か(示唆率向上フラグがオン状態であるか否か)などに基づいて決定するためのテーブルである。モード移行決定テーブル167Bの設定では、移行先の演出モードとして、モードAよりもモードBに決定されやすくなっている。また、示唆率向上状態である場合(示唆率向上フラグがオン状態である場合)には、示唆率向上状態でない場合(示唆率向上フラグがオフ状態である場合)に比べて、モードAよりもモードBに決定されやすくなっている。
可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「突然時短」となった場合や、低確状態において可変表示が「小当り」となった場合には、短期開放大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了後の遊技状態は低確状態となる。従って、上記のような設定により、モードBである場合の低確状態である割合を高くすることができる。また、示唆率向上状態である場合にモードBに移行した場合には、さらに低確状態である割合が高くなる。
また、同じ示唆率向上状態である場合でも、示唆率向上状態となってからの変動回数に応じて、移行先の演出モードとしてモードBに決定される割合が異なっている。具体的には、同じ示唆率向上状態であっても、示唆率向上状態となってからの変動回数が10回以下の場合、11回以上の場合に比べて、モードAよりもモードBに決定されやすくなっている。このようにすることで、示唆率向上状態となってからのどの段階で演出モードが移行されたかによって、低確状態である可能性が異なるので、遊技の興趣が向上する。
以上のような、モード移行決定テーブル167A、167Bの設定により、モードAが確変状態である可能性が高いことを示唆する演出モードとなり、モードBが低確状態である可能性が高いこと(確変状態である可能性が低いこと)を示唆する演出モードとなる。また、示唆率向上状態である場合には、その可能性より高くなる。さらに同じ示唆率向上状態であっても、示唆率向上状態となってからのどの段階でモードAまたはモードBに移行したかによって、その可能性が変化する。これにより確変状態であるか否かを特定できない演出モードであっても、モードAとモードBのいずれであるかに応じて確変状態であるか否かを示唆できるようになる。また、示唆率向上状態においてモードAまたはモードBに移行した場合には、より遊技状態が把握しやすくなるため、示唆率向上状態を遊技者にメリットのある演出モードとすることができる。また、示唆率向上状態となってからのどの段階でモードAまたはモードBに移行したかに遊技者が注目するようになり、遊技の興趣が向上する。
図43(C)に示すモード移行決定テーブル167Cは、遊技状態が高確状態であって演出モードがモードAである場合に、モードBまたはモードNの演出モードに移行させるか否かを、モードAにおける変動回数(共通演出モード継続回数カウント値)に基づいて決定するためのテーブルである。演出モードがモードAである場合、毎回の変動毎に演出モードを移行するか否かの判定が行われる。モード移行決定テーブル167Cの設定では、モードAにおける変動回数が20回未満であれば移行なしにのみ決定される。即ち、モードAは、最低でも20回変動が行われるまで継続する。また、モード移行決定テーブル167Cの設定では、モードAにおける変動回数が20回以上であれば移行なしまたはモードBまたはモードNに移行することが決定される。そして、モードAにおける変動回数が20回以上30回未満のときよりも、モードAにおける変動回数が30回以上であるときの方が、高い割合でモードBまたはモードNに移行することが決定される。即ち、モードAにおける変動回数が多くなるほど、モードBまたはモードNに移行されやすくなっている。
図43(D)に示すモード移行決定テーブル167Dは、遊技状態が低確状態であって演出モードがモードAである場合に、モードBまたはモードNの演出モードに移行させるか否かを、モードAにおける変動回数(共通演出モード継続回数カウント値)に基づいて決定するためのテーブルである。演出モードがモードAである場合、毎回の変動毎に演出モードを移行するか否かの判定が行われる。モード移行決定テーブル167Dの設定では、モードAにおける変動回数が20回未満であれば移行なしにのみ決定される。即ち、モードAは、最低でも20回変動が行われるまで継続する。また、モード移行決定テーブル167Cの設定では、モードAにおける変動回数が20回以上であれば移行なしまたはモードBまたはモードNに移行することが決定される。そして、モードAにおける変動回数が20回以上30回未満のときよりも、モードAにおける変動回数が30回以上であるときの方が、高い割合でモードBまたはモードNに移行することが決定される。即ち、モードAにおける変動回数が多くなるほど、モードBまたはモードNに移行されやすくなっている。
