以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が打ち込まれる。
遊技領域のほぼ中央位置には、可変入賞装置40が設けられている。可変入賞装置40の右側方には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、可変表示ゲームとしての特図ゲームにおいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報である特別図柄(「特図」ともいう)を、変動可能に表示(可変表示)する。一例として、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。例えば、「0」〜「9」を示す数字のそれぞれに対して、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号に対して、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにより可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにより可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて表示される特別図柄としては、「0」〜「9」を示す数字などに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが予め設定されていてもよい。
可変入賞装置40の左側方には、普通図柄表示装置20が設けられている。一例として、普通図柄表示装置20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。普通図柄表示装置20は、例えば通過ゲート41を通過した遊技球が図5に示すゲートスイッチ21によって検出されたことを実行条件とする普図ゲームにおいて、普通図柄の可変表示を行う。そして、例えば普通図柄の可変表示結果として「−」を示す記号が表示された場合には「普図ハズレ」となる。その一方で、例えば普通図柄の可変表示結果として「7」を示す数字が表示された場合には「普図当り」となる。
可変入賞装置40の下方には、普通入賞球装置6A、特別可変入賞球装置7、アウト口69などが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。特別可変入賞球装置7は、例えば図5に示す開閉扉用ソレノイド54によって開閉駆動される大入賞口扉61を有し、その大入賞口扉61によって、大入賞口60を第1の状態となる開放状態と第2の状態となる閉鎖状態とに変化させる。アウト口69は、遊技領域の最下方において、いずれの入賞領域にも入賞しなかった遊技球を取り込んで遊技領域の外部へと排出する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図5に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出されるとともに、第1特別図柄表示装置4Aによる特別図柄の可変表示を実行するための第1始動条件(第1実行条件ともいう)が成立する。
特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口60に進入した遊技球は、例えば図5に示す下方カウントスイッチ26によって検出される。下方カウントスイッチ26によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。特別可変入賞球装置7では、開閉扉用ソレノイド54がオフ状態であるときに、大入賞口扉61が大入賞口60を第1の状態としての閉鎖状態にする。他方、開閉扉用ソレノイド54がオン状態であるときには、大入賞口扉61が大入賞口60を第2の状態としての開放状態にする。このように、特別可変入賞球装置7は、遊技者にとって有利な第1の状態と遊技者にとって不利な第2の状態とに変化する特定動作を行う変動入賞装置を構成する。
可変入賞装置40の右側方には、通過ゲート41や普通可変入賞球装置6Bも設けられている。普通可変入賞球装置6Bは、例えば図5に示す普電用ソレノイド55によって垂直位置と傾動位置とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。例えば、普通可変入賞球装置6Bでは、普電用ソレノイド55がオン状態であるときに、可動翼片が傾動位置となることにより、垂直位置にあるときよりも遊技球が第2始動入賞口を通過しやすい通過有利状態としての拡大開放状態(始動開放状態)となる。これに対して、普電用ソレノイド55がオフ状態であるときには、可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過しにくい通過不利状態としての通常開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通過不利状態となる通常開放状態であるときに、遊技球が第2始動入賞口を通過することができない始動閉鎖状態となるように構成してもよいし、遊技球が第2始動入賞口を通過することはできるものの、通過有利状態である拡大開放状態のときよりも遊技球が通過する可能性を低下させるように構成してもよい。
このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が通過しがたい通過不利状態と遊技球が通過しやすい通過有利状態とに変化させる始動入賞装置を構成する。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図5に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば4個)の遊技球が賞球として払い出されるとともに、第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示を実行するための第2始動条件(第2実行条件ともいう)が成立する。普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することは「始動入賞」ともいい、第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は「始動入賞球」ともいう。
遊技盤2に形成された遊技領域には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、この遊技領域には、単一又は複数の一般入賞口も設けられている。各一般入賞口は、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる。一般入賞口を通過(進入)した遊技球は、所定の一般入賞球スイッチによって検出される。一般入賞球スイッチによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
図2(A)及び(B)は、可変入賞装置40の構成例を示している。可変入賞装置40は、特別電動役物の1つであり、単に「役物」ということもある。可変入賞装置40の右上部には、可動部材としての羽根部材(役物開閉部材)32が、摺動変化可能に設けられている。また、羽根部材32の設置箇所には、遊技球が可変入賞装置40の内部へと進入可能に形成された役物進入口31が設けられている。羽根部材32は、例えば連係アームといった所定のリンク機構などを介して、図5に示す羽根用ソレノイド53におけるコイルに内装されたプランジャなどに連結されている。そして、羽根用ソレノイド53がオフ状態であるときには、羽根部材32が役物進入口31を閉塞することにより、可変入賞装置40の内部に遊技球が進入できない閉鎖状態とする。他方、羽根用ソレノイド53がオン状態であるときには、羽根部材32が役物進入口31を開放することにより、可変入賞装置40の内部に遊技球が進入できる開放状態とする。なお、羽根部材32は、摺動変化可能に構成されたものに限定されず、例えば回動可能に構成されることにより、役物進入口31を、可変入賞装置40の内部に遊技球が進入可能な開放状態と進入不可能な閉鎖状態とに変化させることができるものであればよい。こうした役物進入口31を開放状態と閉鎖状態とに変化させる動作は、始動動作あるいは役物開閉動作(単に「開閉動作」ともいう)と称する。
可変入賞装置40の内部には、例えば球経路34などといった、遊技球が流下や転動をして通過可能な球経路が設けられている。また、可変入賞装置40の左側には、足模型51を備えた人形模型47が設けられている。可変入賞装置40の内部に進入した遊技球は、球経路34を通過した後に、例えば特定領域49や通常領域50などといった、複数の領域のいずれかを通過(進入)して、可変入賞装置40の外部へと排出される。このとき、特定領域49に進入した遊技球は、特定領域スイッチ24によって検出される。すなわち、特定領域スイッチ24は、可変入賞装置40に設けられた複数の領域のうち、特定領域49を通過(進入)した遊技球を検出する。この実施の形態では、小当り遊技状態における役物開閉動作で羽根部材32により開放状態となった役物進入口31より可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が、特定領域49を通過(進入)して特定領域スイッチ24によって検出されたときに、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御することができる。
図2(A)では、役物進入口31が閉鎖状態となっており、図2(B)では、役物進入口31が開放状態となっている。役物進入口31は、可変入賞装置40の内部と外部とを連通させる開口部であり、図2(B)に示すような開放状態であるときに、遊技球を可変入賞装置40の外部から内部に進入させることができる。このように、遊技球が可変入賞装置40の外部から内部へと進入することは「役物入賞」ともいい、進入した遊技球は「役物入賞球」ともいう。
図3(A)及び(B)は、球経路34へと誘導された遊技球の流れを示す図である。図2(A)や図3(A)及び(B)に示すように、球経路34の付近には、装飾模型の一例として、人形模型47が設けられている。人形模型47には、振分部材となる可動部材の一例として、足模型51が取り付けられている。足模型51は、所定のリンク機構などを介して、図5に示す振分用ソレノイド52におけるコイルに内装されたプランジャなどに連結されている。なお、振分用ソレノイド52は、人形模型47に取り付けられた口飾り模型などにも連結され、足模型51と連係して動作させるようにしてもよい。
振分用ソレノイド52がオン状態であるときには、図3(A)に示すように、足模型51が球経路34の上方向に移動し、球経路34を流下する遊技球には接触しないように退避する。このとき、球経路34を流下した遊技球は、足模型51には接触することなく、ステージ35へと振り分けられるように誘導される。これに対して、振分用ソレノイド52がオフ状態であるときには、図3(B)に示すように、足模型51が下方向に移動して、球経路34を流下する遊技球と接触するように進出する。このとき、球経路34を流下した遊技球は、足模型51に接触して、球経路36へと振り分けられるように誘導される。
この実施の形態では、ステージ35へと振り分けられた遊技球が全て特定領域49を通過(進入)して、特定領域スイッチ24によって検出される。その一方で、球経路36へと振り分けられた遊技球が全て通常領域50を通過(進入)して可変入賞装置40の外部へと排出される。したがって、振分用ソレノイド52がオン状態であるときに球経路34を通過した遊技球は全て特定領域49を通過(進入)する一方、振分用ソレノイド52がオフ状態であるときに球経路34を通過した遊技球は全て通常領域50を通過(進入)することになる。このように、球経路34やステージ35、球経路36は、可変入賞装置40の内部に進入した遊技球を、特定領域49や通常領域50といった複数の領域のいずれかに誘導する誘導経路を形成している。
特定領域49を通過(進入)した遊技球は、図5に示す特定領域スイッチ24によって検出された後、可変入賞装置40の外部へと排出されるときに、排出口スイッチ25によって検出される。通常領域50を通過(進入)した遊技球は、特定領域スイッチ24によって検出されることなく、可変入賞装置40の外部へと排出されるときに、排出口スイッチ25によって検出される。
可変入賞装置40の入賞空間内において、例えば可変入賞装置40の中央背面(奥面)部分などには、画像表示装置5が配置されている。画像表示装置5は、例えば液晶表示器(LCD;Liquid Crystal Display)といった、多数の画素(ピクセル)を用いたドットマトリクス方式による画面表示を行うものであればよい。画像表示装置5には、演出画像を表示する表示領域が形成されている。また、画像表示装置5は、特別図柄や普通図柄とは異なり各々を識別可能な複数種類の装飾識別情報となる飾り図柄などを可変表示(変動表示)する装飾可変表示手段となる。例えば、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して、3つに分割された飾り図柄可変表示部にて、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄を可変表示する。この飾り図柄の可変表示も、開始条件が成立したことに基づいて行われる可変表示ゲームに含まれる。第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおける特別図柄の可変表示が実行されるときには、飾り図柄の可変表示とは異なる演出表示が実行されてもよい。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄可変表示部が配置され、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが実行されることに対応して、各飾り図柄可変表示部にて飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄表示装置4Aによる特別図柄の可変表示が開始されるときには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部にて飾り図柄の可変表示(例えばスクロール表示や更新表示など)を開始させ、その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示(導出表示)されるときに、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部にて飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示(導出表示)される。「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部は、互いに接着して、あるいは、分離して、あるいは、接着及び分離が可能に設けられ、画像表示装置5の表示領域内で移動可能とされ、飾り図柄を縮小あるいは拡大して表示することができるようにしてもよい。
特別図柄や飾り図柄などが導出表示されたときには、各図柄の可変表示における表示結果が確定的に完全停止表示され、それ以後は今回の可変表示が進行しないことを遊技者が認識できる表示状態となる。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部では、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字「一」〜「八」、英文字「A」〜「H」、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなど。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す演出画像であればよい)が、飾り図柄として変動可能に表示される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字のそれぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されていればよい。また、こうした8種類の飾り図柄の他に、ブランク図柄(当り組合せを構成しない図柄)が含まれていてもよい。なお、可変表示される飾り図柄の種類数は、8種類のものに限定されず、任意の複数種類からなる飾り図柄であればよい。
画像表示装置5の表示領域において飾り図柄の可変表示が開始されると、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部では、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへとスクロール表示や更新表示が行われ、図柄番号が最大の「8」である飾り図柄が表示されると、次に図柄番号が最小の「1」である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄可変表示部のうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄可変表示部など)においては、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示や更新表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。 飾り図柄の可変表示中には、例えば可変表示結果が「大当り」や「小当り」となることを予告する予告演出画像といった、各種の演出表示を行うための画像が、画像表示装置5の表示領域内において表示されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5の表示領域には、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した有効始動入賞球数としての特図保留記憶数を表示する特別図柄始動記憶表示エリアが設けられていてもよい。具体的な一例として、特図保留記憶数が1加算されたときには、通常青色であった表示部位のうちの1つ(例えば青色となっている表示部位のうち左端の表示部位)を赤色表示に変化させる。これに対して、特図保留記憶数が1減算されたときには、赤色表示されている表示部位のうちの1つ(例えば赤色となっている表示部位のうち右端の表示部位)を青色表示に戻す。あるいは、特別図柄始動記憶表示エリアでは、特図保留記憶数を示す数字を表示することなどにより、特図保留記憶数を遊技者等が認識できるようにしてもよい。
加えて、画像表示装置5の表示領域には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにより実行される特図ゲームにて可変表示される特別図柄を、飾り図柄とは別個に特定可能として表示する特別図柄可変表示エリアが設けられていてもよい。一例として、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにて特別図柄の可変表示が開始されたことに対応して、特別図柄可変表示エリアにて特別図柄の可変表示に対応した「◎」や「○」、「×」などを示す演出画像の変動が開始される。その後、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示が終了して確定特別図柄が停止表示されることに対応して、特別図柄可変表示エリアにて確定特別図柄に対応して予め定められた「◎」や「○」、「×」などの演出画像を停止表示すればよい。例えば、特図ゲームにおける確定特別図柄が大当り図柄である場合には特別図柄可変表示エリアに「◎」を停止表示し、小当り図柄である場合には「○」を停止表示し、ハズレ図柄である場合には「×」を停止表示すればよい。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bの上方には、特図保留表示器15Aが設けられている。特図保留表示器15Aは、例えば4個のLEDを含んで構成され、特図保留記憶数を表示する。また、普通図柄表示装置20の上方には、普図保留表示器15Bが設けられている。普図保留表示器15Bは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7、可変入賞装置40等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。例えば、打球操作ハンドル30は、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドル30には、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
図4は、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に示している。パチンコ遊技機1では、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bの検出信号がオン状態になり、始動入賞が発生すると、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる特図表示結果を「大当り」や「小当り」、「ハズレ」のいずれとするかを決定するための抽選が行われる。この実施の形態では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームでは、特図表示結果が「大当り」、「小当り」及び「ハズレ」のいずれかとなる一方、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームでは、特図表示結果が「小当り」のみとなる。こうした抽選結果に基づいて、特別図柄や飾り図柄の可変表示が実行される。
ここで、第2始動入賞口は、普通図柄表示装置20による普通図柄を用いた普図ゲームにおける可変表示結果としての普図表示結果が「普図当り」となったときに、普電用ソレノイド55の駆動制御により遊技球が通過(進入)しにくい通過不利状態から通過(進入)しやすい通過有利状態へと変化する。その一方で、普図ゲームにおける普図表示結果が「普図ハズレ」となったときには、第2始動入賞口が通過不利状態に維持されて、次の普図ゲームを実行可能になる。
特図表示結果や飾り図柄の可変表示結果が導出表示されて可変表示が終了すると、特図表示結果が特定表示結果としての「大当り」に決定されている場合には、遊技状態が特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態では、予め定められた動作単位の特定動作となるラウンドが実行可能となり、特別可変入賞球装置7に設けられた大入賞口扉61によって開閉される大入賞口60が、遊技球の進入不可能な閉鎖状態から遊技球の進入可能な開放状態となる。一例として、大入賞口扉61は、開閉扉用ソレノイド54の駆動により、大入賞口60を閉鎖状態から開放状態へと変化させた後、所定時間(例えば29000ms)が経過したこと、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生したことに応じて、大入賞口60を開放状態から閉鎖状態へと変化させる。こうした大入賞口60を閉鎖状態から開放状態とした後、再び閉鎖状態へと変化させるまでの動作単位が、1回のラウンドとして定められている。また、大当り遊技状態にてラウンドを繰り返し実行可能(継続可能)な最大継続回数としての大当り時ラウンド数(ラウンド最大値あるいは大入賞口最大開放回数とも称される)は、例えば「15」といった、予め定められた所定数であればよい。なお、大当り遊技状態に制御された経緯や所定の抽選結果などに応じて、大当り時ラウンド数が複数種類のいずれかに決定されるようにしてもよい。
特図表示結果が開放表示結果としての「小当り」に決定されている場合には、遊技状態が小当り遊技状態に制御される。小当り遊技状態では、可変入賞装置40に設けられた羽根部材32によって開閉される役物進入口31が、遊技球の進入不可能な閉鎖状態から遊技球の進入可能な開放状態となる役物開閉動作が行われる。この実施の形態において、役物開閉動作で役物進入口31が開放状態となる時間(開放時間)は、2000ms(ミリ秒)であり、開放状態になる回数(開放回数)は、1000msのインターバルを挟んで2回となっている。役物開閉動作が開始されるタイミングは、特図表示結果が所定時間(例えば1000ms)にわたり確定表示(導出表示)された後である。そして、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始してから特図表示結果が導出表示されるまでの時間(特図変動時間)は、特別図柄の変動パターンが複数種類のいずれに決定されたかに応じて異ならせている。したがって、役物開閉動作により役物進入口31が開放状態となるタイミングは、特別図柄の変動パターンに応じて異なるものとなっている。特図ゲームにおける特別図柄の変動が開始されてから役物開閉動作により役物進入口31が開放状態となるまでの所要時間は「始動開始時間」ともいう。すなわち、始動開始時間は、特別図柄の変動パターンに対応したものとなっている。
この実施の形態では、特図表示結果が「小当り」となる場合の小当り種別として、「小当りA」〜「小当りD」の4種類が設けられている。そして、特図表示結果が「小当り」に決定された場合には、小当り種別が「小当りA」〜「小当りD」のいずれに決定されたかに応じて、特別図柄の変動パターン、及びそれに対応する特図変動時間の決定割合が異なっている。したがって、役物開閉動作により役物進入口31が開放状態となるタイミングは、小当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて異なるものとなっている。
また、特図表示結果が「小当り」に決定されている場合には、振分用ソレノイド52の駆動制御により、特図ゲームにおける特別図柄の変動開始タイミングから所定の経路閉鎖時間(例えば10000ms)が経過したときに、可変入賞装置40の内部に設けられた振分部材としての足模型51が上方向に移動して、球経路34を流下する遊技球に接触しない位置へと退避する。そして、足模型51が退避してから所定の経路開放時間(例えば9000ms)が経過すると、再び足模型51が下方向に移動して、球経路34を流下する遊技球に接触する位置へと進出する。したがって、役物進入口31から可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が足模型51に接触せずにステージ35へと誘導されて特定領域49を通過(進入)する確率は、特別図柄の変動パターンに対応した始動開始時間や小当り種別の決定結果などに応じて異なるものとなっている。
この実施の形態では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームに対応して小当り種別が「小当りA」〜「小当りD」のいずれに決定された場合であっても、役物進入口31から可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が特定領域49へと誘導されることがないように、特別図柄の変動パターンに対応した始動開始時間が設定される。その一方で、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームに対応して小当り種別が「小当りB」に決定された場合に、役物進入口31から可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が必ず(100%の確率で)特定領域49を通過(進入)してV入賞が発生するように、特別図柄の変動パターンに対応した始動開始時間が設定される。第2特図を用いた特図ゲームに対応して小当り種別が「小当りC」又は「小当りD」に決定された場合には、役物進入口31から可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が特定領域49を通過(進入)してV入賞が発生することがない(0%の確率となる)ように、特別図柄の変動パターンに対応した始動開始時間が設定される。第2特図を用いた特図ゲームに対応して小当り種別が「小当りA」に決定された場合には、後述する役物進入口31の開放モードに応じて、遊技球が特定領域49を通過(進入)してV入賞が発生する確率が変化するように、特別図柄の変動パターンに対応した始動開始時間が設定される。
役物開閉動作により開放状態となった役物進入口31から可変入賞装置40の内部に進入した遊技球(役物入賞球)が特定領域49を通過(進入)して特定領域スイッチ24によって検出されるとV入賞が発生する。V入賞が発生したときには、特図表示結果が「大当り」となった場合と同様に、遊技状態が大当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態が終了した後には、通常状態や大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態とは異なり、通常状態に比べて遊技者にとって有利な特別遊技状態としての有利状態に制御される。なお、通常状態は、大当り状態や小当り状態、特別遊技状態としての有利状態とは異なる遊技状態であり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率などが、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一に制御される。有利状態では、例えば普通図柄表示装置20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間である普図変動時間を通常状態等のときよりも短くする制御(普図の時間短縮制御)や、各回の普図ゲームにおける普図表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態等のときよりも向上させる制御(普図の確率変動制御)、普図表示結果が「普図当り」となったことに基づき第2始動入賞口を通過有利状態とする普電開放時間や普電開放回数を通常状態等のときよりも増加させる制御(始動入賞口の延長開放制御)、あるいは、これらの一部又は全部を組み合わせた制御といった、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい通過有利状態となる頻度を向上させて特図ゲームの実行条件(特図始動条件)が成立する可能性を高めることで、遊技者にとって有利となる有利開放制御(高開放制御)が行われる。
この実施の形態では、大当り遊技状態が終了した後、特図ゲームの実行回数が所定回数に達するまで、遊技状態が有利状態に制御される。有利状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数は、大当り遊技状態に制御された経緯や所定の抽選結果などに応じて、複数種類のいずれかに設定されてもよい。例えば、有利状態にて特図ゲームでの特図表示結果が「小当り」となったことに基づく始動動作状態で遊技球が特定領域49を通過(進入)してV入賞が発生したことにより大当り遊技状態に制御された場合には、その大当り遊技状態の終了後に制御される有利状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数が「10」に設定される。また、有利状態にて特図ゲームでの特図表示結果が「大当り」となったことにより大当り遊技状態に制御された場合には、その大当り遊技状態の終了後に制御される有利状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数が「15」に設定される。通常状態にて特図ゲームでの特図表示結果が「小当り」となったことに基づく始動動作状態で遊技球が特定領域49を通過(進入)してV入賞が発生したことにより大当り遊技状態に制御された場合には、その大当り遊技状態の終了後に制御される有利状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数が「3」に設定される。通常状態にて特図ゲームでの特図表示結果が「大当り」となったことにより大当り遊技状態に制御された場合には、その大当り遊技状態の終了後に制御される有利状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数が「5」に設定される。なお、大当り遊技状態に制御されるときには、有利状態が終了して、その大当り遊技状態が終了するときに、改めて有利状態が開始されるようにすればよい。
特図表示結果が「小当り」に決定されている場合には、小当り種別が「小当りA」〜「小当りD」のいずれに決定されたかに応じて、役物進入口31の開放モードが変更されることがある。この実施の形態では、役物進入口31の開放モードとして、通常開放モードと有利開放モードという、2種類の開放モードが用意されている。通常開放モードであるときには、第2特図を用いた特図ゲームにおいて小当り種別が「小当りA」に決定された場合に、役物進入口31から可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が特定領域49を通過(進入)してV入賞が発生することがない(0%の確率となる)ように、特別図柄の変動パターンに対応した始動開始時間が設定される。これに対して、有利開放モードであるときには、第2特図を用いた特図ゲームにおいて小当り種別が「小当りA」に決定された場合に、役物進入口31から可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が必ず(100%の確率で)特定領域49を通過(進入)してV入賞が発生するように、特別図柄の変動パターンに対応した始動開始時間が設定される。
この実施の形態では、特図表示結果が「小当り」に決定され、小当り種別が「小当りC」に決定された場合に、役物進入口31の開放モードを有利開放モードとする制御を開始させる。その一方で、特図表示結果が「小当り」に決定され、小当り種別が「小当りD」に決定された場合には、役物進入口31の開放モードを通常開放モードに復帰させる制御を行う。このような制御を実現するために、小当り種別が「小当りC」又は「小当りD」に決定された場合には、第2特図を用いた特図ゲームにおいて特図表示結果が「小当り」に決定されたときに特別図柄の変動パターンを決定するために用いられる変動パターン決定テーブルの選択が変更される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームにおける特図表示結果が「大当り」や「小当り」、「ハズレ」に決定される場合、すなわち、第2特図を用いた特図ゲームにおける特図表示結果が「小当り」に決定される場合以外では、小当り種別が「小当りC」又は「小当りD」に決定されたときでも、その小当り種別に決定される以前と同一の変動パターン決定テーブルを選択すればよい。
また、大当り遊技状態に制御されることは、役物進入口31の開放モードを変更する条件にはなっていない。すなわち、大当り遊技状態の終了後には、その大当り遊技状態に制御される以前の開放モードが維持される。したがって、大当り遊技状態の終了後に有利状態に制御された後でも、小当り種別が「小当りC」又は「小当りD」に決定されるまでは、その有利状態に制御される以前と同一の変動パターン決定テーブルを選択すればよい。
画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の飾り図柄可変表示部の全部にて飾り図柄の変動表示(例えば上下方向や左右方向のスクロール表示、あるいは回転表示といった更新表示など)が行われ、第1特図の可変表示結果が導出表示されることに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。すなわち、「左」、「中」、「右」の飾り図柄可変表示部は、第1特図の可変表示に同期して飾り図柄の変動表示を行う。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部において飾り図柄の可変表示が開始されてから確定飾り図柄の導出表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、停止表示された飾り図柄が予め定められた特定組合せ(例えば「左」、「中」、「右」の飾り図柄可変表示部にて同一の飾り図柄が揃った組合せ)の一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が特定組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄可変表示部における一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄可変表示部など)では予め定められた特定組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの可変表示部(例えば「中」の飾り図柄可変表示部など)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄可変表示部における全部又は一部で飾り図柄が特定組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行されることがある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる効果音出力動作や、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体の点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出態様では特図表示結果が「大当り」や「小当り」となる可能性(「信頼度」ともいう)などが異なる。
この実施の形態では、特図表示結果が「ハズレ」となる場合に対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、ハズレ組合せのうちで所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、「非リーチ」(「リーチ無しハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合と、第1特図を用いた特図ゲームにて特図表示結果が「小当り」となる場合とに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となり、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、ハズレ組合せのうちで所定のリーチ組合せ(リーチハズレ組合せともいう)となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図表示結果が「大当り」となる場合に対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となり、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、特定組合せとしての当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。ここで、当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄可変表示部にて所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って導出表示されるものであればよい。このような飾り図柄の可変表示態様は、「大当り」の可変表示態様と称される。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、当り組合せの確定飾り図柄が導出表示される可能性があることを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。この実施の形態では、「擬似連」や「滑り」といった可変表示演出が実行可能であり、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して、各々の演出動作を実行するか否かが決定される。
「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄可変表示部における全部にて飾り図柄を変動させてから、2つ以上の飾り図柄可変表示部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄可変表示部など)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した可変表示部のうち所定数(例えば「1」又は「2」)の飾り図柄可変表示部(例えば「左」の飾り図柄可変表示部と「右」の飾り図柄可変表示部のいずれか一方又は双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの開始条件が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄可変表示部における全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄可変表示部にて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大2回まで)行うことができる。一例として、「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄可変表示部にて、予め単一種類又は複数種類に定められた擬似連チャンス目となる飾り図柄が仮停止表示され、続いて一旦は仮停止表示された各飾り図柄可変表示部の飾り図柄が再変動表示されればよい。
「擬似連」の可変表示演出では、擬似連変動(再変動)の回数が多いほど、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性や、当り組合せの確定飾り図柄が導出表示される可能性が高くなるように設定されていればよい。これにより、遊技者は、擬似連チャンス目となる飾り図柄が仮停止表示されることで「擬似連」の可変表示演出が行われることを認識でき、擬似連変動の回数が多くなるに従ってリーチ状態となる期待感や当り組合せの確定飾り図柄が導出表示される期待感が高められる。この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、特図ゲームの開始条件が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示があたかも1回〜3回続けて開始されたかのように見せることができる。
「擬似連」の可変表示演出が実行される際には、初回変動を含む複数回の変動表示(擬似連変動)に伴って、関連する表示演出などによる再変動演出が実行されるようにしてもよい。一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、遊技領域の内部又は外部に設けられた複数の装飾用LEDのうちで点灯されるものが1つずつ増えていくように制御されてもよい。また、各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、装飾用LEDの表示色が変化するように制御されてもよいし、複数の装飾用LEDのうちで点灯されるものが変化するように制御されてもよい。他の一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、遊技領域の内部又は外部に設けられた演出用の装飾部材(演出用模型)が動作するように制御されてもよい。さらに他の一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、画像表示装置5の表示領域において特定のキャラクタ画像といった所定の演出画像を表示するように制御されてもよい。これらの再変動演出の一部又は全部に加えて、あるいは、これらの再変動演出の一部又は全部に代えて、装飾用LEDの点灯や点滅、演出用模型の動作、演出画像の表示のうち、一部又は全部を組み合わせた再変動演出を実行するように制御されてもよい。このとき、1種類の演出態様のみで再変動演出が実行される場合よりも、複数種類の演出態様を組み合わせた再変動演出が実行される期間を含んでいる場合や、複数回の再変動演出における演出態様が変化する場合に、リーチ状態となる可能性や当り組合せの確定飾り図柄が導出表示される可能性が高まるようにしてもよい。
再変動演出として実行される演出動作は、例えばスピーカ8L、8Rからの音声出力や、遊技効果ランプ9といった他の装飾発光体の点灯動作といった、任意の演出動作を含んだものであってもよい。また、例えばスピーカ8L、8Rによる音声や効果音の出力の違い、演出対象物(例えば演出用模型など)の動きの違い(動作速度の違い、動作する距離の違い、動作方向の違いなど)、画像表示装置5の表示領域に表示されるキャラクタ画像の動きの違い(動作速度の違い、動作する距離の違い、動作方向の違いなど)によって再変動演出の演出態様を相違させたり、画像表示装置5の表示領域においてキャラクタ画像ではなく文字表示を変化させたり背景画像の表示を変化させたりして、再変動演出における演出態様を相違させてもよい。さらに、飾り図柄の変動中に実行される再変動演出とは別に、擬似連チャンス目となる飾り図柄の仮停止時などに、例えばスピーカ8L、8Rからの音声出力や、遊技効果ランプ9などの装飾発光体の点灯動作といった、任意の演出動作によりチャンス目が仮停止表示されたことを遊技者が認識できるようにしてもよい。
また、役物開閉動作により開放状態となった役物進入口31から可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が検出されたときには、例えば所定の演出画像を表示するといった演出動作により、遊技球が特定領域49を通過(進入)する期待度としてのV入賞期待度などを、遊技者が特定可能に報知するための入賞時予告演出が実行されることがあるようにしてもよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図5に示す振動センサ70や磁石センサ71、電波センサ72といった、不正行為や不正動作を感知する各種のセンサが、所定位置に設けられていてもよい。一例として、遊技領域の内部における所定位置に対応した遊技盤2の裏面には、振動センサ70や磁石センサ71、電波センサ72が設けられ、パチンコ遊技機1を振動させることによる不正行為や、磁石または電波を用いた不正行為を感知できるようにしてもよい。振動センサ70は、遊技機用枠3の裏面における所定位置に設けられてもよい。振動センサ70は、例えば可変入賞装置40の内部に遊技球が進入したときに遊技機用枠3を叩いて遊技球の動きに変化を与えて特定領域49に進入させるといった、不正行為により生じる振動を検出する。磁石センサ71は、例えば可変入賞装置40に設けられた特定領域49に磁力で遊技球を誘導すること、あるいは、普通入賞球装置6Aに設けられた第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bに設けられた第2始動入賞口に磁力で遊技球を誘導することといった、不正行為に用いられる磁石を検出する。電波センサ72は、例えば図5に示す第1及び第2始動口スイッチ22A、22Bや役物カウントスイッチ23、特定領域スイッチ24、下方カウントスイッチ26などの各種スイッチや検出器から出力される検出信号を電波によりオン状態とすることといった、不正行為に用いられる電波を検出する。
パチンコ遊技機には、例えば図5に示すような主基板11及び演出制御基板12といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための信号中継基板13なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11には、遊技盤2に設けられた各スイッチ21、22A、22B、23〜26や各センサ70、71、72からの信号が入力される。主基板11からは、遊技盤2に設けられた各ソレノイド52〜55を駆動制御するための駆動信号が出力される。また、主基板11からは、遊技の進行状況に応じた画像表示制御や電飾制御、効果音出力制御といった演出制御を指示する電気信号としての演出制御コマンドが出力され、演出制御基板12へと伝送される。加えて、主基板11からは、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示装置20等の表示状態を制御するための表示制御信号が出力される。さらに、主基板11からは、所定の情報端子基板などに対して、各種の遊技情報が伝送されるようにしてもよい。
主基板11は、主として、特図ゲームや普図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータ(ホール管理用コンピュータ)に対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示装置20を構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って特図ゲームにおける特別図柄の可変表示や普図ゲームにおける普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路101、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令に従って各種ソレノイドに対する駆動制御信号を出力するソレノイド回路102などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、信号中継基板13を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型等を含んだ演出用の電気部品である各種の演出装置による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDにおける点灯/消灯動作、演出用模型の駆動動作といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行するための制御内容を決定する機能を備えている。一例として、演出制御基板12には、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120や、表示制御部121、音制御部122、ランプ制御部123などが搭載されている。なお、表示制御部121や音制御部122、ランプ制御部123の全部又は一部の機能を実現するための各種回路が、演出制御基板12とは別個に設けられた制御基板に搭載されるように構成してもよい。
主基板11から演出制御基板12に向けて出力される制御信号としての演出制御コマンドは、信号中継基板13によって中継される。主基板11には、例えば信号中継基板13に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ100との間には、出力バッファ回路が接続されている。出力バッファ回路は、主基板11から信号中継基板13を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、信号中継基板13から主基板11への信号の入力を阻止する。従って、演出制御基板12や信号中継基板13の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。
信号中継基板13を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。図6(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図6(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
演出制御コマンドは1バイト(8ビット)の演出制御コマンドデータを単位として、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板12に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ120は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込み処理によって1バイトのデータ取込み処理を開始する。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ120では、演出制御INT信号が、演出制御コマンドデータの取込みの契機となる信号に相当する。演出制御コマンドは、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目及び2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回ずつパルス状(矩形波状)に出力されることである。
図6(A)に例示した演出制御コマンドのうち、コマンド8001Hやコマンド8002Hは、特図ゲームにおける特別図柄の変動開始を指定する特図変動開始コマンドである。なお、添字Hは、16進数表示であることを示す。このうち、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームとして第1特図の変動開始を指定する第1特図変動開始コマンドであり、コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームとして第2特図の変動開始を指定する第2特図変動開始コマンドである。このように、第1特図変動開始コマンドと第2特図変動開始コマンドは、MODEデータが同一でEXTデータが異なっている。これにより、演出制御基板12の側では、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれによる特図ゲームが行われるかに応じて異なる演出態様となるように、画像表示や電飾点灯、効果音出力といった演出動作の制御を行うことができる。
コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動パターンなどを指定する特図変動パターン指定コマンドである。なおXXHは、不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる通知内容や指定内容に応じて任意に設定される値であればよい。特図変動パターン指定コマンドでは、通知する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。特図変動パターン指定コマンドにより指定される変動パターンに対応して、特図ゲームで特別図柄の変動(可変表示)を開始してから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの特図変動時間も指定されることになる。
コマンド8CXXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる特図表示結果を通知する特図表示結果通知コマンドである。特図表示結果通知コマンドでは、通知する特図表示結果などに応じて、異なるEXTデータが設定される。図6(B)は、特図表示結果通知コマンドの設定例を示している。この設定例では、コマンド8C00Hを、特図表示結果が「ハズレ」となる旨の決定結果を示す第1特図表示結果通知コマンドとする。また、コマンド8C01H〜8C04Hを、特図表示結果が「小当り」となる旨の決定結果を示す第2〜第5特図表示結果通知コマンドとする。ここで、特図表示結果が「小当り」となる場合には、小当り種別が「小当りA」〜「小当りD」のいずれであるかに対応して、特図表示結果通知コマンドにおけるEXTデータが01H〜04Hのいずれかに設定されればよい。さらに、コマンド8C05Hを、特図表示結果が「大当り」となる旨の決定結果を示す第6特図表示結果通知コマンドとする。
コマンド8F00Hは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示(変動)を終了して特図表示結果(確定特別図柄)を導出表示(確定)させることを示す特図確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態であるか有利状態であるかを示す遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、遊技状態が通常状態であるか有利状態であるかに応じて、異なるEXTデータが設定されればよい。例えば、コマンド9501Hを遊技状態が通常状態であることを示す遊技状態指定コマンドとする一方、コマンド9502Hを遊技状態が有利状態であることを示す遊技状態指定コマンドとすればよい。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態への制御が開始されることを示す大当り開始指定コマンドである。大当り開始指定コマンドでは、特図ゲームでの特図表示結果が「大当り」となった特図大当りに基づき大当り遊技状態へと制御される場合であるか、特図ゲームでの特図表示結果が「小当り」となった後にV入賞が発生したことに基づき大当り遊技状態へと制御される場合であるかに応じて、異なるEXTデータが設定されればよい。例えば、コマンドA001Hを特図大当りに基づく大当り遊技状態の開始を示す大当り開始指定コマンドとする一方、コマンドA002HをV入賞の発生に基づく大当り遊技状態の開始を示す大当り開始指定コマンドとすればよい。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態への制御が終了することを示す大当り終了指定コマンドである。大当り終了指定コマンドでは、大当り開始指定コマンドと同様に、大当り遊技状態へと制御された契機に応じて、異なるEXTデータが設定されればよい。
コマンドA2XXHは、小当り遊技状態への制御が開始されることを示す小当り開始指定コマンドである。小当り開始指定コマンドでは、特図ゲームでの特図表示結果が「小当り」となった場合の小当り種別に応じて、異なるEXTデータが設定されればよい。例えば、コマンドA200Hを小当り種別が「小当りA」であることを示す小当り開始指定コマンドとし、コマンドA201Hを小当り種別が「小当りB」であることを示す小当り開始指定コマンドとし、コマンドA202Hを小当り種別が「小当りC」であることを示す小当り開始指定コマンドとし、コマンドA203Hを小当り種別が「小当りD」であることを示す小当り開始指定コマンドとすればよい。コマンドA3XXHは、小当り遊技状態への制御が終了することを示す小当り終了指定コマンドである。小当り終了指定コマンドでは、小当り開始指定コマンドと同様に、小当り種別に応じて異なるEXTデータが設定されればよい。
コマンドB1XXHは、大当り遊技状態において大入賞口60が大入賞口扉61により開放状態となるラウンドの開始を通知するラウンド開始コマンドである。コマンドB2XXHは、大当り遊技状態において大入賞口60が大入賞口扉61により開放状態から閉鎖状態に変化したことによるラウンドの終了を通知するラウンド終了コマンドである。ラウンド開始コマンドやラウンド終了コマンドでは、例えば大当り遊技状態にて実行されたラウンドの回数に対応して、異なるEXTデータが設定されればよい。
コマンドC0XXHは、画像表示装置5に設けられた特別図柄始動記憶表示エリアなどにて入賞表示を行うために、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に入賞した有効始動入賞球数となる特図保留記憶数を通知する特図保留記憶数通知コマンドである。特図保留記憶数通知コマンドでは、特図保留記憶数に対応して、異なるEXTデータが設定されればよい。
コマンドD0XXHは、入賞口などへの異常入賞の報知を指定する異常入賞報知指定コマンドである。異常入賞報知指定コマンドでは、例えば異常入賞が検出された入賞口などに対応して、異なるEXTデータが設定されればよい。例えば、コマンドD001Hを、役物進入口31での異常入賞が検出されたことを示す異常入賞報知指定コマンドとする一方、コマンドD002Hを、大入賞口60での異常入賞が検出されたことを示す異常入賞報知指定コマンドとすればよい。コマンドD1XXHは、例えば12V短絡エラーや磁気センサエラー、フォトセンサエラー、役物排出エラーなどといった、各種の異常報知(エラー報知)を指定する各種異常報知指定コマンドである。各種異常報知指定コマンドでは、複数種類の異常報知のうちいずれであるかに対応して、異なるEXTデータが設定されればよい。
コマンドE000Hは、遊技球が第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)して始動入賞が発生したときに、始動入賞球の有効検出を通知する始動入賞検出コマンドである。コマンドE100Hは、遊技球が可変入賞装置40に設けられた役物進入口31に進入して役物入賞が発生したときに、役物入賞球の有効検出を通知する役物入賞検出コマンドである。コマンドE200Hは、遊技球が可変入賞装置40の内部に設けられたV入賞口としての特定領域49を通過(進入)してV入賞が発生したときに、V入賞球の有効検出を通知するV入賞検出コマンドである。
コマンドE300Hは、可変入賞装置40の内部に進入した遊技球の個数(役物入賞球数)と、可変入賞装置40の外部へと排出された遊技球の個数(排出球数)との一致が検出されたことを通知する排出完了検出コマンドである。コマンドF0XXHは、パチンコ遊技機1における遊技状態が有利状態であるときに実行可能な特図ゲームの残り回数を通知する有利状態残回数通知コマンドである。なお、有利状態残回数通知コマンドに代えて、有利状態にて実行済みとなった特図ゲームの回数を通知する演出制御コマンドを用いてもよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、例えば図7に示すように、プログラムに従って制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)81と、ゲーム制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)82と、CPU81のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)83と、CPU81とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路84と、入出力ポート85とを備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU81がROM82から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU81がROM82から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU81がRAM83に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU81がRAM83に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU81が入出力ポート85を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU81が入出力ポート85を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU81の他にRAM83が内蔵されていればよく、ROM82は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、乱数回路84や入出力ポート85は、外付けであってもよい。
このように、遊技制御用マイクロコンピュータ100ではCPU81がROM82に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ100(又は、CPU81)が実行する(又は、処理を行う)ということは、具体的には、CPU81がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板11以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120も、遊技制御用マイクロコンピュータ100と同様に、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、例えば図8に示すように、プログラムに従って制御動作を行うCPU91と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM92と、CPU91のワークエリアを提供するRAM93と、CPU91とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路94と、入出力ポート95とを備えて構成される。一例として、演出制御用マイクロコンピュータ120では、CPU91がROM92から読み出したプログラムを実行することにより、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9といった各種の演出装置による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、CPU91がROM92から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU91がRAM93に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU91がRAM93に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU91が入出力ポート95を介して演出制御用マイクロコンピュータ120の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU91が入出力ポート95を介して演出制御用マイクロコンピュータ120の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。演出制御用マイクロコンピュータ120を構成する1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU91の他にRAM93が内蔵されていればよく、ROM92は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、乱数回路94や入出力ポート95は、外付けであってもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ120において乱数値を示す数値データが全てソフトウェアによって更新される場合には、乱数回路94が設けられていなくてもよい。
主基板11では、例えば図7に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える乱数回路84などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数値は、遊技用乱数とも称する。図9は、主基板11の側において用いられる乱数値を例示する説明図である。図9に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、小当り種別決定用の乱数値MR2、特図変動パターン種別決定用の乱数値MR3、特図変動パターン決定用の乱数値MR4、普図表示結果決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
乱数回路84は、これらの乱数値MR1〜MR5の全部又は一部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU81は、例えば図21に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路84とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。一例として、特図表示結果決定用の乱数値MR1や普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データは、乱数回路84によりCPU81とは独立して更新され、それ以外の乱数値MR2〜MR4を示す数値データは、CPU81がランダムカウンタを用いてソフトウェアにより更新されればよい。また、乱数回路84により更新された数値データの全部又は一部を用いて、スクランブル処理や演算処理といった所定の処理を実行することにより、乱数値MR1〜MR5の全部又は一部を示す数値データが更新されるようにしてもよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かの決定などを行うために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「65535」の範囲の値をとる。すなわち、特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特図表示結果に基づき、大入賞口60が開放状態となるラウンドが実行される大当り遊技状態に制御するか否かや、役物進入口31が開放状態となる役物開閉動作が実行される小当り遊技状態に制御するか否かなどを、決定するために用いられる。小当り種別決定用の乱数値MR2は、特図表示結果を「小当り」とする決定に基づき、小当り種別を複数種類のいずれとするかの決定などを行うために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「100」の範囲の値をとる。
特図変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄の変動パターン種別である特図変動パターン種別を予め用意された複数パターン種別のいずれとするかの決定などを行うために用いられ乱数値であり、例えば「0」〜「250」の範囲の値をとる。特図変動パターン決定用の乱数値MR4は、特別図柄の変動パターンである特図変動パターンを予め用意された複数パターンのいずれとするかの決定などを行うために用いられ乱数値であり、例えば「0」〜「996」の範囲の値をとる。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普図表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかの決定などを行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
図7に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM82には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM82には、CPU81が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM82には、CPU81が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、特図変動パターンを複数種類格納する特図変動パターンテーブルを構成するテーブルデータ、各種の動作制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
図10は、ROM82に記憶される特図表示結果決定テーブル130の構成例を示している。特図表示結果決定テーブル130は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