モード移行決定テーブル167C及び167Dの設定では、低確状態である場合の方が高確状態である場合よりもモードNに移行することが決定されやすくなっている。これのような設定により、モードAからモードNに移行された場合には、遊技者は遊技状態が低確状態であると推測することとなる。
図43(E)に示すモード移行決定テーブル167Gは、遊技状態が高確状態であって演出モードがモードBである場合に、モードNの演出モードに移行させるか否かを、モードBにおける変動回数(共通演出モード継続回数カウント値)に基づいて決定するためのテーブルである。遊技状態が低確状態であって演出モードがモードBである場合、毎回の変動毎に演出モードを移行するか否かの判定が行われる。なお、遊技状態が確変状態であれば演出モードは移行しない。モード移行決定テーブル167Gの設定では、モードBにおける変動回数が20回未満であれば移行なしにのみ決定される。即ち、モードBは、最低でも20回変動が行われるまで継続する。また、モード移行決定テーブル167Gの設定では、モードBにおける変動回数が20回以上であれば移行なしまたはモードNに移行することが決定される。そして、モードBにおける変動回数が20回以上30回未満のときよりも、モードBにおける変動回数が30回以上であるときの方が、高い割合でモードNに移行することが決定される。即ち、モードBにおける変動回数が多くなるほど、モードNに移行されやすくなっている。
図43(F)に示すモード移行決定テーブル167Hは、遊技状態が低確状態であって演出モードがモードBである場合に、モードNの演出モードに移行させるか否かを、モードBにおける変動回数(共通演出モード継続回数カウント値)に基づいて決定するためのテーブルである。遊技状態が低確状態であって演出モードがモードBである場合、毎回の変動毎に演出モードを移行するか否かの判定が行われる。なお、遊技状態が確変状態であれば演出モードは移行しない。モード移行決定テーブル167Hの設定では、モードBにおける変動回数が20回未満であれば移行なしにのみ決定される。即ち、モードBは、最低でも20回変動が行われるまで継続する。また、モード移行決定テーブル167Hの設定では、モードBにおける変動回数が20回以上であれば移行なしまたはモードNに移行することが決定される。そして、モードBにおける変動回数が20回以上30回未満のときよりも、モードBにおける変動回数が30回以上であるときの方が、高い割合でモードNに移行することが決定される。即ち、モードBにおける変動回数が多くなるほど、モードNに移行されやすくなっている。
モード移行決定テーブル167G及び167Hの設定では、低確状態である場合の方が高確状態である場合よりもモードNに移行することが決定されやすくなっている。このような設定により、モードBからモードNに移行された場合には、遊技者は遊技状態が低確状態であると推測することとなる。
図44は、ROMに記憶される背景色決定テーブル168の構成例を示している。背景色決定テーブル168は、示唆率向上状態における背景の色を、所定の背景色決定用の乱数値に基づいて、複数種類から決定するために参照されるテーブルである。背景色決定テーブル168では、示唆率向上状態の終了条件に応じて、背景色を示す決定結果「青」、「緑」、「赤」に、予告実行決定用の乱数値SR7と比較される数値(決定値)が割り当てられている。
背景色決定テーブル168の設定では、決定された背景色が「赤」>「緑」>「青」である順番に、終了条件が最も成立しにくくなりやすく(終了判定値が多くなりやすく)なっている。このような設定により、示唆率向上状態における背景色により、示唆率向上状態の終了条件を遊技者に示唆することができるようになる。
図45及び図46(A)は、ステップS529にて実行される第1モード移行設定処理の一例を示すフローチャートである。図45に示すモード移行設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば遊技状態バッファの記憶内容などから、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、時短状態、第1確変状態及び第2確変状態のいずれであるかを特定する(ステップS1621)。また、例えばRAM122に設けられた演出モードバッファの記憶内容などから、現在の演出モードがモードA、モードB、モードJ、モードK、モードNのいずれであるかを特定する(ステップS1622)。ここで、演出モードバッファは、現在の演出モードと対応付けられた格納値が設定されることなどにより、現在の演出モードを特定可能に記憶できるものであればよい。