特図表示結果決定テーブル130では、変動特図指定フラグの値に応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果などに割り当てられている。ここで、変動特図指定フラグの値は、図21に示す遊技制御フラグ設定部152に設けられた変動特図指定フラグの設定値であり、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが実行されるときに「1」となる一方、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行されるときに「2」となる。したがって、特図表示結果決定テーブル130では、第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームが実行されるかに応じて、特図表示結果に対する決定値の割当てが異なっている。この実施の形態では、第1特図を用いた特図ゲームが実行される場合に、特図表示結果が「大当り」、「小当り」、「ハズレ」のいずれかに決定される。これに対して、第2特図を用いた特図ゲームが実行される場合には、特図表示結果が「小当り」のみに決定される。
図11は、ROM82に記憶される小当り種別決定テーブル131の構成例を示している。小当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「小当り」とする決定がなされたときに、小当り種別を「小当りA」〜「小当りD」といった複数種類のいずれとするかを、小当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて決定するために参照されるテーブルである。小当り種別決定テーブル131は、図21に示す遊技制御バッファ設定部155に設けられた小当り種別バッファの格納値である小当り種別バッファ値を、決定された小当り種別に対応する値(例えば「1」〜「4」のいずれか)に設定するためのテーブルデータ(設定用データ)を含んでいてもよい。
図12は、この実施の形態における特別図柄の変動パターンを示している。この実施の形態では、特図表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合や「リーチ」である場合、また、特図表示結果が「大当り」となる場合、第1特図を用いた特図ゲームにて特図表示結果が「小当り」となる場合、第2特図を用いた特図ゲームにて特図表示結果が「小当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、第1特図を用いた特図ゲームに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」となる変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」となる変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。飾り図柄の可変表示態様が「大当り」となる変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
図12(A)に示すように、この実施の形態では、非リーチ変動パターンとして、変動パターンPA1−1〜変動パターンPA1−4が、予め用意されている。また、リーチ変動パターンとして、変動パターンPA2−1、変動パターンPA2−2、変動パターンPB2−1、変動パターンPB2−2、変動パターンPA3−1、変動パターンPA3−2、変動パターンPB3−1、変動パターンPB3−2が、予め用意されている。大当り変動パターンとしては、変動パターンPA4−1、変動パターンPA4−2、変動パターンPB4−1、変動パターンPB4−2、変動パターンPA5−1、変動パターンPA5−2、変動パターンPB5−1、変動パターンPB5−2が、予め用意されている。
図12(B)は、第2特図を用いた特図ゲームに対応して予め用意された複数の変動パターンを示している。この実施の形態では、第2特図を用いた特図ゲームにて特図表示結果が「小当り」となる場合に対応して、変動パターンPC1−1〜変動パターンPC1−4が、予め用意されている。
図13は、この実施の形態における特別図柄の変動パターン種別を示している。図12(A)及び(B)に示す各変動パターンは、図13に示す複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれている。すなわち、各変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作などに基づいて分類(グループ化)された1つ又は複数の変動パターンを含むように構成されていればよい。一例として、複数の変動パターンをリーチ演出の種類(演出態様)で分類(グループ化)して、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、スーパーリーチ(スーパーリーチα又はスーパーリーチβ)を伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別とに分ければよい。他の一例として、複数の変動パターンを「擬似連」の可変表示演出の有無や擬似連変動(再変動)の実行回数で分類(グループ化)して、「擬似連」の可変表示演出を実行しない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、「擬似連」の可変表示演出にて擬似連変動(再変動)の実行回数を1回とする変動パターンが含まれる変動パターン種別と、「擬似連」の可変表示演出にて擬似連変動(再変動)の実行回数を2回以上とする変動パターンが含まれる変動パターン種別とに分ければよい。さらに他の一例として、複数の変動パターンを「擬似連」や「滑り」などの可変表示演出の有無、あるいは、飾り図柄の可変表示時間などに応じて、分類(グループ化)してもよい。複数の変動パターン種別のうちには、共通の変動パターンを含んで構成されたものがあってもよい。
図13(A)は、第1特図を用いた特図ゲームにおける特図表示結果などに対応した変動パターン種別の構成例を示している。図13(A)に示す例では、特図表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」となる場合に対応して、変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−3が、予め用意されている。また、特図表示結果が「ハズレ」又は第1特図を用いた特図ゲームでの特図表示結果が「小当り」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」となる場合に対応して、変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−4が、予め用意されている。特図表示結果が「大当り」となる場合に対応して、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3が、予め用意されている。
図13(B)は、第2特図を用いた特図ゲームにおける特図表示結果などに対応した変動パターン種別の構成例を示している。図13(B)に示す例では、第2特図を用いた特図ゲームでの特図表示結果が「小当り」で小当り種別が「小当りA」となる場合に対応して、変動パターン種別CA4−1が、予め用意されている。特図表示結果が「小当り」で小当り種別が「小当りB」となる場合に対応して、変動パターン種別CA4−2が、予め用意されている。特図表示結果が「小当り」で小当り種別が「小当りC」となる場合に対応して、変動パターン種別CA4−3が、予め用意されている。特図表示結果が「小当り」で小当り種別が「小当りD」となる場合に対応して、変動パターン種別CA4−4が、予め用意されている。
変動パターン種別CA1−1は、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されず、また、「擬似連」や「滑り」などの可変表示演出が実行されない「短縮なし」の変動パターン種別であり、「短縮なし」と予め対応付けられた変動パターンPA1−1を含んでいる。変動パターン種別CA1−2は、例えば合計保留記憶数が「3」以上であることや、有利状態であることなどに対応して、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されて、「擬似連」や「滑り」などの可変表示演出が実行されない「短縮あり」の変動パターン種別であり、「短縮あり」と予め対応付けられた変動パターンPA1−2を含んでいる。変動パターン種別CA1−3は、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」となる場合に「擬似連」や「滑り」の可変表示演出が実行される「滑り、擬似連」の変動パターン種別であり、「滑り、擬似連」と予め対応付けられた変動パターンPA1−3、変動パターンPA1−4を含んでいる。
変動パターン種別CA2−1は、「擬似連」の可変表示演出が実行されずに、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後に通常のリーチ演出となるノーマルリーチを伴い、リーチ演出が終了したときにリーチ組合せの確定飾り図柄を導出表示する「ノーマルリーチ(ハズレ)擬似連なし」の変動パターン種別であり、「ノーマルリーチ(ハズレ)擬似連なし」と予め対応付けられた変動パターンPA2−1、変動パターンPA2−2を含んでいる。変動パターン種別CA2−2は、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の実行回数が2回であり、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後にノーマルリーチを伴い、リーチ演出が終了したときにリーチ組合せの確定飾り図柄を導出表示する「ノーマルリーチ(ハズレ)擬似連変動2回」の変動パターン種別であり、「ノーマルリーチ(ハズレ)擬似連変動2回」と予め対応付けられた変動パターンPB2−2を含んでいる。
変動パターン種別CA2−3は、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の実行回数が1回であり、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後にノーマルリーチを伴い、リーチ演出が終了したときにリーチ組合せの確定飾り図柄を導出表示する「ノーマルリーチ(ハズレ)擬似連変動1回」の変動パターン種別であり、「ノーマルリーチ(ハズレ)擬似連変動1回」と予め対応付けられた変動パターンPB2−1を含んでいる。変動パターン種別CA2−4は、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後にスーパーリーチ(スーパーリーチα又はスーパーリーチβ)を伴い、リーチ演出が終了したときにリーチ組合せの確定飾り図柄を導出表示する「スーパーリーチ(ハズレ)」の変動パターン種別であり、「スーパーリーチ(ハズレ)」と予め対応付けられた変動パターンPA3−1、変動パターンPA3−2、変動パターンPB3−1、変動パターンPB3−2を含んでいる。
変動パターン種別CA3−1は、「擬似連」の可変表示演出が実行されずに、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後にノーマルリーチを伴い、リーチ演出が終了したときに大当り組合せの確定飾り図柄を導出表示する「ノーマルリーチ(大当り)擬似連なし」の変動パターン種別であり、「ノーマルリーチ(大当り)擬似連なし」と予め対応付けられた変動パターンPA4−1、変動パターンPA4−2を含んでいる。変動パターン種別CA3−2は、「擬似連」の可変表示演出が実行されて、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後にノーマルリーチを伴い、リーチ演出が終了したときに大当り組合せの確定飾り図柄を導出表示する「ノーマルリーチ(大当り)擬似連あり」の変動パターン種別であり、「ノーマルリーチ(大当り)擬似連あり」と予め対応付けられた変動パターンPB4−1、変動パターンPB4−2を含んでいる。変動パターン種別CA3−3は、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後にスーパーリーチを伴い、リーチ演出が終了したときに大当り組合せの確定飾り図柄を導出表示する「スーパーリーチ(大当り)」の変動パターン種別であり、「スーパーリーチ(大当り)」と予め対応付けられた変動パターンPA5−1、変動パターンPA5−2、変動パターンPB5−1、変動パターンPB5−2を含んでいる。
変動パターン種別CA4−1は、「第2特図小当りA」の変動パターン種別であり、「第2特図小当りA」と予め対応付けられた変動パターンPC1−1と変動パターンPC1−2とを含んでいるが、役物進入口31の開放モードが通常開放モードであるか有利開放モードであるかに応じて、使用される変動パターンが変更される。すなわち、通常開放モードであるときには変動パターンPC1−1が使用パターンとなる一方、有利開放モードであるときには変動パターンPC1−2が使用パターンとなる。
変動パターン種別CA4−2は、「第2特図小当りB」の変動パターン種別であり、「第2特図小当りB」と予め対応付けられた変動パターンPC1−2を含んでいる。変動パターン種別CA4−3は、「第2特図小当りC」の変動パターン種別であり、「第2特図小当りC」と予め対応付けられた変動パターンPC1−3を含んでいる。変動パターン種別CA4−4は、「第2特図小当りD」の変動パターン種別であり、「第2特図小当りD」と予め対応付けられた変動パターンPC1−4を含んでいる。
この実施の形態では、第2特図を用いた特図ゲームにおける小当り種別が「小当りA」〜「小当りD」の場合にそれぞれ対応して、変動パターン種別CA4−1〜変動パターン種別CA4−4の各々が用意されており、変動パターン種別CA4−2〜変動パターン種別CA4−4のそれぞれには、1つずつの変動パターン(変動パターンPC1−2〜変動パターンPC1−4のいずれか)が含まれている。また、変動パターン種別CA4−1には、2つの変動パターンPC1−1及び変動パターンPC1−2が含まれているが、役物進入口31の開放モードに応じて、いずれかの変動パターンが使用パターンとなる。したがって、第2特図を用いた特図ゲームが実行されるときには、小当り種別や開放モードに対応した個別の変動パターンによる可変表示や演出表示が実行される。
図14は、ROM82に記憶される変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、変動パターン種別決定テーブルとして、図14(A)〜(E)に示す変動パターン種別決定テーブル132A〜132Eが、予め用意されている。
変動パターン種別決定テーブル132Aは、第1特図を用いた特図ゲームにおける特図表示結果を「大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、特図変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。変動パターン種別決定テーブル132Aでは、特図変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3のいずれかに割り当てられている。
変動パターン種別決定テーブル132Bは、第1特図を用いた特図ゲームにおける特図表示結果を「小当り」にすると決定(事前決定)されたときに、特図変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。変動パターン種別決定テーブル132Bでは、特図変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−4のいずれかに割り当てられている。
変動パターン種別決定テーブル132Cは、第2特図を用いた特図ゲームにおける特図表示結果を「小当り」にすると決定(事前決定)されたときに、特図変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。変動パターン種別決定テーブル132Cでは、小当り種別が「小当りA」〜「小当りD」のいずれに決定されたかに応じて、特図変動パターン種別決定用の乱数値MR3が、変動パターン種別CA4−1〜変動パターン種別CA4−4のいずれかに割り当てられている。
変動パターン種別決定テーブル132Dと変動パターン種別決定テーブル132Eは、第1特図を用いた特図ゲームにおける特図表示結果を「ハズレ」にすると決定(事前決定)されたときに、特図変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。ここで、変動パターン種別決定テーブル132Dは、例えば遊技状態が通常状態で特図保留記憶数が「3」未満であるときといった、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されない場合(通常時)に使用テーブルとして選択される。これに対して、変動パターン種別決定テーブル132Eは、例えば遊技状態が有利状態であるときや、通常状態でも特図保留記憶数が「3」以上であるときといった、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮される場合(短縮時)に使用テーブルとして選択される。
なお、遊技状態が有利状態であるときと、遊技状態が通常状態で特図保留記憶数が「3」以上であるときとでは、異なる決定テーブルを参照して変動パターン種別の決定が行われるようにしてもよい。また、特図保留記憶数が「3」以外の所定数以上であるか否かに応じて、異なる決定テーブルを参照することで変動パターン種別の決定が行われるようにしてもよい。あるいは、有利状態であるときにも、特図保留記憶数が所定数(例えば「1」など)以上であるか否かを判定し、その判定結果に応じて異なる決定テーブルを参照して変動パターン種別の決定が行われるようにしてもよい。
変動パターン種別決定テーブル132Dや変動パターン種別決定テーブル132Eでは、特図変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−3、変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−4のいずれかに割り当てられている。そして、変動パターン種別決定テーブル132Dと変動パターン種別決定テーブル132Eとでは、各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。例えば、変動パターン種別決定テーブル132Dと変動パターン種別決定テーブル132Eとでは、変動パターン種別CA1−3や変動パターン種別CA2−1に対する決定値の割当てが異なっている。これにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されるか否かに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
また、変動パターン種別決定テーブル132Dと変動パターン種別決定テーブル132Eとでは、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられている部分がある。例えば、変動パターン種別決定テーブル132Dでは、変動パターン種別CA1−2や変動パターン種別CA2−3に対して決定値が割り当てられていない一方で、変動パターン種別CA1−1や変動パターン種別CA2−2に対して決定値が割り当てられている。これに対して、変動パターン種別決定テーブル132Eでは、変動パターン種別CA1−1や変動パターン種別CA2−2に対して決定値が割り当てられていない一方で、変動パターン種別CA1−2や変動パターン種別CA2−3に対して決定値が割り当てられている。これにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されるか否かに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。
この実施の形態では、変動パターン種別決定テーブル132Dや変動パターン種別決定テーブル132Eを参照することにより、変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−3や変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−4のいずれかに決定することができる。ここで、変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−3は、図13(A)に示すように、特図表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」となる場合に対応した変動パターン種別である。また、変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−4は、特図表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」となる場合に対応した変動パターン種別である。したがって、特図変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づき、変動パターン種別決定テーブル132Dや変動パターン種別決定テーブル132Eを参照して変動パターン種別を決定することにより、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを決定することができる。
そして、変動パターン種別決定テーブル132Eにおいて変動パターン種別CA1−1や変動パターン種別CA1−3に対して割り当てられる決定値は、変動パターン種別決定テーブル132Dにおいて変動パターン種別CA1−1や変動パターン種別CA1−2に対して割り当てられる決定値よりも多くなっている。このような設定により、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮される場合には、短縮されない場合よりも高い割合で、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態としないことに決定される。そして、非リーチ変動パターンにおける平均的な可変表示時間がリーチ変動パターンにおける平均的な可変表示時間に比べて短くなるように設定されていれば、合計保留記憶数が所定数(具体的には「3」)以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、平均的な可変表示時間を短縮することができ、また、遊技状態が有利状態であるときには、通常状態にて合計保留記憶数が所定数(具体的には「3」)未満であるときに比べて、平均的な可変表示時間を短縮することができる。
図15は、ROM82に記憶される変動パターン決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、変動パターン決定テーブルとして、図15(A)〜(C)に示す変動パターン決定テーブル133A〜133Cが、予め用意されている。
変動パターン決定テーブル133Aは、第1特図を用いた特図ゲームが実行されるときに、変動パターン種別の決定結果や特図変動パターン決定用の乱数値MR4に基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。変動パターン決定テーブル133Aでは、変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−3、変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−4、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3に応じて、特図変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、1つ又は複数の変動パターンに割り当てられている。
変動パターン決定テーブル133Bは、役物進入口31の開放モードが通常開放モードであり、第2特図を用いた特図ゲームが実行されるときに、変動パターン種別の決定結果に基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。変動パターン決定テーブル133Bでは、変動パターン種別CA4−1〜変動パターン種別CA4−4に応じて、特図変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、変動パターンPC1−1〜変動パターンPC1−4のいずれかに割り当てられている。
変動パターン決定テーブル133Cは、役物進入口31の開放モードが有利開放モードであり、第2特図を用いた特図ゲームが実行されるときに、変動パターン種別の決定結果に基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。変動パターン決定テーブル133Cでは、変動パターン決定テーブル133Bと比べて、変動パターン種別CA4−1であるときの決定値の割当てが異なっている。すなわち、変動パターン決定テーブル133Bでは、変動パターン種別CA4−1に応じて、変動パターンPC1−1に全ての決定値が割り当てられている。これに対して、変動パターン決定テーブル133Cでは、変動パターン種別CA4−1に応じて、変動パターンPC1−2に全ての決定値が割り当てられている。ここで、変動パターンPC1−2は、第2特図を用いた特図ゲームにおける特図表示結果が「小当り」で小当り種別が「小当りB」に決定されたことに基づき、変動パターン種別CA4−2に決定されたことに対応して使用される変動パターンであり、特図変動時間の設定などにより、役物開閉動作で開放状態となった役物進入口31から可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が必ず(100%の確率で)特定領域49を通過(進入)してV入賞を発生させる。
その一方で、変動パターンPC1−1は、特図変動時間の設定などにより、役物開閉動作で開放状態となった役物進入口31から可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が特定領域49を通過(進入)してV入賞を発生させることがない(0%の確率となる)。したがって、通常開放モードであるときには、第2特図を用いた特図ゲームにおいて小当り種別が「小当りA」に決定された場合に、役物進入口31から可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が特定領域49を通過(進入)してV入賞が発生することがない(0%の確率となる)。これに対して、有利開放モードであるときには、第2特図を用いた特図ゲームにおいて小当り種別が「小当りA」に決定された場合に、役物進入口31から可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が必ず(100%の確率で)特定領域49を通過(進入)してV入賞が発生する。
このように、役物進入口31の開放モードが通常開放モードであるか有利開放モードであるかに応じて、第2特図を用いた特図ゲームにおける特図表示結果が「小当り」となる場合に選択される変動パターン決定テーブルが変更される。各変動パターン決定テーブルは、ROM82に記憶されたテーブルデータ(決定用データ)から構成されている。したがって、役物進入口31の開放モードに応じて、選択されるテーブルデータが変更されることになる。
図16は、ROM82に記憶される開放モード更新テーブル134の構成例を示している。開放モード更新テーブル134は、特図ゲームにおける特図表示結果が「小当り」に決定されたことに基づき、小当り種別の決定結果に対応して役物進入口31の開放モードを変更するために参照されるテーブルである。開放モード更新テーブル134では、小当り種別バッファ値が、図21に示す遊技制御フラグ設定部152に設けられた有利開放モードフラグの変更内容と対応付けられている。ここで、図11に示したように、小当り種別バッファ値は、小当り種別が「小当りA」〜「小当りD」のいずれに決定されたかに応じて、「1」〜「4」のいずれかに設定される。したがって、小当り種別が「小当りA」〜「小当りD」のいずれに決定されたかに応じて、有利開放モードフラグの設定、すなわち役物進入口31の開放モードを変更する動作を異ならせることができる。
図16に示す構成例では、小当り種別が「小当りA」又は「小当りB」に対応する小当り種別バッファ値「1」又は「2」であるときに、有利開放モードフラグの変更が行われない。これに対して、小当り種別が「小当りC」に対応する小当り種別バッファ値「3」であるときには、有利開放モードフラグがオンに変更され、役物進入口31の開放モードが有利開放モードとなる。また、小当り種別が「小当りD」に対応する小当り種別バッファ値「4」であるときには、有利開放モードフラグがオフに変更され、役物進入口31の開放モードが通常開放モードとなる。すなわち、小当り種別が「小当りC」に決定されたときには、有利開放モードとなって変動パターン決定テーブル133Cが選択可能になることにより、役物進入口31から可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が特定領域49を通過(進入)する確率が向上してV入賞が発生しやすくなる。その一方で、小当り種別が「小当りD」に決定されたときには、通常開放モードとなって変動パターン決定テーブル133Bが選択可能になることにより、役物進入口31から可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が特定領域49を通過(進入)する確率が低下してV入賞が発生しにくくなる。
図17は、ROM82に記憶される普図表示結果決定テーブル135の構成例を示している。普図表示結果決定テーブル135は、普通図柄表示装置20による普図ゲームにおいて普図表示結果となる確定普通図柄が導出表示される以前に、その普図表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかを、普図表示結果決定用の乱数値MR5に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
普図表示結果決定テーブル135では、有利状態フラグがオフであるかオンであるかに応じて、普図表示結果決定用の乱数値MR5と比較される数値(決定値)が、「普図当り」又は「普図ハズレ」の普図表示結果に割り当てられている。ここで、有利状態フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が有利状態であることに対応してオン状態にセットされる一方で、有利状態が終了することに対応してクリアされてオフ状態となる。普図表示結果決定テーブル135では、有利状態フラグがオンであるか否かに応じて、「普図当り」又は「普図ハズレ」の普図表示結果に対する決定値の割当てが異なっている。すなわち、有利状態であるときには、通常状態であるときよりも「普図当り」の普図表示結果に決定される割合が高くなるように、各普図表示結果に決定値が割り当てられている。このような設定により、有利状態であるときには通常状態のときよりも、普図表示結果が「普図当り」となって第2始動入賞口を通過有利状態とする割合が高められる。
図18は、ROM82に記憶される普電作動パターンの構成例を示している。普電作動パターンは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過しにくい通過不利状態から通過しやすい通過有利状態へと変化させる制御などを行うための制御パターンである。この実施の形態では、複数種類の普電作動パターンとして、図18(A)に示す第1普電作動パターンCXAと、図18(B)に示す第2普電作動パターンCXBとが、予め用意されている。
各普電作動パターンCXA、CXBには、第2始動入賞口の通過制御が行われる時間としての普電作動制御時間を示すデータと、普電用ソレノイド55へと伝送する駆動信号の状態(オフ/オン)を示す普電用ソレノイド出力データと、第2始動入賞口を通過有利状態とする時間である普電開放時間あるいは終了コードを示すデータとが、含まれている。第1普電作動パターンCXAは、遊技状態が通常状態であるときに普図表示結果が「普図当り」である場合に選択され、第2始動入賞口を100msにわたり1回だけ通過有利状態とする制御パターンである。第2普電作動パターンCXBは、遊技状態が有利状態であるときに普図表示結果が「普図当り」である場合に選択され、第2始動入賞口を4000msにわたり1回だけ通過有利状態とする制御パターンである。こうした第1普電作動パターンCXAや第2普電作動パターンCXBの設定により、有利状態であるときには通常状態であるときよりも、第2始動入賞口が通過有利状態となる時間が長くなり、第2始動入賞口を通過有利状態とする割合が高められる。
図19は、ROM82に記憶される役物開放動作制御パターンCYAの構成例を示している。役物開放動作制御パターンCYAは、可変入賞装置40が形成する役物進入口31を、小当り遊技状態における役物開閉動作により閉鎖状態と開放状態とに変化させる制御を行うための制御パターンである。役物開放動作制御パターンCYAには、役物進入口31の開閉制御が行われる時間としての役物開放制御時間T10を示すデータと、羽根用ソレノイド53へと伝送する駆動信号の状態(オフ/オン)を示す羽根用ソレノイド出力データと、役物進入口31を開放状態とする時間としての役物開放時間や開放状態へと複数回変化させる場合のインターバルとなる役物閉鎖時間あるいは終了コードを示すデータとが、含まれている。役物開放動作制御パターンCYAは、役物進入口31を2000msにわたり開放状態とする動作を1000msのインターバルを挟んで2回繰り返すための制御パターンである。この実施の形態では、特図表示結果が「小当り」に決定されたときに、小当り種別の決定結果にかかわらず役物開放動作制御パターンCYAを使用して、小当り遊技状態における役物開閉動作が行われる。
図20は、ROM82に記憶される振分動作制御パターンCZAの構成例を示している。振分動作制御パターンCZAは、可変入賞装置40の内部に設けられた振分部材としての足模型51を、上方向と下方向とに移動させる制御を行うための制御パターンである。振分動作制御パターンCZAには、足模型51の移動制御が行われる時間としての振分動作制御時間を示すデータと、振分用ソレノイド52へと伝送する駆動信号の状態(オフ/オン)を示す振分用ソレノイド出力データと、足模型51を下方向に移動して球経路34からステージ35への経路を閉鎖する時間としての経路閉鎖時間T20や足模型51を上方向に移動して球経路34からステージ35への経路を開放する時間としての経路開放時間T11あるいは終了コードを示すデータとが、含まれている。なお、振分動作制御時間は、経路閉鎖時間T20と経路開放時間T11との合計時間T20+T11となっている。この実施の形態では、特図表示結果が「小当り」に決定されたときに、特図ゲームにおける特別図柄の変動が開始されるタイミングから、振分動作制御パターンCZAを用いた足模型51の移動制御が行われる。したがって、特図表示結果が「小当り」となった場合には、特別図柄の変動パターンに対応した特図変動時間に応じて、遊技球が特定領域49を通過(進入)してV入賞が発生する確率を異ならせることができる。