ステップS1622の処理に続いて、ステップS1622にて特定された演出モードがモードJであるか否かを判定する(ステップS1623)。ここで、図42に示すように、モードJの演出モードは、「非確変」の大当り種別に基づく大当り遊技状態の終了後に時短状態(低確高ベース状態)となったことに対応して制御される演出モードである。したがって、演出モードがモードJである場合には(ステップS1623;Yes)、ステップS1621にて特定された遊技状態に基づき、時短状態が終了したか否かを判定する(ステップS1624)。このとき、時短状態が終了していれば(ステップS1624;Yes)、演出モードをモードNに移行させるモード移行を実行する旨の決定がなされる(ステップS1625)。そして、第1モード移行設定処理を終了する。
ステップS1623にて演出モードがモードJではないと判定された場合には(ステップS1623;No)、演出モードがモードKであるか否かを判定する(ステップS1627)。ここで、図42に示すように、モードKの演出モードは、「確変」の大当り種別に基づく大当り遊技状態の終了後に第1確変状態となったことに対応して制御される演出モードである。そして、次に可変表示結果が「大当り」とするまで第1確変状態(高確高ベース状態)に継続して制御される場合には、飾り図柄の可変表示を開始する際にモード移行を行う必要がない。したがって、演出モードがモードKである場合には(ステップS1627;Yes)、第1モード移行設定処理を終了する。なお、可変表示結果が「大当り」となる以前に第1確変状態が終了することもあるように設定された場合には、ステップS1621にて特定された遊技状態に基づき、第1確変状態が終了したか否かの判定を行い、終了していればモードNの演出モードに移行させるモード移行を実行すればよい。
ステップS1627にてモードKの演出モードではないと判定された場合には(ステップS1627;No)、演出モードがモードNであるか否かを判定する(ステップS1650)。演出モードがモードNであると判定された場合(ステップS1650;Yes)、後述する図46(A)のステップS1660に移行する。
ステップS1650にてモードNの演出モードではないと判定された場合は(ステップS1650;No)、演出モードはモードAまたはモードBのいずれかである。このとき、モードAまたはモードBにおける変動回数をカウントするための共通演出モード継続回数カウンタの値(共通演出モード継続回数カウント値)を1加算する(ステップS1630)。
そして、モード移行により移行される演出モードを決定するための使用テーブルとして、図43(C)〜(F)に示すモード移行決定テーブル167C、167D、167G、167Hのいずれかをセットする(ステップS1631)。ここでは、遊技状態が高確状態であって演出モードがモードAである場合にはモード移行決定テーブル167Cがセットされ、遊技状態が低確状態であって演出モードがモードAである場合にはモード移行決定テーブル167Dがセットされ、遊技状態が高確状態であって演出モードがモードBである場合にはモード移行決定テーブル167Gがセットされ、遊技状態が低確状態であって演出モードがモードBである場合にはモード移行決定テーブル167Gがセットされる。
続いて、例えばRAM122に設けられたランダムカウンタなどから、所定の演出モード移行決定用の乱数値を示す数値データを抽出する(ステップS1632)。そして、抽出した乱数値を示す数値データに基づき、ステップS1631にてセットしたモード移行決定テーブル167C、167D、167G、167Hのいずれかを参照することにより、モード移行の実行後における演出モードとなる移行先演出モードを決定する(ステップS1633)。ただし、ステップS1633にて移行先演出モードが「移行なし」に決定された場合には、モード移行を実行しないことが決定される。
そして、ステップS1633においてモード移行が実行されることが決定されたか否かを判定する(図46(A)のステップS1651)。モード移行が実行されることが決定された場合には(ステップS1651;Yes)、モードNの演出モードに移行することが決定されたか否かを判定する(ステップS1652)。
モードNの演出モードに移行することが決定された場合(ステップS1652;Yes)、示唆率向上状態とするため、RAM122に設けられた示唆率向上フラグをオン状態にセットする(ステップS1653)。
そして、示唆率向上状態の終了条件として、図46(B)に示す設定に従って、共通演出モード継続回数カウンタの値(共通演出モード継続回数カウント値)に対応した示唆率向上状態の終了判定値をセットする(ステップS1654)。