図7に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM83には、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図21に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図21に示す遊技制御用データ保持エリア150は、特図保留記憶部151Aと、普図保留記憶部151Bと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aによって検出されることで第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームを実行するための条件(第1始動条件)は成立したが、従前の特図ゲームを実行中であるなどの理由により未だ新たな特図ゲームを開始する条件(第1開始条件)は成立していない場合の保留情報を記憶する。例えば、特図保留記憶部151Aは、遊技球が第1始動入賞口に進入した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過(進入)に基づいてCPU81により乱数回路84や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタなどから抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や小当り種別決定用の乱数値MR2、特図変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを、保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
普図保留記憶部151Bは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示装置20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Bは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU81により乱数回路84又は遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタなどから抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御フラグ設定部152に、例えば特図プロセスフラグや、普図プロセスフラグ、大当りフラグ、小当りフラグ、普図当りフラグ、有利状態フラグ、有利状態終了フラグ、大当り時有利フラグ、V入賞フラグ、有利開放モードフラグ、変動特図指定フラグなどが設けられている。その他にも、遊技制御フラグ設定部152には、遊技の進行を制御するために用いられる各種フラグの状態を示すデータなどが記憶されればよい。
特図プロセスフラグは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの進行や、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの進行などを制御するために実行される図26のステップS16や図29に示す特別図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。普図プロセスフラグは、普通図柄表示装置20による普通図柄を用いた普図ゲームの進行などを制御するために実行される図26のステップS17や図42に示す普通図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。
大当りフラグは、特図ゲームが開始されるときに特図表示結果を「大当り」とする旨の決定(事前決定)に対応して、オン状態にセットされる。その一方で、特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されたことなどに対応して、大当りフラグがクリアされてオフ状態となる。小当りフラグは、特図ゲームが開始されるときに特図表示結果を「小当り」とする旨の決定(事前決定)に対応して、オン状態にセットされる。その一方で、特図ゲームにおける確定特別図柄として小当り図柄が停止表示されたことなどに対応して、小当りフラグがクリアされてオフ状態となる。普図当りフラグは、普図ゲームが開始されるときに普図表示結果を「普図当り」とする旨の決定(事前決定)に対応して、オン状態にセットされる。その一方で、普図ゲームにおける普図表示結果が「普図当り」となり第2始動入賞口を通過有利状態とする制御が行われたことなどに対応して、普図当りフラグがクリアされてオフ状態となる。
有利状態フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が有利状態に制御されることに対応してオン状態にセットされる一方で、有利状態が終了することなどに対応してオフ状態となる。有利状態終了フラグは、有利状態における特図ゲームの実行回数に基づき有利状態を終了すると判定されたことに対応してオン状態にセットされる一方で、有利状態が終了することなどに対応してオフ状態となる。大当り時有利フラグは、大当り遊技状態へと制御される契機となった特図ゲームの実行中などにおける遊技状態が有利状態であることに対応してオン状態にセットされる。そして、大当り遊技状態が終了することなどに対応して大当り時有利フラグがクリアされてオフ状態となる。
V入賞フラグは、役物開閉動作により開放状態となった役物進入口31から可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が特定領域49を通過(進入)してV入賞が発生したことに対応して、オン状態にセットされる。その一方で、V入賞に基づき小当り遊技状態から大当り遊技状態へと制御された後、大当り遊技状態が終了するときなどに、V入賞フラグがクリアされてオフ状態となる。有利開放モードフラグは、役物進入口31の開放モードが有利開放モードに変更されることに対応してオン状態にセットされる一方、通常開放モードに変更されることに対応してクリアされてオフ状態となる。変動特図指定フラグは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが実行されることに対応して「1」に設定される一方、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行されることに対応して「2」に設定される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御タイマ設定部153に、遊技制御プロセスタイマ、特図変動タイマ、普図変動タイマ、役物開放動作制御タイマなどが設けられている。
遊技制御プロセスタイマは、例えば特別図柄の導出表示動作や大当り遊技状態の進行を制御するための時間などを、主基板11の側にて計測するためのものである。一例として、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態の進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、遊技制御プロセスタイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態の開始時点といった、所定時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。より具体的には、大当り遊技状態にてラウンドが開始される以前には、遊技制御プロセスタイマに各ラウンド間での待ち時間となるラウンド開始待ち時間に対応したタイマ初期値が設定され、定期的なカウントダウンが開始される。そして、ラウンド開始待ち時間が経過したときに、大入賞口扉61により大入賞口60を開放状態とする制御を行うことにより、1回のラウンドが開始される。このときには、遊技制御プロセスタイマに各ラウンドにおける大入賞口の最大開放時間に対応したタイマ初期値が設定され、定期的なカウントダウンが開始される。その後、大入賞口60における遊技球の入賞個数が所定の最大入賞個数(例えば「9」)に達するより前に、大入賞口の最大開放時間が経過した場合には、大入賞口扉61により大入賞口60を閉鎖状態とする制御を行うことにより、1回のラウンドが終了する。
特図変動タイマは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)といった特図ゲームの進行を制御するための時間を、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、特図変動タイマは、特図ゲームの進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、特図変動タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、特図変動タイマは、特図ゲームの開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
普図変動タイマは、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示時間(普図変動時間)といった普図ゲームの進行を制御するための時間を、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、普図変動タイマは、普図ゲームの進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、普図変動タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、普図変動タイマは、普図ゲームの開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
役物開放動作制御タイマは、小当り遊技状態にて可変入賞装置40が備える役物進入口31を開放状態と閉鎖状態とに変化させる役物開閉動作の進行などを制御するための時間を計測するためのものである。具体的な一例として、役物開放動作制御タイマは、特図ゲームにおける特図表示結果として開放表示結果となる小当り図柄が導出表示されたことに基づき、その導出表示が完了して小当り遊技状態への制御が開始される時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられる。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御カウンタ設定部154に、ランダムカウンタ、特図保留記憶数カウンタ、普図保留記憶カウンタ、有利状態カウンタ、大入賞口開放カウンタ、役物内遊技球カウンタ、入賞個数カウンタなどが設けられている。
遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタは、遊技の進行を制御するために用いられる遊技用乱数としての乱数値を示す数値データの全部又は一部を、乱数回路84とは別個に、あるいは、乱数回路84から抽出された数値データを用いて、CPU81がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのものである。例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR1〜MR5を示す数値データの一部又は全部が、ランダムカウント値として記憶され、CPU81によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU81がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路84における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路84から抽出された数値データにスクランブル処理や演算(加減乗除)処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
特図保留記憶カウンタは、特図保留記憶部151Aにおける保留データの記憶数である特図保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、特図保留記憶数カウンタには、特図保留記憶数に対応したカウント値データが、特図保留記憶数カウント値として記憶され、特図保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。普図保留記憶カウンタは、普図保留記憶部151Bにおける保留データの記憶数である普図保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、普図保留記憶数カウンタには、普図保留記憶数に対応したカウント値データが、普図保留記憶数カウント値として記憶され、普図保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。
有利状態カウンタは、パチンコ遊技機1における遊技状態が有利状態であるときに、有利状態を終了するまでに実行可能な特図ゲームの残存回数を特定可能にカウントするためのものである。一例として、有利状態カウンタには、大当り遊技状態が終了するときに、その大当り遊技状態に制御された経緯に応じたカウント初期値を示すデータが、有利状態カウント値として設定される。その後、次の大当り遊技状態に制御されるまでは、特図ゲームが終了するごとに、有利状態カウント値が1減算されるなどして更新される。そして、有利状態カウント値が「0」に達したときには、有利状態終了フラグをオン状態にセットすることなどにより、有利状態を終了して通常状態へと移行するための設定が行われる。
大入賞口開放回数カウンタは、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの残存回数などを特定可能にカウントするためのものである。一例として、大入賞口開放回数カウンタには、大当り遊技状態が開始されるときに、特図表示結果に対応したカウント初期値を示すデータが、大入賞口開放回数カウント値として設定される。その後、大当り遊技状態にて1回のラウンドが終了するごとに、大入賞口開放回数カウント値が1減算されるなどして更新される。そして、大入賞口開放回数カウント値が「0」に達したときには、大当り遊技状態を終了させる制御が行われる。
役物内遊技球カウンタは、可変入賞装置40の内部に残存している遊技球の個数をカウントするためのものである。例えば、役物内遊技球カウンタには、役物カウントスイッチ23により遊技球が検出されるごとに1加算されるデータが、役物内入賞球カウント値としてセットされる。そして、排出口スイッチ25により遊技球が検出されるごとに、役物内入賞球カウント値が1減算されるように更新される。入賞個数カウンタは、大入賞口扉61により開放状態とされた大入賞口60に進入(入賞)した遊技球の個数をカウントするためのものである。例えば、入賞個数カウンタには、下方カウントスイッチ26により遊技球が検出されるごとに1加算されるデータが、入賞個数カウント値としてセットされる。そして、入賞個数カウント値が所定の最大入賞個数(例えば「9」)に対応した値になれば、1回のラウンドが終了する。また、大当り遊技状態にて各ラウンドが開始されるときには、入賞個数カウンタがクリアされて、入賞個数カウント値が「0」に初期化される。
遊技制御バッファ設定部155パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御バッファ設定部155に、送信コマンドバッファ、小当り種別バッファ、変動用乱数バッファなどが設けられている。
送信コマンドバッファは、主基板11からサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信するための設定データを一時的に格納するために用いられる。例えば、送信コマンドバッファは、複数(例えば「12」)のバッファ領域を備えて構成され、送信する制御コマンドに対応したコマンドテーブルのROM82における記憶アドレスを示す設定データなどが、各バッファ領域に格納される。また、送信コマンドバッファにおいて設定データの書込や読出を行うバッファ領域は、送信コマンドポインタなどによって指定され、複数のバッファ領域をリングバッファとして使用することができるように構成されていればよい。
小当り種別バッファには、特図表示結果が「小当り」となる場合における小当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に対応したバッファ値が格納される。一例として、図11に示すような小当り種別決定テーブル131での設定に基づき、小当り種別が「小当りA」〜「小当りD」のいずれに決定されたかに応じて、小当り種別バッファ値には「1」〜「4」のいずれかが設定される。変動用乱数バッファには、今回の特図ゲーム(開始条件が成立した特図ゲーム)を実行するために用いられる乱数値を示す数値データが格納される。
図7に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える入出力ポート85は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図8に示す演出制御用マイクロコンピュータ120が備えるROM92には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM92には、CPU91が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM92には、CPU91が各種の演出装置(例えば画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。この演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、例えば図22(A)に示すように、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出における演出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。
各種演出制御パターンは、例えば図22(B)に示すように、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。図22(B)に示す例では、小当り報知演出や小当り終了演出、役物入賞時演出といった小当り遊技状態に対応して実行される演出動作、大当り報知演出や大当り中演出、エンディング演出といった大当り遊技状態に対応して実行される演出動作などのように、複数種類の演出動作に応じた複数種類の各種演出制御パターンが設けられている。
なお、演出制御パターンテーブルは、複数種類の演出制御パターンを構成するパターンデータの記憶アドレスを管理するアドレス管理テーブルとしてもよい。この場合、ROM92において、演出制御パターンテーブルを構成するテーブルデータが所定の記憶領域に記憶され、この記憶領域とは別の領域に、個々の演出制御パターンを構成するパターンデータが記憶されればよい。
図23(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。特図変動時演出制御パターンや各種演出制御パターンといった、各々の演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、演出用模型制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データの全部又は一部から構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。
演出制御プロセスタイマ判定値は、図25に示す演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータ120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータや、飾り図柄とは異なる演出画像の表示態様を示すデータといった、画像表示装置5における表示動作の制御内容を示すデータが含まれている。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rにおける音声出力動作の制御内容を示すデータが含まれている。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、装飾発光部材における点灯動作の制御内容を示すデータが含まれている。演出用模型制御データには、演出用模型を構成する可動部材における駆動動作の制御内容を示すデータが含まれている。
図23(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用マイクロコンピュータ120において、CPU91は演出制御パターンに含まれる各種の演出制御実行データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される制御内容に従って、飾り図柄の可変表示やキャラクタ画像及び背景画像といった演出画像の表示動作を制御する。また、音声制御データにより指定される制御内容に従って、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を制御するとともに、ランプ制御データにより指定される制御内容に従って、装飾発光部材(遊技効果ランプ9及び装飾用LEDなど)の点灯動作を制御して、演出用模型制御データにより指定される制御内容に従って、演出用模型を動作させるソレノイド等の駆動制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU91は、例えば特図ゲームにおける特別図柄の可変表示が開始されるときなどに、特図変動パターン指定コマンドに示された特別図柄の変動パターンなどに基づいて各種の演出制御パターンをセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM92などからから読み出してRAM93の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM92などにおける記憶アドレスを、RAM93の所定領域に一時記憶させて、ROM92などにおける記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。
こうして、CPU91は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、演出用模型制御データ#1〜演出用模型制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容などを示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。CPU91によってセットされた演出制御パターンに従った指令は、演出制御用マイクロコンピュータ120から表示制御部121や音制御部122、ランプ制御部123などに対して出力される。
また、演出制御用マイクロコンピュータ120のROM92には、図24に示すような役物入賞時演出決定テーブル140が記憶されている。役物入賞時演出決定テーブル140は、小当り遊技状態における役物開閉動作により開放状態となった役物進入口31から可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が検出されたときに、役物入賞時演出となる演出動作の制御に使用する演出制御パターンを決定するために参照されるテーブルである。役物入賞時演出決定テーブル140では、小当り遊技状態に制御される契機となった第2特図を用いた特図ゲームにおける変動パターンPC1−1〜変動パターンPC1−4が、それぞれ演出制御パターンEPS1又は演出制御パターンEPS2と対応付けられている。すなわち、変動パターンPC1−1、変動パターンPC1−3及び変動パターンPC1−4が演出制御パターンEPS1と対応付けられる一方、変動パターンPC1−2が演出制御パターンEPS2と対応付けられている。
この実施の形態において、変動パターンPC1−2は、役物開閉動作で開放状態となった役物進入口31から可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が必ず(100%の確率で)特定領域49を通過(進入)してV入賞を発生させる。その一方で、変動パターンPC1−1、変動パターンPC1−3及び変動パターンPC1−4はいずれも、役物開閉動作で開放状態となった役物進入口31から可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が特定領域49を通過(進入)してV入賞を発生させることがない(0%の確率となる)。そこで、変動パターンPC1−1、変動パターンPC1−3及び変動パターンPC1−4のいずれかによる特図ゲームの実行後に小当り遊技状態で役物入賞が発生したときには、図22(B)に示すようにV入賞確率が低い場合の役物入賞時演出を実行するための演出制御パターンEPS1を使用パターンに決定する。これに対して、変動パターンPC1−2による特図ゲームの実行後に小当り遊技状態で役物入賞が発生したときには、図22(B)に示すようにV入賞確率が高い場合の役物入賞時演出を実行するための演出制御パターンEPS2を使用パターンに決定する。
なお、各変動パターンに1つの演出制御パターンを対応付けるものに限定されず、各変動パターンに応じた決定割合で、演出制御パターンが複数種類のいずれかに決定されるようにしてもよい。一例として、変動パターンPC1−1、変動パターンPC1−3及び変動パターンPC1−4のいずれかである場合には、演出制御パターンEPS1の決定割合が高く、演出制御パターンEPS2の決定割合が低くなるようにする一方、変動パターンPC1−2である場合には、演出制御パターンEPS1の決定割合が低く、演出制御パターンEPS2の決定割合が高くなるようにしてもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ120のRAM93には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図25に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図25に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば演出表示装置9の表示画面における演出画像の表示状態といった演出動作状態や主基板31から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。演出制御タイマ設定部192には、例えば演出表示装置9の表示画面における演出画像の表示動作といった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部121は、演出制御用マイクロコンピュータ120からの表示制御信号などに基づき、画像表示装置5の表示領域における表示動作の制御を行うためのものである。例えば、表示制御部121では、画像表示装置5の表示領域にて演出画像の切換表示を行わせることなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載された音制御部122では、遊技制御用マイクロコンピュータ120から入力される情報信号としての効果音信号に応じて、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作の制御が行われる。音制御部122には、例えば入出力ドライバや音声合成用IC、音声データROM、増幅回路、ボリュームなどが含まれていればよい。一例として、音制御部122では、効果音信号に示される音番号データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ8L、8Rに出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されており、音声合成用ICが音番号データに応じた制御データを読み出して、音声や効果音が生成される。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータなどから構成されていればよい。
演出制御基板12に搭載されたランプ制御部123では、遊技制御用マイクロコンピュータ120から入力される情報信号としての電飾信号に応じて、遊技効果ランプ9や装飾用LEDによる点灯動作の制御が行われる。ランプ制御部123には、例えば入出力ドライバやランプドライバなどが含まれていればよい。一例として、ランプ制御部123では、電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9などに供給する。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU81によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU81は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えば、所定のクリアスイッチが押圧操作されたか否かの判定を行い、押圧操作された場合には、RAM83をクリアした後に所定の作業領域に初期値を設定するなどの初期設定処理が実行される。これに対して、クリアスイッチが押圧操作されていない場合には、RAM83のバックアップ領域における記憶内容などに基づき、チェックサムを算出した結果とチェックサムバッファの内容とが一致した場合などに、主基板11の内部状態をパチンコ遊技機1にて電源断が生じる前の状態に戻すための復旧処理が実行される。なお、チェックサムバッファは、例えば図21に示す遊技制御バッファ設定部155などに設けられ、パチンコ遊技機1の電源断が発生した場合でも、記憶内容が消滅せずに保持されるものであればよい。
また、遊技制御メイン処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば2ms[ミリ秒])ごとにCTCから割込み要求信号がCPU81へと送出され、CPU81は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定や復旧処理が終了すると、割込みを許可した後に、ループ処理に入る。こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU81は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図26のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
遊技制御メイン処理において初期設定の終了後に割込みを許可するより前に、例えば主基板11に設置された遊技開始スイッチから伝送されるスイッチ信号の信号状態などに基づき、遊技開始スイッチがオン操作されたか否かを判定するようにしてもよい。この場合には、遊技開始スイッチから伝送されるスイッチ信号を複数回チェックし、連続してオン状態となったときに、遊技開始スイッチがオン操作されたと判定してもよい。また、遊技開始スイッチのオン操作をチェックする処理は、前回の電力供給停止時における状態への復帰がない初期状態からのスタート時(コールドスタート時)に限り実行し、電断前の遊技状態に復帰させるスタート時(ホットスタート時)には遊技開始スイッチの操作に関わりなく、割込みを許可してループ処理に入るようにしてもよい。
図26に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU81は、まず、所定の電源断処理を実行する(ステップS11)。この電源断処理では、所定の電源確認信号における信号状態をチェックして、電源断判定中以外であればバックアップ監視タイマをクリアする。これに対して、電源断判定中であればバックアップ監視タイマの更新や判定を行い、電源断が発生したか否かを判定する。このとき、電源断が発生すれば、チェックサムバッファの設定や、RAM83をアクセス禁止とする設定、電源確認信号の監視などといった、所定の設定や処理を実行する。
電源断処理に続いて、所定のスイッチ処理を実行する(ステップS12)。このスイッチ処理では、ゲートスイッチ21、第1及び第2始動口スイッチ22A、22B、役物カウントスイッチ23、特定領域スイッチ24、排出口スイッチ25、下方カウントスイッチ26といった各スイッチの状態を示す検出信号を取り込み、各スイッチにおける検出状態の判定が行われる。例えば、スイッチ処理では、図27のフローチャートに示すような入賞エラー判定処理が実行される。
図27に示す入賞エラー判定処理を開始すると、CPU81は、まず、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値が“3”となっているか否かを判定する(ステップS51)。ここで、特図プロセスフラグの値が“3”であるときには、後述する特別図柄プロセス処理において、小当り遊技状態での各種制御を行うための小当り開放時処理が実行される(図29のステップS113)。小当り遊技状態では、可変入賞装置40に設けられた役物進入口31が羽根部材32によって開放される始動動作(羽根開閉動作)が行われ、可変入賞装置40の内部に正常な遊技に基づく遊技球が進入可能となる。これに対して、小当り遊技状態以外の遊技状態では、役物進入口31が羽根部材32によって開放される制御は行われないことから、可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が検出された場合には、異常が発生した旨のエラー判定を行うことが望ましい。
そこで、ステップS51にて特図プロセスフラグの値が“3”以外の値であれば(ステップS51;No)、可変入賞装置40の内部に進入した遊技球を異常な入賞球として検出するためのエラー判定処理を実行する。すなわち、CPU81は、役物カウントスイッチ23からの検出信号に基づき、役物カウントスイッチ23がオンであるか否かを判定する(ステップS52)。ステップS52にて役物カウントスイッチ23がオンである場合には(ステップS52;Yes)、可変入賞装置40に形成された役物進入口31が閉鎖されてから所定の有効入賞検出期間が経過した後、不適切に可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が検出されたことになる。なお、ステップS52の処理では、役物カウントスイッチ23だけでなく、特定領域スイッチ24もオンであるか否かの判定を行い、少なくともいずれか一方のスイッチがオン状態であれば、不適切に可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が検出されたと判断してもよい。また、ステップS52の処理では、役物カウントスイッチ23だけでなく、排出口スイッチ25もオンであるか否かの判定を行い、少なくともいずれか一方のスイッチがオン状態であれば、不適切に可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が検出されたと判断してもよい。
ステップS51にて特図プロセスフラグの値が“3”であるときや(ステップS51;Yes)、ステップS52にて役物カウントスイッチ23がオフであるときには(ステップS52;No)、特図プロセスフラグの値が“4”以上の値となっているか否かを判定する(ステップS53)。ここで、特図プロセスフラグの値が“4”以上であるときには、後述する特別図柄プロセス処理において、大当り遊技状態での各種制御を行うための処理が実行される(図29のステップS114〜S117)。大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7に設けられた大入賞口60が大入賞口扉61により開放されるラウンド遊技が行われ、特別可変入賞球装置7の内部に正常な遊技に基づく遊技球が進入可能となる。これに対して、大当り遊技状態以外の遊技状態では、大入賞口60が大入賞口扉61により開放される制御は行われないことから、特別可変入賞球装置7の内部に進入した遊技球が検出された場合には、異常が発生した旨のエラー判定を行うことが望ましい。
そこで、ステップS53にて特図プロセスフラグの値が“4”未満であれば(ステップS53;No)、特別可変入賞球装置7の内部に進入した遊技球を異常な入賞球として検出するためのエラー判定処理を実行する。すなわち、CPU81は、下方カウントスイッチ26からの検出信号に基づき、下方カウントスイッチ26がオンであるか否かを判定する(ステップS54)。ステップS54にて下方カウントスイッチ26がオンである場合には(ステップS54;Yes)、特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口60が閉鎖された後、不適切に特別可変入賞球装置7の内部に進入した遊技球が検出されたことになる。これに対して、ステップS54にて下方カウントスイッチ26がオフである場合には、入賞エラーが検出されなかったと判断して、入賞エラー判定処理を終了する。
ステップS52にて役物カウントスイッチ23がオンであるときや、ステップS54にて下方カウントスイッチ26がオンであるときには、賞球の払出しを禁止するための設定を行う(ステップS55)。例えば、ステップS55の処理において、CPU81は、入出力ポート85に含まれる出力ポートのうち払出制御基板に対して賞球個数信号を送信するための出力ポートをクリアすることにより、賞球個数信号の送信を停止させる。また、CPU81は、遊技制御バッファ設定部155に設けられた賞球個数設定バッファや、入出力ポート85にて賞球個数信号を送信するための出力ポートにつき、制御データの書込みを禁止することにより、賞球数の設定が行われないようにする。さらに、CPU81は、払出制御基板に対して所定の異常報知信号を送信することにより、不適切に検出された遊技球に対する賞球の払出しを停止させるようにしてもよい。
ステップS55における設定に続いて、異常報知処理を実行するループ処理に入り(ステップS56)、以後の処理には進まないように制御を行う。これにより、遊技の進行を停止することができ、異常状態を発生させて行われる不正行為を防止することができる。ステップS56の異常報知処理では、所定の報知画面を画像表示装置5の表示領域に表示させること、スピーカ8L、8Rから所定の警告音を出力させること、遊技効果ランプ9に含まれる所定の警告ランプや全ランプを点灯させること、あるいは、これらの一部又は全部を組み合わせることにより、異常を報知するための設定が行われる。一例として、CPU81は、検出された入賞エラーの種類に応じてEXTデータが異なる異常入賞報知指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う。例えば、ステップS52にて役物カウントスイッチ23がオンであると判定されたときと、ステップS54にて下方カウントスイッチ26がオンであると判定されたときとでは、EXTデータが異なる異常入賞報知指定コマンドを送信することにより、発生した入賞エラーの種類を特定可能とすればよい。
異常入賞報知指定コマンドの送信設定を行うときには、検出された入賞エラーの種類に応じたコマンドテーブルのROM82における記憶アドレス(コマンドテーブルアドレス)を、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタが指定するバッファ領域にセットすればよい。こうして設定された異常入賞報知指定コマンドは、例えばスイッチ処理が終了した後に図26のステップS18にてコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から信号中継基板13を介して演出制御基板12へと伝送されればよい。以下、各種の制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に送信するための設定を行う処理において、同様の設定が行われればよい。
異常入賞報知指定コマンドを受信した演出制御基板12では、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU91が報知制御処理(図45のステップS77)を実行することなどにより、入賞エラーの種類に応じた報知動作が行われるようにすればよい。こうした報知動作の一例として、例えばステップS52にて役物カウントスイッチ23がオンであると判定されたときには、図28(A)に示すような第1異常報知画面が画像表示装置5の表示領域に表示される。また、例えばステップS54にて下方カウントスイッチ26がオンであると判定されたときには、図28(B)に示すような第2異常報知画面が画像表示装置5の表示領域に表示される。
図26に示すステップS12にてスイッチ処理を実行した後には、表示制御処理が実行される(ステップS13)。この表示制御処理では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示装置20などにおける表示動作を制御するための駆動信号、特図保留表示器15Aや普図保留表示器15Bにおける点灯動作を制御する駆動信号などが、各表示装置や表示器へと出力される。表示制御処理が終了すると、乱数更新処理が実行される(ステップS14)。この乱数更新処理では、遊技用乱数となる各種の乱数値の一部又は全部を生成するための数値データが、ソフトウェアにより更新される。
乱数更新処理の後には、初期値決定用乱数更新処理が実行される(ステップS15)。この初期値決定用乱数更新処理では、各種の遊技用乱数における初期値を決定するために用いられる乱数値を更新する。初期値決定用乱数更新処理が終了すると、特別図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。この特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、その特図プロセスフラグの値に対応して、第1特別図柄表示装置4Aあるいは第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示を行うための各種設定や、可変入賞装置40における羽根開閉動作や特別可変入賞球装置7における大入賞口開閉動作を制御するための各種設定などが行われる。特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS17)。この普通図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた普図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、その普図プロセスフラグの値に対応して、普通図柄表示装置20による普図ゲームにおける普通図柄の可変表示を行うための各種設定や、普電用ソレノイド55の駆動制御により普通可変入賞球装置6Bに設けられた可動翼片を垂直位置(閉鎖状態)あるいは傾動位置(開放状態)とするための各種設定などが行われる。
普通図柄プロセス処理が終了すると、コマンド制御処理が実行される(ステップS18)。このコマンド制御処理では、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9といった各種の演出装置による各種の演出動作を制御するために、演出制御コマンドが演出制御基板12に対して送信される。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの記憶データによって指定されたコマンドテーブルにおける設定に対応して、入出力ポート85に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対するコマンド送信用の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンドテーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。
コマンド制御処理に続いて、情報出力処理が実行される(ステップS19)。この情報出力処理では、パチンコ遊技機1における各種の遊技情報が、情報端子基板などを介して遊技場に設置されたホール管理用コンピュータへと出力される。情報出力処理の後には、賞球処理が実行される(ステップS20)。この賞球処理では、各スイッチからの検出信号に応じて賞球個数信号を払出制御基板に対して出力することなどにより、賞球数の設定が行われる。具体的な一例として、ステップS20の賞球処理では、第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき第1始動口スイッチ22Aがオンである場合には賞球数を「3」とする設定が行われる一方で、第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき第2始動口スイッチ22Bがオンである場合には賞球数を「4」とする設定が行われる。また、役物カウントスイッチ23からの検出信号に基づき役物カウントスイッチ23がオンである場合には賞球数を「10」とする設定が行われる。さらに、下方カウントスイッチ26からの検出信号に基づき下方カウントスイッチ26がオンである場合には賞球数を「14」とする設定が行われる。
賞球処理に続いて、試験端子処理が実行される(ステップS21)。この試験端子処理では、例えば普通図柄可変表示中や特別図柄可変表示中における設定、「普図当り」や「大当り」、「小当り」の発生に対応する設定、可変入賞装置40での羽根開閉動作中における設定、特別可変入賞球装置7でのラウンド遊技中における設定、普通可変入賞球装置6Bでの普電用ソレノイド55を駆動中における設定といった各種の設定を示す信号が、所定の試験端子などから出力される。試験端子処理の後には、出力処理が実行される(ステップS22)。この出力処理では、各ソレノイド52〜55やモータ56を駆動あるいは停止させるために、駆動信号の出力制御を行う。出力処理が終了すると、記憶処理が実行される(ステップS23)。この記憶処理では、例えば特図保留表示器15Aや普図保留表示器15Bなどへと出力される駆動信号を生成するための設定が行われる。
記憶処理の後には、特別図柄表示制御処理が実行される(ステップS24)。この特別図柄表示制御処理では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作を制御するための駆動信号が設定される。特別図柄表示制御処理が終了すると、普通図柄表示制御処理が実行される(ステップS25)。この普通図柄表示制御処理では、普通図柄表示装置20における表示動作を制御するための駆動信号が設定される。普通図柄表示制御処理に続いて、状態表示灯制御処理が実行される(ステップS26)。この状態表示灯制御処理では、所定の状態表示灯における表示動作の制御が行われる。状態表示灯制御処理が終了すると、割込み許可状態に設定してから(ステップS27)、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図29は、特別図柄プロセス処理として、図26のステップS16にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図29に示す特別図柄プロセス処理において、CPU81は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS100)。図30は、ステップS100にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
図30に示す始動入賞判定処理において、CPU81は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオフであれば(ステップS201;No)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、特図保留記憶部151Aにおける保留データの記憶数である特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、特図保留記憶数が上限値に達していれば(ステップS202;Yes)、第1始動入賞口における今回の遊技球の通過を無効として、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS202にて特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えばCPU81が、乱数回路84やランダムカウンタによって更新される遊技用乱数となる数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1、小当り種別決定用の乱数値MR2、特図変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(ステップS203)。そして、抽出した各乱数値MR1〜MR3を示す数値データが、特図保留記憶部151Aにおける空きエントリの先頭にセットされることで、各乱数値MR1〜MR3を記憶する(ステップS204)。このときには、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた特図保留記憶数カウンタの格納値である特図保留記憶数カウント値を1加算することなどにより、特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS205)。その後、CPU81は、演出制御基板12に対して特図保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行ってから(ステップS206)、始動入賞判定処理を終了する。この特図保留記憶数通知コマンドに応じて、演出制御基板12の側では、画像表示装置5の表示領域に設けられた特別図柄始動記憶表示エリアなどにて、特図保留記憶数を特定可能とする演出画像を表示させることができる。
以上のような始動入賞判定処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値に応じて、図29に示すステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定や、特図ゲームを開始する場合における各種の決定や設定などが行われる。ステップS111の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この特別図柄変動処理では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定が行われるとともに、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間が計測される。また、こうして計測された経過時間が変動パターンに対応して定められた特図変動時間に達したか否かの判定が行われる。
ステップS112の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄停止処理では、特図変動時間が経過したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出表示)させるための設定を行う。そして、演出制御コマンドとして、特図確定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定などを行う。この場合、演出制御基板12の側では、特図確定コマンドを受信したことに基づき、特図変動時演出を終了するための設定が行われればよい。なお、主基板11から演出制御基板12に対する特図確定コマンドの送信は行われないようにしてもよい。この場合、演出制御基板12の側では、特図変動開始コマンドに示された変動パターンなどに対応する特図変動時間を特定し、特図変動開始コマンドを受信してからの経過時間が特定された特図変動時間に達したときに、主基板11からの演出制御コマンドを受信しなくても、特別図柄の可変表示に対応して実行される演出を終了するための設定が行われるようにすればよい。ステップS113の小当り開放時処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この小当り開放時処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」となったことに対応して、可変入賞装置40に設けられた役物進入口31を、羽根開閉動作により開放状態や閉鎖状態に変化させるための制御などが行われる。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となったことや、役物開閉動作により開放状態となった役物進入口31から可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が特定領域49を通過(進入)したことに基づき、大当り遊技状態におけるラウンド遊技を開始するための設定が行われる。ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理では、大当り遊技状態にてラウンド遊技の実行を制御する処理などが実行される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理では、大当り遊技状態にて次のラウンド遊技に移行するか大当り遊技状態を終了するかの判定などが行われる。ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理では、大当り遊技状態の終了時における各種の設定や制御が行われた後に、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。以上のようなステップS110〜S117の処理では、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが実行される場合であるか、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが実行される場合であるかにかかわらず、特別図柄の変動表示や小当り遊技状態、大当り遊技状態などにおける遊技の進行を、共通の処理モジュールを用いて制御する。
図31は、図29のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図31に示す特別図柄通常処理において、CPU81は、まず、第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS221)。この実施の形態では、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口については、遊技球の通過が第2始動口スイッチ22Bによって検出されたときに第2特図を用いた特図ゲームが実行可能となる一方で、特図ゲームの保留記憶は行われないものとしている。
ステップS221にて第2始動口スイッチ22Bがオンであるときには(ステップS221;Yes)、例えば乱数回路84やランダムカウンタによって更新される遊技用乱数となる数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1、小当り種別決定用の乱数値MR2、特図変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(ステップS222)。このとき抽出された乱数値を示す数値データは、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。ステップS222の処理に続いて、遊技制御フラグ設定部152に設けられた変動特図指定フラグの値を“2”に更新する(ステップS223)。
ステップS221にて第2始動口スイッチ22Bがオフであるときには(ステップS221;No)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS224)。例えば、ステップS224の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている特図保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このとき、特図保留記憶数が「0」であれば(ステップS224;Yes)、第1特図による特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立していないことから、特別図柄通常処理を終了する。
ステップS224にて特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS224;No)、特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、小当り種別決定用の乱数値MR2、特図変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS225)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS225の処理に続いて、例えば特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、特図保留記憶数を1減少させるように更新するとともに、特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS226)。このときには、演出制御基板12に対して特図保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS227)。その後、変動特図指定フラグの値を“1”に更新する(ステップS228)。
ステップS223、S228の処理のいずれかを実行した後には、特図表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かを決定するための使用テーブルとして、特図表示結果決定テーブル130を選択してセットする(ステップS229)。例えば、ステップS229の処理では、ROM82における特図表示結果決定テーブル130の記憶アドレス(先頭アドレス)が、使用テーブルポインタにセットされる。CPU81は、こうして選択された特図表示結果決定テーブル130を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、特図表示結果を「大当り」や「小当り」、「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS230)。そして、ステップS230にて決定された特図表示結果が特定表示結果としての「大当り」であるか否かを判定する(ステップS231)。
ステップS231にて「大当り」であると判定されたときには(ステップS231;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS232)。これに対して、ステップS231にて「大当り」ではないと判定されたときには(ステップS231;No)、その特図表示結果が開放表示結果としての「小当り」であるか否かを判定する(ステップS233)。
ステップS233にて「小当り」であると判定されたときには(ステップS233;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS234)。このときには、小当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、小当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS235)。CPU81は、こうして選択された小当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された小当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データが、「小当りA」〜「小当りD」の各小当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、小当り種別を「小当りA」〜「小当りD」のいずれとするかを決定する(ステップS236)。こうして決定された小当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた小当り種別バッファの格納値である小当り種別バッファ値を設定することなどにより、決定された小当り種別を記憶させる(ステップS237)。一例として、小当り種別が「小当りA」であれば小当り種別バッファ値を「1」に設定し、小当り種別が「小当りB」であれば小当り種別バッファ値を「2」に設定し、小当り種別が「小当りC」であれば小当り種別バッファ値を「3」に設定し、小当り種別が「小当りD」であれば小当り種別バッファ値を「4」に設定する。
ステップS233にて「小当り」ではないと判定されたときや(ステップS233;No)、ステップS237の処理を実行した後には、遊技制御フラグ設定部152に設けられた有利状態フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS238)。ここで、パチンコ遊技機1における遊技状態が有利状態であるときには、有利状態フラグがオンとなっている。そして、有利状態フラグがオンであれば(ステップS238;Yes)、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた有利状態カウンタの格納値である有利状態カウント値を、1減算するように更新する(ステップS239)。有利状態カウンタには、大当り遊技状態の終了時に、有利状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数に対応したカウント初期値が設定される。したがって、ステップS239の処理により有利状態カウント値が1減算されることで、特図表示結果が「大当り」とならない特図ゲームが実行されるごとに、有利状態にて実行可能な特図ゲームの残存回数がカウントダウンされる。このときには、有利状態にて実行可能な特図ゲームの残存回数を通知するための有利状態残回数通知コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定が行われてもよい。あるいは、有利状態にて実行可能な特図ゲームの残存回数が演出制御基板80の側にて別個にカウントされる場合には、有利状態残回数通知コマンドの送信は行われなくてもよい。この場合、遊技状態が有利状態であるときには、例えば特図変動開始コマンドの送受信などに基づいて、演出制御基板80の側で有利状態における特図ゲームの残存回数がカウントされればよい。
ステップS239の処理を実行した後には、有利状態カウント値が「0」となったか否かを判定する(ステップS240)。このとき、有利状態カウント値が「0」であれば(ステップS240;Yes)、有利状態を終了することに対応して、遊技制御フラグ設定部152に設けられた有利状態終了フラグをオン状態にセットする(ステップS241)。
ステップS238にて有利状態フラグがオフであるときや(ステップS238;No)、ステップS240にて有利状態カウント値が「0」以外であるとき(ステップS240;No)、あるいは、ステップS232、S241の処理のいずれかを実行した後には、例えばステップS230にて決定された特図表示結果やステップS236にて決定された小当り種別などに対応して、確定特別図柄を決定する(ステップS242)。一例として、ステップS230にて決定された特図表示結果が「ハズレ」である場合に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に決定する。また、ステップS230にて決定された特図表示結果が「大当り」である場合に対応して、大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に決定する。さらに、ステップS230にて決定された特図表示結果が「小当り」である場合には、ステップS236にて決定された小当り種別に応じて、小当り図柄となる「2」、「4」、「6」、「8」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に決定する。すなわち、「小当りA」の小当り種別に対応して「2」の数字を示す特別図柄を確定特別図柄に決定し、「小当りB」の小当り種別に対応して「4」の数字を示す特別図柄を確定特別図柄に決定し、「小当りC」の小当り種別に対応して「6」の数字を示す特別図柄を確定特別図柄に決定し、「小当りD」の小当り種別に対応して「8」の数字を示す特別図柄を確定特別図柄に決定する。
ステップS242にて確定特別図柄を決定した後には、変動パターン決定処理を実行することにより、今回の特図ゲームに対応した変動パターンを決定する(ステップS243)。そして、ステップS243にて決定された変動パターンに対応した特図変動時間を設定する(ステップS244)。例えば、ステップS244の処理では、特図変動時間に応じて予め定められたタイマ初期値を、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにセットする。この場合には、図29に示すステップS111の特別図柄変動処理が実行されるごとに、例えば特図変動タイマの値を1減算するように更新し、その値が「0」になったときに、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達した旨の判定を行うようにすればよい。あるいは、ステップS244の処理では、特図変動タイマをクリアすることによりタイマ初期値として「0」をセットするとともに、特図変動時間に対応する特図変動終了判定値を設定するようにしてもよい。この場合には、図29に示すステップS111の特別図柄変動処理が実行されるごとに、例えば特図変動タイマの値を1加算するように更新し、その値が特図変動終了判定値に達したときに、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達した旨の判定を行うようにすればよい。
ステップS244にて特図変動時間を設定した後には、主基板11から演出制御基板12に対して特図変動開始時の各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS245)。例えば、変動特図指定フラグの値が“1”である場合には、第1特図変動開始コマンド、特図変動パターン指定コマンド、特図表示結果通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルを選択して、送信コマンドバッファにセットする。他方、変動特図指定フラグの値が“2”である場合には、第2特図変動開始コマンド、特図変動パターン指定コマンド、特図表示結果通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルを選択して、送信コマンドバッファにセットする。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は、任意に変更可能であり、例えば特図表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1特図変動開始コマンド又は第2特図変動開始コマンドを送信し、最後に特図変動パターン指定コマンドが送信されるようにしてもよい。
ステップS245の処理を実行した後には、変動特図指定フラグの値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS246)。一例として、変動特図指定フラグの値が“1”であれば、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の表示を更新させるための特別図柄表示制御データを、ROM82から読出可能にセットする。これに対して、変動特図指定フラグの値が“2”であれば、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の表示を更新させるための特別図柄表示制御データを、ROM82から読出可能にセットする。その後、セットされた特別図柄表示制御データに基づき第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bに駆動信号を送信することなどにより、変動特図指定フラグの値に応じて、第1特図あるいは第2特図の変動表示を開始させればよい。そして、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS247)、変動パターン設定処理を終了する。
図32(A)は、図31のステップS243にて実行される変動パターン決定処理の一例を示すフローチャートである。図32(A)に示す変動パターン決定処理において、CPU81は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS501)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS501;Yes)、今回の特図ゲームに対応した変動パターン種別を複数種別のいずれかに決定するための使用テーブルとして、変動パターン種別決定テーブル132Aを選択してセットする(ステップS502)。
ステップS501にて大当りフラグがオフであるときには(ステップS501;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS503)。このとき、小当りフラグがオンであれば(ステップS503;Yes)、変動特図指定フラグの値が“1”であるか“2”であるかを判定する(ステップS504)。そして、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが実行されることに対応して、変動特図指定フラグの値が“1”であるときには(ステップS504;“1”)、使用テーブルとして、変動パターン種別決定テーブル132Bを選択してセットする(ステップS505)。これに対して、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行されることに対応して、変動特図指定フラグの値が“2”であるときには(ステップS504;“2”)、使用テーブルとして、変動パターン種別決定テーブル132Cを選択してセットする(ステップS506)。
ステップS503にて小当りフラグがオフであるときには(ステップS503;No)、有利状態フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS507)。このとき、有利状態フラグがオフであれば(ステップS507;No)、特図保留記憶数カウント値が「3」以上であるか否かを判定する(ステップS508)。そして、特図保留記憶数カウント値が「3」未満であれば(ステップS508;No)、使用テーブルとして、変動パターン種別決定テーブル132Dを選択してセットする(ステップS509)。ステップS507にて有利状態フラグがオンであるときや(ステップS507;Yes)、ステップS508にて特図保留記憶数カウント値が「3」以上であるときには(ステップS508;Yes)、使用テーブルとして、変動パターン種別決定テーブル132Eを選択してセットする(ステップS510)。なお、ステップS507にて有利状態フラグがオンであるときにも、特図保留記憶数が所定数(例えば「1」など)以上であるか否かを判定し、その判定結果に応じて異なる決定テーブルを選択してもよい。例えば、有利状態フラグがオンである場合に、特図保留記憶数カウント値が「0」であればステップS509に進んで変動パターン種別決定テーブル132Dを使用テーブルに選択する一方、「1」以上であればステップS510に進んで変動パターン種別決定テーブル132Eを使用テーブルに選択してもよい。
ステップS502、S505、S506、S509、S510の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づき、ステップS502、S505、S506、S509、S510ののいずれかにてセットした使用テーブルを参照することにより、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS511)。続いて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルを、予め用意された複数の変動パターン決定テーブルのうちから選択してセットする(ステップS512)。