共通演出モード継続回数カウンタは、モードAまたはモードBにおける変動回数をカウントするものである。この実施の形態では、モードAまたはモードBにおける変動回数(モードAまたはモードBに移行してからモードAまたはモードBが継続した変動回数)に対応した示唆率向上状態の終了条件が決定される。ステップS1654では、共通演出モード継続回数カウント値が20〜24である場合には、示唆率向上状態の終了判定値として「50」がセットされ、共通演出モード継続回数カウント値が25〜29である場合には、示唆率向上状態の終了判定値として「40」がセットされ、共通演出モード継続回数カウント値が30〜34である場合には、示唆率向上状態の終了判定値として「30」がセットされ、共通演出モード継続回数カウント値が35以上である場合には、示唆率向上状態の終了判定値として「20」がセットされる。即ち、この実施の形態では、モードAが継続した期間が短いほど、遊技者にとって有利な終了条件が設定される。このようにすることで、モードAまたはモードBが継続した期間に応じて示唆率向上状態の終了条件が設定させるので、遊技の興趣が向上する。また、高確状態であることが高いことを示唆する演出モードであるモードAまたはモードBが短期間で終了してしまった場合、遊技者が落胆するが、その場合には示唆率向上状態の終了条件が有利になるので、興趣の低下を防止できる。
ステップS1654に続いて、示唆率向上状態における変動回数をカウントするための示唆率向上状態カウンタをリセットする(ステップS1655)。そして、示唆率向上状態における背景色を決定するための使用テーブルとして、図44に示す背景色決定テーブル168をセットする(ステップS1656)。続いて、例えばRAM122に設けられたランダムカウンタなどから、所定の背景色決定用の乱数値を示す数値データを抽出する(ステップS1657)。そして、抽出した乱数値を示す数値データに基づき、背景色決定テーブル168を参照することにより、示唆率向上状態における背景色を決定する(ステップS1658)。このときには、示唆率向上状態の終了判定値に応じて異なる決定割合で、背景色が決定される。これにより、示唆率向上状態における背景色に応じて、示唆率向上状態の終了条件を遊技者に示唆することができる。
続いて、モードAまたはモードBにおける変動回数をカウントするための共通演出モード継続回数カウンタをリセットして(ステップS1659)、第1モード移行設定処理を終了する。
図45のステップS1650にてモードNの演出モードであると判定された場合や(ステップS1650;Yes)、ステップS1651においてモード移行が実行されることが決定されなかった場合や(ステップS1651;No)、モードNに移行することが決定されなかった場合(ステップS1652;No)、示唆率向上フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS1660)。示唆率向上フラグがオフ状態であれば(ステップS1660;No)、そのまま第1モード移行設定処理を終了する。示唆率向上フラグがオン状態であれば(ステップS1660;Yes)、示唆率向上状態を終了させるかなどを判定するための示唆率向上状態終了判定処理を実行してから(ステップS1661)、第1モード移行設定処理を終了する。
図47は、図46(A)のステップS1611にて実行される示唆率向上状態終了判定処理の一例を示すフローチャートである。図47に示す示唆率向上状態終了判定処理において、演出制御用CPU120は、まず、示唆率向上状態終了条件変更判定を行う(ステップS1701)。
この示唆率向上状態終了条件変更判定では、予め定められた変更条件が成立したか否かを判定する。例えば、変動パターン指定コマンドのEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが所定の変動パターンであるか否かを判定する。そして、所定の変動パターンである場合には、終了条件を変更すると判定する。具体的には、変動パターンが所定のリーチ演出を伴う変動パターンである場合に終了条件を変更すると判定するようにしてもよい。また、乱数値を抽出し、その乱数値が予め定められた判定値と合致する場合に終了条件を変更すると判定するようにしてもよい。即ち、変更条件は予め定められた条件であればよく、任意に設定可能である。
ステップS1701の終了条件変更判定において、終了条件を変更すると判定された場合(ステップS1702;Yes)、示唆率向上状態の終了条件を判定するための終了条件判定値に10加算する(ステップS1703)。なお、この実施の形態では、示唆率向上状態終了の終了条件は、示唆率向上状態終了において所定回数の変動が実行されたことである。その所定回数に対応した値が、予め終了条件判定値にセットされる。ステップS1701の終了条件変更判定において、終了条件を変更すると判定された場合には、終了条件判定値に10加算することによって、示唆率向上状態終了までの変動回数が10回延長することになる。このように終了条件を延長可能としたことで、より遊技者に遊技を継続させやすくすることができる。
ステップS1703の処理の後や、ステップS1701の終了条件変更判定において、終了条件を変更しないと判定された場合(ステップS1702;No)、モ示唆率向上状態における変動回数をカウントするための示唆率向上状態カウンタの値(示唆率向上状態カウント値)を1加算する(ステップS1704)。