図32(B)は、ステップS512におけるテーブル選択設定の一例を示している。図32(B)に示すように、変動パターン決定テーブル133A〜133Cは、特図表示結果や変動特図指定フラグの値、有利開放モードフラグの状態などに応じて、いずれかが使用テーブルに選択される。ここで、特図表示結果が「ハズレ」又は「大当り」であるときや、特図表示結果が「小当り」で変動特図指定フラグの値が“1”であるときには、変動パターン決定テーブル133Aが選択されて使用テーブルにセットされる。その一方で、特図表示結果が「小当り」で変動特図指定フラグの値が“2”であるときには、有利開放モードフラグがオフであるかオンであるかに応じて、変動パターン決定テーブル133B、133Cのいずれかが選択されて使用テーブルにセットされる。なお、この実施の形態では、第2特図を用いた特図ゲームにおける特図表示結果は常に「小当り」となるので、特図表示結果が「ハズレ」又は「大当り」となるのは変動特図指定フラグの値が“1”であるときに限定される。
ステップS512の処理を実行した後には、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データに基づき、ステップS512にてセットした変動パターン決定テーブルを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定してから(ステップS513)、変動パターン決定処理を終了する。変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データは、ステップS513の処理が実行されるときに乱数回路84や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタなどから抽出されてもよいし、第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が検出されたときに抽出されたものを、乱数値MR1〜MR3とともに特図保留記憶部151Aや変動用乱数バッファに記憶しておいてもよい。
図33及び図34は、図29のステップS112にて実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄停止処理において、CPU81は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図確定表示中フラグがオンであるか否かを判定する(図33のステップS261)。ここで、特図確定表示中フラグは、特図ゲームにおける特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されたことに対応して、後述するステップS265の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS261にて特図確定表示中フラグがオフであるときには(ステップS261;No)、例えばROM82に記憶されている特別図柄表示制御データのうちで、確定特別図柄に対応した制御データの読出設定を行うといった、確定特別図柄を導出表示するための設定を行う(ステップS262)。このときには、特図確定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS263)。また、特図確定表示時間として予め定められた一定時間(例えば1000ms)を設定する(ステップS264)。例えば、ステップS264の処理では、特図確定表示時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御タイマ設定部153に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。そして、特図確定表示中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS265)、特別図柄停止処理を終了する。こうして、ステップS262の処理により確定特別図柄が導出表示された後に、ステップS264にて設定された特図確定表示時間が経過するまでは、タイマ割込みの発生に応じた特別図柄プロセス処理にて特別図柄停止処理が実行されるごとに、ステップS261にて特図確定表示中フラグがオンであると判定されることになる。
ステップS261にて特図確定表示中フラグがオンであるときには(ステップS261;Yes)、特図確定表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS266)。例えば、ステップS266の処理では、ステップS264の処理によりタイマ初期値が設定された遊技制御プロセスタイマの格納値である遊技制御プロセスタイマ値を読み取り、そのタイマ値が「0」となったか否かに応じて、特図確定表示時間が経過したか否かを判定すればよい。なお、遊技制御プロセスタイマ値は、そのタイマ値が「0」以外の値であれば、タイマ割込みの発生に基づき遊技制御用タイマ割込み処理が実行されるごとに、1減算されるように更新すればよい。このとき、特図確定表示時間が経過していなければ(ステップS266;No)、特別図柄停止処理を終了することで、特図確定表示時間が経過するまで待機する。ステップS266にて特図確定表示時間が経過したときには(ステップS266;Yes)、特図確定表示中フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS267)、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS268)。
ステップS268にて大当りフラグがオンであるときには(ステップS268;Yes)、大入賞口開放カウント初期値の設定を行う(ステップS269)。このときには、特図表示結果が「大当り」となったことに対応して、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた大入賞口開放カウンタに、大当り時ラウンド数の「15」が設定されればよい。そして、CPU81は、大当り状態開始待ち時間を設定する(ステップS270)。例えば、ステップS270の処理では、大当り状態開始待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。その後、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた大当り状態開始前フラグを、オン状態にセットする(ステップS271)。
ステップS271の処理に続いて、有利状態フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS272)。このとき、有利状態フラグがオンであれば(ステップS272;Yes)、大当り遊技状態へと制御されることに対応して、有利状態を一旦終了させるための処理を実行する。例えば、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当り時有利フラグをオン状態にセットする一方で(ステップS273)、有利状態フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS274)。また、有利状態カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化しておく(ステップS275)。ステップS273にて大当り時有利フラグをオン状態にセットすることにより、大当り遊技状態へと制御されるより前に遊技状態が有利状態であった旨を記憶しておくことができる。
ステップS272にて有利状態フラグがオフであるときや(ステップS272;No)、ステップS275の処理を実行した後には、有利状態終了フラグをクリアしてオフ状態としておく(ステップS276)。また、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS277)。そして、特図プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS278)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS268にて大当りフラグがオフであるときには(ステップS268;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS279)。このとき、小当りフラグがオフであれば(ステップS279;No)、有利状態終了フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS280)。このとき、有利状態終了フラグがオンであれば(ステップS280;Yes)、有利状態における特図ゲームの実行回数が所定の上限回数に達したことに対応して、有利状態を終了させるための処理を実行する。すなわち、有利状態終了フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS281)、有利状態フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS282)。そして、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態となったことを示す遊技状態指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS283)。
ステップS280にて有利状態終了フラグがオフであるときや(ステップS280;No)、ステップS283の処理を実行した後には、特図表示結果が「ハズレ」であることに対応して、特図プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS284)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS279にて小当りフラグがオンであるときには(ステップS279;Yes)、特図ゲームにおける特図表示結果が「小当り」となったことに対応して、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた役物開放前設定フラグをオン状態にセットしておく(図34のステップS285)。また、開放モード更新テーブル134を選択し、使用テーブルとしてセットする(ステップS286)。さらに、小当り種別バッファ値を読み出す(ステップS287)。そして、ステップS286にてセットした開放モード更新テーブル134を参照することにより、ステップS287での読出値に応じた有利開放モードフラグの更新を行う(ステップS288)。すなわち、小当り種別が「小当りA」又は「小当りB」であることに対応して小当り種別バッファ値が「1」又は「2」である場合には、有利開放モードフラグの更新を行わない。その一方で、小当り種別が「小当りC」であることに対応して小当り種別バッファ値が「3」である場合には、有利開放モードフラグをオン状態にセットするように変更する。これに対して、小当り種別が「小当りD」であることに対応して小当り種別バッファ値が「4」である場合には、有利開放モードフラグをクリアしてオフ状態とするように変更する。したがって、小当り種別が「小当りA」又は「小当りB」である場合には、開放モードが変更されない一方で、小当り種別が「小当りC」である場合には開放モードが有利開放モードに変更され、小当り種別が「小当りD」である場合には開放モードが通常開放モードに変更されることになる。
ステップS288の処理を実行した後には、小当りフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS289)、特図プロセスフラグの値を小当り開放時処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS290)、特別図柄停止処理を終了する。
図35は、図29のステップS113にて実行される小当り開放時処理の一例を示すフローチャートである。図35に示す小当り開放時処理において、CPU81は、まず、役物開放前設定フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS301)。このとき、役物開放前設定フラグがオンであれば(ステップS301;Yes)、役物開放前設定フラグをクリアしてオフ状態としておく(ステップS302)。こうして、ステップS302の処理により役物開放前設定フラグがオフ状態にクリアされた後には、タイマ割込みの発生に応じた特別図柄プロセス処理にて小当り開放時処理が実行されるごとに、ステップS301にて役物開放前設定フラグがオフであると判定されることになる。
ステップS302の処理に続いて、例えばROM82に記憶された役物開放動作制御パターンCYAを選択し、使用パターンとしてセットする(ステップS303)。このときには、例えば遊技制御タイマ設定部152に設けられた役物開放動作制御タイマをスタートさせることなどにより、役物開放制御時間が経過したか否かを判定可能に設定すればよい。また、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた役物内遊技球カウンタをクリアすることにより、その格納値である役物内遊技球カウント値を「0」に初期化しておく(ステップS304)。そして、演出制御基板12に対して小当り開始指定コマンドを送信するための設定を行ってから(ステップS305)、小当り開放時処理を終了する。
ステップS301にて役物開放前設定フラグがオフであるときには(ステップS301;No)、役物開放制御時間が経過したか否かを判定する(ステップS306)。このとき、役物開放制御時間が経過していなければ、ステップS303にてセットした役物開放動作制御パターンCYAに基づき、例えば羽根用ソレノイド53の駆動制御といった、役物開放動作の制御を行う(ステップS307)。例えば、ステップS307の処理では、役物開放動作制御パターンCYAから読み出した羽根用ソレノイド出力データが「01(オン)」であるか「00(オフ)」であるかに応じて、羽根用ソレノイド53に対する駆動信号の出力を開始又は停止し、役物開放時間又は役物閉鎖時間が経過するまで、駆動信号の出力状態を維持する。そして、役物開放時間又は役物閉鎖時間が経過したときには、次の羽根用ソレノイド出力データを読み出して駆動信号の出力状態を変更し、終了コードとなるまで、駆動信号の出力制御を繰り返せばよい。
ステップS307の処理を実行した後には、振分用ソレノイド52の駆動を開始させるか否かを判定する(ステップS308)。例えば、特図表示結果が「小当り」となる場合には、特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されるときに、振分動作制御パターンCZAを選択し、使用パターンにセットしておく。そして、この特図ゲームにおける可変表示開始タイミングからの経過時間を計測し、その経過時間が予め定められた経路閉鎖時間T20を経過するまでは、振分用ソレノイド52の駆動を停止して足模型51を下側位置に進出させることにより、球経路34を流下した遊技球に足模型51を接触させて、球経路36へと振り分けるように誘導させる。その後、経路閉鎖時間T20が経過したときには、振分動作制御パターンCZAから読み出した振分用ソレノイド出力データが「01(オン)」であることなどに基づき、振分用ソレノイド52の駆動を開始させる旨の判定がなされればよい。
ステップS308にて振分用ソレノイド52の駆動を開始させると判定されたときには(ステップS308;Yes)、例えば振分用ソレノイド52に対する駆動信号の出力を開始するといった、振分用ソレノイド52の駆動を開始するための設定を行う(ステップS309)。これに対して、ステップS308にて振分用ソレノイド52の駆動を開始させないと判定されたときには(ステップS308;No)、例えば振分動作制御パターンCZAから読み出された振分用ソレノイド出力データなどに基づいて、振分用ソレノイド52の駆動を停止させるか否かを判定する(ステップS310)。そして、振分用ソレノイド52の駆動を停止させると判定されたときには(ステップS310;Yes)、例えば振分用ソレノイド52に対する駆動信号の出力を停止するといった、振分用ソレノイド52の駆動を停止するための設定を行う(ステップS311)。
ステップS310にて振分用ソレノイド52の駆動を停止させないと判定されたときや(ステップS310;No)、ステップS309、S311の処理のいずれかを実行した後には、役物入賞球判定処理を実行してから(ステップS312)、小当り開放時処理を終了する。
ステップS306にて役物開放制御時間が経過したと判定されたときには(ステップS306;Yes)、予め定められた遊技球排出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS313)。そして、遊技球排出待ち時間が経過していなければ(ステップS313;No)、ステップS308の処理に進む。これに対して、遊技球排出待ち時間が経過したときには(ステップS313;Yes)、役物内遊技球カウント値が「0」であるか否かを判定する(ステップS314)。このとき、役物内遊技球カウント値が「0」であれば(ステップS314;Yes)、排出後設定処理を実行してから(ステップS315)、小当り開放時処理を終了する。
ステップS314にて役物内遊技球カウント値が「0」以外の値であるときには(ステップS314;No)、予め定められた排出異常判定時間が経過したか否かを判定する(ステップS316)。そして、排出異常判定時間が経過していなければ(ステップS316;No)、ステップS308の処理に進む。これに対して、排出異常判定時間が経過したときには(ステップS316;Yes)、異常報知処理を実行するループ処理に入り(ステップS317)、以後の処理には進まないように制御を行う。例えば、ステップS317の異常報知処理において、CPU81は、役物排出エラーに対応したEXTデータが含まれる各種異常報知指定コマンドなどを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行えばよい。
図36は、図35のステップS312にて実行される役物入賞球判定処理の一例を示すフローチャートである。図35に示す役物入賞球判定処理において、CPU81は、まず、役物カウントスイッチ23からの検出信号に基づき、役物カウントスイッチ23がオンであるか否かを判定する(ステップS521)。このとき、役物カウントスイッチ23がオンであれば(ステップS521;Yes)、役物入賞時における賞球払出設定が行われる(ステップS522)。なお、賞球払出設定が図26に示すステップS20の賞球処理にてまとめて行われる場合には、ステップS522の処理は実行されなくてもよい。あるいは、ステップS522の処理では、可変入賞装置40に進入(入賞)した遊技球が検出されたことを示すフラグをオン状態にセットするだけでもよい。
ステップS522の処理に続いて、役物内遊技球カウント値を1加算するように更新する(ステップS523)。また、演出制御基板12に対して役物入賞検出コマンドを送信するための設定を行う(ステップS524)。
ステップS521にて役物カウントスイッチ23がオフであるときや(ステップS521;No)、ステップS524の処理を実行した後には、特定領域スイッチ24からの検出信号に基づき、特定領域スイッチ24がオンであるか否かを判定する(ステップS525)。このとき、特定領域スイッチ24がオンであれば(ステップS525;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられたV入賞フラグをオン状態にセットする(ステップS526)。また、演出制御基板12に対してV入賞検出コマンドを送信するための設定を行う(ステップS527)。
ステップS525にて特定領域スイッチ24がオフであるときや(ステップS525;No)、ステップS527の処理を実行した後には、排出口スイッチ25からの検出信号に基づき、排出口スイッチ25がオンであるか否かを判定する(ステップS528)。このとき、排出口スイッチ25がオフであれば(ステップS528;No)、役物入賞球判定処理を終了する。これに対して、排出口スイッチ25がオンであるときには(ステップS528;Yes)、役物内遊技球カウント値を1減算するように更新してから(ステップS529)、役物入賞球判定処理を終了する。
図37は、図35のステップS315にて実行される排出後設定処理の一例を示すフローチャートである。図37に示す排出後設定処理において、CPU81は、まず、遊技制御フラグ設定部152に設けられた小当り終了演出待ちフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS541)。ここで、小当り終了演出待ちフラグは、小当り遊技状態の終了時における演出動作が実行されることに対応して、後述するステップS545の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS541にて小当り終了演出待ちフラグがオフであるときには(ステップS541;No)、振分用ソレノイド52の駆動を停止するための設定を行う(ステップS542)。ここで、例えば図35に示すステップS309の処理により振分用ソレノイド52の駆動を開始するための設定を行ったものの、ステップS310にて振分用ソレノイド52の駆動を停止すると判定されるよりも前に、ステップS314の処理にて役物内遊技球カウント値が「0」であると判定されて、ステップS311の処理が実行されなくなってしまう場合が考えられる。この場合でも、排出後設定処理においてステップS542の処理が実行されることで、振分用ソレノイド52の駆動を確実に停止させることができる。
ステップS542の処理を実行した後には、演出制御基板12に対して小当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS543)。また、小当り終了演出待ち時間を設定する(ステップS544)。そして、小当り終了演出待ちフラグをオン状態にセットしてから(ステップS545)、排出後設定処理を終了する。こうして、ステップS543にて小当り終了指定コマンドの送信設定が行われた後、ステップS544にて設定された小当り終了演出待ち時間が経過するまでは、タイマ割込みの発生に応じた特別図柄プロセス処理にて排出後設定処理が実行されるごとに、ステップS541にて小当り終了演出待ちフラグがオンであると判定されることになる。
ステップS541にて小当り終了演出待ちフラグがオンであるときには(ステップS541;Yes)、小当り終了演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS546)。このとき、小当り終了演出待ち時間が経過していなければ(ステップS546;No)、排出後設定処理を終了する。これに対して、小当り終了演出待ち時間が経過した場合には(ステップS546;Yes)、V入賞フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS547)。そして、V入賞フラグがオフであるときには(ステップS547;No)、有利状態終了フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS548)。そして、有利状態終了フラグがオンであれば(ステップS548;Yes)、有利状態における特図ゲームの実行回数が所定の上限回数に達したことに対応して、有利状態を終了させるための処理を実行する。すなわち、有利状態終了フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS549)、有利状態フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS550)。また、演出制御基板12に対して遊技状態が通常状態となったことを示す遊技状態指定コマンドを送信するための設定が行われてもよい。
ステップS548にて有利状態終了フラグがオフであるときや(ステップS548;No)、ステップS550の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS551)、排出後設定処理を終了する。
ステップS547にてV入賞フラグがオンであるときには(ステップS547;Yes)、大入賞口開放カウント初期値の設定を行う(ステップS552)。また、大当り状態開始待ち時間を設定する(ステップS553)。その後、大当り状態開始前フラグをオン状態にセットする(ステップS554)。続いて、有利状態フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS555)。このとき、有利状態フラグがオンであれば(ステップS555;Yes)、大当り遊技状態へと制御されることに対応して、有利状態を一旦終了させるための処理を実行する。すなわち、大当り時有利フラグをオン状態にセットする一方で(ステップS556)、有利状態フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS557)。また、有利状態カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化しておく(ステップS558)。
ステップS555にて有利状態フラグがオフであるときや(ステップS555;No)、ステップS558の処理を実行した後には、有利状態終了フラグをクリアしてオフ状態としておく(ステップS559)。そして、特図プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS560)、排出後設定処理を終了する。
図38は、図29のステップS114にて実行される大当り開放前処理の一例を示すフローチャートである。図38に示す大当り開放前処理において、CPU81は、まず、大当り状態開始前フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS321)。ここで、大当り状態開始前フラグは、大当り遊技状態への制御が開始されることに対応して、図33に示すステップS271の処理や図37に示すステップS554の処理により、オン状態にセットされる。
ステップS321にて大当り状態開始前フラグがオンであるときには(ステップS321;Yes)、大当り状態開始待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS322)。そして、大当り状態開始待ち時間が経過していなければ(ステップS322;No)、大当り開放前処理を終了することで、大当り状態開始待ち時間が経過するまで待機する。
ステップS322にて大当り状態開始待ち時間が経過したときには(ステップS322;Yes)、大当り状態開始前フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS323)。また、所定のラウンド開始待ち時間を設定する(ステップS324)。このとき設定されるラウンド開始待ち時間は、大当り遊技状態が開始されてから1回目のラウンドにて大入賞口60が開放状態となるまでの所要時間であり、大当り遊技状態の開始とともに1回目のラウンドが開始される場合には、ステップS324にて設定されるラウンド開始待ち時間を「0」とすればよい。その後、演出制御基板12に対して大当り開始指定コマンドを送信するための設定を行ってから(ステップS325)、大当り開放前処理を終了する。
ステップS321にて大当り開始前フラグがオフであるときには(ステップS321;No)、ラウンド開始待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS326)。このとき、ラウンド開始待ち時間が経過していなければ(ステップS326;No)、大当り開放前処理を終了することで、ラウンド開始待ち時間が経過するまで待機する。その一方で、ステップS326にてラウンド開始待ち時間が経過したときには(ステップS326;Yes)、入賞個数カウンタをクリアして、その格納値である入賞個数カウント値を「0」に初期化する(ステップS327)。また、大入賞口最大開放時間(例えば29000ms)を設定する(ステップS328)。このときには、開閉扉用ソレノイド54の駆動を開始する設定に基づき、大入賞口扉61により大入賞口60を開放状態として1回分のラウンドを開始させる(ステップS329)。さらに、演出制御基板12に対してラウンド開始コマンドを送信するための設定を行う(ステップS330)。そして、特図プロセスフラグの値を大当り開放中処理に対応した値である“5”に更新してから(ステップS331)、大当り開放前処理を終了する。
図39は、図29に示すステップS115にて実行される大当り開放中処理の一例を示すフローチャートである。図39に示す大当り開放中処理において、CPU81は、まず、大入賞口最大開放時間が経過したか否かを判定する(ステップS341)。このとき、大入賞口最大開放時間が経過していなければ(ステップS341;No)、入賞個数カウント値が所定の最大入賞判定値(例えば「9」)に達したか否かを判定する(ステップS342)。
ステップS342にて最大入賞判定値に達していないときには(ステップS342;No)、下方カウントスイッチ26からの検出信号に基づき、下方カウントスイッチ26がオンであるか否かを判定する(ステップS343)。このとき、下方カウントスイッチ26がオフであれば(ステップS343;No)、大当り開放中処理を終了する。これに対して、下方カウントスイッチ26がオンであるときには(ステップS343;Yes)、入賞個数カウント値を1加算するように更新してから(ステップS344)、大当り開放中処理を終了する。
ステップS341にて大入賞口最大開放時間が経過したときや(ステップS341;Yes)、ステップS342にて入賞個数カウント値が最大入賞判定値に達したときには(ステップS342;Yes)、開閉扉用ソレノイド54の駆動を停止する設定に基づき、大入賞口扉61により大入賞口60を閉鎖状態として1回分のラウンドを終了させる(ステップS345)。このときには、演出制御基板12に対してラウンド終了コマンドを送信するための設定を行う(ステップS346)。そして、特図プロセスフラグの値を大当り開放後処理に対応した値である“6”に更新してから(ステップS347)、大当り開放中処理を終了する。
図40は、図29のステップS116にて実行される大当り開放後処理の一例を示すフローチャートである。図40に示す大当り開放後処理において、CPU81は、まず、大入賞口開放カウント値が1減算されるように更新する(ステップS361)。このときには、更新後の大入賞口開放カウント値が「0」となったか否かを判定する(ステップS362)。そして、大入賞口開放カウント値が「0」以外であれば(ステップS362;No)、所定のラウンド開始待ち時間を設定するとともに(ステップS363)、特図プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS364)、大当り開放後処理を終了する。こうして、ステップS362の処理により更新後の大入賞口開放カウント値が「0」であると判定されるまでは、図29に示すステップS114〜S116の処理を繰り返し実行することにより、大当り遊技状態にて大入賞口を開放状態とする複数回のラウンドを実行させることができる。
ステップS362にて大入賞口開放カウント値が「0」であるときには(ステップS362;Yes)、大当り終了前時間を設定する(ステップS365)。このときには、演出制御基板12に対して大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS366)。その後、特図プロセスフラグの値を大当り終了処理に対応した値である“7”に更新してから(ステップS367)、大当り開放後処理を終了する。
図41は、図29のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図41に示す大当り終了処理において、CPU81は、まず、大当り終了前時間が経過したか否かを判定する(ステップS381)。このとき、大当り終了前時間が経過していなければ(ステップS381;No)、大当り終了処理を終了させることで、大当り終了前時間が経過するまで待機する。
ステップS381にて大当り終了前時間が経過したときには(ステップS381;Yes)、大当り時有利フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS382)。このとき、大当り時有利フラグがオンであれば(ステップS382;Yes)、大当り時有利フラグをクリアしてオフ状態としておく(ステップS383)。そして、V入賞フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS384)。ステップS384にてV入賞フラグがオフであれば(ステップS384;No)、有利状態中に特図表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御されたという有利状態中特図大当りに対応する有利状態カウント初期値を設定する(ステップS385)。例えば、ステップS385の処理では、有利状態カウンタに「15」のカウント初期値をセットすることにより、大当り遊技状態の終了後における有利状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数を「15」に設定する。その一方で、ステップS384にてV入賞フラグがオンであれば(ステップS384;Yes)、有利状態中に特図表示結果が「小当り」となり小当り遊技状態で遊技球がV入賞して大当り遊技状態に制御されたという有利状態中V入賞に対応する有利状態カウント初期値を設定する(ステップS386)。例えば、ステップS386の処理では、有利状態カウンタに「10」のカウント初期値をセットすることにより、大当り遊技状態の終了後における有利状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数を「10」に設定する。ステップS386の処理を実行したときには、V入賞フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS387)。
ステップS382にて大当り時有利フラグがオフであるときにも(ステップS382;No)、V入賞フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS388)。そして、ステップS388にてV入賞フラグがオフであれば(ステップS388;No)、通常状態中に特図表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御されたという通常状態中大当りに対応する有利状態カウント初期値を設定する(ステップS389)。例えば、ステップS389の処理では、有利状態カウンタに「5」のカウント初期値をセットすることにより、大当り遊技状態の終了後における有利状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数を「5」に設定する。その一方で、ステップS388にてV入賞フラグがオンであれば(ステップS388;Yes)、通常状態中に特図表示結果が「小当り」となり始動動作状態で遊技球がV入賞して大当り遊技状態に制御されたという通常状態中V入賞に対応する有利状態カウント初期値を設定する(ステップS390)。例えば、ステップS390の処理では、有利状態カウンタに「3」のカウント初期値をセットすることにより、大当り遊技状態の終了後における有利状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数を「3」に設定する。ステップS390の処理を実行したときには、V入賞フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS391)。
ステップS384、S387、S389、S391の処理のいずれかを実行した後には、有利状態フラグをオン状態にセットするとともに(ステップS392)、演出制御基板12に対して遊技状態が有利状態となることを示す遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS393)。そして、特図プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS394)、大当り終了処理を終了する。
図42は、普通図柄プロセス処理として、図26のステップS17にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図42に示す普通図柄プロセス処理において、CPU81は、まず、ゲート通過判定処理を実行する(ステップS130)。例えば、ステップS130のゲート通過判定処理では、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づき、ゲートスイッチ21がオンであるか否かを判定し、オフであれば、そのままゲート通過判定処理を終了する。これに対して、ゲートスイッチ21がオンであるときには、普図保留記憶部151Bにおける保留データの記憶数である普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウント値が、普図保留上限値として予め定められた値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、普図保留上限値に達していれば、通過ゲートにおける今回の遊技球の通過を無効として、ゲート通過判定処理を終了する。その一方で、普図保留上限値に達していない場合には、例えば乱数回路84や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データを抽出する。このとき抽出した乱数値MR5を示す数値データが、保留データとして普図保留記憶部151Bにおける空きエントリの先頭にセットされることで、乱数値MR5が記憶される。この場合には、普図保留記憶数カウント値を1加算するように更新してから、ゲート通過判定処理を終了する。
ステップS130のゲート通過判定処理を実行した後には、普図プロセスフラグの値に応じて、図42に示すステップS140〜S144の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS140の普通図柄通常処理は、普図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普通図柄表示装置20による普図ゲームを開始するか否かの判定や、普図ゲームを開始する場合における各種の決定や設定などが行われる。ステップS141の普通図柄変動処理は、普図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示装置20において普通図柄を変動させるための設定が行われるとともに、その普通図柄が変動を開始してからの経過時間が計測される。また、こうして計測された経過時間が所定の普図変動時間に達したか否かの判定が行われる。
ステップS142の普通図柄停止処理は、普図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普図変動時間が経過したことに基づき、普通図柄表示装置20にて普通図柄の変動を停止させ、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)させるための設定などを行う。ステップS143の普通電動役物作動処理は、普図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普図ゲームにおける可変表示結果(普図表示結果)が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bが備える可動翼片を垂直位置から傾動位置に移動させて、第2始動入賞口を通過不利状態から通過有利状態に変化させるための設定などが行われる。
図43は、図42のステップS140にて実行される普通図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図43に示す普通図柄通常処理において、CPU81は、まず、例えば普図保留記憶数カウント値などに基づいて、普図保留記憶があるか否か、すなわち、普図保留記憶数が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS601)。このとき、普図保留記憶数が「0」で普図保留記憶がなければ(ステップS601;No)、普図ゲームを実行するための普図始動条件が成立していないことから、そのまま普通図柄通常処理を終了する。
ステップS601にて普図保留記憶があるときには(ステップS601;Yes)、普図保留記憶部151Bから普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データを読み出す(ステップS602)。このときには、普図保留記憶部151Bにて保留番号「1」と関連付けて記憶されている保留データを読み出すことにより、普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データが読み出される。また、ステップS602の処理ではm、普図保留記憶カウント値を1減算するとともに、普図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された保留データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせればよい。
ステップS602の処理に続いて、普図表示結果を決定するための使用テーブルとして、普図表示結果決定テーブル135を選択してセットする(ステップS603)。そして、ステップS602にて読み出した乱数値MR5に基づき、ステップS603にてセットした普図表示結果決定テーブル135を参照することにより、普図表示結果を決定する(ステップS604)。このときには、ステップS604における決定結果が「普図当り」であるか否かの判定が行われる(ステップS605)。そして、「普図当り」であると判定された場合には(ステップS605;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた普図当りフラグをオン状態にセットする(ステップS606)。
ステップS605にて「普図当り」ではないと判定されたときや(ステップS605;No)、ステップS606の処理を実行した後には、普図変動時間を決定する(ステップS607)。例えば、ステップS607の処理では、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態であるか有利状態であるかや、ステップS604にて決定された普図表示結果が「普図当り」であるか否かなどに応じて、普図変動時間が複数種類のいずれかに決定されればよい。その後、普図プロセスフラグの値を普通図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS608)、普通図柄通常処理を終了する。
図44は、図42のステップS142にて実行される普通図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図44に示す普通図柄停止処理において、CPU81は、まず、普図確定表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS621)。ここで、普図確定表示中フラグは、普図ゲームにおける普図表示結果となる確定普通図柄が導出表示されたことに対応して、後述するステップS624の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS621にて普図確定表示中フラグがオフであるときには(ステップS621;No)、例えばROM82に記憶されている普通図柄表示制御データのうちで、確定普通図柄に対応した制御データの読出設定を行うといった、確定普通図柄を導出表示するための設定を行う(ステップS622)。このときには、普図確定表示時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS623)。そして、普図確定表示中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS624)、普通図柄停止処理を終了する。
ステップS621にて普図確定表示中フラグがオンであるときには(ステップS621;Yes)、普図確定表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS625)。このとき、普図確定表示時間が経過していなければ(ステップS625;No)、普通図柄停止処理を終了することで、普図確定表示時間が経過するまで待機する。ステップS625にて普図確定表示時間が経過したときには(ステップS625;Yes)、普図確定表示中フラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS626)、普図当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS627)。ステップS627にて普図当りフラグがオフであるときには(ステップS627;No)、普図表示結果が「普図ハズレ」であることに対応して、普図プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS628)、普通図柄停止処理を終了する。
ステップS627にて普図当りフラグがオンであるときには(ステップS627;Yes)、有利状態フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS629)。このとき、有利状態フラグがオフであれば(ステップS629;No)、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態であることに対応して、第1普電作動パターンCXAを選択し、使用パターンにセットする(ステップS630)。これにより、遊技状態が通常状態であるときには、普図ゲームにおける普図表示結果が「普図当り」となったときに、第2始動入賞口が100msにわたり1回通過有利状態となる始動開放動作が行われることになる。
ステップS629にて有利状態フラグがオンであるときには(ステップS629;Yes)、パチンコ遊技機1における遊技状態が有利状態であることに対応して、第2普電作動パターンCXBを選択し、使用パターンにセットする(ステップS631)。これにより、遊技状態が有利状態であるときには、普図ゲームにおける普図表示結果が「普図当り」となったときに、第2始動入賞口が4000msにわたり1回通過有利状態となる始動開放動作が行われることになる。なお、有利状態であるときには通常状態であるときよりも第2始動入賞口が通過有利状態に制御されやすくなるように、普電作動パターンの選択が行われればよい。すなわち、有利状態であるときには、通常状態であるときに比べて、第2始動入賞口が通過有利状態となる回数及び時間の少なくともいずれか一方が増加するように、普電作動パターンの設定が行われればよい。
ステップS630、S631の処理のいずれかを実行した後には、普図プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS632)、普通図柄停止処理を終了する。その後、普通電動役物作動処理では、普通図柄停止処理にてセットされた普電作動パターンの設定に応じて、普電用ソレノイド55を駆動するための駆動信号の生成が行われるようにすればよい。また、普通電動役物作動処理では、普電用ソレノイド55を駆動して第2始動入賞口を通過有利状態としてからの経過時間が計測され、その経過時間が普電作動パターンで指定された普電開放時間に達したか否かの判定が行われる。そして、経過時間が普電開放期間に達した場合には、普電用ソレノイド55の駆動を停止して可動翼片を傾動位置から垂直位置に戻すことにより、第2始動入賞口を通過有利状態から通過不利状態に変化させるための設定を行う。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用マイクロコンピュータ120が起動し、CPU91によって図45のフローチャートに示すような演出制御メイン処理が実行される。図45に示す演出制御メイン処理を開始すると、CPU91は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、演出制御用マイクロコンピュータ120におけるRAM93のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ms)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU91は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。CPU91は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、例えば図8に示す入出力ポート95のうちで、信号中継基板13を介して主基板11から伝送された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120におけるRAM93の演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、CPU91は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。他方、ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用の可動部材(演出用模型)における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる乱数値を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。演出用乱数更新処理を実行した後には、報知制御処理が実行され(ステップS77)、主基板11から伝送された異常入賞報知指定コマンドや各種異常報知指定コマンドの受信があった場合に、各種のエラー発生を各種の演出装置などにより報知させる制御を行う。その後、ステップS72の処理に戻る。
図46は、演出制御プロセス処理として、図45のステップS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この演出制御プロセス処理において、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU91は、演出制御フラグ設定部191に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S176の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの特図変動開始コマンドを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や各種演出動作を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の可変表示中演出設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示中演出設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、CPU91は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、演出用模型制御データといった演出制御実行データを読み出す。このとき読み出された演出制御実行データに従って、例えば表示制御部121へと伝送する表示制御信号の決定や、音制御部122へと伝送する効果音信号の決定、ランプ制御部123へと伝送する電飾信号の決定などといった、特図ゲームの実行中における各種の演出制御が行われる。そして、演出制御パターンから終了コードが読み出されると、所定の表示制御信号を表示制御部121に対して送信することなどにより、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄を表示させたり、特図ゲームの終了に対応した演出画像を表示させたりする。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、CPU91は、主基板11から送信された大当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り開始指定コマンドを受信したきには、大当り遊技状態が開始されることに対応して、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“5”に更新する。これに対して、主基板11からの大当り開始指定コマンドを受信することなく、小当り開始指定コマンドを受信したときには、小当り遊技状態が開始されることに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り開始指定コマンドと小当り開始指定コマンドのいずれも受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理は、例えば表示制御部121に対する表示制御信号の出力により小当り遊技状態に対応した演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音制御部122に対する効果音信号の出力によりスピーカ8L、8Rにおける音声出力動作を制御して小当り遊技状態に応じた音声を出力させること、ランプ制御部123に対する電飾信号の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作を制御して小当り遊技状態に応じた点灯・消灯・点滅の動作をさせることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を行う。また、小当り中演出処理では、主基板11からの大当り開始指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“5”に更新する。さらに、小当り中演出処理では、主基板11からの小当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS175の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、CPU91は、例えば表示制御部121に対する表示制御信号の出力により大当り遊技状態に対応した演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音制御部122に対する効果音信号の出力によりスピーカ8L、8Rにおける音声出力動作を制御して大当り遊技状態に応じた音声を出力させること、ランプ制御部123に対する電飾信号の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作を制御して大当り遊技状態に応じた点灯・消灯・点滅の動作をさせることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を行う。そして、主基板11からの大当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“6”に更新する。
ステップS176のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、CPU131は、例えば表示制御部121に対する表示制御信号の出力により大当り遊技状態の終了に対応した演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音制御部122に対する効果音信号の出力によりスピーカ8L、8Rにおける音声出力動作を制御して大当り遊技状態の終了に応じた音声を出力させること、ランプ制御部123に対する電飾信号の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作を制御して大当り遊技状態の終了に応じた点灯・消灯・点滅の動作をさせることといった、大当り遊技状態の終了に対応した各種の演出制御を行う。
図46に示すステップS174の小当り中演出処理内では、例えば図47のフローチャートに示すような役物入賞時演出処理が実行される。なお、第2特図を用いた特図ゲームにて特図表示結果が「小当り」となったことに基づく小当り遊技状態のみで役物入賞時演出が実行される場合には、例えば特図変動開始コマンドの受信履歴などに基づいて、小当り遊技状態に制御される契機となった特図ゲームが第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれによって実行されたかを特定し、第2特別図柄表示装置4Bによって実行された場合に限り、役物入賞時演出処理が実行されるようにすればよい。
図47に示す役物入賞時演出処理において、CPU91は、まず、演出制御フラグ設定部191に設けられた役物入賞時演出フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS701)。ここで、役物入賞時演出フラグは、役物入賞時演出となる演出動作を実行するための設定が行われたことに対応して、後述するステップS708の処理によりオン状態にセットされる一方、役物入賞時演出の終了に対応して、後述するステップS712の処理によりクリアされてオフ状態となる。
ステップS701にて役物入賞時演出フラグがオフであるときには(ステップS701;No)、役物入賞検出コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS702)。このとき、役物入賞検出コマンドの受信がなければ(ステップS702;No)、役物入賞時演出処理を終了する。これに対して、役物入賞検出コマンドの受信があった場合には(ステップS702;Yes)、役物入賞時演出の実行に使用する演出制御パターンを決定するためのテーブルとして、役物入賞時演出決定テーブル140を選択してセットする(ステップS703)。また、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた変動パターンバッファの格納値を読み出すことなどにより、小当り遊技状態に制御される契機となった特図ゲームにおける変動パターンを特定する(ステップS704)。そして、ステップS704にて特定された変動パターンに基づき、ステップS703にてセットした役物入賞時演出決定テーブル140を参照することにより、対応する演出制御パターンを使用パターンに決定する(ステップS705)。
ステップS705の処理に続いて、役物入賞時演出時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS706)。また、ステップS705にて決定された演出制御パターンに基づいて、役物入賞時演出となる演出動作を開始するための設定を行う(ステップS707)。その後、役物入賞時演出中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS708)、役物入賞時演出処理を終了する。
ステップS701にて役物入賞時演出フラグがオンであるときには(ステップS701;Yes)、役物入賞時演出時間が経過したか否かを判定する(ステップS709)。このとき、役物入賞時演出時間が経過していなければ(ステップS709;No)、ステップS705にて決定された演出制御パターンや演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、役物入賞時演出を実行するための制御を行い(ステップS710)、役物入賞時演出処理を終了する。
ステップS709にて役物入賞時演出時間が経過した場合には(ステップS709;Yes)、役物入賞時演出を終了するための設定を行う(ステップS711)。そして、役物入賞時演出フラグをクリアしてオフ状態としてから(ステップS712)、役物入賞時演出処理を終了する。
図48は、図47のステップS705にて決定された演出制御パターンに基づいて実行される役物入賞時演出における演出画像の表示動作例を示している。一例として、ステップS705にて演出制御パターンEPS1が使用パターンに決定された場合には、ステップS707における設定やステップS710における制御により、図48(A)に示すような「がんばって!!」のメッセージを含んだ演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させる。これに対して、ステップS705にて演出制御パターンEPS2が使用パターンに決定された場合には、ステップS707における設定やステップS710における制御により、図48(B)に示すような「チャンス!!」のメッセージを含んだ演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させる。こうして、ステップS705にて決定された演出制御パターンが複数種類のいずれであるかに応じて、役物入賞時演出における演出態様を異ならせることができる。例えば、演出制御パターンEPS2を用いた役物入賞時演出では、演出制御パターンEPS1を用いた役物入賞時演出に比べて高確率でV入賞が発生することに応じた演出態様となり、特定演出となる演出動作が実行される。
以下、パチンコ遊技機1における具体的な制御の一例について説明する。パチンコ遊技機1では、始動領域の1つとなる第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始され、第1特図の可変表示が行われる。その後、特図ゲームにおける可変表示結果としての特図表示結果が「大当り」となった場合には、大当り遊技状態に制御された後に、パチンコ遊技機1における遊技状態が有利状態となる。有利状態であるときには、通常状態であるときよりも、普通可変入賞球装置6Bに設けられた第2始動入賞口が通過有利状態となる割合を高める有利開放制御が行われる。
第1始動入賞口とは別個に設けられた始動領域の1つとなる第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始され、第2特図の可変表示が行われる。このときには、例えば図31に示すステップS223にて変動特図指定フラグの値が“2”に設定されたことに基づき、ステップS229にて選択された特図表示結果決定テーブル130を参照することなどにより、特図表示結果が「小当り」に決定される。この決定結果に基づいて、ステップS235にて選択された小当り種別決定テーブル131を参照することなどにより、ステップS236にて小当り種別が「小当りA」〜「小当りD」といった複数種類のいずれかに決定される。その後、図32(A)に示すステップS503にて小当りフラグがオンであると判定されたこと、及び、ステップS504にて変動特図指定フラグの値が“2”であると判定されたことに基づき、ステップS506にて選択された変動パターン種別決定テーブル132Cを参照することなどにより、小当り種別の決定結果が「小当りA」〜「小当りD」のいずれであるかに対応して、ステップS511の処理により変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−4のいずれかに決定される。
さらに、ステップS512では、特図表示結果が「小当り」であり、変動特図指定フラグの値が“2”あることに基づき、有利開放モードフラグがオフであるかオンであるかに応じて、変動パターン決定テーブル133B又は変動パターン決定テーブル133Cが選択される。そして、ステップS512にて選択された変動パターン決定テーブル133B又は変動パターン決定テーブル133Cを参照することなどにより、ステップS513にて第2特図の変動パターンが変動パターンPC1−1〜変動パターンPC1−4のいずれかに決定される。
図49(A)〜(D)は、第2特図を用いた特図ゲームにおいて変動パターンPC1−1又は変動パターンPC1−2に決定されたときに、小当り遊技状態などでの動作制御例を示すタイミングチャートである。図49(A)〜(D)では、横軸が時間の経過を示している。
変動パターンPC1−1に決定された場合には、例えば図49(B1)に示すように、第2特別図柄表示装置4Bにて第2特図の変動が開始されてから確定特別図柄が導出表示されて変動が停止するまでの特図変動時間が20000msとなる。この場合には、例えば図49(C1)に示すように、第2特図の変動が開始してから、特図変動時間に所定の特図確定表示時間(例えば1000ms)などを加算した羽根開放前時間T1が経過したときに、羽根用ソレノイド53の駆動が開始され、所定の役物開放制御時間T10(例えば5000ms)が経過するまでの期間において可変入賞装置40に設けられた役物進入口31が開閉される役物開閉動作が行われる。このときには、役物進入口31が2000msにわたり開放状態となる動作が、1000msのインターバルを挟んで2回繰り返される。このように、役物開閉動作では、役物進入口31の開放時間(1回あたり)が2000msで開放回数が2回となる。
変動パターンPC1−2に決定された場合には、例えば図49(B2)に示すように、第2特別図柄表示装置4Bにて第2特図の変動が開始されてから確定特別図柄が導出表示されて変動が停止するまでの特図変動時間が10000msとなる。この場合には、例えば図49(C2)に示すように、第2特図の変動が開始してから、変動パターンPC1−2に対応した羽根開放前時間T2が経過したときに、羽根用ソレノイド53の駆動が開始され、変動パターンPC1−1に決定された場合と同様の役物開閉動作が行われる。このように、役物開閉動作における役物進入口31の開放時間や開放回数は、小当り種別や変動パターンの決定結果にかかわらず一定である一方、第2特図の変動が開始された後に役物開閉動作が開始されるまでの羽根開放前時間は、変動パターンに対応して異なる時間となる。
特図表示結果が「小当り」となる場合には、例えば特図ゲームにおける可変表示が開始されるときに、振分動作制御パターンCZAが使用パターンに選択されてセットされる。そして、例えば図49(D)に示すように、特図ゲームにおける変動が開始されてから経路閉鎖時間T20(例えば10000ms)が経過するまでは、振分用ソレノイド52の駆動を停止する。振分用ソレノイド52の駆動が停止されているときには、可変入賞装置40の内部に設けられた足模型51が下側位置に進出することにより、球経路34を流下した遊技球には足模型51を接触させて、球経路36へと振り分けるように誘導させる。経路閉鎖時間T20が経過した後には、振分用ソレノイド52の駆動が開始され、経路開放時間T11(例えば9000ms)が経過するまでは、振分用ソレノイド52が駆動された状態を維持する。振分用ソレノイド52が駆動されたときには、足模型51が上側位置に退避することにより、球経路34を流下した遊技球には足模型51を接触させずに、ステージ35を経て特定領域49へと誘導させる。経路開放時間T11が経過すると、再び振分用ソレノイド52の駆動を停止して、足模型51を下側位置に進出させる。
図49(B1)や(C1)及び(D)に示すように、変動パターンPC1−1に決定された場合には、変動パターンPC1−1に対応した羽根開放前時間T1が経過するより前に、経路閉鎖時間T20及び経路開放時間T11が経過する。そして、役物開閉動作により役物進入口31が開放状態となるときには、既に振分用ソレノイド52の駆動が終了しており、足模型51が下側位置に進出した状態が維持される。そのため、役物進入口31から可変入賞装置40の内部に進入した遊技球は、球経路34を流下した後に足模型51に接触して、球経路36へと振り分けられて通常領域50へと誘導され、特定領域49を通過(進入)することがない。
これに対して、図49(B2)や(C2)及び(D)に示すように、変動パターンPC1−2に決定された場合には、変動パターンPC1−2に対応した羽根開放前時間T2が経過するより前に経路閉鎖時間20が経過する一方で、経路開放時間T11までは経過しておらず、役物開放動作が行われる役物開放制御時間T10が経過した後に、経路開放時間T11が経過する。すなわち、役物開閉動作により役物進入口31が開放状態となるときには、振分用ソレノイド52が駆動された状態であり、足模型51が上側位置に退避している。そして、役物開閉動作が終了した後も経路開放時間T11が経過するまでは、振分用ソレノイド52の駆動状態が維持される。したがって、役物進入口31から可変入賞装置40の内部に進入した遊技球は、球経路34を流下した後に足模型51には接触せずに、ステージ35へと振り分けられて特定領域49へと誘導され、特定領域スイッチ24によって検出される。
このように、特図表示結果が「小当り」となる場合には、変動パターンに対応した羽根開放前時間に応じて、遊技球が特定領域49を通過(進入)する確率が異なる。第2特図を用いた特図ゲームでは、小当り種別が「小当りB」であれば変動パターンPC1−2に決定され、役物進入口31から可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が必ず(100%の確率で)特定領域49を通過(進入)してV入賞が発生する。第2特図を用いた特図ゲームにおいて小当り種別が「小当りC」又は「小当りD」であれば変動パターンPC1−3又は変動パターンPC1−4に決定され、役物進入口31から可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が特定領域49を通過(進入)してV入賞が発生することがない(0%の確率となる)。第2特図を用いた特図ゲームにおいて小当り種別が「小当りA」であれば、有利開放モードフラグに対応した役物進入口31の開放モードに応じて、遊技球が特定領域49を通過(進入)してV入賞が発生する確率が変化するように、変動パターンが決定される。
有利開放モードフラグの状態(オフ/オン)は、図33に示すステップS279にて小当りフラグがオンであることに基づいて、図34のステップS286にて選択した開放モード更新テーブル134を参照することなどにより、ステップS288の処理により更新される。このときには、小当り種別バッファ値に対応して、小当り種別が「小当りA」又は「小当りB」であれば有利開放モードフラグの変更が行われない一方、小当り種別が「小当りC」であれば有利開放モードフラグがオン状態にセットされ、小当り種別が「小当りD」であれば有利開放モードフラグがクリアされてオフ状態となる。有利開放モードフラグがオフであるときには、特図表示結果が「小当り」で変動特図指定フラグの値が“2”であることに対応して、図32(A)に示すステップS512にて変動パターン決定テーブル133Bが選択される。これに対して、有利開放モードフラグがオンであるときには、特図表示結果が「小当り」で変動特図指定フラグの値が“2”であることに対応して、ステップS512にて変動パターン決定テーブル133Cが選択される。このように、小当り種別が「小当りC」又は「小当りD」といった所定の開放表示結果に決定されたことに基づいて、ステップS512にて選択される変動パターン決定テーブルを変更することで、変動パターンに対応した羽根開放前時間を変化させる。
一例として、図15(B)に示す変動パターン決定テーブル133Bが選択されたときには、小当り種別が「小当りA」である場合の変動パターン種別CA4−1に対応して、変動パターンPC1−1が使用パターンに決定される。その一方で、図15(C)に示す変動パターン決定テーブル133Cが選択されたときには、小当り種別が「小当りA」である場合の変動パターン種別CA4−1に対応して、変動パターンPC1−2が使用パターンに決定される。