そして、示唆率向上状態カウント値が示唆率向上状態の終了条件判定値に達したか否かを判定する(ステップS1705)。示唆率向上状態カウント値が示唆率向上状態の終了条件判定値に達していれば(ステップS1705;Yes)、示唆率向上状態を終了させるため、示唆率向上フラグをオフ状態にリセットする(ステップS1706)。ステップS1706の後や、示唆率向上状態カウント値が示唆率向上状態終了の終了条件判定値に達していないと判定された場合(ステップS1705;No)、示唆率向上状態終了判定処理を終了する。
図48は、図18のステップS175及びS177の処理内にて実行される第2モード移行設定処理の一例を示すフローチャートである。第2モード移行設定処理は、可変表示結果が「大当り」や「小当り」となったことを契機に演出モードを移行させるための処理である。図48に示す第2モード移行設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば可変表示結果通知コマンドのEXTデータを読み取ることなどにより、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「確変」であるか否かを判定する(ステップS1721)。
このとき、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「確変」であれば(ステップS1721;Yes)、大当り遊技状態終了後に、モードKに移行させるモード移行を実行する旨の決定がなされる(ステップS1722)。その後、第2モード移行設定処理を終了する。
可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「確変」でなければ(ステップS1721;No)、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「非確変」であるか否かを判定する(ステップS1723)。
このとき、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「非確変」であれば(ステップS1723;Yes)、大当り遊技状態終了後に、演出モードをモードJに移行させるモード移行を実行する旨の決定がなされる(ステップS1724)。その後、第2モード移行設定処理を終了する。
ステップS1723にて、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「非確変」でないと判定された場合(ステップS1723;No)、例えば可変表示結果通知コマンドのEXTデータを読み取ることなどにより、可変表示結果を特定する(ステップS1730)。ここでは、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「突確」または「突確」であること、あるいは、可変表示結果が「小当り」であることが特定される。
続いて、例えば遊技状態バッファの記憶内容などから、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、時短状態、第1確変状態及び第2確変状態のいずれであるかを特定する(ステップS1731)。また、RAM122に設けられた示唆率向上フラグがオン状態であるかオフ状態であるかを確認する(ステップS1732)。
そして、ステップS1730にて特定した可変表示結果や、ステップS1731にて特定した遊技状態に基づいて、図43に示すモード移行決定テーブル167Aまたは167Bのいずれかを選択してセットする(ステップS1733)。ステップS1733では、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「突確」である場合、または、可変表示結果が「小当り」であって遊技状態が高確状態(第1確変状態、第2確変状態)である場合には、モード移行決定テーブル167Aがセットされ、可変表示結果が「大当り」であって大当り種別が「突然時短」である場合、または、可変表示結果が「小当り」であって遊技状態が低確状態(時短状態、通常状態)である場合には、モード移行決定テーブル167Aがセットされる。
続いて、例えばRAM122に設けられたランダムカウンタなどから、演出モード移行決定用の乱数値を示す数値データを抽出する(ステップS1734)。そして、抽出した乱数値を示す数値データに基づき、モード移行決定テーブル167Aまたは167Bを参照することにより、移行する演出モードを決定する(ステップS1735)。このときには、示唆率向上フラグがオン状態であるか否かや、示唆率向上状態における変動回数(示唆率向上状態カウント値)に応じて異なる決定割合で、移行先の演出モードが決定される。