ここで、図11に示す小当り種別決定テーブル131の設定例において、小当り種別が「小当りA」に決定される割合は、他の小当り種別「小当りB」〜「小当りD」に決定される割合よりも大幅に高くなっている。したがって、小当り種別が「小当りC」に決定されたことに基づき有利開放モードフラグがオン状態に変更されたことに対応して、図32(A)に示すステップS512にて変動パターン決定テーブル133Cが選択されることにより、変動パターンPC1−2の決定割合が、他の変動パターンPC1−1、変動パターンPC1−3及び変動パターンPC1−4の決定割合に比べて高くなる。これに対して、小当り種別が「小当りD」に決定されたことに基づき有利開放モードフラグがオフ状態に変更されたことに対応して、ステップS512にて変動パターン決定テーブル133Bが選択されることにより、変動パターンPC1−2の決定割合が、変動パターンPC1−1などの決定割合に比べて低くなる。そして、例えば変動パターンPC1−1に決定された場合には、役物進入口31から可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が特定領域49を通過(進入)してV入賞が発生する確率としての役物進入球V入賞確率が0%となる一方、変動パターンPC1−2に決定された場合には、役物進入球V入賞確率を100%となり、変動パターンPC1−2に決定されたときには、変動パターンPC1−1などに決定されたときに比べて遊技球が特定領域49を通過(進入)する確率を向上させる。
なお、第1特図を用いた特図ゲームでは、特図表示結果が「小当り」となる場合に、図32(A)に示すステップS504にて変動特図指定フラグの値が“1”であることに基づいて、ステップS505にて選択した変動パターン種別決定テーブル132Bを参照することなどにより、ステップS511にて変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−4のいずれかに決定され、変動パターンPC1−1と同じ特図変動時間か、より長い特図変動時間が設定される(図12(A)及び図15(A)などを参照)。したがって、第1特図を用いた特図ゲームで特図表示結果が「小当り」に決定された場合には、変動パターンに対応した羽根開放前時間の設定により、役物進入球V入賞確率が0%となり、V入賞の発生で大当り遊技状態に制御されることがない。したがって、小当り種別が「小当りC」や「小当りD」に決定されることは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利状態であるときに、第2特図を用いた特図ゲームで特図表示結果が「小当り」となったときにV入賞が発生する可能性に大きな影響を与える。そして、有利状態は、大当り遊技状態が終了した後に制御される遊技状態であることから、小当り種別が「小当りC」や「小当りD」に決定されることにより、大当り遊技状態の終了後にV入賞が発生して再び大当り遊技状態に制御される可能性(連チャン確率)が変化することになる。こうして、特図表示結果が「小当り」となる場合には、小当り種別が「小当りC」又は「小当りD」となるか否かにより連チャン確率が変化するか否かが決まるので、小当り種別に対する遊技者の注目を高めることができる。
特図表示結果が「大当り」となったことや、特定領域49を通過(進入)した遊技球が特定領域スイッチ24によって検出されたことに基づいて、大当り遊技状態に制御される。この大当り遊技状態が終了するときには、例えば図41に示すステップS385、S386、S389、S390の処理のいずれかにより設定された有利状態カウント初期値に応じて、特図ゲームの実行回数が所定回数に達して有利状態カウント値が「0」となるまで、パチンコ遊技機1における遊技状態を有利状態に制御することができる。ここで、大当り遊技状態が終了して有利状態に制御された後でも、小当り種別が「小当りC」又は「小当りD」に決定されるまでは、図32(A)に示すステップS512にて有利状態に制御される以前と同一の変動パターン決定テーブル133B又は変動パターン決定テーブル133Cが選択される。なお、第2特図を用いた特図ゲームで小当り種別が「小当りC」で変動パターンPC1−3に決定された場合や、第2特図を用いた特図ゲームで小当り種別が「小当りD」で変動パターンPC1−4に決定された場合には、役物進入球V入賞確率が0%となるので、有利開放モードフラグに対応した役物進入口31の開放モードが変更されるときには、V入賞の発生に基づく大当り遊技状態に制御されることがない。すなわち、大当り遊技状態に制御されるときには、役物進入口31の開放モードが変更されることがなく、大当り遊技状態に制御される前後において、同一の開放モードが継続することになる。
図32(A)に示すステップS512では、図32(B)に示すように、特図表示結果が「小当り」で変動特図指定フラグの値が“2”である場合に、有利開放モードフラグがオンであるかオフであるかに応じて、変動パターン決定テーブル133B又は変動パターン決定テーブル133Cが選択される。その一方で、特図表示結果が「ハズレ」又は「大当り」であるときや、特図表示結果が「小当り」で変動特図指定フラグの値が“1”であるときには、有利開放モードフラグの状態にかかわらず、変動パターン決定テーブル133Aが選択される。したがって、第2特図を用いた特図ゲームで特図表示結果が「小当り」となる場合以外は、小当り種別が「小当りC」又は「小当りD」となった後でも、これらの小当り種別に決定される以前と同一の変動パターン決定テーブル133Aが選択される。
特図表示結果が「小当り」となったことに基づく小当り遊技状態において、役物開閉動作により開放状態となった役物進入口31から可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が役物カウントスイッチ23によって検出されたときには、図36に示すステップS524における設定などに基づき、主基板11から演出制御基板12に対して役物入賞検出コマンドが送信される。演出制御基板12の側では、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU91が図47に示すステップS702にて役物入賞検出コマンドの受信ありと判定したことに基づいて、ステップS703にて選択した役物入賞時演出決定テーブル140を参照することなどにより、ステップS705にて変動パターンに対応した演出制御パターンESP1又は演出制御パターンESP2を使用パターンに決定する。こうして決定された演出制御パターンESP1又は演出制御パターンESP2に基づき、ステップS707における設定やステップS710における制御が行われることにより、例えば図48(A)又は(B)に示すような演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させるといった、役物入賞時演出となる演出動作が実行される。
図24に示す役物入賞時演出決定テーブル140の設定例では、変動パターンPC1−1、変動パターンPC1−3、変動パターンPC1−4といった、役物進入球V入賞確率が0%となる変動パターンであるときに演出制御パターンESP1が使用パターンに決定される。これに対して、変動パターンPC1−2といった役物進入球V入賞確率が100%となる変動パターンであるときには、演出制御パターンESP2が使用パターンに決定される。したがって、演出制御パターンESP2を用いた役物入賞時演出では、演出制御パターンESP1を用いた役物入賞時演出に比べて高確率でV入賞が発生することに応じた特定演出となる演出動作が実行される。
以上説明したように、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、小当り種別が「小当りC」又は「小当りD」に決定されたことに基づいて、図32(A)に示すステップS512にて特図表示結果が「小当り」で変動特図指定フラグの値が“2”であるときに選択される変動パターン決定テーブル133B又は変動パターン決定テーブル133Cを変更することで、変動パターンに対応した羽根開放前時間を変化させる。そして、変動パターンに対応した羽根開放前時間に応じて、遊技球が特定領域49を通過(進入)する確率を異ならせる。したがって、小当り種別が「小当りC」又は「小当りD」といった特定種類の開放表示結果となる前後で、遊技球が特定領域49を通過(進入)するV入賞の発生により大当り遊技状態に制御される確率が変化する。これにより、特図ゲームにおける特図表示結果が「小当り」となることに対する遊技者の注目を高めて遊技の興趣を向上させることができる。
小当り種別が「小当りC」に決定されたことに基づいて、変動パターンPC1−2の決定割合が変動パターンPC1−1などの決定割合に比べて高くなるように設定された変動パターン決定テーブル133Bが選択される。その一方で、小当り種別が「小当りD」に決定されたことに基づいて、変動パターンPC1−2の決定割合が変動パターンPC1−1などの決定割合に比べて低くなるように設定された変動パターン決定テーブル133Cが選択される。そして、変動パターンPC1−2に決定されたときには、変動パターンPC1−1などに決定されたときに比べて、遊技球が特定領域49を通過(進入)する確率を向上させる。したがって、小当り種別が「小当りC」に決定されることで、その後に第2特図を用いた特図ゲームで特図表示結果が「小当り」となったことに基づく小当り遊技状態にて可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が特定領域49を通過(進入)して大当り遊技状態に制御される確率(役物進入球V入賞確率)が向上する一方、小当り種別が「小当りD」に決定されることで、その後に第2特図を用いた特図ゲームで特図表示結果が「小当り」となったことに基づく小当り遊技状態にて役物進入球V入賞確率が低下する。これにより、小当り種別が「小当りC」となるか「小当りD」となるかに応じて遊技進行上の顕著な変化を生じさせ、特図表示結果が「小当り」となるときに遊技者の注目を高めて遊技興趣を向上させることができる。
大当り遊技状態が終了した後には、パチンコ遊技機1における遊技状態が有利状態に移行して、通常状態よりも第2始動入賞口が通過有利状態となる割合が高められる。その一方で、有利状態に制御された後でも、小当り種別が「小当りC」又は「小当りD」に決定されるまでは、図32(A)に示すステップS512にて有利状態に制御される以前と同一の変動パターン決定テーブル133B又は変動パターン決定テーブル133Cが選択される。したがって、例えば有利開放モードフラグがオンであり変動パターン決定テーブル133Cが選択される状態が継続すれば、大当り遊技状態の終了後に短時間でV入賞が発生して大当り遊技状態へと繰り返し制御される可能性が高まる。これにより、短時間のうちに大当り遊技状態へと繰り返し制御される期待感を高めて遊技興趣を向上させることができる。
第2特図を用いた特図ゲームで特図表示結果が「小当り」となる場合以外は、小当り種別が「小当りC」又は「小当りD」となった後でも、これらの小当り種別に決定される以前と同一の変動パターン決定テーブル133Aが選択される。したがって、第2特図を用いた特図ゲームで特図表示結果が「小当り」となる場合に変動パターンの決定割合が変化したことの印象が高められる。これにより、例えば有利開放モードフラグがオンであり変動パターン決定テーブル133Cが選択される状態が継続しているときには、小当り種別が「小当りD」に決定されて変動パターン決定テーブルの選択が変更されるまでに大当り遊技状態へと繰り返し制御される期待感を高めて遊技興趣を向上させることができる。
遊技球が特定領域49を通過(進入)する確率としての役物進入球V入賞確率が高い変動パターンPC1−2に決定されたことに基づいて、可変入賞装置40に遊技球が進入したときには役物入賞時演出において特定演出となる演出動作が実行される。これにより、遊技球が特定領域49を通過(進入)するV入賞の発生により大当り遊技状態に制御される期待感を高めて遊技興趣を向上させることができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、上記実施の形態では、役物進入口31から可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が、全て球経路34を流下した後、足模型51に接触するか否かにより、球経路36へと振り分けられて通常領域50へと誘導される場合と、ステージ35へと振り分けられて特定領域49へと誘導される場合とがあるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、可変入賞装置40の内部に、いずれも特定領域49へと遊技球を誘導可能な複数の経路を設けるようにしてもよい。この場合には、複数の経路のいずれを遊技球が通過したかに応じて、特定領域49へと誘導される確率を異ならせるようにしてもよい。
一例として、可変入賞装置40の内部には、第1の経路となるノーマルルートと、ノーマルルートよりも遊技球が特定領域49へと誘導される確率が高くなるように構成された第2の経路となるスペシャルルートとを設ける。より具体的には、ノーマルルートを通過した遊技球は5%の確率で特定領域49へと誘導される一方、スペシャルルートを通過した遊技球は25%の確率で特定領域49へと誘導されるように構成されていればよい。そして、可変入賞装置40の内部における役物進入口31の付近には、可変入賞装置40の内部に進入した遊技球の通過経路をノーマルルートとスペシャルルートのいずれかに設定する経路切替部材を設ける。
このような構成において、経路切替部材の動作態様により、第2特図を用いた特図ゲームにて特図表示結果が「小当り」となるときの変動パターンに対応した羽根開放前時間に応じて、遊技球の通過経路がノーマルルートとなるかスペシャルルートとなるかの割合である役物進入球振分割合を異ならせるようにすればよい。図50は、変動パターンPC1−1〜変動パターンPC1−4に応じた役物進入球振分割合の設定例を示している。図51(A1)〜(C)は、ノーマルルートとスペシャルルートとを設けた場合において、第2特図を用いた特図ゲームで変動パターンPC1−1又は変動パターンPC1−2となるときに、小当り遊技状態などでの動作制御例を示すタイミングチャートである。
特図表示結果が「小当り」となる場合には、例えば特図ゲームにおける可変表示が開始されるときに、経路切替動作制御パターンが選択されてセットされる。そして、例えば図51(C)に示すように、特図ゲームにおける変動が開始されてから上記実施の形態における経路閉鎖時間T20と同様の切替前時間(例えば10000ms)が経過するまでは、遊技球の通過経路がノーマルルートとなるように、経路切替部材を動作させる。切替前時間が経過した後には、例えば小当り遊技状態が終了するまで、所定時間(例えば4000ms)が経過するごとに、遊技球の通過経路をノーマルルートとスペシャルルートとで切り替える経路切替動作を行わせる。
そして、変動パターンPC1−1に決定された場合には、例えば図51(A1)に示すように、図49(B1)に示した場合と同様の第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動が行われる。この場合には、例えば図51(B1)に示すように、図49(C1)に示した場合と同様に羽根用ソレノイド53の駆動が行われる。これにより、例えば役物開閉動作において役物進入口31が1回目に開放状態となったときに進入した遊技球は全てノーマルルートへと振り分けられる一方で2回目に開放状態となったときに進入した遊技球は全てスペシャルルートへと振り分けられるようにするなどして、役物進入球振分割合がノーマルルート及びスペシャルルートともに50%となるようにすればよい。
また、変動パターンPC1−2に決定された場合には、例えば図51(A2)に示すように、図49(B2)に示した場合と同様の第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動が行われる。この場合には、例えば図51(B2)に示すように、図49(C2)に示した場合と同様に羽根用ソレノイド53の駆動が行われる。これにより、例えば役物開閉動作において役物進入口31が1回目に開放状態となったときに進入した遊技球は全てスペシャルルートへと振り分けられる一方で2回目に開放状態となったときに進入した遊技球は全てノーマルルートへと振り分けられるようにするなどして、役物進入球振分割合がノーマルルート及びスペシャルルートともに50%となるようにすればよい。
さらに、変動パターンPC1−3や変動パターンPC1−4に決定された場合には、各変動パターンに対応した羽根開放前時間などが経過してから羽根用ソレノイド53の駆動が行われることにより、変動パターンPC1−1や変動パターンPC1−2に決定された場合とは役物進入球振分割合を異ならせるようにすればよい。
このような構成及び設定においては、第2特図を用いた特図ゲームにおいて特図表示結果が「小当り」となる場合に、役物開閉動作により開放状態となった役物進入口31から可変入賞装置40の内部に進入した遊技球がノーマルルート及びスペシャルルートのいずれに振り分けられるかの役物進入球振分割合が、変動パターンに対応した羽根開放前時間に応じて異なることになる。そして、ノーマルルートとスペシャルルートのいずれに振り分けられた遊技球であっても、特定領域49を通過(進入)してV入賞が発生する可能性がある一方で、スペシャルルートを通過経路とした場合にはノーマルルートを通過経路とした場合よりも高い確率でV入賞が発生することになる。したがって、変動パターンに対応した羽根開放前時間に応じて、可変入賞装置40に進入した遊技球がノーマルルート及びスペシャルルートのいずれかを通過する割合を異ならせ、遊技球がノーマルルート及びスペシャルルートのいずれを通過したかに応じて、遊技球が特定領域49を通過(進入)する確率を異ならせる。これにより、遊技球が特定領域49を通過(進入)するV入賞の発生により大当り遊技状態に制御される期待感を様々に高めて遊技興趣を向上させることができる。
可変入賞装置40の内部には、遊技球がノーマルルートとスペシャルルートのいずれを通過したかを検出する検出スイッチを設け、その検出結果に応じて異なる演出態様の演出動作が実行されるようにしてもよい。この場合には、複数種類の演出態様のうちに、ノーマルルートとスペシャルルートのいずれを通過した場合でも実行可能な演出態様を設けるとともに、ノーマルルートとスペシャルルートのいずれを通過したかに応じて、その演出態様に決定される割合を異ならせるようにしてもよい。また、複数種類の演出態様のうちには、ノーマルルートとスペシャルルートのいずれかを通過した場合にのみ実行可能となる演出態様を設けるようにしてもよい。
例えば役物カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、可変入賞装置40の内部に遊技球が進入したときには、遊技球がノーマルルートとスペシャルルートのいずれに振り分けられるかの可能性を報知する演出動作が実行されるようにしてもよい。この場合には、例えば上記実施の形態における役物入賞時検出と同様に、第2特図を用いた特図ゲームで特図表示結果が「小当り」となる場合の変動パターンに対応した演出制御パターンを使用パターンに決定することなどにより、役物進入球振分割合に応じて異なる演出態様の演出動作が実行されるようにすればよい。
なお、遊技球がノーマルルートとスペシャルルートのいずれに振り分けられるかの役物進入球振分割合は、役物進入口31を閉鎖状態と開放状態とに変化させる羽根部材32の動作態様や、役物進入口41に進入する遊技球の動作態様などに応じて異ならせるようにしてもよい。例えば、羽根部材32が回動することにより役物進入口31を閉鎖状態と開放状態とに変化可能に配置され、役物進入口31の付近においてノーマルルートが下側にスペシャルルートが上側になるように設置する。そして、羽根部材32の転動面で遊技球がバウンドするなどして役物進入口31の付近において上側に投入された場合に限りスペシャルルートに振り分けられ、その他の遊技球(役物進入球)はノーマルルートに振り分けられるようにしてもよい。この場合、羽根部材32が可変入賞装置40の外側へ向かって回動することにより役物進入口31を閉鎖状態から開放状態へと変化させるときや、羽根部材32が可変入賞装置40の外側に開いた状態で停止しているときには、相当な速度で遊技球が遊技領域を落下して羽根部材32の転動面でバウンドするなどしない限り、スペシャルルートには振り分けられず、殆どの遊技球がノーマルルートへと振り分けられることになる。その一方で、羽根部材32が可変入賞装置40の外側から側面へ向かって回動することにより役物進入口31を開放状態から閉鎖状態へと変化させるときなどには、羽根部材32の転動面で遊技球がバウンドしやすくなり、スペシャルルートへと振り分けられる割合が向上するようにしてもよい。このときには、羽根部材32の先端部分でバウンドした方が、根本部分でバウンドした場合よりもスペシャルルートへと振り分けられる割合がより向上する。また、羽根部材32の先端部分に遊技球を保持するための鉤状部を設け、この鉤状部に引っかかった遊技球であれば、羽根部材32が回動して役物進入口31を閉鎖状態へと変化させるときに、役物進入口31の付近において上側に投げ上げられてスペシャルルートへと振り分けられることがあるようにしてもよい。
可変入賞装置40の内部にノーマルルート及びスペシャルルートを設けるとともに、双方の経路に上記実施の形態における足模型51と同様の振分部材を設けるようにしてもよい。そして、スペシャルルートでは、例えばノーマルルートに比べて振分用ソレノイド52を駆動する期間が長くなるように設定されることなどにより、遊技球が特定領域49へと誘導される確率が、ノーマルルートに比べて高くなるようにすればよい。図52は、遊技球が進入した通過経路としての遊技球進入経路がノーマルルートである場合とスペシャルルートである場合とに応じた、変動パターンPC1−1〜変動パターンPC1−4のそれぞれに対応する役物進入球V入賞割合の設定例を示している。図51(A1)〜(C)は、ノーマルルートとスペシャルルートとに振分部材を設けた場合において、第2特図を用いた特図ゲームで変動パターンPC1−1又は変動パターンPC1−2となるときに、小当り遊技状態などでの動作制御例を示すタイミングチャートである。
スペシャルルートに設けられた振分部材を移動させるための振分用ソレノイド52は、例えば図53(C)に示すように、特図ゲームにおける変動が開始されてから経路閉鎖時間T20が経過するまでは、その駆動が停止される。このときには、スペシャルルートを流下した遊技球を通常領域50へと誘導し、特定領域49には誘導しないように振分部材の配置を設定する。経路閉鎖時間T20が経過した後には、スペシャルルートに対応した振分用ソレノイド52の駆動が開始され、経路開放時間T12(例えば15000ms)が経過するまでは、この振分用ソレノイド52が駆動された状態を維持する。このときには、スペシャルルートを流下した遊技球を特定領域49へと誘導してV入賞を発生させるように振分部材の配置を設定する。ノーマルルートに設けられた振分部材については、上記実施の形態における足模型51と同様にして、例えば振分用ソレノイド52が図49(D)に示したようなタイミングで駆動と停止とが切り替えられるようにすればよい。
可変入賞装置40の内部に進入した遊技球がノーマルルートとスペシャルルートのいずれかに振り分けられる役物進入球振分割合は、図50に示したものと同様に設定されていればよい。そして、スペシャルルートに対応した振分用ソレノイド52における経路開放時間T12は、ノーマルルートに対応した振分用ソレノイド52における経路開放時間T11よりも長い時間となるように、予め設定されていればよい。したがって、例えば図53(A1)に示すような変動パターンPC1−1に応じて第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行された後に、図53(B1)に示すような羽根用ソレノイド53の駆動制御による役物開閉動作が行われた場合でも、例えば役物開閉動作において役物進入口31が2回目に開放状態となったときに進入してスペシャルルートに振り分けられた遊技球の一部が特定領域49へと誘導されてV入賞を発生させることができる。
例えば図53(A2)に示すような変動パターンPC1−2に応じて第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行された後に、図53(B2)に示すような羽根用ソレノイド53の駆動制御による役物開閉動作が行われた場合には、可変入賞装置40の内部に進入した遊技球がノーマルルート及びスペシャルルートのいずれに振り分けられたとしても、振分用ソレノイド52が駆動されている期間内に振分部材の設置位置を通過して特定領域49へと誘導されることで、V入賞を発生させることができる。
このような構成及び設定においては、第2特図を用いた特図ゲームにおいて特図表示結果が「小当り」となる場合に、役物開閉動作により開放状態となった役物進入口31から可変入賞装置40の内部に進入した遊技球がノーマルルート及びスペシャルルートのいずれに振り分けられるかの役物進入球振分割合が、変動パターンに対応した羽根開放前時間に応じて異なることになる。そして、スペシャルルートに振り分けられた場合にはノーマルルートに振り分けられた場合よりも高い確率でV入賞が発生する一方で、その発生確率は、変動パターンに対応した羽根開放前時間に応じて変化することになる。したがって、変動パターンに対応した羽根開放前時間に応じて、可変入賞装置40に進入した遊技球がノーマルルート及びスペシャルルートのいずれかを通過する割合を異ならせ、遊技球がノーマルルート及びスペシャルルートのいずれを通過したかだけでなく、変動パターンに対応した羽根開放前時間にも応じて、遊技球が特定領域49を通過(進入)する確率を異ならせる。これにより、遊技球が特定領域49を通過(進入)するV入賞の発生により大当り遊技状態に制御される期待感を様々に高めて遊技興趣を向上させることができる。
遊技球がノーマルルートとスペシャルルートのいずれを通過したかの検出結果に応じた演出動作や、ノーマルルートとスペシャルルートのいずれに振り分けられるかの可能性を報知する演出動作については、前述の場合と同様に実行されるようにしてもよい。また、ノーマルルートとスペシャルルートのいずれを通過したかの検出結果に応じた演出動作を実行する際に、変動パターンに対応した羽根開放前時間などに応じて異なる決定割合で演出態様を決定することにより、遊技球が特定領域49を通過(進入)してV入賞が発生する確率を認識できるように報知してもよい。
上記実施の形態において、第1特図を用いた特図ゲームでは、特図表示結果が「小当り」となる場合に、小当り遊技状態における役物開閉動作にて開放状態となった役物進入口31から可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が特定領域49を通過(進入)することがなく、特図表示結果が「大当り」とならない限り、大当り遊技状態に制御されることがないものとして説明した。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームにおける特図表示結果が「小当り」となった場合にも、所定確率でV入賞が発生して大当り遊技状態に制御されることがあるようにしてもよい。この場合には、小当り種別に基づき使用パターンに決定される変動パターンに対応した羽根開放前時間などに応じて、遊技球が特定領域49を通過(進入)してV入賞が発生する確率を、異ならせるようにしてもよい。
上記実施の形態では、第2特図を用いた特図ゲームにおいて特図表示結果が「小当り」となる場合に、小当り種別を「小当りA」〜「小当りD」のいずれとするかの決定結果に対応して予め定められた1つの変動パターン種別にのみ決定され、変動パターン種別の決定結果に対応して予め定められた1つの変動パターンにのみ決定されるものとして説明した。これに対して、小当り種別の決定結果に応じて異なる決定割合で、複数種類の変動パターン種別のいずれかに決定され、変動パターン種別の決定結果に応じて異なる決定割合で、複数種類の変動パターンのいずれかに決定されるようにしてもよい。このような場合には、変動パターンに対応した羽根開放前時間に応じて役物進入球V入賞確率が異なり、変動パターン種別の決定結果に応じた変動パターンの決定割合や、小当り種別の決定結果に応じた変動パターン種別の決定割合に基づいて、小当り種別ごとの平均的な役物進入球V入賞確率が定められるようにすればよい。複数種類の変動パターン種別のうちには、異なる小当り種別に決定された場合でも選択可能な変動パターン種別が含まれていてもよいし、いずれかの小当り種別に決定された場合にのみ選択可能な変動パターン種別が含まれていてもよい。また、複数種類の変動パターンのうちには、異なる変動パターン種別に決定された場合でも選択可能な変動パターンが含まれていてもよいし、いずれかの変動パターン種別に決定された場合にのみ選択可能な変動パターンが含まれていてもよい。
上記実施の形態では、第2特図を用いた特図ゲームを開始するときに小当り種別が「小当りA」に決定された場合に、役物進入口31の開放モードが通常開放モードであるか有利開放モードであるかにかかわらず、変動パターン種別CA4−1に決定された後、通常開放モードであれば変動パターンPC1−1に決定され、有利開放モードであれば変動パターンPC1−2に決定されるものとして説明した。これに対して、第2特図を用いた特図ゲームを開始するときに小当り種別が「小当りA」に決定された場合には、例えば変動パターン種別の決定内容を異ならせることにより、変動パターンの決定内容を異ならせるようにしてもよい。一例として、変動パターン種別CA4−1には、役物進入口31の開放モードが通常開放モードであるか有利開放モードであるかにかかわらず、変動パターンPC1−1のみが含まれるものとする。そして、第2特図を用いた特図ゲームを開始するときに小当り種別が「小当りA」に決定された場合に、通常開放モードであれば変動パターン種別CA4−1に決定され、有利開放モードであれば変動パターン種別CA4−2に決定されるようにすればよい。その後、変動パターン種別CA4−1に決定された場合には変動パターンPC1−1に決定される一方、変動パターン種別CA4−2に決定された場合には、小当り種別が「小当りB」に決定された場合と同様に、変動パターンPC1−2に決定されるようにすればよい。
上記実施の形態では、小当り種別が「小当りC」に決定されたことに基づいて、役物進入口31の開放モードが有利開放モードとなり、小当り種別が「小当りD」に決定されたことに基づいて、通常開放モードとなるものとして説明した。これに対して、役物進入口31の開放モードが有利開放モードとなった後、所定回数の特図ゲームが実行されたときに、開放モードが通常開放モードへと復帰するようにしてもよい。この場合には、小当り種別の決定結果に応じて、有利開放モードとなってから通常開放モードとなるまでに実行可能な特図ゲームの回数を異ならせるようにしてもよい。具体的な一例として、小当り種別が「小当りC」又は「小当りD」に決定された場合に、開放モードを有利開放モードとする制御が開始されるものとし、小当り種別が「小当りC」であれば有利開放モードにて実行可能な特図ゲームの回数を「10」とする一方、小当り種別が「小当りD」であれば有利開放モードにて実行可能な特図ゲームの回数を「3」とするように設定すればよい。
上記実施の形態において、有利状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数は、特図表示結果が「大当り」である場合か「小当り」の後にV入賞が発生した場合かに応じて、また、大当り遊技状態となる以前の遊技状態が通常状態か有利状態かに応じて、異なる回数に設定されるものとして説明した。これに対して、有利状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数は、大当り遊技状態に制御されるまでの経緯にかかわらず、一定回数に設定されるようにしてもよい。また、有利状態が終了する以前に大当り遊技状態に制御された回数(いわゆる「連チャン回数」)が所定回数に達した場合には、大当り遊技状態の終了後に有利状態となることなく通常状態に制御されるようにしてもよい。
上記実施の形態では、図24に示した役物入賞時演出決定テーブル140の設定例に基づき、変動パターンに対応した演出制御パターンを使用パターンに決定することにより、変動パターンに対応した羽根開放前時間に応じて異なる演出態様で役物入賞時演出が実行されるものとして説明した。これに対して、例えば変動パターンに応じて異なる決定割合で、演出制御パターンを複数種類のいずれかに決定することにより、変動パターンに対応した羽根開放前時間に応じて異なる割合で役物入賞時演出における演出態様が決定されるようにしてもよい。
上記実施の形態では、特図ゲームにおける特別図柄の変動が開始されてから羽根用ソレノイド53の駆動開始により役物進入口31を開放状態とするまでの時間を羽根開放前時間とし、この羽根開放前時間を変動パターンに応じて異ならせるものとして説明した。これに対して、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されてから役物進入口31を開放状態とするまでの時間を羽根開放前時間とし、この羽根開放前時間を変動パターンに応じて異ならせるようにしてもよい。この場合には、振分用ソレノイド52の駆動が開始されるタイミングを、確定特別図柄が導出表示されてから一定時間とすることにより、変動パターンに対応した羽根開放前時間に応じて、可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が特定領域49を通過(進入)してV入賞が発生する確率を異ならせることができる。
上記実施の形態では、第2特図を用いた特図ゲームについては保留記憶が行われず、図31に示すステップS221にて第2始動口スイッチ22Bがオンであると判定されたときに、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行されるものとして説明した。これに対して、第2特図を用いた特図ゲームについても第1特図を用いた特図ゲームと同様に保留記憶を可能にしてもよい。そして、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が検出されたことに対応して特図ゲームの保留記憶を行い、図31のステップS221では、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶があるか否かを判定すればよい。このとき、保留記憶があれば先頭のエントリに対応する保留データ(例えば特図表示結果決定用の乱数値MR1、小当り種別決定用の乱数値MR2、特図変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなど)を読み出して、ステップS222、S223やステップS229〜S247の処理を実行すればよい。また、パチンコ遊技機1における遊技状態が有利状態であるときに、通常状態とは異なる演出動作が実行されて有利状態であることを特定可能にする場合には、有利状態にて保留記憶された第2特図を用いた特図ゲームが終了するまでは、有利状態に対応した演出動作が継続して実行されるようにしてもよい。
ここで、第2特図を用いた特図ゲームで特図表示結果が「小当り」となった場合には、小当り種別や変動パターンの決定結果に基づいて、役物開閉動作により開放状態となった役物進入口31から可変入賞装置40の内部に進入した遊技球が特定領域49を通過(進入)してV入賞が発生し、大当り遊技状態に制御されることがある。そして、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されれば、有利状態が終了した後であっても、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶が「0」となるまでは、V入賞が発生して大当り遊技状態に制御された後に、再び有利状態となる可能性が残されている。したがって、有利状態にて保留記憶された第2特図を用いた特図ゲームが終了するまでは、有利状態に対応した演出動作が継続して実行されることにより、V入賞の発生に基づく大当り遊技状態の終了後に再び有利状態に制御される期待感を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。