モード移行決定テーブル167Aは、モード移行後の遊技状態が高確状態である場合に使用されるテーブルである。モード移行決定テーブル167Aの設定では、示唆率向上状態ある場合には、示唆率向上状態でない場合に比べて、モードBよりモードAに移行する割合が高くなるようになっている。モード移行決定テーブル167Bは、モード移行後の遊技状態が低確状態である場合に使用されるテーブルである。モード移行決定テーブル167Bの設定では、示唆率向上状態である場合には、示唆率向上状態でない場合に比べて、モードAよりモードBに移行する割合が高くなるようになっている。これにより、示唆率向上状態においてモードAまたはモードBに移行した場合(示唆率向上状態において、「突確」、「突然時短」、または「小当り」などになった場合)には、その後の遊技状態が把握しやすくなるため、示唆率向上状態を遊技者にメリットのある状態とすることができる。また、示唆率向上状態の変動回数によっても、演出モードの移行割合が異なるので、示唆率向上状態のどの段階でモードAまたはモードBに移行したかに遊技者が注目するようになり、遊技の興趣が向上する。
ステップS1735の後には、共通演出モード継続回数カウンタをリセットしてから(ステップS1736)、第2モード移行設定処理を終了する。
以上説明したように、この実施の形態では、モードAやモードBの演出モードであるときに、モード移行を実行すると判定された場合には、モードNの演出モードに移行する場合がある。モードNに移行してから所定期間が経過するまでの間に可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となった場合は、所定期間が経過してから可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となった場合に比べて、モードBよりもモードAに移行されやすい示唆率向上状態となる。示唆率向上状態において、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」又は「突然時短」となった場合や、可変表示結果が「小当り」である場合には(モードAまたはモードBに移行する場合には)、現在の遊技状態を把握しやすくなるというメリットを遊技者に与えることができ、遊技状態が通常状態となった後にも遊技者に遊技を継続させやすくすることができる。
また、示唆率向上状態の終了条件が複数設けられており、図44に示す背景色決定テーブル168に基づいて、終了条件に応じて異なる割合で示唆率向上状態における背景色が決定される。示唆率向上状態における背景色により、示唆率向上状態の終了条件を遊技者に示唆することができるようになり、遊技の興趣が向上する。
また、示唆率向上状態において、示唆率向上状態終了条件変更判定(図47のステップS1701)を行い、予め定められた変更条件が成立していれば、示唆率向上状態の終了条件をより成立しにくい終了条件に変更する。これにより、変更条件の成立に遊技者が興味を持つようになり、遊技の興趣が向上するとともに、終了条件がより成立しにくい終了条件となることで、より遊技者に遊技を継続させやすくすることができる。
また、同じ示唆率向上状態であっても、示唆率向上状態となってからのどの段階(変動回数)でモードAまたはモードBに移行されたかによって、確変状態である可能性が異なるので、モードAまたはモードBに移行されタイミングに遊技者が注目するようになり、遊技の興趣が向上する。
また、図46(A)のステップS1654では、モードAまたはモードBにおける変動回数に応じて、示唆率向上状態の終了条件として、異なる終了条件がセットされるので、遊技の興趣が向上する。また、高確状態であることが高いことを示唆する演出モードであるモードAまたはモードBが短期間で終了してしまった場合、遊技者が落胆するが、その場合には示唆率向上状態の終了条件が有利になるので、興趣の低下を防止できる。
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
上記実施の形態では、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第1特図を用いた特図ゲームが実行され、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第2特図を用いた特図ゲームが実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかにかかわらず共通の特別図柄を用いた特図ゲームが実行されるものであってもよい。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機、さらには遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、可変表示装置で導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。